β-カロテン
カロテノイドの1種
カロテン類の1種
β-カロテンとは
カロテノイドの1種
カロテノイドはファイトケミカルの1種です。野菜・果物・動物などに含まれる黄・赤・オレンジなどの色素成分の総称のことをいいます。
自然界には750種類以上のカロテノイドが存在すると言われています。
β-カロテンはカロテノイドの1種です。
カロテン類の1種
カロテノイドは大きくカロテン類とキサントフィル類に分けることができます。
750種類以上のうち約50種類がカロテン類、約700種類がキサントフィル類です。
カロテン類とキサントフィル類は分子構造が異なります。
カロテノイドは化学式C40H56の基本構造を持つ化合物の誘導体です。
そのうち炭素と水素のみでできているもの(炭化水素化合物)はカロテン類、
それ以外のものを含むもの(カロテン骨格に 酸素原子がカルボニル基や水酸基などの形で結合)はキサントフィル類です。
出典元
PapriX
商品紹介 ファインケミカル
江崎グリコ(株)
アルコールに溶けるか否かで分けられます。アルコールに溶けるほうがカロテン類、アルコールに溶けないがキサントフィル類です。
β-カロテンはカロテン類の1種です。
ということで、β-カロテンはカロテノイドの、そのうちカロテン類の1種です。
主要なカロテノイドの1つ
普段の食生活において、ヒトは約50種類のカロテノイドを食品から取りいれています。
そのうち約20種類が血液中に存在します。
その中でβ-カロテン、α-カロテン、リコピン、ルテイン、ゼアキサンチン、β-クリプトキサンチンの6つを「ヒトの血中に存在する主要なカロテノイド」として括っています。
ヒトが日常摂取する食物の中にはおよそ50種のカロテノイドが含まれ、血液中には食物から吸収された 20種類あまりのカロテノイドが存在する。その内でもβ-カロテン、α-カロテン、リコペン、ルテイン、ゼアキサンチンおよびβ-クリプトキサンチンの6種が主成分であり、これらで血液中のカロテノイドの90%以上を占める。
引用元
カロテノイドの多様な生理作用
一般財団法人生産開発科学研究所
β-カロテンは単なるカロテノイドの1種ではなく、【ヒトの血中に存在する】主要なカロテノイド6種の1つです。
プロビタミンA
プロビタミンAとは生体内で「ビタミンA効力を示す物質に変換されるもの」の総称をいいます。ビタミンAに変換されるもの、つまりビタミンAの前駆体です。
プロビタミンAは約50種類存在します。主要なカロテノイド6種のうちプロビタミンAはβ-カロテン、α-カロテン、β-クリプトキサンチンの3つです。
プロビタミンAはビタミンAが不足している時に 必要とする量だけビタミンAに変換され、ビタミンAが十分に存在する時には ビタミンAに変換されないという性質があります。
そのため「ビタミンAの過剰」は基本的に心配いりません。
ビタミンAの過剰症には、慢性と急性の症状があります。
慢性の中毒症状は、関節や骨の痛み、皮膚乾燥、脱毛などです。
急性の中毒症状は、腹痛・嘔吐・めまい・過敏症などが出現し、その後に全身の皮膚落屑がみられます。
ビタミンAの過剰症は、ビタミンAを大量に服用する or ビタミンAを多量に含有する食品(うなぎ・レバーなど)を摂取することにより発生する可能性があります。
連日 25,000IU( 7,500μgRAE )を摂取すると慢性症状が出現すると言われます。
プロビタミンAの生体利用率
食品中から摂取されるビタミンAの形態は大きく2つに分けられます。
動物性食品に含まれる「レチニルエステル」と植物性食品に含まれる「プロビタミンA」です。
プロビタミンAのビタミンAとしての生体利用率は次です。
β-カロテンの場合 1/12
β-カロテンは摂取されると 小腸粘膜吸収上皮細胞内で、開裂酵素β-カロテン-15,15′-モノオキシゲナーゼ(BCMO1)の作用により中央開裂し2分子のレチナールを生成します。
β-カロテンが体内でビタミンAとして利用される率はおよそ1/12となります。
β-カロテンのビタミンA(レチノール)の転換効率が50%&β-カロテンの吸収率が1/6のため【1/2(転換効率)×1/6(吸収率)=1/12】です。
ここでは
- 2分子レチナールを生成する
- レチノールへの転換率が1/2 × β-カロテンの吸収率が1/6
ゆえにビタミンAとしての生体利用率はおよそ1/12
を、わけて覚えてください。
