「ファイトケミカル」を学ぶ その8 ポリフェノール編

数千種類ある(一部では1万以上ともいわれている)ファイトケミカルは大きく6つのカテゴリーに分類されています。その6つはポリフェノール、カロテノイド、含硫化合物、糖関連物質、アミノ酸関連物質、香気成分のことです。このカテゴリーに含まれている栄養成分を紹介していくのがこの「ファイトケミカル」シリーズです。その8までいきましたが、いまだにポリフェノール編です。
ちなみにポリフェノールもさらにフラボノイド系と非フラボノイド系(フェノール酸系)にわかれており、フラボノイド系の説明が終わって、ただいま非フラボノイド系の説明をしています。

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さて前回は非フラボノイド系のポリフェノールのなかで有名なリグナンを紹介しました。

リグナンは別に有名ではないだろ!

確かに・・・

リグナンはそれほど有名ではありませんが、そのリグナン類にふくまれるゴマリグナンが有名でした。

ゴマリグナンも別に有名でないだろ!

確かに・・・

ゴマリグナンはそんなに有名ではありませんでした。そのゴマリグナンに含まれている成分が有名だったのでしたね。なんだったか覚えていますか?

セサミン!!

正解!!

お兄さん!こぶしだして!
イエーーい

その通りです。リグナンって言葉はあんまりなじみがないのですが、そのリグナン類に含まれているゴマリグナンの成分であるセサミンはすごく有名ですよね。

こう考えるとポリフェノールって身近な食品に、数多く存在しているものといえそうです。

今のやりとりなんだったの??ラッパーのあいさつみたいなのりは!!

えーとこのようにいろんな食品に存在していそうなポリフェノールですが、我々日本人ってポリフェノールを何の食品から一番取っていると思いますか?飲料とかも含めて考えてみてください。

ポリフェノールをなにから一番とっているか?
生まれてから一度も考えたことのない疑問だな・・・

ポリフェノールっていままでたくさん紹介してきましたよね。

さっき話したセサミンはごまからとれるポリフェノールですし、ブルーベリーなどに含まれるアントシアニン、大豆からとれるイソフラボン、ぶどうからとれるレスベラトロールなどのポリフェノールがありましたね。

ちなみにもう一度「ポリフェノールとは」を説明します。

ポリフェノール
ポリフェノールは植物が光合成を行う際に作られる物質の総称のことをいいます。作られる物質とは光合成の際に生まれた糖分の一部が変化したもので、色素、苦味、渋みの成分のことで、植物の花植物の葉植物の樹皮など含まれています。

さてもう一度さっきの質問を繰り返しますよ。

「ポリフェノールを我々日本人は何から一番摂取しているのでしょうか?」

身近な食品、野菜、果物、飲料いろいろ考えてください。ポリフェノールを手軽に取れそうなものを・・・

・・・・・(さっきのグータッチの流れからいくとごま(セサミン)っぽいな・・・まてよ)

ピキーーン

ひらめいた!!! わかった!! 完全にわかった!!
ほほう!自信ありげですね・・・正解をいってごらん

 

カテキン! つまり「お茶」からだ! あんたはさっきあえてカテキンの話をしなかった
ファイナルアンサー
アンサー ファイナル!!

それでは正解を発表をします!!

ジャガ

ジャガジャガ

ジャガジャガジャガ

ドラムロールはいいよ!絶対当たっているから!!自信あるもん

ジャー-ン!!

ブーーー 不正解!

カッチーン

コノヤロー
いったーーーい
なんで殴る!!
おめーがうそつくからだよ! お茶に決まっているだろ

うそって・・・・

確かに日本人はお茶をよく飲むので、そっからポリフェノール(カテキン)を一番摂取していると考えるのも不思議ではありません。

ただ、日本人がお茶よりもよく飲む飲み物ってありませんか?

モーニングでも食後の一服としても飲んで、缶から、インスタントまであって、コンビニでも淹れたてのが飲めて・・・

コーヒー?

正解!!

実は日本人はコーヒーからポリフェノールを1番摂取しているのです。意外かもしれませんがポリフェノールの摂取源のナンバー1がコーヒーなのです。円グラフを作ったので見てください。

1日の日本人のポリフェノール摂取源

ちなみに2番目のポリフェノール摂取源はお茶(緑茶)です(他の食品、飲料をのぞく)。

おしかったですね。

コーヒーっていえば、イメージはカフェインなんだけど・・・

まあコーヒーといえば、カフェインですよね。それは間違っていません。

ただコーヒーの2大成分ってカフェインとポリフェノールなのです。そしてポリフェノールのほうがカフェインより多く含まれているのです。

そしてコーヒーに含まれているポリフェノールの量って赤ワインと同じくらい含まれているのです。

こりゃあ びっくり!!

