リノール酸 LDLコレストロール低下作用※

リノール酸

 

n-6系多価不飽和脂肪酸の1種

 

リノール酸とは

リノール酸について

  • リノール酸は脂肪酸の1種です。炭素数18、二重結合2つの多価不飽和脂肪酸です。
  • 二重結合の位置はメチル基末端から数えて6番目の炭素にあるのでn-6系多価不飽和脂肪酸(以下、オメガ6脂肪酸)です。
  • リノール酸は体内で合成できない必須脂肪酸です。
  • 日本人が食品から摂取するオメガ6脂肪酸の98%はリノール酸といわれています。
  • リノール酸は体内でγ-リノレン酸ジホモ-γ-リノレン酸アラキドン酸に代謝されます。

    リノール酸から【Δ6不飽和化酵素の働きにより】γ-リノレン酸が生合成されます。
    γ-リノレン酸は【Δ6脂肪酸伸長酵素の働きにより】ジホモ-γ-リノレン酸に変換されます。
    ジホモ-γ-リノレン酸は【Δ5不飽和化酵素の働きにより】さらにアラキドン酸へ変換されていきます。

    この代謝の流れをまとめると以下になります。

    リノール酸 γ-リノレン酸 ジホモ-γ-リノレン酸 アラキドン酸 

     

    ◆ リノール酸 → γ-リノレン酸 Δ6不飽和化酵素
    ◆ γ-リノレン酸 → ジホモ-γ-リノレン酸 Δ6脂肪酸伸長酵素
    ◆ ジホモ-γ-リノレン酸 → アラキドン酸 Δ5不飽和化酵素

  • リノール酸は 紅花油、ひまわり油、コーン油、大豆油といった植物油に多く含まれています。
  • リノール酸にはLDLコレストロールを低下させる作用があります。この作用はオレイン酸より優れています。
  • リノール酸は【体内で合成できない必須脂肪酸 & LDLコレストロールを低下させる作用を有する】成分のため 一見するとその摂取は体にとって良いと思われますが、一般的に摂取を控えることを推奨されています。
  • 次の段落にてその理由を説明します。

リノール酸の短所

  • 揚げ物が多い現代の食生活において、日本人はリノール酸を過剰に摂取している傾向があります。
  • リノールは取り過ぎるとLDLのみならずHDLコレストロールまで低下させてしまう作用があります。
  • またリノール酸の代謝物であるアラキドン酸からは「プロスタグランジン」「ロイコトリエン」といった炎症を促進させる物質が生成されます。
  • つまるところリノール酸を取り過ぎると血栓や炎症の発生リスクが増加することになります。
  • そのためオメガ3脂肪酸(DHA・EPAなど)を多く取ってオメガ6脂肪酸(リノール酸)を控えることが推奨されています。
  • オメガ6脂肪酸の代わりにオメガ3脂肪酸を取る理由は以下です。
    オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸の関係

    オメガ3脂肪酸(α-リノレン酸・DHA・EPA)とオメガ6脂肪酸は代謝酵素が共通です。なので一方が過剰であるともう一方の合成が低下することになります。

    オメガ6脂肪酸からは炎症を引き起こす物質が作られます。オメガ3脂肪酸はオメガ6脂肪酸の「代謝」と拮抗する(酵素を奪い合う)ことで抗炎症作用を発揮します。

  • なおオメガ6脂肪酸とオメガ3脂肪酸の理想の摂取バランスは2:1~4:1とされています。
    が、現代の食事にはオメガ6脂肪酸が含まれすぎておりバランスが10:1に、人によってはそれ以上(20:1~40:1)に崩れています。
  • リノール酸の必須脂肪酸としての必要量は約1g~2g/日とされてます。
    日本人の食事摂取基準ではリノール酸の目安摂取量は8g~11g/日(成人男性)・7g~8g/日(成人女性)となっています。
    が、実際の摂取量は13g~15g/日となっているとの報告がございます。
  • 以上の理由からリノール酸は取る栄養素というよりは、減らすべき栄養素といえるかもしれません。

