フコキサンチン WATでのUCP1の発現誘導

フコキサンチン

カロテノイドの1種
キサントフィル類の1種

 

フコキサンチンとは

カロテノイドの1種

カロテノイドは750種類以上あります。
カロテノイドはカロテン類とキサントフィル類に大別されます。
カロテノイドのうち 約50種類がカロテン類、約700種類がキサントフィル類です。

フコキサンチンは、カロテノイドのキサントフィル類です。
海藻に含まれるカロテノイドです。

フコキサンチンは褐藻に含まれる

海藻類は、光合成色素の違いによって大きく緑藻褐藻紅藻の3つに分類されています。

  • 緑藻類

    体の色 緑色
    主要色素 クロロフィルb、クロロフィルc

    種類
    アオノリ
    アオサ
    ウミブドウ(クビレズタ)
    など

  • 褐藻類

    体の色 褐色
    主要色素 クロロフィルa、クロロフィルc、フコキサンチン

    種類
    ワカメ
    コンブ
    モズク
    など

  • 紅藻類

    体の色 紅色
    主要色素 クロロフィルa、フィコエリスリン、フィコシアニン

    種類
    アサクサノリ
    フノリ
    テングサ
    など

参照
特集2 食材まるかじり「海そうを見直そう」(1)
農林水産省

.
フコキサンチンは海藻の褐藻類のみに含まれるカロテノイドです。

 

自然界で最も多く存在する

フコキサンチンが含まれるのは海藻の褐藻類のみです。
が、β-カロテンと並んで自然界で最も多く存在するカロテノイドとされています。

β-カロテンと並んで最も多く自然界に存在するカロテノイドである.

引用元
生体内で有効な機能を発揮する褐藻カロテノイドのフコキサンチン 
PDFページ 1/7
J-STAGE

一説では、「β-カロテンより多く存在する」、すなわち地球上で一番多く存在するカロテノイドがフコキサンチンともされています。

ネームバリューからすると、信じられないかもしれません。
ただ、陸(地球の面積 3割)に存在する成分と、海(地球の面積 7割)に存在する成分という視点で比べれば、けしておかしな話ではないと思います。

 

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カロテノイドの基本構造

カロテノイドは【炭素数5のイソプレン単位が8個が鎖状に結合した炭素数40】を基本骨格とします。
水色のラインはこちらの出典元の水色部分を指します。

出典元
PapriX
商品紹介 ファインケミカル
江崎グリコ(株)

多くのカロテイドは、イソプレノイドの鎖=ポリエン鎖をはさんで両サイドに2個のエンドグループを有します。
エンドグループが炭素と水素のみがカロテン類で、それ以外(+酸素原子)を含むものがキサントフィル類です。リコピンは特殊で、エンドグループに環状構造を持たない非環式です。

ポリエン鎖とエンドグループの組み合わせにより750種類以上のカロテノイドが存在します。

フコキサンチンの特徴 アレン構造

フコキサンチンの構造上の特徴として
カロテノイドに共通するポリエン鎖に加えて

  • アレン構造
  • 共役カルボニル基
  • エポキシ基
を有する点です。

先ほどの出典元のカロテノイド類と比べてください。


出典元
海藻由来フコキサンチンの抗肥満作用
PDFページ 2/6
J-STAGE

その構造は、かなり「特異的」といえます。

特に注目すべきはアレン構造です。
アレン (allene) は3個の炭素の間に2個の二重結合が連続した構造【C=C=C】のことをいいます。
アレン構造をもつカロテノイドは、フコキサンチン(およびその代謝物)以外にはネオキサンチンなどごく一部にしか存在しません

アレン構造を有するカロテノイドは,フコキサンチンの他にはフコキサンチンの代謝物フコキサンチノールやアマローシアキサンチンA,野菜類に含まれるネオキサンチンなどごく限られたものである。

引用元
海藻由来フコキサンチンの抗肥満作用
PDFページ 1/6
J-STAGE

フコキサンチンには強力な抗肥満作用があります。
これはフコキサンチンにアレン構造があるからとされています。

 

フコキサンチンの吸収 代謝

フコキサンチンを摂取すると、小腸上皮細胞でリパーゼなどの働きにより脱アセチル化され、フコキサンチノールとなってから吸収されます。その後、血液中を循環し、組織に蓄積されます。
フコキサンチノールの一部は、肝臓でアマローシアキサンチンAに代謝されます。

Fxn を摂取すると,小腸上皮細胞でリパーゼによって側鎖のアセチル基が加水分解されたフコキサンチノール(FOH)となり,血流に取り込まれる.その一部は肝臓でアマロウシアキサンチン A(Amx)に酸化されて血流を循環する

引用元
生体内で有効な機能を発揮する褐藻カロテノイドのフコキサンチン 
PDFページ 1/7
J-STAGE

フコキサンチンの様々な生理作用は、これら代謝産物が担っていると考えれられます。

フコキサンチンの様々な生理作用

  • 抗肥満作用
  • 抗がん作用
  • 抗酸化作用
  • 血管新生抑制作用
  • DHAの合成促進作用
このなかで、フコキサンチンのほうが効能が「上」なのは抗酸化作用ぐらいです。

とはいえ、フコキサンチンを摂取すると体内でこれら代謝産物になります。
ここでは一括してフコキサンチンの生理作用とします。

 

フコキサンチンを食事からとるとしたら

フコキサンチンは褐藻類にしか含まれていません。
なので、食事から取るとなるとワカメ、コンブ、もずく、ひじきなどからになります。

これら食材は、基本 乾物として購入すると思われます。
乾燥した状態の褐藻類に含まれるフコキサンチンの量(/1g)のをまとめてみました。

◆ワカメ

0.7mg

◆コンブ

0.17mg

◆もずく

0.16mg

◆ひじき

1.8mg

※数値は一例です。収穫場所と収穫期で異なります。

参照
脂肪細胞を小さくする黄金の成分! 
美と若さの新常識 NHK

.

