ヘスペリジンの評価 S
ヘスペリジン
ヘスペリジンについてポイントを7つ挙げます。
ポイントごとに解説していきます。
POINT
ポリフェノール
ヘスペリジンはポリフェノールの一種です。
ポリフェノールとは、同一分子内に複数のフェノール性水酸基(-OH)をもつ化合物の総称です。
複数(ポリ)のフェノールでポリフェノールと呼ばれます。
自然界に数千種類存在します。
POINT
フラボノイド
ヘスペリジンはポリフェノールのうち、フラボノイド類に分類されます。
ポリフェノールは構造の違いにより、フラボノイド類とノンフラボノイド類に大別されます。
ヘスペリジンはフラボノイド類です。
- フラボノイド
例 アントシアニン・イソフラボン - ノンフラボノイド
例 クルクミン・リグナン
POINT
フラバノン
フラボノイド類は数種類あります。
- フラバノール(カテキン)
- フラバノン
- フラボノール
- フラボン
- アントシアニン
- イソフラボン
ヘスペリジンはフラバノン配糖体です。
糖と糖以外の化合物が結合した物質を配糖体といいます。
ヘスペリジンはヘスペレチン配糖体です。
出典元
ヘスペリジン
ウィキペディア
配糖体のうち糖以外の部分をアグリゴンといいます。
ヘスペリジンのアグリゴンはヘスペレチンです。
出典元
ヘスペレチン
ウィキペディア
POINT
みかんやオレンジ
フラバノンは柑橘類特有の成分です。フラバノンは、オレンジ、グレープフルーツ、レモンなどの柑橘類に苦味成分として存在しています。
ヘスペリジンは柑橘類の中でも特にみかんやオレンジに多く含まれています。実より皮や袋やスジに多く含まれています。
出典 前田久夫他 1985 日食工誌32(3) p.202 – 207出典元
柑橘ポリフェノール ヘスペリジン
(株)伊藤園
POINT
ヘスペレチンになってから
ヘスペリジンは体内に取り入れられると、腸内細菌が産生する酵素β-グルコシダーゼによって、アグリコンであるヘスペレチンに加水分解されてから吸収されます。
ヘスペリジンの活性本体はヘスペレチンです。
配糖体のうち糖以外の成分のことです。
配糖体が体内に吸収されるためには、腸内細菌で糖が切り離されてアグリコンに変換される必要があります。
POINT
ヘスペリジンは体内に吸収されにくい
ヘスペリジンは水溶性が著しく低いといった性質をもちます。それゆえ体内に吸収されにくいという欠点があります。
ヘスペリジンサプリでは、水溶性を高めたタイプ【糖転移ヘスペリジン・メチルヘスペリジン】が販売されています。ヘスペリジンの効果をより得たいと考えた場合はこちらのタイプを選択することをお勧めします。
糖(グルコース)を付加して水溶性を高めたヘスペリジンです。通常のヘスペリジンと比べて水溶性が1万倍高まるとされています。それにより吸収率は約3倍アップします。
糖転移ヘスペリジンは、経口摂取後、小腸のα-グルコシダーゼによって加水分解されヘスペリジンとなり、さらに腸内細菌の働きよりヘスペレチンに加水分解された後に吸収されます。
ヘスペリジンをジメチル硫酸でメチル化し、水に可溶化したものです。
POINT
ビタミンP
ビタミンPとはビタミン様物質の1つです。
ビタミン様物質とはビタミンと似た生理作用をもっている有機化合物のことをいいます。ビタミン同様に代謝において重要な役割を果たしますが、ビタミンの定義から外れているためこのように呼ばれます。
ビタミンの定義は「必要量は微量であるが、体内で合成できない」「合成できたとしてもその量が十分でなく外から取り入れなければならない」です。
ビタミンPはヘスペリジン・ケルセチン・ルチンなどの総称をいいます。
なので、ヘスペリジンはビタミンPとも呼ばれます。
ヘスペリジンの呼称は4つあると考えてください。
- ポリフェノールの1種
- フラボノイドの1種
- フラバノンの1種
- ビタミンPの1種
ビタミンPの作用は大きく3つあります。
②ビタミンCと協調してビタミンCの効果を高める
③抗酸化作用
.