摂取量について

目安摂取量
8g~11g
/日 成人男性
7g~8g/日 成人女性
オメガ6脂肪酸としてです
※目安摂取量は年代により異なります
※年代が上がるにつれ減らすことが推奨されています。下限である男性の8g、女性の7gはともに70代の目安摂取量です。

by 日本人の食事摂取基準(2015年版) 厚生労働省

 

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リノール酸の効果・効能

リノール酸の効果・効能 5つ厳選

  1. LDLコレストロールを減らす(※過剰になるとHDLも減らす
  2. 細胞膜の構成成分
  3. 皮脂の構成成分
  4. アシルセラミドの構成成分
  5. 美白ケア(by チロシナーゼ活性抑制)

そのうち1つを詳しく

①LDLコレストロールを減らす(過剰になるとHDLも減らす)

リノール酸にはLDLコレストロールを減らす作用があります。その作用はオレイン酸より強いとされています。なので適量摂取であれば冠動脈疾患の予防になります。

 

まずコレストロールについて簡単に説明したいと思います。

 

コレストロール

脂質の1種

脂質は中性脂肪・遊離脂肪酸・リン脂質・コレストロールの4種類

【供給源】

体内合成 70~80%
食事由来 20~30%

補足① フィードバック機構 

体内でのコレストロールは常に一定量が保たれるように調節されます。食事からの摂取量が多くなれば、体内での合成量は減ります食事からの摂取量が少なければ、体内での合成量は増えます

このフィードバック機構が破綻すると血液中に増えすぎて動脈硬化などを引き起こします。

補足② 12~13mg /kg/ 日

1日に体重1kgあたり12~13mgのコレストロールを合成するとされています。体重50kgだと1日で約600mg~650mgのコレステロールが作られます。

補足③ 約50%

食事由来のコレステロールはすべて吸収されるわけではありません。個人差はありますが一般的な吸収率は50%前後です。吸収されなかったものは糞便中に排泄されます。
またコレストロールは一緒にとる他の成分によっても吸収が変わります。例えば食物繊維を多く含む食事においては吸収率は下がります。

 

【どこで作られる】

主に肝臓 

小腸、副腎皮質などでも合成されます。

【なにから作られる】

アセチルCoA

アセチルCoAを出発基質として、30段階ほどの酵素反応を経て生成されます。アセチルCoAは糖質(グルコース)・脂質(脂肪酸)・たんぱく質(アミノ酸)の中間代謝物です。

【どこに分布】

脳・筋肉・肝臓などの臓器
血液中

【コレストロールの働き】

  • 細胞膜の構成成分
  • ホルモンの原料
  • 胆汁酸の原料
  • ビタミンDの前駆体

 

【コレストロールの移動】

体内で合成された・食事から摂取されたコレストロールは他の脂質とともにリポたんぱく質を形成して血中を移動します。
リポたんぱく質を構成している成分は、中性脂肪、コレステロール、リン脂質、たんぱく質(アポたんぱく質)です。これら成分の比重の違いにより、リポたんぱく質の「性質(機能)」が異なってきます

  • カイロミクロン
    食べ物からとった脂質(小腸で再合成されたもの)をエネルギーを必要とする組織に運ぶ。余ったものは肝臓に運ぶ。
    中性脂肪が85~90%、コレストロールが5~7%、リン脂質が4~6%、たんぱく質が1~2%
  • VLDL(超低比重リポたんぱく)
    肝臓でつくられた脂質(主に中性脂肪)を脂肪組織や筋肉などの末梢組織に運ぶ。
    中性脂肪が50~55%、コレストロールが19~20%、リン脂質が18~20%、たんぱく質が8~10%
  • LDL(低比重リポたんぱく)
    肝臓でつくられた脂質(主にコレストロール)を全身の組織に運ぶ。
    中性脂肪が10~11%、コレストロールが45~46%、リン脂質が20~23%、たんぱく質が20~22%
  • HDL(高比重リポたんぱく)
    肝臓、小腸、血液中でつくられて、血液中にたまったコレストロールを肝臓に運び戻す。
    中性脂肪が4~5%、コレストロールが18~22%、リン脂質が20~24%、たんぱく質が42~55%

