α-GPC
コリンの誘導体
アセチルコリンの前駆体
α-GPCとは
α-GPCについて
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α-GPCとはL-alpha-Glycerylphosphorylcholine(L-α-グリセリルホスホリルコリン)の略称です。
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天然に存在するコリン誘導体です。
-
脳や母乳に多く含まれています。
- α-GPCはリン脂質の1種PC(ホスファチジルコリン)の構造の一部である2本の脂肪酸を脱アシル化して生成される成分です。
- このイラストをリン脂質のPC(ホスファチジルコリン)とイメージしてください。
主要なリン脂質は
1つの極性基(〇の部分)=頭部と
2本の脂肪酸(2つのヒラヒラの部分)=尾部を持ちます。
極性基の種類でリン脂質の名前が決まります。
PC(ホスファチジルコリン)は極性基が ホスホコリン=リン酸化したコリン です。α-GPCは2本の脂肪酸を脱アシル化した(取り除いた)水溶性の化合物です。
分子構造で表すと下記のようになります。引用元
もっと知りたい!!α-GPCについて
健康専科 日油(株)食品事業部 -
GPC(グリセロホスホコリン)はレシチンを加水分解する事で得られます。食事から摂取したレシチンが酵素ホスホリパーゼA2により加水分解されることでリゾレシチンと脂肪酸が生成されます。
うちリゾレシチンが酵素リゾホスホリパーゼにより加水分解されGPCに代謝されます。
ここではGPCもα-GPCも一緒のものと捉えてください。 -
α-GPCを摂取する目的の1つは「コリンを補給」するためです。もう少し詳しくいうと「脳内の神経伝達物質アセチルコリンの前駆体であるコリンを補給」です。
-
アセチルコリンおよびコリン分子は血液脳関門を通過できません。なので脳内でアセチルコリンを増やすためには血液脳関門を通過できるコリンの前駆体 or コリンの補給剤となる成分の摂取が重要となります。α-GPC以外の代表的なコリンの前駆体 or コリンの補給剤は以下です。
コリンの前駆体 or コリンの供給剤レシチン(PC)
CDPコリン(シチコリン)
重酒石酸コリン
DMAE
これらすべて血液脳関門を通過することができます。ただより少ない量で、より効率よくと考えた場合、ベストな選択肢はα-GPCと言えるかもしれません。他と比べ脳血液脳関門を容易に通過できるからです。コリン補給剤の種類とその特徴
成分名 分子量 特徴 α-GPC 256 血液脳関門(BBB)を通過する
摂取量2.5倍PC
(ホスファチジルコリン)753
(脂肪酸C18)BBBを通過する
摂取量7.5倍塩化コリン 140
(コリン:104)BBBを通過する
トリメチルアミンによる魚臭様汗と体臭アセチルコリン 146 BBBを通過しない CDP-コリン
(シチコリン)488 BBBを通過する
医薬品(意識障害治療薬)引用元
もっと知りたい!!α-GPCについて
健康専科 日油(株)食品事業部 - 例えばレシチン(PC)と比較するとより少ない量で、より効率よくコリンを補給することができます。
◆より少ない量で
コリンの必要量に対して、α-GPCはレシチン(PC)の1/4で済みます。
コリンを1g摂取するのに必要な量の比較
引用元
α-GPCについて
健康専科 日油(株)食品事業部◆より効率よく
体内へ吸収率が高いのもα-GPCのウリです。レシチン(PC)を脱アシル化しているので、レシチン(PC)より低分子です。
摂取したα-GPCの大部分は門脈経由で肝臓に到達します。一方でレシチン(PC)のほとんどはリンパ管より吸収されます。
引用元
もっと知りたい!!α-GPCについて
