鉄の評価 S

鉄は16種類の必須ミネラルのうちの一つで、微量ミネラルに分類しています。

鉄は体の中に3~4g存在しています。
鉄は赤血球を構成するヘモグロビンの成分となり、全身の細胞や組織に酸素を運ぶ役割をしています。

体内の鉄の約70%が血液中の赤血球をつくっているヘモグロビンの成分になって、酸素を運ぶ働きをしています。のこりの約25%は肝臓などに貯蔵されています。これは酸素を運ぶ役割をしている鉄が不足した時のためにに蓄えている鉄です。体内の鉄の0.3%は、酵素の構成成分にもなっています。

酸素を運ぶ働きをしている鉄を機能鉄と呼んでいます。
その機能鉄が不足した時のために蓄えられている鉄のことを貯蔵鉄と呼んでいます。

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赤血球の働き

鉄を学ぶ上で赤血球を知る必要がありますので簡単に説明します。

赤血球は人の血液に含まれている成分で、全身の細胞に酸素を運ぶことが一番の働きです。この酸素を運ぶという仕事は赤血球の成分であるヘモグロビンが役割を担っています。

ヘモグロビンはおおよそ赤血球の3割を占めています。

ヘモグロビンは、呼吸でとり込んだ酸素と結びつき、酸素を肺から体のすみずみまで運ぶという重要な働きをしています。

酸素を運ぶために必要不可欠なのがヘモグロビンというわけです。

そのヘモグロビンはなにでできているのかというとは鉄とたんぱく質でできています。

 

 

 

 

 

赤血球はこのような真ん中くぼんだ円形をしていて、この中にヘモグロビンなどが含まれています。

鉄の摂取目的

髪や肌の「細胞」に十分酸素を運ぶため、「普段」「夜のほう」の生活に支障が起きないよう貧血予防のため

 摂取目的
髪「薄毛」「白髪」
肌「美肌」「美白」
体力 「普段」「夜のほう」
その他「血液」「細胞」

鉄の効果・効能

酸素
体内の鉄の約70%が血液の中にある赤血球のヘモグロビンの構成成分となり、酸素を全身の細胞や組織に運ぶ重要な働きをしています。鉄は酸素とくっつきやすい性質があります。鉄とたんぱく質でできているヘモグロビンが酸素をくっつけることによって、全身への細胞に酸素を届けることができるのです。これは貧血の予防、エネルギーづくりに関係してきます。

貧血
貧血とは赤血球の中で酸素と結合するヘモグロビンが少なくなって、体内で酸素不足になった状態のことです。ヘモグロビンが少なくなっているとは構成成分である鉄不足が要因です。
エネルギー
エネルギーは、3大栄養素が、呼吸によって取り込んだ酸素と結びつくことによって生まれます。酸素を運ぶ役割がある鉄が不足していると、エネルギーが上手に作られなくなり疲労や倦怠につながります。

抗酸化
活性酸素は体内に増えすぎると細胞、組織を酸化させます。体のサビの原因とされ老化につながります。活性酸素を除去するには体内にある抗酸化酵素を増やすか、外から抗酸化成分をもっている栄養素を取り入れる必要があります。鉄は抗酸化酵素のカタラーゼやSOD(スーパーオキシドジスムターゼ)の構成成分となっています。

鉄のサプリメントによくあるキャッチフレーズ集

  • フラフラ対策に
  • 貧血や立ちくらみが気になる方に
  • 赤血球を作るのに必要な栄養素
  • 不足しやすい必須ミネラル
  • 女性に不足しがちな成分
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鉄の摂取量、不足、過剰

鉄の摂取量
1日に摂取する鉄分量の目安は、成人男性で7~7.5mg、成人女性では6~6.5mgです。生理の方は+4mgほど多めにとることを勧められています。10代前半の思春期の男女ともこの数値より多くなり推奨量は10mgほどになります。
 