 

【コレストロールの種類】

コレストロールは大きく悪玉と善玉に分けられます。
リポたんぱく質のLDLに含まれているコレストロールを【LDL-CLDLコレストロール悪玉コレストロール】と呼びます。
HDLに含まれているコレストロールを【HDL-C=HDLコレストロール善玉コレストロール】と呼びます。

LDLに含まれているコレストロールも、HDLに含まれているコレストロールも同じコレストロールです。コレストロールを運ぶ乗り物(リポたんぱく)の違いにより区別されているだけです。それなのに善玉と悪玉とわけられている理由は次です。

【コレストロールの特徴】

  • LDL
    LDLはコレストロールを必要とする組織に運搬する働きをします。そのコレストロールは細胞膜やホルモンの材料として使用されます。なのでLDLそのものは「悪玉」ではありません
    悪玉と呼ばれている理由は「余った」場合に体に悪影響を及ぼすからです。余ったLDLは血管壁に溜まり動脈硬化を進行させます

  • HDL
    HDLは全身をめぐって血液中にたまったコレストロールを肝臓に運び戻す働きをします。単に運び戻すだけでなく、動脈硬化が起きている場所(プラーク)からコレステロールを引き抜き、肝臓に回収し胆汁として排泄する働きをします。

 

さて冒頭で適量摂取であればリノール酸は冠動脈疾患の予防になると、「適量」を強調しました。これには理由があります。

リノール酸は過剰になるとLDLのみならずHDLも減らしてしまう作用をもちます。なので過剰になると動脈硬化を招くといった、まったくの真逆の結果になってしまいます。
それだけではありません。リノール酸の代謝物アラキドン酸には炎症を引き起こす生理活性物質プロスタグランジン、ロイコトリエンなど)が生成されます。これら物質もまた動脈硬化の原因となります。

ただ、これはあくまでも過剰になったケースです。適量を取ることを心掛ければ良い話です。
ですが、現代の食生活(揚げ物料理が多い)では、意識せずにリノール酸を多く摂取している傾向があります。
実際、リノール酸の必須脂肪酸としての必要量(約1~2g/日)の10倍以上をとっているとの指摘もあります。

以上より リノール酸は取る栄養素というよりは、減らすべき栄養素といえるかもしれません。

※あくまでも一般論です。ダイエット目的で脂質をほとんどとらない食生活をしている方などは必要量(約1~2g/日)に満たない可能性がでてきます。リノール酸の不足は皮膚障害や発育阻害を招きます。

 

 

働き分析に関して

リノール酸は過剰になると体に悪影響【HDLコレストロールを減らす&炎症を引き起こす物質を産生するアラキドン酸を増やす】を及ぼします。揚げ物が多い現代の食生活においてリノール酸は取り過ぎている傾向があります。一般論として「リノール酸は減らすべき脂肪酸」とされています。
これから行う働き分析において、これらを「前提」として点数をつけたいと思います。なのですべての項目にてマイナス1.5します。
他の栄養成分のレビューで過剰を想定して評価しているものはないので不公平な気もしますが、リノール酸にこの「前提」があるため予め点数をマイナスしたいと思います。なおすべての項目はマイナス1.5済みの点数です。

 

※リノール酸として評価する材料がない場合 その代謝物「γ-リノレン酸」でしております。内容と点数が伴わないのはその一部がアラキドン酸にも変換されるためです。

リノール酸γ-リノレン酸ジホモ-γ-リノレン酸アラキドン酸

※リノール酸の大部分はエネルギー源になる、そのためそれ以降の代謝物への変換率は微量である、だからアラキドン酸も別途で取る必要があるといった説もあります。ここではこの説は一旦置いておきます。

