β-コングリシニン

β-コングリシニンの評価 A+

β-コングリシニン

β-コングリシニンを知るうえでの前提知識「たんぱく質」および「大豆たんぱく質」について簡単に説明します。

たんぱく質

たんぱく質は5大栄養素の1つです。

そのうち糖質・脂質とともに生命維持&身体活動に必須の3大栄養素と呼ばれています。

 

ヒトの体の組成は、約62%が水、約16%がたんぱく質、約15%が脂質、約6%がミネラル、約1%が糖質です。

人間の構成比
水分を除くと一番多いのが「たんぱく質」です。
たんぱく質は筋肉、臓器、皮膚、骨、髪、血液などの材料となっています。

アミノ酸になって

摂取したたんぱく質は、消化・分解されてペプチドに、さらにアミノ酸まで分解された後に吸収されます。【人間の体を構成するたんぱく質=体たんぱく質=筋肉、臓器、皮膚など】は主に20種類のアミノ酸が数十~数百個以上結合し、複雑に組み合わさることで作られます
組み合わせが違うため、たんぱく質の形・性質・働きが異なっています。

たんぱく質(アミノ酸)は体たんぱく質以外にもホルモン、酵素、抗体などの材料にもなります。
またたんぱく質(アミノ酸)の供給が過剰となったときには、エネルギーとして利用されます or 脂肪として蓄積します。

 

 

大豆たんぱく質

大豆は植物性の食品のなかでもたんぱく質が多く含まれていることで有名です。大豆には30%以上のたんぱく質が含まれています。

大豆はよく「畑の肉」と呼ばれることがあります。
これは大豆が「肉に匹敵するほどのたんぱく質を含んでいる」からです。

大豆貯蔵たんぱく質の一つ

大豆たんぱく質は単一のたんぱく質ではありません。
数種類のたんぱく質で構成されています。


出典元
大豆タンパク質の構造 と食品特性
J-STAGE

主要成分は11Sのグリシニン7Sのβ-コングリニシンです。
この2つで大豆貯蔵たんぱく質の約70%(37%+31%)を占めます。
※7S=β-コングリニシンではありませんが、ここでは≒と考えてください。

ということでβ-コングリシンは大豆に含まれるたんぱく質の1つです。

 

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栄養素的にはグリシニン>β-コングリシンだと考えられてきました。
※グリシニンのほうがβ-コングリニシンより【含硫アミノ酸および必須アミノ酸のトリプトファンが多く含まれている】ため。

が、近年 β-コングリシンが重要な生理作用を有することが明らかになり、「β-コングリシン」単独で注目されるようになっています。
β-コングリシニンの生理作用については次の効果・効能欄で述べたいと思います。

大豆たんぱく質についてもう少し深掘りしていきます。

 

 

分離大豆たんぱく質

大豆たんぱく製品は製造方法の違いや形状の違いから次の4種類に分けることができます。4つとも出発原料は大豆から油脂を除去した脱脂大豆です。

  • 脱脂大豆から乳しょう成分を除去した濃縮大豆たんぱく質
  • 脱脂大豆から乳しょう成分とおから成分とを除去した分離大豆たんぱく質
  • 粒状大豆たんぱく質
  • 繊維状大豆たんぱく質

濃縮と分離を粉末状大豆たんぱく質として一括りにし、3種類とカウントするケースもあります。

資料:社団法人日本植物蛋白食品協会提供

出典元
3 植物蛋白の製法
遠慮がちな優れもの、植物蛋白食品
一般社団法人日本植物油協会

 

SPI

大豆プロテイン(ソイプロテイン)に使用されている原料は

  • 濃縮大豆たんぱく質=Soy Protein Concentrate(SPC
    たんぱく質含有量 65%~
  • 分離大豆たんぱく質=Soy Protein Isolate(SPI) 
    たんぱく質含有量 90%~

のどちらかです。

一般的な大豆プロテイン(ソイプロテイン)はSPIです。

以降、ここでの(このページでの)大豆たんぱく質といえばSPIのことと捉えてください。

3つの成分で構成

大豆たんぱく質は主に3つのたんぱく質で構成されています。グリシニン、β-コングリシン、LP(脂質を会合しているたんぱく質)の3つです。その割合はグリシニンが約40%、β-コングリシニンが約20%、LPが約40%です。

大豆タンパク質は単一のタンパク質ではなく,主要な成分ではグリシニン約40%,β- コングリシニン約 20%,脂質親和性大豆タンパク質約 40%で構成されている ⁵⁾。

