銅 鉄の運搬

 

16種類ある必須ミネラルの1種
そのうち9種類ある微量ミネラルの1種

 

 

銅とは

銅について

  • ミネラルのうち生命維持に欠くことができないミネラルを必須ミネラルと呼びます。必須ミネラルは16種類あります。

  • 必須ミネラルのうち1日に必要とされる摂取量が100㎎以上のミネラルを主要(多量)ミネラル、100㎎未満のミネラルを微量ミネラルと分類しています。以下その内訳です。

    16種類の必須ミネラル

    ◆主要ミネラル(7種類)
    ナトリウム・カリウム・カルシウム・マグネシウム・リン・硫黄・塩素

    ◆微量ミネラル(9種類)
    鉄・亜鉛・銅・マンガン・ヨウ素・セレン・モリブデン・コバルト・クロム

  • 銅は必須ミネラルのうち微量ミネラルに分類されます。
  • 銅は成人の体内に約80㎎存在します。
  • 体内にある銅の約50%は骨格筋・骨に存在しています。約10%は肝臓に存在しています。残りは脳・心臓・腎臓・血液などに存在しています。

  • 細胞内では銅イオンのほとんどはたんぱく質と結合しています。たんぱく質に結合することでさまざまな酵素の活性中心として機能します。
  • 活性中心に銅を有する酵素としてシトクロムcオキシターゼチロシナーゼスーパオキシドジスムターゼ(SOD)リジルオキシダーゼなどが有名です。
  • 遊離状態の銅イオンは非常に少ないのですが、この状態にある銅イオンは活性酸素の発生を触媒したり、他の金属たんぱく質の活性を阻害したりするといった「毒性」を発揮します。
    なので遊離状態にならならないように体内の銅の恒常性(ホメオスタシス)は厳密に調節されています。この中心的な役割を担う臓器が肝臓です。
  • 銅の働きとしてエネルギー産生(by シトクロムcオキシターゼ)、メラニン産生(by チロシナーゼ)、抗酸化作用(by SOD)、コラーゲン・エラスチンの生成(by リジルオキシダーゼ)などが挙げられます。

銅の補足 

  • 食事中の銅は胃・十二指腸から吸収され、アルブミンと結合して門脈を取って肝臓に運ばれます。

    銅の吸収経路は2パターンあります。

    ①二価の銅イオンが二価金属輸送体と結合して直接吸収されるパターン

    ②二価から一価に還元された銅イオンが、小腸上皮細胞 頂端膜に存在するCtr1と結合して取り込まれ&小腸上皮細胞 基底膜に存在するATP7Aを介して門脈側へ銅を排出するパターン

    ①は鉄・亜鉛と競合します。

    銅の吸収率は約20%~約60%となっています。数値は書籍やサイトによりけりですが、ふり幅が大きいのは確かです。なお摂取量が少なければ吸収率が上がり、多ければ下がります
  • 肝臓へに取り込まれた後、それぞれの銅シャペロンと結合して細胞質内を移動し、銅依存性酵素やアポセルロプラスミンなどに渡されます。
    銅シャペロン

    特定の銅たんぱく質に銅イオンを運搬する役割をもったたんぱく質。

  • アポセルロプラスミンと結合した銅を、セルロプラスミンといいます。生成されたセルロプラスミンは肝臓から血中に放出され、各組織に銅を運搬します。

    血液中の銅の約95%はセルロプラスミン結合銅です。残りはアルブミンやアミノ酸(ヒスチジンなど)と結合した銅です。

  • 肝臓は銅の恒常性を保つ臓器です。肝臓から銅の放出は2経路あります。
    ①胆汁へ放出され、糞便中に排泄される経路

    ②セルロプラスミンとなって血中に放出される経路

    吸収された銅の大部分(約85%)は胆汁を介して糞便中に排泄されます。腎臓から尿中への排泄もわずか(5%以下)ですがあります。
  • 過剰となった銅は、再吸収されない形態で胆汁を経て糞便中へ排泄されます。

摂取量について

◆推奨量
0.9~1
/日(成人男性) 
0.7~0.8㎎/日(成人女性)
※年代により異なります。

◆耐用上限量
10
/日(成人)

by 日本人の食事摂取基準(2015年版) 厚生労働省

不足や欠乏症

  • メンケス病(先天性銅代謝異常症)
    遺伝性の疾患。銅が腸管内で吸収されず、銅が欠乏する病気。銅を輸送する銅輸送ATPase(ATP7A)の遺伝子異常が原因と考えられる。
    精神発達障害、中枢神経障害、結合組織異常、頭髪の縮れなどの症状がおきる。

