グレープシードエキス
ブドウ種子抽出物
グレープシードエキスとは
ブドウの種
突然ですが、ブドウはお好きでしょうか?
果物の中で、ブドウが一番好きという方はけっこういると思います。
特別好きでなくとも、嫌い・苦手という方はあまりいないと思います。
ところで、ブドウを食べる時に、皮や種はどうしていますか?
昨今、「果物は皮ごと食べるべし」の言われより、ブドウを皮ごと食べるかたはそこそこいるかもしません。
が、種のほうはほとんどの方が捨てていると思います。
それは、美容や健康にとって、非常にもったいないことをしているといえるかもしれません。
というのも、ブドウの種子抽出物にとあるポリフェノールが豊富に含まれているからです。
今回は、その成分にクローズアップします。
あくまでも「種子抽出物」です。
種を飲み込んだところで、消化されずにウンチとして出てくる可能性が高いです。また、ブドウの種を飲み込むと盲腸になるといった迷信があります。
ブドウに含まれるポリフェノール
ブドウに含まれるポリフェノールの大部分は、果肉以外に存在します。
.
ブドウの皮に含まれている代表的なポリフェノールはアントシアニン・レスベラトロール・カテキンです。
種に含まれている代表的なポリフェノールはプロアントシアニジンです。
さて、果肉以外と述べ、果皮と種子を一括りにしました。
が、種子のほうに圧倒的に多くポリフェノールが含まれています。
というわけで、
ブドウポリフェノールの多くはブドウの種子に存在し、
そのメインの成分はプロアントシアニジンということになります。
グレープシードエキス
ブドウ種子の英訳は、grape seed(グレープシード)です。
種子から抽出されたエキスのことを grape seed extract(グレープシードエキス) 略してGSEといいます。
ここでは、グレープシードエキス=ブドウ種子由来プロアントシアニジンとして、レビューを作成していきます。
まずはプロアントシアニジンおよびアントシアニジンについて説明します。
プロアントシアニジンについて
プロアントシアニジンとは、カテキン類(エピカテキンあるいはカテキン)が複数つながった重合体の構造を持つ化合物の総称のことです。
ポリフェノールのノンフラボノイドの縮合型タンニン類に分類されます。
出典元
ポリフェノールパラドックス
PDFページ 2/6
J-STAGE
プロアントシアニジンは炭素-炭素結合の開裂により、「アントシアニジン」を生成することからプロアントシアニジン【=アントシアニジンの前駆体】と呼ばれます。
出典元
フラボノイド
花き研究所
農研機構
アントシアニジンの基本形はシア二ジン、ペラルゴニジン、デルフィニジンの3つです。
それぞれを生成するものがプロシア二ジン、プロペラルゴニジン、プロデルフィニジンです。
基本形は3つですが、天然に存在するプロアントシアニジンの大部分はプロシアニジンです。
プロアントシアニジンは炭素-炭素結合の開裂により,アントシアニジンを生成する水溶性の抗酸化物質であるが,プロシアニジン,プロデルフィニジンおよびプロペラルゴニジンなどを含む.しかし,天然に存在するプロアントシアニジンの大部分はプロシアニジンである
引用元
今日の話題
PDFページ 3/12
J-STAGE
なので(?)、ここでは、プロアントシア二ジン≒プロシアニジンとします。
時にプロアントシアニジンで説明したり、プロシアニジンで説明したりしています。
ここでは、同じものととらえてください。
プロアントシアニジンの欠点
プロアントシアニジンには強力な抗酸化作用があります。
それにより、酸化による「老化」や「病気」の予防効果が大いに期待できます。
ただし、プロアントシアニジンには欠点があります。
欠点は、高分子のため吸収率が悪いことです。
※プロアントシアニジンは、基本 重合度7~9の縮重合体です。
なので「強力な抗酸化作用があるにもかかわらず、吸収率が悪いため体内で発揮する抗酸化力が期待されるほどでない」とされています。
OPCはその欠点をなくした成分
OPCはこの欠点をなくした成分と言えます。
OPC=オリゴメックプロアントシアニジンの「O=オリゴメック」は低重合・低分子を意味します。
OPCは その文字通り 低重合のプロアントシアニジンのことです。
プロアントシアニジン(基本 重合度が7~9の縮重合体)の中でも、重合度が2~4の縮重合体なのがOPCです。
プロアントシアニジンの中でも、特に重合度が2〜4の縮重合体をオリゴメリック・プロアントシアニジン(oligomeric proanthocyanidin;以下、OPCという)という。
引用元
公開特許公報(A)_プロアントシアニジン含有組成物
国立研究開発法人科学技術振興機構
プロアントシアニジンは、その分子量の大きさによって、吸収率が異なります。
分子量が小さいもの➡OPCの体内吸収率は高い
分子量が大きいもの➡プロアントシアニジンの体内吸収率は極めて低い
と言われてます。
それにより次の「差」が生まれます。
- プロアントシアニジン
経口した場合、吸収性が劣るため十分な抗酸化作用が期待できない - OPC
経口した場合、吸収性が高いため十分な抗酸化作用を期待できる
.
ということで、OPCはプロアントシアニジンの欠点である「強力な抗酸化作用があるにもかかわらず、吸収率が悪いため体内で発揮する抗酸化力が期待されるほどでない」を解決してくれる成分です。
ゆえに、OPCは「最強の抗酸化物質」と称されます。
これ以降
【通常】
- 総称としてのプロアントシアニジン(OPCも含む)➡プロアントシアニジン
【OPCと重合度の高いプロアントシアニジンを比較するケース】
- 重合度の高いプロアントシアニジン➡プロアントシアニジン
- プロアントシアニジンのうち2~4量体のもの➡OPC
として説明していきます。
グレープシードエキスに含まれるOPCは少ない?
グレープシードエキスサプリの成分表示は
ブドウ種子エキス 100mg(総ポリフェノール90~95%以上)となっているケースがほとんどです。
総ポリフェノールなので、プロアントシアニジン以外のポリフェノールも含まれていると思います。
が、大部分がプロアントシアニジンだと考えてください。
ということで、グレープシードエキスには、90~95%以上のポリフェノールが含まれていて、
そのうち大部分がプロアントシアニジンであるということになります。
プロアントシアニジンの中の一部にOPCが含まれていることになります。
一般的なグレープシードエキスのサプリには、OPCの量や含有%まで記載していることはありません。
それでは「OPCはどのくらい含まれているのか?」と疑問が生じるかもしれません。
実際、グレープシードエキスに含まれるOPCは少ないと予想されます。
OPCは少ないの理由
そもそも グレープシードエキスに含まれるプロアントシアニジンの平均重合度は高く約7とされています。
GSEのプロアントシアニジンの成分組成分布は現在解析中であるが,単量体よりオリゴマーが主体で平均重合度が約7であることが判っており,構造上,1分子あたり多くのフェノール性水酸基を有することから,複数のフェノール性水酸基の共同作用によりラジカル捕捉活性が高まるという報告を支持する結果となった.
