β‐アラニン カルノシンの合成促進

β‐アラニン

β-アミノ酸の1種

アラニンの構造異性体

 

β-アラニンとは

β-アラニンについて

  • アミノ酸はその構造にアミノ基(-NH₂)とカルボキシル基 (-COOH)両方の官能基を持つ有機化合物の総称をいいます。
  • α炭素にアミノ基が結合したものがα-アミノ酸です。
    α炭素

    化合物の化学構造において、カルボキシル基などの官能基が直接結合している炭素のことをα炭素といいます。その1つ隣の炭素がβ、そのまた隣がγとなります。

  • たんぱく質を構成するアミノ酸はすべてα-アミノ酸です。
  • 生体に存在するアミノ酸のほとんどはα-アミノ酸のL型です。なので通常「アミノ酸」といえばL-α-アミノ酸をさします。
    光学異性体(D型とL型)

    α-アミノ酸のα炭素にはさらに水素原子(H)側鎖と呼ばれる原子団が結合しています。つまりα-アミノ酸は不斉炭素元素をもつことになります。そのため光学異性体(D型とL型)が存在します。


    ※イメージイラストです。(α炭素からみて)左手と右手のような左右対称の関係です。

    たんぱく質を構成するα-アミノ酸はすべてL型です。
    なおたんぱく質を構成するα-アミノ酸のうちグリシンは側鎖が水素のため(不斉炭素元素ではないため)光学異性体を持ちません。

    不斉炭素元素

    互いに異なる4種類の原子または原子団が結合している炭素原子をいいます。不斉炭素原子があると立体異性体【原子のつながり方が同じで空間的配置が異なる2つの化合物】が存在します。

  • 「ほとんどは」「通常」という言葉を用いた通り「例外」があります。
  • アミノ酸にはα-アミノ酸以外にもβ-アミノ酸γ-アミノ酸などがあります。
    β炭素にアミノ基が結合したものがβ-アミノ酸です。γ炭素にアミノ基が結合したものがγ-アミノ酸です。

  • β-アラニンはβ-アミノ酸の1種です。
  • β-アラニンはジヒドロウラシルの分解やカルノシンの分解によって生成されます。
  • β-アラニンは生体内では主にカルノシン、アンセリン・パントテン酸の構成成分として存在します。

 

 

摂取量について

推奨・目安摂取量は定められていません。

 

β-アラニンの効果・効能

β-アラニンの効果・効能 3つ厳選

  1. カルノシンの構成成分として(緩衝作用など
  2. アンセリンの構成成分として(尿酸値低下作用など
  3. パントテン酸の構成成分として(エネルギー代謝促進など

 

そのうち3つを詳しく

①カルノシンの構成成分として(緩衝作用など

カルノシンは別名β-アラニル-L-ヒスチジンです。文字通りβ-アラニンとヒスチジンから成るジペプチドです。
筋肉や脳などで、この2つがカルニチン合成酵素の働きにより結合することで生成されます。

代表的なカルノシンの働きとして以下が挙げられます。

緩衝作用
カルノシンには緩衝作用があります。運動中に生じる乳酸由来の水素イオンの緩衝剤として働き筋肉のpH低下を防ぎます。

抗酸化作用
カルノシンには抗酸化作用があります。活性酸素のうち塩素系ラジカル【次亜塩素酸など】に強い抗酸化作用を発揮します。

抗糖化作用
カルノシンには抗糖化作用があります。糖化したたんぱく質が蓄積する前に分解されるように働きかけます。

 

食品からカルノシンを摂取すると一度β-アラニンとヒスチジンに分解されてから、各々が筋肉と脳などの組織に運ばれ、そこにあるカルノシン合成酵素の働きにより再びカルノシンに合成されます。
つまりカルノシンのサプリを取ったとしてもそのままカルノシンとしてダイレクトに筋肉や脳などに届くというわけではないということです。

 

 

栄養成分にあるとある
ここで唐突ですが、栄養成分にたまにある「とある説」について語りたいと思います。

その説とは、サプリなどで「それそのもの」を取るよりも「その前駆体」とか「その構成成分」を取ったほうが、「それそのもの」の血中レベルをあげるというものです。

この説の主たる例がアルギニンとシトルリンの関係です。アルギニンの血中レベルを高めるにはアルギニンサプリよりもその前駆体であるシトルリンのサプリを取ったほうが良いとよく言われています。