健康専科 日油(株)食品事業部そのため「α-GPCはコリンの補給剤として最適な分子構造を有する」といわれています。
- α-GPCを摂取することで脳内のアセチルコリンの増加が見込まれます。なので脳機能改善効果が期待できます。
- α-GPCの働きはコリンの補給剤としてだけではありません。成長ホルモンの分泌を促進させる働きもあります。
なので脳だけでなく体全体の若返り効果が期待できる成分といえます。
摂取量について
1日の摂取量は設定されていません。
海外のサプリでは目安摂取量を300~600㎎/日に設定していることが多いです。
α-GPCの効果・効能
α-GPCの効果・効能 3つ厳選
- 成長ホルモンの分泌促進
- 記憶力・学習能力の向上
- コルチゾールの分泌抑制
そのうち1つを詳しく
①成長ホルモンの分泌促進
α-GPCは数あるコリン補給源の1つです。なのでコリンの補給を目的とするならば、吸収率などの違いはあるといえども他のものでも用は足ります。
ただしα-GPCには他のコリン補給剤には見られない作用があります。それがGH(成長ホルモン)の分泌促進作用です。
GH(成長ホルモン)は脳の視床下部から分泌されるGHRH(成長ホルモン放出ホルモン)の反応を受け放出されるホルモンです。GHRHの反応をうけると脳下垂体前葉にあるGH分泌細胞より分泌されます。
GHは視床下部にあるGHRH(成長ホルモン放出ホルモン)により分泌が促進され、SRIF(ソマトスタチン)により分泌が抑制されます。
なのでGHの分泌量はこの2つのバランスに依存します。
簡単にいってしまえば
GHRH<SRIFとなると分泌量が少なくなる
ことになります。
※ここでの>・<は過剰でないことが条件
.
SRIFの分泌はコリン系促進物質で抑制されているといわれています。
脳下垂体前葉における GH 分泌は、視床下部の GH 放出ホルモン(GHRH)と GH 分泌抑制ホルモン(ソマトスタチン)の分泌バランスに影響される。
ソマトスタチン分泌は、コリン系促進物質で抑制されることから、GPC が脳下垂体でアセチルコリンの原料となるコリン系促進物質として機能し GH 分泌抑制ホルモンの放出を抑制すると考えられる。
血中コリン濃度の上昇に連動し、GH 分泌抑制系のソマトスタチン濃度が減少し、GH 分泌促進系の GFRH 濃度が増加しており、GPC がコリン系促進物質として図3に示したように GH 分泌を亢進したことが示唆された。
引用元
脂質系栄養素:コリンの普及に際し、アメリカの現状から
PDFページ 14/18
J-STAGE
なので、脳内のコリンを増やすα-GPCは【ソマトスタチンの分泌を抑制しGHRH>SRIFを促すことで】成長ホルモンの分泌を促進します。
このことは実験により確認されています。
GHRH(成長ホルモン放出ホルモン)単独とGHRH+α-GPCを併用投与した場合の成長ホルモンの分泌量の違いを調べたところ併用投与のほうが分泌量が多い。
(Horm.metab.Res., 24, 119-121., (1992) より一部改編)
引用元
α-GPCについて
健康専科 日油(株)食品事業部
海外ではα-GPCはよく成長ホルモン分泌促進複合サプリの一成分として配合されています。
その際はソマトスタチンを阻害する成分として配合されています。
GPCは 成 長ホ ルモン分泌刺激ホルモ ン(GHRH)と接合して下垂体前葉より分泌される内因性ヒト成長ホルモ ンを増加させる。
すなわち,GPCとGHRHは 自然に一 致して作用するためヒト成長ホルモンの遊離を刺激する。引用元
脱アシルリン脂質 : グリセロホスフォコリンの調製と中枢賦活機能剤の開発
PDFページ 7/13
J-STAGE
つまりα-GPCは【GHRHの分泌を増やしGHRH>SRIFを促すことで】成長ホルモンの分泌を促進させるとも考えられます。
