葉酸

葉酸の評価 A+

葉酸

葉酸は水溶性のビタミンで、ビタミンB群の一種です。ビタミンB9、ビタミンMと呼ばれることもあります。葉酸の化学名はプテロイルグルタミン酸といいます。
葉酸の主な働きは、赤血球を生成し、悪性の貧血を予防すること、DNAの合成を補酵素として手助けすることです。
これら働きを行うにはB群のビタミンB12も必要となります。

葉酸を知る上で必要な情報①ビタミン②水溶性ビタミン③ビタミンB群④代謝(酵素、補酵素)について述べます。

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① ビタミン
 ビタミンは主に3大栄養素の代謝を手助けする働きをしています。エネルギーの源である3大栄養素(糖質、脂質、たんぱく質)がうまく機能するための「潤滑油」のような働きをします。
ビタミンは13種類あり、水溶性ビタミン(9種類)と脂溶性ビタミン(4種類)に分類されます。水溶性ビタミンの主な働きは「代謝」をサポートすることで、脂溶性ビタミンの主な働きは「体の調子」を整えることです。
 
② 水溶性ビタミン
 水溶性ビタミンとは、水にとけるビタミンです。体内でも水に溶けた状態で存在します。熱に弱いという特性があり、加熱することでその成分が失われます。体内で貯めることはできません。過剰になった場合は、尿や汗などとともに排泄されます。過剰症の心配は少なく、欠乏症に注意する必要があります。 
 
③ ビタミンB群
ビタミンB群とは、ビタミンB1、B2、B6、B12、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、葉酸の複合体のことをいいます。すべて水溶性のビタミンです。
ひとまとめにされている理由としては
①発見されたときはこの8つのビタミンはひとつのビタミンだと思われていたという説と
②水に溶けて、代謝にかかわるビタミンは同一物質と考えられひとつにまとめられたという説があります。

サプリメントなどでB群という複合体の形をとっている理由は、この8つは単体ではあまり効果を発揮できず、他のB群と一緒にとることで活性型(補酵素型)にかわるからです。体内で利用されるためには活性型(補酵素型)に変換される必要があります 。

 
④代謝(酵素、補酵素)
実際 代謝の働きを促進しているのは酵素です。
食事から摂った3大栄養素を、消化酵素(プラス補酵素)によって、吸収しやすいように分解して、
代謝酵素( プラス補酵素)と酸素によって、代謝という過程を経てエネルギー体の材料となるもの(筋肉、臓器、皮膚、血管、髪など)を作っていきます。酵素は触媒することで、代謝に関わっています。

触媒
それ自身は変化しないで他の物質の化学反応を促進すること

ビタミンは酵素の補酵素として代謝に関わっています。補酵素の役割とは酵素が起こした化学反応によりできた物質を運搬したり、酵素の構成成分の一部として働いたりすることです。

 葉酸の摂取目的

葉酸のDNAの合成の働きにより、正常な「細胞」を作り出し、細胞分裂がしっかりと行わることで「薄毛」「白髪」の予防や「美肌」「美白」になることです。
「普段」「夜のほう」「血液」も目的としています。

 摂取目的
髪  「薄毛」「白髪」
肌  「美肌」「美白」
体型 「筋肉」
体力 「普段」「夜のほう」
その他「細胞」「血液」

葉酸の効果・効能

赤血球
葉酸は、赤血球内のDNA合成、たんぱく質の合成に関わり、正常な赤血球を作る働きをしています。この働きにはB12もかかわってきます。
葉酸、B12のどちらかでも不足してしまうと、正常な赤血球を作られなくなり「悪性」の貧血をおこしてしまいます。この悪性の貧血のことを巨赤芽球性貧血といいます。

巨赤芽球とは赤芽球(赤血球に育つ前の血液細胞のこと)の細胞分裂が上手に行われず、赤芽球が異常に大きくなって、赤血球まで成長しなくなる=赤血球が作られなくなることです。
正常な赤血球が減ってしまうことで全身の細胞に酸素を届ける力が低下してしまいます。
巨赤芽球性貧血は赤血球減少におこる貧血のことで、(鉄不足が一般的な貧血の原因)を補給しても改善できないため悪性と呼ばれています。

赤芽球の細胞分裂を促進し、正常な赤血球をつくるためには赤血球内のDNAの合成が行われることが重要です。このDNAの合成に葉酸が関係してきます

細胞
細胞の核内には遺伝情報を記録しているDNAが存在します。細胞質の中にあるRNAが、DNAの情報に基づいてその遺伝情報どおりに細胞の材料となるたんぱく質を合成する働きをします。
新しい細胞をつくるためにはこのDNAの存在が大変重要となるわけです。