引用元
Ⅲ 大豆とその調理加工が脂質代謝改善作用に 及ぼす影響
農研機構

大豆たんぱく質は、当然ですが「たんぱく質」として機能します。
それ以外にも脂質改善作用を有しています。

この脂質改善作用を【血中中性脂肪低下作用、血中コレストロール低下作用などに】細かく分けた際、グリシニン、β-コングリシン、LPの各分画物が別々の働きをしています。

大豆たんぱく質の脂質改善作用

大豆たんぱく質には脂質改善作用があります。

大豆たんぱく質の脂質改善作用は、成分ごとでその働きが異なります。

  • 血中コレストロール低下作用はグリシニンが有する
  • 血中中性脂肪低下作用はβ-コングリシンが有する

.
とされています。

血中コレストロール低下作用はLP説

LPの存在が判明したのは最近です。
血中コレストロール低下作用の活性本体は、実はLPにあるといった説が浮上しています。

しかし、2007年に新しい分離技術が開発され、単離大豆タンパク質を構成する主要タンパク質は3種類であることが明らかにされた。すなわち、グリシニン(約40%)、βーコングリシニン(約20%)及び脂質を会合しているタンパク質(LP約40%)である。従来の方法で得られたグリシニン画分やβーコングリシニン画分には大量のLPが混在しており、今までに見いだされた大豆タンパク質の生理機能性がLPによる可能性も出てきたのである。

引用元
大豆タンパク質研究の新しい課題
公益財団法人 不二たん白質研究振興財団

しかしながら,大豆タンパク質には,これまでその存在が認められていなかったLPが多量に存在し,大豆タンパク質摂取による血中コレストロール低下作用の本体がLPであるという発見は,現在の論争に大きな影響を与えると考えられ,今後の進展が期待される。

引用元
調理加工から見た大豆の健康機能性成分
J-STAGE

減量目的なら

プロテインを摂取する場合に、「筋肉増強」より「引き締まったボディ」を目的とするならば、ホエイよりソイのほうがおススメです。
それはソイプロテイン=大豆たんぱく質に減量効果が見込まれるからです。

今回は、大豆たんぱく質の構成成分の1つ「β-コングリシニン」にクローズアップしたレビューとなります。

β-コングリシニンの効果・効能

中性脂肪低下作用

β-コングリシニンには中性脂肪低下作用があります。
これはラット、ヒト両方の実験により確認されています。

ラット実験

内容
ラットをβ-コングリシニン、グリシニン、カゼインを摂取するグループにわけて、血中の中性脂肪の量を比較する。

実験結果
β-コングリシンを摂取したグループが血中中性脂肪濃度が有意に一番低かった。
また、糞中の中性脂肪の量が最も多かった。

 
ヒト実験

 

内容
通常の食事にプラスしてβ-コングリシンを1日5gを摂取してもらい血中の中性脂肪、内臓脂肪の量を調べる。比較対象はガゼイングループ。

実験結果

  • 中性脂肪
    β-コングリシニンを摂取したグループは、実験開始後4週間で有意な減少がみられた。中性脂肪値が高い人のみに作用することも判明。
  • 内臓脂肪
    β-コングリシニンを摂取したグループは、実験開始後20週間で有意な減少がみられた。内臓脂肪が多いほどに減少率が高いことも判明。
 

 

 

β-コングリシニンには中性脂肪低下作用の作用機序は

  • 肝臓における脂肪酸合成酵素の抑制する
  • 肝臓におけるインスリン抵抗性改善させる
  • FGF21の濃度を上昇させる
  • アディポネクチンを増加させる

.
などが考えられます。

 

 

ここでFGF21アディポネクチンについて簡単に触れておきます。

 

 FGF21 

FGFとは

FGF(線維芽細胞増殖因子)は成長因子の1種です。FGFは線維芽細胞をはじめとするさまざまな細胞に対して増殖活性を示すペプチド性増殖因子です。ヒトでは22種類のFGFファミリーメンバーが存在します。
FGFは1-23までありますが、15がヒトでは存在しないため22種類です。

このうち19・21・23はホルモン様活性を示します。

FGF21

FGF21は絶食時および糖質欠如により、主に肝臓から分泌されます。
FGF21は白色脂肪組織においてPGC-1αの発現増加を介して脂肪細胞の褐色化を誘導させます。