さて、ここで一つの疑問が浮かぶかもしれません。
コリン系促進物質にソマトスタチンの分泌抑制の働きがあるならば「他のコリンの前駆体や補給剤にも成長ホルモン分泌促進作用がないのか」といった疑問です。
この点に関しては「他にはない」と考えていいと思います。
断言はできないのですが、他コリン促進物質で成長ホルモン分泌促進作用のことを言及しているのを見たことがないからです。
最後に成長ホルモンの主な作用をまとめます。
成長ホルモンの主な作用
- 細胞分裂を促進
→ 新陳代謝促進(骨形成・発毛・美肌など) - 細胞の修復
→ ケガの回復・肌のターンオーバー正常化 - たんぱく質の合成を促進
→ 筋肉量の増加 - 糖質、脂質の代謝促進
→ エネルギー産生・脂肪の蓄積を防ぐ・脂肪の分解を促す - 血糖値が低い時に血糖値をあげる
→ 低血糖を防ぐ
成長ホルモンの作用はその標的組織に直接働きかける場合と、IGF-1と呼ばれる成長因子を介して働きかける場合があります。
α-GPCの働き分析【見た目編】
合計 47/60点
薄毛
8.5点
「薄毛」改善 に関わるα-GPCの働きは主に次です。
- 成長ホルモン
髪は毛母細胞が細胞分裂を繰り返すことで生まれ成長していきます。成長ホルモンは細胞分裂を促進するホルモンです。
α-GPCは成長ホルモンの分泌を促進させる作用があります。薄毛予防に効く成分としても有名です。リンク - 細胞膜の安定性
細胞膜は細胞内に必要なものを取り入れ、細胞外に不要なものを排出する役割を果たしています。
髪でいうと栄養素や酸素は毛乳頭細胞の「細胞膜」を通して細胞内に取り入れられます。
細胞膜の主成分はリン脂質で、うちホスファチジルコリンが最も多く含まれます。なので構成成分であるコリンの摂取(補給)は頭皮にある毛乳頭細胞や毛母細胞の健康維持につながることになります。α-GPCはコリンの補給剤です。
- アセチルコリン
アセチルコリンには末梢血管を弛緩し、血流を良くする作用があります。この作用は髪に関していえば頭皮の血管を拡張し、毛根への血行を促すことにつながります。育毛剤(発毛剤)によく アセチルコリン作用に類似した作用を示す あるいは アセチルコリン作用を増強させる 成分が配合されています。
発毛促進剤「カロヤン」に含まれる成分カルプロニウム塩化物がそれにあてはまります。
リンク
もちろん様々な違い(外用と内用、作用力の違いなど)がありますが、血管を拡張させる作用を有するアセチルコリンが体内に増えることは髪にはプラスに働くと考えられます。
α-GPCはアセチルコリンの前駆体です。
白髪
7点
「白髪」予防 に関わるα-GPCの働きは主に次です。
- IGF-1
頭皮において成長因子IGF-1を増やすことはメラニン(黒髪のもと)の産生促進につながるとされています。
実際マウス実験でもIGF-1を増やすとメラニン色素が増えることが確認されています。また、白髪と薄毛のメカニズムは違いますが、IGF-1を増やすとメラニン色素が増え、髪色が黒くなることが、マウスへの実験で分かっています。
引用元
白髪と薄毛の原因としくみ、どう違うの? 薄毛と白髪の関係/抜け毛予防
毎日が発見ネット頭皮にIGF-1を増やすには成長ホルモンを分泌させることが重要です。なぜならIGF-1は成長ホルモンの刺激によって増えるからです。
α-GPCは成長ホルモンの分泌を促進させます。
※成長ホルモンの作用の多くはIGF-1を介して行われます。髪の細胞を活性化させる作用もIGF-1を介してです。
美肌
8.5点
「美肌」作り に関わるα-GPCの働きは主に次です。
- 肌のターンオーバー
コリンは細胞膜を構成しているリン脂質「ホスファチジルコリン」の成分です。なのでコリンの補給は細胞膜の活性化≒細胞の活性化につながります。肌においては肌の新陳代謝=肌細胞の生まれ変わり=肌のターンオーバーを促進させます。
