さて前回からファイトケミカルをおおきく6つにわけたうちのカテゴリーの一つカロテノイドを紹介する「カロテノイド編」がスタートしました。
カロテノイドとは 植物や動物などに含まれる黄色、赤色などの色素成分の総称のことです。植物に含まれているカロテノイドは光合成をする際に必要な化合物で、すべての植物の葉や茎に含まれているものです。
カロテノイドの種類は600種類以上あるといわれて、大きくカロテン類とキサントフィル類の2つに分類することができます。
分け方の基準の1つにアルコールに溶けるか溶けないかがあり、アルコールに溶けないのはカロテン類、アルコールに溶けるものはキサントフィル類に分けられています。
このカロテノイド編では、カロテノイド類にふくまれている有名な成分を順次紹介していきます。
まずはカロテン類に含まれる有名なものを紹介します。
あっ、言うの忘れましたが、カロテノイドは脂溶性です。ポリフェノールは水溶性なのでこの点に大きな違いがありますので覚えておいてください。
カロテン?カロチン?
さてこれからカロテン類を紹介し・・
まあカロテンもカロチンも同じものです。カロテン(Carotene)は英語表記でカロチン(Carotine)はドイツ語表記です。昔はカロチンって呼ばれていたこともありましたが、今は専門書や教科書とかではカロテンで統一されています。
昔といっても17年前ぐらいの話です。カロテンに統一されたのは2000年11月に改訂された「五訂日本食品標準成文表」からだといわれています。この時から成分表の表記がカロチン→カロテンに変更されました。
正式な変更理由はよくわかりませんが、英語の発音で考えたときカロテン、カロチンどっちが正しいのかという点が論点だったといわれています。英語表記はCaroteneなので・・・まあ普通にこのまま発音するとカロテンとなるので・・・カロテンに統一されたという説がささやかれています。
とにもかくにも今はカロテンなのです!!
発音の問題だけだったらどっちでもいいじゃん!
いやそういうものでもなく、専門家の間では普通にカロテンで通っていて、カロチンって呼び方を使用するのは「あんまりよくない」みたいな風潮があるみたいです。
そもそも政府の食品標準成文表では「カロテン」と表記しているなか、あえてカロチンって言葉を使う必要はないといえます。
どうでもいいよ!
さーてカロチンを学ぶ前にビタミンAというものを学んでいきたいと思います。
必殺!!
もういっちょおまけに
なんですぐ殴るのですか・・・
えーととにかくカロテン類を学ぶうえでビタミンAというものがなにかを知っていおいてほうが後々楽になりますのでビタミンAの説明をしたいと思います。
ビタミンA
ビタミンAとは脂溶性のビタミンの1つです。脂溶性って前回やりましたね。水に溶けにくく油にとける、熱に比較的強い、体内に取り入れると一定期間貯蔵されるなどの特徴があります。ちなみにビタミンの中で脂溶性って4種類ありビタミンAの他に、ビタミンE、ビタミンD、ビタミンKがあります。
実はビタミンAもビタミンAそれ一つの成分ではなく総称のことなのです。
でビタミンAを説明するのに次の3つの文章のうち一つを使って説明したいのでが、どれを選択します?
「簡単」か「少し詳しく」か「少し複雑」かの3択です。
- ビタミンAは簡単にいうとレチノールとカロテンの2種類の総称のことです。
- ビタミンAは少し詳しくいうとレチノールと体内でビタミンA(レチノール)に変わるプロビタミンAの総称のことを言います。
- ビタミンAは少し複雑にいうとビタミンA1とA2の2種類にわかれていて、A1とA2の総称のことを言います。
A1にあてはまるのががレチノール、レチナール、レチノイン酸で、A2にあてはまるのが3-デヒドロレチノール、3-デヒドロレチナール、3-デヒドロレチノイン酸です。A2はA1の類縁化合物です。
※この3つ言わんとすることは一緒です
まあ若ハゲの知的レベルにあわせて説明しなければいけないので、2番目の少し詳しくいった場合のパターンで説明したいと思います。
ビタミンAはレチノールと体内でビタミンA(レチノール)に変わるプロビタミンAの総称のことを言います。
この文章をもとにビタミンAの説明したいと思います。まあ単純にここではビタミンAというもはレチノールと考えていただいて結構です。体内にあるビタミンAはほとんどがレチノールだからです。
ビタミンAの効果はなんといっても目です。目の健康のために必須の成分といえます。
ところで「ロドプシン」ってご存じですか?
よく試合前にサーベル振りかざしていた、インド出身の悪役レスラーのことですね!