リノール酸の働き分析【見た目編】

合計 27.5/60点

カテゴリー別 点数

薄毛 4.5点

白髪 4.5点

美肌 7点

美白 7.5点

筋肉 2点

脂肪 2点

 
 

 

薄毛

4.5点

「薄毛」改善 に関わるリノール酸の働きは主に次です。

  1. 細胞膜の材料
    細胞膜は栄養素や酸素の取り込み・不要な老廃物の排出などの機能を果たします。その材料が足りなければ機能しなくなります。リノール酸は細胞膜の材料となります。
  2. 必須脂肪酸
    必須脂肪酸であるリノール酸などの不飽和脂肪酸は健康な頭皮環境を維持するための皮脂状態を保つ効果があります。

    参照 
    頭皮に必要な栄養素!必須脂肪酸とは? Peachy – ライブドアニュース LINE(株)HP

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白髪 

4.5

「白髪」予防 に関わるリノール酸の働きは主に次です。

  1. 細胞膜の材料
    白髪の主な原因は、メラニンをつくる色素細胞(メラノサイト)そのものの減少または色素細胞の機能低下によるメラニン量の減少です。
    減少や機能低下の原因はさまざまですが、細胞の原料不足や血流の悪化は原因の1つとして挙がります。
    リノール酸は細胞膜の原料です。
    またその代謝物であるγ-リノレン酸から生成される善玉のプロスタグランジンには血管拡張作用があります。
  2. 馬油
    馬油が肌や髪(頭皮)に良いという話をご存知でしょうか。
    理由は馬油の脂肪酸組成が人間の皮脂の脂肪酸組成と似ているからです。

    そのため馬油は皮膚への浸透力が非常に高く、染み込んだ先で馬油のもつ保湿効果・抗炎症効果・血行促進効果を発揮することができます。

    馬油に多く含まれる脂肪酸はオレイン酸・パルミトレイン酸・リノール酸・リノレン酸といった不飽和脂肪酸です。

    参照
    馬の油で毛が生える!?白髪や抜け毛を防ぐその凄すぎる効果とは?
     アサ芸+ (株)徳間書店HP

    【 送料無料 】 薬師堂 尊馬油 ソンバーユ ヘアケアセット [シャンプー ボトル400ml・リンス ボトル400ml 合計2本 毛髪用1本 ] | 馬油 頭皮 頭皮用 頭髪用 オイル 乾燥 かゆみ クレンジング 白髪 頭皮 湿疹 効果 フケ 髪 くせ毛 トリートメント

     

 

美肌

7点

「美肌」作り に関わるリノール酸の働きは主に次です。

  1. 乾燥・バリア機能(by 皮脂の構成成分)
    皮膚の表面は皮脂で覆われています。

    これを皮脂膜といいます。皮脂膜は肌の水分蒸散を防ぐ役割&外界からの異物の侵入を防ぐ役割を果たしています。

    皮脂にはリノール酸が含まれています。乾燥・バリア機能に関与する脂肪酸の1つです。

  2. 乾燥・バリア機能(by アシルセラミドの構成成分)
    表皮の角質層を構成する角質細胞の間には、「細胞間脂質」という脂質があります。

    細胞間脂質は細胞と細胞をつなぎとめており、肌のバリア機能と水分保持機能の役割を果たしています。
    細胞間脂質の半分以上はセラミドで占められています。セラミドは表皮におけるバリア機能と水分保持機能に深く関わる成分です。

    向かって左がセラミドが十分な肌で、右が不足している肌のイメージです。

    ◆セラミド
    セラミドはスフィンゴシンと脂肪酸がアミド結合した化合物の総称をいいます。セラミドはスフィンゴイド塩基と脂肪酸の組み合わせにより細かくわけると300種類以上あるとされます。