つまり「2分子のレチナールを生成するβ-カロテンは、2分子のビタミンA(レチノール)に変換されるではなく、重量当たりで1/12のビタミンA(レチノール)に変換される」です。
※レチナールとレチノールの違いに注意。
他のプロビタミンA 1/24
α-カロテン、β-クリプトキサンチン、他のプロビタミンAは、中央開裂により1分子のレチナールを生成します。
ということで(β-カロテンの1/2なので)、α-カロテン、β-クリプトキサンチン、他のプロビタミンAが体内でビタミンAとして利用される率はおよそ1/24となります。
ここでの話は食事由来に限ります。サプリメントからだと率は異なります。
サプリのβ-カロテンだと、ビタミンAの生体利用率は1/2程度です。
なお、サプリメントとして摂取する油溶化β─ カロテンは、ビタミン A としての生体利用率が1/2 程度なので、従来どおり2 µg のβ─カロテンで1 µg のレチノールに相当し、食品由来のβ─カロテンとは扱いが異なる。
引用元
5. 1. 1.ビタミン A
厚生労働省
ビタミンAについてさらっと
ビタミンAは一般的には3種類(レチノール・レチナール・レチノイン酸)のことを指します。
狭義にはレチノールのみを指します。
細胞内でレチノールが酸化されるとレチナールに、レチナールがさらに酸化されるとレチノイン酸になります。
出典元
エイジングケア
アベンヌの皮膚科学研究所
(株)ピエール ファーブル ジャポン
体内に取り入れられたビタミンAのほとんどは「レチニルエステル」として肝臓に貯蔵されます。
レチニルエステルは、必要に応じてエステル体からレチノールに変換されます。
そして血流により標的組織に運ばれます。その細胞内にてレチナール、レチノイン酸に酸化され、活性型となり「ビタミンAの生理作用」を発揮します。
なおビタミンAの生理活性の大半を担うのはレチノイン酸です。レチノイン酸が、標的とする細胞内で核内受容体を介した遺伝子発現を調節することにより、その生理機能を発揮します。
ビタミンAの生理作用のうち、視覚の機能維持はレチナールの働きです。
β-カロテンの働き
ビタミンAの生理作用は視覚の機能維持、皮膚・粘膜の健康維持、成長促進、抗ガン作用、細胞の分化・増殖などです。
β-カロテンはプロビタミンAとしてビタミンAの生理作用を発揮します。
それゆえ、上記の働きすべて有するということになります。
当然ですが、プロビタミンAのビタミンAとして効力はビタミンAそのものより劣ります。が、先に説明したように「ビタミンAの過剰」の心配が基本いらないといったメリットもあります。
なので、β-カロテンはビタミンAの供給源として(ビタミンAそのものより)ベターと捉えることもできます。
なお、β-カロテンにはビタミンA作用以外にも抗酸化作用や免疫賦活作用があります。
ビタミンAの推奨量と耐用上限量は次の通りです。
◆推奨量
800~900μgRAE/日(成人男性)
650~700μgRAE/日(成人女性)
※数値は年代により異なる
◆耐用上限量
2700μgRAE/日(成人)
ビタミンAの効力を示す単位はRAE(レチノール活性当量)あるいはIU(国際単位)が用いられます。
1μgRAEはレチノールとして1μg、1IUはレチノールとして0.3μgです。
レチノール 1μgはβ-カロテン 12μgに相当します。他のプロビタミンは1μg=24μgです。
ビタミンAの量は、レチノールとプロビタミンA合わせた数値です。
※サプリからは取る場合はβ-カロテンの相当量は異なります。
β-カロテンの効果・効能
β-カロテンの効果・効能 3つ厳選
- ビタミンA作用
- 抗酸化作用
- 免疫賦活作用
そのうち2つを詳しく
①ビタミンA作用
ビタミンA(レチノール・レチナール・レチノイン酸)は視覚の機能維持、上皮細胞の機能維持、成長促進、抗ガン作用、細胞の分化・増殖などさまざまな生理作用を示します。
細胞内でレチノールが酸化されるとレチナールに、レチナールがさらに酸化されるとレチノイン酸になります。
ビタミンAの生理活性の大半を担うのはレチノイン酸です。レチノイン酸が、標的とする細胞内で核内受容体を介した遺伝子発現を調節することにより、ビタミンAの生理機能を発揮します。
なお視覚の機能維持はレチナールの働きです。
基本的に、ビタミンAの視覚への作用の活性本体はレチナール、その他全身への作用の活性本体はレチノイン酸と考えてください。
ビタミンA(レチノール)から酸化的な代謝を受けて生成し,ビタミンAの機能のうち,視覚作用以外の主な機能を担う活性本体である.
