さてファイトケミカルの話もくだらないサブストーリーの話もどちらも佳境に入ってきました。まあサブストーリーなんてどうでもいいのですが、ファイトケミカルのほうは大分類の残り3つ(糖関連物質、アミノ酸関連物質、香気成分)を紹介するだけとなりました。3つも残っておきながら「だけ」という表現はおかしいかと思われるかもしれませんが、多くの記事を費やしたポリフェノールやカロテノイドと比べると紹介する成分の数が少ないので、本当にあと数回で終わります。
ただいま糖関連物質の話をしていますが、それも今回で終わりです。
えーと・・・それでは無駄話はこの辺にして糖関連物質のフコイダンの紹介をします。
フコイダン
フコイダンは、昆布、ワカメ、メカブ、モズクなどの海藻類に含まれている成分で、硫酸化多糖体の一種です。
前回紹介したβグルカン同様に食物繊維にも分類されます。フコイダンは水溶性食物繊維です。
多糖体(単糖が結合したもの)に硫酸基(硫酸のもととなっているもの)がつながったもののことをいいます。フコイダンはフコースやガラクトースとなどの糖に、硫酸基などがつながった構造をしています。
ところでフコイダンですごくわかりやすい成分です。さっきあげた昆布、ワカメ、メカブ、モズクなどの海藻に共通しているものはなんですか?性質というか形態というか・・・・
あのヌメリかな・・共通してヌルヌルしているじゃん
そうです。
海藻などのヌルヌル成分のもとがフコイダンです。海藻の表面に覆われているフコイダンはそのヌルヌルした性質で、外的刺激から海藻を守っているのです。海藻にとっての外的刺激とは、潮の流れとか、細菌、ウィルスとか、微生物とかのことです。
このフコイダンにはF、U、Gの三種類があります。
いきなりアルファベットをだされても困りますね。
フコイダンは構造の違いからF-フコイダン、U-フコイダン、G-フコイダンにわかれています。一応それぞれの効果は違いますが、ここでは「フコイダン」として一括りにして考えてください。
あとフコイダンって海藻類のなかでも昆布、ワカメ、メカブ、モズク、ひじきなどの褐藻類に多く含まれています。それ以外の海藻には含んでいなかったりあまり含まれてなかったりするので、海藻=フコイダンというわけではないということを忘れないでください。
例えば海苔があります。海苔にはフコイダンは含まれていないといわれています。
フコイダンの効果・効能
フコイダンといえばなんといっても抗がん作用があることで有名です。
アポトーシスって言葉をご存知でしょうか?
アポトーシスとは「遺伝子レベルでプログラムされている細胞死」のことです。
細胞というのはもともと自然と消滅する機能が備わっています。その機能がアポトーシスというものです。
まあ細胞が自殺するというような感覚でしょうか?
これって大事なことです。
新陳代謝や成長するために必要なことなのです。まあ自殺という言葉を使うとちょっとアレなので、管理、調節された細胞の能動的な死、積極的な死という感じでしょうか。
・・・って細胞ってパッと消滅するものなのか?
もちろん、ある時期になったらパッっと消えるというわけではありません。
アポトーシスが起こると、細胞膜と細胞内の核に変化が生じ、細胞核と細胞が縮小し始めます。で、DNAの断片化がされ、最終的にアポトーシス小体と呼ばれる凝集体になり、マクロファージなどに食べられ消去します。こういった過程で細胞が死んでいきます。
白血球の一種で死んだ細胞やその破片、体に侵入したウィルスや細菌などを貧食します。体内の清掃屋の役割を果たし、貪食細胞とも呼ばれています。
正常な細胞はアポトーシス機能が働いて自然死するのですが、がん細胞ってその機能が働かないのです。
がん細胞は自然消滅することなく細胞分裂を繰り返し増殖し続けてしまいます。増殖することで正常な細胞の居場所までも侵食していきます。
ってフコイダンはどこ行った?
ここでフコイダンが登場します。
フコイダンにはがん細胞だけに直接効いて、がん細胞を自滅に追い込むという特殊な作用があります。これをアポトーシス誘導作用といいます。フコイダンのすごいところは正常な細胞は死滅させず、がん細胞だけを死滅させるということです。
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えーとフコイダンによってがん細胞のみにアポトーシスを引き起こすという仕組みはまだ完全には解明されていません。まあいろんな実験の結果によりその作用があるとわかったことです。
フコイダンはすでにがんの代替治療において抗がん物質として利用されていますのその効果はお墨付きといえます。
フコイダンにはこの他にも、免疫力を高める効果、肝機能を高める効果、生活習慣病を予防する効果などがあります。健康のためにすごくいい成分といえます。
沖縄って日本で一番長寿の県ですよね?
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沖縄って日本でトップクラスの長寿県ですよね?
これって沖縄の人たちが昆布やもずくなどの海藻類をよく食べるからといわれています。つまりフコイダンを多く摂取しているのが要因のひとつと考えられています。
えーと、今回はキリがいいのでこの辺で終わります。ファイトケミカルの糖関連物質の説明は今回で終わりです。残すところはアミノ酸関連物質、香気成分です。
気を引き締めていきましょう。
クウーーーーー(お腹が鳴る音)
・・・・・それにしてもお腹が空きましたな。
ピカーン 閃いた
若ハゲは海に潜って昆布などの海藻類をとっていました
30分後、大量の昆布の捕獲に成功
プルルルル~プルルルル~
ツツツツツツツツ・・・
まあいっか!!
廃墟に無事帰宅!!
食料を取ってきたぞ!!
若ハゲはハゲ茶瓶に一つ言い忘れたことがありました。
携帯に謎の電話があったことを・・・