引用元
ブドウ種子抽出物のラジカル捕捉能に及ぼす熱およびpHの影響と蒟蒻の製造
PDFページ 6/7
J-STAGE
それを踏まえてこちらのグラフをご覧ください。
新世代のポリフェノール“Oligonol(オリゴノール)”の機能
PDFページ 3/9
J-STAGE
こちらはOligonolとライチ果実と松樹皮とブドウ種子の4つのポリフェノール組成を比較したグラフです。Oligonolはライチ果実由来のポリフェノールを低分子化した特許商品です。ここではスルーして、他3つに注目してください。
ポリフェノールの組成ではありますが、この3つのポリフェノールの大部分がプロアントシア二ジンなのでプロアントシアニジンの組成と捉えても問題ないと思います。
3つともDimer(二量体)、Trimer(三量体)の割合が非常に少ないのですが、その中でも特にブドウ種子は少なくなっています。
プロアントシアニジンのうち、二~四量体のものがOPCです。
OthersのなかにTetramer(四量体)がどれくらいあるか定かではありませんが、ブドウ種子に含まれるOPCは全体の割合からすると少ないと予想されます。
プロアントシアニジンにはさまざまな生理機能がある
ただ、個人的には OPCが少ない(予想)ことをさほど気にする必要はないと思います。
理由を説明します。
今まで「高分子であるプロアントシアニジンには強力な抗酸化作用があるにもかかわらず、吸収率が悪いため体内で発揮する抗酸化力が期待されるほどでない。だから低分子のOPCが良い」といった内容で話を進めてました。
これは、あくまでも抗酸化作用に関してです。
そもそも、抗酸化作用においても、「高分子のほうが抗酸化活性が強い」です。
ただ、「高分子のプロアントシア二ジンは吸収率が悪いため、抗酸化活性は期待されるほどに高くない」です。
ゆえに、「抗酸化作用に関してはOPCのほうに分がある」です。
プロアントシアニジンには抗酸化作用以外にもさまざまな生理機能があります。
重合度の高い高分子化合物は,モノマーと比べると腸管からほとんど吸収されないと考えられるが,その一方で,さまざまな生理機能が報告されている.
引用元
プロシアニジンの機能性
PDFページ 2/6
J-STAGE
プロアントシアニジンは、ポリフェノール類の一種で、強力な抗酸化作用を有し(特許文献1)、さらに、血中脂質を改善する効果;抗高血圧効果;血糖値上昇抑制効果;血管の弾力性を回復させる効果(血管保護効果);ビタミンCの利用効率を高める効果;血液の流動性を改善する効果などを有することが知られている。
引用元
公開特許公報(A)_プロアントシアニジン含有組成物
国立研究開発法人科学技術振興機構
そのなかには、高分子であるがゆえにもたらされるものがあります。
例えば抗腫瘍作用は、
ある程度の重合度を有するプロアントシアニジンに活性があることが報告されています。
例えば腸内フローラ改善作用は、
プロアントシアニジンが高分子であるため、腸管に到達して腸内フローラに直接作用することでもたらされます。
プロアントシアニジンの量に限れば、最強かも
ということで、OPCに限らずプロアントシアニジンは、とても有能な成分です。
なので、個人的には OPCの量にこだわらず、プロアントシアニジンがいかに多く含まれているかのほうが重要だと思っています。
プロアントシア二ジンの供給源として、ブドウ種子抽出物以外に 松樹皮抽出物やアカシア樹皮抽出物、リンゴ・ライチ・クランベリー・カカオ・黒大豆種皮などがあります。
プロアントシア二ジン含有量に関しては、これらのなかで、ブドウ種子抽出物=グレープシードエキスが一番と言っていいかもしれません。
というのも、グレープシードエキスに含まれる成分の90%以上はプロアントシアニジンだからです。
他のものは多くて75%です。
さらにいえば、グレープシードエキスサプリは他のと比べて安価に手に入ります。
90%以上はプロアントシアニジン&他のと比べて安価に手に入ります
に関しては、メーカーによりけりです。
他のものは多くて75%
に関しても、原料やメーカーによりけりです。
例えば、松樹皮抽出物のうち「パインバーク」も、商品により90%以上&他のと比べて安価があてはまるケースがあります。
グレープシードエキスのレビューなので、グレープシードエキスを立てています。
ということで、とにかく少しでも多くのプロアントシアニジンを取り入れたいと考えた場合はグレープシードエキスを選択するといいかもしれません。
なお、グレープシードエキスサプリの中には、OPCを前面的にアピールしているもの(通常よりOPCの量が多く含まれているものと思われる)がございます。
OPCにこだわるならば、そちらを選択するのがいいかもしれません。
2大プロアントシアニジン含有サプリ
さて、先ほどプロアントシア二ジンの供給源として、ブドウ種子以外に 松樹皮抽出物やアカシア樹皮抽出物、リンゴ・ライチ・クランベリー・カカオ・黒大豆種皮などがあると言いました。
メディアでの認知度やサプリの流通具合などから、このうち、
松樹皮➡ピクノジェノール
ブドウ種子➡グレープシードエキス
の2つが2大プロアントシアニジン含有サプリになると思います(個人感)。
とりあえず、オーソドックスなプロアントシアニジンの作用(例 強力な抗酸化作用)を得たいと考えた場合はどちらでも構いません。
ただ、この2つは(共通の働きもしますが、)基本 別ものです。
ようは
- ピクノジェノールにはグレープシードエキスにない働きもある、その逆もしかり
- グレープシードエキスのほうが、ピクノジェノールより高い効力を示す作用がある、その逆もしかり
.
