クルクミン
ポリフェノールの1種
ノンフラボノイドの1種
クルクミンとは
ポリフェノール
クルクミンはポリフェノールの一種です。
ポリフェノールとは、同一分子内に複数のフェノール性水酸基(-OH)をもつ化合物の総称です。
複数(ポリ)のフェノールでポリフェノールと呼ばれます。
自然界に数千種類存在します。
ノンフラボノイド
ポリフェノールは構造の違いにより、フラボノイドとそれ以外(ノンフラボノイド)に大別されます。
出典元
フラボノイド
ウィキペディア
2つのベンゼン環が
炭素でつながった構造を基本骨格とするものをフラボノイドといいます。
クルクミンはノンフラボノイドです。
- フラボノイド
例 アントシアニン、イソフラボン - ノンフラボノイド
例 クルクミン、リグナン
クルクミノイド
クルクミン類にはクルクミンとその類縁体(デメトキシクルクミン、ビスデメトキシクルクミン)があります。合わせてクルクミノイドと呼ばれます。
クルクミンは2つのフェノール環とβ-ジケトン構造をもっています。
出典元
クルクミン
ウィキペディア
クルクミンの類縁体はメトキシ基(ーOCH₃)の有無により異なります。
片方のフェノール環の OCH₃が→H となるとデメトキシクルクミンで、
両方のフェノール環の OCH₃が→H となるとビスデメトキシクルクミンとなります。
ということで、クルクミンはクルクミノイドの成分の1つです。
ただ、クルクミノイドの成分の1つというより、クルクミノイドの代表的な成分といった表現のほうがしっくりくると思います。次の段落でその意味がわかります。
クルクミンといえばウコン
クルクミンは、ウコンの根茎に含まれています。
ウコンの特徴である黄色の色素成分がクルクミンです。
ウコンの「黄色」は、厳密にいうと「クルクミノイド」なのですが、その大半は「クルクミン」によるものです。
ウコンの中には,クルクミノイドと呼ばれるジアリールヘブタノイド化合物が黄色色素として含まれる.クルクミン(U1)が黄色色素の約85%を占め,メトキシ基の少ない2つの化合物(U2,U3)がマイナー量含まれている
引用元
香辛料中の抗酸化物質について
PDFページ 7/8
J-STAGE
ということで、クルクミンはクルクミノイドの代表的な成分です。
ここで、ウコンについて簡単に説明します。
ウコンには種類がある
ウコンといってもそれ一つではなく、世界にさまざまな種類があります。
日本で利用されているのは、秋・春・紫の3種類です。
出典元
ウコンについて
ウコン研究所
ハウスウェルネスフーズ(株)
日本では、ウコン=秋ウコンのことと捉えてください。
なお、ウコンの英語名はターメリックです。
ウコンの用途
ウコンのイメージといえば二日酔い予防や肝機能回復など、飲み会対策や健康関連の栄養補助食品を思い浮かべる方が多いと思います。
ウコンの用途は、それだけではありません。
- 香辛料・食用色素
リンク
カレーのスパイスや辛子・たくあんなどの黄色の着色料として活用されています。 - 漢方・生薬
リンク
ウコンは漢方の材料や薬草として、様々な疾患の治療に利用されています。 - 染料
リンク
ウコンは生地の染料に利用されます。ウコンを使って染められた生地をウコン生地と呼びます。ウコン生地には「防虫」と「防菌」の効果があります。
.
これらすべてにおいて活躍するのは、ウコンに含まれている成分「クルクミン」です。
ウコンのもう一つの特有成分
ウコンには、さまざまな有効成分(ミネラルなど)が含まれています。
その「主」が色素成分で、色素成分の代表がクルクミンです。
さて、今までウコンの特有成分として「色素」のみに言及してきました。
が、ウコンには香りや風味のもととなる「精油」も含まれています。
ウコンの特徴的な成分は、大きく色素成分と精油成分にわけることができます。
出典元
ウコンについて
ウコン研究所
ハウスウェルネスフーズ(株)
ここで、精油成分について軽くふれておきます。
精油成分について
先ほど、ウコンの用途として
- 栄養補助食品
- 香辛料・食用色素
- 漢方・生薬
- 染料
.
の4つをあげ、色素成分であるクルクミンが4つすべてで活躍すると述べました。
栄養補助食品や漢方・生薬に関しては、精油成分も多いに活躍しています。
もう一度 ウコンの種類についての話に戻ります。
出典元
ウコンについて
ウコン研究所
ハウスウェルネスフーズ(株)
ここでは秋・春・紫ウコン 個別に着目します。
まず表の和名に注目してください。これらを漢字で書くと
- ウコン→鬱金
- キョウオウ→姜黄
- ガジュツ→莪朮(莪蒁)
.