たとえば,FGF21(fibroblast growth factor 21) は空腹時に肝臓から分泌され,白色脂肪組織において PGC1αの発現増加を介して脂肪細胞の褐色化を誘導させるとされる

引用元
骨格筋と脂肪組織にかかわる最近の話題
J-STAGE

白色脂肪組織において脂肪細胞の褐色化を誘導させることを一言でいえば「痩せる」です。
そのメカニズムについて簡単に説明します。

 

脂肪細胞

脂肪細胞は細胞質に糖質や脂質を中性脂肪として蓄える袋(脂肪滴と呼ばれる)をもった細胞です。

緑→ミトコンドリア 赤→核 黄→脂肪滴

脂肪細胞には大きな脂肪滴が1つある白色脂肪細胞
中小の脂肪滴&ミトコンドリアが多数存在する褐色脂肪細胞の2種類があります。

  • 白色脂肪細胞
    .

    余剰となったエネルギーを脂肪として蓄積する& 必要時に血液中に遊離脂肪酸として放出する役割を果たします。
  • 褐色脂肪細胞
    .

    白色脂肪細胞から遊離された脂肪酸を取り込み、エネルギーに変換します。
    ミトコンドリアは鉄を含んでいます。ミトコンドリアが多くあるため褐色に見えます。

.
なお褐色脂肪細胞の作用は、褐色脂肪細胞のミトコンドリア内膜に特異的に存在するUCP-1によるものです。

UCP(脱共役たんぱく質)

ミトコンドリアの内膜に存在するたんぱく質です。酸化的リン酸化のエネルギーを生成する前に ミトコンドリア内膜での酸化的リン酸化反応を脱共役させ、エネルギーをATPとしてでなく熱として散逸させることができるたんぱく質です。Uncoupling proteinの頭文字を取ってUCPと略します。
哺乳動物UCPは5種類のアイソフォームが知られています。UCP-1は通常、褐色脂肪細胞のみ発現します。

第3の脂肪細胞

最近の研究により、第3の脂肪細胞が存在することが明らかになっています。

それがベージュ脂肪細胞と呼ばれるものです。


出典元
第6回 3色の脂肪 予防医学としての食を学ぶ
インターネット公開文化講座
愛知県共済生活協同組合

ベージュ脂肪細胞は、白色脂肪細胞が「褐色化」しUCP-1が発現し)褐色脂肪細胞と同じようにエネルギー消費能をもつ脂肪細胞のことをいいます。ベージュ脂肪細胞は、常温では白色脂肪細胞ですが、寒冷刺激などにより「褐色化」します。

 

褐色脂肪細胞を増やすと

【褐色脂肪細胞を増やす】または【ベージュ脂肪細胞=(白色脂肪細胞の褐色化)を増やす】ことができれば

脂肪酸やグルコースの酸化分解で生じたエネルギーが【ATPを介せず】直接熱に変換され散逸消費されていく


ため「痩せる」ことになります。


出典元
体脂肪を落とすカギは“代謝”!なかでも意識すべき「ニート」って何?
日経グッディ
(株)日本経済新聞社

このイラストの肝臓・筋肉や褐色脂肪細胞🔥の後者のことです。
褐色脂肪細胞を活性化させたり増やしたりすることで、痩せやすい体質に導きます。

FGF21は褐色化を誘導する

さて先ほど【ベージュ脂肪細胞は、常温では白色脂肪細胞ですが、寒冷刺激などにより「褐色化」します】と記載しました。

「など」に下線部を引きましたが、「など」の1つがFGF-21です。

FGF21の刺激は白色脂肪組織において脂肪細胞の褐色化を誘導します

β-コングリニシンはFGF21を増やす

β-コングリシニンを摂取するとFGF21が増えます。だからβ-コングリニシンに中性脂肪低下作用があります
※中性脂肪低下作用の作用機序は他にもいろいろ考えられます。

これは、マウス実験により確認されています。こちらを参照ください。

参照
大豆たんぱく質βコングリシニンの抗肥満・代謝改善効果の新たな分子機構を解明
東京大学大学院農学生命科学研究科 研究成果
東京大学大学院農学生命科学研究科

「β-コングリシニンを摂取するとFGF21が増えます」とさらっと書きましたが、これ結構すごいことです。
というのもFGF21は基本 絶食時および糖質欠如により分泌されるからです。