引用元
レチノイン酸
実験医学online(株)羊土社
ビタミンAの主たる供給源は、
動物性食品に含まれる「レチニルエステル」と
植物性食品に含まれる「プロビタミンA」
です。
話をわかりやすくするためにここでは、ビタミンA(レチノール)として説明します。
レチニルエステルはビタミンA(レチノール)と脂肪酸のエステルです。食品に含まれるレチニルエステルは、小腸吸収上皮細胞において加水分解を受けビタミンA(レチノール)となって細胞内に取り込まれます。
プロビタミンAは、小腸吸収上皮細胞(あるいは肝臓、腎臓)でレチナールに分解されて、ビタミンA(レチノール)に変換されます。
ビタミンA(レチノール)は細胞内では再度エステル化されます。再エスチル化されたレチニルエステルはカイロミクロンに組み込まれ、その後リンパ管を経て肝臓に運ばれ「レチニルエステル」として貯蔵されます。
レチニルエステルは、必要に応じてエステル体からビタミンA(レチノール)に変換されます。
そして血流により標的組織に運ばれます。その細胞内にてレチナール、レチノイン酸に酸化され、活性型となり「ビタミンAの生理作用」を発揮します。
さて、プロビタミンAの代表と言えるのがβ-カロテンです。β-カロテンはプロビタミンAの中で最も効率よくビタミンAに変換されます。
ということで、体内でβ-カロテンは視覚の機能維持、上皮細胞の機能維持、成長促進、抗ガン作用、細胞の分化・増殖などの働き=ビタミンA作用を発揮します。
当然ですが、ビタミンAそのものと比べるとその効力は劣ります。
ビタミンAへ変換率は食品の場合は1/12、サプリの場合は1/2です。
ただし、ビタミンAに比べて過剰症の心配がないという長所があります。ビタミンAへ変換される量は体内のビタミンAの量による、すなわち β-カロテンは、ビタミンAが不足している時に 必要とする量だけビタミンAに変換され、ビタミンAが十分に存在する時には ビタミンAに変換されないという性質をもちます。
この理由として,小腸のBCMO1の発現はレチノイン酸によりネガティブフィードバックを受け制御されており,生体内のレチノイン酸が過剰になると,β-カロテンからビタミンAの変換効率が下がることが挙げられる
引用元
総説 野菜と果物の色に宿るチカラ
J-STAGE
なので、ビタミンA(ビタミンA作用)を得たいと考えた場合に、「オプション」としてではなく「スタンダード」としても十分に活躍します。
事実、我々日本人はビタミンAの多くをβ-カロテンより取っていると言われています。
国民健康・栄養調査結果によると、私たち日本人はビタミンAの多くを緑黄色野菜や果物のβ-カロテンからとっています。
引用元
β-カロテン当量
栄養成分ナビゲーター
江崎グリコ(株)
②抗酸化作用
β-カロテンの抗酸化作用(一重項酸素消去能)を説明する前に、前提知識として「酸化ストレスおよび活性酸素」について簡単にまとめました。
酸化ストレス
生体において酸化反応と抗酸化反応のバランスが崩れ、生体に対して【酸化力>抗酸化力となって】悪影響を及ぼしている状態
酸化 物質の電子が失われる反応
還元 物質が電子を受け取る反応
※同定義
酸素と結合→酸化 酸素を失う→還元
水素を失う→酸化 水素と結合→還元
酸化ストレスの要因
活性酸素
活性酸素種が過剰に生成されている状態が酸化ストレスの状態
活性酸素
反応性の高い酸素種のこと
※定義はまちまち
活性酸素の種類
狭義の活性酸素は4種類
【スーパーオキシド・過酸化水素・一重項酸素・ヒドロキシラジカル】
そのうち
フリーラジカルはスーパーオキシド・ヒドロキシラジカル
フルーラジカルでないのは過酸化水素・一重項酸素
物質を構成するのは原子です。原子は原子核と電子からできており、原子核の周りを電子がぐるぐると回っています。
原子核の周りを回る電子は2つで一対となることで安定な物質となっています。フリーラジカルとは原子核の周りにある電子の数が1つの分子(不対電子)のことをいいます。
2電子が一対になっているときは安定
なっていないときは不安定
※原子2つ以上が結びつくことで分子となります。イラストがフリーラジカルというわけではありません。
フリーラジカルは、不対電子をもっている=不安定であるために、安定するため他の物質から電子を奪う性質があります。この性質によって「酸化」が生じます。
◆過酸化水素
フェントン反応によりヒドロキラジカルを生じさせます。結果的にフリーラジカルになると考えてください。
フェントン反応とは二価の鉄イオン(または一価の銅イオン)が過酸化水素と反応し、ヒドロキシラジカルを生成する反応のことです。
◆一重項酸素
電子そのものは一応すべてペアになっていて不対電子を持っていません。ですが、片側に空の軌道がありそこに電子を強く求めます。そのため酸化力が強いです。
.
