ビタミンB群はビタミンB1、B2、B6、B12、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、葉酸の8つをひとまとめにしたもののことをいっています。この8つのビタミンはB群として1つにまとめられていますが、おのおの異なる重要な働きをしています。
このシリーズは、ビタミンB群の1つ1つの特徴や働きを紹介していくものです。人によってはこのことを単に記事数を稼いでいるだけじゃないかと思うかもしれません。そうではないのです。・・・いやそうかもしれません。とりあえずB1、B2、ナイアシンの紹介は終わりました。
さて今回はビタミンB群の8つのうちの4番目のビタミン「パントテン酸」を紹介したいと思います。


ギクッ なんでわかった?

つまり3と6の間ということでしょ?

さあどっち?

4! 4---

ぷッ ババア1/2の確率で外したよ

乙女をバカに・・・

するなーーーー
いったーい。強烈な右ストレートいただきました!!
パントテン酸
パントテン酸は、水にとける水溶性ビタミンでビタミンB群のひとつです。別名ビタミンB5です。
パントテン酸はビタミンBのなかで5番目に発見されたものです。昔はビタミンB5って呼ばれていましたが、今はパントテン酸のほうで名が通っています。
ところでビタミンの中でアルファベットの呼び名でないものはだいたい化学名です。

例えばビタミンB1、B2にも化学名というものがあります。
B1はチアミン、B2はリボフラビン(リブフラビン)です。

あとビタミンで言うとビタミンAはレチノール 、ビタミンCはアスコルビン酸、ビタミンEはトコフェロールという化学名があります。

さっきアルファベットの呼び名でないものはだいたい化学名です。といいましたが、ちょっと語弊が生まれる文章でした。
ビタミンCとかEが通称名って感じで、化学名というのはその物質の正式な名前みたいな感じです。
前回紹介したナイアシンの場合は、ナイアシンが通称名でニコチン酸が化学名ということです(B3が通称名で化学名がナイアシンということではなく)。


パントテン酸の化学名なんだと思う?

パントマイム!!
ブー不正解です。

パントテン酸の化学名は、パントテン酸です。

うらーーーー

バチコーーーン!!
いったーーーーい
別にふざけてるわけでもなく、そういうものなんです。
ちなみにパントテンってギリシャ語で「広くどこにもある」という意味だそうです。これ豆知識です。

パントテンは「広くどこにでもある」と言う意味でしたが、パントテン酸はその意味通りに動物性、植物性とわずあらゆる食品に含まれています。またパントテン酸は腸内細菌によって体内でも合成することできます。

水溶性ビタミンは体内で貯めておくができないので結構不足のほうが心配となることが多いですが、
パントテン酸が含まれる食品の数があまりに多くて、何らかの食べ物を食べたらだいたいは摂取できちゃうので、不足しにくいというのが特徴です。体内でも合成できますし。
なので通常の食生活を送っていいる限りは、パントテン酸不足の欠乏症はまず考えられません。


カチャッ!!

フサフサ ごめーーーん
不足することがあんまりないから重要ではないということではありません。パントテン酸も他のB群に負けず劣らず重要な成分です。
パントテン酸の働きがいくつかあるので紹介します。
エネルギー代謝
パントテン酸といったらこの「エネルギー代謝」です。
パントテン酸はコエンザイムA(CoA)と呼ばれる補酵素の構成成分となって、3大栄養素のエネルギー代謝に関わっています。

間違っていない?
いいえ間違っていません。コエンザイムA(CoA)の補酵素の構成成分です。
ただこのコエンザイムA(CoA)という補酵素は只者ではないのです。


うん?Qと間違ってない?コエンザイムQ10ってやつと?

( ゚д゚)ハッ!ツ

ババア うける!!

