ビタミンK 止血作用

ビタミンK

13種類のビタミンの1種
4種類の脂溶性ビタミンの1種

 

 

ビタミンKとは

ビタミンKについて

  • ビタミンKは、K1(フィロキノン)K2(メナキナン類)に大別されます。
  • フィロキノンは、側鎖にフィチル基をもつ化合物です。
    メナキノン類は、側鎖にプレニル基もちます。プレニル基を構成するイソプレン単位の数(4〜14)によって11種類の同族体に分かれます。

    出典元
    ビタミンK
    ウィキペディア

    メナキノン類のうち、特に重要なのはMK-4(メナキノン-4)MK-7(メナキノン-7)です。

  • 一般にK1(フィロキノン)MK-4(メナキノン-4)とMK-7(メナキノン-7)を総称して、ビタミンKと呼びます。
  • ビタミンKはγ-グルタミルカルボキシラーゼ(GGCX)の捕因子として、「止血」や「骨形成」に関わります。
  • ビタミンK同族体はいずれもGGCXに対する捕因子活性を示します。
    そのうちMK-4が最も強い活性を示します。
  • ビタミンKはGGCXの補因子として機能するだけでなく、 核内受容体SXRのリガンドとして「標的遺伝子の転写調節」などの生理作用があります。この作用はMK-4によるものです。
  • ビタミンK同族体は、体内でMK-4に変換された後、SXRのリガンドを介した作用を発揮すると考えられています。
    vol56_1

    出典元
    ビタミンK研究のパラダイムシフト 吸収・代謝から新たな生物活性まで
    バックナンバー(56(2018))
    公益社団法人 日本農芸化学会

    変換反応に関しては補足その2で説明します。

ビタミンKの補足 その1

  • K1(フィロキノン)は植物の葉緑体より作られます。K2(メナキノン類)は微生物より作られます。
  • ビタミンKを多く含む代表的な食品

    ビタミンK1
    植物性食品

    ビタミンK2
    MK-4  動物性食品

    MK-6 キムチ

    MK-7 納豆

    MK-8 チーズ

  • 食事から取り入れたビタミンK1とK2は胆汁の存在のもと脂質とミセルを形成します。小腸上部から能動輸送により吸収され、カイロミクロンに取り込まれてリンパ管に移動します。
    そして体内の循環系に入り各組織に分布します。
  • 食品から取れるビタミンKのうち特に重要なのはビタミンK1、MK-4、MK-7の3つです。
    この3つのうち最も高い栄養価を示しているのはMK-7です。2つと比べて8~12倍の栄養価に相当するとされています。

    理由

    ①MK-7は、ビタミンK1やMK-4よりも吸収性が高い。

    ②MK-7は血中滞留時間が長い。

    ビタミンK2を420μg摂取時のヒト血中濃度の変化

    出典元
    大豆機能性素材(ファイン)
    (株)J-オイルミルズ

ビタミンKの補足 その2

  • K2は腸内細菌でも合成できます。合成されるのは主にMK-10とMK-11です。わずかですが、MK-7、MK-8、MK-9、MK-12も合成されます。
  • なのでビタミンKが不足することは稀です。
    とはいえ、腸内細菌由来のK2がビタミンKの必要量に寄与する割合は低いです。
    それゆえ、食事由来のビタミンK、特に植物性食品(K1)・動物性食品(MK-4)・納豆(MK-7)の摂取を心掛けることが大切です。
  • 食事から摂取するビタミンKの大部分はK1です。90%以上はK1が占めています。
    一方で、組織に存在するビタミンKのほとんどはMK-4です。
    体内ではK1がMK‒4に変換され、蓄積すると考えられます。
  • K1は小腸で、側鎖が切断され側鎖を持たないビタミンK3(MD)となり、血液を介して抹消組織へ運ばれたMDがUBIAD1と呼ばれる酵素の働きにより、MK-4に変換されます。
    ビタミンK3

    ビタミンK3=メナジオン=MDは、側鎖を持たないビタミンKです。


    引用元
    メナジオン
    ウィキペディア

    合成化合物として知られています。家畜飼料への食品添加物やペットフードの添加剤として使用されています。
    最近の研究により、ビタミンK1の小腸吸収過程で代謝物として生成され、血流を介して末梢組織へ運ばれ、UBIAD1によりMK-4へ変換されることが判明しています。

 

摂取量について

目安摂取量 150μg/日(成人)

参照
日本人の食事摂取基準(2015年版) 厚生労働省

欠乏症
:新生児メレナ(消化管出血) 
:特発性乳児ビタミンK欠乏症(頭蓋内出血)
※新生児は腸内には腸内細菌が少ないため腸内細菌によって合成できるビタミンKの量が少ないです。