です。
漢字に、見覚えがある方がいるかもしれません。
3つとも生薬としてよく利用されています。
漢方薬を調合する際の材料となる薬草または薬効物
特にガジュツなんかは、古くから胃腸管系の病気によく使用されているので、知っているかたは多いかもしれません。
今度は、表の右端のクルクミン含有量をご覧ください。
キョウオウには、クルクミンはほとんど含まれていません。
ガジュツにいたっては、クルクミンは含まれていません。
ガジュツには健胃作用、胆汁分泌促進作用、抗菌作用などが知られています。
クルクミンが含まれていないことから、それら作用はクルクミンによるものではないことがわかります。
ガジュツの作用は、主に精油成分によるものです。
ということで、ウコンの「精油成分」も魅力的な作用をもっているといえます。
なお精油成分は多数存在し、ウコンの種類によって含まれている成分や含有量が違います。
◆ウコンに含まれる精油成分の一例とその作用
- ターメロン
胆汁分泌促進作用 - シネオール
胆汁分泌促進作用、健胃・殺菌・防腐作用 - カンファー
精神の興奮作用、強心作用 - アズレン
抗炎症作用 - α-クルクメン
抗コレステロール作用
※ウコンの種類によって、精油成分の種類および含有量が異なります。
◆ウコンの種類の色素成分と精油成分の含有率
- 秋ウコン(ウコン)
リンク
色素成分 約3%
精油成分 約1~1.5% - 春ウコン(キョウオウ)
リンク
色素成分 約0.3%
精油成分 約6% - 紫ウコン(ガジュツ)
リンク
色素成分 0%
精油成分 約1~1.5%
.
以上が精油成分についてです。
今回のレビューは色素成分「クルクミン」です。
なので精油成分が登場するのは、この段落のみとなります。
なお、精油成分の作用を得たいと考えたら、春ウコン・紫ウコンのサプリを個別に摂取するか、3種類のウコンが含まれているサプリを摂取するようにしてください。
それでは、クルクミンの話に戻ります。
クルクミンの作用
クルクミンの有する作用は抗炎症作用・抗酸化作用・脂質代謝改善作用・胆汁酸分泌促進作用・認知機能改善作用など多岐に渡ります。
それゆえ、クルクミンの摂取は美容・健康効果が大いに期待できます。
クルクミンの働きは、(この表現が正しいかどうかアレですが、)「桁違い」です。
次にあげる、多様な生命現象に関与する転写因子などに対して、活性化または阻害することで、先に挙げた作用をもたらすのですが、その数が半端じゃありません。
- NF-κBの活性を阻害する
→抗炎症作用 - Nrf2を活性させる
→抗酸化作用 - COX-2の発現を抑制する
→抗炎症作用 - アディポネクチンの分泌を促す
→脂質代謝改善 - GLP-1の分泌を増やす
→脂質代謝改善 - p300の活性化を抑える
→新機能改善 - mTORCの活性を阻害する
→抗老化 - アミロイドβの凝集を阻害する
→認知機能改善
※他にもたくさんあります。赤は、個人的に 特に覚えておくべきと思っているクルクミンの働きです。
.
クルクミンは、ずばりサプリから取るべき成分です(この次以降の段落にて、その理由が判明)。
ずばりのクルクミンサプリでなくとも、どんな形態のサプリであっても、
もしくは食事のカレーや栄養ドリンクからでも、
とりあえず毎日、体内に取り入れておくべき成分だと思っています。
クルクミンが含まれる肝臓サポート系複合サプリ
クルクミンが含まれるポリフェノール複合サプリ
クルクミンが含まれる前立腺サポート系複合サプリ
※3つのサプリ形態に、必ずしもクルクミンが含まれているわけではありません。
クルクミンが含まれている商品であるかを確認してください。
クルクミンの欠点
さて「桁違い」の働きをするクルクミンですが、大きな欠点があります。
ポリフェノールは 他の栄養素と比べて体内への吸収率が低いのですが、
なかでも、クルクミンの体内への吸収率はとても低いです。
吸収率の低さもある意味「桁違い」です。
吸収率がとても低い理由は、次です。
①溶解度が低い
クルクミンは水に溶けにくい難水溶性化合物である。
②安定性が低い
クルクミンは、中性及びアルカリ性のpHで速やかに加水分解される。
しかし、CURは水への溶解度が 1μg/mL未満と極めて低く、経口摂取後の生体内への吸収は非常に限られている。更に、CURは中性以上のpH領域において速やかに加水分解を受けるため、小腸のpH環境下においての化学的安定性が低いことも知られている
引用元
高吸収性クルクミン食品開発のための 新規水溶性ナノ複合体の設計および安定化に関する研究
公益財団法人 浦上食品 ・ 食文化振興財団
.
