DHC ヘム鉄

ヘム鉄サプリといえばコレ

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食物に含まれる鉄は大きく2種類にわけることができます。

動物性の食品に多く含まれるヘム鉄(Fe²⁺ 2価鉄)と

植物性の食品に多く含まれる非ヘム鉄(Fe³⁺ 3価鉄)です。

 

食物中の鉄は主に十二指腸、空腸上部から吸収されます。

ヘム鉄と非ヘム鉄の吸収(図)

出典元

一般社団法人オーソモレキュラー栄養医学研究所

ヘム鉄(Fe²⁺ 2価鉄)と非ヘム鉄(Fe³⁺ 3価鉄)で吸収は異なります。

●ヘム鉄(Fe²⁺)は、HCP-1により、細胞内にそのまま取り込まれます。
●非ヘム鉄(Fe³⁺ )は、腸管上皮の細胞膜上にある鉄還元酵素Dcytbまたは還元物質により3価から2価への還元されてからDMT1により細胞内に取り込まれます。

吸収された鉄(Fe²⁺)は細胞膜上にあるフェロポーチンと呼ばれる鉄排出タンパク質によって細胞外に出て門脈血流に入ります。
そして ヘファスチンと呼ばれる鉄酸化酵素によって 鉄(Fe³⁺)に酸化されます。
そして トランスフェリンと呼ばれる輸送タンパク質と結合して、血清鉄として血流に乗って全身の各組織に運ばれます。
その多くは骨髄へ運搬され赤血球の産生に利用されます。
体内の鉄の供給が十分な場合は、細胞質内でフェリチンと呼ばれるタンパク質と結合した形で貯蔵されます。

専門用語が多すぎてちょっとアレかもしれませんが、これが鉄の吸収と代謝のざっくりしたメカニズムです。

さて、ここで吸収のほうにクローズアップします。
先ほど説明しましたが、ヘム鉄(Fe²⁺ 2価鉄)と非ヘム鉄(Fe³⁺ 3価鉄)で吸収は異なります。
もう一度どうぞ。

ヘム鉄(Fe²⁺)は、HCP-1により、細胞内にそのまま取り込まれます。
非ヘム鉄(Fe³⁺)は、腸管上皮の細胞膜上にある鉄還元酵素Dcytbまたは食物中の還元物質により3価から2価への還元されてから、DMT1により細胞内に取り込まれます。

吸収の違いを簡潔にまとめると「ヘム鉄は、HCP-1よりそのまま吸収される」「非ヘム鉄は3価から2価への還元されてから、DMT1より吸収される」です。
これ もうちょいわかりやすく説明すると「ヘム鉄はヘム専用の吸収経路で吸収される」「非ヘム鉄はワンクッションおいてから、他のミネラルも使用している吸収経路で吸収される」です。

非ヘム鉄を吸収するDMT1はマンガン・亜鉛・銅の取り込みにも関与しています。

DMT1は2価の金属イオントランスポーターであり,鉄以外の2価の金属イオンの取り込みにも関与している.しかし,十二指腸上皮での DMT1の発現は鉄によって制御されており,鉄イオンの取り込みが DMT1の主たる作用であると考えられている.

引用元
生体の鉄代謝調節メカニズム:細胞の鉄センシングには ミトコンドリアが関与する
PDFDページ 3/11
公益社団法人日本生化学会

非ヘム鉄は、腸管上皮細胞刷子縁膜に存在する鉄還元酵素又はアスコルビン酸(ビタミン C)などの還元物質によって Fe2+となり、divalent metal transporter 1に結合して吸収される。この吸収はマンガンと競合する。

引用元
ミネラル(微量ミネラル)
日本人の食事摂取基準(2020年版)
PDFDページ 1/63
厚生労働省

Fe2+が、2 価金属輸送担体 1(divalent metal transporter 1)と結合して吸収されるので、この吸収は亜鉛、銅と競合する。

引用元
厚生労働省
PDF ページ 1/57

ということで、高用量の鉄を取ると吸収の競合が起こり これらミネラルが吸収されにくくなります
ということで、鉄のサプリを取る場合は要注意です。

すいません。思わず「鉄」と一括りにしてしまいましたが、「非ヘム鉄」のことです。
ヘム鉄であれば、ヘム専用の吸収経路で吸収されるため、他ミネラルの存在を心配する必要は基本ありません。

さて、鉄サプリは大きく非ヘム鉄・ヘム鉄・キレート鉄の3つに分けられます。
キレート鉄は非ヘム鉄をアミノ酸でキレートした鉄です。
吸収率はキレート鉄>ヘム鉄>非ヘム鉄の順になっています。

海外の鉄サプリの多くはキレート鉄です。※海外でヘム鉄は見たことはありません。
鉄の含有量も日本のものと比べてはるかに多くなっています。なので貧血に真剣に悩んでいる方や日本の鉄サプリでは期待した効果が得られなかった方は【吸収率が高い&含有量が多い】海外の鉄サプリ(キレート鉄)を取るのがよろしいかと思います。
貧血に特にお悩みでなく、単に美容・健康目的で鉄を補給するのであれば、日本で売っているヘム鉄で十分だと思います。

日本で売っているヘム鉄で十分の理由はこちら(のどちらか)です。

補足

2つの説をあげています。両方ということでなくどちらか一方と考えてください。
キレート鉄の吸収経路について正式な答えが見当たりませんでした。

①キレート鉄は非ヘム鉄だから説
→他のミネラルと吸収競合するかも
→他のミネラルの不足につながるかも

キレート鉄は非ヘム鉄です。非ヘム鉄をアミノ酸でキレートした鉄です。非ヘム鉄として吸収されるのであればミネラルの競合が起こります。海外のサプリは含有量が多いため、ミネラルの吸収競合←これ 起こりやすくなると考えてよいかと思います。

処方の鉄剤でもキレート鉄でも酵母鉄でも乳酸菌鉄でも、非ヘム鉄を用いて鉄の補充をするときには注意することがあります。それは、非ヘム鉄はほかのミネラルと吸収経路を一緒にするために、鉄だけが単独で大量に服用されると、ほかのミネラルの吸収阻害が起こってしまうことです。

引用元
第3回 薬剤師が知っておくべき食事と栄養の話
ファーネットマガジン

②キレート鉄はアミノ酸でキレート(挟んだ)した鉄だから説
→通常とは違う経路=アミノ酸の吸収経路で吸収されるかも
→鉄の過剰摂取になるかも

キレート鉄は鉄本来の吸収経路ではなくアミノ酸の吸収経路から取り込まれるとも考えられます。このケースだと鉄の過剰摂取を招きやすくなります。ちなみに、キレート鉄はフェリチン値(体内の貯蔵鉄量を反映する指標)が上昇しやすいとされています。これフェリチン値が低い方にはプラスと考えられますが、普通の方にとっては異常値になるケースも無きにしも非ずです。

ただ、鉄を含むサプリメントの中でも、非ヘム鉄の場合、胃腸の障害を起こしやすくなることがあるので注意が必要です。また、キレート鉄は、通常とは違う経路から吸収されてしまうため、過剰摂取になることも。キレート鉄は、自己判断で飲まず、医師に相談しましょう。

引用元
Come on House
ハウス食品グループ本社


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※レビューの内容について
→個人の見解です。

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