合成できる成人で欠乏することは稀です。


不足ぎみ
:出血しやすくなる 
:血が固まりにくくなる 
:鼻血が止まりにくくなる

過剰症
:溶血性貧血
※合成品のK3を過剰に取った場合。

取り過ぎ
:特になし 

ビタミンKの効果・効能

ビタミンKの効果・効能 つ厳選

  1. 止血作用
  2. 骨を丈夫にする
  3. 骨ホルモンの分泌を増やす
  4. 核内受容体SXRのリガンド

 

そのうち3つを詳しく

①止血作用

「止血」は血小板と血液凝固因子が協力しあって行われます。

血管が傷ついたときに血小板が集まって血の塊(=血栓)を作り止血が開始されます。この塊をより強固なものにするため血液中のさまざまな血液凝固因子が働きます。

出典元
血液が固まるということ
東邦大学

最終的に血液凝固因子の一つフィブリノーゲン(第Ⅰ因子)という物質がフィブリン(第Ⅰa因子)という繊維状のたんぱく質に変わります。
そうすると血液がゼリー状に固まります。
このことを血液凝固といいます。

血液凝固の最終段階は

プロトロンビン(Ⅱ)→トロンビン(Ⅱα)
             ⇓
  フェブリノーゲン(Ⅰ)→フィブリン(Ⅰα)

※出典もとの最後の流れです。

です。

【フェブリノーゲン→フィブリンの変化】はトロンビンという酵素によって行われます。

ビタミンKはトロンビンの前駆体プロトロンビン(第Ⅱ因子)が肝臓で生成される際に必須の成分です。

理由

プロトロンビンにはグルタミン酸残基が含まれています。
このグルタミン酸(Glu)がγ-カルボキシグルタミン酸(Gla)に変換される(Gla化される)ことで生理活性を発揮するようになります。

Gla化されるとカルシウムイオンに対する結合能を獲得します。それにより膜リン脂質との複合体を形成することが可能となります。この複合体形成が凝固反応の正常な進行に必須です。

ビタミンKはグルタミン酸をγ-カルボキシグルタミン酸に変換する酵素の捕因子として作用します。
ようは「プロトロンビンは、ビタミンKにより【Gla化され】活性される」です。

血液凝固の過程には12種類の血液凝固因子が関わっています。プロトロンビン(第Ⅱ因子)以外も第Ⅶ因子、第Ⅸ因子、第Ⅹ因子がビタミンK依存性です。
ビタミンKが不足しているとこれら血液凝固因子が活性化されない=産生されなくなります。

ビタミンKは正常な血液凝固に不可欠な存在です。

ちなみにビタミンKは出血時以外は、血管内で血液が凝固するのを防ぐ働きもします。
ビタミンKは出血したときには血を止めて、それ以外は血液が固まらないようにするといった風に「凝固」を必要に応じて行っています

 

 

②骨を丈夫にする

骨芽細胞ではオステオカルシンというたんぱく質が分泌されます。

骨の形成は骨基質(コラーゲンが主体)に、リン酸カルシウムやリン酸マグネシウムといったミネラルが沈着することで行われます。

これらミネラルの沈着にはオステオカルシンが関与しています。

オステオカルシンはカルシウム結合能を有し、活性型に変わることでカルシウムと結合し骨形成を促します

ビタミンKはオステオカルシンを活性化する働きがあります。

図1 ビタミンK2の作用メカニズム

出典元
キューピーアヲハタニュース
ニュースリリース 2007年 No.62
キューピー

オステオカルシンは、カルボキシル化(Gla化)されることにより活性型に変換されます。このGla化を触媒する酵素γ-グルタミルカルボキシラーゼ(GGCX)の捕因子として働いているのがビタミンKです。

GGCX

GGCXは、ビタミンK依存性に標的たんぱく質中のグルタミン酸(Glu)をγ-カルボキシグルタミン酸(Gla)へと変換する(Gla化する)酵素です。
GGCXによる翻訳後修飾により、 グルタミン酸がGla化されることで活性化されるたんぱく質を「Glaタンパク質」と呼びます。
オステオカルシン、血液凝固因子(Ⅱ, Ⅶ, Ⅸ, Ⅹ)などが該当します。

ビタミンKサイクル

ビタミンKはGla化反応において、自身は酸化されビタミンエポキシドへと変換されます。

<b>図 ワルファリンの作用機序<br></b>ワルファリンはビタミンKエポキシドレダクターゼ,キノンレダクターゼを不可逆的に阻害して機能的な凝固因子の生産を抑制する(著者作成).