アルギニンを直接摂取すればよいのでは?と思うかもしれませんが、アルギニンを直接摂取するよりも、シトルリンをサプリメントで摂取したほうがより効果的に体内のアルギニンを増やすことが期待されています。

引用元 
シトルリンの効果について。筋トレに役立つって本当? 
江崎グリコ(株)

これと同様なことがカルノシンとβ-アラニンにも当てはまります。体内のカルノシンレベルを上げるにはカルノシンのサプリよりも構成成分であるβ-アラニンのサプリを取ったほうが良いといわれています。

その理由としては以下が考えられます。

①ヒスチジン 
カルノシンはβ-アラニンとヒスチジンが結合してできる成分です。うちヒスチジンは体内にたくさん存在します。なのでカルノシンを増やすには構成成分のもう一方のβ-アラニンをいかにして体内に取り入れるかが大切となります。

②カルノシン合成反応の律速段階 

β-アラニンがカルノシン合成の律速段階因子となっているといわれています。
つまりβ-アラニンの存在がカルノシン合成反応の鍵を握っているということになります。

③カルノシン合成酵素 
カルノシンの合成するうえで重要なのはその構成成分であるβ-アラニンとヒスチジンです。もう一つ忘れてはいけないのがカルノシン合成酵素の存在です。この酵素の働きによりβ-アラニンとヒスチジンが結合するからです。
β-アラニンを摂取するとカルノシン合成酵素を反応が活発になりルノシンの合成が促進されると言われています。

 

以上より体内のカルノシンレベルを上げるにはカルノシンそのもののサプリよりもβ-アラニンを取ったほうが良い考えられています
※はっきりと断言はできないのであしからず。

さて
ここで言いたいたいことは

体内のカルノシンを増やしたければカルノシンのサプリよりもβ-アラニンのサプリを取りましょう

ではありません。
言いたいことは

β-アラニンの働きとして【カルノシンの合成量を増やす】があります

です。
なので

β-アラニンの摂取することでカルノシンの3つの作用【緩衝作用・抗酸化作用・抗糖化作用】を高めることができます

ということです。

 

 

②アンセリンの構成成分として(尿酸値低下作用)

アンセリンはカルノシンのヒスチジン残基にメチル基が結合したものです。
β-アラニンと1-メチルヒスチジンのジペプチドで、別名、β-アラニル-N-メチルヒスチジンと言います。

アンセリンはカルノシンと同じくイミダゾールジべプチドの1種です。カルノシンとの大きな違いは含有されている動物の種です。

カルノシン
人の筋肉、牛・豚の肉に

アンセリン

鳥や大型回遊魚の肉に

多く含まれています。

その構造からアンセリンの働きはカルノシンとほぼ同様と考えてよさそうです。なので日本ではカルノシンとアンセリンを別の成分とするよりは「イミダゾールジペプチド」として一緒くたにしていることが多いです。
事実、イミダゾールジぺプチドサプリは【カルノシン&アンセリン】として販売されていることが多いです。

 

ここでひとそえ

海外では完全にカルノシンサプリのみです(と思います)。アンセリンサプリはもとよりイミダゾールジぺプチドのサプリも見たことはありません。もちろん現地に行って確認したわけなく、サイト検索した結果です。

一方 日本では、カルノシンのサプリはあまり見かけず、イミダゾールジペプチト(アンセリン・カルノシン)サプリとして販売されていることが多いです。

またアンセリンを単体サプリとして販売しているメーカーをよくみかけます。

これは「日本ではマグロとかカツオとか大型回遊魚がよく取れるから」だと推測しています。

さて先ほど「アンセリンの働きはカルノシンとほぼ同様と考えてよさそうです」と述べましたが、カルノシンになくてアンセリンにだけある作用があります。
もとい ※カルノシンにもあるかもしれないのですが、
カルノシンでは言及されず、アンセリンだけにものすごく言及されている作用があります。
それは尿酸値を低下させる作用です。

アンセリンには、尿酸の産生抑制する働きと排出促進する働きがあり、尿酸値が高めの方の尿酸値を低下させる作用があります。そのため痛風予防に効果がある成分の1つとされています。
となるとアンセリンの構成成分であるβ-アラニンもアンセリンのこの働きに少なからず貢献していると考えられます。

