レスベラトロール
ポリフェノールの1種
ノンフラボノイドの1種
レスベラトロールとは
二次代謝物
植物には(外的な環境に適応するため、)さまざまな機能をもつ数多くの成分が含まれています。
植物に必須の【細胞成長、発生、生殖、恒常性維持など生命活動に直接関与する】化合物を一次代謝物といいます。それは植物の体内で産生される化合物で、糖やアミノ酸などが当てはまります。
一次代謝物から派生した【生命活動に直接関与しない】化合物を二次代謝物といいます。
二次代謝物は、【生命活動に直接関与しない】ものの【生存戦略において必要】なものです。
二次代謝物には例えば
- 紫外線防御物質
有害な紫外線から細胞を守る - 抗菌物質
病原菌に対する感染を防ぐ - 忌避物質
昆虫や小動物による食害を妨げる
.
としての機能があります。
植物はこれら機能を活用することで、様々な環境ストレスに適応することができます。
二次代謝物はいうなれば、植物がその「種」の生き残りをかけて、編み出してきた特別な「知恵」です。
前置きが長くなりました。
植物の二次代謝物の代表ともいえるのが、ポリフェノールです。
ポリフェノール
ポリフェノールとは、同一分子内に複数のフェノール性水酸基(-OH)をもつ化合物の総称です。
複数(ポリ)のフェノールでポリフェノールと呼ばれます。
自然界に数千種類存在します。
ポリフェノールには フラボノイド、スチルべノイド、リグナン、タンニン、フェニルプロパノイドなど様々なグループが存在します。
これらグループはさらに細分化され、その種類は合計5000以上にもなります。
スチルべノイド
レスベラトロールは、ポリフェ―ノールのスチルべノイドに分類されます。
ここで、スチルべノイドについてのポイントを3つあげます。
スチルベノイド
POINT①
スチルべノイドはスチルベン【C6‐C2‐C6の炭素数14】の基本骨格から構成される化合物群の総称です。
POINT②
植物が病原菌の感染を受けると、自分を守るため抗菌物質を作ります。この成分をファイトアレキシンといいます。スチルべノイドはファイトアレキシンの1つです。
POINT③
スチルべノイドはモノマー体・オリゴマー体・それら配糖体として存在します。
- モノマー
単量体 - ポリマー
モノマーが結合した重合体 - オリゴマー
比較的少数のモノマーが結合した【化学構造の単位がポリマーほどではない】重合体モノマー2分子からなる重合体→二量体
モノマー3分子からなる重合体→三量体 - 配糖体
糖が結びついた化合物
レスベラトロールはスチルべノイドの構成単位
スチルベンモノマー体はこちらです。
図1 ■スチルベンオリゴマーを形成するモノマ一体出典元
特異なポリフェノール-植物スチルベンオリゴマーの化学と多様な生物活性
PDFページ 2/8
J-STAGE
レスベラトロールはスチルベンモノマーです。
スチルべンオリゴマーの構成単位の1つです。
モノマーの中で、最も多くのスチルべンオリゴマーの構成単位となっています。
モノマー体のうち, resveratrol(1)は 最も数多くのオリゴマー体の構成単位であり, その酸化誘導体であ るpiceatannol(2),isorhapontigenin(3), oxyresveratrol(4)は存在が限られている.
引用元
特異なポリフェノール-植物スチルベンオリゴマーの化学と多様な生物活性
PDFページ 2/8
J-STAGE
※レスベラトロール以外にpiceatannol ピセアタンノールは覚えておいてください。後ほど登場します。
レスベラトロールには種類がたくさん
大事なことなのでもう一度いいます。
レスベラトロールはスチルベンモノマー=スチルべンオリゴマーの構成単位です。
なのでレスベラトロールといっても、それ一つの成分でなく、数種類存在します。
- 【モノマー体】レスベラトロールには、
- 【オリゴマー体】レスベラトロール二量体・三量体・四量体や
- 【配糖体】それらレスベラトロール配糖体
.
が存在します。
例えば、レスベラトロール二量体でも数種類あります。
二量体をざっとあげただけでも、これだけあります。
図2 ■ resveratrol より生成された スチルベン二量体出典元
特異なポリフェノール-植物スチルベンオリゴマーの化学と多様な生物活性
PDFページ 2/8
J-STAGE
また、レスベラトロールには、化学構造の違いによりtrans(トランス)型とcis(シス)型があります。
出典元
レスベラトロールについて
ワカサプリストア
(株)フジテックス
トランス型は安定した状態(=紫外線や熱に強い)、シス型は不安定な状態(=紫外線や熱などにより酸化されやすい)の性質をもちます。トランス型・シス型は、生体内での利用の度合い・作用などが異なると考えられています。
というわけで、レスベラトロールといっても、それ一つの成分でなく、数種類存在します。
レスベラトロール類
なので、レスベラトロールは厳密にいうと「レスベラトロール」ではなく「レスベラトロール類」ということになります。
例えば、ワイン(原料 黒ブドウ)に含まるレスベラトロール類を大別すると、以下の3つになります。
- レスベラトロール
- パイシード
レスベラトロール配糖体 - ビニフェリン
レスベラトロール二量体
出典元
ぶどう中のレスベラトロール
抗酸化機能分析研究センター 国立大学法人 旭川医科大学
それではサプリの「レスベラトロール」って、いったいどんな種類のレスベラトロール類が含まれているのか?といった疑問が浮かぶかもしれません。
JHFAマークでお馴染みの公益財団法人 日本健康・栄養食品協会では、
サプリの「レスベラトロール」の原料は、
次の3つの「トランスレスベラトロール及びその二量体等の重合体、もしくはそれらの配糖体を含むスチルベノイドポリフェノールの総称」と定義しています。
- ブドウ由来
- メリンジョ由来
- リンゴンベリー由来
ここでいうレスベラトロールとは、ブドウ、リンゴンベリー、メリンジョなどに含まれるトランス‐レスベラトロールおよびその二量体等の重合体、もしくはそれらの配糖体を含むスチルベノイドポリフェノールを総称していう。
引用元
「レスベラトロール食品」規格基準の設定について(公示)
公益財団法人 日本健康・栄養食品協会
JHFAの定義においては、シス型のレスベラトロールは「レスベラトロール」には該当しないということになります。
有名どころを紹介
レスベラトロール類の種類の有名どころをざっとあげると以下になります。
なお、有名かどうかは個人感です。
名称 | 形態 |
レスベラトロール | |
パイシード | レスベラトロール配糖体 |
ε-ビニフェリン | レスベラトロール二量体 |
δ-ビニフェリン | レスベラトロール二量体 |
グネチンC | レスベラトロール二量体 |
パリドール | レスベラトロール二量体 |
α-ビニフェリン | レスベラトロール三量体 |
ミヤベノールC | レスベラトロール三量体 |
ホペアフェノール | レスベラトロール四量体 |
バチカノールC | レスベラトロール四量体 |
※レスベラトロールには、trans(トランス)型とcis(シス)型があります。
3つの原料【ブドウ・メリンジョ・リンゴンベリー】かつ、これらのトランス型が、JHFAマークを表示できる可能性を秘めた「レスベラトロール」サプリになるのだと思います。
変な表現になっている理由は、これ以外にも条件(含有成分量など)があるからです。後ほど説明します。
覚えておくべきはこの5つ
このように、レスベラトロール類の種類はたくさんあります。
とはいえ、すべて覚える必要はなく、この中で覚えておくべきは次の4つ(5つ)です。
※下線部は個人感。
- レスベラトロール
- パイシード
レスベラトロール配糖体 - ε-ビニフェリン
レスベラトロール二量体 - グネチンC
レスベラトロール二量体
- ピセアタンノール
レスベラトロール酸化誘導体
最後のピセアタンノールは先の表にはありません。レスベラトロールはスチルべンオリゴマーの構成単位の段落で注釈しておいたものです。
ピセアタンノールを覚えておくべきとしている理由は、こちらをご覧になればお分かりいただけると思います。
パセノール™ 森永製菓(株)
原料によって含まれるレスベラトロール類が違う
さて、レスベラトロールのサプリに使われる3つの原料【ブドウ・メリンジョ・リンゴンベリー】に含まれるレスベラトロールの種類は異なります。
種類が異なるというか、各原料により含有されるレスベラトロール類の特徴があります。
その特徴をざっとまとめます。
- ブドウ由来
リンク
二量体ε-ビニフェリンが多く含まれる
ブドウにはRSVの他に二量体のε-ビニフェリンが比較的多く含まれる。
引用元
レスベラトロールの健康長寿効果について~最近の話題~
PDFページ 3/10
J-STAGE - メリンジョ由来
リンク
二量体グネチンCが多く含まれる
メリンジョは、レスベラトロール二量体(グネチンC)を豊富に含んでいます。
引用元
メリンジョ由来レスベラトロールとは
みつばち健康化学研究所 - リンゴンベリー由来
リンク
単量体トランスレスベラトロールが多く含まれる
その真っ赤な果実には、体内で有効に働くトランス型のレスベラトロールを豊富に含んでいます。北欧の過酷な環境で育つサンタベリーは、ブドウなどと比較してもより多くのレスベラトロールを含むことがわかっています。
引用元
レスベラトロールとは
医療機関サプリメント情報
(株)わかさ生活
この特徴をもとに、各原料における「レスベラトロール」サプリにおける【含有成分量についての】定義は以下のようになっています。
- ブドウ由来
トランスレスベラトロールを0.01%以上を含有している。
少なくとも10%以上のε-ビニフェリンを含有している。
など - メリンジョ由来
トランスレスベラトロール、グネチンCその配糖体であるグネモノシドA、Dの総量が少なくとも10%以上である。
など - リンゴンベリー由来
トランスレスベラトロールを2%以上含有している。
リンゴンベリー由来であることをアントシアニン組成から確認できる。
など
※%は、おそらく総レスベラトロール類の量に対して
参照
レスベラトロール、JHFA規格基準が公示(2013.7.11)
(株)健康産業流通新聞
公益財団法人 日本健康・栄養食品協会のHPで調べてみましたが、それらしい記載はありませんでした。あしからず。
第4の原料 イタドリ
さて、3つ【ブドウ・メリンジョ・リンゴンベリー】はあくまでも、日本で、レスベラトロールサプリとして販売できる原料です。
もう1つ、レスベラトロールの原料として有名な素材があります。
それはイタドリです。
イタドリ(虎杖)はタデ科の多年生植物です。
その根茎である虎杖根は漢方薬として利用されています。
イタドリは痛みを和らげるという意味の「痛取り」から由来していると言われています。
イタドリ由来レスベラトロールの特徴は次です。
- イタドリ由来
リンク
パイシードが多く含まれる
RSVの配糖体,パイシード(第1図)は,イタドリ根である漢方薬「虎杖根(コジョウコン)」の主成分である。
引用元
レスベラトロールの健康長寿効果について~最近の話題~
PDFページ 3/10
J-STAGE
日本ではイタドリの根茎は生薬であり、薬事法における「医薬品」です 。なので食品などに用いることができません。日本でイタドリ由来レスベラトロールを原料としたものは「無承認無許可医薬品」にあたります。
イタドリの根茎が医薬品区分なのは、緩下作用や利尿作用があるエモジンという成分が含まれているからです。
レスベラトロールの原料が日本で認められている3つ【ブドウ・メリンジョ・リンゴンベリー】由来であるかを調べる場合、エモジンが検出されないか否か【エモジン確認試験法によりエモジンを検出しないこと。(検出限界5ppm)】が安全・衛生基準に含まれています。
海外のサプリはイタドリ由来が多い
というわけで、イタドリ由来レスベラトロールサプリは、海外のみで販売されているサプリで、(手に入れるとしたら)個人輸入代行サイトの直サイトで手に入れることができます。
※医薬品なので基本ECサイト経由からでは購入できません。
海外のレスベラトロールサプリの主流は、むしろイタドリ由来です。
海外のレスベラトロールサプリの原料表示にある
from Japanese knotweed
from Polygonum cuspidatum
これイタドリ由来のことです。
海外のレスベラトロールサプリでイタドリ由来以外の3つ(とくに、メリンジョ・リンゴンベリー)は、あまり見かけません。
これは、イタドリが他の3つに比べ非常に安価であるのが主たる理由だと思われます。
レスベラトロールのサプリの選択基準
今までの話をざっとまとめると、
レスベラトロールは
- それ1つの成分ではなくレスベラトロール類で
- レスベラトロール類には種類がいろいろあって、
- サプリの原料も4つあり、
- 各々、特徴(含有されている種類や量)が異なる
それゆえ
いったい何を基準にレスベラトロールサプリを選択すればよいのかと思われるかもしれません。
ここで選択基準2つ【建前と本音】紹介します。
ここでの建前は、一般論
本音は、個人的な考えと捉えてください。
◆建前
昨今、レスベラトロールの【さまざまな効果】の論文が報告されています。
- 抗酸化作用
(LDLコレステロール酸化の阻害効果) - 血小板凝集阻害作用
(血栓症予防の効果) - 抗がん作用
- 抗炎症作用
- 寿命延長
.
