ファイトケミカルとは野菜、果物、豆類、お茶、ハーブなどの色素、香り、アク、辛味などからの成分から発見された化学物質のことです。ファイトケミカルは数千種類あるといわれ(1万以上ともいわれ)、大きく分類すると6種類にわけることができます。
その6種類とはポリフェノール、カロテノイド、含硫化合物、糖関連物質、アミノ酸関連物質、香気成分です。
このシリーズでは、6種類の代表的なファイトケミカルを紹介していきます。
ただいまポリフェノール類の紹介をしているところです。ちょっとポリフェノールの簡単な復習をします。
ポリフェノールは植物が光合成を行う際に作られる物質の総称のことをいいます。作られる物質とは光合成の際に生まれた糖分の一部が変化したもので、色素、苦味、渋みの成分のことです。この色素、苦味、渋みといった成分は、植物の花や植物の葉や植物の樹皮など含まれています。ポリフェノールは紫外線や酸素(光合成の際作り出される)から発生する活性酸素から植物自身を守るため作りだされた生体防御物質です。つまりポリフェノールは植物自らの命を守るためのもので、強い抗酸化作用を持った成分といえます。
ポリフェノールはおよそ4000~5000種類あり、その構造の違いにより大きく2つに分類できます。色素でできている「フラボノイド系」と色素以外の「フェノール酸系(非フラボノイド系)」です。
前回からフラボノイド系の有名なポリフェノールを紹介していて、うちアントシアニンとカテキンの紹介が終わりました。
それではフラボノイド系のポリフェノールの有名なものの紹介の続きに移りたいと思います。
おそらく聞いたことがあると思いますが、イソフラボンというのを紹介します。
イソフラボン
イソフラボンとは大豆、葛に多く含まれるポリフェノールでフラボノイドの一種です。
この文言は使わない約束でしたね!
イソフラボンといえば大豆です。「大豆イソフラボン」がもうその用語として世間に浸透しているぐらいです。なのでこれから説明することは、大豆イソフラボンとしての説明と考えてください。
ちなみに大豆以外からイソフラボンが摂取できるものとしてはマメ科の植物プエラリアミリフィカやハーブのレッドクローバーがあります。これらから摂取しても得られる効果・効能はほぼ一緒と思ってください。
大豆イソフラボン
大豆には大豆特有の微量成分が存在していて、その微量成分の一つが大豆イソフラボンです。
※大豆イソフラボンは、大豆1粒につき、わずか0.2~0.3%ほどしかない稀少な成分となっています。
大豆イソフラボンの大きな特徴は、女性ホルモン「エストロゲン」と似た働きをすることです。女性ホルモン「エストロゲン」は、美しい肌やふくよかな体つきを作ったり、更年期障害の症状を緩和するのに欠かせないものです。エストロゲンと似た働きをするイソフラボンにも同様の効果が期待でき女性の美容や健康に役立つといえます。
大豆イソフラボンはこのエストロゲンと構造と働きが似ているため「植物性エストロゲン」とも呼ばれています。
女性ホルモンと聞いて、男性は抵抗があるかもしれません。
が、男性にとっても女性ホルモンを取り入れるメリットがあります。たとえば男性ホルモンの働きを抑制するため薄毛、抜け毛予防になりますし、体毛が濃くなるを抑制する効果があります。
また女性ホルモンはコラーゲンの生成を増やす働きがあり美肌効果も見込まれますので、しわの改善の効果も期待できます。
薄毛や体毛の濃さ、しわとかに悩んでいる美容意識高い系の男性にもモッテコイの成分といえます。
えーとですね。まあ大豆イソフラボンについてはすでに栄養成分レビューに載せていますので詳しくはそちら(大豆イソフラボンのレビュー)をご覧いただきたいのですが、最後にイソフラボンには2つの形があるということだけ話したいとおもいます。
イソフラボンにはグリコシド型イソフラボンとアグリコン型イソフラボンの2つがあります。
