ビタミンC

ビタミンCの評価 SS

ビタミンC

ビタミンCは水溶性のビタミンの1種です。
通称名はL-アスコルビン酸(以降 アスコルビン酸)です。

 

体内では還元型ビタミンC(アスコルビン酸)酸化型ビタミンC(デヒドロアスコルビン酸)の形で存在しています。


出典元
ビタミンCのLC/MS/MS分析(C0343)
一般財団法人 材料科学技術振興財団

ビタミンCは体内で合成できません。なので食品から取り入れる必要があります。ビタミンCは食品中では、還元型あるいは酸化型として遊離の形で存在しています。

酸化型は体内において還元酵素の働きにより、速やかに還元型に変換されます。
そのためビタミンCとしての効力は差がない【=同様にある】と考えられています。
なので食品に含まれるビタミンCは還元型と酸化型の総量を指します。

ビタミンCの主たる働きは抗酸化作用コラーゲンの合成です。

ビタミンCの効果・効能

抗酸化作用

ビタミンCは抗酸化物質の1つです。
ビタミンCの抗酸化作用の特徴を3つあげます。

 ①水溶性抗酸化物質 
抗酸化物質は通常は水溶性あるいは脂溶性のどちらかです。
水溶性は細胞質基質や血漿中で抗酸化作用を発揮します。
脂溶性は細胞膜(主に脂質で構成されている)で抗酸化作用を発揮します。

こちらは細胞のイラストです。

肌色部分(細胞質)と余白(細胞外)で働くのが水溶性の抗酸化物質で、
オレンジのライン(細胞膜)で働くのが脂溶性の抗酸化物質です。

ビタミンCは水溶性の抗酸化物質です。
細胞膜を隔てた内外で抗酸化作用を発揮します。

補足

水溶性の抗酸化物質は他にグルタチオン・ポリフェノール類などがあります。
脂溶性の抗酸化物質はビタミンE・コエンザイムQ10・カロテノイド類があります。
両方の性質をもった抗酸化物質はα-リポ酸があります。

 

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 ②ROSの消去 
抗酸化物質は狭義の活性酸素4種のうち「どれか」あるいは「何種類」かの消去能を有します。

狭義の活性酸素
活性酸素は普通の酸素より反応性の高い(酸化させる力が強い)酸素です。
反応性の高い酸素種を活性酸素種(ROS)と呼び、次の4種が知られています。
4つは狭義の活性酸素と呼ばれています。

◆スーパーオキシド
酸素に電子が1個加わった最も一般的な活性酸素です。ミトコンドリア & 白血球 で生成されます。
生成されたスーパーオキシドは、酵素的あるいは非酵素的に還元を受け、より反応性の高い活性酸素種となります。より反応性の高い活性酸素種というのは過酸化水素・ヒドロキシラジカルです。
生体にあるスーパーオキシドディスムターゼ(SOD)という抗酸化酵素の働きにより過酸化水素となります。

◆過酸化水素
SODによってスーパーオキシドが分解されると発生します。過酸化水素の反応性はそれほど高くなく、生体温度では安定しています。ですが、紫外線や金属(鉄イオンや銅イオン)と容易に反応して、傷害性の高いヒドロキシルラジカルを生じます。
体内では、抗酸化酵素カタラーゼおよびグルタチオンペルオキシダーゼにより安全な酸素と水に分解されます。

◆ヒドロキシラジカル
ヒドロキシラジカルは過酸化水素が上記した酵素によって十分に還元されない場合に、フェントン反応により生じます。
ヒドロキシラジカルは最も酸化力が強い活性酸素です。生体内の糖質・脂質・たんぱく質・核酸などに反応し障害を与えます。その結果、老化を促したり、遺伝子を傷つけがんを発生させたりします。活性酸素による多くの病気は、ヒドロキシルラジカルによるものと考えられます。