など
その論文の多くが、トランスレスベラトロールによる研究です。
なので、トランスレスベラトロールがもっとも重要であると考えられます。
ということで、日本で認められている3つの原料のどれかで、
トランスレスベラトロール単量体の配合量が多いものを選択するのがよいかと思います。
この場合、成分表示が、総レスベラトロール 何mg/1粒 ではなく、
トランスレスベラトロール 何mg/1粒といった感じに、別途にトランスレスベラトロールの量がしっかりと記載されていることが重要です。
総レスベラトロールの量を記載していて、「うち、トランスレスベラトロール %」としているものでも、量は把握できます。
◆本音
本音の選択基準は大きく異なります。
建前で重視した2点
- 日本で認められている3つの原料
- トランスレスベラトロールの配合量が多いもの
前者はまったく気にしません。
後者はそこそこ気にします。
自身は海外のサプリで、有名なメーカーのリーズナブルなものを選択するようにしています。
別に日本のサプリでもいいのですが、リーズナブルという点では海外のもの【安価なイタドリを原料としているのが多いのため】が断然上になるので「海外の」限定となります。
なお有名なメーカーかどうかは、個人感です。
単に安けりゃいいみたいな感じに聞こえるかもしれませんが、ちゃんとした理由があります。
理由を説明します。
本音の選択基準 理由2つ
理由①
レスベラトロール「類」も大切
建前の選択基準で「総レスベラトロール 何mg/1粒 ではなく、トランスレスベラトロール 何mg/1粒」であるかを確認すべきと述べました。
ようは、「トランスレスベラトロールの量が重要なので、総レスベラトロールの量でだまされないように」ということを言いたかったわけです。
が、自分は「トランスの量にそこまでこだわらず、とりあえず総レスベラトロールの量が多い」でOK的なことにしています。
レスベラトロール類は大別するとこの3つになります。
- レスベラトロール
レスベラトロール単量体 - パイシード
レスベラトロール配糖体 - ビニフェリン・他
レスベラトロール重合体
細かくいうとこんな感じです。
名称 | 形態 |
レスベラトロール | |
パイシード | レスベラトロール配糖体 |
ε-ビニフェリン | レスベラトロール二量体 |
δ-ビニフェリン | レスベラトロール二量体 |
グネチンC | レスベラトロール二量体 |
パリドール | レスベラトロール二量体 |
α-ビニフェリン | レスベラトロール三量体 |
ミヤベノールC | レスベラトロール三量体 |
ホペアフェノール | レスベラトロール四量体 |
バチカノールC | レスベラトロール四量体 |
さらにいうとレスベラトロールはtrans(トランス)型とcis(シス)型があります。
ここで声を大にしていいたいのは、
ということで決してなく、重合体や配糖体も生理機能をもっていって、体内で十分に活躍する。
です。
ブドウやワイン中にはリスベラトロール単量体だけでなく,その重合体(最も著名なものはビニフェリン)が存在し,それらの化学的及び生理学的重要性が明らかにされつつある 。
引用元
ワインのリスベラトロール (I)
PDFページ 3/16
J-STAGE
が、パイシード(配糖体)、ビニフェリン(重合体)これらもまた活躍します。
リスベラトロールやパイシードのような一量体だけでなく,リスベラトロールの二量体であるε-ビニフェリン,三量体であるa-ビニフェリンも存在し,これらもまたファイトアレキシンとして働く.
引用元
リスベラトロール
J-STAGE
植物が病原菌の感染を受けると、自分を守るため抗菌物質を作ります。この成分をファイトアレキシンといいます。
さらにいうと、レスベラトロールの有する効果の中には、トランスレスベラトロールより、有用性が優れているケースがあります。
次に、天然由来バイオフェノールのグネチンCが、同じくトランスレスベラトロール二量体であるε-ビニフェリンやレスベラトロール単量体に比べ、より効果的に内因性Aβ42産生を抑制し、さらに外来Aβ42によるcell viabilityの低下を改善することを明らかにした。
引用元
ハーブ精油成分の新機能に基づく認知症の先制医療に向けたアミロイドβの制御法の開発
KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)
ということで、
ここで、もう一度レストベラトロールサプリの定義(by 公益財団法人 日本健康・栄養食品協会)を確認します。
「レスベラトロール」は、
3つ【ブドウ・メリンジョ・リンゴンベリー】の原料の「トランスレスベラトロール及びその二量体等の重合体、もしくはそれらの配糖体を含むスチルベノイドポリフェノールの総称」です。
ただ、シスレスベラトロールもまた トランスレスベラトロールと同様にさまざまな効果があるとされています。
トランス-レスベラトロールからシス-レスベラトロールへの化学的な変換は、紫外線照射による異性化反応の結果ですが、シス-レスベラトロールもトランス-レスベラトロールと同様にさまざまな疾病予防効果が期待されています。
引用元
レスベラトロールの化学と機能
PDFページ 1/6
レスベラトロール研究会
運営 (株)わかさ生活
ということで、自身は特にトランスレスベラトロールの量にこだわっていません。
ResVinol-25®(レスビノール25)は、赤ワインマトリックスとイタドリの根から抽出したポリフェノールとトランスレスベラトロールを濃縮した、独自のエキスです。レスベラトロールにはトランス型とシス型の2種類があります。ただし、公表されている研究によると、トランス型のみに生理活性があることが示唆されています。ResVinol-25®(レスビノール25)は、ProfileProven™(プロフィールプルーブン)の厳格な分析および品質保証手順に合格した高品質のエキスで、すべてのバッチでサポート力と純度が保証されています。本製品は、重金属、細菌やカビによる汚染、農薬に対する検査を広範囲に実施して、純度と許容基準への適合が検証されています。
Doctor’s Best, レスビノール配合トランスレスベラトロール200、200mg、ベジカプセル60粒
iHerb.com
.※商品紹介文の「ただし、公表されている研究によると、トランス型のみに生理活性があることが示唆されています。」をみると、こだわったほうがええんでないかとも感じます。
理由②
パイシードは結局のところレスベラトロール
パイシード(レスベラトロール配糖体)は腸内で容易にレスベラトロールになるとのことです。
ワイン中の主なレスベラトロールはトランス型といわれる形ですが、その異性体であるシス型、配糖体のピセイド(パイシード)、二量体のビニフェリンなども存在します。ピセイドは腸内で容易に分解され、レスベラトロールになります。
引用元
ぶどう中のレスベラトロール
抗酸化機能分析研究センター 国立大学法人 旭川医科大学
なのでパイシードが主成分であるイタドリ由来を摂取しても、単量体のレスベラトロールを体内で増やせるということになります。
また、パイシードとしての生理機能もあります。
パイシードには血小板凝集抑制効果があるとされています。
また、配糖体であるパイシードは、腸内細菌中に存在する βグルコシダーゼにより加水分解され、レスベラトロールに変換されますが、パイシード自身の生理機能としては、血小板凝集抑制効果を有することが報告されています。
引用元
レスベラトロールの化学と機能
PDFページ 1/6
レスベラトロール研究会
運営 (株)わかさ生活
イタドリ由来レスベラトロールの特徴は、パイシードが多く含まれる です。
ということで、イタドリ由来のレスベラトロールはコスト以外の点においても、「ウリ」があり、
むしろコスパを考えると、イタドリのほうが上なんじゃ・・・
パイシードは β-グルコシダーゼ処理で容易にRSVに変換可能で,イタドリを原料にすれば,比較的安価にRSVが得られる。
引用元
レスベラトロールの健康長寿効果について~最近の話題~
PDFページ 5/10
J-STAGE
よく海外のイタドリ由来サプリが、精製度が低く不純物が多く含まれていると懸念されることがあります。
とりあえず有名どころであれば、そういった問題は余裕でクリアしていると考えています。
Jarrow Formulas レスベラトロールは、イタドリの根から抽出された100 mg のレスベラトロール (3,4′,5-トリヒドロキシスチルベン)およびレスベラトロールグルコシド(ピセイド)を含有しています。イタドリエキスは、伝統的な東洋医学において強心剤として古くから使用されてきました。Jarrow Formulas レスベラトロールは、トランス配置で約90%のレスベラトロールを供給します。
抗酸化物質であるレスベラトロールは、LDL(悪玉コレステロール)の酸化を抑え、一酸化窒素合成を上方調節し、完全な毛細血管を促進することで、心血管機能をサポートします。また、健康な細胞複製を維持するため第II相解毒酵素を活性化するレスベラトロールの効果も研究されてきました。
.