β-カロテンは一重項酸素に対する消去能を有します。
順を追って説明します。
カロテノイドは一重項酸素を消去する
一重項酸素は紫外線によって皮下組織で大量に発生します。
※活性酵素→活性酸素に訂正
通常の酸素分子は基底状態で三重項酸素と呼ばれています。
一重項酸素は「基底状態の三重項酸素分子がエネルギーを受け取ることで、一重項状態に励起された酸素分子」のことです。
出典元
医学部 TOPICS_4
トマト大学
カゴメ(株)
一重項酸素は【比較的 寿命は短いのですが、反応性が非常に高く】接触した不飽和脂肪酸の二重結合に直接作用して過酸化脂質を生成します。
カロテノイドには一重項酸素を消去する力があります。
カロテノイドは
.
カロテノイドの¹O₂消去の特徴は物理的消去である。すなわち,化学反応に由来せず,一重項酸素から励起エネルギーを受け取ることにより励起されたカロテノイドは熱エネルギーを放出し,それ自体はカロテノイドにもどる。
引用元
カロテノイドの吸収代謝と生理活性
J-STAGE
ということで、カロテノイドの一種であるβ-カロテンは、一重項酸素に対する消去能を有します。
β-カロテンにあってビタミンAにないわけ
以前(この記事の冒頭で)、
「カロテノイドは、野菜・果物・動物などに含まれる黄・赤・オレンジなどの色素成分の総称」と述べました。
違う言い方をすると(より専門的にいうと)、
「カロテノイドは長鎖の共役二重結合をもつ一群の色素の総称」のことです。
カロテノイドが一重項酸素の消去活性を示すには9個以上の共役二重結合が必要となります。
出典元
カロテノイド
ウィキペディア
こちらはβ-カロテンの構造式です。ご覧の通り、11個の共役二重結合をもっています。なのでβ-カロテンは一重項酸素に対して強力な消去能を有します。
一方、こちらはビタミンA(レチノール)の構造式です。
レチノールの共役二重結合の数はご覧の通りです。
ということで、β-カロテンは、【ビタミンA(レチノール)にはない】一重項酸素に対しての抗酸化作用を有するということになります。
※ビタミンA(レチノール)に抗酸化作用がまったくないというわけではありません。
参照
栄養
よくある質問(FAQ)
健康・栄養フォーラム
国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所
リコピンやアスタキサンチンのほうが・・・
カロテノイドの一重項酸素に対しての消去能は基本、共役二重結合の数によります。
なので共役二重結合が13個あるアスタキサンチンや13個の二重結合(うち共役二重結合11個)があるリコピンの一重項酸素を消去する力が上です。
β-カロテンの一重項酸素に対しての消去能は、カロテノイドの中では3番目~5番目の位置づけです。
出典元
医学部 TOPICS_4
トマト大学
カゴメ(株)
※カロテノイドの一重項酸素に対する消去活性は書籍・サイトによりけりです。上位2つ(アスタキサンチン・リコピン)は逆の場合もあります。
なので一重項酸素の消去のみを目的とするならば、アスタキサンチンやリコピンを摂取することをお勧めします。
ただしβ-カロテンにはこの2つにはない「プロビタミンAとしてビタミンAの生理作用を発揮する」といった働きがあります。
これはβ-カロテンが「ビタミンAが足りていない時にビタミンAとして働き、十分あるときは、β-カロテンとして一重項酸素に対する消去能を発揮する」といった【優れた機能】を持っていることになります。
総合力ではこの2つよりβ-カロテンの上かもしれません。
- β-カロチンの有するビタミンA作用は○○(ビタミンA作用)という表題で、内容はβ-カロテンではなくビタミンAとして説明していきます。
- ビタミンAはレチノール・レチナール・レチノイン酸を分けずに「ビタミンA」と一緒くたにしています。
- β-カロテンのビタミンA作用はビタミンAそのものより 効力が弱い=点数が低いとみなします。