特に①が有名でビタミンPの「P」の由来となっています。Pは透過性を意味する「Permeability」の頭文字から取っています。
次項の効果・効能は、水溶性を高めたヘスペリジン【糖転移ヘスペリジン・メチルヘスペリジン】にあるものをまとめたものです。
通常のヘスペリジンにもあります(あると思います)。
が、その効果・効能をより得たいと考えた場合は、サプリは水溶性を高めたタイプを選択してください。
ヘスペリジンの効果・効能
毛細血管(ビタミンP作用)
ヘスペリジンは毛細血管を強化する・血管透過性を改善する働きをします。
それにより得られる効果を別々にピックアップします。
毛細血管を強化することで見込まれる効果
薄毛予防効果
髪は毛乳頭に運ばれた栄養素をもとに毛母細胞が細胞分裂をすることで生まれてきます。
毛乳頭に栄養素を運ぶのは毛細血管の役割です。毛細血管が脆くなるとこの役割をしっかりと果たすことができなくなります。
ヘスペリジンは毛細血管を強化することで薄毛を予防します。
美肌効果
肌の真皮には毛細血管が張り巡らされています。
真皮の繊維芽細胞に栄養素や酸素を運ぶ&老廃物を回収しているのは毛細血管です。
繊維芽細胞に栄養素や酸素が運ばれないと、コラーゲンやエラスチンを生成することができません。肌のハリ、弾力は失われていき「しわ」「たるみ」が引き起こされることになります。
表皮の基底層にある角化細胞に栄養素や酸素を運ぶ&老廃物を回収している毛細血管です。
ご覧の通り表皮には毛細血管がありませんが、真皮乳頭層の毛細血管よりこの作業が行われています。
それにより基底層にある角化細胞の細胞分裂が行われる=肌のターンオーバーが行われることになります。
基底層にある角化細胞の細胞分裂がスムーズに行われない=ターンオーバーが遅れるとメラニンの排出が上手くいかず、肌に「シミ」や「くすみ」となってあらわれます。
真皮や表皮の細胞に栄養素や酸素を運ぶ&老廃物を回収している毛細血管が脆くなると肌の老化が進むことになります。
毛細血管を強化するヘスペリジンは肌の若々しさ保つ働きをします。
血管透過性を改善することで見込まれる効果
冷え性改善効果
冷えは手や足先の血液循環が悪くなることで起きます。なので末梢の血管まで血液をしっかりと循環させることが冷え性の改善になります。
毛細血管は、各組織の細胞に栄養や酸素を運搬するなどの役割を果たしています。
栄養や酸素は毛細血管の壁を通して、血液中から組織へ運び込まれます。
毛細血管の壁には小さな穴が開いており、適度に漏れることで周りの細胞に栄養や酸素を届けることができます。細胞が毛細血管(動脈側)の小さな穴から染み出した栄養や酸素を含んだ血漿成分を吸収すると、自動的に老廃物や二酸化炭素を含んだ水分が毛細血管(静脈側)に回収される仕組みとなっています。
この役割をしっかりと果たすためには毛細血管の透過性が適度に維持されていることが重要となります。
血管の透過性は、高すぎても低すぎても良くなく、物質の大きさに応じて「適度」な透過性を保つ必要があります。
ヘスペリジンには、高すぎる透過性を抑制する働きがあります。
ビタミンCの効果を高める(ビタミンP作用)
ビタミンPはビタミンCとの相性が抜群です。
ゆえにビタミンPの1つであるヘスペリジンはビタミンCとの相性は抜群です。
相性の良さを示す「働き」をいくつか紹介します。
◆ビタミンCの吸収を高める
ヘスペリジンはビタミンCの吸収を高めます。
◆ビタミンCの消耗を防ぐ
ビタミンCは体内に取り込まれると細胞の代わりに自らが酸化されることで活性酸素を除去します。
ヘスペリジンには酸化型ビタミンCを還元型ビタミンCに戻す作用があります=ヘスペリジンにはビタミンCの抗酸化力をリサイクルする働きがあります。
ビタミンCはストレスで消耗します。体内でビタミンCのリサイクルに貢献するヘスペリジンはビタミンCの消耗を防ぐ成分として有名です。
◆ビタミンCの美白効果をアップ
ビタミンCには、シミをつくらせない効果とシミを薄くする効果のWの美白効果あります。
美白ケア成分の代表といっても過言ではありません。
なのでチロシナーゼの活性を阻害することがメラニンの大量生成を防ぐうえで重要となります。ビタミンCはチロシナーゼ活性阻害成分の1つです。