クルクミンは吸収率がとても低い、だから体内にはほとんど吸収されない。
それゆえ(それ以外の理由も含めて)、クルクミンを含むウコンをとってもあまり意味ない といったような悪口?を言われていることがけっこうあります。
取ってもあまり意味ないか否かは、「ほとんど吸収されない」の「ほとんど」をどう捉えるかによります。
ヒャッハー!!
と、いきなりテイストを変え一人語りしてしまいましたが、安心してください。
現在、「欠点」に関しては、だいぶ改善されています。
もとい改善されたサプリが販売されています。
欠点を改善したクルクミンサプリ
巷では、吸収率がとても低いを改善したクルクミンサプリが多数販売されています。
例えば、ナノカプセル化したクルクミンサプリです。
以上の結果より,クルクミンをナノカプセル化することによって,腸管での吸収を飛躍的に向上させることが明らかとなった。
引用元
食品素材の「ナノサイズ」カプセル化技術の開発
J-STAGE
その他にも独自の加工技術でコーティングしたり、吸収を助ける成分を一緒に配合したり「クルクミンの吸収率や効力をアップさせる」ことを目的としたクルクミンサプリが数多く販売されています。
それはよく特許商品として販売されています。
特許の一部を紹介します。
独自加工技術(微細化・分散化加工技術)により従来のクルクミンに比べ約27倍の吸収性を可能にさせています。
出典元
セラクルミン®
製品案内
(株)セラバリューズ
日本の会社が開発しています。
参照
セラバリューズ、肝臓を癒やす「素材革命」 機能性素材「セラクルミン」を国内外に供給
日経ビジネス (株)日経BP
総クルクミノイド95%以上で規格化されている商品です。
C3コンプレックスとはクルクミンとその類縁体デメトキシクルクミン、ビスデメトキシクルクミンの3つから取った名称です。
FDAからGRAS認証を取得しています。あらゆる分野での臨床試験に用いられ、数多くの論文発表がなされています。
参照
イントロダクション C3コンプレックス®とは
(株)サビンサジャパンコーポレーション
送達剤形のクルクミンです。クルクミンと大豆レシチンを重量比1:2に調整して、2種類の微結晶セルロースを加えて、最終製品全体のクルクミン含有量を約20%しています。その相乗効果より、経口バイオアベイラビリティと体内吸収率があがります。薬物動力学的比較試験で証明されています。
※バイオアベイラビリティ・・・投与された薬物(製剤)が全身循環に到達する割合をあらわす定数
参照
ウコン抽出物[製品名:メリーバ]
ユニキス(株)
MERIVA
ノウハウバンク(株)
.
3つ目の特許商品の説明にて、クルクミンの吸収を助ける成分が大豆レシチンであることに、お気づきになったと思います。
もう1つ有名な成分があります。
それはバイオぺリン(黒コショウ)です。
クルクミンと相性が良い成分
クルクミンと相性が良い2TOP成分といえば大豆レシチンとバイオぺリンです。
ですと断言するのは、アレかもしれませんが、断言しちゃっていいほど相性抜群で有名です。
この2つはクルクミンの吸収率をアップさせます。
なのでクルクミンサプリによく一緒に配合されています。
with 大豆レシチン
with バイオぺリン
これは、何もサプリに限ったことではありません。
当然、カレーに含まれるクルクミンの吸収率もあげます。
なので、カレーからなるべく多くのクルクミンを体内に取り入れたいと考えた場合、きなこ(大豆レシチン)や黒胡椒(バイオぺリン)をかけるといいと思います。
ちなみに、レシチンは熱に弱いので、きなこは、食べる直前に入れるのが鉄則だそうです。
食べるだけで脳を修復!? 老化予防!?集中力アップ!? 医者も食べている驚きの「ブレインフーズ」の秘密!
授業復習 世界一受けたい授業
NTV
インド人には「認知症が少ない」のはやっぱりアノ食べ物のお陰!?
アサ芸プラス
(株)徳間書店
さて、せっかくなのでもう一つクルクミンと相性が良い成分を覚えておいてください。
それはブロメラインです。
ブロメラインは、パイナップルに多く含まれるたんぱく質分解酵素です。ブロメラインの作用として「胃液の分泌を活発にし、消化を促す」や「胃腸の炎症を抑制する」などが挙げられます。
NOWのターメリック & ブロメラインは植物性成分の組み合わされたもので、関節組織の健康をサポートします。学術研究で、ターメリックから採れるクルクミノイドが生物学的ストレスを受けた際に重要酵素の正常な働きをサポートすることがわかっています。パイナップルに含まれる酵素であるブロメラインに関する研究で、この酵素が通常の免疫システムの反応を強化する働きがあることが示唆されています。一時的に過度のストレスを受けた関節組織や毎日の使用でストレスを受ける関節組織の健康維持のために、NOWではターメリックとブロメラインを組み合わせました。
Now Foods, ターメリック & ブロメライン、90ベジカプセル
iHerb.com
※iHerb紹介コード=ALH5806 ご利用いただけたら幸いです。 上記リンクからiHerbへ飛んでいただくと、自動的にコード適応になります。
.