です。
理由は次です。
プロアントシア二ジンの組成が異なる
軽くおさらいです。
プロシアニジンとはカテキン類が重合した化合物のことです。そのうち重合度が2~4のものをOPCと呼びます。
カテキンの種類【カテキン・エピカテキン】や重合度数【2~15】や結合様式【C4‒C8あるいはC4‒C6結合 または C2‒O‒C7結合】によりその「組み合わせ」は数多くあります。
プロシアニジンの種類には、例えば、プロシア二ジンB1(二量体)、プロシア二ジンB2(二量体)、プロシアニジンB3(二量体)、プロシアニジンC1(三量体)、シンナムタンニンA2(四量体)などがあります。
他にも、挙げればキリがありません。
プロシアニジンとは、カテキン、または、エピカテキン等のフラボノイドが2つ以上重合した化合物の総称であり、プロシアニジンには、プロシアニジンB3の他に、エピカテキン−(β4→8)−カテキンの構造を有するプロシアニジンB1や、エピカテキン−(β4→8)−エピカテキンの構造を有するプロシアニジンB2、カテキン−(α4→8)−エピカテキンの構造を有するプロシアニジンB4、エピカテキン−(β4→6)−エピカテキンの構造を有するプロシアニジンB5などが知られている。
引用元
公開特許公報(A)_プロシアニジンB1〜B4およびカテキン重合体の製造方法
国立研究開発法人科学技術振興機構
各々のもつ「働き」が違っています。
つまり、プロシアニジンの種類【カテキンの種類や重合度や結合様式】により生理機能が異なります。
ピクノジェノールとグレープシードエキスに含まれるプロシアニジン類の組成は異なります。
というわけで、【共通の働きもありますが】それぞれ独自の働きをもっています。
なので、同じ「プロアントシアニジン高含有物」でも目的別に商品を選択をする必要があります。
ここでは(このレビューでは)、
ブドウ種子由来プロアントシア二ジン(プロシアニジン)=グレープシードエキス
ブドウ種子ポリフェノール=グレープシードエキス
とします。
以降 「グレープシードエキス」でまとめていきます。
グレープシードエキスの効果・効能
グレープシードエキスの効果・効能 5つ厳選
- 抗酸化作用
- 抗炎症作用
- 美白効果
- メタボ予防効果
- 下肢静脈瘤改善効果
.
そのうち2つを詳しく
④メタボ予防効果
メタボは「メタボリックシンドローム」の略で、内臓脂肪型肥満+【高血圧、血清脂質異常、高血糖】の3つのうち2つ以上の症状が一度に出ている状態をいいます。
- グレープシードエキスには内臓脂肪低減作用があります。
→抗肥満 - グレープシードエキスには血圧低下作用があります。
→高血圧予防 - グレープシードエキスには血液中のLDL酸化抵抗性を増進させる働きがあります。
松樹皮抽出物由来プロアントシア二ジンにはLDLコレステロールが正常域で高めの方のLDLを下げる機能があります。※グレープシードエキスにあるかどうか定かではありません。
→脂質異常症予防 - グレープシードエキスには血糖上昇抑制作用があります。
→高血糖予防
.
ゆえに、グレープシードエキスにはメタボ予防効果があります。
ここで、グレープシードエキスの内臓脂肪低減作用=抗肥満作用にクローズアップします。
それに関わる2つの作用を紹介します。
①腸内フローラ改善作用(デブ菌の増加抑制)
研究論文により「肥満の人と痩せている人の腸内フローラに大きな違いがある」ことが報告されています。
「肥満の人の腸内細菌には、ファーミキューテス類(デブ菌)が多く、バクテロイデーテス類(ヤセ菌)が少なくなっている、痩せている人はその逆の傾向である」といった内容です。
東北大学と東京医科歯科大学の研究チームにより、次のことが明らかになりました。
- 卵巣摘出マウス(閉経後女性のモデル)では、デブ菌が増殖している。
- 卵巣摘出マウスにブドウ種子エキスを投与すると、腸内フローラの変化が抑制される
→脂肪蓄積による肥満および血糖調節機能の低下が抑えられる。
※腸内フローラの変化とはファーミキューテス門細菌(デブ菌)が増加し、バクテロイデーテス門細菌(ヤセ菌)が減少することです。ようは腸内フローラにデブ菌が増えることです。
内容を一言でまとめると「グレープシードエキスは腸内フローラの変化を抑制させることで、閉経後女性のメタボ化を予防する」です。
東京医科歯科大学と東北大学の研究グループは、閉経女性のモデルである卵巣摘出マウスでは腸内フローラにおいていわゆる「デブ菌」と呼ばれるファーミキューテス門に属する細菌が増加すること、プロアントシアニジンを多く含むブドウ種子エキスを投与することにより、腸内フローラの変化が抑制され、脂肪蓄積による肥満および血糖調節機能の低下、すなわちメタボ化が予防されることを明らかにしました。
引用元
プロアントシアニジンによる腸内フローラの改善作用
プレスリリース
東北大学
ということで、グレープシードエキスは、腸内フローラを改善することで肥満を抑制します。
この効果は有効成分であるプロアントシアニジンによるものです。
②GLP-1分泌促進作用&DPP-4阻害作用
消化官から分泌されインスリンの分泌を促す働きをもつ消化官ホルモンを総称してインクレチンといいます。
(食事をすることで)消化官内に栄養素が入ると、その刺激により、消化官からインクチンが分泌されます。
GLP-1は代表的なインクレチンです。GLP-1は消化官内に栄養素が流入すると消化官粘膜上皮から分泌されます。
GLP-1を分泌させることは内臓脂肪を減少させる=肥満予防につながります。
まず予備知識としてインスリンの話をさせていだきます。
体内に取り入れた糖質はブトウ糖(以下、糖)に分解され、小腸に吸収されたのちに全身の細胞に取り込まれます。
この取り込みをするのがインスリンの役割です。食事をすると血糖値が上がりすい臓からインスリンが分泌されます。血糖値を下げる過程でインスリンは血中の糖を細胞に取り込むように働きます。
肥満の原因の一つに、食後に「血糖値が急上昇しインスリンが過剰に分泌される」ことがあげられます。
というのも、インスリンは糖が多い場合、余った分を脂肪細胞に運び体脂肪として蓄える働きをするからです。
血糖値の上昇が緩やかならば、通常 インスリンが過剰に分泌されることはありません。
ただし、血糖値が急上昇する状況に至るとインスリンが過剰に分泌されてしまいます。
血糖値が急上昇する状況とは【空腹状態で糖質が多く含まれている食物を食べる】【食物を急いでたくさん食べてしまう】などがあてはまります。
このことを踏まえて、GLP-1の肥満予防の働きは次の3点となります。
- 血糖値の上昇を抑える
GLP-1はすい臓に作用し、インスリンの分泌を促進させ、血糖値の上昇を抑えます。
このインスリン分泌促進作用は血液中のグルコース濃度の上昇に応じて行われます。
つまり、血糖値が高いときにインスリンの分泌を増やす、血糖値が低い状態ではインスリンの分泌は増やさないといった血糖値の上昇に応じて行われるメカニズムとなっています。 - 食後の血糖値の急上昇を抑える
上記の働きをもつGLP-1が分泌されることで余分な糖が腸でゆっくりと吸収されるようになります。
なので、GLP-1を活発に分泌させれば食後の血糖値の上昇がゆるやかになります。その結果、食事をしても太りにくくなります。 - 満腹中枢を刺激する
脳の視床下部には、空腹を感じる「摂食中枢」と満腹を感じる「満腹中枢」が存在します。
摂食中枢が刺激されれば空腹感を、満腹中枢が刺激されれば満腹感を感じるようになります。