ロドプシン
ロドプシンとは、目の網膜のある神経伝達物質のことのいいます。「視覚」のために重要な物質で主にたんぱく質で構成されています。まあ目に映ったものを正しく脳に伝達するための物質と考えてください。
この網膜にあるロドプシンが分解と再合成を繰り返すことで我々は物を「見る」ことができるのです。
ちょっとこれについて詳しく話します。
目ん玉見開いて聞いてください。
あっ、まちがえました耳の穴をかっぽじって聞いてください。
物が見える仕組みについて説明します。
物が見える仕組み
まず目に入ってきた光が網膜にあたります。
網膜にあるロドプシンはその光の情報を電気信号に変換します。ちなみにこのときロドプシンが分解されることで光の情報を電気信号に変えます。
この電気信号が視神経を経由して脳に伝わることのより「物が見える」ようになります。
ハイ!まったく関係ありません。話を続けます。
そして新たな光の情報を得るためには分解されたロドプシンを再合成させる必要があります。というか自動的に再合成する仕組みになっています。
なのでロドプシンが分解されると同時に再合成されることで目で「物が見える」ということが体験することができるといえます。
一番はじめに網膜に光があたるとロドプシンが分解されると話しましたが、これをもうちょっと詳しくいうとロドプシンは「オプシン」と「レチナール」に分解されます。
ロドプシンは主にたんぱく質で構成されているといいましたが、この「オプシン」というものがたんぱく質のことです。でレチナールというものはおわかりですね?
違います。レチナールってビタミンAを少し複雑に説明したときにでてきた用語です。
さっきビタミンAを説明するのに文章を3つ選べってやったじゃないですか?3択とみせかけて実はレチナールの存在を説明したかったのでわざわざこの文章を入れていたのです。
- ビタミンAは少し複雑にいうとビタミンA1とA2の2種類にわかれていて、A1とA2の総称のことを言います。
A1にあてはまるのががレチノール、レチナール、レチノイン酸で、A2にあてはまるのが3-デヒドロレチノール、3-デヒドロレチナール、3-デヒドロレチノイン酸です。A2はA1の類縁化合物です。
ビタミンA1に含まれているのがレチナールでしたね。
まあ、そうなんですけど・・・・
ロドプシンの構成成分は厳密にいうとレチナールなんですけど、そこまで細かく考えず大きな括りでビタミンAととらえてください。
つまりロドプシンはたんぱく質とビタミンAで構成されているということになります。
ロドプシンは絶えず分解と再合成を繰り返しているといいましたが、ロドプシンの材料となっていビタミンAが不足していると再合成するスピードが遅れることになります。
つまり再合成が分解する速さについていけず目がショボショボしたり、ぼやけたりしてものが見えづらいという症状があらわれます。
なのでビタミンAってものをみるためにとっても大事な成分といえます
ちなみにこのロドプシンの再合成を手助けする成分ってこのシリーズですでに紹介済みの成分なのですがなにかわかりますか?
もしかしてポリフェノールのアントシアニン?
正解です。ブルーベリーはよく目に良いっていわれていますが、その理由の一つはロドプシンの再合成を促進するアントシアニンが豊富に含まれているからなのです。
ロドプシンの主成分であるビタミンAと再合成を促すアントシアニンをダブルで摂取することはとっても目にいいことなのです。
もうちょっとつっこんだ話をします。
ビタミンAと夜盲症
人間って夜、薄暗い場所でもしばらく目が慣れてくるとなんとなく見えるようになりますよね?
これってロドプシンがあるおかげなのです。ロドプシンは暗いところにいてもわずかな光でも反応し、そのわずかな光の情報が脳に伝わることで、暗い所でも物が見えようになるのです(暗い所でも目が慣れて物がみえるようになるのを暗順応といいます)。
でロドプシンの材料であるビタミンAが足りていないと暗順応の反応が遅れるようになり薄暗いところで物が見えにくくなるという夜盲症という症状がおきます。
夜盲症とは、暗いところや夜にものがみえにくくなる状態のことをいい、俗に鳥目とも呼ばれています。
ビタミンAの欠乏症により起こる病気です。
ビタミンAがとっても目にとっても大事だとわかっていっただけたところで今回の授業はいったん終わりにします。
カロテンはどうなった?
とにかく続きは明日
そして真夜中の3時・・・・
その日はパスワードがわからなかったので残念ながらパソコンのなかに保存されているデータを調べることはできませんでした。
カロチンじゃなくて?昔はカロチンって呼ばれていなかった?