末代までの恥やーー
エネルギー代謝において、コエンザイムA(CoA)は糖質、脂質、たんぱく質のエネルギー変換をサポートする働きをしています。
つまり3大栄養素のエネルギー代謝すべてに関係しているということです。コエンザイムA(CoA)は、3大栄養素のエネルギー代謝の過程で働いている100種以上の酵素の働きを助けています。

これからいうことはすーごく大雑把なことです。
ツッコミどころ満載ですがあえて突っ込まないでください。
エネルギー代謝において、エネルギーが作られるためにはTCA回路(クエン酸回路)というエネルギーを作り出すサイクルに入らなければなりません。エネルギーのもととなる3大栄養素は分解されたあと、このサイクルに入り、酸素とくっつきってエネルギーとなります。

難しいのです。簡潔に説明するのが。
ちょっとですね、これについてはエネルギー代謝の知識が必要となります。
(エネルギー代謝については→老化を遅らせるために「代謝」を学ぶ その7に詳しく書いてあります。)
さっきの文はちょっと大雑把すぎたので、もうちょい詳しく言います。エネルギーを作り出す過程(エネルギー代謝)はだいたいの場合はこんな感じです。
このTCA回路(クエン酸回路)の中で、アセチルCoAが体内の酸素と反応して、二酸化炭素と水を発生させながら、ATPを生成しています。
※ATPはエネルギーというよりエネルギーの貯蔵庫のようなものです。めんどうなので、ここではエネルギーと考えてください
この文章のなかで、何か気づくことはありませんか?

どれどれ?フムフム
良ーく読んでくださいね!

わかったわ!!
何に気づきましたか?

稚拙な文章!!

そこかよ!!
確かに今読み返すとけっこうめちゃくちゃですね。まあそれより
「アセチルCoAという物質に変わり」という部分に注目してください。アセチルCoAってなんか見覚えありませんか?

その通りアセチルCoAとはアセチルコエンザイムAとよばれ、コエンザイムA(CoA)に酢酸が結合した物質なのです。
ちなみにアセチルCoAは、活性酢酸とも呼ばれます。
エネルギーをつくりだすためには、細胞内のミトコンドリア内で行われるTCA回路(クエン酸回路)に入らなければならず、そのサイクルに入るにはアセチルCoAという物質になる必要があります。
3大栄養素がアセチルCoAに変換される代謝経路はそれぞれ違いますが、どんな経路(解糖系、β酸化etc)であれ基本的にアセチルCoAという物質にならなければ、エネルギーを産生できないといえます。

アセチルCoAはコエンザイムA(CoA)に酢酸が結合した物質です。
つまり、アセチルCoAの構成物質であるコエンザイムA(CoA)という補酵素ってエネルギー代謝において重要ということなりませんか?
で、そのコエンザイムA(CoA)の構成成分であるパントテン酸ってこれまた超重要ということなりませんか?

ということでパントテン酸は、コエンザイムA(CoA)という補酵素の構成成分として、3大栄養素の代謝すべてに関わっているので、エネルギー産生に欠かせない必要不可欠な成分なのです。
上手くまとまりました!!
婆さんいきますよ!!

へーーい

・・・・・
ところでコエンザイムQ10のサプリメントは超有名ですが、コエンザイムAってサプリメントを見かけたことありますか?

人は食事などからコエンザイムA(CoA)自体を直接摂取することは出来ないのです。体内でコエンザイムA(CoA)を増やすにはその構成材料となるパントテン酸を取る必要があるということです。
脂肪酸の代謝
脂肪酸とコエンザイムA(CoA)は結合してアシルCoA( アシルコエンザイムA)という物質を作ります。アシルCoAは脂肪酸の代謝に関わる物質です。
※ここからアシルCoAとアセチルCoAがでてきます。文字が似ているので間違わないようにしてください。
さきほど、TCAサイクルに入るには基本的にアセチルCoAにならなければいけない話をしました。その時3大栄養素がアセチルCoAに変換される代謝経路はそれぞれ違うといいましたよね。

脂質の代謝経路をもうちょい詳しく説明すると、まず脂肪酸とコエンザイムA(CoA)がくっつきアシルCoAが作られます。
でこのアシルCoAを原料にβ酸化と呼ばれる脂肪酸の代謝(脂肪酸の分解)過程を経てアセチルCoAとなります。
で、出来上がったアセチルCoAがTCAサイクルに入り、エネルギーを産生するというわけです。
コエンザイムA(CoA)の構成成分であるパントテン酸は、脂肪酸の代謝に関わっているといえます。

ぶっちゃけると

理解してませーん
すいませーーん


バチコーーーン
コレストロール
脂質のひとつコレステロールもアセチルCoAを原料として作られます。コレストロールは2種類ありますが覚えていますか?