チロシン→ドーパ→ドーパキノン→黒色メラニンという代謝過程を経て作られていきます。
ビタミンCは中間代謝物であるドーパーキノンをドーパに還元する作用があります。
またメラニンに直接働きかけ黒色メラニンを無色に還元する(淡色化)作用ももっています。
ヘスペリジンはビタミンCの美白効果をさらにアップさせます。
同研究によれば、通常ヒト色素細胞は6日間で細胞内部のメラニンが約17倍に急増するが、同日数でビタミンCを84ppm投与しても、メラニン抑制は見られなかった。 一方、この量のビタミンCにヘスペリジンを19ppm配合した場合、メラニンが22%まで抑制された。
引用元
ビタミンPとC組合せで美白効果
健康産業新聞
インフォーマ マーケッツ ジャパン(株)
抗酸化作用(ビタミンP作用)
DPPHとは人工的に作られたラジカルのことです。栄養成分はよくDPPHラジカルを用いてDPPHに対する消去能=活性酸素消去能を評価されています。
こちらは四万十ぶしゅかんヘスペリジンによる試験結果です。
<試験方法>
ラジカル消去試験:DPPHラジカルの消去能を測定
過酸化脂質生成抑制試験:リノール酸が酸化してできる共役ジエンを測定
試験濃度:500μg/mL
引用元
四万十ぶしゅかんヘスペリジン
(株)サティス製薬
ご覧の通り、高い活性酸素消去作用&過酸化脂質生成抑制作用を示しています。
先ほど説明しましたが、ヘスペリジンにはビタミンCの抗酸化力をリサイクルする働きもあります。
総合的にみて、高い抗酸化作用を有する成分といえます。
中性脂肪低下作用
体内で余剰となった糖や脂肪は肝臓で脂肪酸に変わります。
【中性脂肪を増やさない】&【中性脂肪を減らす】ためには
【脂肪酸に合成させない(脂肪酸の合成抑制)】&【脂肪酸を分解させる(脂肪酸のβ酸化亢進)】ことが大切となります。
ヘスペリジンは両方の働きをします。
①脂肪酸の合成抑制
ヘスペリジンは脂肪酸合成酵素FASの発現を抑えます。
②脂肪酸のβ酸化亢進
ヘスペリジンはβ酸化の律速酵素CPT-1の発現を増やします。
この2つの働きをするヘスペリジンは中性脂肪を減らす成分としてとても有名です。
【中性脂肪低下作用が認めれているため】ヘスペリジン(モノグルコシルヘスペリジン)は、よく特定保健用食品の関与成分となっています。
特保(特定保健用食品)
生理学的機能などに影響を与える保健機能成分を含む食品で、消費者庁長官の許可を得て特定の保健の用途に適する旨を表示できる食品です。 特定保健用食品に含まれる保健機能を有する成分を「関与成分」といいます。
引用元
特保(特定保健用食品)とは?
e-ヘルスネット
厚生労働省
コレストロール値改善作用
コレストロールは糖質・脂質の代謝過程で作られるアセチルCoAを材料に、主に肝臓で合成されます。
出典元
コレステロールは体内でつくられる?
公益財団法人 日本食肉消費総合センター
ヘスペリジンには、HMG-CoA還元酵素(上記出典元の中央 コレステロール合成の律速酵素となっています)を阻害する作用があるとされます。
この作用を介して肝臓のコレステロールの合成を調節します。
骨密度改善作用
上述したHMG-CoA還元酵素(コレステロール合成の律速酵素)を阻害する作用をもつ医薬品に、「スタンチン系薬剤」があります。スタンチン系薬剤はコレストロール低下作用のみならず、骨形成タンパク質(BMP)の産生を介して骨形成を促進する作用もあることが報告されています。
なのでヘスペリジンにも同様の作用があると考えられます。
実際、実験【閉経後の骨粗鬆症モデルマウスにヘスペリジンを投与する】により、骨量減少が抑制されていること確認されています。
血管拡張作用
一酸化窒素は窒素酸化物の一種で窒素(N)と酸素(O)から成る化合物です。英語でnitro oxygenと言い、頭文字をとってNOと呼ばれています。
血管内皮細胞からNOが放出されると血管の中膜にある平滑筋に移動し、弛緩させ血管を広げる働きをします。
その結果、血液の流れがスムーズになります。
NOの産生を増やすことで、美容と健康にさまざまなプラス効果を得ることが出来ます。
ヘスペリジンにはNOの産生を促進させる作用があります。