※すべての項目において、β-カロテンのほうがビタミンAより点数が低くなるということではありません。ビタミンAにない働き(抗酸化作用など)が貢献する項目などでは点数が上回ります。
β-カロテンの働き分析【見た目編】
合計 43.5/60点薄毛
8.5点
「薄毛」改善 に関するβ-カロテンの働きは主に次です。
- 頭皮の健康維持(ビタミンA作用)
髪は皮膚(表皮)の細胞が変化(角化)して作られるものです。ビタミンAは皮膚の代謝を正常にする働きをします。頭皮の皮脂の過剰分泌を防ぐあるいは乾燥を防ぐことで健やかな髪を生み出す環境を作り上げます。髪の毛は上皮組織の一部です。上皮組織の健康を保つ働きがあるビタミンAは髪の健康に有効な成分です。
さて、ビタミンAは髪の健康に有効な成分なのですが、過剰に摂取すると逆効果になります。逆効果、すなわち脱毛につながります。
β-カロテンから摂取することでこのマイナス点を気にする必要がなくなります。薄毛改善目的でビタミンAを体内で増やすと考えた場合は、β-カロテンからがベターかもしれません。参照
薄毛が気になりだしたらビタミンA不足を疑え!
からだケア 日経Gooday - 細胞分裂を活性(ビタミンA作用)
ビタミンAは細胞の分化・増殖を調節する働きをします。この働きにより毛根にある細胞の細胞分裂を正常化させ健康的な髪を生み出します。 - 抗酸化作用
頭のてっぺんにある頭皮は紫外線を一番受けやすい場所です。
紫外線を浴びることにより頭皮に活性酸素が生成されます。活性酸素は毛母細胞を傷つけその働きを弱めます。また皮脂を酸化させ、頭皮を硬化させます。紫外線より生じる活性酸素は主に「一重項酸素」です。なのでこの活性酸素を除去する抗酸化物質をとることは薄毛予防になります。β-カロテンには一重項酸素に対する消去能があります。
白髪
6点
「白髪」予防 に関するβ-カロテンの働きは主に次です。
- 頭皮の健康維持(ビタミンA作用)
頭皮の健康を保つことは丈夫で黒々とした髪を生み出すことにつながります。頭皮の代謝を正常にする働きがあるビタミンAは白髪予防にも有効です。 - 抗酸化作用
メラニンは頭皮の毛包内にあるメラノサイトでチロシンとチロシナーゼ酵素が結びつくことで生まれます。メラノサイトおよび色素幹細胞(メラノサイトを生み出す細胞)の機能が低下すると、メラニンの生成量が少なくなり白髪が増えてしまいます。
抗酸化物質は活性酸素を除去することでメラノサイトや色素幹細胞の機能低下を防ぎます。β-カロテンは抗酸化物質の1つです。
美肌
9点
「美肌」作り に関するβ-カロテンの働きは主に次です。
- 光老化
「光老化」とは、太陽光線を浴び続けることにより、皮膚に現れるシミ、シワ、たるみなどの老化現象のことをいいます。 - 皮膚の健康維持(ビタミンA作用)
上皮細胞の機能維持に働くビタミンAは皮膚の健康維持に貢献しています。
不足すると乾燥肌になったり、ニキビができたりと肌トラブルが多くなります。 - 繊維芽細胞を活性(ビタミンA作用)
繊維芽細胞は真皮を構成している美肌成分(コラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸)を産生する細胞です。
加齢などが原因で繊維芽細胞の機能が衰えると 美肌成分が不足します。その結果「しわ・たるみ」となって肌に現れます。ビタミンAには繊維芽細胞を活性させる働きがあります。 - 繊維芽細胞のDNA修復(ビタミンA作用)
紫外線を浴びると直接および活性酸素を介して、真皮層にある繊維芽細胞のDNAがダメージを受けてしまいます。ビタミンAは損傷を受けたDNAに働きかけダメージを修復させます。 - 肌のターンオーバーの正常化(ビタミンA作用)
ビタミンAは細胞の分化・増殖に関わっています。この働きは肌においては肌のターンオーバーを促進し正常にさせる作用をもたらします。
美白
9点
「美白」ケア に関するβ-カロテンの働きは主に次です。
- 一重項酸素