アカモクがベスト

さて、フコキサンチンのウリである抗肥満作用を得るには、2mg/日の摂取が必要と言われています。
「2mg」この数値はさきほどの食材を朝・昼・晩フル活用すれば、達成できなくはありません。

ただ、4つ以外に、もっと手軽にフコキサンチンを摂取できる食材があります。

それはアカモクです。

アカモクには乾燥重量1gあたり、3.7mg含有されています。

 

 

フコキサンチンサプリ

フコキサンチンをサプリから取ると考えた場合は、品質に関しては心配いりません。
なぜならフコキサンチンは、【褐藻から抽出するしか方法しか存在しない化学合成などでの供給は不可能】となっているからです。

ただ、ずばりの(リーズナブルな)フコキサンチンサプリには、なかなかお目にかかれないかもしれません。

その場合は、アカモクサプリを選択するとよいと思います。
先に説明したようにアカモクにはフコキサンチンが多く含まれています。

 

 

ちなみに、寝る前に飲むだけで話題の「ザンシゲン」は、フコキサンチン含有海藻抽出物とプニカ酸含有ザクロ種子油の複合サプリです。
個人的には、ザンシゲンをフコキサンチンサプリとして取るのもアリだと思います。

 

 

 

フコキサンチンの効果・効能

フコキサンチンの効果・効能 5つ厳選

  1. 抗肥満作用
  2. 抗がん作用
  3. 抗酸化作用
  4. 血管新生抑制作用
  5. DHAの合成促進作用

 

そのうち2つを詳しく

①抗肥満作用

脂肪と聞くと、一概に「肥満」のイメージが浮かぶかもしれません。
が、脂肪といっても「大きさ」や「形」や「機能」が同じではありません。

脂肪細胞には脂肪を蓄積する脂肪細胞と脂肪を燃やす脂肪細胞の2種類が存在します。

ここで、脂肪細胞について簡単に説明します。

 

 

2種類の脂肪細胞

脂肪細胞は細胞質に糖質や脂質を中性脂肪として蓄える袋(脂肪滴と呼ばれる)をもった細胞です。

脂肪細胞

緑→ミトコンドリア 
赤→核 
黄→脂肪滴

脂肪細胞には
大きな脂肪滴が1つある白色脂肪細胞
中小の脂肪滴&ミトコンドリアが多数存在する褐色脂肪細胞
の2種類があります。

  • 白色脂肪細胞
    .


    機能その1 エネルギーの貯蔵と放出
    余剰となったエネルギーを脂肪として蓄積します。
    エネルギーが必要となった時に血液中に遊離脂肪酸として放出する役割を果たします。

    機能その2 アディポサイトカインの分泌
    アディポサイトカインと呼ばれる生理活性物質を分泌してます。
    アディポサイトカインには、悪玉と善玉があります。
    内臓脂肪がたまると、悪玉が増えて善玉が減ります。
     
    場所 広範囲
    皮下や消化管などの周囲に、広範かつ多量に存在します。
    内臓脂肪、皮下脂肪は白色脂肪細胞にあてはまります。

  • 褐色脂肪細胞
    .

    機能 エネルギーの消費と散逸(代謝的熱産生)
    白色脂肪細胞から遊離された脂肪酸を取り込み、エネルギー消費とそれに伴う熱を放出します。
    鉄を含むミトコンドリアが多くあるため、褐色に見えます。

    場所 肩甲間などに限定

    肩甲間、腋窩部、腎周囲など限定された場所に少量しか存在していません。
    褐色脂肪細胞は赤ちゃんの頃に多く存在しています。
    ただし、加齢とともにどんどん減ってきます。この減少が中年太りの大きな原因となっています。

 

こちらが、白色脂肪細胞と褐色脂肪細胞の関係が一目でわかるイラストです。


出典元
体脂肪を落とすカギは“代謝”!なかでも意識すべき「ニート」って何?
日経グッディ
(株)日本経済新聞社

上の分解の図は【白色脂肪細胞が、エネルギーが必要となった時に血液中に遊離脂肪酸として放出される】を表しています。

下の消費の図は【その脂肪酸を、肝臓・筋肉や褐色脂肪細胞などの「ミトコンドリア」に取りこみ、エネルギーとして消費させる】です。

.
なお、褐色脂肪細胞の機能は、褐色脂肪細胞のミトコンドリア内膜に特異的に存在するUCP1によるものです。

UCP(脱共役たんぱく質)

ミトコンドリアの内膜に存在するたんぱく質です。酸化的リン酸化のエネルギーを生成する前に ミトコンドリア内膜での酸化的リン酸化反応を脱共役させ、エネルギーをATPとしてでなく熱として散逸させることができるたんぱく質です。Uncoupling proteinの頭文字を取ってUCPと略します。
哺乳動物UCPは5種類のアイソフォームが知られています。UCP1は通常、褐色脂肪細胞のみ発現します。

 

 


第3の脂肪細胞

最近の研究により、第3の脂肪細胞が存在することが明らかになっています。

それがベージュ脂肪細胞と呼ばれるものです。

ベージュ脂肪細胞は、白色脂肪細胞が「褐色化」し、UCP1が発現し、褐色脂肪細胞と同じようにエネルギー消費能をもつ脂肪細胞のことをいいます。

ベージュ脂肪細胞は、常温では白色脂肪細胞ですが、寒冷曝露などの生理的刺激が加わることにより「褐色化」します。

個体は寒冷にさらされると交感神経の刺激により褐色脂肪細胞が活性化するとともに、白色脂肪組織(特に皮下脂肪)にベージュ脂肪細胞が誘導され、脂肪を分解して熱へと変換します。