で、コーヒーに含まれるポリフェノールというのが非フラボノイド系(フェノール酸系)に分類されているクロロゲン酸という成分です。
コーヒーにはクロロゲン酸というポリフェノールが豊富に含まれています。

クロロゲン酸

クロロゲン酸はコーヒー豆に多く含まれているポリフェノールです。ポリフェノールの1種であるので当然ですが、強い抗酸化作用をもった成分です。

抗酸化作用とは体内で過剰に発生する活性酸素から体を守る作用つまり細胞の酸化を防ぐ作用のことです。

そもそも活性酸素は「酸化させる力」が非常に強い酸素のことで・・・・・

パーーンチ

うりゃーーーー
いったーーーい
あいたた
このくだりもうやめろ!!何回、「抗酸化」と「活性酸素」を説明すれば気が済むんだ!!

・・・・・

・・・・・

そうですね。確かにおっしゃる通りしつこすぎました。ともかくファイトケミカルでありポリフェノールに分類されているので抗酸化作用があるのは当たり前のことでした。抗酸化の説明はなしにします。

クロロゲン酸特有の効果・効能を説明します。

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クロロゲン酸の脂肪燃焼効果

クロロゲン酸ってダイエットにぴったりの栄養成分です。なぜならクロロゲン酸には、脂肪の燃焼を促進する働きがあるからです。

中性脂肪ってどうやったらつきますか?

どうやったらって食べ過ぎたらじゃないの?

まあそうなんですが、もうちょっと賢くいうと摂取するエネルギーが消費するエネルギーを上回った場合に体内に中性脂肪がたまります。
炭水化物などのエネルギー源を体内に取り入れた場合、すぐにエネルギーとして利用されないものはグリコーゲンという筋肉や肝臓にある貯蔵庫にいったんためられます。
が、この貯蔵庫に入りきらずに余ってしまったエネルギー源は中性脂肪にかわり体内にたまっていきます。

じゃあこの体内にたまってしまった中性脂肪を減らす=エネルギーとして使うにはどうすればいいかわかりますか?

運動すればいいんだろ?運動して脂肪を燃やすってよくいうじゃん!

まあそうなんですが、もう少し詳しく説明します。

エネルギーとして使われる順番は糖質(ブドウ糖)→脂質(脂肪酸)です。なので体内にたまってしまった中性脂肪を燃焼させるには、ブドウ糖ではなく脂肪酸からエネルギーを作り出す仕組みにかえる必要があります。
そのためには食事を制限し、運動などを行ない体内で糖質が不足している状態にもっていく必要があります。この状態にもっていきエネルギーが必要となる時、体内にある中性脂肪は脂肪酸とグリセロールに分けられ、その脂肪酸がエネルギー源になるのです。

これが脂肪の燃焼というものです。

メモメモ
って、いったい何の話?クロロゲン酸はどこいったのよ!!

脂肪の燃焼の話です。そしてクロロゲン酸に関係している話です。

続けます。

脂肪酸がエネルギーに変わる過程はミトコンドリアで行われるのですが、この脂肪酸をミトコンドリア内に運ぶ働きを促進するのがクロロゲン酸なのです。
脂肪酸がミトコンドリア内に取り込まれなかったら、どうなるかわかりますか?

えーと・・・

分解されてできた脂肪酸は、再び脂肪細胞に入ってしまい中性脂肪に再合成されてしまうのです。
なので脂肪酸をエネルギーをつくる工場であるミトコンドリア内に取り込むことってすごく大事なことなのです。
その作業を手助けするクロロゲン酸を摂取することは脂肪を燃えやすくする環境をつくるつまりダイエットにつながるということです。

クロロゲン酸は体内に溜まった中性脂肪を効率よくエネルギーにかえることができる成分といえます。

余談ですがコーヒーに含まれているカフェインは消化酵素リパーゼの働きを活性化し脂肪分解を促進する効果があります。なのでトータルで考えるとコーヒーってすごくダイエットに向いている飲料なのです。

クロロゲン酸には他にもいろいろな効果・効能がありますが、詳しくは栄養成分レビューに書きます。
なので今日はこの辺にしときましょう。

お疲れ様!!一服でもしてください!
ハイ!煎りたてのコーヒー
・・・・・(このパターンは)
もう仲直りしたじゃないですか
そうだった!!
いただきます!!
おっ!!普通にうまい
ハイ! 砂糖
サンキュ・・・
ウへーーーー
にがっ・・・
へへへ それ塩!!

・・・・・

こんな平和なやりとりの終焉がまじかに迫っている事をこの時2人は知る由もありませんでした。

 

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