前回までのあらすじです。ファイトケミカルを学ぶために若ハゲはハゲ茶瓶の自宅を訪問しました。お互いビンタ、パンチをかましあいながらもなんとか授業をすすめてきました。ビンタ、パンチといったささいなやり取りはエスカレートしてしまい2人は授業の合間に互いに内緒で下剤入りのお茶やコーヒーを飲ませました。
結果、2人ともうん〇を漏らしてしまいました。
部屋がうん〇臭くなったので2人はビーチで授業を行うことにしました。
ビーチでは2人は服を着たままで、パソコンを使いながら授業を行ったため、周囲から盗撮魔だと勘違いされてしまいました。
2人の行動があまりにも怪しかったため、ビーチにいた1人の女性が警察に通報しました。
警察がビーチにかけつけ、2人に事情を聞き、パソコンのデータを見せるように言ってきました。
その瞬間、あろうことかハゲ茶瓶はパソコンをぶっ壊し、若ハゲと一緒にビーチから逃走しました。
警察の手からなんとか逃れた二人は再びハゲ茶瓶の家に合流し、授業を再開しました。ただこの時、若ハゲは、ハゲ茶瓶の「パソコンをぶっ壊し、警察から逃げる」という行動に疑問を感じていたのでした。
ハゲ茶瓶は複数のパソコンを所有しており、すべてのデータが共有されていました。そのため若ハゲは家にあるハゲ茶瓶のパソコンのデータを見ることを画策しました。
ハゲ茶瓶が寝ている隙に、データを見ようとしましたがログインするのにパスワードが必要でした。ハゲ茶瓶のログインパスワードをどうにかして手に入れたいと考えましたが、いい方法が思いつきませんでした。
そんななか、授業でビタミンAを学んでいる最中、その効果に魅了された若ハゲはビタミンAを買いに行き、目安摂取量の10倍の量のビタミンAを飲んでしまいました。
大量のビタミンAを摂取したおかげで目が異常によくなり、遠くからでもハゲ茶瓶がパソコンにパスワードを打ち込んでいる指の仕草がわかりました(※ビタミンAを大量に摂取しても目はよくなりません)。
ついに若ハゲはパソコンのログインパスワードを手にいれました。
ただ今度はハゲ茶瓶はパソコンのもとからなかなか離れようとしません。
そこで睡眠薬入りのコーヒーを飲ませることにしました。
これが前回までのあらすじです。なんて下手くそな文章なことでしょう・・・小学生並みの文章です。
前回の続き・・・
ごっくーーーん
パカッ(フォルダが開く音)
プルルルルル プルルルル
もしもし
ガチャ!!
プープープープープー
なにーーーー
しかもよりによって俺だけこの顔・・・
覚えているでしょうか。ビーチの至るところで2人は写真や動画を撮られていました。
カッシャ!!カッシャ!!
ブーーーーーン
それがネット上に拡散されてしまったのです。
・・・・・
。。。。。
えーと本はあるかな~
本があった! しかもご丁寧に眼鏡をしおり代わりにしている!!
よし次はカロテノイドのキサントフィル類の勉強しよう!