紫外線を浴びると肌に大量に活性酸素が発生します。発生した活性酸素が肌にあるメラノサイトを刺激しメラニンの大量生成を促します。大量にできたメラニンが肌のターンオーバーとともに排出されなければシミとなって肌の表面に現れます。
紫外線により生じる活性酸素は主に一重項酸素です。
なので紫外線が原因でできるシミの対策には一重項酸素に対して消去能をもつ抗酸化物質を取ることが有効と考えられます。
β-カロテンはそのうちの1つです。 - 肌のターンオーバーの正常化(ビタミンA作用)
メラニンは肌のターンオーバーとともに排出されます。メラニンが過剰に作られてそれが肌のターンオーバーとともに排出されないと肌の細胞に色素沈着し、シミとなって肌の表面に現れます。シミを防ぐには肌のターンオーバーを正常化させることが大切です。
ビタミンAは表皮細胞の新陳代謝を活発にする働きがあります。それにより肌のターンオーバーが乱れるのを防ぎます。 - 紫外線から肌を守る(ビタミンA作用)
皮膚内に存在するビタミンAの約80%以上は「パルミチン酸レチノール」として存在しています。ビタミンAは紫外線から肌をまもる紫外線防止剤として機能します。 - メラノサイトのDNA修復(ビタミンA作用)
紫外線などによりメラノサイトのDNAが傷つくとメラノサイトの暴走がおこります。ここでの「暴走」とは紫外線を浴びていないのにどんどんとメラニンが作られてしまうことをいいます。ビタミンAにはDNAの修復する働きがあります。メラニンの過剰生成を防ぐ効果が期待できます。
筋肉
6点
「筋肉」増強 に関するβ-カロテンの働きは主に次です。
- 筋肥大
マウス実験で、「β-カロテンの摂取によりたんぱく質合成を促進し、筋肥大を引き起こす」ことが確認されています。
β-カロテンを摂取したマウスのヒラメ筋重量の増加が観察されています。参照
骨格筋量調節におけるβ-カロテンの役割と新規分子機構の解明
KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)1-II-3 骨格筋肥大を誘発するβ-カロテンの作用機序について(一般演題要旨,ビタミン・バイオファクター研究のさらなる魅力~大和まほろぱからの発信~,第67回大会講演要旨)
J-STAGE
脂肪
5点
「脂肪」減少 に関するβ-カロテンの働きは主に次です。
- 脂肪滴の蓄積抑制(ビタミンA作用)
脂肪細胞は核よりも大きい脂肪滴がほとんどを占めています。緑→ミトコンドリア
赤→核
黄→脂肪滴
その過剰蓄積が肥満につながります。
ビタミンAは脂肪滴の蓄積を防ぐ働きをするといわれています。レチノイン酸は脂肪滴の蓄積を抑制する役割があるので、ダイエット効果も注目されています。ビタミンAは毎日摂っても適量なら毒性がなく、健康管理に向いているので、サプリメントのような形でダイエットに活用する研究が進められています。
引用元
ビタミンAはミラクルな薬~がん治療薬から美肌・ダイエットまで~
夢ナビ
(株)フロムページ
β-カロテンの働き分析【中身編】
合計 42/60点
身体
5点
「身体」の構成材料 に関わるβ-カロテンの働きは主に次です。
- 歯(ビタミンA作用)
ビタミンAは歯のエナメル質形成に関わります。歯に必要な栄養成分の1つにカウントされます。 - 目(ビタミンA作用)
目の網膜にあるロドプシンは、ものを「見る」ために重要な役割を果たしている視物質です。ロドプシンはたんぱく質とビタミンAでできています。
エネルギー
5.5点
「エネルギー」生成 に関わるβ-カロテンの働きは主に次です。
- 抗酸化作用
ミトコンドリアはほとんどすべての細胞に存在する細胞内小器官です。
我々ヒトは、【ミトコンドリアからATPの形で供給され、このATPを分解して得られるエネルギーを使う】ことで、生命活動を行うことができます。
ミトコンドリアは生命活動に必要なエネルギーを作り出す重要な場所であるため「エネルギー産生工場」と例えられます。