α-GPCはコリン補給剤の1つです。 - 成長ホルモン
成長ホルモンにはたんぱく質同化促進作用や細胞の分化・増殖作用があります。これは肌にとっては非常にプラスになる作用です。
成長ホルモンがIGF-1介して肌細胞に働きかけることで
①たんぱく質同化促進作用
→肌の弾力にかかわるたんぱく質「コラーゲン」の合成を促します。②細胞の分化・増殖作用
→コラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸といった美肌成分を生み出す繊維芽細胞を活性化させます。成長ホルモンの分泌を促進させることは肌を美しさを保つために重要です。α-GPCには成長ホルモンの分泌促進作用があります。
美白
7点
「美白」ケア に関わるα-GPCの働きは主に次です。
- 肌のターンオーバー
シミの原因となるメラニンは肌のターンオーバーとともに排出されます。なのでターンオーバーを正常化させることが美白ケアの基本となります。肌のターンオーバーを正常化させるためには
①細胞の材料となる栄養素をしっかりとることが大切となります。②細胞分裂を活発にさせる成分をとる
α-GPCには
①細胞膜の構成成分である「コリン」を供給する働きがあります。②細胞分裂を活発にさせる「成長ホルモン」の分泌を促進させる
筋肉
8点
「筋肉」増強 に関わるα-GPCの働きは主に次です。
- 筋たんぱく質の合成
筋肉のたんぱく質は、合成と分解を24時間繰り返しています。筋肉は合成<分解になると減っていきます。なので筋肉量を維持するためには合成>分解に、すくなくとも合成=分解をつくることが大切です。
そのためには筋肉のもととなる「たんぱく質」と「合成を促進させる」成分を積極的にとる必要があります。
「合成を促進させる成分」とはたんぱく質の合成に関与するビタミンやミネラル、あるいはたんぱく質の合成を促進させるホルモンの分泌を促す成分のことです。たんぱく質の合成を促進させるホルモンの筆頭ともいえるのが成長ホルモンです。成長ホルモンは筋肥大に大きく貢献します。
α-GPCは成長ホルモンの分泌を促進させる成分です。 - コルチゾール
ストレスホルモン「コルチゾール」は筋肉の異化(糖を生み出すために筋肉を分解)を促進させます。
3カ月間 α-GPCを1日1000mgを投与する実験(筋肉注射により)をしたところ、コルチゾールの血中濃度低下が確認されています。
(Le Basi Razionali della Terapia., 23(Suppp.3)., 108-116., (1993))出典元
α-GPCについて
健康専科 日油(株)食品事業部なのでα-GPCは合成を促すだけでなく、筋肉の分解を防ぐといった観点からも「筋肉」にプラスとなる成分と言えます。
実際、プレワークアウト系複合サプリにα-GPCが配合されていることがあります。
※配合の目的はコルチゾール抑制より 集中力を高めることかもしれません。 - 骨格筋収縮
筋肉の収縮にアセチルコリンが関与しています。
筋収縮とアセチルコリン刺激が神経筋接合部に到達すると運動神経終末からアセチルコリンが放出されます。
それが筋細胞膜にあるアセチルコリン受容体に結合すると筋小胞体からカルシウムイオンが放出されます。カルシウムイオンが放出されると筋収縮が起こります。
α-GPCはアセチルコリンの前駆体です。
- 傷害時修復能向上
α-GPCには激しい運動により傷ついた筋肉細胞の修復を促進する働きがあるとされています。
注: (J Cell Biol., 167(1), 35-41., (2004))出典元
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脂肪