引用元
体に優しいオメガ3脂肪酸を動かし肥満を抑える新しい脂質代謝酵素の発見
プレスリリース
国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)

寒冷曝露などの生理的刺激を受けると、脂肪細胞では次のようなメカニズムが生じます。

寒冷曝露などの生理的刺激を受ける

交感神経活動が亢進する

ノルアドレナリンが分泌される

 

ノルアドレナリン白色脂肪細胞に作用する
(白色脂肪細胞のβ3アドレナリン受容体に結合する)


ホルモン感受性リパーゼが活性化され脂肪分解が起こります。
ここで生じた脂肪酸は血中に放出され、褐色脂肪細胞に取り込まれます。

ノルアドレナリン褐色脂肪細胞に作用する
(褐色脂肪細胞のβ3アドレナリン受容体に結合する)

UCP1の活性化が惹起されます。
UCP1が活性化されると、ミトコンドリアでのプロトン濃度勾配がATP合成に利用されずに、エネルギーは熱として散逸されます。


第3の脂肪細胞ベージュ脂肪細胞が出現する

ベージュ脂肪細胞とは白色脂肪細胞内に散在的に存在するUCP1陽性の脂肪細胞のことです。 これも寒冷曝露などの生理的刺激により誘導されます。
いうなれば褐色脂肪”様”細胞で、褐色脂肪細胞と同様に熱産生を行います。

.
※イラストは目ん玉です。脂肪細胞のイメージとして使いました。

.
ということで、
褐色脂肪細胞を活性化させる】または【ベージュ脂肪細胞=(白色脂肪細胞の褐色化)を増やす】ことができれば、
脂肪酸やグルコースの酸化分解で生じたエネルギーがATPを介せず直接熱に変換され散逸消費されていく】ため「痩せる」ことになります。

 

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などについて

さて、先ほどから「寒冷曝露などの生理的刺激」と、などにわざわざ下線部を引いて強調しています。
実は、それ以外の方法があることを暗に匂わせていました。

それが
「運動」の刺激

「褐色脂肪を活性化する or 白色脂肪細胞を褐色化させる働きをもつ栄養成分」による刺激
です。

後者の「栄養成分」にあてはまるのが、フコキサンチンです。

フコキサンチンには白色脂肪細胞組織にてUCP-1の発現を誘導させる作用があります。

こうした背景のもと,コンブやワカメなどの褐藻中のカロテノイド,フコキサンチンが,WAT中のUCP1発現を介した抗肥満作用を示すことが明らかにされた

引用元
海藻カロテノイド,フコキサンチンの多機能性
PDF 4/8
J-STAGE

それゆえに、フコキサンチンには強力な抗肥満作用があります。

補足

WAT(white adipose tissue )  白色脂肪細胞組織
BAT(brown adipose tissue ) 褐色脂肪細胞組織

 

フコキサンチンは特殊

さて、
「UCP-1の発現を誘導させる作用を有する栄養成分」=「褐色脂肪細胞を活性化するor白色脂肪細胞を褐色化させる働きをもつ栄養成分」
はいくつかあります。

有名どころだと

カプサイシン(唐辛子の主成分)

カフェイン(コーヒーの主成分)

DHAEPA(魚油)

.
などです。

これら成分は、BATにおいてUCP1の発現を誘導させます。
褐色脂肪細胞を活性化する

一方で、フコキサンチンは、WATにおいてUCP1の発現を誘導させます。
白色脂肪細胞を褐色化させる

フコキサンチンのようなWATでのUCP1の発現誘導作用は,他のカロテノイドを含めた食品成分において報告例がない。

引用元
海藻由来フコキサンチンの抗肥満作用 
PDFページ 3/6
J-STAGE

フコキサンチンは、脂肪蓄積の本体である白色脂肪細胞において、本来発現しないとされる遺伝子UCP1を発現させることで脂肪を燃焼させるユニークなメカニズムをもつ機能性食品素材であることから近年注目されています。

引用元
安定化フコキサンチン粉末生産技術確立について
ニュースリリース
(株)カネカ

白色脂肪細胞を褐色化させる成分は、滅多にお目にかかれません
なのでフコキサンチンは非常に珍しい栄養成分といえます。
運動や食事制限で、期待するほどのダイエット効果が得られなかった場合、一度試してみる価値があると思います。

 

 

③抗酸化作用

狭義の活性酸素は【スーパーオキシド・過酸化水素・一重項酸素・ヒドロキシラジカル】の4種類です。
左から右につれて酸化させる力が強くなります。
活性酸素を除去することを抗酸化作用と言います。

ここで、一重項酸素にクローズアップします。

通常の酸素分子は基底状態で三重項酸素と呼ばれています。
一重項酸素は「基底状態の三重項酸素分子がエネルギーを受け取ることで、一重項状態に励起された酸素分子」のことです。

一重項酸素の電子そのものは、一応すべてペアになっています。なので不対電子を持っていません=フリーラジカルではありません

ですが、片側に空の軌道がありそこに電子を強く求めます。そのため非常に強い酸化力を持っています。
一重項酸素は【比較的 寿命は短いのですが、反応性が非常に高く】接触した不飽和脂肪酸の二重結合に直接作用して過酸化脂質を生成します。

カロテノイドには一重項酸素を消去する力があります。

カロテノイドは

一重項酸素のエネルギーを吸収して安定な基底状態(三重項状態)に戻します

.