鉄の不足
鉄の不足によって起こる欠乏症は、ずばり貧血です。貧血の原因の80~90%は鉄が不足といわています。ヘモグロビンの主成分である鉄が少ないと、酸素とのくっつきがわるくなり、酸素を届ける能力がへってしまいます。酸素不足により貧血がおこってしまうわけです。貧血になることで、頭痛、めまい、動悸、立ちくらみ、息切れ、食欲不振、疲れやすくなるといった症状が起こります。
 
鉄の過剰
鉄は不足気味で過剰による心配はあまりありません。食事から取る鉄は一般的に吸収率が低いというのも理由の一つです。ただサプリメントなどを大量に摂取することで過剰になることがあります。過剰の状態が長期間つづくと肝障害のリスクが高まります。最悪、肝硬変や肝ガンにつながることもあります。

鉄の豆知識

ヘム鉄、非ヘム鉄
鉄を含む食材の中に、食べたときに体内に吸収されやすい鉄分とそうでないものがあります。野菜や海藻に含まれる鉄分を「非ヘム鉄」といい、肉や魚に含まれている鉄分は「ヘム鉄」といいます。非ヘム鉄は1~8%ぐらいしか吸収されないのに対して、ヘム鉄は10%~30%が吸収されるといわれています。食事から鉄を取る場合、ヘム鉄を積極的に摂取する必要があります。
 
世界の三大微量栄養素欠乏症
鉄は世界の3大微量栄養素素欠乏症の一つです。残る二つはビタミンAとヨウ素です。あくまでも世界の基準です。日本人にとって鉄以外の2つの成分はそんなに不足を心配する必要のないものです。ただ鉄は日本人にとって不足気味といえ、若い女性にはとくに不足しているといわれています。

鉄のイメージ

食べ物だったらレバー 写真はレバニラ炒め

酸素を運ぶための重要な成分

鉄と相性の良い栄養成分

・ビタミンC
・ビタミンB群
・銅

鉄の相性の悪い栄養成分

・カルシウム

鉄の勝手にランキング

髪(白髪)部門 第13位
体力(普段)部門 第15位
体力(夜のほう)部門 第9位

鉄のレーダーチャート解説

評価基準

  • 6 
    このカテゴリーに効果があることで有名。即効性があったり、継続して摂取することで効果を感じる
  • 5 
    このカテゴリーに効果があることで有名。継続して摂取することでなんとなく効果を感じる

  • このカテゴリーに効果があるといわれている。効果が得られることを期待して飲んでいる
  • 3.5 
    このカテゴリーに効果があるといわれているが、個人的に摂取目的としていない

  • このカテゴリーになんらかの効果があるもの

  • このカテゴリーとはあまり関係ないと思われる

  • このカテゴリーとは関係ないと思われる

※4以上が摂取目的となっているカテゴリー 

 

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鉄 総合評価 S 16

 総合評価について
5つのカテゴリーのうち、評価が高い上位3つのカテゴリーを足したものです。「B~SS」でつけています。
SS  18点
S  16点以上
A+ 14点以上
A  12点以上
B+ 10点以上
B  9点以下

髪(白髪)評価5.5 
鉄は白髪予防にも最適です。鉄は過酸化水素を分解する抗酸化酵素「カタラーゼ」の構成成分です。

過酸化水素は活性酸素の一種で、黒髪のもとであるメラニンを作り出すときに働く酵素チロシナーゼを破壊する働きをします(メラニンはチロシンとチロシナーゼが結合することで生成されます)。チロシナーゼが減ってしまうことはメラニンの生成量の減少につながり白髪になる可能性を高めてしまいます。

過酸化水素を分解するのは体内に備わっている抗酸化酵素「カタラーゼ」と「グルタチオンペルオキシダーゼ」です。この2つの抗酸化酵素が働くことで、過酸化水素を分解を促進してチロシナーゼの減少を防いでいます。
ただこれら抗酸化酵素は加齢とともに減ってしまいます。
カタラーゼの構成成分である鉄を摂取することは加齢とともに減ってしまうカタラーゼを増やすことになり白髪になるのを防ぐことになります。