大げさにいえば、β-コングリシンを取り入れると「食べているのに絶食に似た状況を作り出している」ということになります。

つまりβコングリシニン食を摂取すると、一時的に低栄養状態を模倣する状況を体内に再現することがわかりました。

引用元
大豆たんぱく質βコングリシニンの抗肥満・代謝改善効果の新たな分子機構を解明
東京大学大学院農学生命科学研究科 研究成果
東京大学大学院農学生命科学研究科

 

 

 アディポネクチン 

アディポサイトカイン

脂肪細胞からさまざまな生理活性物質が分泌されています。
脂肪細胞から分泌される生理活性物質を総称してアディポサイトカインといいます。
アディポサイトカインには善玉と悪玉があります。

アディポネクチンは善玉

アディポネクチンは善玉アディポサイトカインの1つです。

アディポネクチン
  • アディポネクチンは動脈硬化の進行を抑制します。
  • アディポネクチンは糖尿病などの生活習慣病を防ぐ働きをします。
  • アディポネクチンは中性脂肪を減少させます。

◆動脈硬化の予防 
アディポネクチンにはプラークの形成を防ぐ働きがあります。
アディポネクチンは血管壁の傷を修復する働きがあります。

◆糖尿病の予防
アディポネクチンにはインスリン感受性を高める働きがあります。

◆高血圧の予防
アディポネクチンには血管を拡張させる働きがあります。

◆中性脂肪を減少
アディポネクチンは中性脂肪を低下させます。
脂肪を燃焼させる&脂肪の蓄積を防ぐ働きがあるからです。
アディポネクチンにはAMPキナーゼを活性させる作用あります。

AMPキナーゼ

AMPキナーゼは、細胞のエネルギーセンサーのような役割を果たしている酵素です。運動などをしエネルギーが不足するとこの酵素が活性され、【糖の筋肉細胞へ取り込み・脂肪酸のβ酸化・糖新生の抑制】が促進されます。糖に関してはインスリンを要せずにです。

簡単にいうと AMPキナーゼが活性化されると脂肪の蓄積をやめ脂肪の燃焼を促進する【=痩せる】です。

AMPキナーゼは基本 運動などをし、飢餓状態にもっていくことで活性化されます。
アディポネクチンには飢餓状態にもっていかなくとも活性化させる作用があります。

.
β-コングリニシンにはアディポネクチンの分泌を促進させる働きがある
とされています。だからβ-コングリニシンに中性脂肪低下作用があります
※中性脂肪低下作用の作用機序は他にもいろいろ考えられます。

大豆たんぱくに含まれる「βコングリシニン」は、アディポネクチンを増やすといわれています。木綿豆腐には6.6g、絹ごし豆腐には4.9gのたんぱく質が含まれています(食品100g中。以下同様)。

引用元
vol.152 「やせホルモン」と呼ばれる「アディポネクチン」って何? 
はじめよう!ヘルシーライフ 
オムロン ヘルスケア(株)

 

補足

FGF21の作用の一部はアディポネクチンを介して行われます。FGF21には2型糖尿病に対する改善作用があります。これはアディポネクチンの発現を介して行われていることが示唆されています。

 

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β-コングリシニンのサプリメントによくあるキャッチフレーズ集

  • 生活習慣病が気になる方
  • 中性脂肪を減らしたい
  • メタボ対策に有効な成分
  • 大豆たんぱく質の力で生活習慣病を防ぐ
  • 話題の長寿ホルモンを増やす

 

β-コングリシニンの摂取量、不足、過剰

β-コングリシニンの摂取量
β-コングリシニンの目安摂取量は定められていません。

β-コングリシニンの中性脂肪低下作用は、ヒト実験では、5g/日摂取でその効果が実証されています。
なので5g/日という数値を一つの目安としていいかもしれません。

β-コングリシニン5gを大豆食品に換算すると豆乳1リットル・豆腐2丁半・煮豆250gとなります。

1日5gの大豆β-コングリシニンを通常の大豆食品でとろうとすると豆乳なら1リットル、豆腐なら2丁半、煮豆なら250g食べる必要があります。

引用元
大豆β-コングリシニンにつきまして
ニュースリリース
不二製油グループ本社(株)

分けて取ればいいので摂取可能な数値であります。
が、毎日続けるとなると少し厳しい気がします。
サプリントを活用するのも一つの手です。

 
β-コングリシニンの不足
β-コングリシニンに限定しての不足はとくに考える必要はありません。

ただし、β-コングリシニンが足りていない=大豆食品が不足している可能性が高いといえそうです。

大豆にはたんぱく質や脂質、糖質といった3大栄養素をはじめさまざまな栄養素が含まれています。また大豆特有の機能性成分(イソフラボン、サポニン、レシチン)も含まれています。
3大栄養素に関しては他から摂取すればよいですが、大豆特有の機能性成分となると他から摂取するわけにはいきません。
大豆特有の機能性成分は健康、美容に大いに貢献するものです。それを体内に取り入れないことは一言でいうと「もったいない」です。