8点
「脂肪」減少 に関わるα-GPCの働きは主に次です。
- 脂肪分解酵素を活性化(by 成長ホルモンの分泌促進)
運動時や空腹時=体内に糖質が不足している時に脂肪は脂肪細胞内にある脂肪分解酵素の働きにより脂脂肪酸とグリセリンに分解されます。この脂肪酸がミトコンドリアに運ばれ、そこでエネルギーに変換されることが「脂肪の燃焼」です。脂肪分解酵素は脂肪からエネルギーを必要とするときに「脂肪動員ホルモン」が分泌されると活性されます。
脂肪動員ホルモンの一つが成長ホルモンです。成長ホルモンが分泌されると脂肪分解酵素が活性され脂肪の分解が促進されます。
α-GPCは成長ホルモンの分泌を促す働きがあります。α-GPCの摂取は余分な脂肪を減らす効果が期待できます。 - 脂肪の代謝
脂肪をエネルギーとしてあるいは貯蔵物質として利用するために=血中を移動させるためにはアポたんぱく質と呼ばれる水になじみやすいたんぱく質に結びつく必要があります。結びついたものはリポたんぱく質と呼ばれます。
リポたんぱく質は【中性脂肪とコレステロールを中心にしてリン脂質を主成分とする膜で覆い、その膜がアポたんぱく質と結合すること】で形成されます。リポたんぱく質の形成に大きく関与するリン脂質がPC(ホスファチジルコリン)やSPM(スフィンゴミエリン)といったコリン含有のリン脂質です。
なのでコリンが不足すると、肝臓におけるリポたんぱく質の合成がスムーズにいかなくなります=肝臓に脂肪が蓄えられてしまいます=脂肪肝を招きます。
コリンの補給剤の1つがα-GPCです。
α-GPCの働き分析【中身編】
合計 44.5/60点
身体
7.5点
「身体」の構成材料 に関わるα-GPCの働きは主に次です。
- 細胞膜の構成
細胞膜の主成分はリン脂質です。リン脂質には種類があります。組織によりその組成は異なりますが、生体内に最も多く存在するリン脂質はPC(ホスファチジルコリン)です。
PCは極性基にホスホコリン(リン酸化したコリン)をもつリン脂質です。α-GPCはPCの構成成分のコリンの供給源となります。 - たんぱく質の合成促進
人間の体は主にたんぱく質で構成されています。人間の構成比体の構成比約70%を占める水分を除くと一番の比率(約20%)を占めています。α-GPCは成長ホルモンの分泌を促します。成長ホルモンにはたんぱく質の合成を促進させる作用があります。
エネ
7点
「エネルギー」生成 に関わるα-GPCの働きは主に次です。
- 脂質のエネルギー代謝
脂肪からエネルギーを産生する流れは簡潔にいうと次です。- 分解 体内に蓄積された中性脂肪を脂肪酸とグリセリンに分解する
- 運搬 分解されてできた脂肪酸を細胞のミトコンドリアに運搬する
- 燃焼 ミトコンドリアで脂肪酸がエネルギー貯蔵物質ATPに変わる
α-GPCは①の分解の過程に関わる成分です。より詳しくいうとα-GPCは脂肪の分解を促す成長ホルモンの分泌を活発にさせることで①の分解の過程に関わります。
病気
7点
「病気」予防 に関わるα-GPCの働きは主に次です。
- 高血圧予防
アセチルコリンは血管を拡張して血圧を下げる神経伝達物質として働きます。
コリンはアセチルコリンの前駆体です。
α-GPCはコリンの補給剤です。 - 動脈硬化予防
コリンはレシチン(ホスファチジルコリン)の構成成分です。またベタインの前駆体でもあります。コリンの3つの代謝経路①リン酸化→レシチンを合成
②アセチル化→アセチルコリンに変換
③不可逆的に酸化→ベタインに変換
レシチンは血液中の脂質の運搬を促し血液中のコレステロール値を低下させる働きをします。
ベタインはホモシステイン(その蓄積が動脈硬化のリスクを高める)の代謝を促進させます。α-GPCは生体内のコリンの供給剤として活躍します。
- 成長ホルモン関連