食品中に含まれるイソフラボンは糖と結合した配糖体として存在します。このことを「グリコシド型」と呼びます。「グリコシド型」として食べたイソフラボンは、体内で吸収される際に腸内細菌の働きで糖が切り離され「アグリコン型」となります。ちょっと専門的な言い方をすると分子の大きいのが 「グリコシド型」で、分子が小さいのが「アグリコン型」です。
分子の大きい「グリコシド型」は体内に吸収されず、分子の小さい「アグリコン型」となって初めて吸収されます。なので「グリコシド型」の方は、同じのイソフラボンの量でも、糖を結合している分(アグリコン型と比べて)イソフラボンの量が少なくなります。
「グリコシド型」として摂取した場合、体内で吸収されるのはわずか2割といわています(残りの8割は体外に排出)。「アグリコン型」と「グリコシド型」は、どちらも女性ホルモンエストロゲンと似た働きををしますが、その働きの多くを期待できるのは、「アグリコン型」なのです。
なのでサプリメントで大豆イソフラボンを摂取する場合は、どちらの型かをしっかりと把握する必要があります。
パラパラパラパラ
レスベラトロール
レスベラトロールは、ぶどう(茎、皮、種)、ピーナッツの薄皮、アーモンド、ココアなどに含まれる成分です。ぶどうを原料として果皮や種子ごとアルコール発酵させている赤ワインにはレスベラトロールが豊富に含まれています。
ところで人間の体ってなにでできていますか?
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おっとお兄さんは放心状態のため何をきいても無駄でした。
まあ答えは人それぞれですが、たんぱく質って答える人が多いかと思います(構成成分で一番多いのが水なので水って答えもアリといっちゃあアリです)。
人間の体の構成成分比
たんぱく質って答えをちょっと視点を変えると細胞です。細胞の主成分は水分を除けばたんぱく質なので。
そう考えると人間の身体って細胞でできているのです。皮膚、血管、肝臓、心臓、髪の毛など人間を構成している主要なパーツは、一つ一つの細胞から成り立っています。
人間には約60兆個の細胞がありますが(約37兆個の説もあります)、この細胞一つ一つが元気であれば、いつまでも若々しく健康でいられるということがいえます。
ただ年をとると細胞はいろんな原因(酸化など)で死滅していきます。なので人間は老化していき、寿命を迎えることになります。
逆を言えば細胞の死滅を防げれば、いつまでも若々しく長生きすることが可能となります。なので細胞が死滅する原因となる活性酸素を除去する抗酸化物質をとることが重要となります。
ポリフェノールの一種であるレスベラトロールには抗酸化作用があるため細胞が酸化し死滅するのを防ぐという働きがあります。
レスベラトロールにはもうひとつ注目すべき点があります。レスベラトロールには長寿遺伝子(サーチュイン)を活性化させる効果があるといわれています。
どんな人の細胞にも老化や寿命をつかさどる長寿遺伝子(サーチュイン)というものがあるといわれています。通常、この長寿遺伝子(サーチュイン)は眠っていて働く事はありません。いうなれば普段はスイッチがオフの状態になっているのです。
このオフになっているスイッチをオンにすることで老化を遅らせ、寿命を延ばすことができます。つまり細胞の死滅を防ぐ(遅らせる)ことできるのです。
長寿遺伝子(サーチュイン)のスイッチをオンにするには、摂取カロリーを制限することです。カロリー制限をする生活を続けることでこの遺伝子が活性化します。
ただこれってきついといったらきついですよね。常に腹八分目でお腹を空かしている状態を保っていなければいけないので。
ここででてくるのがレスベラトロールです。レスベラトロールはカロリー制限せずとも長寿遺伝子(サーチュイン)を活性化させる効果をもっているのです。
なのでアンチエイジングにはもってこいの成分といえます。
他にもレスベラトロールの効果・効能はありますが、もっとも注目すべきはこの長寿遺伝子(サーチュイン)の活性化なので今回はこれだけをしっかりと覚えておいてください。
長くなりましたので今日はこの辺にしましょう。