本発明者らは、長期的に服用又は摂取することができる安全性の高い成分の中からNO作用の増強効果を有する成分を見出すべく種々検討した結果、糖化ヘスペリジン、ヘスペリジンおよびヘスペレチンが、優れた血管内皮由来NO作用増強効果および血管拡張増強作用を有し、血管内皮機能改善剤として有用であることを見出した。
引用元
血管内皮機能改善剤
JP2008297279A
Google Patents
ヘスペリジンのサプリメントによくあるキャッチフレーズ集
- 冷え性に悩んでいるかた
- めぐりをよくしてぽっかぽかの毎日を
- みかんのパワーを凝縮
- 毛細血管を強化する
- 花粉症などのアレルギー対策として
ヘスペリジンの摂取量、不足、過剰
食品会社およびサプリメーカーにより目安摂取量はまちまちです。
フラボノイドは健康促進、病気予防、美容効果アップなどの機能をあげるための機能性成分です。5大栄養素と違い生命維持&身体活動のために必須なものではありません。
取ったほうが良い成分ですが、不足を考える必要はありません。
ヘスペリジンの豆知識
青みかんに含まれているヘスペリジンの量は完熟みかんの数十倍あると言われています。
糖転移ヘスペリジンの主成分がモノグルコシルヘスペリジンです。
例えばサプリの成分内容は次のように表示されます。
モノグルコシルヘスペリジン:350mg
※モノグルコシルヘスペリジンは糖転移ヘスペリジン500mgに含まれます。
内容は同じ「糖を付加して水溶性を高めたヘスペリジン」です。
ちなみに、なぜ酵素処理なのかというと 糖転移ヘスペリジンが「ヘスぺリジンに、シクロデキストリン合成酵素を用いて、糖を転移して得られるもの」だからです。
海外ではフラボノイドの複合体の1成分として含まれていることが多いです。
ヘスペリジンと相性の良い栄養成分
・ビタミンC
ヘスペリジンのレーダーチャート解説
- 6
このカテゴリーに効果があることで有名。即効性があったり、継続して摂取することで効果を感じる - 5
このカテゴリーに効果があることで有名。継続して摂取することでなんとなく効果を感じる - 4
このカテゴリーに効果があるといわれている。効果が得られることを期待して飲んでいる - 3.5
このカテゴリーに効果があるといわれているが、個人的に摂取目的としていない - 3
このカテゴリーになんらかの効果があるもの - 2
このカテゴリーとはあまり関係ないと思われる - 1
このカテゴリーとは関係ないと思われる
※4以上が摂取目的となっているカテゴリー
ヘスペリジン 総合評価 S 17.5
5つのカテゴリーのうち、評価が高い上位3つのカテゴリーを足したものです。「B~SS」でつけています。
SS 18点
S 16点以上
A+ 14点以上
A 12点以上
B+ 10点以上
B 9点以下
髪(薄毛)評価6
髪は毛乳頭に運ばれた栄養素をもとに毛母細胞が細胞分裂をすることで生まれてきます。
毛乳頭に栄養素を運ぶのは毛細血管の役割です。
頭皮にある毛細血管が消滅したり、脆くなったりすると毛母細胞に十分な栄養素や酸素が届かなくなります。イコール抜け毛につながります。
なので毛細血管を増やしたり、強化したりすることが薄毛予防になります。
ヘスペリジンには毛細血管を強化する働きがあります。なお毛細血管を増やす成分で有名なものはシナモンやヒハツです。
この項目において、「毛細血管を強化する」以外にも注目すべき点があります。それは「毛包細胞の増殖を促進させる」です。
研究により、みかんの抽出物に毛包細胞増殖因子が含まれており、それが受容体を刺激することで毛包細胞の増殖を促進させることが判明しています。
みかんの抽出物に含まれる毛包細胞増殖因子、それがヘスペリチンおよびヘスペリジンとのことです。
参照
温州みかんに含まれるヘスペリジンの毛包細胞増殖効果
独立行政法人国立高等専門学校機構 小山工業高等専門学校
肌(美肌)評価5.5
効果・効能で説明済みの「ヘスペリジンが肌に良い」理由は以下2点です。
②美肌づくり・美白ケアに必須の成分ビタミンCとの相性が抜群である
ここでは新たな情報を掲載します。
それはコラーゲンとの相性です。コラーゲンと一緒にヘスペリジンを取るとと水分蒸散量が低下し、保湿性が高まるとのことです。