GLP-1が多く分泌されると満腹中枢が刺激されます。満腹感を高め、食欲を抑える作用があります。
GLP-1は分泌された後に、DPP-4と呼ばれる酵素の働きによって数分以内に速やかに分解され失活します。
なので、すい臓に到達するGLP-1は、当初分泌された量の約10%ほどです。
さて、体内でGLP-1を増やす方法は大きく2つあります。それはGLP-1の分泌を増やすこととDPP-4の働きを阻害することです。
グレープシードエキスにGLP-1分泌促進作用&DPP-4阻害作用の両方があることが確認されています。
González-Abuínらも,グレープシードプロシアニジンがGLP-1分泌の促進と,さらにGLP-1を失活させるDPP-4の阻害作用をもつことを報告しており,このことは,プロシアニジン類が消化管内で,すでに初発の機能を発揮していることを示唆している
引用元
プロシアニジンの機能性
PDFページ 4/6
J-STAGE
⑤下肢静脈瘤改善効果
心臓を拠点に、新しい血液とともに酸素や栄養素を体の隅々に運ぶ血管は動脈です。古い血液とともに細胞からでた老廃物や二酸化炭素を心臓に回収するための血管は静脈です。その血液の通路となっているのが毛細血管です。
下肢静脈瘤とは足の静脈が太くなって、こぶ状に膨らんだ状態のことを言います。
足の血液が心臓に戻るときには、重力に逆らう形で下から上へ押し上げられます。
歩くことでふくらはぎの筋肉が収縮して、静脈の血液を押し上げます。さらに血液が重力で逆流しないように、静脈の中にある「静脈弁」が機能しています。イラスト左
その結果、心臓に向かってのみ血液が流れるようになっています。
加齢、肥満、生活環境(立ち仕事)などが原因で「静脈弁」が正常に機能しなくなると、血液が心臓に戻れず、足の静脈にどんどんたまって膨らんでしまいます。イラスト右
その結果、下肢静脈瘤が発生します。
静脈瘤が下肢に起こりやすい理由は、「心臓から遠い位置にある」と「基本 立って生活している」が挙げられます。
下肢静脈瘤は足の血管の病気ですが、放置しても命にかかわることはまずありません。
治療する目的は、かゆみや痛みやだるさといった症状の改善以外にも、美容面(浮腫)があります。
グレープシードエキスには下肢静脈瘤に伴う症状(かゆみ・痛み・浮腫など)を改善する働きがあります。
この働きはプロアントシアニジンを主成分とするピクノジェノールにもあります。
が、グレープシードエキスのほうがその力は上と想定されます。
理由は、
フランスではグレープシードエキスは下肢静脈瘤の治療薬として用いられている
Veinサポート系サプリにグレープシードエキスが配合されていることが多い(ピクノジェノールは少ない)
からです。
下記のVeinサポート系サプリにはグレープシードエキスが含まれています。
今回のレビュー【働き分析】では、次の3パターンの記載をしています。
- グレープシードエキス
- プロアントシアニジンまたはプロシアニジン
- ○○由来プロアントシアニジンまたは○○ポリフェノール
.
※ここでは、グレープシードエキス=ブドウ種子ポリフェノール=ブドウ種子由来プロアントシアニジン です。
①はまんまグレープシードエキスにある(と思われる)働きです。
②もグレープシードエキスにある(と思われる)働きですが、その中でも主成分である「プロアントシア二ジン」を強調したい場合に、プロアントシア二ジンで説明します。
注意してほしいのは③です。
軽くおさらいです。
プロアントシアニジンには種類があり、カテキンの種類や重合度や結合様式により生理機能が異なります。
プロアントシアニジン高含有物として【松樹皮抽出物・ブドウ種子抽出物・アカシア樹皮抽出物・リンゴ・ライチ・クランベリー・カカオ・黒大豆】が有名です。
これら高含有物は、プロアントシアニジンの組成が異なっており、(共通の働きもありますが、)独自の働きがあります。
③の○○由来プロアントシアニジンは、基本 それ由来のプロアントシアニジンがもっている効果・効能です。
例えば、リンゴ由来プロアントシアニジンの毛包上皮細胞増殖促進作用は、リンゴ由来のものからとるのがベストと想定しています。
同じ「プロアントシアニジン(総称)」を主成分としているグレープシードエキスにも毛包上皮細胞増殖促進作用あるかもしれませんが、この作用を得たいならば、できればリンゴ由来プロアントシアニジン≒リンゴポリフェノールをとるようにしてください。
③の場合は、グレープシードエキスにはないかもしれないので説明が雑&点数が低めとなります。
グレープシードエキスの働き分析【見た目編】
合計 49.5/60点
薄毛
8点
「薄毛」改善 に関するグレープシードエキスの働きは主に次です。
- 抗酸化作用
髪は毛乳頭に運ばれた栄養素をもとに毛母細胞が細胞分裂をすることで生まれてきます。
活性酸素は毛母細胞を酸化させ、その働きを弱めます。活性酸素を除去することは薄毛予防になります。
プロアントシア二ジンは強力な抗酸化作用を有します。 - 血流改善作用
髪に必要な栄養素および酸素は、毛細血管を通じて毛乳頭に運ばれます。
毛乳頭は、その栄養素を毛母細胞に受け渡します。それにより毛母細胞が分裂し、そこから生じた細胞が毛髪を形成します。
プロアントシア二ジンには毛細血管を強化する&末梢血管を拡張する作用があります。 - 毛包上皮細胞増殖促進作用
リンゴ由来プロアントシアニジンに育毛作用=毛包上皮細胞増殖促進作用あります。抽出物は異なりますが、グレープシードエキスに(ある程度)期待できる作用だと思われます。理由は次の2つです。
理由①
育毛作用はリンゴ由来プロアントシアニジンのうち、プロシアニジンB2にある作用だと考えられます。グレープシードエキスにもプロシアニジンB2が含まれています。
具体的な量は定かではありませんが、グレープシードエキス由来プロアントシアニジンB2について言及されることがよくあるので、そこそこの量が含まれていると思われます。理由②
リンゴ由来プロアントシアニジンに育毛作用があることを発見したのは協和発酵です。3)協和発酵はリンゴに含まれるポリフェノールの一種「プロアントシアニジン」は毛母細胞を増殖させて活性化する働きを持つことを発見した。
引用元
公開特許公報(A)_カキドオシを主原料とする頭髪用剤
国立研究開発法人科学技術振興機構協和発酵工業の特許【プロアントシアニジンを有効成分とする育毛食品および経口育毛剤の発明】では、ブドウ種子抽出物由来プロアントシアニジンを有効成分としてもOK的な記載があります。
【0008】【課題を解決するための手段】本発明者らは、経口摂取により育毛作用を有する物質を探し研究を重ねた結果、プロアントシアニジンに強い育毛活性を見出した。本発明は、プロアントシアニジンを有効成分として含有することを特徴とする育毛食品および経口育毛剤に関する。
引用元
特許公報(B2)_育毛食品および経口育毛剤
国立研究開発法人科学技術振興機構【0023】プロアントシアニジンを本発明の有効成分として用いる場合、プロアントシアニジンは、一種または二種以上混合してもよい。具体的な例としては、ブドウ種子抽出物プロアントシアニジン、赤ワイン抽出精製物、リンゴ由来プロアントシアニジン、マツ由来プロアントシアニジン、精製プロアントシアニジンオリゴマー等があげられる。
引用元
特許公報(B2)_育毛食品および経口育毛剤
国立研究開発法人科学技術振興機構参照
今が旬、「リンゴ」は驚異の発毛剤だった!