 
β-コングリシニンの過剰
たんぱく質の1日の推奨摂取量は成人男性60g、女性50gです。
大豆たんぱく質の構成成分であるβコングリシニンが過剰であることは、たんぱく質が過剰の状態になっている可能性があります。
たんぱく質の過剰はカロリーオーバーになり肥満を招く原因になります。β-コングリシニンの中性脂肪低下作用を得たいがために、必要以上に大豆食品を取るのは逆効果になります。

 

 

β-コングリシニンの豆知識

デザイナーフーズ
デザイナーフーズとはがん予防に期待できる40の植物性食品をピックアップし、重要度の高い(効果が期待できる)順にピラミッド状に並べたものです。


出典元
がん予防のための食事とは
公益財団法人長寿科学振興財団

1群~3群に分かれており、1群が重要度の高いものとされています。1群に分類される食品は8種類です。大豆はそのうちの一つです。

 
蒸し大豆
大豆製品といえば納豆を思い浮かべるかたが多いかもしれません。なので納豆を取ればβ-コングリシンも取れると考えるかた多いかもしれません。
残念ですが、納豆にはβ-コングリシニンがあまり含まれていません。
というのも、納豆菌の発酵の過程でβ-コングリシニンの多くが分解されてしまうからです。

「大豆食品からβ-コングリシニンを」と考えた場合、「蒸し大豆」が無難です。


参照
NHKあさイチで紹介の「まるごと大豆」には蒸し大豆がおススメ!
蒸し大豆の力
(株)マルヤナギ小倉屋

 
アディポネクチン
効果・効能欄で述べたアディポネクチンの件です。アディポネクチンを増やす栄養成分は他に、オスモチン・ノビレチン・EPA・マグネシウムが挙げられます。

参照
vol.152 「やせホルモン」と呼ばれる「アディポネクチン」って何? 
はじめよう!ヘルシーライフ 
オムロン ヘルスケア(株)

 

 

β-コングリシニンのレーダーチャート解説

評価基準

  • 6 
    このカテゴリーに効果があることで有名。即効性があったり、継続して摂取することで効果を感じる
  • 5 
    このカテゴリーに効果があることで有名。継続して摂取することでなんとなく効果を感じる

  • このカテゴリーに効果があるといわれている。効果が得られることを期待して飲んでいる
  • 3.5 
    このカテゴリーに効果があるといわれているが、個人的に摂取目的としていない

  • このカテゴリーになんらかの効果があるもの

  • このカテゴリーとはあまり関係ないと思われる

  • このカテゴリーとは関係ないと思われる

※4以上が摂取目的となっているカテゴリー 

 

 

β-コングリシニン 総合評価 A+ 15

 総合評価について
5つのカテゴリーのうち、評価が高い上位3つのカテゴリーを足したものです。「B~SS」でつけています。
SS  18点
S  16点以上
A+ 14点以上
A  12点以上
B+ 10点以上
B  9点以下

 

 

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 髪(薄毛) 評価4 
髪の主成分はケラチンと呼ばれるたんぱく質です。髪の90%以上はケラチンでできています。ケラチンは18種類のアミノ酸で構成されています。

ケラチンのアミノ酸組成
※%はおおよその値です。

栄養素(18種類のアミノ酸・他)が血流により毛乳頭に届けられ、その栄養素をもとに毛母細胞が細胞分裂を繰り返すことで髪(ケラチン)が作られていきます。

β-コングリシンは大豆たんぱく質の1種です。摂取すると髪の材料となる18種類のアミノ酸を取り入れることになります。当然ですが、髪にプラスになります。

さて、β-コングリシンのアミノ酸組成は次です。


出典元
大豆タンパク質の構造 と食品特性
J-STAGE

髪のケラチンにおいて最重要とされる含意アミノ酸(シスチン・メチオニン)の含有量が少ないことがお分かりいただけると思います。
髪のために「大豆たんぱく質」を取るのは大有りですが、あえて「β-コングリシン」単体サプリを選択する必要はないと思います。

 