◆一重項酸素
紫外線によって皮下組織で大量に発生します。非常に強い酸化力を持った活性酸素です。

通常の酸素分子は基底状態で三重項酸素と呼ばれています。一重項酸素は、基底状態の三重項酸素分子がエネルギーを受け取ることで、一重項状態に励起された酸素分子のことです。一重項酸素は普通の酸素分子よりも不安定で反応しやすくなっており、例えば不飽和脂肪酸と反応し、過酸化脂質を生成します。

補足

4種のうち
フリーラジカルはスーパーオキシド・ヒドロキシラジカル
フルーラジカルでないのは過酸化水素・一重項酸素です。

.
ビタミンCは基本 狭義の活性酸素 4種すべてに対して消去能を有していると考えてください。
ビタミンCは自らの電子を与えることで、活性酸素種(ROS)を消去します。

a) 抗酸化作用:ビタミンCはスーパーオキシド (O2-),ヒドロキシラジカル (・OH),過酸化水素 (H2O2),一重項酸素 (1O2) などの活性酸素種の消去剤として機能します.

引用元
ビタミンCとは? 
公益社団法人ビタミン・バイオファクター協会

補足

「基本」としている理由はサイト・書籍により、ビタミンCの活性酸素種の消去能は3種類としているケースがあるからです。1つ抜けるのはヒドロキラジカル、過酸化水素のどちらかです。

 

 

 ③ビタミンEのリサイクル 
細胞膜を活性酸素の攻撃から守るのがビタミンEです。ビタミンEは細胞膜に入り込み、脂質の代わりに自らが酸化されることで、過酸化脂質の生成および次々に起こる酸化の連鎖反応を防ぎます

出典元
α-リポ酸
一般社団法人オーソモレキュラー栄養医学研究所

一度酸化されたビタミンEはビタミンEラジカルとなりその抗酸化力を失います。ビタミンCはビタミンEの失われた抗酸化力を再生させます

抗酸化力が再生したビタミンEは再び細胞膜を活性酸素の攻撃から守ります。
過酸化脂質の生成を防ぐのはあくまでもビタミンEの役割です。ただ【ビタミンEの抗酸化力をリサイクルする】ビタミンCも大いに関与しているといえます。

補足

ビタミンEを還元したビタミンCは酸化型に変わります。が、他の抗酸化物質(グルタチオンやα-リポ酸)の働きにより還元型に戻ります。


抗酸化物質の一つが活性酸素の攻撃を受けました


他の抗酸化物質が助けに駆け付けました


抗酸化物質たちが次々に助けに駆け付けました


活性酸素「イエーィ!!」


抗酸化物質たち「ぼっち!!」

 


活性酸素は「ぼっち」の一言で無毒化されました・・・・

.
このように?抗酸化物質はお互い協力し合って体内の活性酸素と戦っています。

以上、ビタミンCの抗酸化作用の特徴です。

 

 

ビタミンCのプロオキシダントについて
プロオキシダントとは「抗酸化物質自体が、濃度や環境などによって抗酸化物質として機能せず、逆にラジカルとなり酸化を促進してしまう作用をもってしまう」ことをいいます。
ビタミンCはプロオキシダントとしても働くことがあります。

ビタミンCが必要以上に大量に存在し、鉄などの金属イオンが過剰に存在する場合、ビタミンCラジカルとなって酸化を促進することがあります。
ようは「ビタミンCは金属イオン存在下で、酸化促進作用を示すことがある」です。

さて、ここで言いたいことは、「ビタミンCには抗酸化作用があるけど、プロオキシダント作用もあるから注意が必要です」といったことではありません。

そもそもビタミンCに限らず他の抗酸化物質にもプロオキシダント作用があります。体内に取り入れた抗酸化物質の数%はプロオキシダントになると考えてください。

補足

なりにくい抗酸化物質としてアスタキサンチンが有名です。

プロオキシダントについて言及した理由は「ビタミンCのプロオキシダントとしての働きが抗がん作用になる」からです。

血中での高濃度ビタミン C 濃度の維持は,ある種のガン細胞の増殖を抑制する抗ガン作用があ ることが報告されています³⁾.その作用機構は,高容量の ビタミン C を静注することにより,ビタミン C が活性酸 素種を発生するプロオキシダント(抗酸化物質がラジカ ルとなり酸化作用を持つ)として働き,その結果生じた 過酸化水素がガン細胞の成長を遅らせるというものです.