体型(ダイエット)評価5
ヘスペリジンには【脂肪酸に合成させない(脂肪酸の合成抑制)】&【脂肪酸を分解させる(脂肪酸のβ酸化亢進)】両方の働きがあります。
実験で、中性脂肪低下作用があることが確認されています。
正常型・ボーダーライン・高中性脂肪型の3つのグループにわけ、糖転移ヘスぺリジンを1日あたり500mgを半年間投与する実験を行ったところ、高中性脂肪型のグループにおいて中性脂肪値に3〜4割の低減が認められたとのことです。※他2グループの変化はなし
体力(夜のほう)評価3.5
突然ですが、陰茎の「勃起」についての話をします。
陰茎は主にスポンジ状の組織の海綿体できています。
陰茎海綿体に血液が充満し、誇張し、大きく硬くなった状態が勃起です。
通常時は陰茎の動脈が収縮しているため陰茎海綿体には血液が充満していません。
陰茎海綿体に血液が充満し勃起が起こるメカニズムを簡単に説明します。
性的な刺激により脳が興奮するとその信号(興奮)が脊髄を伝わり勃起神経に到達します。すると陰茎の動脈は拡張し陰茎海綿体へ流入する血液が増えます。と同時に陰茎海綿体の平滑筋が弛緩され、海綿体は流れ込んだ血液を吸収し大きく膨らみます。イコール勃起です。
このメカニズムにおいて、陰茎海綿体の平滑筋を弛緩させる働きをするのはcGMPです。
cGMPを生成するのがNO(一酸化窒素)です。
性的な刺激により信号(興奮)が勃起神経に伝わると、神経終末と血管内皮細胞からNOが放出されてcGMPが生成される流れとなっています。
ついでに勃起が治まるメカニズムについても触れておきます。
勃起が治まるメカニズムにはPDE5(5型ホスホジエスタラーゼ)と呼ばれる酵素が関係してきます。
陰茎海綿体にはPDE5も豊富に存在していて、このPDE5がcGMPを分解する働きをします。
PDE5がcGMPを分解することで血管が収縮され、陰茎海綿体の平滑筋が閉じていき、海綿体への血液の流れが少なくなります。
陰茎海綿体に血液が充満されなくなり通常時に戻ることになります。
ED(勃起不全)はcGMPの分泌が少なくなることやPDE5が多く分泌されることで、陰茎海綿体に流れこむ血流が少なくなることにより起こります。
※ED治療薬として有名なバイアグラはPDE5の働きを抑制することで、陰茎海綿体へ流れこむ血流を増やし勃起を促す薬です。
さて本題に入ります。ヘスペリジンはED予防に効く成分かもしれません。
理由は次です。
- ヘスペリジンはNOの産生を増やします→cGMPの分泌が増えます。
- ヘスペリジンにはPDE5阻害剤の作用を増強させる働きがあるとされます。
その結果、PDE5阻害剤に、ビタミンE、ビタミンP、それらの誘導体又はそれらの塩から選ばれる1種以上を併用すると、それぞれ単剤からでは予測しえないPDE5阻害剤の勃起作用が著しく増強されることを見出し、本発明を完成するに至った。
引用元
Pde5阻害剤含有医薬組成物
JP5924881B2
Google Patents
その他(毛細血管)評価6
昔から「人は血管とともに老いる」といわれています。なので血管の健康を保つことは健康・美容において大事です。
ヘスぺリジンは血管の健康を維持する成分の1つです。
ヘスペリジン 参照一覧
5.成果 第1章 機能性成分等新たな健康の維持増進に関わる成分の分析に対するニーズ調査 文部科学省
特定保健用食品評価書 トリグリティー ミドルケア粉末スティック 食品安全委員会新開発食品専門調査会
糖転移ヘスペリジンの研究 (株)林原
ヘスペリジン研究会 ヘスペリジン研究会ウェブサイト
めぐりラボ 江崎グリコ(株)
柑橘ポリフェノール「糖転移ヘスペリジン」の機能性食品分野における可能性 J-STAGE
糖転移ヘスペリジンの血流改善作用 J-STAGE
糖転移ビタミンPの抗酸化作用と高脂血症マウスにおける酸化ストレス抑制効果 J-STAGE
果物で骨粗鬆症を予防できるか? J-STAGE
公開特許公報(A)_生体吸収性に優れたヘスペレチン組成物 国立研究開発法人科学技術振興機構バイオサイエンスデータベースセンター
温州みかんに含まれるヘスペリジンの毛包細胞増殖効果 独立行政法人国立高等専門学校機構 小山工業高等専門学校