さて長らく続いたビタミンB群シリーズ。エピソード0から始まり、今回でその9まで行きました。実に10回に及び掲載してきたわけです。
ビタミンB群とはビタミンB1、B2、B6、B12、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、葉酸の複合体のことです。主に3大栄養素の代謝にかかわっていますが、この8つのビタミンがすべてが同じ働きをしているのではありません。そのために1つのビタミンを紹介するのに1記事をかけてきました。でラストを飾るのはビオチンです。まさにラスボスといっていいほど重要な成分です。

はい!ようやく8つのビタミンすべての紹介が終わります。長かったですね。
で最後を飾るのはビオチンです。まさに最後の砦、ラスボスっていっていいほどの存在です。まあ個人的な意見ですが。

ハイ!私にとってとっても大事な成分なのです。そのため思い入れも深く、もしかしたらこの1回で終わらず、次回まで続く可能性があります。

情報量が多いのでもしかしたらですよ!もちろんこの1回で終わらせるつもりです。
ビオチン
ビオチンとは、水溶性ビタミンで、複合体であるビタミンB群の一種です。

ビオチンは別名ビタミンB7、ビタミンH、コエンザイムR(補酵素R)とも呼ばれます。
このなかでビタミンHは代わりによく呼ばれる名前なので覚えておくといいと思います。ちなみに化学名は変わらずビオチンです。


それがなにか?

B1~B6まで

・・・(やばい 気づかれたか!)


婆さんも食う?パセリ

ご指摘の通りです。
はじめはB1、B2、ナイアシン(B3)、パントテン酸(B5)、B6ときて、最後の3つで順番通りにいきませんでした。まあこれはミスではなく意図的です。やはりラストになにを持ってくるべきかと考えた時、ビオチンが一番ふさわしいということになりました。

おハゲよ、正直になれ!!

スイマセン ミスりました

コツンじゃーー
コツーン!!

いったーーい
それでは改めまして、ビオチンの説明の続きです。
ビオチンは幅広い食品に含まれています。食品の中ではたんぱく質とくっついた状態で存在しているので、分解されにくく壊れにくい性質をもっています。熱や酸に強く、加熱調理による成分の損失があまりありません。
またビオチンは腸内細菌でも作ることもできます。なので不足しにくい成分といえます。

はい、腸内細菌で作れるビタミンって意外と多いのです。例えば、脂溶性ビタミンのビタミンKがそうです。
また水溶性のビタミンでいったら、B2、パントテン酸、B6、葉酸、B12は体内の腸内細菌でも作ることができます。

それだったら、むしろ作られるのが普通で、作られない方が珍しいってことになるじゃない!!
まあ6/8なので、そういわれても仕方ない部分があります。
ビオチンの話に戻します。
ビオチンって食品でも取れますし、体内でもつくることができます。
体内の腸内細菌でつくられるものも食品で取ったものと同じような働きをするので、ビオチン摂取を意識しなくても一般的な食生活を送っている限り欠乏症がでないのですが・・・・

抗生物質を服用していたり、過度の飲酒をしている人や、ヘビースモーカーや
1日5個以上、生卵を食べる人は、欠乏症が発生するリスクが高まります。
ビオチンは過剰症の心配がない成分のため、多めにとる必要があります。


生卵がどうのこうのって

うん?

コツンじゃ!!

それだけはやめて!!
逃げろーー
ヘッドライト

テールライト
旅はまーだ
コツン!!
「1日5個以上、生卵を食べる人がビオチンの欠乏症を引き起こす」って、別にふざけているわけではありません。ちゃんと根拠があるのです。
卵白にはアビジンというビオチンの吸収を妨げるたんぱく質がふくまれています。
アビジンがあるおかげでビオチンが腸で吸収されなくなるのです。

なので、これをこのまま一気したらまずいのです。

いえ大丈夫です。生で食べなければOKです。というより卵をたべないというのは、栄養面でいうとかなりマイナスです。卵は完全食と呼ばれるくらい栄養豊富な食材なので。
加熱処理することでアビジンの「ビオチンと結合する」という働きを取り除くことが出来ます。
そもそも卵黄にはビオチンが多く含まれているので、ゆで卵とか、目玉焼きとかにして食べるのがベストといえそうです。
加熱処理でも、加熱する前に卵黄と卵白混ぜる卵焼きとかスクランブルエッグとかはアビジンとビオチンの結合を防げないといわれていますので要注意です。

うーん ビオチンのことを考えたらNGですね。おいしいんですけどね・・・卵かけご飯。
基本、加熱しても生でもあんまり栄養価はかわりませんので、加熱処理はしたほうがいいと思います。
まあ1日1個とかだったら生卵でいっちゃても、さして問題ないとおもいますが・・・

ビオチンの欠乏症によってなにがおきるかというと、
皮膚炎とか結膜炎がおきます。あと筋肉痛とか、疲労がでたりとか・・
ぐーん!!