DNAの合成
細胞の核内にあるDNAは遺伝情報を保持し、遺伝情報どおりに新しい細胞をつくるよう指示する働きがあります

DNAの複製は細胞分裂が起こるたびにおこなわれます。細胞は分裂する前にDNAの遺伝情報を新しい細胞にコピーしていきます。DNAの合成がおこなわれていれば、正確な遺伝情報をコピーするのですが、合成がしっかりとおこなわれていなければ間違った遺伝情報をコピーしてしまうことになります。異常な細胞が生まれてしまうことになります。
DNAの合成を行う働きをするのが葉酸です。この葉酸の働きを手伝うのがB12です。

DNAの修正
細胞分裂により新しい細胞が生まれたとき、活性酸素などの影響をうけて遺伝情報が間違ってしまうということがあります。その時は酵素が、新しい細胞(間違った遺伝情報をもってしまった)に働きかけ、細胞を作り直すといった作業を行うのですが、その酵素の補酵素として葉酸が必要となります。
葉酸が不足しているこの修正作業が行われず、間違った遺伝情報をもった細胞がそのまま成長していくことになります。異常な細胞が育っていき、病気などにつながっていっていきます。

DNAの合成、修正に深く関わっている葉酸は、「正常な細胞を作る」「正しく細胞分裂が行われる」ためには必須の成分といえます。

ホモシステイン
ホモシステインは、必須アミノ酸のメチオニンを代謝する際にできる中間代謝物(代謝過程の途中でできる物質)です。
中間代謝物であるホモシステインは再びメチオニンに、あるいは非必須アミノ酸であるシステインに変換されますが、この代謝過程においてなんらかの異常が起きた場合に、変化されずホモシステインのままになります。

血中にホモシステインが増えてしまうと、そのホモシステインが悪玉コレステロールと結びつき、血管の壁にたまってプラークをつくります。

プラークが蓄積されると動脈硬化の原因となります

葉酸はB12ととも血中のホモステインをメチオニン、システインへ代謝する働きがあります。

そのため動脈硬化を予防する効果があるといえます。

神経細胞
脳の神経細胞はたんぱく質が材料となっています。たんぱく質が不足している、あるいはしっかり合成されていないと神経細胞が正常に働かず記憶力、集中力、思考力の低下をひきおこします。
DNAの合成に関係している葉酸はたんぱく質の合成にも関わっているといえます(DNAの遺伝情報にもとづいてたんぱく質が作られる)。
そのため葉酸には神経細胞の機能を正常に保つ効果があるといえます。

葉酸のサプリメントによくあるキャッチフレーズ集

  • 妊活中、妊娠中の女性に
  • 妊娠を考えている方が取っておきたい成分
  • 胎児の成長にかかわる栄養素
  • おなかの赤ちゃんの健やかなる成長に
  • 赤血球を形成、貧血対策
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葉酸の摂取量、不足、過剰

葉酸の摂取量
葉酸の1日の推奨摂取量は、成人男性、女性ともに240μgです。妊婦の場合は+200μg、授乳婦の場合は+100μg必要です。
また妊娠を望んでいる女性には、400μg以上(推奨摂取量の+160μg)の葉酸の摂取を推奨されています。胎児の神経管閉鎖障害という先天性疾患の発症リスクを軽減するためです。
 
葉酸の不足
葉酸が不足すると、正常な赤血球をつくることができず、貧血をおこします。
またホモシステインの代謝(効果・効能欄参照)に関わっているので、動脈硬化のリスクが高まります。
細胞分裂が活発に行われる粘膜に支障をきたし、口内炎などを発症させます。
神経細胞にもかかわっているので、記憶力、集中力の低下もおきます。認知症などの脳関係の病気も起こりやすくなるといえます。
妊娠中に葉酸が不足している場合は胎児が二分脊椎症などの神経管閉鎖障害を負うリスクが高まります。葉酸は妊娠中の方やアルコールをよく飲む人などが不足しがちな栄養成分のため注意が必要です。
 
葉酸の過剰
食品から葉酸を取り入れる場合に、過剰の心配はまずいりません。
ただモノグルタミン酸型葉酸(薬、サプリメントなど)の場合に上限が設けられています。モノグルタミン酸型葉酸の上限量は30~69歳が1000μg、18~29歳、70歳以上が900μgとなっています。この上限を超えた場合に、皮膚炎、発熱、神経障害などがおきます。サプリメントで飲む場合は要注意です。

葉酸の豆知識

ほうれん草
葉酸はほうれん草から発見された栄養成分です。ラテン語で「ほうれん草」「葉」を意味するfoliumという単語から因みfolic acid (葉酸)と名づけられました。
 