    ATP7A
    ATP7Aは肝細胞以外の細胞のゴルジ体膜上に存在し、サイトソルからゴルジ体への銅輸送および細胞から銅を分泌する働きをします。

    この働きにより、食物中の銅の腸管での吸収が行われます。
    ※「銅の補足」項目で説明した吸収経路パターン②の話に関与します。

  • 貧血(鉄投与に反応しない)
  • 白髪
  • 皮膚の脱色
  • 骨がもろくなる
  • 血管がもろくなる
  • 白血球減少
  • 好中球減少
  • 心血管系や神経系の異常
  • 成長障害
取り過ぎや過剰症

  • ウイルソン病(先天性銅代謝異常症)
    遺伝的欠陥により銅輸送が障害される。銅を輸送する銅輸送ATPase(ATP7B)の遺伝子異常が原因と考えられる。
    銅が排出されないため脳、肝臓、腎臓、角膜などに蓄積し、それら臓器に重い障害を引き起こす。

    ATP7B
    肝細胞での同輸送たんぱく質です。肝細胞のサイトソルからゴルジ体への銅の輸送をします。

    ATP7Bの作用により肝細胞のゴルジ体に輸送された銅は
    アポセルロプラスミンと結合しセルロプラスミンとなって血液中に分泌されます。
    また肝臓から胆汁中へ排泄されます(COMMD1との相互作用)。
    ※「銅の補足」項目で説明した肝臓から銅の放出の話に関与します。

 

  • 化学薬品の誤飲などにより急性中毒にケースがあるがこれは特殊である。過剰摂取による悪影響に関しては基本心配はいらない。
  • ただし鉄と同様に体内に過剰に存在すると活性酸素の発生を増やす。

 

銅の効果・効能

銅の効果・効能 5つ厳選

  1. 鉄の運搬(by セルロプラスミン)
  2. 白髪予防(by チロシナーゼ)
  3. エネルギー産生(by シトクロムcオキシダーゼ)
  4. 骨を丈夫にする(by リジルオキシダーゼ)
  5. 血管壁を丈夫にする(by リジルオキシダーゼ)

 

そのうち2つを詳しく

①鉄の運搬

鉄は【赤血球の主成分であるヘモグロビンの構成成分として】体のすみずみに酸素を運搬する働きをしています。

銅はこの「鉄の働き」に深く関わっています。

ヘモグロビンを合成する場所は骨髄です。

ヘモグロビンの材料である鉄はトランスフェリンというたんぱく質と結合し血清鉄となって血流に乗って骨髄に運ばれます。

銅は鉄を骨髄に運搬するのをサポートすることで「鉄の働き」に関わってきます。

の吸収および運搬過程をまとめました。
上記のキー部分【赤文字】とリンクしてくる部分を赤文字にしています。

  • 食物から摂取されたヘム鉄(Fe²⁺ 2価鉄)・非ヘム鉄(Fe³⁺ 3価鉄)】は、十二指腸から空腸上部において吸収されます。
    ヘム鉄

    ヘム鉄は、ヘム輸送体HCP1(heme carrier protein1)によりそのままの形で腸管上皮細胞から吸収され、細胞内でヘムオキシゲナーゼの働きにより2価の鉄(Fe²⁺)とポルフィリンに分解されます。

    非ヘム鉄

    非ヘム鉄は胃酸により溶解され、食物中の還元物質、または腸管上皮の細胞膜上にある鉄還元酵素「duodenal cytochrome b」によりFe²⁺に還元されてから吸収されます。
    細胞内へ鉄を輸送する2価金属輸送体がFe²⁺しか輸送できない=Fe³⁺は輸送できないためです。なので摂取した非ヘム鉄(Fe³⁺)は還元されてFe²⁺になる必要があります。

  • 腸管上皮細胞内に吸収されたFe²⁺は、フェロポーチンと呼ばれる鉄排出たんぱく質によって細胞外に輸送されます。その際、ヘファスチンによってFe³⁺に酸化されます。
  • Fe³⁺はトランスフェリンと結合して【=血清鉄として】血流に乗って全身の各組織に、その多くは骨髄へ運搬され赤血球の産生【=ヘモグロビン合成】に利用されます。

 