アサ芸プラス頭皮環境を整える効果を期待! 青りんごポリフェノール配合シャンプー登場
マナナビニュース
白髪
7点
「白髪」予防 に関するグレープシードエキスの働きは主に次です。
- 血流改善&抗酸化作用
黒髪を保つために重要なことは、大きく3つあります。- 黒髪のもとに栄養を届ける
- 黒髪のもとを守る
- 黒髪のもとを作りやすくする
この条件を満たす成分は血流改善効果や抗酸化作用を有するものとなります。
プロアントシアニジンはどちらにも該当します。参照
白髪を増やさない 血流アップ&抗酸化【日経ヘルス19年2月号】 黒髪を保つ3つのポイント
日経doors 日経BP - 過酸化水素
過酸化水素は白髪の原因となります。黒髪のもととなるメラニン色素の生成を阻害するからです。
体内には過酸化水素を除去する抗酸化酵素「カタラーゼ」「グルタチオンペルオキシダーゼ」が存在します。
ピクノジェノールはこれら抗酸化酵素の発現量を増やします。
美肌
8.5点
「美肌」作り に関するグレープシードエキスの働きは主に次です。
- 抗酸化作用
紫外線などで発生する活性酸素は、肌の細胞にダメージを与えます。
活性酸素を除去するのが抗酸化物質です。プロアントシアニジンは数ある抗酸化物質の中でも「最強」と言われています。プロアントシア二ジンの抗酸化力はビタミンCの20倍、ビタミンEの50倍とされています。
-
抗糖化作用
糖化とは体内に余った糖質がたんぱく質とくっつき、たんぱく質を劣化させる現象のことをいいます。糖化によって作られるのがAGEs(終末糖化産物)です。AGEsが体内に蓄積されるといわゆる老化が進みます。とくに真皮層にあるたんぱく質「コラーゲン」は大きく影響されます。
コラーゲン繊維は架橋によって分子間がつながっています。コラーゲンが糖化されると、この架橋が無秩序かつ過剰に形成されるようになります。通常は「コラーゲン架橋」ですが、無秩序かつ過剰に形成された架橋は「悪玉架橋(AGEs架橋)」と呼ばれます。
たとえば肌のコラーゲンにAGEs架橋が形成されるとコラーゲンが破壊・変性され、肌のしわやたるみの原因になります。
キッコーマンのグラヴィノール KPA-CU(ブドウ種子由来のポリフェノール、プロアントシアニジンを主成分とする化粧品原料)には強力な抗糖化作用があるとされています。
経口摂取でも、十分に期待できる作用だと思われます。参照
グラヴィノール KPA-CU
キッコーマンバイオケミファ(株)公開特許公報(A)_摘果ブドウ抽出物を含む抗糖化剤
国立研究開発法人科学技術振興機構天然物中の糖化反応阻害成分
からだサポート研究所 - ビタミンCの利用効率を高める
グレープシードエキスの主成分プロアントシアニジンにはビタミンCの利用効率を高める働きがあります。ビタミンCは、コラーゲンの形成や活性酸素除去など美肌づくりに大活躍する成分です。コラーゲンの形成リジンは体内で水酸化され、コラーゲン特有のアミノ酸ヒドロキシリジンになります。 プロリンは体内で水酸化され、コラーゲン特有のアミノ酸ヒドロキシプロリンになります。
ビタミンCはリジンとプロリンを水酸化する酵素の補酵素として不可欠です。
-
3つの美肌成分
真皮は「コラーゲン」「エラスチン」といった線維状のたんぱく質と「ヒアルロン酸」などのゼリー状の基質でできています。
コラーゲン・エラスチンが皮膚を支え、ヒアルロン酸が真皮の水分量を一定に保つ働きをしています。これら3つの美肌成分の働きにより、肌にハリ・弾力・潤いが生まれます。真皮
真皮はひし形が並んでいる部分です。
紫の薄い線はコラーゲン、そのつなぎ目にある濃い紫の線はエラスチン、それ以外の部分はヒアルロン酸など 、◎は繊維芽細胞です。
グレープシードエキスの主成分プロアントシアニジンにはコラゲナーゼ(コラーゲン分解酵素)、エラスターゼ(エラスチン分解酵素)、ヒアルロ二ダーゼ(ヒアルロン酸分解酵素)を阻害する作用があるとされます。
【0041】
(ロ)抗酵素作用(Anti−enzyme effect)について、コラゲナーゼ,エラスターゼ,グリコシダーゼ,ヒアルロニダーゼ,及びβ−グロクロニダーゼの阻害作用(IC50)を有している。引用元
プロアントシアニジン含有滋養液及びその製造方法
JPH11299452A
Google Patents
美白
10点
「美白」ケア に関するグレープシードエキスの働きは主に次です。
- 一重項酸素消去能
紫外線を浴びると肌に大量に活性酸素が発生します。発生した活性酸素が肌にあるメラノサイトを刺激しメラニンの大量生成を促します。大量にできたメラニンが肌のターンオーバーとともに排出されなければ、シミとなって肌の表面に現れます。
※イラスト中の 活性酵素→活性酸素に訂正紫外線により生じる活性酸素は主に一重項酸素です。
なので、紫外線が原因でできるシミの対策には、一重項酸素に対して消去能をもつ成分を取ることが有効と考えられます。
プロシアニジンはその1つです。その結果,Table5に示したようにプロシアニジン(2~5量体)がその作用を有し,試験した範囲では重合度が高いものほど,一重項酸素消去速度定数が大きく,既知抗酸化物質のなかでも,β-カロチン,ビタミンEと並び数少ない一重項酸素消去剤であることが判った
引用元
プロアントシアニジンの抗酸化機能および疾病予防機能とその利用
PDFページ 3/11
J-STAGE
上記、引用元にて「重合度が高いものほど、一重項酸素消去速度定数が大きい」との記載があります。グレープシードエキスに含まれるプロアントシアニジンの平均重合度は約7です。
-
チロシナーゼ活性阻害作用