ブロメラインはクルクミンの吸収を高めるとかではなく、クルクミンとタッグになって、関節の健康維持に働くといった感じでしょうか。
最後にクルクミンの代謝について簡単にふれて、クルクミンとは の説明を終了します。
クルクミンの代謝
食事などから摂取したクルクミンの多くは、腸管に吸収されず、血液には移行せずに体外に排出に排出されます。だから 体内への吸収率はとても低い です。
吸収されたわずかのクルクミンの一部は、腸や肝臓にてグルクロン酸や硫酸などとの抱合化反応を受けます。
グルクロン酸→クルクミングルクロン酸抱合体に、硫酸→クルクミングルクロン酸硫酸抱合体になります。
吸収されたわずかのクルクミンの一部は、腸管上皮細胞でテトラヒドロクルクミンに還元されます。
出典元
天然抗酸化物質の吸収と代謝
PDFページ 10/11
J-STAGE
こっから重要なPOINTを2つあげます。
POINT①
体内に吸収されたクルクミンの大部分は、クルクミンではなく、グルクロン酸抱合体として存在しています。
こうした知見から,経口摂取されたクルクミンは遊離体ではなく,そのほとんどがグルクロン酸抱合体として血流に存在することは明白で,in vivo試験で今まで世界中で報告されてきた数多くのクルクミンの有用な生理活性は,グルクロン酸抱合体によるものである可能性を考慮する必要があると示唆される.
出典元
クルクミンの吸収代謝と生理作用発現の関係性
PDFページ4/8
J-STAGE
POINT②
クルクミンには抗酸化作用があります。
が、抗酸化力は還元体であるテトラヒドロクルクミンのほうがはるかに強力であると言われています。
クルクミンの還元体であるテトラヒドロクルクミンはクルクミンに比べて抗酸化性が高いと言われている.
引用元
水溶液中におけるテトラヒドロクルクミンの酸化安定性と酸解離特性の評価
J-STAGE
ここで、なにがいいたいのかというと
.
です。
というわけで、クルクミンは代謝されてから、(クルクミンの生理作用の)本領を発揮すると考えられます。
「抗酸化作用」には関しては、とくにその傾向が強く
クルクミンの抗酸化作用というよりは、テトラヒドロクルクミンの抗酸化作用です。
皮膚疾患や皮膚がんに対して塗布利用した場合は、クルクミンが直接作用して抗炎症性を示していると考えられていますが、ヒトが摂取した時にはテトラヒドロクルクミンに代謝されて強力な機能を発現すると考えられます。
大澤教授『ウコンの健康機能性』
ウコン研究所
ハウスウェルネスフーズ(株)
.
と 述べましたが、そうは言っても代謝の出発物質は「クルクミン」です。
このレビューでは、一緒くたにして「クルクミン」で説明していきます。
クルクミンの効果・効能
クルクミンの効果・効能 5つ厳選
- 抗炎症作用
- 抗酸化作用
- 脂質代謝改善作用
- 胆汁酸分泌促進作用
- 認知機能改善制用
そのうち2つを詳しく
①抗炎症作用
クルクミンには強力な抗炎症作用があります。
その理由は、クルクミンがNF-κBの活性を阻害する働きをもつからです。
NF-κBが活性化されると炎症反応が誘導されます。
クルクミンは、その活性化を阻害するため抗炎症作用を有します。
まずは、NF-κBとは から説明します。
NF-κB(エヌエフ・カッパー・ビー)
NF-κBは炎症反応・免疫応答・細胞分化や増殖などに関与している転写因子です。
転写因子はDNAに特異的に結合するタンパク質の一群で、【DNAに結合して】遺伝子の活性を調節する重要な役割を担っています。
NF-κBは普段は細胞質の中で、
NF-κBの核内移行を阻害しているIκB(アイ・カッパー・ビー)などのNF-κB阻害因子とくっついた状態で存在します。
これが通常時=不活性型のNF-κBです。
出典元
NF-κBデコイオリゴ
開発パイプライン
アンジェス(株)
病原体感染・紫外線など細胞が外部からの刺激を受けると、不活性型のNF-κBは活性化されて、核内に移動し、転写因子としての機能します。
活性化されたNF-κB
「転写因子としての機能する」そのメカニズムは次です。
①刺激を受けるとくっついていたIκBが分解されます。
②IκBが外れたNF-kBは、核内に移動します。
出典元
NF-κBデコイオリゴ