二価鉄Fe²⁺は三価鉄Fe³⁺に酸化されることでトランスフェリンと結合することができます。
Fe³⁺に酸化させる働きをするのがヘファスチンです。

ヘファスチンは銅を含んだたんぱく質で、含銅たんぱく質であるセルロプラスミンと相同性をもちます。
これら鉄酸化酵素の働きによって鉄はFe²⁺→Fe³⁺に変換でき、トランスフェリンと結合し、血液中に放出され、骨髄に運ばれ、ヘモグロビンの合成に利用できます。
(先のまとめではFe³⁺に酸化させる酵素はヘファスチンしか記載していませんが、)セルロプラスミンにもFe²⁺を酸化させFe³⁺に変換させる働きがある、この反応にはセルロプラスミンも必要ということです。

なので
【セルロプラスミンの構成成分である】銅の不足は
【骨髄への鉄の運搬を滞らせることになるので】ヘモグロビン合成を低下させ、
貧血を引き起こす可能性があります。

言い方をかえると
【セルロプラスミンの構成成分である】銅の摂取は
【骨髄への鉄の運搬をスムーズにさせるので】ヘモグロビン合成を増加させ
貧血を予防するといえます。

 


②白髪予防

髪に着色するメラニン色素はメラノサイトで作られています。メラノサイトでは毛乳頭から供給されたアミノ酸【チロシン】をもとに酵素【チロシナーゼ】の働きによりメラニン色素が生成されます。
一方で、毛髪本体は毛乳頭より受けとった栄養素(18種類のアミノ酸など)を材料にして毛母細胞が細胞分裂することで作られています。


※毛母細胞の隣にメラノサイトが存在しています。

黒髪が生えてくる(髪が着色される)過程は次です。

黒髪のもとなるメラニン色素が毛母細胞の隣に存在するメラノサイトで作られる。
毛母細胞が細胞分裂し髪が作られる過程で、メラノサイトで作られたメラニン色素が毛母細胞に取り込まれることで髪が黒くなる。

 

さて髪を黒くするには色の源であるメラニンがしっかりと作られることが大切となります。そのために必要なことは【チロシンの補給】【チロシナーゼの活性】です。
銅は後者に関与します。チロシナーゼは活性中心に銅イオンを含む金属酵素です。

実際、銅の不足は髪の毛の脱色を引き起こします

 

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の働き分析【見た目編】

合計 43.5/60点

カテゴリー別 点数

薄毛 6点

白髪 10

美肌 8点

美白 4.5点

筋肉 6.5点

脂肪 8.5点

 
 

薄毛

6点

「薄毛」改善 に関わる銅の働きは主に次です。

  1. コラーゲンの合成
    コラーゲンは結合組織の主成分です。

    とくに皮膚(の真皮)においてはコラーゲンが70%を占めています。なので髪でいうところの「頭皮」になくてはならない存在と言えます。


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    コラーゲンが十分に存在することで弾力のある頭皮を維持することが可能となります。その結果として、美しく健やかな髪が生まれやすくなります。銅はコラーゲンの合成に関与します。

  2. 鉄の吸収
    銅は鉄の吸収を助け、ヘモグロビンの合成を助ける成分です。

    鉄は「毛根への栄養素と酸素の運搬」の働きにより薄毛予防に関与しています。

    毛根への栄養素と酸素の運搬
    髪には栄養素と酸素が必要です。栄養素と酸素をもとに毛母細胞が細胞分裂することで髪が生まれ成長していくからです。
    これらは毛細血管を通じて血液によって運ばれてきます。


    このうち酸素は血液中の赤血球の働きにより運ばれます。より詳しくいうと赤血球の主成分であるヘモグロビンの働きによりです。

    鉄はヘモグロビンの材料です。

    鉄が関わるのは酸素の運搬です。ただ酸素が十分に届かなくなると血行不良が起きます。このことは栄養素も届かないことになります。

     

    さて銅は腸管での鉄の吸収を助ける成分です。鉄の毛根への栄養素と酸素の運搬の働きに、幾分の貢献をしているといえそうです。

 

白髪 

10点

「白髪」予防 に関わる銅の働きは主に次です。

  1. チロシナーゼ
    黒髪のもと
    メラニンはメラノサイトでアミノ酸【チロシン】に酸化酵素【チロシナーゼ】が作用することで生成されます。
    チロシナーゼは活性中心に銅イオンを2つもちます。銅の摂取はチロシナーゼの活性化につながります。
    銅は白髪予防に大変有効な成分です。