情報伝達物質によりメラノサイトが刺激されるとメラノサイト内にある酵素チロシナーゼが活性されます。この酵素がメラノサイト内にあるチロシンと結合することでメラニンが生成されます。
チロシナーゼが活性されると、肌にたくさんのメラニンが作られることになります。
グレープシードエキスにはチロシナーゼ活性阻害作用があります。
その作用により、メラニン生成を抑制します。
この作用は肝斑にも有効とされ、臨床試験にて「肝斑を改善し薄くする効果」が実証されています。次で説明します。 -
肝斑
肝斑はシミの一種です。その特徴は、「頬などに左右対称にほぼ同じ形、大きさで現れる」です。女性ホルモンのバランスの乱れが大きく関係してくるので、女性特有(主に30〜40歳代の女性)のシミとして知られています。
グレープシードエキスには肝斑改善効果が見られます。臨床試験で、肝斑のある女性12名に、毎日ブドウ種子ポリフェノールを0.2gずつ6ヶ月間摂取させたところ、3ヶ月目から顔のしみが薄くなり、6ヶ月目で明確な改善効果 が確認されました。このメカニズムについて解析をおこなったところ、このポリフェノールにはしみの原因となるメラニン色素の生成に関係する酵素チロシナーゼの活性を阻害し、 メラニン色素の生成を防ぐ作用があることを確認しました。
引用元
キッコーマン、筑波大学臨床医学系皮膚科との共同研究で ブドウ種子ポリフェノールに、顔のしみを薄くする効果を発見! 7月26日開催の日本光医学・光生物学会で発表
ニュースリリース
キッコーマン(株)
筋肉
6.5点
「筋肉」増強 に関するグレープシードエキスの働きは主に次です。
- 抗筋疲労
伸張性収縮による筋疲労とその回復過程に及ぼす効果について、プロテイン+グレープシードエキスとプロテインのみの比較実験を行ったところ、
グレープシードエキス摂取群は、プロテインのみと比較して筋力低下を制御している&回復を早める効果があることが確認されています。
この効果は、グレープシードエキスに含まれるプロアントシアニジンの強力な抗酸化作用によるものと考えられます。参照
プロアントシアニジンの抗酸化機能および疾病予防機能とその利用
PDFページ 6/11
J-STAGE - NO産生
筋トレで負荷を与え続けることによって、血液中に乳酸などの代謝物質が溜まっていきます。乳酸などが溜まると水分を引きこんで筋肉が膨れ上がります。この状態をパンプアップといいます。筋肉が大きく膨らんでみえるのは一時的な現象ですが、パンプアップを起こすことで、間接的に筋肥大の効果があるといわれています。
パンプアップの間接的な筋肥大効果
パンプアップが間接的に筋肥大につながるとされているのは以下の流れで です。- 負荷を与えた筋肉に乳酸が溜まる→
- 成長ホルモンが分泌される→
- IGF-1が分泌される→
- その筋肉に必要な特定のアミノ酸の輸送が促進される→
=筋肥大
NO(一酸化窒素)の生成を促し血管が拡張されると、負荷を与えた筋肉への血流が増え、パンプアップ状態になりやすいといわれています。
以下の理由より、グレープシードエキスにNO産生促進作用が期待できます。
理由①
NOは血管内細胞で産生されます。ブドウ種子OPCは血管内皮機能を改善させます。理由②
プロアントシアニジンを主成分とするピクノジェノールや黒豆ポリフェノールにはNOの産生を促進させる作用があります。グレープシードエキスも主成分がプロアントシアニジンです。リンク参照
オリーブOPX実証レポート
サントリー健康情報サポート
サントリーグループ勃起障害症状改善のために、刺激物質の活性成分としてプロアントシアニジン、一酸化窒素源としてlアルギニン又はその塩の使用
JP2003534286A
Google Patents
脂肪
9.5点
「脂肪」減少 に関するグレープシードエキスの働きは主に次です。
- F/B比
肥満の人・そうじゃない人の違いは腸内環境も関係してきます。
腸内細菌にはバクテロイデーテス類(ヤセ菌)とファーミキューテス類(デブ菌)とが存在します。
これらの腸内に存在する比率(どちらが優位の環境)が【太りにくさ】に大きく関わってきます。
ファーミキューテス門(デブ菌)/バクテロイデーテス門比(ヤセ菌)=F/B比=肥満指数が高ければ、肥満になりがちに、低ければ肥満になりにくくなります。グレープシードエキスはF/B比を変え、「ヤセ菌」優位の腸内環境へと導きます。イコール肥満を抑制します。
-
GLP-1
GLP-1は「痩せるホルモン」としてメディアで大変注目されています。リンク
グレープシードエキスはGLP-1の分泌を促進する&DPP-4(GLP-1を失活させる酵素)の働きを抑制する働きをします。
グレープシードエキスの働き分析【中身編】
合計 49/60点
身体
6点
「身体」の構成材料 に関わるグレープシードエキスの働きは主に次です。
- コラーゲン
人間の体を構成しているたんぱく質のうち30%はコラーゲンでできています。体内にあるコラーゲンのうち、約40%が皮膚に、骨・軟骨に約10~20%、血管に約7~8%が存在しています。コラーゲンの体内構成比率プロアントシアニジンにはコラゲナーゼ(コラーゲン分解酵素)を阻害する作用があるとされます。コラーゲンの体内構成比
※%はおおよそです。 - 骨
女性ホルモンの働きのなかに、骨からのカルシウム溶出をくい止める働きがあります。
大豆イソフラボンは女性ホルモン様作用を有するため、その摂取は骨の強化につながります。
グレープシードエキスはイソフラボンの働きを強化します。参照
ブドウ種子ポリフェノールとの併用でさらに効果増強!