 肌(美肌)評価4 
美肌に欠かせない成分コラーゲンはたんぱく質でできています。コラーゲンを増やすにはコラーゲンを構成しているたんぱく質(アミノ酸)&コラーゲン合成に関与する成分(ビタミンCなど)を摂取することが大切です。

コラーゲンのアミノ酸組成

コラーゲンのアミノ酸構成比

β-コングリシンは大豆たんぱく質の1種です。体内に取り入れることはコラーゲンの材料となるアミノ酸も取り入れることになるので、その摂取は肌にプラスになります。

もう一度先の組成表をご覧ください。

コラーゲンの材料となるアミノ酸のうちキーとなるのがプロリン・リジン・グリシンの3つです。β-コングリシニンはこの3成分に関して、リジンは多く含まれているものの他2つに関しては特筆すべき数字ではないと思います。
髪とどうよう肌のために「大豆たんぱく質」を取るのは大有りですが、あえて「β-コングリシン」単体サプリを選択する必要はないと思います。

 

 体型(ダイエット・筋肉)評価6 
β-コングリシニンの摂取目的といえば、ズバリこの体型(ダイエット)項目です。

β-コングリシニンの人気に火が付いた(認知度が上がった)のはTVのおかげだと思います。
私の知る限り、最近だとこの2つのTV放送【β-コングリシニンおよびFGF21について取り上げた】が人気に火をつけたと思います。

『長生きホルモンで100歳まで生きる』 
「名医のTHE太鼓判!」 2018年8月6日(月)放送内容

『老化ストップ!冬の2大食材&便秘解消ポーズ』 
「名医とつながる!たけしの家庭の医学」 2018年12月4日(火)放送内容

リンク先 価格.comにて放送内容の復習ができます。

ダイエット効果に関しては、効果・効能欄に記載しましたのでここでは省略します。

そもそもβ-コングリシニンはたんぱく質です。その摂取は当然「筋肉」もプラスになります。「筋肉」「ダイエット」両方において高い効果を発揮するβ-コングリシニンおよびβ-コングリシンを含む大豆たんぱく質の摂取は引き締まったボディを作ることにつながります。

 

 体力(普段)評価4.5 
アディポネクチンは動脈硬化の進行を抑制します。
アディポネクチンは糖尿病を防ぐ働きをします。
アディポネクチンは高血圧を改善させる働きをします。

β-コングリシニンはアディポネクチンを増やします。β-コングリシニンには生活習慣病を予防する効果が大いに期待できます。

 

 

 その他(血管)評価5 
痩せホルモンと呼ばれるアディポネクチン。アディポネクチンにはもう一つの呼び名があります。

それは長寿ホルモンです。
アディポネクチンは傷ついた血管を修復して若返らせてくれる【さまざまな病気の予防・改善になる】ので長寿ホルモンと呼ばれます。
その分泌を増やすのがβ-コングリシニンです。

アディポネクチンは、別名「長寿ホルモン」や「やせホルモン」とも呼ばれる、いわば「超善玉ホルモン」です。

このアディポネクチンを増やす働きが、トマトに含まれる赤色色素「リコピン」と、みそに含まれる大豆たんぱくの一種である「β-コングリシニン」という成分で確認されているのです。

引用元
【興味深い傾向】糖尿病の人の血液は○○の濃度が低い…?
excite ニュース

 

 

 

β-コングリシニン 参照一覧

大豆で健康 不二製油(株)

豆の栄養 公益財団法人 日本豆類協会

Ⅲ 大豆とその調理加工が脂質代謝改善作用に及ぼす影響 農研機構

大豆タンパク質の構造と食品特性 J-STAGE

凍結解凍処理による豆乳中タンパク質の簡易分画技術 J-STAGE

大豆利用の現状と今後の課題ー育種に期待することー J-STAGE

調理加工から見た大豆の健康機能性成分 J-STAGE

抗肥満性ホルモンの発現制御に関する分子栄養学的研究 J-STAGE

PPARδとメタボリックシンドローム J-STAGE

褐色脂肪組織でのエネルギー 消費と食品成分による活性化 J-STAGE

細胞外分泌因子FGF21による生体機能調節 公益社団法人日本生化学会

35. FGF21 を介した病態改善メカニズム 公益財団法人 上原記念生命科学財団

新奇植物性ポリフェノールの生活習慣病改善におけるSIRTとFGF21の活性化メカニズム
公益財団法人アサヒグループ学術振興財団

1回の注射で糖尿病と肥満の両方を治療 FGF21治療の開発に成功 糖尿病ネットワーク

 

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