開発パイプライン
アンジェス(株)
③NF-kBは、炎症性サイトカインなど炎症反応や免疫応答に関与する遺伝子を活性化させ、炎症反応を誘導します。
なお、NF-κBの活性化は一過性です。
NF-κBが活性化した後、少し遅れて、IκBなどのNF-κB阻害因子が活性化されて、NF-κBの働きが抑制されます。
しかしNFκBの活性化状態は通常1時間くらいしか持続しない。炎症がいつまでも続かない、というのは生物にとって好ましいことだが、そうなる理由はNFκBの活性化から少し遅れて「IκB」や「A20」といったNFκB阻害因子(用語4)が活性化され、NFκBの働きを抑えるからである。
引用元
過剰な炎症反応を抑える仕組みを解明 -関節リウマチなど自己免疫疾患の病態が明らかに-
東工大ニュース
東京工業大学
なので、通常は 炎症は一時的です。
過剰に活性化されると炎症反応が暴走する
ウイルスを例に炎症反応を簡単に説明します。
ヒトは病原体に感染したとき、炎症反応を起こします。
その際、【炎症反応に関与する多くの遺伝子の発現を調節する】NF-κBが活性化されます。
活性化したNF-κBは【炎症反応に関与する多くの遺伝子が順序よく働くように指令を出し】、炎症反応を誘導します。
その結果、病原体が排除されます、と同時に炎症反応も治まるといったメカニズムになっています。
通常は です。
NFκB阻害因子が正常に働かない などの理由で、NF-κBが過剰に活性化すると、炎症反応が暴走化する状態が続き、アレルギー性疾患・炎症性疾患・自己免疫疾患・がん といった病気を発症、および老化を促進させます。
NF-κBの活性化とそれによる遺伝子発現は老化, 癌, 動脈 硬化症, 放射能による組織損傷, ウイルス複製, 急性炎症状態, 組織移植宿主反応, 毒性/ 腐敗性組織損傷などを含むさまざまな病理的な状態と関連するとされている
引用元
老化における分子炎症反応
PDFページ 2/8
J-STAGE
スイッチオン状態が慢性炎症
NF-κBの活性が炎症反応を誘導する「スイッチ」だと思ってください。
スイッチのオン・オフが一過性となるように厳密に制御することが、正常な免疫応答を保つことに、しいてはさまざまな疾患の発症を防ぐことにつながります。
逆にいうと、スイッチがオンのままが「慢性炎症」の状態です。
この状態が続くと、生体組織の機能や構造に異常が生じて、さまざまな疾患の発症リスクを高めます&老化を促します。
そろそろ本題に
先ほど、
- 通常、NF-κBは細胞質でIκBと結合して存在している。
- 刺激を受けるとIκBが分解され、NF-κBは細胞質から核に移行する。
と説明しました。
下線部を、もう少し 肉付けして説明します。
細胞質にNF-κBをとどめているIκBは、刺激依存的にリン酸化されることで分解されます。
このIκBのリン酸化を司るのはIKK複合体です。
さきの下線部の流れを、もう少し 細かく言うと
【刺激を受ける→IKK複合体が活性化→IκBがリン酸化される→IκBがユビキチン化され分解される→NF-κBは細胞質から核に移行する】
という流れになります。
ここで、クルクミンの登場です。
クルクミンのNF-κB活性化阻害作用
クルクミンは、IκBのリン酸化およびユビキチン化による分解を防ぐことでNF-κBの活性化を阻害します。
一方、ショウガ科ウコンの成分であるポリフェノール系化合物クルクミン(Cur)はNF-κBと結合しているIκBのリン酸化ならびにユビキチンによる分解を抑制することによりNF-κBの活性化を阻害する。
引用元
革新的抗がん薬実用化に向けた プロドラッグ型クルクミンの前臨床試験
京都大学医学部附属病院 先端医療研究開発機構
クルクミンにはNF-κBの活性化を阻害する作用がある、だからクルクミンに抗炎症作用があります。
ということで、クルクミンの摂取することで、健康(様々な疾患を予防)と美容(老化を防止)を手に入れることができます。
補足
補足するために、もう一度軽くおさらいします。
病原体感染・紫外線など細胞が外部からの刺激を受けると、NF-κBは活性化される
・・・・細胞質から核内に移動・・・・
活性化されたNF-κBは、炎症反応に関与する多くの遺伝子の発現を調節し、炎症反応を誘導する
.