さて、あたかも レスベラトロールはサプリから取るのが当たりまえであるかのように話をすすめてきました。
これにはワケがあります。
最後に食品に含まれるレスベラトロールについて簡単に説明し、この段落レスベラトロールとはを終わりにします。
食品に含まれるレスベラトロール
レスベラトロールを食品からとるとしたら4択です。
4つのみということはありませんが、次の4つが多く含まれている食品として有名です。
- 赤ワイン
- 赤ブドウ(果皮)
- ピーナッツ(薄皮)
- ココアパウダー
.
レスベラトロールの摂取量
国が定めている日本人の食事摂取基準においてレスベラトロールの推奨摂取量たるものはございません。
JHFAが推奨している量は2~100㎎/日です。
ブドウ由来の総レスベラトロール類、リンゴンベリー由来のレスベラトロール又はメリンジョ由来の総レスベラトロール類として 2~100㎎
引用元
「レスベラトロール食品」規格基準の設定について(公示)
公益財団法人 日本健康・栄養食品協会
ヒト試験や論文をもとに、サプリメーカーがよく目安摂取量としている設定している数値が30mg(日本)~200mg(海外)です。
先ほどの4つの食品のレスベラトロールの含有量をまとめると以下になります。
- 赤ワイン
~5.8mg/L - 赤ブドウ(果皮)
~0.71mg/100g - ピーナッツ(薄皮)
~0.78mg/100g
- ココアパウダー
~0.23mg/100g
※産地や品種により異なります
このうち、赤ワインに注目します。
グラスワイン1杯=100㏄と換算した場合、レスべラトロールの含有量は~0.58㎎となります。
となると30mgに達するには50杯以上を飲む必要があります。
推奨量(日本)30mgを取るには、食品からは現実的ではありません。
推奨量(海外)200mgにおいては、ほぼ不可能です。
というわけで、サプリから取る前提で話をすすめてきました。
レスベラトロールの効果・効能
レスベラトロールの効果・効能 1つ激選
- Sirt1活性化
※Sirt1活性化を介しての効果・効能はたくさんあります。
詳しく
①Sirt1活性化
研究報告により
ヒトの寿命を規定する要因は 、
- 遺伝が25%
- 環境が75%
とされています。
環境要因は、大別すると3つのカテゴリーがあります。
- 食事
- 運動
- 生きがい
の3つです。
環境要因のなかでも、食事が最も重要なものであることは想像に難くないと思います。
戦後すぐの時代は日本人の平均寿命は50歳を超えたぐらいでした。
現在では平均寿命は80歳を超えています。
資料:UN「Demographic Yearbook」等
注:1990年以前のドイツは、旧西ドイツの数値である。出典元
3 平均寿命の国際比較
厚生労働省
戦後に飛躍的に平均寿命が延伸したのは、動物性たんぱく質や脂肪の摂取量が増えたからです。
上のグラフが右肩上がりなのは、必要とする栄養素を必要量摂取できる環境が整ってきたからです。
というわけで、「食事」が寿命を延ばすことに大きく貢献している(してきた)と考えられます。
とはいえ、好きなものを好きなだけ食べられる現代では、
逆に、糖質や脂質など一定の栄養素の過剰摂取が病気の発症リスクを高めることにもなっています。
そのため、適正なカロリーコントロールが、生命の維持および寿命の延伸に必要不可欠となっています。
今回は、食事(カロリー制限)による寿命延伸の鍵を握る「長寿遺伝子=サーチュイン遺伝子」の話です。
この話にレスベラトロールはがっつり関わってきます。
◆サーチュイン遺伝子について
まずはサーチュイン遺伝子について簡単にまとめてみました。
こちらをご覧ください。
操作をすれば老化を遅らせ、寿命を延ばす遺伝子のことをいいます。
- 操作をすれば
→この遺伝子を活性化することができれば、 - 老化を遅らせ、寿命を延ばす
→老化の要因【酸化ストレス・免疫細胞の暴走など】を抑えることができます。
発見経緯
サーチュイン遺伝子は、2003年にマサチューセッツ工科大学のガレンテ教授が酵母菌の中から発見しました。
実験にて エサのカロリーを制限した酵母菌の寿命が延びていることを判明しました。
その酵母菌ではヒストン脱アセチル化酵素である「サーチュイン遺伝子」が活発に働いていることが分かりました。
それはSir2と命名されました。
Sir2を取り除くと酵母菌の寿命が縮む、逆に過剰発現させると酵母菌の寿命が伸びることを発見しました。
その後の研究で、線虫やショウジョウバエでもSir2を発見しました。
「Sir2を取り除くと寿命が縮む、過剰発現させると延びる」この遺伝子操作により、ショウジョウバエで約30%、線虫では約50%寿命が延びるといった結果がでています。
さらに哺乳類にも、Sir2に相当するホモログが発見されています。
進化系統上で、共通の祖先から派生した遺伝子(相同遺伝子のこと)などをいいます。
なんだかんだで、サーチュイン遺伝子は、ヒトなら誰しも持っていることが分かりました。
ヒトのサーチュインの種類
Sirt1~7
ヒトには7種類のSirtuin(サーチュイン)ファミリー「Sirt1〜7」存在することがわかっています。
7種類の多くは脱アセチル化酵素で、様々な生理機能に関与しています。
それぞれ細胞内での局在・役割が異なります。
局在をまとめると以下となります。
- Sirt1
核と細胞質 - Sirt2
細胞質 - Sirt3、Sirt4、Sirt5
ミトコンドリア - Sirt6
核(主にクロマチン領域) - Sirt7
核(主に核小体)
その中で最も酵母 Sir2 と構造が類似している Sirt1 は,NAD+依存性蛋白脱アセチル化酵素として機能する.
2.長寿遺伝子による血管老化制御機構
PDFページ 3/4
J-STAGE
もっとも研究されているものはSirt1です。
もっとも機能解析が進んでいるのはSirt1です。
ここでは(このレビューでは)、サーチュイン遺伝子は、基本 Sirt1のことを指しています。
なぜ長寿遺伝子?
DNAはヒストンというたんぱく質と結合しています。
DNAがヒストンに巻き付いた状態をヌクレオソームといいます。
出典元
エピジェネティクス
国立研究開発法人 国立環境研究所
このヌクレオソームが集まってできたものが、クロマチン構造といいます。
きつく巻かれた構造(出典元 上)を「ヘテロクロマチン」といい、
ゆるく巻かれた構造(出典元 下)を「ユークロマチン」といいます。
一般に
ヒストンのアセチル化【DNAとヒストンの結合を緩くする】によって、遺伝子の発現は促進します。
ヒストンの脱アセチル化【DNAとヒストンの結合を固くする】によって、遺伝子の発現は抑制されます。
【DNAとヒストンの結合を緩くする】これはヒストンアセチル化転移酵素の働きによって、アセチル基が結びつくことで起こります。
【DNAとヒストンの結合を固くする】これはヒストン脱アセチル化酵素の働きによって、アセチル基が除去されることで起こります。
ヒストンアセチル化は、ヒストンアセチル化転移酵素とヒストン脱アセチル化酵素、この2つの酵素活性によってそのバランスが取られています。
このことが、遺伝子発現のON/OFFのスイッチになっています。
例えば、次の働きに関わる遺伝子の発現のON/OFFです。
- 細胞を修復するたんぱく質を活性化させる
- 細胞内でエネルギー源を作り出すミトコンドリアを増やす
- 細胞の寿命を決める「テロメア」の長さを保護する
- 細胞の自然死である「アポトーシス」を制御する
- 細胞内の老廃物を排除させる機構「オートファジー(自食作用)」を働かせる
これらを一言でまとめるとしたら【細胞を若返らせる】となります。
さて、サーチュインはヒストン脱アセチル化酵素です。
ヒストンを介した遺伝子発現メカニズムに関与することで、細胞を若返らせ、寿命を延ばすと考えられます。
ということで、「長寿遺伝子」です。
.
というわけで、サーチュイン遺伝子を活性化させれば、老化を遅らせ、寿命を延ばせる可能性が高まります。
◆サーチュインを活性化させる方法
サーチュインを活性化させる方法は簡単です。
発見経緯 の欄に答えがあります。
エサのカロリーを制限した酵母菌の寿命が延びている
この一文です。
サーチュインを活性化させる方法はカロリー制限です。
カロリー制限による寿命延長効果は、これまで数々の実験にて見られています。
酵母菌、線虫、ショウジョウバエ、ネズミといった様々な生物種で見られています。
種によってその効果は異なりますが、おおよそ3~5割ほど寿命がUPしています。
遺伝子が人間に近いサル(アカゲザル)にも寿命延長効果があることが示唆されています。
示唆されているほうの実験内容を簡単にまとめると次になります(寿命延長効果はないとの研究報告もアリ)。
実験の対象
アカゲザル
平均寿命27歳
長くて寿命は40歳ぐらい
実験の内容
7~14歳のサルを2つのグループに分ける
- 自由摂取群
欲しがるまま自由にエサを与える - カロリー制限群
自由の3割減のカロリー
その他の条件(運動量や飼育環境など)は同じとして観察すること20年
実験結果
- 自由摂食群
年齢相応に老化が進行する。 - カロリー制限群
しわも少なく、毛ツヤもよく、(自由摂食群に比較し)若々しく見える。
老化に起因する死亡率が低下したので、全体としての生存率が上昇する。
実験の結論
カロリー制限には、一定の寿命の延長効果があり、加齢関連疾患が発症しにくくなる
詳しい実験内容はこちらをご覧ください。
腹八分目はサルでも寿命を延ばす!?