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美肌

8.5

「美肌」作り に関わる銅の働きは主に次です。

  1. コラーゲンの合成
    真皮の主成分となっているのがコラーゲンです。コラーゲンは真皮の乾燥重量のうち70%を占めます。

    真皮層を拡大したイラストです。


    ひし形の線部分がコラーゲンです。

    コラーゲンは肌のハリや弾力を保つうえで必須の存在で、その減少が「しわ・たるみ」に結びつきます。
    コラーゲンの合成に銅が関わります。

    コラーゲンの合成の流れを簡潔に説明すると以下になります。

    コラーゲンは、おもに線維芽細胞で合成され、前駆体のプロコラーゲンとして細胞外に分泌される.その後、余分な部分が酵素により切断されてコラーゲン分子となり、互いに規則正しく会合し、さらに架橋形成してしだいに細い線維となる。

    これらがさらに結合し合って線維束となったものがコラーゲン線維である。

    引用元 化粧品用語集 コラーゲン繊維 SCCJ 日本化粧品技術者会HP

    この流れのなかの架橋形成に銅が関与します。
    コラーゲン分子間に【酵素の働きにより】架橋が入ることで、コラーゲン繊維が安定化されるのですが、ここで架橋形成の働きをする酵素はリジルオキシダーゼと呼ばれる銅依存性酵素です。


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  2. エラスチンの合成
    こちらは先ほどの真皮層のイラストをさらに拡大したバージョンです。


    コラーゲンのつなぎ目部分に色が違う線があります。これがエラスチンです。エラスチンはコラーゲンの網目状の部分を束ねコラーゲンを支える働きをしています。

    ベットで例えるとコラーゲンがマットレスでエラスチンがスプリングです。

    エラスチンは真皮全体の5%程しかありません。ですが、エラスチンが不足するとコラーゲンの構造が崩れてしまいます。なのでエラスチンもコラーゲン同様に肌のハリや弾力を保つためにとても重要な成分といえます。
    エラスチンの架橋形成にも銅含有酵素リジルオキシダーゼの働きが必要です。


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4.5点

「美白」ケア に関わる銅の働きは主に次です。

  1. SOD
    しみのもととなるメラニンは体内で発生する活性酸素の攻撃を受けると過剰に作られます。活性酸素の攻撃から細胞を守るために、体内にはSOD(スーパーオキシドディスムターゼ)などの抗酸化酵素が存在します。SODの補酵素としてマンガンと亜鉛・銅が必要となります。

    ※SODには種類があります。マンガンSODと銅/亜鉛SODと分かれています。


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  2. 鉄の運搬
    顔の皮膚は他の場所より薄いため皮膚を通して血管を流れる血液の色が反映されてしまいます。つまり血液の色が明るければ肌の色も自然と明るくなります。
    「血液の色が明るい」とはどういう状態かというと「赤血球が健康的である」ことです。

    赤血球の主成分ヘモグロビンが酸素と結びついているときは血液は鮮やかな赤色をしています。
    赤血球の主成分ヘモグロビンが酸素と離れているときは血液は暗い赤色をしています。

    「赤血球が健康的である」の鍵を握るのはヘモグロビンの構成成分である「鉄」によります。
    というのもヘモグロビンの酸素と結びつく性質はその構成成分である「ヘム」によるもので、ヘムに鉄原子が含まれており、その鉄に酸素が結合がするからです。

    銅は骨髄への鉄の運搬をサポートして、ヘムの合成を促します

    参照
    増やせ!元気でかわいい赤血球  NHKBSプレミアム 美と若さの新常識 HPより

 

マイナスポイント 

メラニンはチロシン→ドーパ→ドーパキノン→メラニンという代謝過程を経てつくられます。チロシン→ドーパの変換に働く酵素がチロシナーゼです。チロシナーゼは活性中心に銅イオンを2つ有する銅依存性酵素です。
なので銅を摂取することはチロシナーゼの活性につながり、メラニンを増やすことになります。そのため白髪予防にはもってこいの成分といえます。

一方でメラニンは美白の天敵であることはご存知かと思います。メラニンが過剰に作られてそれが肌のターンオーバーとともに排出されないと肌の細胞に色素沈着しシミとなって肌の表面に現れてしまいます。


なので銅は美白にとってマイナスになると考えることもできます。
事実、美白ケアのメインとなるは「チロシナーゼの活性を抑制すること」でその中には「チロシナーゼに必要な銅イオンを取り除く」といったものが含まれます。
ちなみにチロシナーゼに必要な銅イオンを取り除く作用をもつ成分はコウジ酸やエラグ酸です。

個人的な意見としては「銅の摂取はシミの増加とはあまり関係ない」です。

理由は顔と髪(頭皮)の皮膚のメカニズムや役割が異なるからです。メカニズムという表現が適しているかわかりませんが、顔と髪の皮膚では皮膚の厚さや皮脂の分泌量が違います。毛穴の大きさや数が違います。