ミトコンドリアは1つの細胞に50~2500個存在しています。特に高いエネルギー需要がある脳や心臓といった臓器に多く存在しています。残念ながらミトコンドリアは活性酸素の攻撃や加齢などが原因で機能が低下します&減ってしまいます。
加齢は致し方ありませんが、活性酸素の攻撃は抗酸化物質を取ることにより軽減することができます。β-カロチンは抗酸化物質の1つです。
病気
8点
「病気」予防 に関わるβ-カロテンの働きは主に次です。
- 動脈硬化
コレストロールは脂質の一種です。
血液中のLDLコレストロールが酸化されると酸化LDLに変わり血管壁に沈着します。そうなると血管の内側は細くなって動脈硬化を引き起こします。抗酸化作用を有するβ-カロテンはLDLコレストロールの酸化を防ぐ働きをします。動脈硬化予防に貢献する成分の1つです。
- 糖尿病
研究により、糖尿病の方または糖尿病予備軍の方はそうでない人と比べてβ-カロテンの血中濃度が低いことが分かっています。
血中のβカロテン濃度が高いほど、糖尿病のリスクが軽減される可能性があるということが示唆されています。 - がん(ビタミンA作用)
細胞の分化・成熟に関わるビタミンAはガン予防に効果を発揮します。
レチノイド【ATRAやタミバロテン】が白血病の治療薬(分化誘導療法)としてすでに活用されています。
他の抗がん剤が「白血病細胞を直接破壊する」のに対して、レチノイド【ATRAやタミバロテン】は「白血病細胞を分化・成熟させることによって、正常な白血球と同様な経過をたどって死滅させる」働きをします。レチノイドビタミンAおよびその誘導体やビタミンAに類似した合成化合物の総称をいいます。
ビタミンAの活性本体であるレチノイン酸と同じ効果あるいは類似の作用をもつ化合物の総称をいいます。
また、ビタミンAの摂取と皮膚がんリスクの低下の関連がみられるといった研究報告もあります。
この報告によると「ビタミンAの摂取量が最も多い人は、最も少ない人に比べて、皮膚がんの発症リスクが17%低い」とのことです。ビタミンAはガン予防に適した成分です。
※ビタミンAの過剰摂取は注意です。リンク参照
急性骨髄性白血病 治療
それぞれのがんの解説 がん情報サービス
国立研究開発法人 国立がん研究センターがん対策情報センタービタミンAは皮膚がんリスクの低下と関連!?
リンク・デ・ダイエット 国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所
β-カロテンのサプリ摂取は喫煙者において肺がんのリスクが高まるとの報告があります。
βカロテン摂取で肺がんが増える! データで読み解く食品のウソホント
ダイヤモンド・オンライン
(株)ダイヤモンド社
β-カロテン
ウィキペディア
体質
9.5点
「体質」改善 に関わるβ-カロテンの働きは主に次です。
- 免疫賦活作用
β-カロテンは免疫力を高める働きをします。白血球の増やしたりすることで免疫力を増強させます。さて、ビタミンAも免疫力を増強させる成分として有名です。
なのでβ-カロテンはビタミンAに変換されて、つまりビタミンA作用として免疫力を高める働きをすると考えることができます。が、免疫賦活作用はβ-カロテン独自の働きとして別枠にされています。
また、ビタミンAとしての機能以外で、βカロテンは抗酸化作用および免疫賦活作用などがあることが報告されています。
引用元
ビタミンA / βカロテン
大塚製薬(株)β-カロテンは、β-カロテンそのもの&ビタミンAに変換されての両方で免疫力を上げると捉えることができます。
- 免疫力(ビタミンA作用)
ビタミンAは免疫細胞を活性化させます。
ビタミンAは皮膚・粘膜を健康に保つ働きをしています。鼻やのどの粘膜を強化し風邪をひきにくくします。
ビタミンAは免疫力をあげる成分の1つとされています。 - 視覚(ビタミンA作用)