引用元
Q:ビタミン C の抗老化作用について
J-Stage

高濃度ビタミンC療法は、ビタミンCのプロオキシダントとしての性質を利用したものです。

 

 

コラーゲンの生成

コラーゲンの構成成分にコラーゲン特有のアミノ酸ヒドロキプロリンヒドロキシリジンがあります。この2つのアミノ酸はコラーゲン繊維の構造を安定化させる・コラーゲン架橋を形成するために必須の成分です。

 
①3重らせん構造の安定化(ヒドロキシプロリン)

コラーゲン分子は3本のα鎖が螺旋状に絡まった構造=3重らせん構造(トリプルヘリックス構造)をしています。

1本のα鎖は1000残基ほどのアミノ酸で構成されています。その配列の特徴として3残基ごとにグリシン(Gly)が存在していることです。つまり【Gly-X-Y】の配列が繰り返されていることになります。
α鎖のアミノ酸配列は【Gly-X-Y】【Gly-X-Y】【Gly-X-Y】・・・といったように【Gly-X-Y】が繰り返されています。

このうちX-Yに配列されるアミノ酸がコラーゲンを特徴づける3重らせん構造の安定性に影響を与えています

X-Yに配列されるアミノ酸はプロリン(X位)ヒドロキシプロリン(Y位)であることが多くなっています。

なおコラーゲンの構造の熱安定性はヒドロキシプロリンの量によって決まるとされています。

 
②コラーゲン架橋の形成(ヒドロキシリジン)

生体内ではコラーゲン分子が集まって、酵素の働きによりコラーゲン分子が橋を架けあうように結合します。
コラーゲン分子間に架橋(コラーゲン架橋)が入ることでコラーゲン繊維が形成されます。この架橋は、アルドール縮合またはシッフ塩基型結合によって形成されます。
これにリジンまたはヒドロキシリジンが深く関与しています。
コラーゲン分子中の特定のリジンまたはヒドロキシリジンの側鎖基が酵素リジルオキシダーゼよってアルデヒドに変わります

  • このアルデヒドが別の分子のアルデヒドと反応する【→アルドール縮合】
  • このアルデヒドが別の分子のリジンまたはヒドロキシリジンのε位アミノ基と反応する【→シッフ塩基型結合】
コラーゲン分子間の架橋が形成されます。

.
α鎖にプロリンとして組み込まれた後に、酵素プロリンヒドロキシラーゼにより水酸化されたのがヒドロキシプロリンです。
α鎖にリジンとして組み込まれた後に、酵素リシルヒドロキシラーゼにより水酸化されたのがヒドロキシリジンです。

コラーゲン合成において、ビタミンCはこれら水酸化酵素の補因子として働きます。


出典元
ビタミンとはいったい何?
ビタミンCの真実

ビタミンCが足りないとコラーゲンの生成が上手くいかないと考えてください。

 

補足

コラーゲンの合成に必要な成分として他に、鉄、亜鉛が有名です。
あまり知られていないところ(個人感)でいうと、アミノ酸のアルギニンもコラーゲンの合成に関与しています。
体内のコラーゲンを増やしたいと考えるならば、コラーゲンサプリはもとより合成に関与する成分の摂取も意識してください。

 

 

美白作用

ビタミンC摂取は美白効果が大いに期待できます。その理由を3つ挙げます。

 