また先に説明したように銅にも美白に関わる働き【①SOD②鉄の運搬など】もございます。

ただ銅を摂取することはチロシナーゼの活性につながり、体内のメラニンが増えることは事実です。なので美白ケアのためにわざわざ銅単体のサプリを取る必要はないと思います。

 

筋肉

6.5点

「筋肉」増強 に関わる銅の働きは主に次です。

  1. カテコールアミン
    ドーパミンは「やる気」の源となるものです。
    ドーパミンが分泌されている状態だと肉体的な疲労を感じにくくなります。

    アドレナリンはストレス状態の時に分泌されます。ストレス状態は運動時もあてはまります。筋トレなどを行いアドレナリンが多く分泌されると筋肉への血流が増加し、筋肉への酸素&栄養素の供給が高まります。それにより一時的に運動能力がアップするため間接的な筋肉量の増加につながります。

    これらカテコールアミンは筋トレをすることで分泌されます。

    カテコールアミンはチロシンL-ドーパドーパミンノルアドレナリンアドレナリンといった流れで代謝されています。
    なので もとであるチロシンおよび代謝に関わるビタミン・ミネラルを体内に取り入れておくことで、カテコールアミンの合成が高まることになります。
    その結果、いつもより【自分をあっと一歩追い込める&通常よりもう少しの力を発揮できる】かもしれません。
    ドーパミン→ノルアドレナリンの代謝に働く「ドーパミンβ-ヒドロキシラーゼ」は銅依存性酵素です。


    自分の限界を・・


    超えてみせ・・


    頑張って!!


    ちょッ・・あんた・・だれよ・・
    なんちゅう・・顔・・・

    ぷぷぷ・・
    ち・ちからが・・・

  2. ミオグロビン
    筋肉中に存在しているたんぱく質ミオグロビンに鉄が含まれています。
    ミオグロビンはヘモグロビンによって運ばれた酸素を受け取り筋肉中に貯蔵する役割を果たしています。酸素と結びつくのが構成成分である「鉄」です。なので持久力をアップさせるには鉄の摂取が大事となります。
    さて食事より摂取した鉄は二価鉄として吸収されます。その後、三価鉄に形を変えることで鉄を輸送するたんぱく質トランスフェリンと結合する【=血清鉄になる】ことが可能となります。そして血清鉄となり血流に乗って全身の各組織に運ばれます。

    この二価鉄→三価鉄の変換の働きを手伝うのは銅です。なので鉄の「筋肉中に酸素を貯蔵する働き」に幾分の貢献をしているといえそうです。


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脂肪

8.5点

「脂肪」減少 に関わる銅の働きは主に次です。

  1. カテコールアミン
    【中性脂肪が遊離脂肪酸に分解される】&【その遊離脂肪酸がエネルギーに変換され消費される】と体脂肪が減り「痩せる」ことができます。

    前者の中性脂肪の分解は【運動時や飢餓時などエネルギーが必要となる時に脳からの指令によりノルアドレナリン・アドレナリン・成長ホルモン・グルコガンなど脂肪動員ホルモンが分泌され、その刺激により脂肪細胞内にある脂肪分解酵素ホルモン感受性リパーゼ(HSL)が活性される】ことで生じます。

    銅はカテコールアミンの代謝に関わります

    カテコールアミンの代謝

    チロシン→L-ドーパ→ドーパミン→ノルアドレナリン→アドレナリン

    ドーパミンをノルアドレナリンに変換させる酵素「ドーパミンβ-ヒドロキシラーゼ」は銅含有酵素です。

  2. シトクロムcオキシダーゼ
    体内に溜まっている脂肪および食事から取り入れた脂質は脂肪酸に分解され、ミトコンドリアに取り込まれβ酸化→TCAサイクル→電子伝達系を経てATPに合成されます。
    食事から取り入れた糖質はグルコースまでに分解された後 吸収され、細胞質で行われる解糖系を経てミトコンドリアに取り込まれTCAサイクル→電子伝達系を経てATPに合成されます。

    この「代謝」が効率よく行われなければエネルギー媒介物質である「ATP」を十分に作りだすことが出来ません。十分に作りだすことができないことは単にエネルギー不足になるだけでなく、今ある脂肪が燃焼されない&脂質や糖質が脂肪として蓄えられるにつながってしまいます。