出典元
ワルファリン
一般社団法人 日本血栓止血学会

その後、ビタミンKエポキシド還元酵素(VKOR)により、還元され再利用されます。この機構はビタミンKサイクルと呼ばれます。
ビタミンKはビタミンKサイクルにて再利用されるため欠乏しにくいとされます。ただこのサイクルの効率は加齢とともに低下します。

 

なおワルファリンはVKORを阻害することによって抗凝固作用を発揮します。

ビタミンKが不足していると活性型オステオカルシンに変換されません。
その結果、カルシウムを骨に沈着させることができず、骨形成が上手くいかなくなります

 

またビタミンKには骨からカルシウムが溶出されるのを抑制する働きもあります。
骨は形成と吸収を繰り返すことにより常に新しく生まれ変わっています。

骨吸収がゆるやかになると(骨形成が追いついて)骨密度を高めることができます。

ビタミンKは丈夫な骨作りに必須の成分です。

 

 

③骨ホルモンの分泌を増やす

上記で説明したようにオステオカルシンはカルシウム結合能を有し、活性型に変わることでカルシウムと結合し骨形成を促します

オステオカルシン

骨は以下の成分で構成されています。

  • 無機成分 70%
  • 有機成分 20%
  • 水分   10%

有機成分の90%以上はコラーゲンです。残りの約10%は非コラーゲン性たんぱく質で構成されいます。

オステオカルシンは骨芽細胞から分泌されるたんぱく質です。非コラーゲン性たんぱく質の約20%を占めています。
→20%×10%×20%=骨中の約0.4%を占めます。

オステオカルシンはカルシウム結合能を有し、活性型に変わることでカルシウムと結合し骨形成を促します。オステオカルシンは、GGCXによりカルボキシル化されることにより活性型に変換されます。
GGCXの補酵素としてビタミンKが必要です。

オステオカルシンの大部分は骨基質に埋め込まれ骨形成の働きをします。
一部は血液中に放出され、さまざまな臓器に直接働きかけ、その機能を活性化させます。

 

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例えば、
膵臓β細胞に直接作用し、インスリンの分泌を促します。
またインクレチンの一種であるGLP-1を介してもインスリンの分泌を促します。

 

出典元
オステオカルシンの研究
BONEOLIVE®
CBC(株)

分泌されたインスリンは、筋肉、脂肪細胞などに働きかけます。

それにより

インスリンの抵抗性を改善させます
糖尿病予防

エネルギー代謝が促進されます
肥満予防

.

また脂肪細胞に作用し、アディポネクチンの分泌を増やします。

それにより

血管内のプラークの形成を防ぎます
血管壁の傷を修復します
動脈硬化予防

AMPキナーゼを活性させます
肥満予防

.
このような作用があるオステオカルシンは健康効果をもたらすホルモンとして注目され、メディアに「骨ホルモン」としてたびたび取り上げられています。

 


オステオカルシンはカルボキシル化オステオカルシン(GlaOC)非あるいは低カルボキシル化オステオカルシン(ucOC)の2つの形態で存在しています。

血中に循環しているオステオカルシンの約8割がGlaOC、残りの約2割がucOCととされています。

ホルモンとして機能するのはucOCです。

出典元
骨が全身の代謝を改善. オステオカルシンによるインスリン分泌の新しい経路を発見
プレスリリース
九州大学

 

オステオカルシンをカルボキシル化する反応を触媒する酵素はGGCXで、その捕因子として活躍するのがビタミンKです。

  • ビタミンKが充足していれば、オステオカルシンはカルボキシル化されて、カルシウムとの結合能を有し(GlaOCとして)骨基質に埋め込まれます。
  • ビタミンKが不足していれば、オステオカルシンはカルボキシル化されず、カルシウムとの結合能を持てず(ucOCとして)血中に放出されます。

.
こう見ると、ホルモンとしてのオステオカルシンの効能を得るためにはビタミンKを不足させなければならないのではと思われます。

が、そうではありません。

そもそもビタミンKが不足すると骨基質の成分であるオステオカルシンが足りなくなり、骨が脆くなります。

オステオカルシンは骨芽細胞が作るたんぱく質です。
骨量が多ければ多いほど、血中濃度のオステオカルシンも高いとされます。

オステオカルシンは骨を形成する骨芽細胞が作るたんぱく質なので、骨量が多ければ多いほど血中濃度が高いからです。

引用元
骨ホルモン「オステオカルシン」は万能アンチエイジングホルモン!
美ST ONLINE
(株)光文社

 

よく「かかと落としが骨ホルモンを増やす」とされているのは、

かかとに刺激を与える→

骨芽細胞を活性化させる→


骨密度が高まる


血中に放出されるオステオカルシンも増える

.
からだと考えられます。

実は全身の骨は5年で生まれ変わるほど、意外に代謝が盛んな「臓器」。つまり、骨もターンオーバーを繰り返しているのです。骨のターンオーバーが活発になるほどオステオカルシンの分泌も促されるので、量を増やすには骨の代謝を盛んにするのが有効。それには「骨に刺激を与える」ことが最短手段です。