カロテノイドの¹O₂消去の特徴は物理的消去である。すなわち,化学反応に由来せず,一重項酸素から励起エネルギーを受け取ることにより励起されたカロテノイドは熱エネルギーを放出し,それ自体はカロテノイドにもどる。

引用元
カロテノイドの吸収代謝と生理活性
PDFページ 5/12
J-STAGE

ということで、カロテノイドの一種であるフコキサンチンは、一重項酸素に対する消去能を有します。

 

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フコキサンチンの「抗酸化作用」の覚えておくべき(個人的)ポイントは次の3つです。

①フコキサンチン>フコキサンチン代謝物
フコキサンチンのもつさまざまな生理作用は、主にフコキサンチンの代謝物(フコキサンチノール・アマローシアキサンチンA)が担っています。
さまざまな生理作用のうち、抗酸化作用のみ代謝物よりフコキサンチンのほうが力が上す。

一方機能性は,後に詳細を述べるが,抗酸化能以外は,FOH あるいは Amx の方が Fxnよりも顕著である

引用元
生体内で有効な機能を発揮する褐藻カロテノイドのフコキサンチン
PDFページ 2/7
J-STAGE

②嫌気条件下で力を発揮

フコキサンチンは好気条件よりも嫌気条件下で抗酸化「力」を発揮します。
他のカロテノイドがなかなか力を発揮できない条件下(例えば、低酸素分圧下)での抗酸化作用を示します。

③その力は未知数
フコキサンチンの一重項酸素に対する消去能力に関しては未知数です。
というのも、低いと高いの両方の記述があるからです。

低いとされる

◆こちら
アスタキサンチン オリザ油化(株)PDFページ 4/30

に、6種類のカロテノイド【アスタキサンチン、カンタキサンチン、ゼアキサンチン、β-カロテン、フコキサンチン、ハロシンシアキサンチン】の一重項酸素消去定数を求めた試験報告があります。フコキサンチンは6つのうち5番目の低さで、さらにいうと上4つとかなりの差があります。

◆こちら
海洋カロテノイドの一種であるフコキサンチンおよびその代謝物のラジカル捕捉活性および一重項酸素消去活性 PDFページ 1/10 メディカルサプリメント(株)

でも、β-カロテンの一重項酸素消去能よりも低いとされます。

高いとされる

◇こちら
生体内で有効な機能を発揮する褐藻カロテノイドのフコキサンチン PDFページ 5/7 J-STAGE

では、一重項酸素消去能はβ-カロテンより約12倍強いとされています。

 

ここでの結論です。
カロテノイドの一重項酸素の消去能を求めるなら
他のカロテイド【アスタキサンチン・リコピン・β-カロテン】でよいと思います。

フコキサンチンに関しては「強力な抗肥満作用がある、ついでに一重項酸素に対する抗酸化作用がある」程度の認識でいいと思います。
もちろん個人的な考えです。

 

 

フコキサンチンの働き分析【見た目編】

合計 42.5/60点

カテゴリー別 点数

薄毛 6点

白髪 5.5点

美肌 7点

美白 7.5点

筋肉 6.5点

脂肪 10点

 
 
 

薄毛

6点

「薄毛」改善 に関するフコキサンチンの働きは主に次です。

  1. 毛乳頭細胞活性作用
    髪に必要な栄養素は、毛細血管を通じて毛乳頭に運ばれます。


    毛乳頭はその栄養素を毛母細胞に受け渡します。それにより毛母細胞が分裂し、そこから生じた細胞が毛髪を形成します。
    リーブ21の研究により、フコキサンチンに毛乳頭細胞活性作用があることが確認されています。

    参照
    コンブはやはり髪によい!?
    ニュースリリース 
    (株)毛髪クリニックリーブ21

  2. 抗酸化作用
    頭皮は紫外線を一番受けやすい場所です。
    紫外線を浴びることにより頭皮に活性酸素が発生します。活性酸素は毛母細胞を傷つけ、その働きを弱めます。また皮脂を酸化させ、頭皮を硬化させます。

    紫外線より生じる活性酸素は主に「一重項酸素」です。
    なので、一重項酸素を除去する抗酸化物質をとることは薄毛予防になります。フコキサンチンには一重項酸素に対する消去能があります。

 

白髪 

5.5点

「白髪」予防 に関するフコキサンチンの働きは主に次です。

  1. 抗酸化作用 
    メラニンは頭皮の毛包内にある色素細胞(メラノサイト)でチロシンとチロシナーゼ酵素が結びつくことで生まれます。


    色素細胞は毛母細胞の隣に存在しています。

    色素細胞は色素幹細胞から作られています。色素幹細胞は
    バルジ領域(皮脂腺の下あたりに存在)と呼ばれる場所に存在します。

    色素幹細胞が作り出した色素細胞が毛母に届くと、そこでチロシンとチロシナーゼをもとにメラニンが作られます。
    そして隣にある毛母細胞が細胞分裂する際【=髪を作る過程】に、色素細胞で作られたメラニンが、髪に取り込まれ、黒髪になります。

    なので、色素細胞および色素幹細胞がダメージを受けると白髪の増加につながります。

    どちらがより大事かといえば、色素幹細胞です。
    というのも色素細胞がダメージを受けても、色素幹細胞に問題がなければ新たな色素細胞が供給されるからです。

    色素幹細胞にダメージを与えるものの1つは、紫外線より生じる活性酸素「一重項酸素」です。
    フコキサンチンには一重項酸素を除去する力があります。

    参照
    白髪を増やさない 血流アップ&抗酸化【日経ヘルス19年2月号】 黒髪を保つ3つのポイント
    日経doors 日経BP

美肌

7

「美肌」作り に関するフコキサンチンの働きは主に次です。

  1. 光老化抑制作用
    「光老化」とは、太陽光線を浴び続けることにより、皮膚に現れるシミ、シワ、たるみなどの老化現象のことをいいます。
    光老化現象の原因は【①皮膚組織での過酸化脂質の増加】と【②血管新生の亢進】とされています。

    ②血管新生の亢進について

    血管新生とは、既存の血管から伸長して新しい血管を形成することをいいます。
    血管新生を促進する因子VEGF(vascular endothelial growth factor)と
    血管新生を阻害する因子TSP-1(thrombospondin-1)
    の発現のバランスの崩れが、皮膚の光老化を促すとされています。