    電子伝達系を構成するのはⅠ~Ⅳ4つの複合体とCOQとシトクロムcです。銅は複合体Ⅳ(シトクロムcオキシダーゼ)の構成成分です。
    銅はエネルギー代謝をスムーズにさせる【=脂肪の燃焼促進&脂肪の蓄積抑制】に一役買っています。

 

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銅の働き分析【中身編】

合計 45.5/60点

カテゴリー別 点数

身体 8点

エネ 9.5点

病気 5点

体質 8.5点

精力 6.5点

健脳 7点

 

身体

8

「身体」の構成材料 に関わる銅の働きは主に次です。

  1. コラーゲン
    人間の体を構成しているたんぱく質のうち30%はコラーゲンでできています。体内にあるコラーゲンのうち、約40%が皮膚に、約10~20%が骨・軟骨に、約7~8%が血管に存在しています。

    コラーゲンの体内構成比率
    コラーゲンの体内構成比

    ※%はおおよそです。

    コラーゲンの合成に銅は関与しています。

  2. 鉄の吸収
    鉄はヘムの材料です。ヘムは鉄とポルフィリンの錯体です。
    ヘムは下記たんぱく質の構成成分です。
    ◆ヘモグロビン 
    赤血球の中に存在し、酸素を運搬する役割を果たす

    ◆ミオグロビン 
    筋肉の中に存在し、酸素を貯蔵する役割を果たす

    ◆シトクロム 
    細胞内のミトコンドリアに存在し、エネルギー生産に関与する

    鉄は生命を維持する&身体活動を行う上で必須の成分といえます。その鉄の腸管での吸収を助けるのが銅です。

 

エネ

9.5点

「エネルギー」生成 に関わる銅の働きは主に次です。

  1. エネルギー産生

    エネルギー代謝を大雑把にまとめると下記になります。

    エネルギー代謝

    1. 解糖系、β酸化、TCA回路で高エネルギーを含んだ水素が抜き取られる。
    2. 抜き取られた水素が電子伝達系に運搬される。運搬するのはNAD⁺とFAD。NADH・FADH₂の形で電子伝達系へ。
    3. 電子伝達系でこの水素を利用して電子の伝達が行われ、最終的に酸素と反応してて水(代謝水)になる→この過程で大量のATPが生成される。

     

    ここで③の電子伝達系での電子の伝達に注目します。

    電子の伝達

    NADHからの電子
    →複合体I→【ユビキノン】→複合体Ⅲ→【シトクロムc】→複合体Ⅳ→【酸素】

    FADH₂(コハク酸→フマル酸の変化に生じた)からの電子
    →複合体Ⅱ→【ユビキノン】→複合体Ⅲ→【シトクロムc】→複合体Ⅳ→【酸素】

     

    電子伝達系で伝達された電子は最終的に酸素分子に結合し、さらに水素イオンと結合して水を生成します。
    電子伝達系を電子が通る際にミトコンドリア内膜の内外にプロトン濃度勾配が形成されます。プロトン濃度勾配を利用し、最終的にATP合成酵素(=複合体Ⅴ)によりADPとリン酸からATPが生成されます。

     

    【シトクロムc】→複合体Ⅳ→【酸素】の流れにクローズアップします。
    この流れは文章にすると「還元型シトクロムcの電子を複合体Ⅳに渡し、酸素を還元する反応」です。この反応【還元型シトクロムcを酸化させ、生じた電子を酸素に渡す】を触媒するのがシトクロムcオキシダーゼです。

    さてこちらの引用文をご覧ください。

    ミトコンドリアにおける酸素を利用したATP産生は酸化的リン酸化とよばれ、5つのタンパク質複合体から構成される一連の酵素反応により成り立っています。そして、酸素を実際に利用するのは4番目の複合体であるチトクロームcオキシダーゼ(CcO)です。
    TCA回路から供給された電子は、酸化的リン酸化によって最終的にチトクロームcオキシダーゼで酸素に授与され、生体にとって無害な水に変換されます。
    この電子の移動は、膜を隔てて濃度勾配が形成されている水素イオンを濃度勾配に逆らって汲み出すプロトンポンプと共役しています。この水素イオン濃度勾配がATPを産生する駆動力となります。
    そして、生体では大部分の酸素が酸化的リン酸化によって、このチトクロームcオキシダーゼで消費されることが解っています。

     

    ミトコンドリアの謎をひとつ解明! リソウ 大阪大学HP

     

