老化を遅らせるために「髪の仕組み」を学ぶ 総集編その2

総集編その1の続きです。その1の終わりでは「AGAの元凶であるジヒドロテストステロンを増やさないためには、おおもとであるテストステロンを減らすかそのテストステロンをジヒドロテストステロンにかえてしまう5αリダクターゼの分泌を抑制することが考えられます」という文で終わっています。果たしてテストテスロンを減らすのがいいのか、5αリダクターゼの分泌を抑制することがいいのか・・。言うまでもありませんが一応おつきあいください。

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ジヒドロテストステロンを増やさないことを考える

テストステロンを減らす(不正解)

テストステロンの95%は睾丸で作られています。例えば睾丸を除去するといったようなことをすれば、確実にAGAによる抜け毛を防ぐことができるといわれています。

ただこれはあまり現実的ではありません。

また睾丸を切除するまでいかなくともテストステロンを抑制する薬があります。
それでテストステロンを減らすことはできますが、体に次のような悪影響を及ぼします。

①テストステロンは筋肉を作ったり、生殖器を増大させたり、性欲をアップさせる働きがあるので、分泌を抑制するとこれら機能を保つことができなくなります。「男性らしさ」が失われます

②テストステロンは活力、やる気にかかわるので鬱になりやすかったりします。

③テストステロンの分泌は体脂肪を燃焼させれる働きがあります。これはメタボ予防につながりますので、分泌が減ってしまうと太りやすく生活習慣病にかかりやすくなります。

そもそも論でいうとテストステロンそのものは、抜け毛を促進するものではありません。

あとテストステロンの量とジヒドロテストステロンの量は反比例の関係です。

ジヒドロテストステロンは男性ホルモンを補うという働きをしていますので、テストステロンが減少すると、男性ホルモンの量を維持しようと残っているテストステロンがジヒドロテストステロンに変わりやすくなってしまいます。なのでテストステロンが減ると逆にジヒドロテストステロンが増えてしまうということになります。

またテストステロンは加齢とともにその分泌量が減ります。減ると今言ったように逆にジヒドロテストステロンが増えてしまいますし、テストステロンはストレスとか血液の流れとかに関わっているので、むしろ高齢時には、
テストステロンが少ないことが抜け毛に繋がることもあるといわれています。

5αリダクターゼの分泌を抑制する(正解)

実はテストステロンの分泌量に個人差はそんなになく5αリダクターゼの分泌量は個人差があるのです。

つまり5αリダクターゼの分泌量が多いとジヒドロテストステロンになる量も増え、AGAが発生する可能性が高まるのです。

AGAを発生している人は男性ホルモンのテストステロンが多いのではなく、
5αリダクターゼを生成する量が多かったり、5αリダクターゼの分泌量が多かったりしている人なのです。

この個人差がどっからきているかというと遺伝からなのです。
いろんな研究によって、5αリダクターゼの分泌量は遺伝によって決まるといわれています。

5αリダクターゼの分泌量は遺伝する

遺伝によって5αリダクターゼ分泌量が決まるといわれてます。しかも「優性遺伝」で受け継がれます。

優性遺伝を簡単に説明します。

例えば、5αリダクターゼを活性化する(分泌量を増やす)遺伝子をAとします。活性化しない遺伝子をaとします。

とある母親はAの遺伝子(活性化する遺伝子)もっていて、父親はaの遺伝子(活性しない遺伝子)をもっているとします。生まれてきた子どもはAAAaaaの遺伝子をもっているということになります。

AAの場合は5αリダクターゼを活性化する遺伝子をもっている、aaの場合はもっていないということになります。

Aaの組み合わせの時、「A」の性質がより現れるのであればAはaに対して優性といえます。

5αリダクターゼの分泌量の多さは優性遺伝といいましたので、この例え話のAaはAの性質、つまり活性化する遺伝子があらわれるということになります。5αリダクターゼは優性遺伝のため父親、母親どちらかが5αリダクターゼを活性する遺伝子をもっていたら高い確率で受け継ぐといえます。

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5αリダクターゼの種類

5αリダクターゼという酵素には1型5αリダクターゼ2型5αリダクターゼの二つがあります。

1型5αリダクターゼ

1型5αリダクターゼは毛根の皮脂腺というところに存在しています。なので1型5αリダクターゼは毛が生えているあらゆる場所に存在しているといえます。頭だけでなく、脇や生殖器周辺にもです。
というのも皮脂腺は手のひらや足の裏以外の全身にあるからです。頭、顔、腕、脚といった体の毛がでているところすべてにあります

ただ皮脂腺は全身に同じ量があるわけではありません。頭皮に一番多くあり、腕や脚部分は少なくなっています。

皮脂腺は風船のような濃いピンクの部分

 

 

 

 

2型5αリダクターゼ

2型5αリダクターゼは1型5αリダクターゼと違い広範囲にありません。
頭でいうと生え際や頭頂部の毛乳頭に多く存在しています。あとヒゲにもあります。

どちらの型の5αリダクターゼの酵素を多くもっているかはそれぞれ特徴があります。

1型5αリダクターゼを多くもっている人の特徴

1型5αリダクターゼを多く分泌する人の特徴としては、脂性の人といえます。1型5αリダクターゼ皮脂腺に多く存在しているといいました。なので皮脂の分泌が多い人、つまり脂性の人があてはまります。
にきびが多い人や頭皮が脂ぎている人は1型5αリダクターゼが多く存在していると推測できます。