    細かなセラミドを大別すると12種類にわけることできます。その中でも肌のバリア機能や水分保持にとって重要な働きをするセラミドをアシルセラミドと呼びます。

    アシルセラミドは、3つの成分で構成されています。そのうちの1つがリノール酸です(残り2つは長鎖塩基,オメガ水酸化超長鎖脂肪酸)。

    富士フイルム アスタリフト ジェリーアクアリスタ 40g【リニューアル新商品】【国内正規品】

     

    参照 
    皮膚バリア形成に最も重要な脂質(アシルセラミド)の産生の 分子機構の全容を解明
    プレスリリース 北海道大学HP

 

美白

7.5

「美白」ケア に関わるリノール酸の働きは主に次です。

  1. チロシナーゼ活性抑制
    シミができるメカニズムを簡単に説明します。
    ※イラスト中の活性酵素は活性酸素に訂正してご覧ください。

    ①肌に活性酸素が大量発生する

    紫外線を浴びると活性酸素が肌の真皮層に大量に発生します。その活性酸素は皮膚組織に入りこみ表皮にあるケラチノサイト、真皮にある繊維芽細胞を刺激します。これら細胞からは情報伝達物質が生成されます。情報伝達物質は表皮最下部にあるメラノサイトを刺激します。

    ②メラノサイト内のチロシナーゼが活性される

    メラノサイトが刺激されるとメラノサイト内にある酵素チロシナーゼが活性されます。この酵素がメラノサイト内にあるチロシンと結合することでメラニンが生成されます。なのでチロシナーゼが活性されると肌にたくさんメラニンが作られます。

    ③肌のターンオーバーとともに排出されないと・・・


    通常ではあればメラニンは肌のターンオーバーとともに排出されます。肌のターンオーバーが乱れると肌の細胞に色素沈着し、シミとなって肌表面に現れます。

    このメカニズムからシミの予防・改善には【①活性酸素の攻撃を防ぐ】こと【②チロシナーゼの活性を阻害する】こと【③肌のターンオーバーを促進させる】ことが必要となります。

    リノール酸は②チロシナーゼの活性を阻害するに貢献する成分です。

    リノール酸にはチロシナーゼを分解する作用があります。それによりメラニンの生成を抑制する働きをします。そのため美白ケア化粧品によく配合されています。

    ただ美白ケアとしては浸透性が高すぎるといった欠点があります。その欠点を改善したリノール酸Sが美白ケア化粧品の主流となっています。

    リノール酸S

    サンスターグループが開発した「リノール酸をリポソーム化させることで、水溶性の製剤中での安定化を図る&角質層への浸透力を高める」成分です。
    「メラニンの生成を抑制し、シミ、そばかすを防ぐ」医薬部外品の有効成分として2001年に厚生労働省から認可を取得しています。

    サンスター エクイタンス ホワイトロジークリームA 40g〈薬用美白クリーム〉

     

  2. バリア機能
    リノール酸は肌のバリア機能に深く関わる成分です。イコール紫外線に対する(=シミに対する)抵抗力を高める成分ともいえます。

 

筋肉

2

「筋肉」増強 に関わるリノール酸の働きは主に次です。

  1. 筋損傷の緩和
    トレーニングによるダメージを上手にケアすることが、今後のパフォーマンスを左右します。
    ダメージ=筋肉の損傷です。
    なので(運動時に誘発される)筋損傷を抑制する成分や、筋損傷の回復を亢進する成分を取ることは早期回復、しいてはパフォーマンスレベルの向上につながります。
    リノール酸の代謝物γ-リノレン酸には筋損傷を抑制する働きが期待できます。γ-リノレン酸から産生されるプロスタグランジンE1に抗炎症作用があるからです。

    株式会社コーワテクノサーチ イッチノン 110粒(γ-リノレン酸・ビタミンE)【全商品楽天最安値に挑戦】

     

 

