前回の終わりのほうにこんな文章をのせました。ATPに貯蔵されていたエネルギーが外に出されるというということは代謝の異化作用にあたります。代謝の異化とは、物質を分解してエネルギーを取り出すことを言います。で今回はATPの生成の仕組みを説明しようと思いましたが、まずは「同化」と「異化」というのをもう一度しっかり学びたいとも思いました。代謝の番外編でもないのですが、ちょっと別枠で記事にしてみます。

いやここは一度立ち止まって、知識を深めてから前に進みたいと思います。


・・・

代謝の回で同化と異化を説明する際に、このような文章をよく使ってきました。
物質代謝には、
体に必要な物質を合成する「同化作用」
物質を分解してエネルギーを取り出すこと「異化作用」があります
※ちなみに体に必要な物質を合成する「同化作用」にはエネルギーを取り込むことが必要です。異化作用から作られたエネルギーなどを使って同化作用が行われているということです。
で同化作用の例として、いくつかあげたのですが、なんだか覚えている?


せーかーい

代謝の同化というのは 摂取した食物(体内で分解されたもの)などを、いろいろして合成させ筋肉などを作ることって言ったので大正解です。いわゆる新陳代謝の「細胞を新しくつくる」っていうのも同化の一つといえばそうです。
代謝の異化作用とは、物質を分解してエネルギーを取り出すことといいました。まあこれは、次回以降説明するATPというエネルギーを貯蔵するものを生み出し、それを使う過程に関わってきます。
同化と異化ってこれだけで理解できましたか?


マジっすか?


嘘だー


嘘だー

そして ケンカがはじまった・・・・



30分後

仲直り
えーと同化と異化についてでしたね。さっきと別の言い方をすると
同化は単純な物質から体に必要な複雑な物質を合成すること、異化は複雑な物質から単純な物質に分解することです。
同化の合成反応の際にエネルギーを取り入れる必要があります。異化の分解反応の際にエネルギーを放出しているのです。

同化とは簡単にいうと食べ物から体を作る時に、細かな物質から複雑な物質へと合成すること。このわかりやすい例えはアミノ酸からたんぱく質を合成することがいえます。
※ちなみにこのたんぱく質の合成には転写とか翻訳とかややっこしいものがあるのですが、ぶっ飛ばして説明しています。
さっき筋肉などを作ることって言ったのはこのことです。筋肉はたんぱく質でできていますよね。そのたんぱく質っておもに20種類のアミノ酸が複雑に組み合わさってできたものですよね。いわゆる細かな物質(アミノ酸)から複雑な物質(たんぱく質)へ合成するってことです。でこの合成する反応にエネルギーを必要とするのです。
異化って、例えば糖質や中性脂肪を分解してエネルギーを作り出すことです。糖質を分解してエネルギー(ATP)を生み出す過程については次回説明するので割愛します。中性脂肪の関してはこちらで詳しくのべます→こちら
簡単にいうと中性脂肪をグリセリンと脂肪酸(遊離脂肪酸)に分解して、脂肪酸をもとにエネルギーを生み出します。
この生み出したエネルギーなどがたんぱく質の合成、筋肉の収縮、脳(神経細胞)の活動などに使われています。
たんぱく質の合成ってなんでしたか?同化反応でしたね。同化と異化ってつまるところこういう関係なんです。


いや あんたは理解していない!

ところで出だしのエネルギーはどこからが出発点からかわかります。例えば3大栄養素の中で主要なエネルギー源となっている糖質。糖質はそもそもなんでエネルギーをもっているのですかね?

いやこれは勝手な解釈かもしれませんが実は面白い視点です。

光合成
植物は、葉緑体という部分をもっています。そこで太陽の光エネルギーを使って、水(根から)と、二酸化炭素(空気中から)をもとに炭水化物(糖質)をつくります。これを光合成といいます。ちなみにこの過程で余分な酸素を外へ出します。


は?これは


ヒエー


アー助けて

プファー

いやお姉さんには光合成の気分を味わってもらいました。

光合成って太陽の光というエネルギーを使って、水(根から)と二酸化炭素(空気中から)という簡単な物質から、炭水化物(糖質)という複雑な物質を作っています。この作用って聞き覚えありません。

その通りです。同化作用の代表的なものは「光合成」です。
呼吸
次は動物の話になります。

動物はそのエネルギーが蓄えられた炭水化物を含んでいる植物をたべますよね。

ムシャムシャ
アッ写真間違えた

ムシャムシャ
動物は、植物(光合成でつくられた炭水化物が含まれている)を食べ物として取り入れます。主要なエネルギー源は3大栄養素のなかでも炭水化物だと何度もいってきました。
でその植物が動物の体内に入ると、炭水化物を燃焼させ、水と二酸化炭素が放出され、熱が生まれます。
この熱というのがエネルギーというものです。
ところで燃焼ってさらってだしましたけどわかります。

簡単にいうと酸素とくっつくこと。酸素とくっついて熱エネルギーをうみだすことです。ではその酸素はどういうふうに体内に取り込む?


吸ってーはいて~
正解です。呼吸によって酸素をとり入れています。呼吸は、炭水化物などを燃焼させるのに必要なのです。
で繰り返しになりますが、炭水化物を燃焼させると、水と二酸化炭素になり、このとき熱エネルギーが出るってわけ。
この作用って聞き覚えありません。

その通り!
異化とは複雑物質ををいくつかの単純な物質に分解して、エネルギーを生み出すことです。
ここでは複雑な物質(炭水化物)を単純な物質(水と酸素)に分解してエネルギーを作り出しているというわけです。で動物はこのエネルギーを使って、動いたりするというわけです。
異化作用の代表的なものは「呼吸」です。
エネルギーの取入れ
いままで、植物と動物で説明したのでイメージがわかないかもしれませんが、例えば植物を食物、動物を人間に置き換えるとわかりやすいかもしれません。
食物は光合成によりエネルギーを取り入れて炭水化物を作る。人間はこのエネルギーが含まれた炭水化物を体内にいれ、呼吸により取り込んだ酸素により分解して熱エネルギーを生み出す。そのエネルギーを使ってたんぱく質の合成、筋肉の収縮、脳(神経細胞)の活動を行う。

あとこういうパターンもありますよね。光合成によって炭水化物を含んだ草などを牛が食べる、その牛を人間が食べる。間接的に草の栄養素とエネルギーを手に入れるという感じです。
要は植物や食物が取り入れたエネルギーをうまく活用しているというわけです。
で今学んでいるのは代謝はまさにこれらです。上では単に炭水化物をとりいれ燃焼させてエネルギーを生み出すっていう感じですませちゃっていますが、その過程はものすごく複雑なのです。
その複雑な過程をへてATPというエネルギーを貯蔵する物質を作り出して、このATPが分解されるときにエネルギーが放出するという仕組みになっています。
このATPが生まれ、放出する仕組みついては次回学びます。