引用元
骨ホルモン「オステオカルシン」は万能アンチエイジングホルモン!
美ST ONLINE
(株)光文社

 

 

なお、血中に放出されたGlaOC胃酸によってカルボキシル基が外れucOCに変わると考えられます。

研究グループではGlaOCが、酸性環境下で脱カルボキシル化させることが知られていることから、胃酸による胃内の酸性環境がGlaOCを脱カルボキシル化してucOCに変化させたということが考えられるとしている。

引用元
ペプチド「オステオカルシン」が2型糖尿病に有効な可能性あり – 九大
テクノロジー
マイナビニュース

ビタミンKは骨基質に取り込まれるオステオカルシン(骨形成に重要)のみならず、
血中に放出されるオステオカルシン(ホルモンとして機能)も増やすと考えられます。

 

注意

ここでは(レビューでは)ホルモンとしてのオステオカルシンの働きも「ビタミンKが貢献している」と考えます。
次項のビタミンKの働き分析にホルモンとしてのオステオカルシンの働きも記載しています。(by 骨ホルモン)がそれに該当します。

ただし、ビタミンKとしてではなく、骨ホルモン「オステオカルシン」として説明しています。

理由は直接的というよりは間接的に関わっているからです。

間接的とは

骨密度を高めることが「オステオカルシンの分泌を増やす」になります。
ビタミンKは骨密度を高める際に、特に重要な成分だから「オステオカルシンの分泌を増やす」と考えられます=間接的に関与している。

骨を強化するためにはカルシウムやたんぱく質の摂取が重要とされているが、『“骨ホルモン”で健康寿命を延ばす! 1日1分「かかと落とし」健康法』(カンゼン刊)の著者で福岡歯科大学客員教授の平田雅人氏は、「骨ホルモン分泌を増やすにはビタミンKが特に重要」だと指摘する。

出典元
骨ホルモン注目 かかと落とし、ミニジャンプ運動で細胞刺激
NEWSポストセブン
(株)小学館

.
骨形成以外(ホルモンンとして)のオステオカルシンの働きはGla化されていないオステオカルシン
によってもたらされます。
そうなるとビタミンKは直接的に関係ないことになります。
この辺りを考慮して、骨ホルモン「オステオカルシン」として説明その効果・効能の割に点数を若干低めに設定にしています。

 

 

 

ビタミンKの働き分析【見た目編】

合計 36.5/60点

カテゴリー別 点数

薄毛 5.5点

白髪 5.5点

美肌 7.5点

美白 5.5点

筋肉 6.5点

脂肪 6点

 
 

薄毛

5.5点

「薄毛」予防 に関わるビタミンKの働きは主に次です。

  1. 毛細血管の血行促進
    髪の細胞に必要な栄養や酸素を届けるのは毛細血管です。


    ビタミンKは毛細血管の血行を促進します。

 

白髪 

5.5点

「白髪」改善 に関わるビタミンKの働きは主に次です。

  1. カルシウム
    白髪予防にはメラニンを作るメラノサイトの働きを活発にさせることが大切です。
    カルシウムはメラノサイトを活性化させる作用があります。そのため白髪予防に有効な成分の1つとされています。

    カルシウムのメラノサイトを活性化させる作用はカルシウムイオンとしてです。

    カルシウム

    99%が骨と歯に、残り1%が血液・神経・筋肉に分布しています。
    前者は構成成分【リン酸カルシウム】として、後者はイオン【カルシウムイオン】の形で存在しています。

    ビタミンKはカルシウムの骨形成の働きを手助けします。なのでカルシウムのメラノサイトを活性化させる=白髪予防の働きには直接関係していないと思います。

    ですが、(カルシウムの骨形成の働きを手助けすることで)生体内の各組織のカルシウムの代謝のバランス調節に貢献しているといえます。
    そう考えると、ビタミンKはカルシウムの白髪予防の働きに何らかの形で関わっていると捉えることもできます。

美肌

7.5点

「美肌」作り に関わるビタミンKの働きは主に次です。

  1. 赤ら顔の改善
    毛細血管は拡張と収縮を繰り返しています。何らかの原因で毛細血管が拡張したままになると、流れる血液量が増え皮膚表面を通し血液の色が透けて見えてしまいます。
    特に顔の頬は皮膚が薄く、さらに毛細血管が密集しているため血液の赤色が目だってしまいます。
    この症状を赤ら顔といいます。

    血流を改善する作用があるビタミンKは赤ら顔の改善に有効とされています。

  2. 骨密度を高める
    顔にできるほうれい線・しわ・あごのたるみは骨密度も関係しているといわれています。
    というのも骨密度が低下すると皮膚に覆われている骨も縮小し、骨と皮膚の間に隙間ができてしまうからです。隙間が出来ることでほうれい線がくっきりしたり、深いシワができたり、二重あごになったりします。

    骨密度が少ないと若い頃から、アゴの骨から真っ先に縮んで小さくなり、顔にシワやたるみを生むことが最新研究から判明!