クルクミンはNF-κBの活性化を抑制するので、抗炎症作用を有する
ここで下線部について補足します。
NF-κBを活性化させる因子は次です。
- ウイルス
- 紫外線
- 活性酸素
- 炎症誘発性サイトカイン(TNF-αおよびIL-1)
etc
NF-κBにより発現が調節される遺伝子は次です。
- TNF-α
- IL-1
- IL-6
- IL-8
- iNOS
- COX-2
etc
ここでCOX-2(シクロオキシゲナーゼ-2)にクローズアップします。
クルクミンのCOX-2発現抑制作用
まずはこちらをご覧ください。
アラキドン酸は、過剰に存在すると、エノコサイド【プロスタグランジン(PG)やロイコトリエン】といった炎症を起こす物質に代謝されます。このことをアラキドン酸カスケードと呼びます。アラキドン酸カスケード代謝を触媒する酵素がシクロオキシゲナーゼ(COX)です。 COX-1は恒常型で、生体保護にも働く→善玉作用もあります。
COXには2つのアイソザイムが存在します。
COX-1は全身の大部分の細胞に恒常的に発現しています。
一方、COX-2は通常は細胞内にはほとんど存在せず、炎症にともなって著明に発現します。
COX-1を阻害すると、抗炎症作用が得られるとともに、胃粘膜保護作用など生体保護に関連するPGの産生が抑制されることによる副作用もあらわれます。
COX-2は誘導型で、炎症に働く→悪玉と考えてください。
クルクミンの抗炎症作用に関して、単に NF-κBの活性化を阻害する で話を進めてきましたが、
より厳密にいうと、NF-κBの活性化を阻害することで、COX-2の発現を抑制して です。
さらに、クルクミンには強力な抗炎症作用が確認されており、その分子機構としてはIκB燐酸化酵素経路の活性化によるNFκBの不活性化によるシクロオキシゲナーゼ‐2遺伝子の発現抑制作用が推定されている。NFκBは生体内の様々な機能亢進に関与することから、クルクミンはその抑制剤としての潜在性が期待されるようになっている。
で、クルクミンはCOX-2を直接阻害する働きもあるとされています。
クルクミンは,直接シクロオキシゲナーゼ−2を阻害し,その産生に関与する遺伝子の転写も阻害する。シクロオキシゲナーゼ(COX)は,アラキドン酸から複数のプロスタグランジン(PGs)の合成を触媒する。
引用元
クルクミンの生物学的利用率を向上させるための組成物
JP5511895B2
Google Patents
NFκBの不活性化を介しても、介せずともCOX-2の発現を抑制するクルクミンには、強力な抗炎症作用があるといえそうです。
②抗酸化作用
日常生活において、ヒトは多くの酸化ストレスにさらされています。紫外線、大気汚染、たばこ、ストレス、過度な運動、食べ過ぎ、飲み過ぎなどが酸化ストレスを引き起こすリスク因子です。
これらは体内で活性酸素を生じさせ、身体を酸化させ、老化や病気を促進させます。
ヒトの体内には、酸化ストレスを感知して、無害化する「しくみ」を備えています。
この「しくみ」が機能することにより【酸化ストレスに対し、生体応答を働かせることで適応し、】生体の恒常性を維持しています。
応答機構の中心的役割を担っているのはKeap1-Nrf2システムです。
酸化ストレスを感知するのが、Keap1というタンパク質です。
生体防御酵素群の遺伝子発現を活性化させるのが、Nrf2という転写因子です。
出典元
プロジェクトの概要
東北大学加齢医学研究所 加齢制御研究部門
遺伝子発現制御分野
ストレスのない状態【出典元 イラストの非ストレス存在下】では、Keap1はNrf2の働きを抑制します。Nrf2をユビキチン化し、Nrf2を分解することでその働きを抑制します。
これにより Nrf2は細胞内に蓄積し、細胞質から核に移行し、Nrf2として機能=Nrf2が活性化 します。
.
Nrf2が活性化されると生体防御群の遺伝子発現が活性化されます。
生体防御群とは、抗酸化や解毒代謝を担うさまざまな抗酸化酵素や解毒化酵素のことです。
Nrf2の標的遺伝子で生体防御に働くものには, (1) 抗酸化酵素群 (グルタチオン合成酵素群, チオレドキシン還元酵素群, ヘムオキシゲナーゼ-1 (HO-1), GPXなど),(2) 第II相解毒代謝酵素群 (NAD (P) Hキノン酸化還 元酵素 (NQO1), グルタチオンS-転 移 酵 素 (GST) 群など),(3) トランスポーター (多剤耐性関連タンパク質 (multidrug resistance-associated protein, MRP) など) が知られている.
引用元
酸化ストレス防御のための生体内センサー
PDFページ 3/6
J-STAGE
ということで、Nrf2が活性化されると生体内の抗酸化作用や解毒作用が強化されます。
一部のがん細胞では(Keap1-Nrf2システムの機能が破綻し、)Nrf2が核内に常に蓄積し、恒常的に活性化されています。
Nrf2の標的遺伝子には、抗酸化や解毒代謝を担う酵素に加えて、代謝や増殖に関わる酵素も含まれます。
がん細胞におけるNrf2の恒常的な活性化は、がん細胞を抗がん剤から守ること・がん細胞の増殖を促進することにつながります。
Nrf2の恒常的活性化ががん細胞の生存・増殖を促進する方向に働くことが示唆される.