J-STAGE
ちなみに掲載しているサルの写真は、本物のアカゲサルかどうかは知りません。
最後の2枚の写真は、確実にアカゲザルではありません。あくまでもイメージとして使用しています。
◆ヒトの場合 具体的に
それでは、本題に入ります。
ヒトの研究では、必要とするエネルギー量の25%を減らすことで、サーチュインが活性化されることが分かっています。
ヒトでの研究では、7週間、必要なエネルギー量の25%のカロリーを制限することで、長寿遺伝子の働きが4.2倍~10倍に増加したことが示されました。
引用元
カロリー制限と健康長寿の関連
健康長寿ネット
公益財団法人 長寿科学振興財団
ということで、成人の方で、サーチュインによる若返り&寿命延長効果を求める方は、
こちらの表を参考に、自身のあてはまる推定エネルギー必要量×75%の生活を送るようにしてください。
出典元
「日本人の食事摂取基準(2020年版)」策定検討会報告書
Ⅱ 各論
1 エネルギー・栄養素
エネルギー P84 PDFページ 34/55
厚生労働省
◆きつない?
と、いいました。
25%を制限するというのは、きつくありませんか?
25%がきついと感じるのならば、
海外の研究では運動による消費カロリー+食事制限によるカロリー制限=25%でも、
エネルギー量の25%を減らすと同じくらいの効果があることが確認されています。
と、いいましたが、
1日だけだったら余裕ですが、それを1週間、1カ月と毎日続けるのはきつくありません?
食事のみから 25%減でも
食事+運動で 25%減でも
◆レスベラトロールの登場
満を持して、ここでレスベラトロールの登場です。
レスベラトロールには【カロリー制限せずとも】サーチュイン遺伝子(Sirt1)を活性化させる働きがあるとされています。
【カロリー制限せずとも】サーチュイン遺伝子(Sirt1)を活性化させる働きをする成分はいくつかありますが、レスベラトロールが断トツで、有名&効果があるとされています。
一方,長寿を誘導する化合物の探索を目的に,酵母を用いてSir2を活性化する低分子化合物の探索が行われた。その結果,最も強力な活性を有した化合物は,ポリフェノールの一種であるリスベラトロール(resveratrol)であった。
引用元
出芽酵母の寿命研究の現状と展望
PDFページ 3/7
J-STAGE
ということでレスベラトロールを取れば、【カロリー制限せずとも】、サーチュインを活性化できる=若返り&寿命延長効果の得られる 可能性があります。
いずれにせよ,この結果は,レスベラトロールを摂取することで肥満者数が増加している先進国においてカロリー制限食を実施しないでも体重を減少することが可能となること,さらには寿命まで延長することが可能であることを示唆している.
引用元
レスベラトロールの非抗酸化作用について
PDFページ 1/4
J-STAGE
◆Sirt1について
Sirt1について、補足します。
Sirt1はNAD+依存性脱アセチル化酵素です。
ということで、Sirt1の活性には補酵素NAD+が必要です。
NAD+は生体内で大きく2つの機能を果たしています。
①酸化還元酵素の補酵素として
NAD+は酸化還元反応で中心的役割を果たしています。
エネルギー代謝におけるTCA回路や電子伝達系で活躍する補酵素としてNAD+をご存知かと思います。
②NAD+を消費する酵素の基質として
エネルギー代謝以外でもNAD+依存性酵素を介してさまざまな生理機能の役割を果たしています。今回の話はこっちです。
カロリー制限をするとNAD+は増えます。
出典元
2.老化学説と老化制御
PDFページ 3/4
J-STAGE
カロリー制限下、細胞内のNADHがNADに変換されることで、細胞内のNAD濃度が上がります=NADが増えます。
するとSirt1が活性化されます。
つまるところ、この流れになります。
.
活性化したSirt1は脱アセチル化酵素として機能します。
FoxOやPGC-1やp53などさまざまな生命現象に関わる重要なタンパク質を脱アセチル化することで、細胞の機能、ミトコンドリアの機能などを調節します。
この「調節」が抗老化につながり、しいては寿命延長効果をもたらすことになります。
さらに,SIRT1 による抗老化作用には,Peroxisome proliferator-activated receptor gamma coactivator 1-alpha(PGC-1α)の活性化による脂肪酸酸化の亢進や ,ミトコンドリア機能の亢進,FOXO1 を介した DNA 修復能の活性化 ,さらにオートファジーの活性化 ,などが関与していると示唆されている。
引用元
老化制御シグナルを標的としたアンチエイジング物質開発の可能性
PDFページ 3/6
J-STAGE
レスベラトロールは、この流れ【カロリー制限➡NAD増加➡】をすっ飛ばしてSITR1を活性化します。
つまるところ、レスベラトロールはカロリー制限効果を模倣する働きをするといえます。
◆もう少し踏み込む
先ほど、「カロリー制限下、細胞内のNADHがNADに変換されることで、細胞内のNAD濃度が上がる、そしてSirt1が活性化される」と説明しました。
この流れ
.
をもう少し詳しくすると
.
となります。
AMPキナーゼ(以下AMPK)とはAMP活性化プロテインキナーゼ(AMP-activated protein kinase)の略で、エネルギー源となる糖や脂肪の代謝を調節している酵素のことを言います。
AMPKは、細胞のエネルギーセンサーのような役割を果たしています。運動などをしエネルギーが不足するとこの酵素が活性化され、【糖の筋肉細胞へ取り込み・脂肪酸のβ酸化・糖新生の抑制】が促進されます。糖に関してはインスリンを要せずにです。
カロリー制限をするとAMPKが活性化し、AMPKが活性化することで細胞内NAD+濃度が上昇します。
なので、カロリー制限をするとSirt1が活性化されます。
AMPKはカロリー制限をしているとき、つまるところエネルギーが枯渇している状態【ハードな運動 or 栄養飢餓 or 低酸素 】に活性化されるものですが、
栄養成分の中にはAMPKを活性させるものがあります。
それがレスベラトロールです。
レスベラトロールには直接AMPKを活性させる働きがあります。
レスベラトロールは SIRT1 以外の蛋白質分子,例えば PPARα や AMP-activatedprotein kinase(AMPK)などに直接作用して活性化することが知られている.
引用元
蛋白質脱アセチル化酵素 SIRT1 の機能と病態への関与
PDFページ 3/8
札幌医科大学附属総合情報センター
レスベラトロールは細胞内へのCa²⁺の取り込みを促進することで ,calmodulin-dependent protein kinase kinase(CaMKK )の活性化を介してAMPKを活性化する
引用元
抗酸化物質としてのレスベラトロールの多機能性
PDFページ 2/3
J-STAGE
直接AMPKを活性させるとなると、
.
レスベラトロールは、この出典元の左の経路にも関与しているといえます。
出典元
2.老化学説と老化制御
PDFページ 3/4
J-STAGE
仮に、直接Sirt1を活性化させる働き(右の経路)がなかったとしても、
左の経路に関与しているので、いずれにせよ
.
ことは間違いなさそうです。
◆Sirt1を活性化≒レスベラトロールの効果・効能
Sirt1は多様な働きをします。
なぜなら、Sirt1が標的とする基質タンパク質(転写因子など)が数多く存在するからです。
個人的に覚えておくべきと思っているものを4つあげます。
その基質タンパク質がSirt1により脱アセチル化される(→活性化される or 活性が抑制される)と発現する作用の一部も記載します。
それがここ(このレビュー)でのレスベラトロールの効果・効能だと捉えてください。
- PGC-1α
ミトコンドリアの活性化
脂肪酸β酸化の亢進
抗酸化作用 - FoxOs
DNA修復能の活性化
オートファジーの活性化
アディポネクチン発現FoxO 補足FoxOにはFoxO1、 FoxO3a、FoxO4、FoxO6の4種類のアイソフォームが存在しています。
FoxOsとして一括りにしていますが、基本 FoxO1のことだと思ってください。FoxO3aのケースもあるので一括りにしています。
- NF-κB
免疫応答作用
抗炎症作用 - P53
細胞老化を防ぐ
抗アポトーシス作用P53 補足P53は代表的ながん抑制遺伝子です。がん細胞においてアポトーシスを誘導する働きなどをし、がん化を防いでいます。
この遺伝子が正常細胞に過剰に発現すると、細胞老化やアポトーシスを誘導します。さらにPGC-1αの活性を低下させるので、先のPGC-1αの効果が⇓になります。
Sirt1は p53を脱アセチル化することで、活性を抑制し、細胞老化に拮抗的に作用します。またPGC-1αの活性を回復させます。
.
これら作用をトータルし、一言でまとめるとしたら「若返り&寿命延長効果」となります。
ということで、Sirt1を活性化させるレストベラトロールを摂取することで若返り&寿命延長効果が得られる 可能性がある です。
◆最後に爆弾投下
さて、締めの文章でわざわざ可能性に下線部を引いています。
これにはワケがあります。
残念ながら、レスベラトロールに寿命延長効果はないという報告もあるからです。
- レスベラトロ―ルの寿命延長効果があるのは、哺乳類ではマウスのみ、さらにいえば高カロリー食を与えて、短命化させたマウスのみである。
- 人がレスベラトロールをとったところで、寿命は延びない。
- そもそもレスベラトロールのSirt1活性化機構がよくわからない。
- 長寿遺伝子活性化を証明した(とされる)研究データが、実は改ざんされていた。
参照
[レスベラトロール]寿命延ばす効果…まだ不明
ヨミドクター
レスベラトロール効果無し? 長寿作用はすでに疑問符
ダイヤモンド・オンライン
などといった「負」の研究報告があります。
とりあえず、ここ(このレビュー)での結論としては次です。
なお,2008年の報告によれば,老化や肥満による障害予防にRSVは有用だが,健常人の寿命は伸ばさないことが示されている.