①チロシナーゼ活性抑制
シミのもととなるメラニンはメラノサイト内でチロシンとチロシナーゼが結合することでつくられます。


※活性酵素→活性酸素に訂正

そのうえで、チロシナーゼが活性されるとメラニンの大量生成につながります。

メラニンの大量生成を防ぐためにはチロシナーゼの活性を阻害することが重要となります。ビタミンCはチロシナーゼ活性阻害成分の1つです。

②抗酸化作用
メラノサイト内のチロシナーゼを活性させる主たる原因は紫外線などにより生じる活性酸素です。


※活性酵素→活性酸素に訂正

ビタミンCは活性酸素を除去する抗酸化作用を有します。ビタミンCは肌にあるメラノサイト内のチロシナーゼを活性させないように働きます。
※①と順番が逆の理由は美白作用においてはチロシナーゼ活性阻害のほうが重要なためです。

 

③メラニンの生成過程の還元作用
メラニンはチロシン→ドーパ→ドーパキノン→メラニン【黒色 or 肌色】という代謝過程を経て作られていきます。


出典元
シトリーヌアルファ
湧永製薬(株)

チロシナーゼの活性を阻害する働きをするビタミンCはチロシン→ドーパおよびドーパ→ドーパキノンの流れを滞らせます(①で説明済み)。

 

それだけではありません。
ビタミンCは中間代謝物であるドーパーキノンをドーパに還元する働きがあります。
またメラニンに直接働きかけ、その還元作用によりできた黒色メラニンの色を薄くする働きもします。

 

補足

メラニンはチロシン→ドーパ→ドーパキノン→メラニン【黒色 or 肌色】の代謝過程を阻害したり、前段階に戻したり(還元)する成分として他にシステインが有名です。
ビタミンCとの相性が抜群のため美白医薬品にはほぼほぼ一緒に配合されています。

 

ビタミンCのキャッチフレーズ集

  • キレイを作る必需品
  • シミが気になるかた、透明感を目指す方に
  • 体内で作ることのできないビタミン
  • おなじみのビタミンC、私たちの毎日に多方面で活躍してくれます
  • タバコを好む人やアルコールをよく飲む人に

 

 

ビタミンCの摂取量、不足、過剰

 
ビタミンCの摂取量
推奨量 100㎎/日(成人)

参照 日本人の食事摂取基準(2015年版) 厚生労働省
 
ビタミンCの不足
ビタミンCは水溶性のビタミンです。体内にながくとどめておくことができません。
なので一度に大量にではなく、こまめに摂取することが大事です。

体内では1500㎎までプールできます。これが300㎎以下になると壊血病の兆候が現れると言われています。

壊血病

ビタミンCが欠乏するとヒドロキシプロリンが作られなくなります。その結果、正常なコラーゲンが作られなくなります。結合組織が脆くなり身体の様々な部位での出血がみられます。このことを壊血病といいます。

ビタミンCが不足すると貧血(ビタミンCが鉄の吸収に関わっているため)、イライラ(ビタミンCがカテコールアミンの合成に関わっているため)などの症状が現れやすくなります。

 
ビタミンCの過剰
ビタミンCは水溶性ビタミンです。過剰に摂取しても余剰分は尿と一緒に排出されます。
ただサプリを大量に摂取すると、下痢、腹痛などの症状がでることがあります。目安摂取量を守ってください。

 

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ビタミンCの豆知識

吸収率
食事中のビタミンCとサプリのビタミンCの生体内利用率に差異はなく、ともに吸収率が高いです。
ただし摂取する量が多くなると吸収率は下がります。
200㎎/日までは吸収率は約90%と言われていますが、1000㎎/日を超えると50%以下になります。
 
ビタミンCを消費させるもの
ビタミンCはストレス・喫煙・アルコールによって消費されます。なのでストレスを受けやすい方、たばこを吸う方、お酒をよく飲む方はビタミンCを意識して摂取する必要があります。

ストレス


例えば通勤ラッシュや眼を使う作業で受ける「ストレス」により体内のビタミン量は次のように減少します。


出典元
ビタミンCの摂取における野菜の有効性について
独立行政法人農畜産業振興機構

喫煙


たばこ1本につき25㎎のビタミンCを消費すると言われています。
20本吸うと500㎎が消費されます。

アルコール


アルコール代謝において有害物質アセトアルデヒドが生じます。
ビタミンCはアセトアルデヒドを無毒化する酵素の働きを助けます。アルコールを飲めば飲むほど消費量が激しくなります。