2型5αリダクターゼを多くもっている人の特徴

2型5αリダクターゼを多く分泌する人の特徴としては、体毛やヒゲが濃い人といえます。2型5αリダクターゼ男性ホルモンの作用を強く受ける毛乳頭に多く存在しているからです。
頭でいったら生え際から~頭頂部付近が当てはまります。

この2つの5αリダクターゼの違いや特徴をまとめると次のようなことがいえます。

1型5αリダクターゼは毛根の皮脂腺というところにあり、毛が生えている体のいたるところに存在している。
2型5αリダクターゼは生え際や頭頂部の毛乳頭に多く存在している。

なので頭でいうと生え際から頭頂部にかけては1型と2型両方が存在していて、後頭部や側頭部には1型しか存在していない。

このことはどちらがよりAGAに影響を及ぼしているかがわかります。

2型5αリダクターゼのほうがAGAに影響を及ぼす

AGAとは成人男性の生え際や頭頂部が薄くなってしまっている状態のことです。後頭部や側頭部は薄くなりません
なので2型がAGAにより多く影響を及ぼしている(より多くジヒドロテストステロンを生成している)と推測できます。

推測
生え際は頭頂部には1型、2型の両方が存在している。結果ものすごく影響を及ぼしている=生え際は頭頂部が薄くなってる。
側頭部、後頭部には1型しか存在していない。そんなに影響はない=側頭部、後頭部は薄くならない。
1型がジヒドロテストステロンを生成する働きはそんなに強くないということが予想される。

推測だけでなく

最新の研究では、体全体のジヒドロテストステロンの生成率の割合が2型5αリダクターゼが6割~7割、1型5αリダクターゼが3割〜4割であることがわかっています。
そして作る量だけでなく、より強力なジヒドロテストステロンを生成すると言われています。

つまり

2型5αリダクターゼのほうがより多く、より強力なジヒドロテストステロンを生み出すのです。

ジヒドロテストステロンを発生させないためには両方の対策を講じる必要がありますが、特に2型5αリダクターゼを抑制することに力を入れる必要があります。

5αリダクターゼを抑制する方法

5αリダクターゼを抑制する方法としてAGA治療薬と食事やサプリメントがあげられます。

AGA治療薬

プロペシア(フェナステリド)

プロペシアとはAGAの治療薬です。フィナステリドはその成分名です。プロペシアははじめ前立腺肥大や前立腺癌の治療薬として使われていましたが、それを服用している人に薄毛改善の効果があることがわかったので、今ではAGAの治療薬としても販売されています。

プロペシアの成分フェナステリド5αリダクターゼが活性化するのを抑制する作用を持っています。

抑制することによりジヒドロテストステロンが作られにくくなります。
ジヒドロテストステロンが減れば、毛母細胞への攻撃も少なくなり、毛母細胞が正常に機能することになります。

フェナステリドは5αリダクターゼの活性化を抑制するのでAGAの予防効果があります。特に2型5αリダクターゼへの有効性が認められています。

ミノキシジル

ミノキシジルも最初は別の目的の治療薬でした。血圧を下げるための薬です。高血圧の患者さんにミノキシジルを服用したところ、体毛が濃くなったりうぶ毛が生えてきたので、薄毛治療薬として販売されるようになりました。

日本ではリアップという商品名で育毛剤として販売されています。海外ではロゲインという商品名で販売されています(販売している企業もミノキシジル含有率も違います)。海外ではタブレットで内服薬としても売っています。

ミノキシジルには毛母細胞を活性化させる作用があります。血管を拡張し血流を良くさせることで、毛母細胞の細胞分裂を活性化させさせるといったものです。毛母細胞の 髪を生み、成長させるという力を促進させます。

フェナステリドは5αリダクターゼが活性化するのを抑制するので 予防という意味合いが強くAGAに対して「守り」の役目をするといえます。
ミノキシジルは生成されたジヒドロテストステロンによって傷ついた毛母細胞を活性化させるのでAGAに対して「攻め」の役目をしているといえます

副作用
フェナステリド、ミノキシジルともに副作用があります。
フェナステリドは胃部不快感、勃起不全、性欲減退なとです。
ミノキシジルは血圧を下げてしまう、体毛が濃くなる、勃起不全、性欲減退といったことが起こる場合があります。この場合の副作用とは主に内服用のタブレットのほうです。育毛剤のほうは、頭皮のかゆみ、かぶれといったものがあるようです。

これらAGA治療薬が薬である点や副作用が心配という方は、食事やサプリメントからでも5αリダクターゼを抑制する方法があります。
亜鉛やノコギリヤシです。亜鉛やノコギリヤシは5αリダクターゼの活性化を抑制する働きがあります。なので食事などで積極的に摂取することが予防につながります。ノコギリヤシの場合はサプリメントととして取る必要があります。

※当然ですがAGA治療薬のほうがその抑制する力は数段上です。

総集編その3に続く。

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