α-GPCには成長ホルモンの分泌を促進する働きがあります。
それ(成長ホルモンの作用)によりα-GPCに次の病気の予防が期待できます。①糖尿病 成長ホルモンは糖質の代謝を促進します。②脂質代謝異常 成長ホルモンは脂質の代謝を促進します。
③骨粗鬆症 成長ホルモンは骨形成を促します。
体質
7.5点
「体質」改善 に関わるα-GPCの働きは主に次です。
- 肝機能
コリンは「肝臓から脂肪を運搬する」際にリン脂質の構成成分と関与します。そのため不足は肝臓での脂肪の蓄積=脂肪肝のリスクを高めてしまいます。ようはコリンは肝機能を向上をさせる成分です。実際、研究により肝機能を調べる代表的な血液検査項目ALTはコリンが不足すると上昇することが確認されています。
(FASEB J., 2093-8., (1991))出典元
α-GPCについて
健康専科 日油(株)食品事業部α-GPCはコリンの供給剤です。他のコリン供給剤と比べ少ない量で効率良くコリンを補給できるのが特徴です。
- ストレス
α-GPCにはストレスホルモンの分泌を抑制する働きがあるとされています。ストレスホルモンとはコルチゾールです。
コルチゾールはストレスを受けると副腎皮質刺激ホルモンの刺激を受け分泌されます。
実験によりα-GPCの投与により副腎皮質刺激ホルモン&コルチゾールの血中濃度の低下が確認されています。
- 傷の修復
細胞の修復作用を有する成長ホルモンは傷の修復にも活躍します。α-GPCは成長ホルモンの分泌を促進させます。 - 身長
成長ホルモンとは文字通り「成長」を促すホルモンで、子供の成長期において骨の軟骨細胞に作用し身長を伸ばす働きや各組織の細胞に作用し成長を促す働きをします。α-GPCはその成長ホルモンの分泌を促す働きをします。母乳や大豆に含まれている安全な成分のため、よく身長応援系サプリに主成分として配合されています。
リンク
思春期の方で身長にお悩みの方は試す価値はあるかもしれません。
ただし、その際はご両親にしっかりと相談してからが大前提となります。注意思春期を過ぎてから、特に20オーバーでの「成長ホルモン分泌促進サプリで身長を伸ばす!!」は期待できないと思います。
※個人差あり
※本人実践済み
精力
6.5点
「精力」増強&「性機能」向上 に関わるα-GPCの働きは主に次です。
- 男性不妊
α-GPCは精液に存在しています。最近の研究で、精液中のGPC濃度が低いことが男性の不妊症に関係していることが示されています。GPCは精子の成長と遊泳にも大切な役割を果たしています。
引用元
食品成分 α-GPC(グリセロホスホコリン)
日本ファミリーケアとのことです。
リンク
なおα-GPCには腎臓や精巣での浸透圧調整作用があるとされています。 - 女性妊活サポート
コリンは葉酸などとともに妊活に貢献する成分に挙げられます。ただしコリンは妊娠率を上げるというよりは、新生児が健康に育つために母親が摂取する必要がある成分としてピックアップされています。
妊婦のコリンの十分な量の摂取が新生児の脳の発達を促すとの研究報告もあります。実際、その逆(コリンの不足)は
コリンは妊娠初期において正常な神経管閉鎖のために必要である、食事性コリン摂取量の最低(下位 25%)の妊婦は、神経管欠損を伴う新生児を持つリスクが 4 倍であった(最高上位 25%の妊婦に比較して)。
引用元
脂質系栄養素:コリンの普及に際し、アメリカの現状から
15/18 PDF
J-STAGEとのことです。
α-GPCはコリンの補給剤の1つです。 - 性欲の低下
成長ホルモンの分泌減少は性欲の低下につながります。成長ホルモンの分泌は加齢とともに減るため性欲を維持させるためには「分泌を促す成分」を取る必要があります。α-GPCはそのうちの一つです。
健脳
9点
「脳」の健康 に関わるα-GPCの働きは主に次です。