 

ビタミンCと相性の良い栄養成分

ビタミンE



細胞膜で活性酸素を無害化したビタミンEは、抗酸化力を失います。ビタミンCは、失われたビタミンEの抗酸化力を元に再生する働きがあります。

 



動物性の食品に多く含まれるヘム鉄(Fe²⁺ 2価鉄)と植物性の食品に多く含まれる非ヘム鉄(Fe³⁺ 3価鉄)です。ヘム鉄の吸収率は15~25%があるのに対して、非ヘム鉄は2~5%とされています(数値は諸説あり)。日本人が食事から取る鉄のほとんどは非ヘム鉄です。

非ヘム鉄は胃酸により溶解され、食物中の還元物質(ビタミンC)、または腸管上皮の細胞膜上にある鉄還元酵素「duodenal cytochrome b」によりFe²⁺に還元されてから吸収されます。

 
カルシウム



骨の無機成分の主がカルシウム、有機成分の主がコラーゲンです。ビタミンCはコラーゲンの生成に必要な成分です。カルシウムとビタミンCをあわせて取ることで骨の強化が期待できます。
そもそもビタミンCには吸収率が悪いカルシウムの吸収率を高める働きがあります。

 
アルギニン

ビタミンCとアルギニンはともにコラーゲンの生成に関与します。コラーゲンを増やしたいならば、コラーゲン(たんぱく質)とコラーゲンの生成に関与する成分を取ることが重要です。

 

 

ビタミンCのレーダーチャート解説

評価基準

  • 6 
    このカテゴリーに効果があることで有名。即効性があったり、継続して摂取することで効果を感じる
  • 5 
    このカテゴリーに効果があることで有名。継続して摂取することでなんとなく効果を感じる

  • このカテゴリーに効果があるといわれている。効果が得られることを期待して飲んでいる
  • 3.5 
    このカテゴリーに効果があるといわれているが、個人的に摂取目的としていない

  • このカテゴリーになんらかの効果があるもの

  • このカテゴリーとはあまり関係ないと思われる

  • このカテゴリーとは関係ないと思われる

※4以上が摂取目的となっているカテゴリー 

 

 

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ビタミンC総合評価 SS 18

 総合評価について
5つのカテゴリーのうち、評価が高い上位3つのカテゴリーを足したものです。「B~SS」でつけています。
SS  18点
S  16点以上
A+ 14点以上
A  12点以上
B+ 10点以上
B  9点以下

 髪(白髪)評価5.5 
活性酸素が髪にとって良くないのは言うまでもありません。頭皮に活性酸素が大量に発生すると、頭皮トラブルに しいては薄毛&白髪につながります。

狭義の活性酸素の4種のうちで白髪に最も影響を与えるのは過酸化水素です。
黒髪のもととなるメラニンはメラノサイトでチロシンとチロシナーゼ酵素が結びつくことで生まれますが、過酸化水素はチロシナーゼ酵素の形成を破壊する働きをします。

ビタミンCには過酸化水素を分解する働きがあります。白髪予防に有効な成分の1つです。

 

 肌(美白)評価6 
ビタミンCは美白ケアの必須アイテムです。 
以下、ビタミンCの美白に関わる作用です。

◆チロシナーゼの活性抑制
メラニンはチロシンとチロシナーゼ酵素が結合することで作られます。チロシナーゼが活性されるとシミのもととなるメラニンがたくさん作られてしまいます。なのでチロシナーゼの活性を阻害することがメラニンの大量生成を防ぐために重要となります。ビタミンCはチロシナーゼ活性阻害成分の1つです。

◆メラニンの生成過程の還元
メラノサイト内にあるチロシンがチロシナーゼにより酸化されることでメラニンは生成されます。
チロシン→ドーパ→ドーパキノン→黒色メラニンという代謝過程を経て作られていきます。
ビタミンCは中間代謝物であるドーパーキノンをドーパに還元する作用があります。
またメラニンに直接働きかけ、黒色メラニンを無色に還元する(淡色化)作用も有します。