    引用元
    美女の秘密は骨にあり
    美と若さの新常識~カラダのヒミツ~
    NHK


    骨密度を高めるたんぱく質がオステオカルシンです。ビタミンKにはオステオカルシンを活性させる働きがあります。

  3. 糖化予防(by 骨ホルモン)
    糖化とは体内に余った糖質がたんぱく質と結びつくことで、たんぱく質を劣化させる現象のことをいいます。
    糖化が進むと肌の健康を保つために必須の「コラーゲン」繊維が破壊され、肌の弾力やハリが失われていきます。
    たんぱく質は、血糖値が高い状態が続くと糖化しやすいので血糖値をあげないことが大切です。

    骨ホルモン「オステオカルシン」には【すい臓に直接作用&GLP-1を介して】インスリン分泌を促進する働き=血糖値を下げる働きがあります。

  4. コラーゲン(by 骨ホルモン)
    骨ホルモン「オステオカルシン」は皮膚組織と同じ種類のコラーゲンを骨で作るとされます。これはシワの改善に役立ちます。美肌効果が見込まれます。

    参照
    血糖コントロール【骨ホルモンの効果】”かかと落とし”でオステオカルシン分泌
    ケンカツ
    マキノ出版

 

美白

5.5点

「美白」ケア に関わるビタミンKの働きは主に次です。

  1. シミ改善
    血行不良になると肌のターンオーバーがスムーズにいかず、メラニンの排出が上手くいかなくなります。

    ビタミンKには血行促進効果があります。シミの改善にも有効だと思われます。

  2. 活性酸素(by 骨ホルモン)
    骨ホルモン「オステオカルシン」には活性酸素の産生量を減らす働きがあるとされます。

筋肉

6.5点

「筋肉」増強 に関わるビタミンKの働きは主に次です。

  1. カルシウム代謝の調節
    カルシウムは筋肉の収縮に関係しています。

    筋収縮のメカニズム

    興奮が運動神経に到達

    ①神経筋接合部に到達

    ②運動神経終末からアセチルコリンが放出

    ③筋細胞膜にあるアセチルコリン受容体に結合

    興奮が伝達

    ④筋小胞体からカルシウムイオンが放出される

    ⑤カルシウムイオンがトロポニンと結合する

    ⑥トロポミオシンの構造が変化する

    ⑦アクチンとミオシン頭部が結合する

    ⑧【ATPのエネルギーを使って】アクチンがミオシン側に滑り込む

    筋収縮


    図1:筋肉の構造。ミオシンフィラメントとアクチンフィラメントの相互作用により筋肉は収縮する。

    出典元
    筋肉のタンパク質、ミオシンの協同的な力発生を発見 〜時には綱引きチームのように〜
    東京大学 大学院理学系研究科・理学部 広報委員会

    筋原線維の筋小胞体からにカルシウムイオンが放出されると筋肉は収縮します。カルシウムポンプを介して筋小胞体に取り込まれると弛緩します。
    ビタミンKは骨の形成の関与することで、体内のカルシウム代謝の調節をします。

  2. インスリン(by 骨ホルモン)
    効率的に筋肥大させるためには、たんぱく質の同化作用を有するアナボリックホルモンの分泌を促進させることが大事となります。代表的なアナボリックホルモンはテストステロン・成長ホルモン・インスリンです。

    どれも重要なアナボリックホルモンですが、あえて順位をつけると一番はインスリンといえるかもしれません。
    インスリンは筋たんぱく質の合成に必要なアミノ酸(BCAA)の取り込みを増やし、たんぱく質の合成を促進させます。

    骨ホルモン「オステオカルシン」は膵臓β細胞に直接作用し、インスリンの分泌を促します。
    またインクレチンの一種であるGLP-1を介してもインスリンの分泌を促します。

 

脂肪

6点

「脂肪」減少 に関わるビタミンKの働きは主に次です。

  1. アディポネクチン(by 骨ホルモン)
    脂肪細胞からさまざまな生理活性物質が分泌されています。脂肪細胞から分泌される生理活性物質を総称してアディポサイトカインといいます。

    アディポサイトカインには善玉と悪玉があります。

    アディポネクチンは善玉アディポサイトカインの1つです。

    アディポネクチンは中性脂肪を低下させます。
    脂肪を燃焼させる&脂肪の蓄積を防ぐ働きがあるからです。
    アディポネクチンにはAMPキナーゼを活性させる作用あります。