 

 

カルノシンにもあるかもしれないの理由

イミダゾールジぺチドは体内に取り入れると一度β-アラニンとヒスチジン(1-メチルヒスチジン)に分解されます。
そして腸管から吸収され、肝臓および門脈血液中にある分解酵素により分解され、おのおの血流にのって各組織に運ばれ、そこにある合成酵素の働きにより再度イミダゾールジぺチドになります。
とにかくカルノシンにせよアンセリンにせよ一度分解され、再び再合成という流れをたどります。

で、でです。
イミダゾールジぺプチドのうちアンセリンのほうがどうなっているかさっぱりわかりません。
以下、その理由です。

  1. 人間にはカルノシンのみ?

    そもそも人間にはアンセリンが存在していない説があります。
    こちらをご覧ください。

    ヒトの体には、カルノシンだけが存在し、鳥類や魚類にはアンセリンが多く、海獣類(クジラやイルカ)にはバレニンが多いなど、生物の種類によって持っているイミダの種類は異なります。

    引用元 
    イミダゾールジペプチド(イミダ)とは? 
    イミダLabo(日本ハム(株)中央研究所)

    この文章だと人間にはアンセリンが存在しないことになります。そうなるとアンセリンは摂取したらβ-アラニンとヒスチジンに分解され、カルノシンとして体内で合成されカルノシンと同様の作用を発揮すると考えられます。実際それっぽいです。

    ヒトがカルノシンとアンセリンを摂取すると速やかにアミノ酸に分解され、骨格筋中に移動、カルノシンに再合成されると考えられている。

    引用元 
    イミダゾールジぺプチド 
    ウィキペディア

    となると普通にアンセリンの尿酸値低下作用はカルノシンにもあると考えられます。

  2. 一度カルノシンになってからアンセリンになる?

    とはいえ人にもアンセリンが存在している(カルノシンと比べるとわずかですが)という記述もちらほらみかけます。この場合は、カルノシン同様に体内で分解され再合成されている考えられます。
    とある資料によるとβ-アラニンとヒスチジンからL-カルノシンが合成され、そのカルノシンがカルノシンメチル化酵素によってアンセリンとなるといわれています。

    ※とある資料↓ではラットの骨格筋ではです。
    参照
    カルノシン・アンセリンについて 
    カルノシン・アンセリン研究会 

 

結論
アンセリンを摂取したらβ-アラニンと1-メチルヒスチジンに分解され体内でアンセリンとして合成されるという可能性も絶対ないとは言い切れません。
もしかしたら尿酸値を低下させる作用は、アンセリンが分解される前に働く作用でした・・・なんてオチがあるかもしれません。

とにかくアンセリンに関してはよくわかりません。

いずれにせよ①②の理由よりカルノシンのサプリをとることでもアンセリンのもつ尿酸値を低下させる作用を得れるとも考えることができなくもありません。
ただしカルノシンを言及しているサイトでカルノシンに尿酸値を低下させる作用があると述べているのを見かけたことはありません

 

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③パントテン酸の構成成分として(エネルギー代謝促進など

パントテン酸は生体内ではCoA(コエンザイムA)ACP(アシルキャリヤープロテイン)の補欠分子族4′-ホスホパンテテインの構成成分として、糖質の代謝や脂質の代謝に関与しています。

パントテン酸は3大栄養素の代謝すべてに関わるビタミンです。エネルギー代謝を促進させる成分の代表格といっても決して言い過ぎではないと思います。
パントテン酸は幅広い食品に含まれています。また腸内細菌により合成できます。
通常の食生活を送っている限り「不足」を考える必要はないと思います。

食品などに含まれているパントテン酸はパントイン酸とβ-アラニンが結合したものです。
また食品中のパントテン酸のほとんどは、パントテン酸として独立しているのではなくCoAや4′-ホスホパンテテインの成分として、たんぱく質と結合した状態で存在しています。

さきほど腸内細菌により合成できるといいましたが、それはアスパラギンから脱炭酸反応を経てβ-アラニンを合成し、それがパントイン酸と結合しという流れをたどるようです(詳しくは知りません。よろしければ下記↓をご覧ください)。

参照
γプロテオ族腸内細菌の選択的生育阻害を目指したパントテン酸代謝経路の研究
KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)

