カリウム

カリウムの評価 A

カリウム

カリウムは必須ミネラルです。必須ミネラルのうち主要ミネラルに分類されています。

ミネラルには必須ミネラルとよばれるものが16種類あります。そのうち1日に必要とされる摂取量が100㎎以上のミネラルを主要ミネラルといい、100㎎未満のミネラルを微量ミネラルといいます。

16種類の必須ミネラル

主要ミネラル・・・・・カルシウム、リン、カリウム、硫黄、塩素、ナトリウム、マグネシウム
微量ミネラル・・・・・鉄、亜鉛、銅、マンガン、ヨウ素、セレン、モリブデン、コバルト、クロム

主要ミネラル=体が正常に機能するために、1日に必要とされる摂取量が100㎎以上のミネラル
微量ミネラル=体が正常に機能するために、1日に必要とされる摂取量が100㎎未満のミネラル

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カリウムは、植物性食品に多く含まれ、水に溶けやすい性質を持っています。
体内ではほとんどが細胞内液に存在しています。体内にあるカリウムの98%が細胞内液にあり、残り2%は細胞外液に存在しています。細胞内液では、リン酸塩またはタンパク質と結合して存在し、細胞外液に多く存在するナトリウムとともに、体液の浸透圧を維持する働きをします。

カリウムは細胞が正常に活動していくために、細胞内外の環境を常に一定した状態で維持する働きをしています。

浸透圧
半透膜(細胞膜)で隔てられた濃度の低い液体が濃度の高い液体のほうに移動して、高い濃度を薄め同じ濃度になろうとする力のことを言います。

カリウムとナトリウムの関係

カリウムの多くは細胞内液に存在しています。一方ナトリウムの多くは細胞外液に存在しています。
※この図でいうと緑の縁が細胞膜で、カリウムはその中にあるもの、ナトリウムはその外(空白)にあるものと考えてください。

カリウムとナトリウムは細胞膜を間に挟んで、細胞内の浸透圧の調整と細胞外の浸透圧の調整をし上手くバランスを保っています。

カリウムはナトリウムと拮抗することで浸透圧を調整してます

例えば塩分の取りすぎによって細胞内のナトリウムイオンの濃度が濃くなると、細胞膜はナトリウムイオンを細胞の外へと押し出し、代わりに細胞の外にあるカリウムイオンを細胞内へ取り込むことで濃度を薄め、体液の濃度を一定に保つ働きをします。このような調整の仕組みはナトリウムーカリウムポンプと呼ばれています。

カリウムの摂取目的

カリウムの摂取目的は「細胞」、体型「筋肉」です。

 摂取目的
体型 「筋肉」
その他「細胞」

カリウムの効果・効能

むくみ
むくみとは細胞と細胞の間に余分な水分が増えて、皮膚や皮下組織内に溜まる状態のことをいいます。むくみはカリウムとナトリウムのバランスが保たれていないことでおこります。特にナトリウムの過剰、カリウムの不足によっておこります。
ナトリウム過剰摂取はカリウムの大量消費につながります。これにより細胞内のカリウムが不足している状態に陥ります。 カリウムが不足すると、細胞内のナトリウム濃度を下げようと、体が水分をためこむようになります。
結果、細胞内に入りきらない水分が細胞間に溜まってしまう状態、つまりむくんでしまうことになります。カリウムを摂取することはナトリウムとのバランスを安定させることになりむくみ解消につながります。

筋肉
カリウムは、筋肉の収縮に深く関わっています。筋肉の収縮は、カリウムとナトリウムが筋肉細胞に働きかけることで始まります。脳から「筋肉を動かす」という電気信号が発生し、筋肉がその電気信号を受け取ることで筋肉の収縮が行われます。
もう少し詳しくいうと電気信号を受け取ると電解質であるカリウムイオン、ナトリウムイオンが細胞膜を通じて筋肉細胞の中に入ったり、外に出たりします。そうすることで活動電位が発生し、筋肉細胞が刺激され、筋肉の収縮が行われます。カリウムには、筋肉の収縮を正常に保つ効果があるといえます。

高血圧
ナトリウムの濃度が過剰になると、その分を薄める為に水を飲むように指令が入ります。塩分(ナトリウム)を取りすぎると喉が渇くという症状がでるのはナトリウムの濃度が高くなっているサインといえます。

血液中の塩分(ナトリウム)濃度は決まっています。この濃度があまりにも高くなった場合、それを薄めようとするために、水分が多量に取り込まれる仕組みになっています。 水分が多量に取り込まれた結果、水分が血管の中(細胞外)に流れ、身体の血液が増えます。身体が血液の浸透圧を一定の状態に保とうとするため血液中の塩分を薄めるよう働くからです。
血液の量が増えることで、血液を送り出す圧力は通常よりも必要となります。血圧が上がること(=高血圧)につながるということになります。

カリウムには、塩分(ナトリウム)の排泄を促進して血圧を下げる作用があります。

カリウムのサプリメントにあるよくあるキャッチフレーズ集

  • 塩分を取りすぎに
  • カフェイン、アルコールをよく飲む人
  • むくみにお悩みのかた
  • 夏バテの予防に
  • 加工食品、インスタント食品を好む方
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カリウムの摂取量、不足、過剰