    AMPキナーゼ

    AMPキナーゼは、細胞のエネルギーセンサーのような役割を果たしている酵素です。運動などをしエネルギーが不足するとこの酵素が活性され、【糖の筋肉細胞へ取り込み・脂肪酸のβ酸化・糖新生の抑制】が促進されます。糖に関してはインスリンを要せずにです。

    簡単にいうと AMPキナーゼが活性化されると脂肪の蓄積をやめ脂肪の燃焼を促進する【=痩せる】です。

    AMPキナーゼは基本 運動などをし、飢餓状態にもっていくことで活性化されます。
    アディポネクチンには飢餓状態にもっていかなくとも活性化させる作用があります。

    骨ホルモン「オステオカルシン」には脂肪細胞に作用し、アディポネクチンの分泌を増やします。

  2. インスリン感受性(by 骨ホルモン)
    骨ホルモン「オステオカルシン」はインスリンが作用する細胞に働きかけてインスリン感受性を改善する働きがあります。
    インスリンの標的臓器は筋肉・肝臓・脂肪組織で、働きかける優先順位もその順番です。

    インスリン感受性が低下すると筋肉よりも脂肪組織の細胞に糖が取り込まれるようになります。つまり食べた糖質は「筋肉のエネルギーに利用されるように」ではなく、「脂肪細胞に脂肪として蓄えるように」のほうに向かってしまいます。

 

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ビタミンKの働き分析【中身編】

合計 44/60点

カテゴリー別 点数

身体 10点

エネ 5.5点

病気 9点

体質 8.5点

精力 5.5点

健脳 5.5点

 

身体

10点

「身体」の構成材料 に関わるビタミンKの働きは主に次です。

  1. 血液凝固
    血液は組織に必要な栄養素や酸素を運搬します。このことは【生命を維持する&身体活動を行う】うえでとても重要なことです。
    血液が多量に出血すると【生命を維持する&身体活動を行う】が正常に行われなくなります。命を落とす危険性すらあります。

    出血したときに、止血する役割をする「血液凝固因子(Ⅱ, Ⅶ, Ⅸ, Ⅹ)」の生成にビタミンKは補酵素として必須です。

  2. 骨の形成 その1
    骨の形成は骨基質にカルシウムが沈着することで行われます。カルシウムの沈着には骨たんぱく質オステオカルシンが関与しています。オステオカルシンは活性化される(Gla化されると)カルシウム結合能を有し、カルシウムと結合し骨形成を促します。オステオカルシンを活性化させるためにはビタミンKが必須となります。
  3. 骨の形成 その2
    骨の約20%はコラーゲンです。骨基質(骨の組織において、骨細胞間を満たす物質)に関していえば約90%はコラーゲンでできています。

    ビタミンKは骨芽細胞において、コラーゲンの合成を促進する作用があります。この作用は核内受容体SXRを介して転写調節に働くことで行われていると考えられています。

    これに対し,最近,我々はビタミンKが核内受容体SXRを介して遺伝子の発現調節を行う新しい作用を発見した.特に,この作用経路において骨芽細胞系でコラーゲン蓄積を促す新規メカニズムを見出した.

    引用元
    ビタミンKの核内受容体を介する新しい作用機構
    J-STAGE

 

補足

この項目で「血液凝固」が含まれているのは違和感を感じるかもしません。
ビタミンKの止血作用はものすごく重要で、どこかの項目で評価対象して高評価すべきと考えました。一番あてはまるのが「身体」でした。

 

エネ

5.5点

「エネルギー」生成 に関わるビタミンKの働きは主に次です。

  1. 電子伝達系に関与
    ビタミンKは電子伝達系に関与しているといわれています。

    電子伝達系

    ミトコンドリア内膜の複合体や補酵素間で【解糖系およびβ酸化・TCA回路で生じ、NADHやFADH₂で運搬してきた】電子のやり取りが行われる過程のことをいいます。これにより生じるプロトン濃度勾配を利用してATPの合成が行われます。

  2. エネルギー代謝(by 骨ホルモン)
    骨ホルモン「オステオカルシン」は、全身のエネルギー代謝を活性化させます。

病気

9点

「病気」予防 に関わるビタミンKの働きは主に次です。

  1. 骨粗鬆症予防
    ビタミンKは骨粗鬆症の治療薬として活用されています。

    ビタミンKには骨形成に関与するたんぱく質オステオカルシンを活性させる働きや骨からカルシウムが溶出されるのを抑制する働きがあるからです。
    また最近では核内受容体のSXRのリガンドとして骨形成に関与する遺伝子の発現を誘導する作用があることが判明しています。


    出典元
    システム加齢医学研究
    研究チーム
    地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター

    GGCXの捕因子として核内受容体SKRのリガンドとしてビタミンKの骨形成の働きはこの2つの作用によりもたらされます

  2. 動脈硬化予防
    動脈硬化には大きく分け2つのタイプがあります。 血管が狭くなると血管が硬くなるです。

    血管が硬くなるタイプは、「石灰化」のことです。これは動脈の中膜にカルシウムが沈着して石灰化することで血管が硬くなる状態をいいます。

    今回のレビューではビタミンK依存性Glaタンパク質を、オステオカルシン、血液凝固因子(Ⅱ, Ⅶ, Ⅸ, Ⅹ)に絞って説明してきました。他にも有名なものあります。
    それがマトリックスGlaタンパク(MGP)です。

    MGPには血管の石灰化を抑制する働きがあります。ビタミンKはMGPを介して、動脈の石灰化を抑える働きをします=ビタミンKには動脈硬化予防効果あります。

  3. がん予防
    ビタミンKには抗がん作用があります。

    参照
    ビタミンKの抗がん作用
    J-STAGE

 

体質

8.5点

「体質」改善 に関わるビタミンKの働きは主に次です。


  1. ビタミンKは骨密度を高めます。

  2. 関節
    変形性関節症とは関節軟骨がすり減ることで、「変形」や「骨と骨のこすれ」が生じ、痛みや腫れを引き起こす病気です。ひざ関節、股関節、足関節などに、とくにひざ関節によくみられます。主たる原因は加齢です。
    ビタミンKは変形性関節症の予防になるとされます。この予防効果は核内受容体SKRを介しての作用です。

    参照
    変形性関節症予防におけるビタミン K の意義 J-STAGE

  3. くま
    くまができやすい体質の方はビタミンKの血行促進作用が有効です。
  4. あざ
    青あざができやすい人はビタミンKが不足している可能性があります。
  5. 鼻血
    鼻血がでやすい・止まりにくい方はビタミンK不足が原因の一つかもしれません。
  6. 長寿(by 骨ホルモン)
    アディポネクチンは別名「長寿ホルモン」とも呼ばれます。理由は病気や肥満予防の効果があるからです。

    ◆動脈硬化の予防 
    アディポネクチンにはプラークの形成を防ぐ働きがあります。
    アディポネクチンは血管壁の傷を修復する働きがあります。

    ◆糖尿病の予防
    アディポネクチンにはインスリン感受性を高める働きがあります。

    ◆高血圧の予防
    アディポネクチンには血管を拡張させる働きがあります。

    ◆中性脂肪を減少
    アディポネクチンは中性脂肪を低下させます。
    脂肪を燃焼させる&脂肪の蓄積を防ぐ働きがあるからです。
    アディポネクチンにはAMPキナーゼを活性させる作用あります。

    骨ホルモン「オステオカルシン」にはアディポネクチンの分泌を増やす働きがあります。

精力

5.5点

「精力」増進&「性機能」向上 に関わるビタミンKの働きは主に次です。

  1. テストステロン(by 骨ホルモン)
    骨ホルモン「オステオカルシン」には男性ホルモンのテストステロンを増やす働きがあります。男性の生殖機能を回復したり生殖機能を若く保つ効果があるとされています。
  2. NO(by 骨ホルモン)
    勃起とは、陰茎内にあるスポンジ状の組織「陰茎海綿体」に血流が充満し、海綿体内圧が上昇することによっておこる現象です
    勃起を完成させるはNO(一酸化窒素)の働きが重要となります。というのも海綿体の内皮細胞からNOが大量に放出されることで海綿体の平滑筋が弛緩される=海綿体に血流が流入する からです。

    勃起のメカニズム

    ①性的な刺激により脳が興奮するとその信号(興奮)が脊髄を伝わり勃起神経に到達する。

    ②すると陰茎の動脈は拡張し陰茎海綿体へ流入する血液が増える。

    ③同時に陰茎海綿体の平滑筋が弛緩され、海綿体は流れ込んだ血液を吸収し大きく膨らむ

    このメカニズムにおいて陰茎海綿体の平滑筋を弛緩させる働きをするのはサイクリックGMPという物質です。そのサイクリックGMPを生成するのがNOです。

    骨ホルモン「オステオカルシン」にはNOの産生を増やす働きがあります。

    オステオカルシンが動脈硬化を防ぐのは、血管内の一酸化窒素の産生を促進する働きがあることも大きいという。

    引用元
    骨が分泌するホルモン 筋肉や精子も増加させる注目物質
    NEWSポストセブン
    (株)小学館

補足

ビタミンKそのものに生殖機能改善効果があるようです。

またビタミン K の脳機能改善 65)や生殖機能改善 66)などの効果も報告されている。

引用元
ビタミン K の健康栄養機能に関する最近の知見
J-STAGE

 