ニュースリリース
キッコーマン(株)
エネルギー
8点
「エネルギー」生成 に関わるグレープシードエキスの働きは主に次です。
-
PGC-1α
PGC-1αとはPPARγをはじめとするいくつかの核内受容体と相互作用し、さまざまな標的遺伝子の転写調節を行う転写共役因子です。特にミトコンドリアを構成する分子、あるいはその機能を発揮するに関わる分子の転写制御に関与するため、ミトコンドリアの生合成と機能のマスター調節因子として知られています。PGC-1αが発現することで起こることは
いくつかの核内受容体との相互作用によりです。- ミトコンドリアを増加させる&ミトコンドリアの機能を増強させる
- 脂肪酸β酸化を亢進させる
- GLUT4(血液中の糖を骨格筋に取り込む糖輸送体)の発現を増加させる
- 骨格筋における分岐鎖アミノ酸の代謝を促進させる
マイオカイン「Irisin(イリシン)」を分泌することで
- 白色脂肪細胞の褐色化が促進する
※GLUT4の発現を増加させるに関しては諸説あります。ここでは増加させるで話を進めます。
これらは「ミトコンドリア」および「エネルギー代謝に関わる」ことばかりです。ということで、PGC-1αの発現を増やせば(または活性化させれば)、「ミトコンドリアが増加&元気」および「エネルギー代謝が活発」になります。
グレープシードエキスは(AMPK-SIRT-1経路を介して)PGC-1αの発現を増やす可能性がある成分です。
また,グレープシード由来プロシアニジンB2についても,高糖質誘導性のミトコンドリア機能異常に対して,AMPK‒SIRT1‒PGC1αの経路を介して糖尿病性神経症の改善に寄与する可能性も報告されている
引用元
プロシアニジンの機能性
PDFページ 5/6
J-STAGE -
AMPK
AMPKはAMP活性化プロテインキナーゼ(AMP-activated protein kinase)の略で、エネルギー源となる糖や脂肪の代謝を調節している酵素のことを言います。そのため、AMPKはよく「細胞中のエネルギーセンサー」などと呼ばれています。AMPKは細胞内エネルギーレベルの低下【=AMP:ATP比の上昇やクレアチン: クレアチンリン酸比の上昇】およびAMPKK(上流のキナーゼ)のリン酸化により、活性化されて、異化の亢進と同化の抑制をもたらしATPレベルを回復させます。
カカオ由来および黒大豆種皮由来プロシアニジンには、AMPKのリン酸化を亢進させる働きがあります。
病気
9.5点
「病気」予防 に関わるグレープシードエキスの働きは主に次です。
-
動脈硬化
血液中にLDLが増え、それが血管壁に入りこみ、活性酸素により酸化され、酸化LDLに変わるとプラークと呼ばれるこぶを形成するようになります。そうなると血管の内側は細くなって動脈硬化を引き起こします。
なので、動脈硬化を予防するにはLDLを増やさないことはもちろんのこと、LDLの酸化を抑制することも重要となります。強力な抗酸化作用を有するプロアントシア二ジンはLDLコレストロールの酸化を防ぐ働きをします。
- メタボ
メタボは「メタボリックシンドローム」の略で、内臓脂肪型肥満+高血圧、血清脂質異常、高血糖のうち2つ以上の症状が一度に出ている状態をいいます。
生活習慣病の前段階の状態、動脈硬化を起こしやすい状態といえます。
グレープシードエキスにはメタボ予防効果があります。 - がん
がんの原因はDNAの複製エラーが大半を占めるとされます。複製エラーの主な原因となるのが活性酸素によるDNAの損傷です。
強い抗酸化作用をもつプロアントシアニジンは酸化的DNA損傷を効果的に抑制します。ガン予防が期待できます。グレープシードエキスは、がんの種類でも大腸がんの予防に有効とされています。
今回の結果より,プロアントシアニジン高含有のブドウ種子抽出物に大腸癌発症抑制作用が見いだされた
引用元
プロアントシアニジンの抗酸化機能および疾病予防機能とその利用
PDFページ 5/11
J-STAGE※引用元の文献では、「大腸癌」に限定されていました。グレープシードエキスには腸内フローラ改善作用があります。腸内環境を改善することは大腸がんを予防
することにつながります。それも関係してくるかもしれません。 なお、プロアントシアニジンは抗変異原性を示します。
変異原性 「変異原性」とは遺伝情報に損傷を引き起こし突然変異をひき起こす性質(あるいはその作用の強さ)のことをいいます。放射線、たばこの煙、汚染物質、食品添加物などに存在します。変異原性物質=発がん物質ではありませんが、変異原性物質には発がん性のものが多くなっています。
プロシアニジンの中でも重合度の高いものほど、活性が高まることが分かっています。グレープシードエキスに含まれるプロアントシアニジンの平均重合度は高く約7とされています。 -
糖尿病
血糖値が高い状態が続くことにより、さまざまな合併症を引き起こす病気が糖尿病です。
プロアントシアニジンには血糖値上昇抑制作用があります。糖尿病の3大合併症は、糖尿病神経障害、糖尿病網膜症、糖尿病腎症の3つです。
グレープシードエキスは糖尿病合併症の抑制に有効です。以上の結果により,プロアントシアニジン高含有のブドウ種子抽出物は糖尿病,特に糖尿病合併症の抑制に有効であることが明らかとなった
引用元
プロアントシアニジンの抗酸化機能および疾病予防機能とその利用
PDFページ 6/11
J-STAGE - 白内障
白内障は、水晶体が白く濁ってしまう病気です。
白内障は加齢によるものです。その主たる原因は、紫外線などの酸化ストレスです。
長年、紫外線などの活性酸素の攻撃を水晶体が受け続けた結果、水晶体が酸化されて白く濁ります。グレープシードエキスには活性酸素による白内障発生を抑える作用があります。
体質
10点
「体質」改善 に関わるグレープシードエキスの働きは主に次です。
- 冷え性
ストレス・寒さなどにより末梢血管が収縮し血流が悪くなると「冷え」が生じます プロシアニジンには末梢血管を拡張し、手足の血流を促す働きがあります。冷え性の予防・改善に有効です。 - 肝臓
肝臓は、活性酸素がとても発生しやすい臓器です。
プロシア二ジンには強力な抗酸化作用があります。
上述したようにプロシアニジンには肝臓における薬物代謝促進作用があります。
ということで、プロシアニジンは肝機能維持に大きく貢献する成分です。 - 静脈瘤
下肢静脈瘤とは足の静脈が太くなって、こぶ状に膨らんだ状態のことを言います。
下肢静脈瘤は足の血管の病気ですが、放置しても命にかかわることはまずありません。
治療する目的は、かゆみや痛みやだるさといった症状の改善以外にも、美容面(浮腫)があります。グレープシードエキスには下肢静脈瘤に伴う症状(かゆみ・痛み・浮腫など)を改善する働きがあります。
-
胃潰瘍
グレープシードエキスには胃潰瘍を抑制する効果があります。この効果はプロアントシアニジンによるものです。
松樹皮由来プロアントシアニジンにもありますが、グレープシードエキスのほうが効果が強いとされています。高分子のプロアントシアニジン(4量体以上)に強い障害抑制活性が見られているから=グレープシードエキスのほうが高分子のプロアントシアニジンが多いから です。次にプロアントシアニ ジンの重合度による影響を調べたところ,重合度が高まるほど胃粘膜障害抑制効果が高まり4量体以上のオリゴマーに医薬品並の強い障害抑制が見いだされた
引用元
プロアントシアニジンの抗酸化機能および疾病予防機能とその利用
PDFページ 5/11
J-STAGE - 免疫
腸管は全身の免疫細胞の60%~70%が集まっている最大の免疫臓器です。リンクうち小腸は免疫システムの中心です。
小腸にはパイエル板と呼ばれる免疫機能を司るリンパ組織があります。
パイエル板の入り口にM細胞と呼ばれる抗原取り込み専門の細胞が存在し、病原体をパイエル板の中へ誘導しています。
パイエル板の領域には、T細胞・B細胞・樹状細胞などの主要な免疫細胞が集まっており、病原体はこの免疫細胞たちにより処理されます。腸管には免疫細胞だけでなく腸内細菌もたくさん存在しています。腸内細菌の種類は500以上で、その数は100兆個ともいわれています。それらが腸内フローラを形成し、免疫細胞をサポートしています。
腸内フローラ改善作用を有するグレープシードエキスは腸管免疫力アップにも貢献します。 - 臭い
グレープシードエキスには加齢臭などの体臭を低減させる作用があります。
また、便の臭いも低減させる作用(糞便消臭作用)があります。参照
体臭防止剤
JP2001072563A
Google Patents特許公報(B2)_排泄物用経口消臭剤
国立研究開発法人科学技術振興機構 -
抗ウイルス
プロアントシアニジンには抗ウイルス作用があります。4.小豆煮汁醗酵濃縮液のポリフェノール成分の特徴 小豆を含むブドウ種子、松樹皮のプロアントシアニジンが抗ウイルス作用を示すことは、広く知られている。
引用元
公開特許公報(A)_ポリフェノール成分を利用した乳酸菌発酵物及びその製造方法
国立研究開発法人科学技術振興機構インフルエンザのみならず、ノロウイルスの予防にもなります。
参照
ブドウの種でノロウイルス撃退! ポリフェノールが作用
Medical Tribune
(株)メディカルトリビューンクロモジに含まれるポリフェノール 「プロアントシアニジン」の働きがカギ!
