さてこの「ファイトケミカル」シリーズは、数千種類あるといわれている(もしかしたら1万以上)ファイトケミカルを大まかに6つにわけたものを、そのひとつひとつがどういったものかを学んでいく話です。
まあどういったものかを学ぶというより単にそれにあてはまる成分を紹介していく話です。
6つとはポリフェノール、カロテノイド、含硫化合物、糖関連物質、アミノ酸関連物質、香気成分のことです。
このシリーズもすでにその5までいきましたが、まだ一番最初のポリフェノールの話しか進んでいません。
ただいまポリフェノールに含まれるもののなかで有名な成分をいくつか紹介しているのですが、
ポリフェノールも大きくフラボノイド系と非フラボノイド系にわかれており、いまだにフラボノイド系に属しているポリフェノールを紹介している真っ最中です。
つまりまだ全然出だしの段階なのです。いったいこのシリーズはいくつまで続いてしまうのでしょうか・・・
ポリフェノールのフラボノイド系に属する有名なものとして、すでにアントシアニン、カテキン、イソフラボン、レスベラトロールを紹介しました。
えーと・・・今回紹介するやつでフラボノイド系のポリフェノールの紹介を一旦終わらせたいと思います。
えーと、こ、今回はビタミンPを紹介します。
えーと とりあえず聞いてください。
ビタミンPってビタミンといってもビタミン様物質に分類されます。ビタミン様物質ってご存知ですか?ちょっと前にやったのですが・・・
は、はい ビタミン様物質とは体内でビタミンと似た生理作用をもっている物質です。ビタミン同様に補酵素として働いたり、生体調整機能をもっていたり、抗酸化作用をもっていたりするものです。
まあ、そうなんですが、ビタミン様物質ってビタミンと似た働きをするのですが体内で合成することができるのです。ビタミンの定義って一応「体内で合成することができないもの」なのです。
そのため厳密にいうとビタミンの定義と異なるためビタミンと区別するため「ビタミン様物質」と名付けられました。
一応とつけているのはちょっとわけありです。詳しくはこちら(老化を遅らせるために「ビタミン様物質」を学ぶ その1)をご覧ください。
ビタミンPとは、ビタミン様物質の一種で、ルチン、ヘスペリジン、ケルセチンなどの総称です。このビタミンPというものは実はポリフェノールの一種でフラボノイド系にも分類されるのです。
ちなみにビタミンPは、フラボノイド化合物、バイオフラボノイドなどの別名ももっています。
ルチン、ヘスペリジン、ケルセチンはビタミンPとしてまとめられていますが、個々の特徴は違っています。なので個別に紹介していきたいと思います。
まずはルチンからいきます。
ルチン
ルチンとは、イチジク、みかん、トマトなどに含まれるポリフェノールの一種で強い抗酸化作用があります。抗酸化作用があるだけでなく、毛細血管を強くする効果があり血流の改善に役立ちます。
ビタミンPの一種でもあり水溶性のビタミン様物質でもあります。
それ前提の話だろ!
えーとさきほどあえて伏せていましたが、ルチンといえば「そば」で、蕎麦の実特有のポリフェノールとして有名です。
1日に必要なルチンの量はだいたい30mgぐらいといわれていますが、1日1食そばを食べるとこの量を軽くクリアできます。特に韃靼そばは、普通のそばの約100倍もルチンが含まれているといわれています。
そば湯ってしっていますか?そば湯って、そばのゆで汁のことなんですが。よくお蕎麦屋さんとかでそば食べ終わったあとにでてきますよね?
そば湯を飲むって、すごく健康によいことなのです。
いえ、ただのお湯ではありません!!
水溶性のビタミン様物質であるルチンは茹でているうちにそばから溶け出してしまうのです。溶けだしたルチンは茹で汁に流れでているわけですからそれを飲むというのは、ルチンを飲んでいるということがいえます。なのでそば湯を飲むって栄養面から見ても理にかなっていることなのです。
もちろんルチン以外にもビタミンB1、B2などの栄養成分が含まれているので、それらも補うことができるというわけです。
ヘスペリジン
ヘスペリジンはポリフェノールの一種でフラバノン類に分類されるフラボノイドです。
はい! 以前このシリーズその3でカテキンを説明する際にこういったやりとりしたの覚えていますか?