    紫外線をあびるとVEGFの発現が促進されます。一方でTSP-1の発現は抑制されます。そうなると血管新生の亢進状態となり、光老化が促進されます。

    フコキサンチンには抗酸化作用があります。ゆえに①皮膚組織での過酸化脂質の増加を防ぎます。
    フコキサンチンには強力な血管新生抑制作用があります。ゆえに②血管新生の亢進を防ぎます。

    トータルして、フコキサンチンは光老化抑制作用がある成分です。

    ※フコキサンチンの光老化抑制作用は塗布によって認められている作用ですが、経口摂取でも、その活用が期待されています。

    参照
    海藻カロテノイドの皮膚における光老化抑制作用
    公益財団法人 コーセーコスメトロジー研究財団

    皮膚に対する作用に注目した食品機能成分の評価
    日本微量栄養素学会

  2. コラーゲン
    フコキサンチンには、繊維芽細胞でのコラーゲン産生促進作用があります。
    またコラーゲンを分解する酵素コラゲナーゼの活性を阻害し、コラーゲンの分解を抑制する作用もあります。
  3. エラスチン・ヒアルロン酸
    こちらは真皮層のイラストです。

    ひし形内のが繊維芽細胞(すべてのひし形内にあります)、ひし形の線部分がコラーゲン、線部分のつなぎめがエラスチン、ひし形内にあるのがヒアルロン酸などの基質です。

    これら美肌成分が減少すると、肌のハリ・弾力・ツヤは失われます。
    老化により、これら成分を分解する酵素

    • コラゲナーゼ
      コラーゲンを分解する
    • エラスターゼ
      エラスチンを分解する
    • ヒアルロニダーゼ
      ヒアルロン酸を分解する

    が活性化されると3つの成分は減少していきます。
    上で、フコキサンチンにコラゲナーゼの活性を阻害する働きがあることを説明しました。
    残りの2つエラスターゼとヒアルロニダーゼの酵素活性を抑える働きもあります。

 

美白

7.5点

「美白」ケア に関するフコキサンチンの働きは主に次です。

  1. 光老化抑制作用
    「光老化」とは、太陽光線を浴び続けることにより、皮膚に現れるシミ、シワ、たるみなどの老化現象のことをいいます。
    光老化現象の原因は【①皮膚組織での過酸化脂質の増加】と【②血管新生の亢進】とされています。
    フコキサンチンのもつ抗酸化作用や血管新生抑制作用が光老化に対して有効です。

  2. 紫外線によるシミ対策
    紫外線を肌に浴びた時に発生する活性酸素種は主に一重項酸素です。一重項酸素は肌にあるメラノサイトを刺激しメラニンの大量生成を促します。

    紫外線(一重項酸素)により「メラニン」ができる作用機序は以下になります。

    紫外線およびそれにともなう活性酸素(一重項酸素)の刺激が肌を攻撃します。


    すると、

    1. 肌の細胞が情報伝達物質を産生します。
    2. その情報伝達物質がメラノサイトを刺激します。
    3. メラノサイト内のチロシナーゼを活性化します
    4. メラノサイト内でチロシナーゼがチロシンと結合します。
    5. メラニンが生成されます。
    メラニンが大量にできてしまい、それが肌のターンオーバーとともに排出されないと「シミ」となって肌の表面に現れます。

    紫外線が原因でできるシミの対策には、なにより一重項酸素に対して消去能をもつ成分をとることが有効と考えられます。カロテノイドであるフコキサンチンは一重項酸素消去能を有します。

    また、メラニンは酵素チロシナーゼを介して生成されるので、この酵素活性を阻害する働きをもつ成分をとることも重要です。
    フコキサンチンはチロシナーゼ活性阻害作用を有します。

  3. 抗糖化作用
    糖化とは体内に余った糖質がたんぱく質とくっつき、たんぱく質を劣化させる現象のことをいいます。糖化によって作られるのがAGEs(終末糖化産物)です。AGEsが体内に蓄積されるといわゆる老化が進みます。
    AGEsは美白を求める方にとって天敵となります。AGEsそれ自体が茶褐色の物質のため、肌の内側に蓄積すると肌に透明感がなくなり黄色くくすんでしまうからです。
    フコキサンチンにはAGE産生抑制作用があります。

    1.フコキサンチンを有効成分とするAGE産生抑制剤。フコキサンチン(実施例)のAGE産生抑制作用を示すグラフである。 

    引用元
    公開特許公報(A)_AGE産生抑制剤
    国立研究開発法人科学技術振興機構

筋肉

6.5点

「筋肉」増強 に関するフコキサンチンの働きは主に次です。

  1. GLUT4
    筋肉において、糖は最も重要なエネルギー源です。
    その糖を、筋肉細胞内に取り込むのはGLUT4の役割です。
    GLUT4は、インスリン刺激および運動の刺激があると細胞の表面(細胞膜)に移動して、細胞内への糖の取り込みの輸送通路として働きます。

    そのメカニズム

    インスリンシグナル伝達経路
    インスリンは各細胞にグルコースを取り込ませることにより血糖値を下げます。

    実際、グルコースの取り込み作業を行うのはGLUT4です。

    通常、GLUT4は、細胞内の小胞(GLUT4小胞)に格納されています。 
    インスリンの作用(および運動)によって細胞膜に発現します。

    細胞膜に存在するインスリン受容体にインスリンが結合すると
    インスリン受容体のリン酸化酵素「チロシンキナーゼ」が活性化されます。
    すると細胞内のIRS、PI3k、Aktなどの情報伝達分子が順々に活性化され、細胞内に存在するGLUT4にシグナルが伝わります。
    するとGLUT4が細胞膜へと移動します。
    その結果、血中のグルコースが細胞内に取り込まれるようになります。