◆抗酸化
シミの原因となるメラニンは活性酸素の攻撃から肌(の細胞)を守るために作られます。なので体内に活性酸素が過剰に発生するとメラニンはたくさん作られます。
たくさん作られたメラニンが肌のターンオーバーともに排出されなければ、シミとなって肌の表面に現れます。
ビタミンCの抗酸化作用はメラニンの大量生成を防ぎます

外用(化粧品)、内服(美白医薬品、サプリ)問わず美白効果が抜群の成分と言えます。

 

 

 体型(ダイエット)評価3 
脂肪燃焼のメカニズムを簡単にまとめると以下になります。

脂肪燃焼メカニズム

  1. 分解 体内に蓄積された中性脂肪を遊離脂肪酸とグリセリンに分解する
  2. 運搬 分解されてできた遊離脂肪酸を細胞のミトコンドリアに運搬する
  3. 燃焼 ミトコンドリアで遊離脂肪酸がエネルギー貯蔵物質ATPに変わる

ATPがエネルギーとして消費される→脂肪燃焼

カルニチンはこのメカニズムの②運搬に必須です。

なぜなら脂肪酸は一時的にカルニチンと結合し、脂肪酸アシルカルニチンになることでミトコンドリア内膜を通過することができるからです。
ここで脂肪酸アシルカルニチンになれなければ脂肪に逆戻りすることになります。

カルニチンが不足している あるいは脂肪酸とカルニチンの結合が上手くいかない場合、脂肪酸は酸化されず脂肪に再合成されてしまいます。

体内ではカルニチンはリジンとメチオニンを材料に肝臓で合成されます。
カルニチンの生合成の大まか流れは以下です。

リジン+メチオニン→トリメチルリジン→ブチルベタイン→カルニチン

生体内でカルニチンはリジンがSAMe(S-アデノシルメチオニン)によりトリメチル化されて作られます。トリメチル化された後にさらにいくつかの酵素反応を受けて作られます。

各酵素反応における補酵素としてビタミンC・ビタミンB6・ナイアシン・鉄が必要です。材料(リジン&メチオニン)があってもこのうち1つでも欠けるとカルニチンの合成は上手くいきません。

ということで、カルニチンの合成にビタミンCが必要です。
ゆえに脂肪燃焼にもビタミンCが関与しているといえます。

 

 体力(普段)評価6 
常日頃からビタミンCを摂取することは、免疫力UP・ストレス軽減・肝機能向上につながります。この3つに対しての「ビタミンCの関与」を説明します。
※ビタミンCの効果・効能欄に記載すべきビタミンCの働きです。なので重要部分は赤文字でいきます。

◆免疫力UP
ビタミンCは白血球に多く含まれています。
ビタミンCを摂取することで白血球の機能を強化し、免疫力を高める効果が期待できます。

 

◆ストレス軽減
ストレスを感じると副腎皮質からノルアドレナリンやアドレナリンといったカテコールアミンが分泌されます。
ストレスを受けた時に「血圧が上昇する・汗が出る、動悸を自覚する」といった働きはこれらカテコールアミンの働きによるものです。「血圧が上昇する・汗が出る、動悸を自覚する」ことでストレスに対応しています。

カテコールアミンはチロシンから以下の流れで生合成されます。

チロシンL-ドーパドーパミンノルアドレナリンアドレナリン

一連の酵素反応

  • チロシン→ドーパ チロシン水酸化酵素
  • L-ドーパ→ドーパミン 芳香族L-アミノ酸脱炭酸酵素
  • ドーパミン→ノルアドレナリン ドーパミンβ-水酸化酵素
  • ノルアドレナリン→アドレナリン フェニルエタノールアミンN-メチル基転移酵素

.
ビタミンCはチロシン水酸化酵素およびドーパミンβ-水酸化酵素の活性化に補因子として必要
です。ビタミンCの不足はカテコールアミンの減少に、しいてはストレス耐性の低下につながります。