吸収率
葉酸は野菜全般をはじめ、肉、魚、豆類、海藻類といった幅広い食品に含まれています。ただ、熱や水に弱いという欠点があります。そのため料理している段階で葉酸が破壊されてしまい、吸収量が悪くなります。例えば、葉酸が多く含まれるほうれん草を水煮で調理すると、葉酸成分の60~65%が取り除かれてしまいます。食べる時は含有量の40%しか取れていないことになります。
 
モノグルタミン酸型
サプリメントの葉酸は「モノグルタミン酸型」というものです。食品の葉酸の欠点である吸収率を改善したものです。こちらはおよそ80%が吸収されるといわれています。このものグルタミン酸型には天然食品から抽出されたもものと化学合成で作られたものがあります。
ちなみに食品からとれる葉酸は「ポリグルタミン酸型」といいます。どの食品、どのような調理方法で食べるかでまちまちですがだいたい50%ほどの吸収率といわれています。
食品からとれる葉酸は体内ではポリグルタミン酸型→モルグルタミン酸型に変換されます。変換される過程で吸収率が落ちていきます。
 
腸内細菌
葉酸は体内で腸内細菌でも合成できます。ただ悪玉菌が多いとその生成能力が衰えます。また抗生物質などを長期にわたり抗服用している方もその生成能力は衰えます。

葉酸のイメージ

ほうれん草

妊婦さんに必須

葉酸と相性の良い栄養成分

・ビタミンB12
・ビタミンC
・ビタミンB6

葉酸の勝手にランキング

髪(白髪)部門 第14位
体型(筋肉)部門 第11位
体力(夜のほう)部門 第11位

葉酸のレーダーチャート解説

評価基準

  • 6 
    このカテゴリーに効果があることで有名。即効性があったり、継続して摂取することで効果を感じる
  • 5 
    このカテゴリーに効果があることで有名。継続して摂取することでなんとなく効果を感じる

  • このカテゴリーに効果があるといわれている。効果が得られることを期待して飲んでいる
  • 3.5 
    このカテゴリーに効果があるといわれているが、個人的に摂取目的としていない

  • このカテゴリーになんらかの効果があるもの

  • このカテゴリーとはあまり関係ないと思われる

  • このカテゴリーとは関係ないと思われる

※4以上が摂取目的となっているカテゴリー 

 

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葉酸 総合評価 A+ 15.5

 総合評価について
5つのカテゴリーのうち、評価が高い上位3つのカテゴリーを足したものです。「B~SS」でつけています。
SS  18点
S  16点以上
A+ 14点以上
A  12点以上
B+ 10点以上
B  9点以下

髪(薄毛、白髪) 評価5
葉酸のDNAの合成は髪に関わってきます。DNAの合成がしっかりとおこなわれていれば、細胞分裂によってうまれた新しい細胞に正確な遺伝情報をコピーしますが、おこなわれなければ、間違った遺伝情報をコピーしてしまいます。
つまり正常な細胞がうまれなくなるということです。
これは毛母細胞の「細胞分裂することで髪を生み、成長させる」という働きに支障をもたらします。
メラノサイトの「髪の色のもととなるメラニンを産生する」という機能を低下させてしまいます。

DNAの合成やたんぱく質の合成に関与している葉酸は髪にとっても大切な成分といえます。

肌(美肌、美白) 評価5
こちらもDNAの合成が関わる話です。合成が上手くいかないと細胞分裂や細胞の成長を阻害します。
肌にある細胞はコラーゲンなどの美肌成分を生み出したり、肌のターンオーバーを正常化させたりする働きをしているので、この働きに支障をきたします。つまり肌トラブルが起きやすくなり肌の老化を促進してしまうことになります。DNAの合成は正常な細胞をうみ、細胞分裂かかわることです。葉酸は美肌をつくるには必須の成分といえます。

体型(筋肉) 評価4.5
筋肉はたんぱく質でできているので、その「材料となるアミノ酸」と「たんぱく質の合成」に関わる成分を両方とることが筋肉増大につながります。葉酸のDNAの合成の働きは、筋肉のたんぱく質の合成につながります。つまり筋肉づくりに関係している栄養成分といえます。

体力(普段、夜のほう)評価4.5
悪性の貧血を予防する効果があります。貧血が起きやすい人にとっては、葉酸は大切な成分となります。鉄分をとっているのに症状が改善されないとしたら葉酸(+B12)不足かもしれません。また脳細胞や神経細胞にかかわるので、不足していると日常生活に支障をきたします。
このカテゴリーでは、性別や妊娠しているかしていないかで評価がかなり違います。男性である私にっとっては評価4.5とそう高くありません。女性でしたら5以上、妊娠を望んでいる方、妊婦さんでしたら6の評価になると思います。