    この文でシトクロムcオキシダーゼの存在がいかに大切かがお分かりいただけたかと思います。トクロムcオキシダーゼ、この酵素は銅含有酵素です

    銅はエネルギー産生において、とても重要な存在です。


    栄養士・管理栄養士のためのなぜ?どうして?1 基礎栄養学 (看護・栄養・医療事務・介護他医療関係者のなぜ?どうして?シリーズ)

 

病気

5点

「病気」予防 に関わる銅の働きは主に次です。

  1. 骨粗鬆症
    骨の7割は無機物で、2割は有機物です(残り1割は水分)。有機物の主成分はコラーゲンです。
    骨の強さは骨量+骨質といわれています。骨質に関わるのがコラーゲンです。なのでコラーゲンの減少および劣化は骨の強度低下につながります。
    コラーゲンの合成に銅は関与しています。銅欠乏の症状に骨の異常があります。
  2. 動脈硬化
    動脈壁は、内側から内膜、中膜、外膜の3層で成っています。
    血管(動脈・静脈)


    丸全体が血管です。中央の白部分を血液とイメージしてください。
    肌色ラインが血管外膜、ピンク部分が中膜、緑のラインが内膜です。

    ◆内膜は内皮細胞、内皮下層

    ◆中膜は平滑筋細胞、弾性繊維、膠原繊維

    ◆外膜は主に繊維芽細胞、膠原繊維

    で構成されています。

    ◇内膜と中膜の間に内弾性板、中膜と外膜の間に外弾性版があります。

     

    弾性繊維の主成分はエラスチンです。膠原繊維の主成分はコラーゲンです。

    血管壁はゴムホースのように弾力性に富みます。その性質により血流の圧力に耐えることができ、血液がスムーズに流れるようになります。

    弾力性の鍵を握るのが中膜で、そのうちゴムのように伸び縮みする性質をもつのが弾性繊維で、その主成分であるエラスチンです。
    動脈壁が加齢とともに脆くなるのはエラスチンの断片化・減少が主たる原因です。

    銅酵素であるリジルオキシダーゼはエラスチン合成の過程における架橋構造を形成する働きをします。

    エラスチンの合成メカニズム

    ①平滑筋細胞や線維芽細胞によってエラスチンの前駆体である可溶性トロポエラスチンが生成される
    ※動脈壁では平滑筋細胞

    ②生成されたトロポエラスチンはミクロフィブリルと称される糖たんぱく質の周囲や間隙に移動し、コアセルベーションと呼ばれる凝集反応を起こす

    →分子密度が高い状態になる

    ③リジルオキシダーゼによって分子内および分子間に架橋が形成される

    →不溶性のエラスチン繊維になる

    分子内、分子間に架橋を形成されてはじめてエラスチンの弾力性が発揮されます。
    銅を摂取することで【架橋を形成する働きをする】リジルオキシダーゼの活性につながります。
    銅は血管壁がもろくなることで生じる動脈硬化を防ぎます。


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    血管のサビ落とし

 

マイナスポイント

銅は体内で過剰になると活性酸素の生成を促進させます。

 

体質

8.5点

「体質」改善 に関わる銅の働きは主に次です。

  1. 貧血
    貧血は血液の赤血球やそのなかのヘモグロビンが少ない状態のことをいいます。貧血の原因で圧倒的に多いのはヘモグロビンの主成分である鉄の不足=鉄欠乏症貧血です。
    銅はヘモグロビン生成過程における鉄の代謝・輸送を手助けします。なので鉄が十分に存在しても銅が不足することで貧血を起こす場合があります。この貧血を銅欠乏症貧血といいます。


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  2. 銅は骨の基質となるコラーゲンの生成に関与しています。銅酵素であるリジルオキシダーゼがコラーゲンの架橋構造を形成する働きをするからです。
    骨の健康に必要なミネラルといえばカルシウム、マグネシウムですが、銅の存在も忘れてはなりません。
  3. 関節
    靭帯の主成分はコラーゲンとエラスチンです。これら繊維が正常に生成されないと靭帯は柔軟性と弾力性が失われます。靭帯が柔軟性と弾力性を失って硬くなると関節に痛みが生じます。
    銅はコラーゲンとエラスチンの形成に関与します。
  4. 免疫力
    銅は免疫力をあげるミネラルの1つとしてよくカウントされています。ミトコンドリアのエネルギー代謝に関わるシトクロムcオキシダーゼの構成成分である点、免疫細胞を増殖する働きをする鉄をサポートする点がその理由だと考えられます。


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  5. 疲労回復
    銅はミトコンドリア内でエネルギー代謝に関わるシトクロムcオキシダーゼの構成成分です。疲労回復効果が期待できます。

