前回は、カロテン類を学ぶ上で必須な知識であるビタミンAというものを説明しました。ビタミンAとは脂溶性のビタミンでレチノールと体内でビタミンAに変わるプロビタミンAの総称のことを言います。ビタミンAの働きとして最も有名なものとして目の健康に役立つ働きをするということが挙げられます。
ビタミンAと目の関係を具体的に話します。
我々が目でものを見るには網膜にあるロドプシンという神経伝達物質が関係してきます。
目に入ってきた光が網膜にあたると、その光の情報が電気信号に変換します。この過程においてロドプシンが分解されることで光の情報を電気信号にかえています。この電気信号が視神経を経由して脳に伝わることのより「物が見える」ようになります。そして新たな光の情報を得るときには分解されたロドプシンを再合成させるという仕組みになっています。
このように網膜にあるロドプシンが分解と再合成を絶えず繰り返すことによって我々は目で「物がみえる」という体験をすることができるのです。
このロドプシンの主成分はたんぱく質とビタミンAです。なのでビタミンAが不足しているとロドプシンの再合成が分解のスピードについていけなくなり「ものが見づらくなる」という症状があらわれます。なのでロドプシンの材料となっているビタミンAは目のための必要不可欠な成分であるといえます。
さて今日はカロテンの話といきたいのですが・・・・・
もうちょっとビタミンAの話をしたいとおもいます。
もう題名と内容があってないじゃんか・・
いや昨日みたいに長くはなりません。さらっといきます。
ビタミンAの働きはなにも目の健康の維持だけではありません。他にもこんなに素晴らしい効果・効能があります。
- 粘膜や皮膚を健康に保つ効果
・・・ビタミンAは粘膜や皮膚の上皮細胞の代謝を促して、病原菌などが侵入するのを防ぐ役割をします。 - 抗酸化効果
・・・ビタミンAは活性酸素を除去する抗酸化物質としても有名です。ビタミンC、EとあわせてビタミンACE(エース)と呼ばれているほど、強い抗酸化力をもっています。 - その他(髪の健康を保つ、免疫力を高める、ガンを抑制する、生活習慣病を予防する)
髪にもいいのか・・・
2時間後 近所の商店街に到着
その帰り道
あんだけの効果があるんだ!今日は寝不足だし目安の10倍の量飲もう!!
買ったばかりのビタミンAの目安の10倍の量を飲んだ若ハゲ・・・
夜遅くになって、ようやくハゲ茶瓶の自宅に到着
とりあえず授業の続きをします。ビタミンAの話でしたね。
えーとビタミンAの効果・効能って素晴らしいものばかりでしたね。
目にいい、粘膜にいい、肌にも髪にもいい、抗酸化力もすごいあるというまさに走・攻・守3拍子そろった栄養成分といえます。
で、さきほど言い忘れたことがあるのですが、ビタミンAを摂取するにあたり注意してほしいことがあります。
実はビタミンAって過剰症の心配がある成分なのです。
ビタミンAの過剰
ビタミンAって脂溶性のビタミンといいました。
脂溶性の特徴の一つに肝臓や脂肪に一定期間貯蔵されるというのがあります。
なので過剰にとりすぎると体内に蓄積され過剰症を引き起こす可能性があります。
はい!
ビタミンAってまず現在の日本の食生活においてあまり不足の心配がいらない栄養成分です。さきほどもいいましたが、脂溶性ビタミンで肝臓や脂肪に貯蔵できるので体内で不足しているってことはまずありません。
そしてある特定の食事なんかを取るとビタミンAの1日の必要摂取量は軽くオーバーし、下手したら上限摂取量までいってしまう場合があります。
たとえばレバーとかウナギなんかです。
健康にいいのでレバーとかを毎日たべるって結構ビタミンAの過剰症のリスクを大幅にあげてしまうことになります。さすがにレバーを毎日食べる方ってそうそういないと思いますが・・・
過剰症の副作用としては・・・頭痛、吐き気、不眠
そして過剰症の症状がひどくなると皮膚が荒れたり、髪の毛が抜けてきたリします。あと頭蓋骨が変形したりします。
なのであくまでも適量を必ずとるということを心がける必要があります。
そうです。
ビタミンAの過剰に関しては少しアンテナを張っておく必要があります。
さきほど普通の食生活を送っていればまず欠乏症の心配はないといいましたが、偏った食生活を送っているとなる可能性があります。ビタミンAの欠乏症は目が見えにくくなるといった症状ですので、これはまた普段の生活に大ダメージを与えることになります。
なので普段から不足、過剰どちらも意識して摂取する必要があるといえます。
プギャー
ビタミンAの過剰症の話をしただけで、なんで急に発狂してるんですか?
あくまでも過剰に取ったら、というか取り続けたら起こりえる症状を言ったまでです。
なんで急に発狂したか訳を聞かせてください!
さっき外にいったのはビタミンAを買いに行ったのですか?
そして家に着く前に我慢できずに飲んじゃったんですか?
しかも目安摂取量の10倍の量を!!
まったくもって、おバカですね!最後まで話を聞いてから買いに行けばいいものを・・・
かといって過剰の心配もあるし・・・
どうすればいいんだよ!!
あの~この回の主役はファイトケミカルであり、カロチノイドですよね?
そして今はカロテンの話の最中でしたよね?
ちなみにもう一度ビタミンAの説明文をだしておきます。
ビタミンAとは脂溶性のビタミンでレチノールと体内でビタミンAに変わるプロビタミンAの総称のことを言います。
この文で気になる所はありませんか?
やっとそこに気づいてくれましたか?
プロビタミンAというのがカロテン類と関係してくることなのです。
プロビタミンA
このプロビタミンAのプロってどういう意味かわかりますか?
いえ!違います。
ここでのプロとは英語のproで「前に」を意味する接頭辞です。
professionalのproも「前に」という意味だぞ
・・・・・
・・・・・
ビターん
とにかくプロビタミンAのプロとは「前に」を意味する言葉です。
つまりビタミンAの前ということです。
つまりビタミンAの前駆体ということです。
前駆体って覚えていますか?
まあその通りです。
化学反応において、ある物質が生成される前の段階にある物質のことを前駆体といいます。
ビタミンAの前駆体であるプロビタミンAは体内に入り、吸収され合成する過程で化学的変化を受けてビタミンAにかわるというわけです。
過剰の心配をしなければならないビタミンAを摂取することを考えたとき、このプロビタミンAという物質が鍵を握るものになります。
長くなりましたので、今日はこの辺にしましょう!!
ピカーン
なんとビタミンAを目安摂取量の10倍飲んだ若ハゲは一時的に目が異常によくなったのでした。
そのおかげで、ハゲ茶瓶のパソコンのパスワードを盗み見ることに成功したのでした。
※ビタミンAを過剰に摂取して目が異常によくなることは絶対にありません。
で、そのビタミンAがカロテン類とどんな関係があるの・・