カリウムの摂取量
カリウムの1日の目安摂取量は、成人男性2500㎎、成人女性2000mgとなっています。日本人の平均摂取量は1日あたり成人男性は約2300mg、成人女性は約2100mgとなっていって、男性は目安摂取を満たしていないことになります。
WHO(世界保健機関)はカリウムを高血圧の予防を目的とする場合は1日あたり3500mgを目標として摂取するよう提案しています。
日本人の食事摂取基準(厚生労働省策定)ではカリウムの目標摂取量として1日あたり成人男性3000mg、成人女性2600mgを推奨しています。
 
カリウムの不足
カリウムが不足すると疲労を感じやすくなり、吐き気、食欲不振などの症状を引き起こします。不足することで特に身近に起こることは、「むくみ」と「足がつる」ことです。
むくみは体内のナトリウムとカリウムのバランスが安定していないことで起こります。ナトリウムの濃度が高まっている状態で、カリウムが不足していると濃度を薄めることができず、多量の水分が必要な状態になります。その水分が細胞間に溜まることでむくみが生じます。
足がつることとカリウム不足の関係は、細胞内のカリウムの7割は骨格筋に存在し、筋肉収縮にかかわっているためです。筋肉の収縮に関わっているカリウムの不足状態がひどくなると痙攣や不整脈に起こします。

またナトリウムが過剰で、かつカリウムが不足している状態が続くと高血圧になるリスクを高めます。

 
カリウムの過剰
カリウムの過剰になると、高カリウム血症という病気になります。高カリウム血症は血液中のカリウムの濃度が急上昇してしまう病気です。症状の軽度のものは下痢や吐き気といったものですが、重度なものは、不整脈、心停止などです。不整脈の中でも危険な心室細動を起こして命にかかわる場合もあります。
高カリウム血症を注意する方は、腎不全など腎機能に障害をもっている方です。カリウムは過剰に摂取しても腎臓から尿などと一緒に体外に排出されます。腎臓に障害がある場合、排出が困難になり体内に蓄積されてしまうからです。

カリウムの豆知識

4つの栄養素
厚生労働省は意識して摂取すべき4つの栄養素をあげています。カルシウム、食物繊維、不飽和脂肪酸、そしてカリウムです。日本人が塩分を取りすぎる傾向になっており、それが高血圧などの生活習慣病につながっているとされてているためです。
カリウムは高血圧予防を目的として、意識して摂取すべき4つの栄養素の一つにあげられました。
 
水溶性
カリウムの特徴の一つに水溶性であるということがあげられます。熱や水に弱いため調理した時のカリウムの成分の損失が非常に大きくなっています。 煮た場合のカリウムの成分の損失は約30%といわれています。カリウムをなるべく多く取りたい場合、果物や生野菜などから摂ることがベストといえます。
 
3番目
カリウムは人間の体内に約100~150gあるといわれています。ミネラルの中では3番目に多く存在しています。ちなみにミネラルの中で1番多いのはカルシウムで2番目はリンです。
 
カリウムの代謝
食事など体内に取り入れられたカリウムは一定の濃度を保つために、同量が尿などで体外に排出されます。カリウムが排出されるときに、一緒に余分なナトリウムも排出して体内の塩分濃度を下げる働きをします。カリウムの70~90%は尿として排出され、残りは便や汗として排出されます。
 
ポタシウム
カリウムは英語でポタシウム(potassium)です。海外のサプリメントではポタシウムで販売されています。

カリウムのイメージ

バナナ

ナトリウムとともに体液の浸透圧を一定に保つ

カリウムと相性の良い栄養成分

・マグネシウム
・メリロート
・シトルリン

カリウムの勝手にランキング

 

カリウムのレーダーチャート解説

評価基準

  • 6 
    このカテゴリーに効果があることで有名。即効性があったり、継続して摂取することで効果を感じる
  • 5 
    このカテゴリーに効果があることで有名。継続して摂取することでなんとなく効果を感じる

  • このカテゴリーに効果があるといわれている。効果が得られることを期待して飲んでいる
  • 3.5 
    このカテゴリーに効果があるといわれているが、個人的に摂取目的としていない

  • このカテゴリーになんらかの効果があるもの

  • このカテゴリーとはあまり関係ないと思われる

  • このカテゴリーとは関係ないと思われる

※4以上が摂取目的となっているカテゴリー 

 

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カリウム 総合評価 A 13.5

 総合評価について
5つのカテゴリーのうち、評価が高い上位3つのカテゴリーを足したものです。「B~SS」でつけています。
SS  18点
S  16点以上
A+ 14点以上
A  12点以上
B+ 10点以上
B  9点以下

髪 評価 2.5
カリウムに薄毛、白髪予防につながる効果があるかといわれれば、はっきりと「コレ」というのがありませんでした。細胞内、外液の浸透圧の調整に関わっている、すなわち細胞が正常に働くために重要、ゆえに毛母細胞にも関わるという関連性は見つかりますが・・・