以上です。
ここで言いたいことは単に「β-アラニンはパントテン酸の構成成分である」だけです。

 

 

働き分析に関して

さてこれから行う働き分析に関してです。β-アラニンの効果・効果のうち評価の対象となるのはほとんど「カルノシンの構成成分として」とします。
理由としてはβ-アラニンのサプリを摂取することの目的は、ほぼほぼ「カルノシンの合成促進」のためだからです。

 

  • アンセリンについて
    アンセリンはよくイミダゾールジぺチドとしてカルノシンと一緒くたにされています。なので別に「カルノシンの構成成分として」≒「アンセリンの構成成分として」としてもそんなに問題ではないと考えます。この考えのもと「アンセリンの構成成分として」は評価対象からほぼ除外します。
  • パントテン酸について
    パントテン酸に関していうと、構成成分のβ-アラニンを取ったところで体内のパントテン酸がどうこうなるとはあまり考えられません。なので評価対象からほぼ除外します。

「ほぼ」という言葉を使っているのは、せっかくなので(まったくの無関係ではないので)一部の項目では評価対象としたいと思います。

 

β-アラニンの働き分析【見た目編】

合計 42/60点

カテゴリー別 点数

薄毛 5.5点

白髪 6.5点

美肌 8点

美白 7点

筋肉 9点

脂肪 6点

 
 

薄毛

5.5点

「薄毛」改善 に関わるβ-アラニンの働きは主に次です。

  1. 抗糖化作用
    AGEsが頭皮に蓄積すると毛乳頭細胞や毛母細胞の働きが衰え薄毛につながります。カルノシンには抗糖化作用があります。カルノシンはβ-アラニンとヒスチジンから成るジペプチドです。
  2. 抗酸化作用
    活性酸素が頭皮に過剰に発生すると毛乳頭細胞や毛母細胞の機能が低下し薄毛につながります。カルノシンには抗酸化作用があります。β-アラニンの摂取は体内のカルノシンの合成を高めます

 

白髪 

6.5

「白髪」予防 に関わるβ-アラニンの働きは主に次です。

  1. 過酸化水素
    活性酸素のうち白髪の発生にもっとも影響を与えるのは過酸化水素です。
    黒髪のもととなるメラニンはメラノサイトでアミノ酸【チロシン】と酵素【チロシナーゼ】が結びつくことで生まれます。過酸化水素は後者のチロシナーゼを破壊する働きがあります。

    カルノシンやアンセリンなどのイミダゾールジぺプチドは過酸化水素を抑える作用があります。

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    β-アラニンはイミダゾールジぺプチドの構成成分です。

    参照
    これまでの研究結果
    イミダゾールジペプチド【アンセリン・カルノシン】研究部HPにようこそ  
    東海物産(株)

  2. 抗糖化作用
    糖化とは体内に余った糖質がたんぱく質とくっつき、たんぱく質を劣化させる現象のことをいいます。糖化によって作られるのがAGEs(終末糖化産物)です。AGEsが体内に蓄積されるといわゆる老化が進みます。髪に関していえば、髪の毛の主成分であるケラチンたんぱく質がAGE化すると薄毛が促されたり、白髪が増えたりします。
    カルノシンには抗糖化作用があります。そのカルノシンを増やすのが構成成分のβ-アラニンです。

 

美肌

8点

「美肌」作り に関わるβ-アラニンの働きは主に次です。

  1. 抗糖化作用
    糖化がすすみ、体内にAGEsが蓄積されると体のあちらこちらに悪影響を及ぼします
    美容面、健康面、両方において老化が進みます。
    美容面でいうととくに肌【の真皮層にあるたんぱく質コラーゲン】にダメージが大きいと考えてください。

    コラーゲン繊維は架橋(コラーゲン架橋)によって分子間がつながっています。


    ※真皮層を拡大したイラストです。ひし形の線部分がコラーゲン。つなぎ目部分はエラスチン。

    AGEsが増えコラーゲンの分子間にAGEsによる架橋(AGEs架橋)が形成されるとコラーゲンが破壊・変性されます。その結果、肌のハリ・弾力は失われシワ・たるみが生じやすくなります。カルノシンには抗糖化作用があります。