早くはけや もっと大事なもんがあるんだろ~

い・い・・ます
ビオチンが不足すると 髪が抜けます、髪が痛みます、白髪になります。
ビオチンって髪にとってとっても大切な成分なのです。

ともかく髪や肌の健康に気を使っている私にとってとっても大切な成分です。そのビオチンの働きをいくつか紹介していきたいと思います。
3大栄養素の代謝
ビオチンも他のB群と同様に補酵素として代謝にかかわっています。
カルボキシラーゼという酵素があり、ビオチンはこの酵素の補酵素として働いています。このカルボキシラーゼという酵素は3大栄養素すべてに関わっていて、具体的には糖新生(糖質の代謝)、脂肪酸の合成(脂質の代謝)、アミノ酸の代謝(たんぱく質の代謝)にかかわっている酵素です。
その補酵素としてかかわっているビオチンも3大栄養素の代謝すべてに関わっている成分なのです。
糖新生、脂肪酸の合成、アミノ酸の代謝についてひとつずつ説明していきます。
糖新生
糖質の代謝に糖新生というものがあります。
まずその前に、3大栄養素のエネルギーとして使われる順位ってどうだったか覚えていますか?順位というか何が優先的にエネルギーとして使われるかです?
ヒントはこのグラフです。

人間の主要なエネルギー源は糖質と脂質です。主食が米とかパンである日本人は特に糖質です(さっきのグラフは日本人の1日におけるエネルギー産生率です)。3大栄養素のエネルギーとして使われる優先順位は、糖質→脂質→たんぱく質です。これを頭の片隅にいれておいてください。
で、糖質からエネルギーを得る場合の一般的なケースは
食事などから炭水化物をとって、その炭水化物が消化、分解されブドウ糖となり、そのブドウ糖が血液の流れにより、全身の細胞に運ばれエネルギーにかわるという仕組みになっています。
ブドウ糖がすぐにエネルギーとして使われず余った場合は、肝臓や筋肉にあるグリコーゲンと呼ばれる物質に貯蔵され、必要となった時にグリコーゲンがブドウ糖に分解されてエネルギーとなります。
まあ糖質のエネルギー代謝のオーソドックスなタイプってこんな感じです。

で空腹時が長く続いた時、血糖値を維持するだけの糖質が体の中になく、かつ貯蔵庫の役目をしているグリコーゲンも空っぽの場合に、人間にはもう一つ糖質を生み出すことができます。
アミノ酸、脂肪、乳酸などからブドウ糖を作り出し、このブドウ糖をエネルギーとして利用することが出来ます。このことを糖新生といいます。
血糖値を維持するだけの糖質が体の中にない時にアミノ酸、脂肪、乳酸などからブドウ糖を作り出すシステム。主に肝臓で行われる。
そして糖新生のなかで乳酸からブドウ糖を作り出すときにビオチンが関係してきます。
乳酸はブドウ糖のエネルギー代謝の過程で生まれるものです。溜まると筋肉の運動とかを阻害するものから老廃物とか疲労物質と考えられているものです(いまはそういう考えではないみたいです。糖新生の観点でいうと乳酸はエネルギー源となりますので)。でこの乳酸ってブドウ糖にリサイクルできるのです。まあこのリサイクルというのが糖新生というものなんです。
仕組みはこんな感じです。
ブドウ糖のエネルギー代謝の過程で生まれた乳酸をまず肝臓に運びます。そこで乳酸はピルピン酸に変えられます。そしてそれがオキサロ酢酸に変えられ、最終的にブドウ糖に作り替えられます。

その辺は特にきにしないでください。ここではそういうものに変わるんだな程度の認識で結構です。
この乳酸→ピルビン酸→オキサロ酢酸→ブドウ糖という代謝過程で酵素が働いています。
その酵素ってなにかわかりますか?

カルボナーラ

・・・・・(ベタなボケ)
さっき話したカルボキシラーゼという酵素がこの代謝過程(ピルビン酸→オキサロ酢酸)で働いているのです。でビオチンもカルボキシラーゼの補酵素として働いているわけです。
ということでビオチンは乳酸の糖新生において重要な役割を担っているといえます。
ビオチンが不足していて乳酸からの糖新生が上手くいかないということは、疲労物質である乳酸がたまり筋肉痛になったり疲労を感じやすくなります。

あと糖新生って糖質制限ダイエットの観点でキーとなるメカニズムになっています。
糖質って日本人が主食として取りすぎちゃって、エネルギーとして余りやすく太る原因になるといいました。なので糖質を減らして代わりにたんぱく質や脂質の量を増やすことが肥満防止につながります(特にたんぱく質)。
日本人の1日におけるエネルギー産生率
糖新生というはブドウ糖が不足した際などに、アミノ酸、脂肪、乳酸など糖質ではない物質からブドウ糖を作ることと先ほどいいました。
脂肪からブドウ糖を作ることもできるので、肥満を防ぐことができるといえます。体内にある中性脂肪を分解してエネルギーのもとを産生するのです。

おっしゃるとおり糖質は肥満の原因であるなど諸悪の根源みたいな扱いかたをされている一方で脳のエネルギーとなっているという重要な側面があります。
その点は心配いりません。
脂肪の糖新生の過程から生まれるケトン体があるからです。脂肪が分解されたときにできる脂肪酸がエネルギーになるのですが、その脂肪酸の一部は、肝臓でケトン体という物質になり、そのケトン体がブドウ糖の代わりに脳のエネルギーとして働きます。なので脳のエネルギー不足を心配する必要もありません。

次にいきましょう!
えーと長くなりましたので、脂肪酸の合成(脂質の代謝)、アミノ酸の代謝(たんぱく質の代謝)に関しては、次回説明しましょう。
まあラストなんでゆっくり時間をかけてやり・・
ビターん!!

そのころ爺さんは
・・・・・絶対絶命だった・・・・・

あかーん

ジジイ観念しな

・・・・・


愛してーるよーーー

なにーーーー

・・・・・