クロモジの抗ウイルス作用とは
クロモジ研究会リンク -
抗アレルギー
マスト細胞(肥満細胞)は、脱顆粒反応によりヒスタミンなどアレルギー症状をひきおこすケミカルメディエーターを放出することで、アレルギー反応を引き起こします。脱顆粒反応プロアントシアニジンには脱顆粒を抑制し、結果としてヒスタミンなどの化学伝達物質の放出を抑える働きがあります。マスト細胞は、その細胞表面上に高親和性IgE受容体(FcεRI)を発現しています。
アレルゲンを認識するIgEがFcεRIと結合した後、再び同じアレルゲンに暴露されると、マスト細胞が活性化して、ヒスタミンなどの化学伝達物質を含んだ顆粒を細胞外に放出させます。参照
抗アレルギー、抗炎症剤並びにこれを含有する医薬組成物、医薬部外品、化粧品、食品及び動物用飼料
JP2001278792A
Google Patents
精力
7.5点
「精力」増進&「性機能」向上 に関わるグレープシードエキスの働きは主に次です。
- 妊活
妊娠を望む健康な男女が、ある一定期間、避妊することなく通常の性交を継続的に行っているにもかかわらず、妊娠しない場合が不妊症です。男性不妊・女性不妊の主な原因の一つは酸化ストレスです。
酸化ストレス 生体において酸化反応と抗酸化反応のバランスが崩れ、生体に対して【酸化力>抗酸化力となって】悪影響を及ぼしている状態。プロアントシアニジンには強力な抗酸化作用があります。グレープシードエキスにはプロアントシアニジンが豊富に含まれています。
-
NO産生
陰茎海綿体に血液が充満し勃起が起こるメカニズムを簡単に説明します。勃起が起こるメカニズム性的な刺激により脳が興奮するとその信号(興奮)が脊髄を伝わり勃起神経に到達します。
すると陰茎の動脈は拡張し陰茎海綿体へ流入する血液が増えます。
と同時に陰茎海綿体の平滑筋が弛緩され、海綿体は流れ込んだ血液を吸収し大きく膨らみます。
イコール勃起です。このメカニズムにおいて、陰茎海綿体の平滑筋を弛緩させる働きをするのはcGMPです。
cGMPを生成するのがNO(一酸化窒素)です。
性的な刺激により信号(興奮)が勃起神経に伝わると、神経終末と血管内皮細胞からNOが放出されてcGMPが生成される流れとなっています。
ここでいいたいことは、NOの産生量を増やすことは、勃起力の改善および向上につながる です。以下の理由のより、グレープシードエキスにNO産生促進作用が期待できます。
①NOは血管内細胞で産生されます。ブドウ種子OPCは血管内皮機能を改善させます。
②プロアントシアニジンを主成分とするピクノジェノールや黒豆ポリフェノールにはNOの産生を促進させる作用があります。グレープシードエキスも主成分がプロアントシアニジンです。
健脳
8点
「脳」の健康 に関わるグレープシードエキスの働きは主に次です。
- 脳機能維持
脳は体内で最も酸素を消費する場所です。これは活性酸素が大量に発生している場所と言い換えることができます。
脳は臓器の中で最も脂質を多く含んだ組織といわれています。これは酸化されやすい物質が多い組織と言い換えることができます。ということで、脳において活性酸素を除去する抗酸化物質の存在が非常に重要になります。
さて、抗酸化物質はいろいろありますが、血液脳関門を通過できるものは限られています。
血液脳関門プロアントシアニジンは血液脳関門を通過できる(可能性のある)成分です。脳において抗酸化作用が発揮されるので、脳機能維持や記憶力向上効果が見込まれます。血液脳関門とは、脳毛細血管の内皮細胞同士の密着結合により形成されているバリア機能のことです。
血液脳関門は脳に有害な物質を通さないために、その物質が脳に必要なものかを判別している「関所」とよく例えられます。
特に、山葡萄の種子や果皮から抽出したエキス末に含まれるプロアントシアニジンは、血液脳関門を通過できる希有な成分であることがわかっており、脳を酸化や糖化から守ってくれる働きがあります。
引用元
「まずは10日間、スーパーフード・不眠解消法」 新型栄養失調で不眠!?
ドリームニュース
グローバルインデックス(株) - アルツハイマー型認知症
認知症はアルツハイマー型認知症、脳血管型認知症、その他の3つに大別されます。認知症の半分以上はアルツハイマー型認知症です。
アルツハイマー病はアミロイドβの凝集体が原因で発症するとされています。
アルツハイマー病の脳では、アミロイドβの断片が処理されずに蓄積され、老人斑というゴミの塊を形成します。
このゴミがたまると【神経細胞が傷害を受ける→神経細胞が死滅する→脳が萎縮する→脳の機能障害が起こる】といった流れをたどります。ピクノジェノールにはアミロイドβの脳の蓄積を抑制する働きがあることが、研究により確認されています。アルツハイマー病の発症遅延が期待できます。
また、細胞培養による研究で、アルツハイマー症の要因とみられているアミロイド・ベータ・タンパクの脳への蓄積の抑制に関与することも報告されています。
引用元
ピクノジェノール(フランス海岸松樹皮抽出物)
特定非営利活動法人 日本食品機能研究会
グレープシードエキスのサプリメント紹介
グレープシードエキスのまとめ
分析【見た目編】49.5点
分析【中身編】49点
グレープシードエキス 美白効果 参照一覧
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