健脳

5.5点

「脳」の健康 に関わるビタミンKの働きは主に次です。

  1. 認知機能改善(by 骨ホルモン)
    骨ホルモン「オステオカルシン」は脳の健康にも貢献します。脳を活性化させ記憶力を改善させる働きがあることが確認されています。

    参照
    脳を活性化!血糖値ダウン!新発見「骨ホルモン」SP
    ガッテン!
    NHK

補足

ビタミンKそのものに脳機能改善効果があるようです。

またビタミン K の脳機能改善 65)や生殖機能改善 66)などの効果も報告されている。

引用元
ビタミン K の健康栄養機能に関する最近の知見
J-STAGE

 

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ビタミンKのサプリメント紹介

ビタミンKがメイン成分のサプリメントを紹介します。
 
Now Foods

ビタミンKは血液凝固要素の合成で重要な役割を果たすことが知られており、強く健康な骨を形成するためにも重要です。メナQ7 MK-7は、血管や動脈での適切なカルシウム代謝をサポートする能力があり、動脈の健康に重要な役割を果たすユニークな大豆不使用の生体利用可能なビタミンK2です。

引用元
Now Foods, MK-7ビタミンK-2、100mcg、120カプセル
iHerb.com

 
 
Source Naturals

ビタミンKは、フィロキノンとも呼ばれる脂溶性ビタミンの1種で、血液凝固(止血)因子を活性化させるという重要な機能があることでよく知られています。また、ビタミンKには骨の健康にも重要な役割があることが最近の研究でわかっています。ビタミンKは、オステオカルシンと呼ばれる骨に存在するタンパクとマトリックスGla化タンパクを合成するという重要な役割があります。この2種のタンパクは、カルシウムと骨の形成・代謝に関与しています。

引用元
Source Naturals, ビタミンK、500mcg、200錠
iHerb.com

 

 

ビタミンKが含まれているサプリメントを紹介します。

 
Doctor’s Best

ドクターズベスト・ヴェインサポートには、ヨーロッパで数十年の間、血管のサポートに使用されている、ディオスヴェイン・ディオスミンが含まれています。甘いオレンジから抽出され、バイオフラボノイドが豊富なDiosVeinは、血管の健康をサポートし、正常な循環機能を促進することが臨床試験で示されています。さらなる研究により、ディオスミンをフラボノイド・ヘスペリジンと組み合わせることで、健康な静脈の機能がサポートされることが見いだされています。

ヴェインサポートには、発酵ひよこ豆から精製された天然形態の持続性ビタミンK2である、メナQ7も含まれています。適切なK2は健康な血管機能にとって重要であり、MenaQ7は心臓血管の健康をサポートすることが示された長時間作用型のものです。

引用元
Doctor’s Best, Vein Support with DiosVein and MenaQ7, 60 Veggie Caps
iHerb.com

 
 
商品説明文の引用元 iHerb.comでも購入可能です。その際 iHerb紹介コード=ALH5806 ご利用いただけたら幸いです。 リンクから飛んでいただくと、自動的にコード適応になります。

 

 

ビタミンKのまとめ

分析【見た目編】36.5

分析【中身編】44

 

ビタミンK 止血作用 参照一覧

ビタミン(脂溶性ビタミン)「日本人の食事摂取基準(2020年版)」策定検討会報告書 厚生労働省

ビタミンKは体内でビタミンK2(メナキノン-4)に変換される J-STAGE

ビタミンK研究のパラダイムシフト J-STAGE

ビタミンK含有食品とワーファリン J-STAGE

オステオカルシンとインスリン分泌 J-STAGE

ビタミンKの生体内活性化とその意義 J-STAGE

ビタミンK合成酵素UBIAD1タンパク質の機能解析 J-STAGE

ビタミンKの核内受容体を介する新しい作用機構 J-STAGE

ビタミンKの健康栄養機能に関する最近の知見 J-STAGE

ビタミンKの生体内変換と生成したメナキノン-4の機能 J-STAGE

4.メナキノン-4の新規生理機能の解明 ―インスリン分泌増強作用―(脂溶性ビタミン総合研究委員会・第352回会議研究発表要旨) J-STAGE

[ビタミンK]骨のたんぱく質を良好に保つ役割 ヨミドクター (株)読売新聞社

大豆機能性素材(ファイン) (株)J-オイルミルズ

オステオカルシン(骨のタンパク質)の経口摂取で代謝を改善 ─ 新たなメタボリックシンドローム予防薬の開発に期待 ─
プレスリリース 九州大学

骨ホルモン「オステオカルシン」は万能アンチエイジングホルモン! 美ST ONLINE (株)光文社

肝心なのは骨の新陳代謝。今日から「骨トレ」を始めよう! 婦人公論.JP 中央公論新社

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