正解です。
その前にちょっとコレストロールの復習をしましょう。
コレストロールには主に4つの重要な役割があります。細胞膜、ステロイドホルモン、胆汁酸、ビタミンDの前駆体の材料となっていることです。
コレストロールと聞くとなんだか体に悪いものと思ってしまいますが、これらの材料となっているコレストロールは人間の体に欠かせない必要不可欠なものなのです。
ただ、コレストロールが体内に増えすぎてしまうと体に害を与えます。増えすぎると血管壁に蓄積し、動脈硬化の原因となります。

左の図がまさにそれを表しています。
薄ーいピンクのところがコレストロールです。で血管壁にプラークが蓄積されていくと血管が縮まっていきます。
そして血液の流れが悪くなり動脈硬化になってしまうというわけです。
コレストロールって食事から取れるし、体内でも合成できます。1日に必要なコレステロールの7~8割を体内で合成(主に肝臓)し、残りの2~3割を食物から外から摂取しています。
食べ物からコレストロールを多くとってしまった場合、体内で合成する量を減らす調整機能が体内には備わっているのですが、加齢とともにその調整機能は落ちてしまいます。またあまりにも食べ過ぎると調整機能が働かなくなります。
なのでコレストロールが増えてしまうというわけです。


はい?


( ゚д゚)ハッ!ツ


・・・・・


話を続けます

わかりました。だいぶ端折ります。
コレストロールには「LDL(悪玉)コレステロール」と「HDL(善玉)コレステロール」の2種類あります。2種類あるといっても、全く別物というわけでなく、コレストロールを運搬するリポたんぱく質の種類(成分の割合い)が違うだけす。
※コレレステロールは脂質なのでそのままでは水分の多い血液に溶け込むことができません。リポたんぱく質となって血液のなかをめぐります。
肝臓で合成されたコレストロールを全身に運ぶのはLDLです。LDLコレステロールは肝臓で作られたコレステロールを血管を通じて体中の細胞に運搬する役割をしています。このコレストロールは細胞膜やホルモンの材料となります。
細胞膜やホルモンの材料となるコレストロールを体のすみずみまで運ぶ役割を担っているので、体にとって必要なものなのですが、これが増えすぎると血管の壁にたまり、動脈硬化が進行するというわけです。

まさにこのことですね
HDLの主な役割はコレステロールを肝臓へ運搬することです。HDLコレストロールは体内で使われなかった余分なコレステロールを肝臓に送る(戻す)働きをします。
血管壁に付いたコレステロールなど余剰なコレステロールを回収して肝臓に戻すことで、血液中のコレステロールが増えることを防ぎ、動脈硬化を予防するといわれています。
で本題に入ります。

パントテン酸はHDLの合成を促進するのです。なので動脈硬化を予防する効果があるといえます、以上。


どんだけ文字数稼いでんだ・・・

よーーーー
アセチルコリン
アセチルCoAは、食事などで摂取したコリンを神経伝達物質であるアセチルコリンに変える働きがあります。
なのでCoAの構成材料であるパントテン酸もこの働きに関与しているといえます。
アセチルコリンには、筋肉の収縮を促したり、集中力や記憶力を向上させる働きがあります。アセチルコリンが不足するとアルツハイマー病が発生しやすくなります。
えーと次は

そうですね。じゃあ最後の最後に軽くいきます。
副腎皮質ホルモン
抗ストレスホルモンである副腎皮質ホルモンの合成にも関わっています。そのためパントテン酸は「抗ストレスビタミン」とも呼ばれています、以上。

じゃあまた明日!!
そのころお兄さんは

うおーー
出っ張り!!

ドカーン

ウオーーーー

落ちるーーーー