  2. 抗酸化作用
    肌の細胞にダメージを与えるのが紫外線などにより発生する活性酸素です。


    ※活性酵素→活性酸素に訂正。

    カルノシンは細胞を活性酸素の攻撃から守る抗酸化物質の1つです。

    さて繰り返しになりますが、β-アラニンはカルノシンを増やす働きがあります。
    もしかしたらカルノシンのサプリを取るよりもβ-アラニンのサプリのほうが体内の「カルノシンの生成」にとっては重要といえるかもしれません。下記がその理由です。

    ベータアラニンは、ジペプチドカルノシンの「レート制限前駆体」とされるアミノ酸です。つまり、ベータアラニンは、体に直接的な影響を持つカルノシンを生成するための化学反応の中で使われ、ベータアラニンの量によってカルノシンのレベルが制限されることを意味します。

    引用元
    ベータアラニンサプリメント 効果や効能、摂取量、副作用や安全性は?
    マイプロテイン公式サイトブログ THE HUT GROUP

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美白

7

「美白」ケア に関わるβ-アラニンの働きは主に次です。

  1. 抗糖化作用
    AGEsは美白を求める方にとって天敵となります。AGEsそれ自体が茶褐色の物質のため、肌の内側に蓄積すると肌に透明感がなくなり黄色くくすんでしまうからです。カルノシンはAGEsの蓄積を抑制する天然の抗AGE物質として有名です。β-アラニンにはカルノシンを増やす働きが期待できます。
  2. 抗酸化作用
    シミの原因となるメラニンは活性酸素の攻撃から肌の細胞を守るために作られます。

    なので紫外線などにより体内に活性酸素が過剰に発生するとメラニンはたくさん作られてしまいます。
    β-アラニンとヒスチジンから成るカルノシンには抗酸化作用があります。

 

筋肉

9

「筋肉」増強 に関わるβ-アラニンの働きは主に次です。

  1. 緩衝作用
    カルノシンには乳酸発生時の筋肉組織内のpH値の低下を抑制する作用があります。この作用は高強度で持続的なトレーニングを行う際の強力なサポーターとなり、運動パフォーマンスの向上および筋力UPに大きく貢献します。
  2. 抗酸化作用
    カルノシンは筋肉に高濃度に含まています。激しい運動により筋肉に発生する活性酸素の除去に活躍します。カルノシンが筋肉痛や筋肉疲労に効くのは上記「緩衝作用」にプラスして「抗酸化作用」があるからとされています。

    β-アラニンはカルノシンの構成成分です。摂取すると特に筋細胞のカルノシンの合成に使用されます。

    実際、数々の実験により
    β-アラニンの摂取が筋肉中のカルノシンを増やし上記2つの作用などをもたらすことで運動パフォーマンスの向上や筋疲労低減につながる
    ことが証明されています。

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脂肪

6点

「脂肪」減少 に関わるβ-アラニンの働きは主に次です。

  1. 抗酸化&抗糖化作用
    酸化や糖化がダイレクトに肥満につながるというわけではありませんが、この2つの現象により、老化という過程を経て肥満につながると考えられます。
    ようは老化により体のさまざまな細胞の機能が低下して、代謝が落ちて脂肪が蓄積するといった感じです。
    今まで抗酸化作用および抗糖化作用でこの項目で評価することはありませんでした。
    ですが、カルノシンはこの2つの作用を両方とも有するためここで評価したいと思います。

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    そのカルノシンを体内で増やすのがβ-アラニンのもつ作用です。

  2. 糖質・脂質の代謝促進(by パントテン酸)
    エネルギーに代謝されなかった糖質・脂質は中性脂肪として体に蓄えられます。
    パントテン酸は糖質の代謝・脂質の代謝両方においてCoAの構成成分として深く関わっています

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    なのでダイエット効果が高いビタミンとして有名です。

    β-アラニンはパントテン酸の構成成分です。

 

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β-アラニンの働き分析【中身編】

合計 43.5/60点

カテゴリー別 点数

身体 4.5点

エネ 7点

病気 8.5点

体質 8.5点

精力 6点

健脳 9点

 

身体

4.5

「身体」の構成材料 に関わるβ-アラニンの働きは主に次です。

  1. 筋肉
    カルノシンは体を構成するアミノ酸ではありません。ただし筋肉に多く含まれて、乳酸(由来の水素イオン)による筋肉のpH値の低下を抑制する作用があります。
    いうならば、筋肉の質を高める成分です。それゆえ「筋肉」を構成する成分の一員と考えることもできなくもありません。