「カテキンって厳密にいうとフラバノール類に分類されます」と説明したところ
お兄さんは「じゃあ副題カテキンじゃなくてフラバノールにしろよ!」突っ込みをいれました
・・・・・
・・・・・
で話の続きなのですが、ポリフェノールってフラボノイド系と非フラボノイド系(フェノール酸系)と別れていますよね?
フラボノイド系ってさらに細かく分類するとアントシアニジン類、フラバノール類、イソフラボン類、スチルべノイド類、フラボノール類、カルコン類、フラバノン類などに分類されるのです。
バチーん
ともかくファイトケミカルは何千種類(1万以上とも)あり、おおまかに分類されたなかの一つであるポリフェノールも4000~5000種類あるといわれています。なのでそのポリフェノールもさらに細分化してカテゴリーわけされていても別におかしくありません。
で今まで紹介してきたポリフェノール(フラボノイド系)ですが、
アントシアニンはアントシアニジン類
カテキンはフラバノール類
レスベラトロールはスチルべノイド類
さっき紹介したルチンはフラボノール類
ただいま紹介するへスぺリチンはフラバノン類
にあてはまります。
ただ個人的にこのフラボノイド系のポリフェノールの細分化されたカテゴリー(アントシアニジン類、フラバノール類とかのこと)は覚える必要はないとおもいます。
ずばりアントシアニン、カテキン、レスベラトロール、ルチン、へスぺリチンといった成分そのものがフラボノイド系のポリフェノールにあてはまるものだということを覚えておけばいいと思います。
・・・・・
えーとイソフラボンはずばりカテゴリー(イソフラボン類)のほうになっているからです。
イソフラボン類にダイゼイン、ゲニステイン、グリシテインという種類のイソフラボンがあるのですが、まあそこまで細かく覚える必要がないと考えました。なのでこのシリーズではその総称であるイソフラボン(大豆イソフラボン)として紹介しました。
カテキンも8種類あったじゃないですか?エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレートとか・・一般の方でここまでこまかく意識する人っていないと思います。カテキンはカテキンみたいな。
で、イソフラボンも同じでダイゼイン、ゲニステイン、グリシテインなんていちいち細かく考えずにまとめてイソフラボンと考えると思います。一般の方は・・
例えばお茶を製造している人、納豆を作っている人とかそれを商売にしている人ということですよ!
そういう方々は細かく考えていると思いますが・・・
カッチーん
あと「イソフラボンだけカテゴリーのほうです」って都合が良すぎなんだよ!!
すいませーん。
ということで・・・ところで何の話をしていたのでしたっけ?
そうでした!
ヘスペリジンはポリフェノールの一種でフラバノン類に分類されるフラボノイドです。柑橘類の皮や袋やすじに多く含まれている栄養成分です。みかん、特に青みかんに多く含まれています。
抗酸化作用や毛細血管を強化する効果があるため血流改善が期待できます。あとビタミンCの吸収を高めたり、ビタミンCの働き助けるといった効果があります。
えーと次はケルセチンの説明に移ります。
ケルセチン
ケルセチンはポリフェノールの一種で、フラボノイドの一種で、フラボノール類に分類されます。
野菜に含まれておりとくに玉ねぎに多く含まれています。ケルセチンがもっている抗酸化作用により血流改善効果が見込まれ、動脈硬化をはじめとする生活習慣病予防に役立ちます。あとケルセチンの抗酸化作用は活性酸素による赤血球へのダメージを減少させることもわかっています。とにかく血液の健康を保つのに役立つ成分です。
以上でケルセチンの紹介を終わります。
まあどのみちレビューにまとめますので、このぐらいで勘弁してください。
まとめ
ルチン、へスぺリチン、ケルセチンは総じて、抗酸化作用、毛細血管強化作用があります。
つまりその総称であるビタミンPは、その抗酸化力と毛細血管強化作用で血管を健康し、血液の流れをよくする栄養成分といえます。
ポリフェノールのフラボノイド系の紹介は一旦終わりです。次回は非フラボノイド系の成分を紹介します。