引用元
レスベラトロールの健康長寿効果について~最近の話題~
PDFページ 7/10
J-STAGE
が、レスベラトロールの老化関連の病気の抑制への有用性を示す研究報告はたくさんあります。
なので、抗老化や生活習慣病の予防・他の効果は期待できます。
※このレビューでは、レスベラトロールに寿命延長効果はあるで話を進めていきます。
これから行う働き分析の注意点です。
大前提として、レスベラトロールにSirt1を活性化させる働きがあるです。
そして基本、Sirt1活性化を介してPGC-1やFoxOやp53などを脱アセチル化することでもたらされる作用(さっきのまとめ)で、各項目を評価しています。
注意点その1
項目により説明文の書き方がバラバラ
上の下線部において、説明文のパターンは4つあります。
例 PGC-1α
①レスベラトロールはSirt1を活性化させ、ミトコンドリアの機能を増強させます。
②レスベラトロールはSirt1を介して、PGC-1αを活性化させ、ミトコンドリアの機能を増強させます。
③レスベラトロールはSirt1の活性化させ、PGC-1αを脱アセチル化し活性化させることで、ミトコンドリアの機能を増強させます。
④レスベラトロールは、PGC-1αを活性化させ、ミトコンドリアの機能を増強させます。
.
なにが言いたいのかというと、同じ【Sirt1を介して行われる】働きでも、
①標的タンパク質をスルーし、Sirt1のみで説明したり、
②標的タンパク質を登場させ、説明したり、
③標的タンパク質が脱アセチル化されることに言及して、説明したり、
④Sirt1をスルーし、標的タンパク質のみで説明したり、
.
しています。
注意点その2
【直にない、もしくは直ではない可能性もあるのに】
レスベラトロールの直の働きとして説明している
その作用が【直かどうかわからないのに】レスベラトロールに直にあるものとして、説明を済ませてしまっているケースもあります。
例1 作用機序がよくわかない
レスベラトロールには5α還元酵素阻害作用があるとされています。
これはSirt1を介するのか、他の遺伝子を介するのか、はたまた直接の作用なのかは不明です。
Sirt1、または他の遺伝子を介するのかがわかっている場合は、基本そのことに言及します。
それ以外の場合は、単にレスベラトロールの働きとして説明を済ませます。
例2 作用機序が複雑
例えばオートファジーの活性化に関しては
「レスベラトロールにはオートファジーを活性化させる働きがあります」
で説明を済ませています。
オートファージ活性化作用は、◆Sirt1を活性化≒レスベラトロールの効果・効能の段落では、FoxOsの作用欄に記載しています。
なので丁寧に説明するならば、「レスベラトロールはSirt1を活性化させ、FoxO1を脱アセチル化し活性化させ、それによりオートファージを活性化させます」となります。
が、P53や記載していないさまざまな遺伝子も関与しています。
オートファジーとの関連性としては,長寿関連因子であるFoxO1,免疫反応や炎症反応に関与するNF-κB,腫瘍形成抑制因子であるp53などの転写因子がSirt1により脱アセチル化され,オートファジーが活性化されると同時に,ATG5, ATG7, ATG8が脱アセチル化されることによりオートファジーを誘導することが報告されている
引用元
老化におけるオートファジーとサーカディアンリズムの協奏
PDFページ 1/2
J-STAGE
これであったら、「レスベラトロールはSirt1を介してオートファージを活性化させます」でもいいのですが、
cAMPを介するPPAR活性化が関わっているという話もあります。
最近、オートファジー活性化に、PPARα活性化(19)やcAMP(20)が関与することが報告され、前述のレスベラトロールのcAMPを介するPPAR活性化と関連していると予想される。
引用元
赤ワインの機能性成分レスベラトロールの分子標的と将来展望
(一財)食品分析開発センターSUNATEC
こういったケースは、説明が上手くできないので単に「レスベラトロールにはオートファジーを活性化させる働きがあります」で済ませています。
レスベラトロールの働き分析【見た目編】
合計 47.5/60点薄毛
8点
「薄毛」改善 に関わるレスベラトロールの働きは主に次です。
- Sirt1活性化
サーチュイン遺伝子が活性化されると、老化現象が遅延します。老化現象には脱毛が含まれます。
レスベラトロールにはサーチュイン遺伝子Sirt1を活性化させる働きがあります。 - 5α還元酵素阻害作用
男性ホルモン「テストステロン」が5α還元酵素と結びつくと、より強力な男性ホルモン「DHT(ジヒドロテストステロン)」に変換してしまいます。
DHTが毛乳頭細胞にある男性ホルモン受容体に結びつくと、髪の成長を妨げる「TGF-β」という脱毛促進因子を産生します。TGF-βは毛母細胞の細胞分裂を抑制します。それにより、通常であれば約2年~6年のあるヘアサイクルの成長期を、数カ月に短縮させ、抜け毛を促進させます。
成長期(約2年~6年)→退行期(約2週間)→休止期(約3カ月)→【脱毛】→再び成長期
5α還元酵素の働きを阻害することは、テストステロン⇒DHTの変換の抑制につながります。
なので5α還元酵素阻害薬(AGA治療薬としての)や5α還元酵素阻害作用をもつ栄養成分を取ることは、男性型脱毛症の予防・改善になります。
レスベラトロールは5α還元酵素阻害作用をもちます。 - 知覚神経を刺激してIGF-1を増やす
IGF-1は【成長期の延長&退行期・休止期の短縮】効果をもたらします。なぜならIGF-1が毛母細胞に作用すると、毛母細胞が活性化するからです。IGF-1成長因子とは特定の細胞の分化・増殖を司るたんぱく質の総称のことです。IGF-1とは、構造がインスリンに極めて似ている成長因子です。細胞にある受容体に結合することでその細胞の働きを活性化させます。髪(頭皮)においては、IGF-1は毛根の毛乳頭細胞で産生されます。それが毛母細胞の受容体にが結合すると毛母細胞の働きが活性されます。
ようは、IGF-1を増やせば、抜け毛が減るです。
リンク
IGF-1を増やす方法は「成長ホルモンの分泌を促す」or「知覚神経を刺激する」の2つです。
レスベラトロールには「知覚神経を刺激する」作用があります。参照
赤ワインとチョコレートが薄毛を救う!/抜け毛予防
毎日が発見ネット (株)毎日が発見“百薬の長”の効能のメカニズムを探る
J-STAGE
白髪
7.5点
「白髪」予防 に関わるレスベラトロールの働きは主に次です。
- Sirt1活性化
サーチュイン遺伝子が活性化されると、老化現象が遅延します。老化現象には白髪が含まれます。
レスベラトロールにはサーチュイン遺伝子Sirt1を活性化させる働きがあります。 - Nrf2活性化
髪の毛の「色」を決定づけるメラニンはメラノサイトでアミノ酸「チロシン」と酸化酵素「チロシナーゼ」をもとに作られます。
活性酸素の一種「過酸化水素」はチロシナーゼを破壊する働きがあります。なので過酸化水素を除去することが白髪予防につながります。体内にある抗酸化酵素「GPx」は「グルタチオン」を電子供与体として過酸化水素を水と酸素に分解します。
体内にあるたんぱく質「チオレドキシン」はペルオキシレドキシンを還元型にすることにより、過酸化水素を水に還元します。
※還元して酸化型となったチロレドキシンは「チオレドキシン還元酵素」の働きにより再び還元型に戻ります。Nrf2が活性化されると、さまざまな遺伝子発現が活性化されます。
Nrf2により制御される遺伝子群にはGPx、グルタチオン合成酵素、チオレドキシン還元酵素が含まれます。レスベラトロールは天然のNrf2活性化剤です。
参照
公開特許公報(A)_Nrf2活性化剤
国立研究開発法人科学技術振興機構
美肌
8.5点
「美肌」作り に関わるレスベラトロールの働きは主に次です。
- NF-κB阻害作用
長期間にわたり太陽光線を受けると、皮膚に次の変化を引き起こします。
- 黄色調となり、様々な色素班が増える
- 微細なシワや深いシワが増える
- 皮膚の光沢がなくなり、粗造、乾燥してくる
このような皮膚の変化は光老化を言います。
光老化にはNF-κBが関与しています。NF-κBは炎症に関連して活性化する転写因子です。
皮膚の表皮細胞に存在し、皮膚に紫外線があたると活性化されます。その結果、炎症が起こります。
炎症が起きることで、皮膚の角化異常やメラノサイト増殖異常やコラーゲンの分解などが生じます。なのでNF-κBの過剰発現およびその作用を抑制することが、肌の老化を予防することになります。
レスベラトロールはNF-κB抑制作用を有します。 - コラゲナーゼ・エラスターゼ・ヒアルロニダーゼ活性阻害
こちらは真皮層のイラストです。ひし形内の●が繊維芽細胞(すべてのひし形内にあります)、ひし形の線部分がコラーゲン、線部分のつなぎめがエラスチン、ひし形内にあるのがヒアルロン酸などの基質です。
これら美肌成分が減少すると、肌のハリ・弾力・ツヤは失われます。
老化により、これら成分を分解する酵素- コラゲナーゼ
コラーゲンを分解する - エラスターゼ
エラスチンを分解する - ヒアルロニダーゼ
ヒアルロン酸を分解する
が活性化されると3つの成分は減少していきます。
レスベラトロールにはこの3つの酵素活性を抑える働きがあります。 - コラゲナーゼ
- オートファジーの促進
オートファジーとはオート=自分自身 とファジー=食べる を合わせた造語で、細胞が自己成分(たんぱく質など)を分解する機能のことです。
ようは細胞の中の古くなったゴミを処理し、新しい資源を作り出す「リサイクルシステム」とイメージしてください。リンク
肌の細胞にもオートファジーが機能しており、古くなったコラーゲン・ヒアルロン酸を分解し、それを新しいものをつくる資源としてリサイクルしています。ただし加齢とともにオートファジーの働きが低下していきます。その結果、劣化したコラーゲン・ヒアルロン酸が蓄積されてしまいシワやたるみとなって肌に現れます。
レスベラトロールにはオートファジーを促進させる働きがあります。
オートファジーを活性化させる成分といえば、ポリアミンが有名です。
それに細胞でのオートファジー活性を確認したレスベラトロールとアスタキサンチンを配合したサプリ「オートファジー習慣」が巷で話題となっています。オートファジー習慣
味覚糖(株)※巷というか個人的に大変興味があります。
参照
納豆に「オートファジー」促す成分 骨折予防にも NIKKEI STYLE
美白
8.5点
「美白」ケア に関わるレスベラトロールの働きは主に次です。
- NF-κB阻害作用
大量にできたメラニンが肌のターンオーバーとともに排出されなければシミとなって肌の表面に現れます。なのでメラニンの過剰生成を抑えること&肌のターンオーバーを促進することが美白ケアの基礎となります。
メラニン生成のメカニズムは次です。
①紫外線を浴びた皮膚で、TNFαなどの炎症性サイトカインが産生される。レスベラトロールはNF-κBの過剰の活性を防ぎます。②その刺激によりNF-κBが過剰に活性化される。
③メラニン生成を引き起こすサイトカインが産生される。