    筋肉のカルノシンレベルを引き上げるのがβ-アラニンの主な働きです。

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エネ

7点

「エネルギー」生成 に関わるβ-アラニンの働きは主に次です。

  1. 乳酸はエネルギー源
    カルノシンはエネルギー代謝に直接かかわる成分ではありません(ないと思います)。
    ただ糖質の代謝経路である解糖系(嫌気的条件)の最終代謝産物「乳酸」に関わります。
    乳酸は遅筋(持久力)のエネルギー源として利用されます。

    速筋と遅筋

    筋肉の細胞は速筋と遅筋の2種類があります。運動の際は、速筋が無酸素で瞬発力を生み出し、遅筋が酸素を利用して持久力を生み出します。

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    乳酸はこのようにエネルギー源となりますが、負の一面も持ち合わせます。乳酸から発生する水素イオンが生体内のpHの低下をもたらすのです。筋肉細胞のpHが低下すると、筋肉の収縮が上手くいかなくなり筋疲労を感じるようになります。

    カルノシンは乳酸由来の水素イオンの緩衝材として筋肉細胞のpHの低下を防ぎます

    β-アラニンにはそのカルノシンの合成を促進させる働きがあります。

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    感想(0件)

  2. エネルギー代謝(by パントテン酸)
    エネルキー貯蔵物質ATPは

    糖質代謝(酸素アリ)では生じたピルビン酸がアセチルCoAとなって、
    脂質代謝では生じた脂肪酸がCoAと結合しアシルCoAとなって、β酸化の反応をへてアセチルCoAとなって、

    共通の経路である「電子伝達系」に組み込まれ、そこで酸化的リン酸化が起こることにより

    たくさん生成されます。

    とにもかくにもアセチルCoAにならないことには大量のエネルギーは産生されません。
    パントテン酸は補酵素(CoAの構成成分)として糖質・脂質の代謝に深く関与します。

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    CoAはパンテテインとアデノシン-3′-リン酸が、ピロリン酸を介して結合したものです。
    うちパンテテインはパントテン酸とシステアミンが結合したものです。
    そのうちパントテン酸はパントイン酸とβ-アラニンが結合したものです。

    ということでβ-アラニンはエネルギー代謝に関与はしているといえそうです。

 

病気

8.5点

「病気」予防 に関わるβ-アラニンの働きは主に次です。

  1. カルノシン関連
    カルノシンの摂取および体内に増やすことは生活習慣病をはじめとする さまざまな病気予防につながります。β-アラニンは体内のカルノシン濃度を高める働きをします。

    以下、カルノシン関連の病気をざっとまとめます。

    ①生活習慣病予防
    血中LDLが活性酸素により酸化され酸化LDLに変わると血管壁にプラークと呼ばれるこぶを形成するようになります。そうすると動脈硬化のリスクが高まります。

    また細胞のDNAが活性酸素の攻撃を受け損傷するとがん細胞に変わってしまいます。
    抗酸化作用をもつカルノシンは生活習慣病の予防になると考えられます。

    ②糖尿病予防

    カルノシンには体内の余分な糖と結びつく(そして体外に排出させる)抗糖化作用があります。糖尿病の予防になります。

    ③高血圧予防
    ラット実験により少量のカルノシンの投与は交感神経を抑制して血糖や血圧を低下させる効果をもつことが判明しています。
    少量というのがミソで、大量だと逆効果(交感神経を刺激して血圧上昇)になります。

  2. 痛風(by アンセリン)
    痛風はある日突然、足の親指などの関節に激痛が走る病気です。

    マンガでわかる痛風の治し方 [ 谷口敦夫 ]

     


    原因は尿酸です。
    尿酸が体の中にたまり、それが結晶化したものが関節などに沈着して、関節に激しい炎症を引き起こします。ちなみに風が吹いても痛いから痛風と名付けられています。

    尿酸の材料はプリン体です。尿酸は食物由来のプリン体&体内で生成されるプリン体が体内で分解される過程で生み出されます。
    ようはプリン体を代謝した結果生じる老廃物です。

    尿酸値改善のためのプリン体まるわかりBOOK [ 大山 博司 ]

     