引用元
酸化ストレス防御のための生体内センサー
PDFページ 6/6
J-STAGE
さて、もう一度 出典元のイラストをご覧ください。
⇒酸化ストレスの下に「新電子性物質」があります。
新電子性物質も活性酸素どうように毒性の化学物質です。
内部に電子が少ない部分をもった分子=他の分子から電子を奪う性質をもった分子
つまり先ほどの囲み文は次のようになります。
これにより Nrf2は細胞内に蓄積し、細胞質から核に移行し、Nrf2として機能=Nrf2が活性化 します。
.
つまるところ、食物に含まれる新電子性物質を取り入れることでもNrf2が活性化がされ、抗酸化作用や解毒作用を得ることができます。
食物に含まれる新電子性物質が活性酸素(酸化ストレス)と同列で語られていることから、不安になるかもしれませんが、植物性食品はそこそこ親電子性物質です。
植物の二次代謝産物中には,様々な親電子性物質あるいはその前駆体が多数発見されている
引用元
細胞の酸化ストレス耐性に関わるシグナル伝達系
PDFページ 1/7
J-STAGE
ここでの「新電子性物質」は、「毒性の低い新電子性物質」あるいは「安全性の高い新電子性物質」と捉えてください。
ということで、食物に含まれる新電子性物質は、Nrf2を活性させる働きがある=天然のNrf2活性剤ということになります。
もう一度出典元のイラストをご覧ください。
右下の食品中の新電子性ファイトケミカル3つは
- スルフォラファン(ブロッコリースプラウト)
- イソ
チオシアネート(わさび) - カルノシン酸(ローズマリー)
上記以外に次の3つも、プラスして覚えておいてください。
- レスベラトロール(ブドウの茎・葉・果皮・種子など)
- クルクミン(ウコン)
- カテキン(緑茶)
例えば、レスベラトロール、クルクミン、カテキン、エピガロカテキンガレート等にNrf2の活性化作用があることが報告されており(非特許文献5)、また、シソの抽出物に含まれる、2’,3’−ジヒドロキシ−4’,6’−ジメトキカルコン等の特定のカルコン体(非特許文献6)や、ベンゼン環上にメトキシ基やトリフルオロメチル基を有するカルコン誘導体(非特許文献7)に、Nrf2活性作用があることが報告されている。
引用元
公開特許公報(A)_Nrf2活性化剤
国立研究開発法人科学技術振興機構
というわけで、クルクミンもまた天然のNrf2活性剤として有名です。
つまるところ、クルクミンを摂取すると、体内の抗酸化防御システムが強化される&解毒効果が高まります。
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これ、先にあげた4つがとれる優れものです。
- 緑茶エキス(葉)(カテキン40%以上)(天然カフェイン最大16g)200mg
- ウコン根エキス(クルクミノイド85%以上)100mg
- ローズマリー(葉)50mg
- ブドウ種子エキス(ポリフェノール用に標準化)30mg
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4つ以外にも天然の抗酸化物質が複数とれます。
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クルクミン働き分析【見た目編】
合計 41.5/60点薄毛
6.5点
「薄毛」改善 に関わるクルクミンの働きは主に次です。
- NF-κBの活性化阻害作用
男性ホルモン「テストステロン」が5αリダクターゼという酵素と結びつくと、より強力な男性ホルモン「DHT」に変換してしまいます。
DHTが毛乳頭細胞にある男性ホルモン受容体に結びつくと、髪の成長を妨げる「TGF-β」という脱毛促進因子を産生します。TGF-βは毛母細胞の細胞分裂を抑制します。それにより、通常であれば約2年~6年のあるヘアサイクルの成長期を、数カ月に短縮させ抜け毛を促進させます。
成長期(約2年~6年)→退行期(約2週間)→休止期(約3カ月)→【脱毛】→再び成長期
例えば、AGA治療薬として有名なプロペシア(成分名フィナステリド)は、5αリダクターゼの働きを阻害することでDHTの産生を抑制します。
ハーブの中にもDHTの産生を抑制するものがあります。
ノコギリヤシやナツシロギク(有効成分パルテノライド)がそれです。前者は5αリダクターゼの働きを阻害することで、後者はNF-κBを抑制することで、DHTの産生を抑制します。
また、第8回抗加齢(アンチエイジング)学会で発表された内容によると、男性型脱毛症の原因物質のひとつとされているDHTが過剰にあるところでは、NF−kBが活性化していることが分かり、パルテノライドのNF−kB抑制作用が脱毛症も改善する可能性があることを示唆している。
引用元