脂肪

2点

「脂肪」減少 に関わるリノール酸の働きは主に次です。

  1. HYA
    リノール酸の過剰摂取は肥満の原因となります。現代の食生活ではリノール酸を多く取り過ぎている傾向があるのでダイエットを目的とするならばリノール酸は取るべき成分ではありません

    ただリノール酸そのものが、ダイレクトにイコール肥満というわけではありません。例えばリノール酸が腸内細菌による代謝を受けて生成されるHYAには、肥満やインスリン抵抗性を改善する作用があるとされています。 

    参照
    ポストバイオティクス® 日東薬品工業(株)HP
    腸内細菌の力で肥満を防ぐ リノール酸から作られたHYAの働き 農工大らの研究 (株)財経新聞社HP

  2. 脂肪肝
    肝臓に中性脂肪が過剰に蓄積されている状態のことを脂肪肝といいます。脂肪肝はアルコール性と非アルコール性の2種類があります。
    前者は「アルコールの飲みすぎ」による脂肪肝で、後者は生活習慣(過栄養、偏った食生活、運動不足)や遺伝による脂肪肝です。

    アルコール性の脂肪肝の予防・改善にオメガ6脂肪酸のγ-リノレン酸が有効かもしれません。というのもγ-リノレン酸にはアルコールの代謝を促進する作用あるからです。

    ブラックカラント シードオイル(ガンマリノレン酸高含有カシス種子) 600mg 90粒

     


    リノール酸はγ-リノレン酸の前駆体です。

 

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リノール酸の働き分析【中身編】

合計 26/60点

カテゴリー別 点数

身体 7点

エネ 7点

病気 1.5点

体質 2.5点

精力 2.5点

健脳 5.5点

 

身体

7

「身体」の構成材料 に関わるリノール酸の働きは主に次です。

  1. 細胞膜やホルモンの原料
    オメガ6脂肪酸は体内で細胞膜やホルモンの原料となります。リノール酸はオメガ6脂肪酸の代表です。リノール酸は体内で作ることができないため、外から摂取する必要があります。

    日清 ピュアグレープシードオイル 400g×6本セット【区分C】 hs

     

 

エネ

7点

「エネルギー」生成 に関わるリノール酸の働きは主に次です。

  1. エネルギー源
    脂質は3大栄養素の中で最も効率の良いエネルギー源です。脂質のうちエネルギー源となるのは脂肪酸です。うち飽和脂肪酸が主要なエネルギー源です。

    不飽和脂肪酸は主に細胞膜の材料となったり、生理活性物質として働きます。
    不飽和脂肪酸はエネルギーとしても利用されます。リノール酸はn-6系多価不飽和脂肪酸に分類されます。

    植物性オメガ3・6・9脂肪酸 1000mg(必須脂肪酸ミックス)100粒 [サプリメント/健康サプリ/サプリ/DHA/EPA/now/ナウ/栄養補助/栄養補助食品/アメリカ/ソフトジェル/サプリンクス]

     


 

病気

1.5点

「病気」予防 に関わるリノール酸の働きは主に次です。

  1. 冠動脈疾患
    リノール酸にはLDLコレストロールを減らす作用があります。なので冠動脈疾患の予防になります。ただ、リノール酸を過剰摂取するとLDLコレストロールだけでなくHDLコレストロールも減らしてしまいます

    ※現代の食生活においては過剰になり気味なので、冠動脈疾患の予防のために取る必要はありません。場合によっては減らす必要があるかもしれません。

    健康寿命を延ばそう! 機能性脂肪酸入門 アルツハイマー症、がん、糖尿病、記憶力回復への効果 [ 彼谷 邦光 ]

     

 