    通常ならば、体内の尿酸は産生と排出のバランスを保ちながら一定量に保たれています。ですが、尿酸が過剰につくられたり、排出がうまくいかなくなったりすると、体内の尿酸は一定量を超えてしまいます。
    その結果「尿酸値」が高くなり、余分な尿酸が結晶化して、それが関節などに沈着して痛風を引き起こすメカニズムになっています。なお尿酸値が高い状態を高尿酸血症といいます。

    アンセリンには、尿酸の産生抑制する働きと排出促進する働きがあり、尿酸値が高め(尿酸値5.5~7.0mg/dL)の方の尿酸値を低下させる作用があります。

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    β-アラニンはアンセリンの構成成分です。

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体質

8.5点

「体質」改善 に関わるβ-アラニンの働きは主に次です。

  1. 抗疲労
    カルノシンは抗疲労効果が極めて高い成分といえます。それはカルノシンのもつ緩衝作用・抗酸化作用・抗糖化作用を「総合して」と考えることができます。


    「カルノシンは抗疲労効果が極めて高い」これを説明するのにイメージしやすいのは渡り鳥です。

    渡り鳥など持久力を要する生物の筋肉に多く含まれているのがカルノシン・アンセリンといったイミダゾールジペプチドです。

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    β-アラニンはイミダゾールジぺプチドの構成成分です。

  2. 抗老化
    体をサビさせる「酸化」
    コゲさせる「糖化」は老化を早める2大現象です。この2つを予防することがアンチエイジングにとって重要となります。カルノシンは抗酸化作用と抗糖化作用を両方を有するため、「老化を遅らせる」のに非常に有効な成分といえます。

    『ベータアラニン粉末 100g』

     


    β-アラニンは体内のカルノシン濃度を高める働きをします。

 

精力

6点

「精力」増強&「性機能」向上 に関わるβ-アラニンの働きは主に次です。

  1. 精力&滋養強壮剤
    カルノシンやアンセリンなどのイミダゾールペプチドは疲労回復&持久力UP目的でよく精力剤や滋養強壮剤に配合されています。

    イミダゾールジペプチド ゴールド 45粒 【 明治薬品 】[ サプリ/サプリメント/精力サプリ/活力サプリ/元気/男の活力/おすすめ ]

     


    イミダゾールジぺプチトはβ-アラニンとヒスチジンが結合しているものです。

 

健脳

9

「脳」の健康 に関わるβ-アラニンの働きは主に次です。

  1. 脳に対するカルノシンの効果
    人体実験でβ-アラニンの摂取は筋肉のカルノシンを増やすことが確認されています。
    動物実験でβ-アラニンは脳(大脳皮質および視床下部)のカルノシンを増加させることが確認できています。

    ベータアラニン パウダー 500g NOW Foods(ナウフーズ) Beta-Alanine 500g

     


    なおβ-アラニンは血液脳関門を通過できる成分です。

    血液脳関門

    血液脳関門とは、脳毛細血管の内皮細胞同士の密着結合により形成されているバリア機能のことです。

    血液脳関門は脳に有害な物質を通さないために、その物質が脳に必要なものかを判別している「関所」とよく例えられます。

    以下、カルノシンの脳関連の働きです。

    ①認知症
    マウス実験によりカルノシンに認知症を予防する可能性があることが判明されています。カルノシンは脳に高濃度に存在します。カルノシンの抗酸化作用や抗炎症作用が【脳血管の酸化ストレスの抑制&脳組織の炎症反応の軽減】=【記憶力低下回避】に効くと考えられます。

    参照
    体内抗酸化ジペプチドの認知症予防作用発見 
    東京大学大学院新領域創成科学研究科

    ②自閉症
    自閉症の子供にカルノシンを8週間摂取させたところ、(プラセボ摂取群と比べて)自閉症の改善効果がみられたとの実験結果があります。作用機序はわかりませんが、カルノシンに脳の活動亢進作用があるからと考えられます。

    参照
    カルノシン・アンセリンについて 
    カルノシン・アンセリン研究会

    イミダペプチド【正規品】イミダゾールジペプチド イミダゾールペプチド ドリンク 臨床試験済 飲料【30本セット】栄養ドリンク 機能性表示食品 メーカー直販 ノンカフェイン カフェインレス はちみつりんご風味 日本予防医薬 送料無料 健康 通販

     

    ③神経伝達物質
    カルノシンは神経伝達物質としても働いている(もしくは 神経伝達物質と同じような働きがある)といわれています。おそらくこの働きも上2つの予防・改善に関わってくると考えられます。

    ④脳疲労
    脳疲労の回復にカルノシンの抗酸化作用が大きく貢献します。
    先般NHK BSで放送された「美と若さの新常識」にて脳疲労回復にイミダゾールペプチドが紹介されていました。

    長びく疲れ “脳疲労”は美の大敵!