美白ケアにおいても活躍します。 - チロシナーゼ活性阻害
上のメラニン生成のメカニズム③の続きはこちらです。
④サイトカインはメラノサイトを刺激し、酵素チロシナーゼを活性させるチロシナーゼがメラノサイト内にあるチロシンと結合することでメラニンが生成されます。なのでチロシナーゼが活性されると肌にたくさんメラニンが作られます。
レスベラトロールにはチロシナーゼ活性阻害作用があります。
- 抗酸化作用
体内に活性酸素が増えすぎると、体にさまざまなトラブルを招きます。
肌においては、皮膚細胞が酸化され(メラニンを大量につくりだし、)シミの原因となります。体内には活性酸素を除去する抗酸化酵素がいくつか備わっています。
SODは、ミトコンドリアで発生する活性酸素「スーパーオキシド」を消去する抗酸化酵素です。
スーパーオキシド酸素に電子が1個加わった最も一般的な活性酸素です。ミトコンドリア & 白血球 で生成されます。生体内で生じるスーパーオキシドの約90%はミトコンドリアで発生しているとされています。電子伝達の際に、複合体Ⅰや複合体Ⅲから漏れ出した電子によって、酸素分子が一電子還元され活性酸素の1種「スーパーオキシド」が発生します。
生成されたスーパーオキシドは、酵素的あるいは非酵素的に還元を受け より反応性の高い活性酸素種となります。
ヒトにはSOD1~3の3種が存在します。
3種類のうち、ミトコンドリアの膜間腔側に発生したスーパーオキシドはSOD1が、
マトリックス側に発生したスーパーオキシドはSOD2がその中和に働くとされています。Sirt1が活性化されると、SOD2の発現が亢進します。その結果、細胞内の活性酸素の量が減ります。
レスベラトロールはSirt1を活性化させます。
つまるところレスベラトロールには抗酸化酵素を増やし、体内で抗酸化作用を高める働きがあります。
筋肉
5点
「筋肉」増強 に関わるレスベラトロールの働きは主に次です。
- 筋萎縮関連遺伝子の発現を抑制
筋たんぱく質分解にはユビキチン-プロテアソーム系が重要な役割を担っています。
そのうち心筋や骨格筋に特異的に発現しているユビキチンリガーゼMuRF-1とAtrogin-1の増加は、特に筋委縮を誘発します。
レスベラトロールには、Sirt1を介してこれら筋萎縮関連遺伝子の発現を抑制する働きがあるとされています。レスベラトロールは抗老化やストレス耐性にかかわるタンパク質,NAD-dependent deacetylase sirtuin-1(SIRT-1)の活性を著しく増加させる機能をもつが,これが筋萎縮抑制とも関連することが見いだされつつある.レスベラトロールによるSIRT-1活性は,筋萎縮関連遺伝子(Atrogin-1とMuRF-1)の発現を抑制すると報告された
引用元
植物ポリフェノールによる筋萎縮予防の可能性
PDFページ 5/6
J-STAGE
脂肪
10点
「脂肪」減少 に関わるレスベラトロールの働きは主に次です。
- Sirt1活性化
サーチュイン遺伝子は、通常、カロリー制限をすると活性化されます。
活性化されると糖・脂質代謝に関与する遺伝子を制御します。
だからカロリー制限をすると「痩せる」です。
レスベラトロールはSirt1を活性化させる働きします。いうならば、カロリー制限を模倣する働きをします。※②~でSirt1の活性化を介しての働きがあります。①Sirt1活性化の細かい話をしているもの捉えてください。
- アディポネクチン
脂肪細胞からさまざまな生理活性物質が分泌されています。脂肪細胞から分泌される生理活性物質を総称して、アディポサイトカインといいます。アディポサイトカインには善玉と悪玉があります。
アディポネクチンは善玉アディポサイトカインの1つです。
アディポネクチンの糖・脂質代謝に関連する生理作用は次になります。- 糖新生⇓
糖新生を抑制する - 脂肪酸燃焼⇑
脂肪酸のβ酸化を促進する - 糖取り込み⇑
糖の筋肉細胞へ取り込みが増加する
※インスリンを要せず
=脂肪の蓄積を防ぐ&脂肪の燃焼を促すにつながります。=痩せる
というわけで、アディポネクチンを分泌させれば、痩せることができるので、メディアでは痩せホルモンと呼ばれています。
アディポネクチンを分泌させる方法は、内臓脂肪に効果がある運動をする or アディポネクチンの分泌を促す栄養成分を取るです。
レスベラトロールはSirt1の活性化させることで、FoxO1を脱アセチル化させアディポネクチンの発現を促進させます。
- 糖新生⇓
- 白色脂肪細胞の褐色化
脂肪細胞には大きな脂肪滴が1つある白色脂肪細胞と中小の脂肪滴&ミトコンドリアが多数存在する褐色脂肪細胞の2種類があります。- 白色脂肪細胞
.
余剰となったエネルギーを脂肪として蓄積する& 必要時に血液中に遊離脂肪酸として放出する役割を果たします。 - 褐色脂肪細胞
.
白色脂肪細胞から遊離された脂肪酸を取り込み、エネルギーに変換します。
ミトコンドリアは鉄を含んでいます。ミトコンドリアが多くあるため褐色に見えます。
.
なお褐色脂肪細胞の作用は、褐色脂肪細胞のミトコンドリア内膜に特異的に存在するUCP-1によるものです。UCP(脱共役たんぱく質)ミトコンドリアの内膜に存在するたんぱく質です。酸化的リン酸化のエネルギーを生成する前に ミトコンドリア内膜での酸化的リン酸化反応を脱共役させ、エネルギーをATPとしてでなく熱として散逸させることができるたんぱく質です。Uncoupling proteinの頭文字を取ってUCPと略します。
哺乳動物UCPは5種類のアイソフォームが知られています。UCP-1は通常、褐色脂肪細胞のみ発現します。最近の研究により、第3の脂肪細胞が存在することが明らかになっています。
それがベージュ脂肪細胞と呼ばれるものです。
出典元
第6回 3色の脂肪 予防医学としての食を学ぶ
インターネット公開文化講座
愛知県共済生活協同組合ベージュ脂肪細胞は、白色脂肪細胞が「褐色化」し(UCP-1が発現し)褐色脂肪細胞と同じようにエネルギー消費能をもつ脂肪細胞のことをいいます。ベージュ脂肪細胞は、常温では白色脂肪細胞ですが、寒冷刺激などにより「褐色化」します。
【褐色脂肪細胞を増やす】または【ベージュ脂肪細胞=(白色脂肪細胞の褐色化)を増やす】ことができれば
脂肪酸やグルコースの酸化分解で生じたエネルギーが【ATPを介せず】直接熱に変換され散逸消費されていく・
ため「痩せる」ことになります。研究により、レスベラトロ―ルに白色脂肪細胞を褐色化させる作用があることが示唆されています。
参照
食品成分による褐色脂肪組織機能亢進作用を介した熱産生機構
日本微量栄養素学会公開特許公報(A)_白色脂肪細胞の褐色様脂肪細胞分化誘導剤組成物
国立研究開発法人科学技術振興機構 - 白色脂肪細胞
- PGC-1α
PGC-1αには様々な作用があります。その中にミトコンドリアを増やし、脂質代謝を亢進させる作用やGLUT4(血糖を骨格筋に取り込む糖輸送体)を増やすことにより糖代謝を促進させる作用があります。
つまるところ、PGC-1αの発現が増えるとエネルギー産生が促進される=痩せるです。
レスベラトロールはSirt1を活性化させ、PGC-1αを脱アセチル化させることで、PGC-1αを活性化させます。 - PPARα
PPARとは核内受容体で、PPARα 、PPARγ 、PPARβ/δの3種類のサブタイプが存在します。そのうちはPPARαは主に肝臓や骨格筋などに発現し、脂質代謝を制御しています。
PPARαを活性化させるとミトコンドリアβ酸化が活性化し、脂肪酸分解が促進されます。レスベラトロールはPPARαを直接活性化させます。
さらに、レスベラトロールは PPARαを直接活性化するとともに、細胞内の cAMP の分解を抑制することで PPARαを長期的に活性化することを明らかにしました(図 1)。
引用元
ぶどう成分レスベラトロールと運動習慣で持久力アップ
4. 健康機能性を高める高付加価値の創出
生物系特定産業技術研究支援センター 農研機構 - EP300の抑制
研究で、レスベラトロールの摂取により、
- 肥満に伴い脂肪細胞で活性化するヒストンアセチル基転移酵素(EP300)を抑制する
- EP300の活性上昇を正常化することで、内臓脂肪の蓄積を防ぐ&内臓脂肪を減少させる
参照
赤ワインに含まれる「レスベラトロール」を摂取すると太りにくい
研究・技術開発レポート
キリングループ
レスベラトロールの働き分析【中身編】
合計 47/60点
身体
4.5点
「身体」の構成材料 に関わるレスベラトロールの働きは主に次です。
- コラーゲン
人間の体を構成しているたんぱく質のうち30%はコラーゲンでできています。体内にあるコラーゲンのうち、約40%が皮膚に存在しています。
レスベラトロールは、コラーゲンを分解する酵素「コラゲナーゼ」の働きを抑制し、コラーゲンの減少を防ぎます。 - 骨
研究により、レスベラトロールに閉経後の女性の骨密度を改善する働きがあることが判明しています。参照
閉経後女性の骨密度、レスベラトロールで改善
美容経済新聞
エネ
8.5点
「エネルギー」生成 に関わるレスベラトロールの働きは主に次です。
- AMPK
AMPキナーゼ(以下AMPK)とはAMP活性化プロテインキナーゼ(AMP-activated protein kinase)の略で、エネルギー源となる糖や脂肪の代謝を調節している酵素のことを言います。AMPKには、細胞内のエネルギーの減少を感知しATPのレベルを回復させる作用があります。
AMPKが活性されると【ATP産生の促進とATP消費の抑制】が誘導され、細胞内のATPレベルが回復するメカニズムとなっています。AMPKはエネルギーが枯渇している時【ハードな運動 or 栄養飢餓 or 低酸素 の状態】に活性されます。
栄養成分の中にはAMPK活性化作用を有するものがあります。
レスベラトロールはその1つです。 - PGC-1α
PGC-1αとはPPARγをはじめとするいくつかの核内受容体と相互作用し、さまざまな標的遺伝子の転写調節を行う転写共役因子です。
特にミトコンドリアを構成する分子、あるいはその機能を発揮するに関わる分子の転写制御に関与するため、ミトコンドリアの生合成と機能のマスター調節因子として知られています。ミトコンドリア簡単に言ってしまうと「PGC-1αの発現が増える」⇒「ミトコンドリアを増加させる&ミトコンドリアの機能を増強させる」です。
Sirt1の活性化はPGC-1αの脱アセチル化反応を促し、PGC-1αを活性化させます。
レスベラトロールはSirt1を活性化させます。
病気
8点
「病気」予防 に関わるレスベラトロールの働きは主に次です。
- 抗がん作用
正常細胞は、【正常細胞⇒開始 (initiation)⇒変異細胞⇒促 進 (promotion)⇒がん細胞⇒進行 (progression)⇒腫瘍】の段階を経て、がんへ変化していきます。
レスベラトロールはイニシエーション、プロモーション、プログレッションの全ての段階において、抗がん作用を示します。RSVは発がんプロセスの主要3段階(イニシエーション,プロモーション,プログレッション),すべてにおいて抗がん活性を示した.