肌 評価 2.5
髪と同様、カリウムと肌の関係性を見つけるのも難しいです。細胞とういう点で関係している程度だと思います。美肌目的、美白目的でカリウムを取る必要はないと思います。

体型(ダイエット、筋肉)評価4.5
「むくみ」を「太ってみえること」とみなすのであれば、むくみを解消するカリウムは「ダイエット」部門では非常に評価は高いと思います。むくみの原因はズバリ「カリウム不足」といっていいほどだからです(むくむ原因は効果効能に記載しています)。ただこれをダイエットととるかは非常にグレーなラインだと思い評価は低めにしています。単純に「むくみ」部門であったら満点です。
あと筋肉にも関係していますが、これもここでの評価視点がずれています。カリウムは筋肉の収縮にかかわっていますが、ここでは主に筋肉をつけるという点を評価基準にしているため、評価が厳しくなりました。

体力(普段)評価4.5
生活習慣病予防にカリウムはおすすめです。とくに塩分を取りすぎているかたはカリウムが不足しないように注意する必要があります。ナトリウムの過剰、カリウムの不足の状態が続くと高血圧になるリスクを高めます。

その他(血液) 評価4.5
その他部門にあてはまるとしたら血液か細胞しかないと思いました。で悩んだ挙句「血液」を選択しました。
※血液部門は主に血流をよくする栄養成分を評価するのに設けているので、またしてもグレーゾーンであることは否めませんが。
塩分を取りすぎるとのどが渇き、血液中の細胞が多量の水分を欲してしまいます。多量の水分が取り込まれると、水分が血管の中に流れ血液が増えてしまいます。血液が増えることで血圧があがり高血圧につながります。カリウムのは塩分(ナトリウム)を排泄して、血圧を下げる作用があります。血液を正常化させると考えこのカテゴリーで評価しています。

カリウム雑感

カリウムのサプリメントって見かけたことありますか?まあこういう質問をしているということは見かけないことを前提としているのですが・・・

あんまり見かけませんよね?

ドラッグストア、ホームセンターでは滅多にお目にかかれないと思います。マイナーな栄養成分までサプリメントとして販売しているDHCでもカリウムのサプリメントは販売していないみたいです(マイナーかマイナーじゃないかは私のさじ加減です)。

カリウムは16種類ある必須ミネラルのうちの主要ミネラルに分類されるので、マルチミネラルのサプリには入っているのかな~と思ったのですが、これまた入っていないのですね。

まあ理由としては簡単です。カリウムはいろんな食品に含まれているためあえてサプリメントなどで取る必要がないと考えられているからだと思います。普通の食生活をしていれば、不足することなんてまずはないと思われているからです。あとサプメントで大量にとると、腎臓が悪い人には命にかかわることになるのであまり流通していないのだと思います。

で、です。

ここでちょっと矛盾というか疑問というか・・

国はカリウムをもっと取りましょうという言うことを推奨しているのです。厚生労働省では意識して摂取すべき4つの栄養素のひとつとしてカリウムをあげているのです。残りの3つがカルシウム、食物繊維、不飽和脂肪酸(DHA、EPA)といったメジャーなもので、ちょっとカリウムの場違い感が満載です(メジャーかメジャーじゃないかは私のさじ加減です)。

先ほどあまり不足していないと書きましたが、日本の現代社会では不足しがちのようです。その割に日本人は塩分を取りすぎる傾向があるため生活習慣病(高血圧)の予防のためにカリウムをいっぱい取りましょうということを推奨されているようなのです。なので、食生活が不規則なかたや塩分を多くとる人やアルコール、カフェインをよく飲む人はカリウムを意識して摂取する必要があります。あと汗かきな人もです。

私はカリウムを主になにからとっているかというとバナナです。バナナ1本にはカリウムが300~350mg含まれています。1本で1日に必要量の1/8ぐらいは摂取できるわけです。まああとはなんらかの食事や飲料をとればことがたりると考えています。

・・・・とここまで書いておいて申し訳ないですが、

カリウムという成分を意識して摂取したことはありません。

生まれてからこの方一度もです。

バナナを毎日1本食べているのは事実ですが、それはバナナの豊富な栄養素と腹持ちの良さを目的でとっているのです。特にカリウムをとろうという考えからではありません。
まあ今の食生活でもおそらくカリウムは十分足りているので、これから先もカリウムをサプリメントから取るということはないと思います。

・・・・・

・・・・・

カリウム軽視の発言をしてしまいましたが、すべては不足していないこと前提での話です。

体内の状態を常に一定に保つ(いわゆる恒常性というもの)ことに、大きく貢献しているのもカリウムです。不足していると体に何らかの不調があらわれます。またカリウムが不足して、かつナトリウムが過剰になっていると生活習慣病にかかりやすいので本当に注意です。

なので自身の食生活を考え、カリウムが不足していると思われるのであれば、サプリから取るのも一つの手だと思います。ドラッグストアやホームセンターではカリウムのサプリメントはあんまりお目にかかれませんが、ネットでは余裕で販売されています。

 

 

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