    ②AMPK経路
    運動の場合は、AMPKが活性化することによってGLUT4を細胞膜に発現させます。

    さて、フコキサンチンには抗糖尿病作用があります。
    これはインスリンシグナル伝達経路およびAMPK経路を活性化させ、GLUT4の細胞膜への移行を亢進する&GLUT4の発現を増やすことでもたらされる作用です。

    2.フコキサンチンによる血糖値改善効果の分子機構解明:フコキサンチン代謝物は骨格筋細胞で、Akt経路とAMPK経路の活性化を介してGLUT4の発現亢進作用と細胞膜移行促進作用すること、また、その効果は、骨格筋の種類によっても異なり、ヒラメ筋においてはGLUT4の細胞膜移行の亢進が、長趾伸筋ではGLUT4の発現量の増大が誘発されやすいことを明らかにした。

    引用元
    アレンカロテノイドの生体内局在と機能解析 研究課題
    KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)


    フコキサンチンチンはGLUT4の発現が豊富な遅筋(ヒラメ筋)では細胞膜移行を亢進させ、
    GLUT4の発現が低い速筋(長趾伸筋)ではGLUT4の発現を誘導します。

  2. 筋委縮抑制効果
    筋肉が萎縮する主な原因は、活性酸素と考えられます。なので抗酸化物質の摂取が、筋萎縮の予防・改善に有効であるとが考えられます。
    事実、それを示す研究報告が数々なされており、例えば、β-カロテンには、活性酸素による筋萎縮抑制効果があることがマウス実験にて確認されています。

    フコキサンチンはβ-カロテンと同じカテゴリー(カロテイドかつ抗酸化物質)です。
    同様の効果が期待できそうです。

    フコキサンチンは抗酸化物質であり,同様に筋萎縮抑制の効果を示す可能性が期待できる.

    引用元
    海藻含有カロテノイドの抗サルコペニア肥満の効果検証
    PDFページ 1/3
    公益財団法人 東洋食品研究所

 

脂肪

10点

「脂肪」減少 に関するフコキサンチンの働きは主に次です。

  1. ベージュ脂肪細胞
    脂肪細胞には白色脂肪細胞と褐色脂肪細胞の2種類があります。

    2種類の脂肪細胞

    ◇白色脂肪細胞
    余剰となったエネルギーを脂肪として蓄積する& 必要時に血液中に遊離脂肪酸として放出する役割をはたす。

    ◆褐色脂肪細胞
    白色脂肪細胞から遊離された脂肪酸を取り込み、エネルギーに変換する。


    最近の研究により第3の脂肪細胞が存在することが明らかになりました。
    それがベージュ脂肪細胞と呼ばれるものです。

    ベージュ脂肪細胞とは、白色脂肪細胞が「褐色化」し、褐色脂肪細胞と同じようにエネルギー消費能をもつ脂肪細胞のこと
    をいいます。

    ベージュ脂肪細胞は、常温では白色脂肪細胞ですが、寒冷曝露や運動の生理的刺激、または栄養成分の働きにより「褐色化」します

    フコキサンチンにはベージュ脂肪細胞を増やす働きがあります。

    参照
    最新ダイエットの要!話題のベージュ脂肪細胞・褐色脂肪細胞・白色脂肪細胞を徹底解説!
    オリーブチャンネル DHC

  2. 肝臓でのDHA合成促進作用
    DHAは体内でα-リノレン酸をもとに合成できます。

    α-リノレン酸ステアリドン酸EPADPADHA

    ※代謝経路は一部省略しています。
    ※EPAからDPAを経由しないでDHAに変換される経路もあるので代謝経路は2つと考えてください

    が、その変換率は極めて低いです。一説によれば1~2%と言われています。
    とにかく体内での合成がほとんど期待できないため、DHAそのものを取ることが大事となっています。

    フコキサンチンには肝臓でのDHA合成促進作用があります。
    ゆえに、フコキサンチンの摂取は、体内でのDHAの増加が期待できます。

    DHAには血中の中性脂肪を減らす作用があります。

    参照
    フコキサンチンによる生体内DHAの合成促進作用とメカニズムの解明
    KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)

  3. 脂肪細胞分化抑制作用
    肥満は、その脂肪組織が過剰に蓄積された状態です。
    肥満は

    ◆脂肪細胞自身の体積の増加(肥大化)

    ◆前駆脂肪細胞が成熟脂肪細胞へと分化し、その数が増える(過形成)

    の2つが関係してきます。

    PPARγは脂肪細胞の分化に必須の転写因子です。PPARγの活性を抑制することによって、前駆脂肪細胞→成熟脂肪細胞へと分化が抑制されます。
    結果、脂肪合成が減るので肥満予防になります。

    フコキサンチンは、脂肪細胞に対する分化抑制作用を有します。

    その際、フコキサンチン及びフコキサンチノールは、脂肪細胞への分化の過程でマスターレギュレーターとして働くPPARγの発現を抑制することを見出した。

    引用元
    水産物由来の脂溶性成分による脂肪細胞のライフサイクル制御機能の解明
    KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)

 

フコキサンチンの働き分析【中身編】

合計 41/60点

カテゴリー別 点数

身体 5.5点

エネ 8点

病気 7.5点

体質 8.5点

精力 5点

健脳 6.5点

 