引用元
レスベラトロールの健康長寿効果について~最近の話題~
PDFページ 5/10
J-STAGE - 動脈硬化
血液中のLDLコレストロールが酸化されると酸化LDLに変わり血管壁に沈着します。そうなると血管の内側は細くなって動脈硬化を引き起こします。レスベラトロールには抗酸化作用があります。それにより、コレストロールなどの脂質の酸化を防ぐ働きをしています。動脈硬化予防に大きく貢献する成分です。
- 心筋梗塞
心筋梗塞の主たる原因は動脈硬化です。酸化LDLが血管壁の内側に入り込むと、血管壁はコブのよう膨れ上がります。このこぶはプラークと呼ばれます。
プラークが大きくなって破裂すると、そこに急速に血栓ができます。
その結果、血管が塞がれて血液の流れが止まります。これが心筋梗塞です。レスベラトロ―ルには血栓の原因となる血小板の凝集を阻害する効果があります。
フレンチパラドックス唐突ですが、「フレンチパラドックス」という言葉を聞いたことはございますか?
リンクフレンチパラドックス(フランスまたはフランス人の逆説)は、一言でいうと
フランス人は高カロリー・高脂肪の食生活を送っているのに【赤ワインをよく飲むから、】心疾患の死亡率が低い.
説です。フレンチパラドックスを3行でまとめると
- フランス人は他の欧米諸国の人々よりも動物性脂肪を多く摂取する&喫煙率が高い
- なのに心疾患による死亡率が、他の欧米諸国に比べて低い
- その理由は、フランス人がたくさん飲んでいる赤ワインによるものと考えられる
.
です。フランス人がどれくらいワインを飲んでいるのかというと、年間消費量が1人あたり約50ℓです。
一方で他の欧州諸国は、約30ℓ前後です(の国が多いです)。
ちなみに日本は約3ℓです。
※話の流れから、フランスが世界一の消費国と思われるかもしれませんが、以前(1998年)はルクセンブルクで、現在(2018年)はポルトガルです。もう一度、フレンチパラドックスの要約をご覧ください。
フランス人は高カロリー・高脂肪の食生活を送っているのに【赤ワインをよく飲むから、】心疾患の死亡率が低い.
ここで「赤ワイン」の前に枕詞を付け足す必要があります。それが「ポリフェノールを多く含む」です。
つまるところフランス人は高カロリー・高脂肪の食生活を送っているのに【ポリフェノールを多く含む赤ワインをよく飲むから、】心疾患の死亡率が低い.
です。
赤ワインにはさまざまなポリフェノールが含まれており、それらが協働することでフレンチパラドックスを成り立たせています。
その中でも赤ワイン特有(赤ブドウ特有)のレスベラトロールの抗酸作用や血小板凝集抑制作用が、大きく貢献しています。参照
ワイン参考資料
PDFページ 8/9
キリングループワイン参考資料2019
PDFページ 8/11
キリングループ動脈硬化にはポリフェノール! 適正酒量とおすすめのおつまみ&赤ワインの銘柄を秋津医師が伝授
主治医の小部屋
主治医が見つかる診療所 テレビ東京リンク - 老化関連疾患
Sirt1は、糖尿病などの老化関連疾患に関与しています。こちら↓の言い方のほうが、わかりやすいかもしれません。
Sirt1の活性異常は、糖尿病などの老化疾患を引き起こします。
実際、動物実験にてSIRT1活性化によって糖尿病などの老化関連疾患の発症抑制効果があることが判明しています。
つまるところSirt1を活性化させる働きをもつレスベラトロールは老化関連疾患の予防になります。
加齢による骨密度の低下や白内障発症の抑制にも効果を発揮します。
体質
10点
「体質」改善 に関わるレスベラトロールの働きは主に次です。
- 長寿(Sirt1活性化)
Sirt1は、【DNA修復に関わるFoXO、炎症に関わるNF-κB、ミトコンドリアを増やす&機能を向上させるPGC-1α】などといった転写因子を脱アセチル化し、活性化(または活性を抑制)させます。
それにより DNA損傷の修復、抗酸化作用、抗炎症作用、オートファジーの促進などといった効果をもたらします。
つまるところ、Sirt1の活性化は老化の抑制・寿命の延長・老化関連疾患の予防につながります。リンク
Sirt1はカロリー制限をすることで活性化されますが、カロリー制限をせずとも、栄養成分を摂取することで活性化させることが可能とされています。
その成分こそがレスベラトロールです。レスベラトロールはSirt1活性化成分の代表といえます。
-
見た目年齢(テロメアの保護)
細胞の核内に染色体(DNAのかたまり)があります。
染色体の端にはテロメアと呼ばれるキャップのようなものがついています。
テロメアは染色体末端を保護する&線状染色体の末端を完全複製するの2つの役割を果たしています。テロメアDNAは、細胞が分裂する度に短縮してしまいます。
テロメアDNAが一定の短さになると染色体の不安定化がおこり、その細胞の質が低下してしまいます。
細胞の質の低下とは、ようは「細胞分裂する能力の衰え」です。
テロメアは細胞分裂の回数を数えるカウンターのような働きをしており、細胞が分裂するたびに短くなり、細胞分裂の回数が減っていきます。その回数がある程度以上になると、細胞の分裂は行われなくなります。
これが俗にいう「細胞老化」=「老化」です。ということで、テロメアの長さの差は、見た目年齢の差につながります。
レスベラトロールには、Sirt1活性化を介してテロメアの消耗を抑制する働きがあります。参照
寿命に影響? 「見た目年齢」と「テロメア」
読売新聞オンライン見た目は健康の鏡 見た目の若い人の特徴は?