※こっからはこの若ハゲが読んでいる本の文章と若ハゲの独り言で話しが進んでいきます。
ルテイン
ルテインはカロテノイドの一種でキサントフィル類に分類されます。黄色の天然色素でほうれん草やブロッコリーなどの緑黄色野菜などに含まれています。特にほうれん草に多く含まれていることで有名です。
ルテインは人間の体内では、瞳の中の水晶体と黄斑部というところに多く存在している成分です。他にも皮膚や乳房や大腸などにも存在しています。
眼をカメラにたとえるとレンズにあたる部分が角膜や水晶体でフィルムにあたる部分が網膜です。
黄斑部とは、網膜の中心部で視細胞が密集している場所のことです。網膜の中心部の直径1.5~2mmほどの範囲の小さな部分を黄斑部と呼んでいます。黄斑部は眼球で最も光が集まる部分であり、物を見たり、文字を読んだりするためのとても大切な部位です。 黄斑部のさらに中心は中心窩(ちゅうしんか)とよばれる場所ですが、ここは視力を支えている非常に重要な場所です。
ルテインは強力な抗酸化作用を持っています。
特に眼球の水晶体や黄斑部に多く存在しているルテインは、目が受ける活性酸素のダメージを軽減する働きを持っています。
というかカロテノイドだから抗酸化作用があるのは当然か・・・
ルテインと目
人間の体のなかで唯一、体外に露出している臓器は目です。
目は瞼を開けている間、絶え間なく光にさらされています。
光は活性酸素を発生させる要因となるものです。
活性酸素を発生させる光というのは日光の紫外線や青い光(ブルーライト)などです。
携帯電話、パソコン、テレビなどから発生するもので、光の波長が短く、特に力の強い光であるといわれています。青い光は紫外線の次にエネルギーが強く、目に見える光のなかで最もエネルギーの強いものです。ここでいうエネルギーの強さとは網膜にあたえるダメージの強さと考えてください。
目は活性酸素が発生しやすい環境であるため、その除去に働くルテインは目の健康維持に欠かさせない栄養素といえます。
このように目と深く関わり、抗酸化作用をもっているルテインには黄斑変性症や白内障といった目の病気を予防改善する効果があります。
黄斑に異常が起きる病気です。加齢や活性酸素によるダメージが原因とされ、視力の低下を引き起こします。
ルテインはもともと体内に存在していますが体内で作ることはできません。そして加齢とともに体内にあるルテインの量は減っていきます。なので食事などで外から積極的にルテインを取り入れることが必要となります。
※加齢とともにルテイン減っていくため黄斑変性症や白内障にかかりやすくなるともいわれています。
ルテインは、同じカロテノイドのキサントフィル類であるゼアキサンチンと常に一緒に存在しています。
ゼアキサンチン
ゼアキサンチンもルテインと同様に強い抗酸化力を持っているカロテノイドです。
ゼアキサンチンはルテインがあるところに必ず存在しています。そしてルテインと似た性質をもっています。というのもゼアキサンチンはもともとはルテインと同じもので、体内の代謝によってルテインが変換されたものがゼアキサンチンです。ルテインは代謝により必要量ゼアキサンチンに作り替えられます。
作り替えられたゼアキサンチンは黄斑の中心部に多く蓄積されます。
ルテインが黄斑部の周辺部に存在しているのに対しゼアキサンチンは黄斑部の中心部に存在しているので黄斑変性症の予防効果がより高いとされています。
ゼアキサンチンとルテインは構造異性体と呼ばれる関係です。
分子式は同じでも構造が異なる化合物のことをいいます。ルテインの構造異性体がゼアキサンチンということになります。
※厳密にいうとルテインはメソゼアキサンチンというものに変換されます。なので網膜の黄斑部に存在しているのはルテインから変換されたメソゼアキサンチンです。メソゼアキサンチンとゼアキサンチンは立体異性体という関係です。ゼアキサンチンと同じような働きをして、構造も似ています。立体異性体とは構造式は同じだけど、原子の空間的配置が違う異性体のことをいいます。まあ深く考えずにここではほぼ同じものと考えちゃってください。
繰り返しになりますが網膜の中心部にある黄斑部は最も光が集まる場所で、視覚にとって極めて重要で視力を支えている部分であります。
ゼアキサンチンはルテインとともにその強い抗酸化作用で黄斑部を活性酸素から守る役割を担っています。
ちなみに黄斑部には600種類以上あるといわれているカロテノイドのうち、ルテインとゼアキサンチンの2つしか存在していません。
ハゲ茶瓶の自宅の外では・・・
警察に通報だわ!!
ついに警察にハゲ茶瓶と若ハゲの居場所がばれてしまったのでした。