葉酸は精子の細胞分裂に関与しているため摂取することで精子の質を高めるといわれています。ここでの精子の「質」というのは受精の可能性を高めることや染色体異常ではないことと考えてください。
また勃起不全などの男性不妊の予防にも効果があることがわかっています。

その他 総合評価5.5

血液 5.5
葉酸はB12とともに、血液の成分である赤血球を作る働きをします。
細胞分裂が上手に行われず正常な赤血球を作られなくなり、赤血球が減少することで貧血になることを巨赤芽球性貧血といいます。葉酸はこの貧血を予防、改善する効果があります。評価5.5

細胞 5.5
葉酸はDNAの合成にかかわります。DNAの複製は細胞分裂が起こるたびにおこなわれます。細胞は分裂する前にDNAの遺伝情報を新しい細胞にコピーしていきます。DNAの合成がしっかりとおこなっていれば、正確な遺伝情報をコピーするのですが、合成がしっかりとおこなわれていなければ間違った遺伝情報をコピーしてしまうことになります。要するに正常な細胞が生まれてこないことになります。このことは美容、健康に大ダメージを与えます。葉酸はDNAの合成を促進するため正常な細胞を生み出す働きがあるといえます。

葉酸雑感

正直にいいます。葉酸を本格的に取り始めたのはここ最近です。最近といっても3年ぐらいたちますが・・・

ちなみにここでいる「本格的」というのは単体サプリで取ることをいいます。ハッキリいって葉酸の働きをなめていました。
葉酸の「DNAの合成」に関わる働きを・・・

葉酸のイメージってなんですか?

葉っぱ?

まあ野菜全般に多く含まれている成分なので間違えではないのですが・・・・
葉酸って女性が取る栄養成分というイメージがありませんか?特に妊婦さんとか。

で私もそう思っていました。男の自分にはまったく関係ない話で「葉酸?」何それ状態でした。なので葉酸をすごく意識して取るということはしてきませんでした。

葉酸はB群に含まれているので、もちろん昔から摂取してきました。不足することなくとってきました。

これに葉酸は含まれていますし、

これにも含まれています。

おのおの目安量をとれば葉酸を200μg摂取できます。合わせて400μgになりますので、意識せずとも推奨摂取量の2倍近く摂取してきたことになります。
ただ、葉酸がどれくらい配合されているかを気にせずに摂取してきました。「葉酸って成分が入っているんだ」ぐらいの感覚です。

で唐突に細胞の話に変わります。

昔から「細胞」に関わる栄養成分をとってきました。細胞分裂を促進する活性化させる傷ついた細胞を再生する細胞の材料となるたんぱく質を多くとる細胞膜のもとになる。細胞になんかしらかかわる栄養成分は積極的にとってきました。とにかく細胞レベルでの若返りを目指し、様々な栄養成分をとってきました。

なぜか葉酸だけが除外されていたのです。葉酸が細胞にとてつもなく関係しているということに気づかなかったのです。これは大失態でした。

葉酸=女性、妊婦さんのイメージが強すぎて調べることをしなかったのです。サプリメント会社のHPの商品欄もまったく目を通さずスルーしていました。すごーく後悔しています。

葉酸の「DNAの合成」「DNAの修正」って正常な細胞の生成にすごい重要な働きをしています。

DNAは、たんぱく質をつくるときに必要な設計図です。この合成がちゃんとおこなわれていなかったら、あるいは活性酸素などによりDNAが損傷してしまったら・・・

細胞分裂をしたとき間違った遺伝情報をもった細胞が生まれるわけです。異常な細胞です。

異常な細胞は細胞分裂が上手におこなえず、髪、肌などの美容面に大打撃を与えます。それだけではありません体に支障をきたし、生活習慣病やがんなどの病気が起こりやすくなります。健康面にも大打撃を与えるわけです。

これはとんでもないことです。

細胞レベルの若返りを目指す上では、正常な細胞が作られるというのが前提というか当たり前のことです。
葉酸が不足しているとこの前提が崩れていき、細胞分裂を活性化させましょうとかのレベルじゃなくなるということです。

「正常な細胞を作り、正しい細胞分裂が行われるようにする」その働きのサポートする葉酸。すばらしいです。というわけで単体サプリでも必ずとるようになりました。

あくまでも単体サプリをとらなかったことを嘆いているだけです。別に葉酸を取ってこなかったわけではないので、少しオーバーに書いてしまっています。

女性は必須、妊婦さんには絶対の栄養素ですが、アンチエイジングを目指している男性にもすごーくお勧めできる成分です。価格も手ごろなので続けやすいと思います。
その際はB12も必ず摂取してください(だいたい一緒に配合されていますが)。
葉酸の働きを助ける成分がB12です。どちらかが足りていないと期待される効果を得ることができません。

葉酸を意識して摂取することは、細胞レベルで老化を遅らせることになるかもしれません。

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