医療プレミア 毎日新聞リンクリンク - 抗炎症作用(COXの抑制)
まずはこちらをご覧ください。アラキドン酸カスケードアラキドン酸は、過剰に存在すると、エノコサイド【プロスタグランジンやロイコトリエン】といった炎症を起こす物質に代謝されます。このことをアラキドン酸カスケードと呼びます。
シクロオキシゲナーゼ(COX)アラキドン酸カスケード代謝を触媒する酵素がシクロオキシゲナーゼ(COX)です。
COXには2つのアイソザイムが存在します。
COX-1は全身の大部分の細胞に恒常的に発現し、生体保護に関与しています。
一方、COX-2は通常は細胞内にはほとんど存在せず、炎症にともなって著明に発現します。COX-1は恒常型で生体保護に働く→基本 善玉
COX-2は誘導型で炎症に働く→悪玉
と考えてください。COXはアラキドン酸を基質にしてPGH2を生成する反応を触媒します。
PGH2は、その後 特異的な合成酵素のより各々プロスタノイドに変換されます。プロスタノイドプロスタグランジン→PGD2、PGE2、PGF2α、PGI2
とトロンボキサン→TXA2
の総称のことです
上記の5種類がプロスタノイドととして知られています。
プロスタグランジンの中でも、PGE2は特に「痛み・熱・腫れ」を引き起こす発痛増強物質です。レスベラトロールは、COXの活性を抑制してPGE2の生成を抑制します。
また、神経伝達物質グルタミン酸のグルタミン酸受容体への結合を阻害します。
合わせて、「痛み」の伝達を抑制する働きをします。
出典元
食品素材による痛みの緩和に関する研究
ファンケル研究開発リンク - 血管の健康維持(eNOSの活性化)
血管内皮細胞は血管の最も内側にある細胞です。血管内皮細胞
丸全体を血管・一番外側の赤ラインを血管壁・中央の白部分を血液とイメージしてください。
肌色部分が血管外膜、ピンク部分が中膜、緑のラインが内膜です。血管内皮細胞は内膜にあります。
血管内皮細胞は数多くの血管作動物質を放出し、血管の収縮や拡張を調節する&血小板の粘着や凝集を抑制するなどをし、血管機能の恒常性の維持に重要な役割を果たしてい
ます。 血管作動物質の代表ともいえるのが一酸化窒素(NO)です。
先に述べた血管を拡張する作用、血小板の凝集を抑制する作用は主にNOによるものです。ということで、NOの産生を増やせば血管の柔軟性が改善し、血流をスムーズにさせます。
Sirt1は、血管内皮型NO合成酵素(eNOS)を活性化させNOを増やします。
Sirt1を活性化させるレスベラトロールは、血管の健康維持に役立つ成分です。 - 女性ホルモン様作用
女性ホルモン(エストロゲン)様作用とは女性ホルモンのような働きを示す作用のことです。この作用を有する成分を摂取することで更年期障害の緩和、メタボの予防、骨密度の維持などの効果が期待できます。
女性ホルモン様作用を有する成分としてはイソフラボンが有名です。
レスベラトロールにも女性ホルモン様作用があるとされています。リンク - 体内時計
人には意識しなくても自然と備わっている1日(おおよそ24時間)のリズムがあります。
例えば夜 自然と眠くなり、朝 自然と目が覚めるといったリズムです。血圧、脈拍、ホルモンの分泌、細胞の再生、免疫、体温調節、摂食などの生理機能もおおよそ24時間で変動するリズムを刻んでいます。
このリズムを「サーカディアンリズム(概日リズム)」といいます。サーカディアンリズムは体内時計と呼ばれる脳内の視床下部の視交叉上核に存在する時計により生み出されます。
研究により、時計遺伝子と呼ばれる遺伝子群がサーカディアンリズムの形成に関わっていることが判明されています。
レスベラトロールに時計遺伝子の概日発現リズムを変化させる作用があるとされています。
非栄養素であるレスベラトロールも時計を動かす作用が知られるようになり,食品中には概日時計を制御する実に多くの成分があることがわかる。
引用元
不規則な摂食タイミングが肝臓概日時計異常とコレステロール代謝異常を導く分子メカニズムの解析
PDFページ 6/7
J-STAGEこの作用は「Sirt1」が関係してくると考えられます。
また最近,SIRT1 は時計遺伝子 Circadian LocomotorOutput Cycles Kaput(CLOCK)の標的タンパク質である BMAL1 を周期的に脱アセチル化し,概日リズムを制御していることが明らかとなり,さらにこのことは CRによる寿命延長と深く関連していることが示された
引用元
老化制御シグナルを標的としたアンチエイジング物質開発の可能性
PDFページ 3/6
J-STAGE※CR(calorie restriction)=カロリー制限
参照
食品研究部門:食品機能評価ユニット
農研機構体内時計を制御する食品成分の探索とメカニズムの解明
KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)
精力
7.5点
「精力」増進&「性機能」向上 に関わるレスベラトロールの働きは主に次です。
- ED改善
陰茎は主にスポンジ状の組織の海綿体できています。勃起は陰茎海綿体に血液が充満し、誇張し大きく硬くなった状態のことです(普段は血液が充満していないから軟らかくなっています)。陰茎海綿体に血液が充満し勃起が起こるメカニズムを簡単に説明します。
①性的な刺激により脳が興奮するとその信号(興奮)が脊髄を伝わり勃起神経に到達する。
②すると陰茎の動脈は拡張し陰茎海綿体へ流入する血液が増える。
③同時に陰茎海綿体の平滑筋が弛緩され、海綿体は流れ込んだ血液を吸収し大きく膨らむ。
このメカニズムにおいて陰茎海綿体の平滑筋を弛緩させる働きをするのはサイクリックGMPという物質です。そのサイクリックGMPを生成するのがNOです。
性的な刺激により信号(興奮)が勃起神経に伝わると神経終末と血管内皮細胞からNOが放出されてサイクリニックGMPが生成される流れとなっています。NOの産生に関与するレスベラトロールには勃起機能回復効果が期待できます。
NO産生促進の代表的な成分シトルリンとの併用はさらなる効果が期待できそうです。参照
男らしさから肥満、うつまで!テストステロンの男性更年期障害に対する効果!【抗加齢医学会レポート⑥】
goo ニュースL-シトルリンとトランスレスベラトロール配合サプリメントの摂取によりこれまで勃起機能障害(ED)治療薬が効かなかった勃起障害患者の症状が改善
PR TIMESリンク - 子宮内膜症
子宮内膜症は、本来は子宮の内側にしか存在しないはずの子宮内膜組織が子宮以外の場所にできる病気です。下腹部痛、腰痛といった症状が現れます。
また子宮内膜症は生理痛、性交時痛、不妊症の原因になります。
抗炎症作用などを有するレスベラトロールに子宮内膜症の予防・改善効果が期待されています。参照
ヒト子宮内膜脱落膜化過程における細胞老化調節機構を介した胚受容機序の解析
KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)1.レスベラトロール
医書ジェーピー(株)
健脳
8.5点
「脳」の健康 に関わるレスベラトロールの働きは主に次です。
- アミロイドβ
アルツハイマー病の脳では、アミロイドβと呼ばれるたんぱく質(40程度のアミノ酸から成るペプチド)の断片が処理されずに蓄積され、老人斑というゴミの塊を形成します。このゴミがたまると【神経細胞が傷害を受ける→神経細胞が死滅する→脳が萎縮する→脳の機能障害が起こる】といった流れをたどります。
アルツハイマー病はアミロイドβの凝集体が原因で発症するとされています。レスベラトロールはアミロイドβの分解を促進します。
参照
アルツハイマー病の治療、遅延及び/又は予防において使用するための、レスベラトロール又はその誘導体を含む水産油配合物
JP2016523857A
Google Patents - IGF-1
IGF-1は神経保護作用があります。脳神経に対する働きとして、脳血管の成長、神経細胞の新生、認知機能に関与など多彩にあります。
体内でIGF-1を増やす方法は「成長ホルモンの分泌を促す」or「知覚神経を刺激する」の2つです。
レスベラトロールには「知覚神経を刺激する」作用があります。
レストベラトロールには知覚神経を刺激し、IGF-1を増やす働きがあります。リンク - 認知症
適量の赤ワインは認知症予防にたいへん良いとされています。これは赤ワインに含まれるレスベラトロールが大きく貢献していると考えられます。参照
赤ワインは寿命を延ばす、ってホント? NIKKEI STYLE - うつ病
レスベラトロールには抗うつ病作用があることが示唆されています。赤ワインに豊富に含まれている「レスベラトロール」という植物由来の化合物には抗うつ作用があることが判明したそうだ。
引用元
赤ワインに含まれる化合物がうつ病や不安神経症の新治療の扉を開く(中国研究)
exciteニュース
レスベラトロールのサプリメント紹介
レスベラトロールが含まれているサプリメントを紹介します。
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細胞の分裂と複製は生命に不可欠です。テロメアは、この過程において細胞を保護する染色体の末端部にあるDNAの断片です。テロメアは、加齢と共に短くなります。新しい科学は、短くなったテロメアが、細胞増殖の停止や細胞機能の低下などの老化の負の側面と関連している可能性があることを示唆してます。テロメロンは、テロメアの長さと重要なテロメラーゼ活性をサポートする研究で裏付けられた成分を供給します。スベリヒユ、レスベラトロル、ビタミンD3などの主要成分は、科学研究で使用される用量で供給されます。
Source Naturals, テロメロン、 60 タブレット
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購入経験あり
※120粒入り
幹細胞は、組織を自然に維持・修復する「マスター細胞」です。正常な老化プロセスにおいて成体幹細胞の数は減少します。幹細胞の健康と成長を維持して促進すると、健全な体になります。
ステムXCellには、ブルーベリー、ビタミンD、緑茶エキス、カルノシンからなる大学で研究されたブレンドであるNT-020が含まれています。科学的データによると、NT-020を補充すると幹細胞の成長と健康が促進され、細胞再生も促進されることが示唆されています。フリーラジカルの有害な影響から細胞を保護し、幹細胞の増殖をサポートするために、ユニークな酵素ブレンドが追加されました。
Thera-Blendは、特定のpHレベルで働く酵素の複数の株を組み合わせた独占的なプロセスで、体内で優れた作用を発揮します。
Enzymedica, ステム Xセル(Stem XCell), 60カプセル
iHerb.com
購入経験あり
レスベラトロールのまとめ
分析【見た目編】47.5点
分析【中身編】47点
レスベラトロール Sirt1活性化 参照一覧
レスベラトロール研究の進展 公益社団法人日本生化学会
赤ワインの機能性成分レスベラトロールの分子標的と将来展望 (一財)食品分析開発センターSUNATEC
レスベラトロール情報局 サンブライト(株)
ぶどうポリフェノールライフ アサヒ飲料(株)
ポリフェノール習慣。 楽しみながら摂れる、 新・ワイン生活。 サッポロホールディングス(株)
ブドウ由来のプレミアム成分 アンチエイジングのカギを握るレスベラトロール
研究レポート 富士フイルム ヘルスケア未来研究所
ぶどう中のレスベラトロール 抗酸化機能分析研究センター 国立大学法人 旭川医科大学
リスベラトロール J-STAGE
ワインのリスベラトロール (I) J-STAGE
ワインのリスベラトロール (II) J-STAGE
レスベラトロールの健康長寿効果について~最近の話題~ J-STAGE
レスベラトロールの非抗酸化作用について J-STAGE
抗酸化物質としてのレスベラトロールの多機能性 J-STAGE
栽培条件の違いがブドウ果皮中のレスベラトロール含量に及ぼす影響 J-STAGE
レスベラトロール4量体バチカノールCは、培養細胞および個体レベルでPPARαとPPARβ/δを活性化する(研究論文紹介) J-STAGE
メリンジョ種子エキス J-STAGE
アンチエイジングの分子ターゲットとしてのサーチュイン J-STAGE
2.老化学説と老化制御 J-STAGE
出芽酵母の寿命研究の現状と展望 J-STAGE
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食品ポリフェノールによる核内レセプターの活性化 J-STAGE
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2014年 (第30回) Japan Prize「生命科学」分野 授賞業績 J-STAGE
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トリプトファン代謝を支配する B 群ビタミンの栄養状態 J-STAGE
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ファイトケミカルがもつoff-target効果の意義 J-STAGE
サーチュイン遺伝子 ウィキペディア
摂取カロリーと老化 老化介入・老化制御 健康長寿
ヒストン修飾とは? (株)医学生物学研究所
サーチュインと老化 日本基礎老化学会
NAD 代謝による老化制御機構 日本基礎老化学会
食品成分による褐色脂肪組織機能亢進作用を介した熱産生機構 日本微量栄養素学会
蛋白質脱アセチル化酵素 SIRT1 の機能と病態への関与 札幌医科大学附属総合情報センター
機能性成分 農研機構