髪(薄毛)評価5
鉄はヘモグロビンの成分となり、全身の細胞、組織に酸素を届ける役割をします。抜け毛の予防には頭皮にある毛母細胞の細胞分裂を活性化する必要があります。毛母細胞とは、毛乳頭付近の細胞のことです。

髪の毛は毛細血管から栄養素や酸素を受けとった毛乳頭が毛母細胞に受け渡し、毛母細胞が細胞分裂することで作られます。毛母細胞に酸素が行き届かないと健康な髪の毛が作られないということになります。酸素の供給という点で鉄は薄毛予防になる栄養成分です。

肌(美肌、美白) 評価4.5
肌荒れに鉄は関係しています。鉄は肌の細胞にも酸素を運びます。酸素が運ばれないないと肌の新陳代謝がしっかりおこなわれず、肌のターンオーバーが乱れたります。ターンオーバーとは新しい肌が生まれて、古い肌の老廃物を取り除かれる過程です。ターンオーバーが乱れると肌のバリア機能も衰え、シミ、しわ、くすみが目立ちます。

体型(ダイエット)評価3.5
鉄の酸素を運ぶという役割はエネルギー代謝にもかかわってきます。エネルギーは、栄養素が、呼吸によって取り込んだ酸素と結びつくことによって生まれるのです。酸素不足はエネルギー代謝が落ちることにつながり、とくに基礎代謝が落ちる可能性があります。基礎代謝が落ちると肥満につながります。アメリカでは鉄不足が肥満につながるという調査結果がでています。

体力(普段、夜のほう)評価5
鉄が不足すると貧血になります。貧血は疲れやすくなり、頭痛、めまい、動悸、立ちくらみなどの症状が現れます。貧血は普段の生活にかなりの支障をきたすといっても過言ではありません。貧血予防に鉄は重要であります。
また酸素を使ったエネルギー代謝においても鉄は重要な役割を果たしています。

鉄を摂取することはED(勃起不全)予防にもなります。血液中の赤血球のヘモグロビンの構成成分である鉄は体の隅々の細胞に酸素を運ぶ役割をします。血行不良はEDの原因の一つとされているので、その改善に鉄は一役買っています。実際精力剤には鉄が含まれていることが多いです。

その他 総合評価5.5

血液 評価5.5
鉄は赤血球の構成成分であるため「血液」に関係してきます。血液中の鉄分のことを血清鉄といいますが、血清鉄が低い場合、「鉄欠乏性貧血」俗にいう貧血がおこります。

細胞 評価5.5
鉄は赤血球の中にあるヘモグロビンの主成分です。ヘモグロビンの役割は全身の細胞や組織に酸素を運ぶことです。細胞の酸素が不足していると、細胞の機能が衰えているという状態につながります。細胞の衰えは老化のはじまりといわれるほどです。体に不調がでるだけでなく、肌などの見た目にも影響を与えます。細胞にとって酸素はとても重要なものであり、それを運ぶ役割がある鉄もまたとて重要な成分といえます。

鉄 雑感

鉄=貧血予防とイメージがあると思います。貧血なんてめったにならないので20代はまったく気にしなかった栄養成分でした。
まして私の考える見た目の老化を遅らせることには、関係していないだろうと考えていました。

ただいろいろ栄養について学んでいくと、鉄ってすげー重要って思えてきました。貧血を予防するというは全身に酸素を運ぶことなのです。全身というか体内にある細胞や組織に運ぶことです。細胞にとって重要な酸素が不足することは、細胞が衰える=老化するということです。肌の細胞も衰えますし、髪の細胞も衰えるということです。これは絶対に重要だと考えるようになりました。

ともかく「細胞から若返る」というのを重点においていますので、細胞に酸素を運ぶ鉄はかなり重要な成分です。
30代前半から欠かさずとる成分となりました。

日本人は鉄不足で、また食事からの吸収率も低い栄養成分です。なので手軽にとれるサプリメントはお勧めです。さらにいうとビタミンCと一緒にとると鉄の吸収が高まりますので、ビタミンCと鉄同時に摂取をお勧めします。

鉄のサプリメントは値段も比較的安い部類に入るので、継続しやすいです。

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