体質

2.5点

「体質」改善 に関わるリノール酸の働きは主に次です。


  1. リノール酸が腸内細菌による代謝を受けて生成されるHYAには、腸管バリア保護作用があるとされています。 

    参照
    ポストバイオティクス® 日東薬品工業(株)HP

  2. γ-リノレン酸関連
    リノール酸は代謝されるとγ-リノレン酸に、さらにジホモ-γ-リノレン酸に変換されます。これら代謝物には以下の働きがあります。

    ①アトピー
    γ-リノレン酸の代謝物ジホモ-γ-リノレン酸から産生されるPGE1(プロスタグランジンE1)には抗炎症作用や末梢血管拡張作用があります。そのためアレルギーを抑える効果が期待できます。特にアトピー性皮膚炎に対して効果があります。

    ②関節痛
    PGE1の抗炎症作用は関節の炎症にも有効です。

    ③ドライアイ
    研究によりγ-リノレン酸がドライアイの症状緩和に効果があることが示唆されています。

    参照
    ドライアイ(角膜乾燥症) Vision Smart Center HP

    ④胃の保護
    γ-リノレン酸から産生される善玉プロスタグランジンには胃液の分泌を調整し、胃の粘膜を保護する働きがあります。

    ⑤二日酔い
    γ-リノレン酸はアルコールの代謝を促進します。二日酔いの予防・緩和効果が期待できます。

    リノール酸はγ-リノレン酸→ジホモ-γ-リノレン酸→アラキドン酸と代謝されます。アラキドン酸からはアレルギー症状を誘発する生理活性物質が生み出されます。

    【中古】 これだけは知っておきたいアラキドン酸カスケードQ&A これだけは知っておきたい /室田誠逸(編者) 【中古】afb

     

 

精力

2.5点

「精力」増強&「性機能」向上 に関わるリノール酸の働きは主に次です。

  1. PMSの症状緩和
    生理痛は、月経期に子宮内膜で生じた過剰なプロスタグランジンにより起こります。

    【第(2)類医薬品】武田CH フェリア 24包

     


    生理に関与するプロスタグランジンは3種類あります。E1、E2、E3です。

    プロスタグランジンE2子宮平滑筋を強く収縮させる作用があります。つまりこれが生理痛の原因となります。
    一方でプロスタグランジンE1にはプロスタグランジンE2の作用を抑制する=生理痛を軽くする働きあります。プロスタグランジンE3には子宮の過剰な収縮を抑える作用があります。

    なので同じプラスタグランジンでもE1やE3を増やすことでPMSの症状を緩和することができます。

    オメガ6脂肪酸の代謝の流れは【リノール酸→γ-リノレン酸→ジホモ-γ-リノレン酸→アラキドン酸】となります。このうちジホモ-γ-リノレン酸はプロスタグランジンE1の原料となります。
    ※ただしプロスタグランジンE2の原料となるのがアラキドン酸です。

    参照 
    生理痛をやわらげる食べもの3つ Peachy – ライブドアニュース LINE(株)HP

 

健脳

5.5

「脳」の健康 に関わるリノール酸の働きは主に2あります。

  1. 脳の細胞膜
    脳の細胞膜のリン脂質には多価不飽和脂肪酸であるDHAとアラキドン酸が多く含まれています。アラキドン酸は情報伝達に関与している物質で、記憶力や学習能力を向上させる働きをします。アラキドン酸は「脳」にとっては重要な存在です。リノール酸はアラキドン酸の前駆体です。

    【ポイント5倍】いつまでも前向きで聡明な毎日のためにオメガ脂肪酸を!アラキドン酸(ARA)配合 オメガエイド 180粒

     

  2. LTP
    新しい記憶は脳の海馬が、古い記憶は脳の大脳皮質が関係しています。

    海馬においてシナプス伝達効率が長期的に上昇する現象のことを長期増強=LTP(Long-term potentiationの略称)といいます。
    ラット実験によりアラキドン酸にLTPの低下を改善させる働きがあることが確認されています。

 