網膜にある視物質ロドプシンに光りがあたると信号が生じ、その信号が脳に伝達されることで「ものを見る」できます。ロドプシンは光の刺激を受けると分解されます(その結果脳に信号が伝わる)。分解されたロドプシンは自動的に再合成されることで、新たな光の刺激を受けることができます。
私たちはロドプシンが分解と再合成を繰り返すおかげで「ものを見る」ことができます。
ビタミンAはロドプシンの原料です。不足するとロドプシンの再合成が間に合わず「ものが見にくく」なります。 - 聴覚(ビタミンA作用)
ビタミンAは聴覚の機能維持に関わります。 - 胃腸(ビタミンA作用)
ビタミンAの皮膚・粘膜を正常に保つ働きをします。胃の粘膜を保護する作用も期待できます。 - 口内炎(ビタミンA作用)
ビタミンAは粘膜の代謝を正常に保つ働きをします。粘膜に起きる炎症「口内炎」予防にも効果を発揮します。 - 虫歯(ビタミンA作用)
ビタミンAが不足するとエナメル質形成不全が起きます。
精力
7.5点
「精力」増進&「性機能」向上 に関わるβ-カロテンの働きは主に次です。
- 生殖機能維持(ビタミンA作用)
ビタミンAは生殖機能を維持する働きをします。不足すると精子形成や胎盤形成に影響を及ぼします。 - 性器の粘膜(ビタミンA作用)
性器は粘膜で覆われています。健康な粘膜維持にビタミンAは欠くことのできない成分です。
健脳
5.5点
「脳」の健康 に関わるβ-カロテンの働きは主に次です。
- アルツハイマー病(ビタミンA作用)
レチノイドとはビタミンAおよびその誘導体やビタミンAに類似した合成化合物の総称をいいます。ビタミンAの活性本体であるレチノイン酸と同じ効果あるいは類似の作用をもちます。
レチノイドにアルツハイマー病に対する薬理効果が報告されています。新たなアルツハイマー病治療薬なるものとして期待されています。参照
ビタミンA類縁化合物による新たなアルツハイマー病治療法を開発~アルツハイマー病モデルマウスを用いた解析~
熊本大学 - 学習・記憶(ビタミンA作用)
ビタミンAの活性型であるレチノイン酸は、レチノイン酸受容体を介して遺伝子発現を調節することによりその生理機能を発揮します。
レチノイン酸受容体は脳の様々な部位に存在します。研究によりレチノイン酸が学習・記憶になんらかの役割を果たしていることが判明しています。ただしその作用機序は不明です。さらにこれまでの研究で、レチノイン酸が睡眠、学習、記憶などに役割を果たしていることはわかっているが、どのように機能するかについてはまだ解明されていない。
引用元
レチノイン酸
コトバンク
(株)朝日新聞社
β-カロテンのサプリメント紹介
β-カロテンが含まれているサプリメントを紹介します。
β-カロテンのまとめ
分析【見た目編】43.5点
分析【中身編】42点
β-カロテン ビタミンA作用 参照一覧
脂溶性ビタミン 厚生労働省
ビタミンAの過剰摂取による影響 食品安全委員会
ビタミンAの働きと1日の摂取量 健康長寿ネット 公益財団法人長寿科学振興財団
ビタミンA 「統合医療」情報発信サイト
ビタミンAとは? 公益社団法人ビタミン・バイオファクター協会
ビタミンAとβ-カロテンによる疾病の予防と治療 J-STAGE
ビタミンA関連医薬の現状と展望 J-STAGE
腸管免疫におけるビタミンAの役割 J-STAGE
ビタミンAの代謝と生理作用 J-STAGE
レチノイドによる自己免疫疾患の治療 J-STAGE
『野菜と果物の色に宿るチカラ』 野菜や果物に含まれるカロテノイドと疾病の予防,改善 J-STAGE
レチノール結合タンパク質群によるビタミンAの輸送,貯蔵,代謝の調節とその意義 J-STAGE
カロテノイドとヒト J-STAGE
爬虫類におけるβ-カロテン摂取と肝臓のビタミン A 貯蔵 J-STAGE
カロテノイドの多様な生理作用 一般財団法人生産開発科学研究所
魚類ビタミンAの胚発生での役割解明に向けて 国立研究開発法人 水産研究・教育機構
ビタミンAがシミ・シワ・にきびを改善。効果や注目コスメを医師に聞く 女子SPA(株)扶桑社