なおカテコールアミンは(ホルモンとしてのみらなず)神経伝達物質として重要な役割を担います。
なのでカテコールアミンの合成に関与するビタミンCを取ることは脳の冴え&病気の予防にもなります

脳の冴え
  1. 記憶力
    ドーパミンは学習・記憶などに関わる神経伝達物質です。
  2. 集中力
    ノルアドレナリンはやる気・集中力などに関わる神経伝達物質です。
  3. 注意力
    アドレナリンは集中力・判断力などに関わる神経伝達物質です。
 
病気の予防
  1. うつ病
    うつ病を引き起こす原因にドーパミン、ノルアドレナリンの不足が考えられます。
  2. パーキンソン病
    パーキンソン病の主な原因は脳内のドーパミンの不足です。

 

◆肝機能向上
①薬物代謝

体内の有害物質(以後、毒物)の多くは肝臓で無毒化されます。

肝臓の「解毒」システムは2段階の化学反応を経て行われます。

第Ⅰ相反応
第Ⅰ相反応は水溶性を高める反応で、薬物代謝酵素が脂溶性の毒物を排出されやすい形に変換させます。具体的には脂溶性の毒物に水酸基・カルボキシル基・アミノ基など官能基を導入します。
これにより水溶性が向上した毒物は、第Ⅱ相反応に進むことになります。

第Ⅱ相反応
第Ⅱ相反応は脂溶性の毒物の官能基に、グルクロン酸、硫酸塩、アミノ酸などの水溶性物質を結合させる反応です。これは抱合反応と呼ばれます。
抱合反応を受けることでさらに水溶性が上昇し尿や胆汁として体外へ容易に排出されるようになります。
抱合反応にはグルクロン酸抱合・グルタチオン抱合・硫酸抱合・アセチル抱合・アミノ酸抱合・メチレーションなどがあります。

※体外へ排出されるプロセスを第Ⅲ相反応として、「解毒」システムを3段階の化学反応としていることもあります。

さて第Ⅰ相反応で「薬物代謝酵素が脂溶性の毒物を排出されやすい形に変換させる」と説明しました。この薬物代謝酵素の代表ともいえるのがシトクロムP450です。

ビタミンCに
はシトクロムP450を維持する作用
があります。
ビタミンCが欠乏するとシトクロムP450が減少し薬物代謝能が衰えます。

②二日酔い
アルコールを摂取すると酵素の働きによりアセトアルデヒドという物質に分解されます。
そのアセトアルデヒドは、酵素の働きによってさらに分解されて酢酸になります。
その酢酸は最終的に水と二酸化炭素に分解され、尿、汗などになり体外に排泄されます。

二日酔いの原因物質はアセトアルデヒドです。アセトアルデヒドは毒性が強く、吐き気や頭痛といった症状を引き起こすもとになります。
ビタミンCにはアセトアルデヒドの分解を促進する働きがあります。

 

 

 その他(抗酸化)評価6 
ビタミンCは水溶性抗酸化物質の代表として体内の水溶性エリアを活性酸素の攻撃から守る働きをします。
個人的に、サプリから取るのは当たり前の成分だと思っています。

 

 

 

ビタミンC 参照一覧

ビタミンC解説 「健康食品」の安全性・有効性情報 国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所 

ビタミンC 海外の情報 「統合医療」情報発信サイト 厚生労働省

5. 2. 9.ビタミン C 厚生労働省 

ビタミンCの真実

ビタミンCとは? 公益社団法人ビタミン・バイオファクター協会

酸化ストレスと抗酸化療法 J-STAGE

ビタミンC 再生経路と酸化ストレス J-STAGE

2-IV-15 コラーゲン遺伝子発現に及ぼすアスコルビン酸の影響(一般演題,日本ビタミン学会第62回大会発表要旨)

コラーゲンの三本鎖構造の熱安定性に及ぼす水和の効果 J-STAGE

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