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リノール酸のサプリメント分析

合計 13/20点

カテゴリー別 点数

継続(価格は安いか) 3.5点

手軽(購入ルートは多いか)4.5

選択(品揃えは豊富か)4.5点

貴重(食品から取りづらいor不足しやすいか)0.5

 
  1. 継続
    リノール酸をサプリメントから摂取すると考えた場合、オメガ6脂肪酸が含まれているサプリがあてはまると思います。

    スーパーオメガ 3・6・9 1200mg 90粒[サプリメント/健康サプリ/サプリ/DHA/EPA/now/ナウ/栄養補助/栄養補助食品/アメリカ/ソフトジェル/サプリンクス]

     


    こちらの商品は45日分でおよそ1500円です。

  2. 手軽
    オメガ複合体のサプリはネットからの購入が主となります。
    ここでは特例としてリノール酸が含まれている植物油をリノール酸のサプリの一員として評価したいと思います。植物油はどこでも売っています。
    ※特例のためマイナス0.5
  3. 選択
    某ECサイトで「リノール酸 サプリメント」検索すると約5200件ヒットします。ただし含有成分の一部またはCLA(共役リノール酸)のサプリメントとしてヒットします。
    ここでは特例としてリノール酸が含まれている植物油をリノール酸のサプリの一員として評価したいと思います。ということで選択肢は多いです。
    ※特例のためマイナス0.5
  4. 貴重
    リノール酸は植物油全般に含まれています。必須脂肪酸ではありますが、食事をしていれば不足することはありません。どんなに偏った食生活でも、食事をすれば必要量は取れます。それどころか知らず知らずに多くとっている可能性もあります。

 

 

おすすめ品

おすすめ理由
リノール酸を体内に取り入れると考えた場合、市販の食用油で十分だと思います。というか余程のこと(ダイエットで脂質を取っていないなど)がない限り、リノール酸を体内に取り入れることを考える必要はないと思います。

あえて「サプリから」と考えた場合は、オメガ複合体サプリからとるとよいと思います。

 

 

 

リノール酸との組み合わせ

リノール酸と相性の良い成分 2つ厳選

  1. オメガ3脂肪酸
  2. オメガ9脂肪酸

 

そのうち2つをPICK UP

①オメガ3脂肪酸 ②オメガ9脂肪酸

リノール酸およびオメガ6脂肪酸は「悪」みたいな風潮がございますが、これはあくまでも取り過ぎた場合です。必須脂肪酸なので絶対に取らなければいけない脂肪酸ですし、適量ならば体にプラスに働きます。

ただし意識して減らさないと必要量以上に取れてしまうことがリノール酸の欠点といえます。

脂肪酸はとにかくバランスよく取ることが大事です。脂肪酸の理想の摂取バランスは以下です。

飽和脂肪酸:一価不飽和脂肪酸:多価不飽和脂肪酸=3:4:3
 
n-6系多価不飽和脂肪酸:n-3系多価不飽和脂肪酸=2~4:1

たいていの人は この理想のバランスでとれてません。特に下段に関しては20~40:1とかけ離れている方もいます。なので世間的にオメガ6脂肪酸を減らしてオメガ3脂肪酸を取りましょうみたいな流れになっています。

相乗効果という面では
例えばオメガ9脂肪酸の代表オレイン酸のLDLコレストロール低下作用はオメガ6脂肪酸のリノール酸と一緒にとることで効果が高まるといわれています。
例えばオメガ3脂肪酸の代表DHAとオメガ6脂肪酸の嫌われ者アラキドン酸を3カ月間摂取したところ、心循環の改善が認めたとの報告があります。

 

リノール酸のまとめ

リノール酸の評価

総合評価 D  66.5点 

分析【見た目編】27.5

分析【中身編】26

分析【サプリ】13

 

 

リノール酸 LDLコレストロール低下作用※ 参照一覧

植物油に含まれる脂肪酸 一般社団法人 日本植物油協会HP

脂質による健康影響 農林水産省HP

コレストロール 公益財団法人 健康・体力づくり事業財団

サントリーウエルネスOnline オメガエイド サントリーウエルネス(株)HP

油のリノール酸、摂りすぎるとアレルギーを引き起こす可能性 NEWSポストセブン (株)小学館

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