身体

5.5点

「身体」の構成材料 に関わるフコキサンチンの働きは主に次です。


  1. 骨は骨芽細胞と破骨細胞により新陳代謝を繰り返しています。大人の場合 全身の骨が3~5年で新しいものと入れ替わります。

    骨芽細胞

    骨を作る細胞です。コラーゲンを分泌させ、そこにリン酸カルシウムを付着させ骨を作ります。


    骨が作られることを骨形成といいます。

    破骨細胞

    骨を溶かす細胞です。酸と酵素でカルシウムとコラーゲンを溶かします。


    骨が壊されることを骨吸収といいます。

    正常な骨では骨形成と骨吸収のバランスが保たれています。これが崩れて骨吸収>骨形成の状態【=骨吸収が優位】が続くと骨量(骨密度)が減少していきます。

    フコキサンチンは破骨細胞のアポトーシスを誘導する作用があるとされています。
    骨吸収<骨形成の状態に導き骨を保護します。

  2. コラーゲン
    人間の体を構成しているたんぱく質のうち30%はコラーゲンでできています。体内にあるコラーゲンのうち、約40%が皮膚に存在しています。
    コラーゲンの体内構成比
    フコキサンチンには、繊維芽細胞でのコラーゲン産生促進作用があります。
    またコラーゲンを分解する酵素コラゲナーゼの活性を阻害し、コラーゲンの分解を抑制する作用もあります。

 

エネルギー

8

「エネルギー」生成 に関わるフコキサンチンの働きは主に次です。

  1. 糖代謝促進
    フコキサンチンはGLUT4の発現の向上を介して、糖代謝を促進させます。

    GLUT

    グルコースは親水性であるため、細胞膜を通過できません。グルコースは細胞膜にあるグルコーストランスポーター(グルコース輸送体)を利用して細胞膜を通過します。
    グルコーストランスポーター=glucose transporter は略してGLUTと呼ばれます。

    GLUTは、13種類のアイソフォームが確認されており、各々 存在場所や親和性(糖に対する)が異なっています。 
    例えば 
    ●GLUT1 赤血球・脳・腎臓などに存在する 

    ●GLUT2 肝臓・膵ランゲルハンス島B細胞などに存在する  

    ●GLUT3
     神経細胞・胎盤に存在する

    ●GLUT4   筋肉(骨格筋・心筋)・脂肪組織に存在する
    があります。

    GLUT4はインスリンの作用によって発現します。インスリン依存的に筋肉(骨格筋・心筋)・脂肪組織の細胞内に血中のグルコースを取り込みます。
    ※運動による筋収縮の刺激(AMPKの活性化)でも発現します。詳しくは筋肉項目にて説明済みです。

    フコキサンチンはインスリンシグナル伝達経路およびAMPK経路を活性化させ、【遅筋にて】GLUT4の細胞膜への移行を亢進させます&【速筋にて】GLUT4の発現を増やします。

    速筋と遅筋

    筋繊維には性質と見た目から速筋と遅筋に分類できます。

     

    速筋
    瞬発的な大きな力を発揮する。 
    赤い色素(=鉄を含むヘム)を持つミオグロビンの量が少ないため白く見える。

    遅筋
    持続的な力を発揮する 。
    赤い色素(=鉄を含むヘム)を持つミオグロビンが多く含まれているため赤く見える。

  2. 脂質代謝促進
    フコキサンチンには、白色脂肪細胞組織にてUCP-1の発現を増やす【脂肪細胞にて脂肪を体熱として放出させる=脂肪酸をATP産生ではなく熱へと変換し代謝させる】働きがあります。

    この働きにより、エネルギー代謝が亢進し、抗肥満作用をもたらします。

病気

7.5点

「病気」予防 に関わるフコキサンチンの働きは主に次です。

  1. 抗がん
    フコキサンチンには抗がん効果があります。
    フコキサンチンの血管新生抑制作用アポトーシス誘導作用(腫瘍細胞に対して)が「抗がん」になると考えれらます。
    特に後者です。

    Fxn は血管新生を抑制するのでがんを予防するだろうという報告もあるが,腫瘍細胞にアポトーシスを誘導するという報告が多い.前立腺がん細胞,白血病細胞,乳がんや大腸がん細胞,膀胱がん細胞,肝がん細胞,胃がん細胞に対するアポトーシス誘導が報告されている.

    引用元
    生体内で有効な機能を発揮する褐藻カロテノイドのフコキサンチン
    PDFページ 4/7
    J-STAGE

  2. 抗糖尿病
    フコキサンチンには抗糖尿病作用があります。
    フコキサンチンにはGLUT4の発現の向上を介して、糖代謝を促進させる働きや血糖値の増大に関わるアディポサイトカインの分泌を抑制する働きがあるからです。

 

体質

8.5点

「体質」改善 に関わるフコキサンチンの働きは主に次です。

  1. 抗炎症作用
    フコキサンチンには抗炎症作用があります。
    肥満の脂肪細胞組織ではTNFαやIL-6などの炎症性アディポカインが過剰産生されます。フコキサンチンにはそれら遺伝子の発現を抑制します。
  2. 脱顆粒反応抑制作用
    マスト細胞(肥満細胞)は、脱顆粒反応によりヒスタミンなどを放出することで、【花粉症、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、蕁麻疹、気管支喘息など】Ⅰ型アレルギー反応を引き起こします。

    脱顆粒反応

    マスト細胞は、その細胞表面上に高親和性IgE受容体(FcεRI)を発現しています。【アレルゲンを認識する】IgEがFcεRIと結合した後、再び同じアレルゲンに暴露されると、マスト細胞が活性化して、ヒスタミンなどの化学伝達物質を含んだ顆粒を細胞外に放出させます。

    マスト細胞内に蓄えられていた顆粒が細胞外に放出される反応をいいます。

    なので、脱顆粒反応を抑制することは、症状の緩和につながります。
    フコキサンチンには脱顆粒反応を抑制する働きがあります。

    その結果,フコキサンチン,アスタキサンチン,ゼアキサンチン,β-カロテンの4種のカロテノイドが,抗原刺激によって引き起こされる脱顆粒反応を優位に抑制することを初めて見出した