- 脳組織
成人の脳の乾燥重量の約6割は脂質で、脂質のうちの半分はリン脂質で構成されます。
脳のリン脂質の約半分はコリン含有リン脂質【ホスファチジルコリンが約30%、スフィンゴミエリンが約17%】です。
脳の健康維持にコリンは不可欠な存在です。α-GPCはコリンの補給剤の1つです。 - アセチルコリン
アセチルコリンは脳内の神経伝達物質として記憶・認知・学習に関与します。アセチルコリンおよびコリン分子は血液脳関門を通過できません。なので脳内でアセチルコリンを増やすにはいかにして【血液脳関門を通過できるコリンの前駆体またはコリンの補給剤】を摂取するかが重要となります。
コリンの前駆体 or コリンの供給剤
α-GPC
レシチン(PC)
CDPコリン(シチコリン)
重酒石酸コリン
DMAE
これらは代表的なコリンの前駆体 or コリンの供給剤で、すべて血液脳関門を通過できます。なのでどれをとっても脳内にコリンをしいてはアセチルコリンを増やせることになります。
ただより少ない量で、より効率良くと考えた場合、ベストな選択肢はα-GPCと言えるかもしれません
◆より少ない量で
コリンの必要量に対して、α-GPCはレシチン(PC)の1/4で済みます。◆より効率よく
体内へ吸収率が高いのもα-GPCのウリです。レシチン(PC)を脱アシル化しているので、レシチン(PC)より低分子です。
摂取したα-GPCの大部分は門脈経由で肝臓に到達します。一方でレシチン(PC)のほとんどはリンパ管より吸収されます。実際、ヨーロッパではα-GPCはアルツハイマー病患者の治療目的で用いられているとのことです。
α-GPCのサプリメント紹介
アルファ GPCは、記憶と他の認知機能にかかわる神経伝達物質であるアセチルコリンの天然の生理学的前駆体です。アルファ GPCは、他のコリンのフォームよりもバイオアベイラブル性が高く、血液脳関門を越えて脳に到達することが知られています。脳と他の神経組織内で、アルファ GPCは細胞皮膜の要素になります。臨床試験で、アルファ GPCの補強により脳のアセチルコリンの合成を増加させることができると示しています。この点において、認知機能と精神明瞭をサポートする助けとなります。
引用元
Now Foods, アルファ GPC, 300 mg, 60 ベジキャップ
iHerb.com
アルファGPC(L-アルファグリセルホスホリルコリン)は、神経細胞膜中に高濃度であるリン脂質代謝産物です。アルファGPCは非常に吸収性が高く血液脳関門を通過します。アルファGPCは、アセチルコリンの合成と分泌を直接増やすことによって、脳機能と学習プロセスをサポートします。アルファGPCは、膜リン脂質の前駆体として神経の健康をサポートし、信号伝達を改善します。
引用元
Jarrow Formulas, アルファGPC、300mg、植物性カプセル60粒
iHerb.com
すべてのAgeless (エイジレス)製品は品質テストされ、有効期限まで鮮度と効能が保証されています。
「Ageless(エイジレス)」はいつまでもあなたらしく健やかに毎日を過ごすお手伝いをします。
UltraMax(ウルトラマックス)ゴールドカプセルは、健やかな身体づくりに関心のある方や毎日アクティブに過ごしたい方に特におすすめの製品です。
引用元
Ageless Foundation Laboratories, アルファニューロコンプレックス配合ウルトラマックスゴールド(UltraMaxGold)、植物性カプセル90粒
iHerb.com
α-GPCのまとめ
分析【見た目編】47点
分析【中身編】44.5点
α-GPC 成長ホルモンの分泌促進 参照一覧
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