 

精力

6.5点

「精力」増強&「性機能」向上 に関わる銅の働きは主に次です。

  1. エラスチン
    エラスチンは弾力性・伸縮性が必要な組織や臓器に多く存在しています。子宮はそれにあてはまります。エラスチンの生成に銅が必要です。
  2. 子宮内粘膜
    鉄は子宮内粘膜の材料です。子宮内粘膜を厚くすることで、受精卵が着床する可能性が高くなります。
    鉄は子宮内粘膜を厚い状態にし妊娠しやすい体質に導きます。銅には鉄の吸収を促す働きがあります。

    参照
    妊娠体質になる鉄分を取り、子宮内環境を整える  日経DUAL 日経BP HP

  3. 妊活
    卵子および精子のミトコンドリアを活性させることが卵子および精子の「質」を上げることになります。イコール妊娠しやすい体質を作り上げます。
    ミトコンドリアを活性させることは「ミトコンドリアを増やしたり、ミトコンドリアでのATP産生をスムーズにさせること」と捉えることができます。
    銅は後者に関わる成分です。シトクロムcオキシダーゼの構成成分としてミトコンドリア内のATP合成を手助けします。
    銅はよく妊活を応援するサプリに成分の1つとして配合されています。

    プレグナベーシック 医師と共同開発 授かる準備にこの妊活サプリ、葉酸・ビタミンDなどバランス良く配合、ジネコ、メニコン

 

 

マイナスポイント

生体内の銅亜鉛濃度において銅の比率が一定よりも高くなる(銅濃度が高まる)と妊娠率が低下すると言われています。

 

健脳

7

「脳」の健康 に関わる銅の働きは主に次です。

  1. 神経伝達物質の合成
    神経伝達物質を合成する際に働く酵素ドーパミンβ-ヒドロキシラーゼは銅酵素です。

    ◆ドーパミンβ-ヒドロキシラーゼ

    チロシン→L-ドーパ→ドーパミン→ノルアドレナリン→アドレナリン
    の代謝のうちドーパミン→ノルアドレナリンの反応を触媒する酵素

 

マイナスポイント

銅の過剰は活性酸素の発生を促進させます。このことはアルツハイマー病などの神経変性疾患に関与してくると考えられます。

 

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銅のサプリメント分析

合計 15.5/20点

カテゴリー別 点数

継続(価格は安いか) 5点

手軽(購入ルートは多いか)4.5点

選択(品揃えは豊富か)4.5点

貴重(食品から取りづらいor不足しやすいか)1.5点

 
  • 継続
    例えば海外のサプリで2カ月分が約800円で購入可能です。
  • 手軽
    銅メインサプリは主にネットで購入可能です。銅を含む複合サプリ(マルチミネラルなど)は店舗でも購入可能です。
  • 選択
    某ECサイトで「銅 サプリメント」検索すると約4万件ヒットします。ただしマルチミネラルなど複合体サプリの1成分としてヒットすることが多いです。
  • 貴重
    銅を多く含むものとして魚介類、豆類、肉(レバー)が挙げられます。
    具体的な食品ではホタルイカ、牛レバー、干しエビ、ココアなどが有名です。

    1日の銅の平均摂取量は成人男女ともに推奨量以上とれています(by 平成27年国民健康・栄養調査)。
    銅は多くの食品に含まれてます。通常の食生活を送っている限り特に不足の心配はいりません。

 

 

銅との組み合わせ

銅と相性の良い成分  
5つ Pick up

  • 亜鉛


    ※摂取比率重要

  • チロシン

  • グリシン

  • クエン酸

  • L-アスパラギン酸

個人的によく組み合わせる成分 

※すでに組み合わさっているものも含む

  • 亜鉛

  • チロシン

銅関連サプリレビュー

ジンクバランス

★★★★
詳しくは→こちら

銅のまとめ

銅 評価

総合評価 S 104点 

分析【見た目編】43

分析【中身編】45.5

分析【サプリ】15.5

 

銅 鉄の運搬 参照一覧

6. 2. 3.銅(Cu) 厚生労働省 PDF

ミネラル成分の銅の働きと1日の摂取量 健康長寿ネット 公益財団法人長寿科学振興財団 HP

Wilson病診療ガイドライン 2015 詳細版 Mindsガイドラインライブラリ 公益財団法人 日本医療機能評価機構 HP

鉄代謝研究の進歩と鉄不応性貧血・感染防御への関わり JステージHP

血液と血管の総合サイト クラシエホールディングス(株)HP

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