    放送日 2019年 6月11日
    放送局 NHK BS
    番組HP 美と若さの新常識

    登場パート
    脳疲労回復にイミダゾールペプチド

 

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β-アラニンのサプリメント分析

合計 11.5/20点

カテゴリー別 点数

継続(価格は安いか) 3点

手軽(購入ルートは多いか)3.5点

選択(品揃えは豊富か)2.5点

貴重(食品から取りづらいor不足しやすいか)2.5点

 
  1. 継続
    例えば海外のサプリで750㎎配合120粒入り(目安1~3粒/日)が約2200円で購入可能です。

    βアラニン ベータアラニン 750mg 120粒NOW Foods ナウフーズ

     

  2. 手軽
    β-アラニン単体(β-アラニンがメイン成分)サプリおよびβ-アラニンが含まれているアミノ酸複合サプリはネットで購入可能です。

  3. 選択
    某ECサイトで「ベータアラニン サプリメント」検索すると約80件ヒットします。β-アラニンまたはβ-アラニンが含まれているワークアウト系サプリでヒットします。商品数は多くはありません。
  4. 貴重
    以下、引用文です。

    β-アラニンは肉、鶏肉及び魚のような食物中のアミノ酸である。ヒトは、食事によるが、1 日に最大約 1 グラムの β-アラニンを摂取する。身体は骨格筋中のカルノシンを作るために β-アラニンを使用する。

    引用元
    食品安全情報(化学物質)NO2/2018別添
    PDFページ 4/16
    国立医薬品食品衛生研究所 安全情報部

 

 

おすすめ品

 

おすすめ理由
β-アラニンのサプリはナウフーズのを愛用しています。カプセルタイプとパウダータイプがあります。自分はカプセル派です。1粒に750㎎配合で120粒入っています。価格は2000円前後で購入できます。コスパがよろしいかと思われます。

 

 

注意(サプリを摂取するうえでの心構え?)

こちらをサラっとご覧ください。

β-アラニンを 800 mg 以上摂取すると、顔、首、手の甲及び上幹に中重度の知覚障害、刺痛、穿痛、灼熱感が引き起こされることがある。これらの影響は 60~90 分間続く可能性があるが、深刻なまたは有害なものとはみなされない。

引用元
食品安全情報(化学物質)NO2/2018別添
PDFページ 4/16
国立医薬品食品衛生研究所 安全情報部

これすごく簡単にいうとβ-アラニンを摂取すると「ピリピリする感覚」が起こるというやつです。

体験談としてこれはガッツリ感じます。ものすごく感じます。β-アラニンの商品レビューなんかを見ると他の方もガッツリ感じるようです。
なので摂取してこの感覚を不快に感じたら、量を減らすかあるいは摂取しないようにしてください。

ここだけの話、カルノシン派かβ-アラニン派といえば自分はβ-アラニン派です。理由はこのピリピリ感にあります。
この「ピリピリ」が嫌ではなく、体に「キいてる!」という感じがするからです。

 

β-アラニンとの組み合わせ

β-アラニンと相性の良い成分 7つ厳選

  1. BCAA
  2. クレアチン
  3. アルギニン
  4. カフェイン
  5. カルニチン
  6. ビタミンB6
  7. アシュワガンダ

 

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そのうち1つをPICK UP

①BCAA

この組み合わせは効率よく筋肥大を目指す方にとってはナイスカップルといえそうです。BCAAは運動パフォーマンスの向上に役立ち、β-アラニンはそれを持続させるのを助けるといった感じでしょうか。
この2つ(厳密にいうと4つ BCAAはバリン・ロイシン・イソロイシンの総称)はワークアウト系のサプリによく一緒に配合されています。

 

β-アラニンのまとめ

β-アラニン 評価

総合評価 A 97点 

分析【見た目編】42

分析【中身編】43.5

分析【サプリ】11.5

 

 

 

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