    引用元
    カロテノイドのマスト細胞に対する脱顆粒抑制作用
    PDFページ 2/6
    J-STAGE

    参照
    フコキサンチンによるかゆみ抑制
    JP2017031133A
    Google Patents

  3. 血管新生抑制作用
    血管新生とは、既存の血管から新たな血管を新生させる現象です。
    言葉だけ聞くと、体にいいことのように思えます。ですが、大人では創傷の治癒および子宮内膜で性周期に応じてといった限られた「場所」と「時期」のみに起こる現象です。
    通常、下線部以外では体の中の血管は血管新生促進因子と抑制因子のバランスが保たれており、体の中にやたらめったら血管新生が起こらないシステムとなっています。
    ようは、下線部以外で起こる血管新生は身体には「悪」です。

    血管新生は悪性腫瘍、動脈硬化、糖尿病性網膜症、リウマチ性関節炎の病態進展に深く関係してます。 また、シワ肥満歯周病などにも関係してきます。

    制御が効かなくなる【促進因子と抑制因子のバランスが崩れ 促進>抑制になる】と血管新生が起こってしまいます。フコキサンチンには強力な血管新生抑制作用があります。

精力

5点

「精力」増進&「性機能」向上 に関わるフコキサンチンの働きは主に次です。

  1. 糖尿病性ED
    勃起が起こるメカニズムを簡単に説明します。

    ①性的な刺激により脳が興奮するとその信号(興奮)が脊髄を伝わり勃起神経に到達する。

    ②すると陰茎の動脈は拡張し陰茎海綿体へ流入する血液が増える。

    ③同時に陰茎海綿体の平滑筋が弛緩され、海綿体は流れ込んだ血液を吸収し大きく膨らむ

    糖尿病とEDは多いに関係しています。

    理由は次です。

    ●血糖値が高い状態が続くと、神経障害が起こり、性的刺激およびその感度が悪くなります。つまり①が阻害されます。

    ●血糖値が高い状態が続くと、血管障害が起こり、陰茎への血流が悪くなります。つまり②が阻害されます。

    血糖値が高い状態が慢性的に続くことが「糖尿病」です。
    ということで、糖尿病の合併症の1つにED(糖尿病性ED)があります。

    フコキサンチンには血糖値改善効果があります。それにより抗糖尿病作用をもたらします。
    フコキサンチンの摂取は糖尿病性EDの予防にもなるかもしれません。

 

健脳

6.5点

「脳」の健康 に関わるフコキサンチンの働きは主に次です。

  1. 肝臓でのDHA合成促進作用
    脳は臓器の中で最も脂質を多く含んだ組織といわれています(脂肪組織を除いて)。成人の脳の乾燥重量の約6割は脂質で構成されています。
    脳に最も多く含まれている多価不飽和脂肪酸がDHAです。その6割はDHAが占めていると言われています。
    DHAの脳神経系の働きは、膜流動性の維持、神経新生、シナプス形成、抗炎症作用、アミロイドβ沈着抑制、BDNFの増加など数多く挙げられます。

    脳内のDHAは魚由来や肝臓由来です。
    DHAを摂取すること&DHAの肝臓合成を増やすことは脳機能維持効果が大いに期待できます。
    フコキサンチンは後者に貢献する成分です。

    参照
    DHALab.DHAラボ マルハニチロ(株)

    脳・神経機能維持と n-3 系脂肪酸 J-STAGE

  2. アルツハイマー病
    認知症はアルツハイマー型認知症、脳血管型認知症、その他の3つに大別されます。認知症の半分以上はアルツハイマー型認知症です。

    アルツハイマー病はアミロイドβの凝集体が原因で発症する
    とされています。
    アルツハイマー病の脳では、アミロイドβの断片が処理されずに蓄積され、老人斑というゴミの塊を形成します。
    このゴミがたまると【神経細胞が傷害を受ける→神経細胞が死滅する→脳が萎縮する→脳の機能障害が起こる】といった流れをたどります。

    (株)フルッタフルッタが、フコキサンチンとアサイー(主成分 シアニジン3グルコシド)の合剤がアルツハイマー病の予防【アミロイドβの脳内の蓄積を抑制する】になるといった内容の研究発表を行っています。
    単体でも効果があるが、相乗効果があるとのことです。

    参照
    40代でアルツハイマー病対策スタート。アサイーとフコキサンチンの予防効果に関する研究発表
    ニュースリリース
    (株)フルッタフルッタ

 

 

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フコキサンチンのサプリメント紹介

 
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フコキサンチンのまとめ

分析【見た目編】42.5

分析【中身編】41

 

 

フコキサンチン WATでのUCP1の発現誘導

フコキサンチン J-STAGE

海藻カロテノイド,フコキサンチンの多機能性 J-STAGE

生体内で有効な機能を発揮する褐藻カロテノイドのフコキサンチン J-STAGE

海藻由来フコキサンチンの抗肥満作用 J-STAGE

褐藻由来フコキサンチンの抗肥満・抗糖尿病効果とその機序 J-STAGE

これからの脂質栄養と機能性食品の開発―海藻の恵みとその利用― J-STAGE

海藻中に含まれる多機能性カロテノイド:フコキサンチン J-STAGE

水産脂溶性成分の機能性評価と高度利用に関する研究 J-STAGE

褐色脂肪組織でのエネルギー消費と食品成分による活性化 J-STAGE

血管新生 J-STAGE

マリンカロテノイドの炎症性疾患予防作用 日本微量栄養素学会

緑藻類に含まれるカロテノイド資源の調査 日本微量栄養素学会

海藻の培養によるカロテノイドの生産 公益社団法人日本生物工学会

海洋性カロテノイドの健康機能 (一財)食品分析開発センターSUNATEC

フコキサンチン  オリザ油化(株)

脂肪細胞を小さくする黄金の成分!  美と若さの新常識 NHK

 

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