公開特許公報(A)_男性用の発毛および育毛用経口摂取食品
国立研究開発法人科学技術振興機構バイオサイエンスデータベースセンターこれらハーブも(AGA治療薬までの効果はないにせよ、)十分なAGA予防効果が見込まれます。
さて
- NF-κBがDHTの生成に関与していている
- ナツシロギクの有効成分であるパルテノライドのNF-κB抑制作用が脱毛症を改善する可能性がある
のであるならば、クルクミンのNF-κB活性化阻害作用も と考えることができます。
個人的に、薄毛対策になる成分の1つにカウントしています。
DHTの生成を抑制するのは、あくまでもパルテノライドのNF-κB抑制作用であって、クルクミンのNF-κB阻害作用はならないという可能性もあります。
なぜなら文献が見当たらないからです。
同じ作用でも、「その働きはその成分由来にしかない」はよくある話です。
例
「ピペリン」でもヒハツ由来ピぺリンにTie2を活性化させる=毛細血管を増やす 効果がある。
※のみかどうかはわかりませんが、ヒハツ以外で聞いことはありません。
白髪
6.5点
「白髪」予防 に関わるクルクミンの働きは主に次です。
- Nrf2活性作用
髪の毛の「色」を決定づけるメラニンは、メラノサイトでアミノ酸「チロシン」と酸化酵素「チロシナーゼ」をもとに作られます。
活性酸素の一種「過酸化水素」はチロシナーゼを破壊する働きがあります。なので過酸化水素を除去することが白髪予防につながります。体内にある抗酸化酵素「GPx」は、「グルタチオン」を電子供与体として過酸化水素を水と酸素に分解します。
体内にあるたんぱく質「チオレドキシン」は、ペルオキシレドキシンを還元型にすることにより、過酸化水素を水に還元します。還元して酸化型となったチロレドキシンは「チオレドキシン還元酵素」の働きにより再び還元型に戻ります。クルクミンはNrf2を活性させます。Nrf2が活性化されると、さまざまな遺伝子発現が活性化されます。
Nrf2により制御される遺伝子群にはGPx、グルタチオン合成酵素、チオレドキシン還元酵素が含まれます。また,「テトラヒドロクルクミン」は同じ第2相酵素であるNADPH-キノンリダクターゼを誘導すると共に抗酸化酵素であるグルタチオンペルオキシダーゼを誘導することを明らかにすることが出来た.
引用元
「サプリメント」による抗老化療法の現状と展望
PDFページ 7/9
J-STAGEクルクミンの摂取は白髪予防に有効かもしれません。
美肌
7.5点
「美肌」作り に関わるクルクミンの働きは主に次です。
- NF-κBの活性化阻害作用
長期間にわたり太陽光線を受けると、皮膚に次の変化を引き起こします。
- 黄色調となり、様々な色素班が増える
- 微細なシワや深いシワが増える
- 皮膚の光沢がなくなり、粗造、乾燥してくる
このような皮膚の変化を光老化と言います。
光老化にはNF-κBが関与しています。
NF-κBは炎症に関連して活性化する転写因子です。
皮膚の表皮細胞に存在し、皮膚に紫外線があたると活性化されます。その結果、炎症が起こります。
炎症が起きることで、皮膚の角化異常やメラノサイト増殖異常やコラーゲンの分解などが生じます。なので、NF-κBの過剰発現およびその作用を抑制することが、肌の老化を予防することになります。
紫外線による皮膚老化とNF-KBの関連を研究し,皮膚の光老化など多くの炎症性疾患を改善するためにはNF-KBの過剰発現およびその作用を抑制することが重要であることがわかってきた
引用元
天然成分を利用した機能性活性成分の開発
PDFページ 1/6
J-STAGEクルクミンはNF-κB抑制作用を有します。
美肌作りにも役立つ成分です。
美白
7.5点
「美白」ケア に関わるクルクミンの働きは主に次です。
- NF-κBの活性化阻害作用
大量にできたメラニンが 肌のターンオーバーとともに排出されなければ、シミとなって肌の表面に現れます。メラニンの過剰生成を抑えること&肌のターンオーバーを促進することが美白ケアの基礎となります。
メラニン生成のメカニズムは次です。
①紫外線を浴びた皮膚で、TNFαなどの炎症性サイトカインが産生される。クルクミンはNF-κBの過剰の活性を防ぎます。②その刺激によりNF-κBが過剰に活性化される。
③メラニン生成を引き起こすサイトカインが産生される。
美白ケアにおいても活躍します。
筋肉
4.5点
「筋肉」増強 に関わるクルクミンの働きは主に次です。
- 抗酸化作用
運動誘発性の筋損傷は激しい運動後に生じます。主たる原因は激しい運動を行うことで発生する酸化ストレスです。
酸化ストレスを防ぐためには、抗酸化物質を摂取することが重要です。
クルクミンはその1つです。
クルクミンの抗炎症作用は筋肥大の効果を弱めるかもしれないとされます。詳しくはこちらをご覧ください。
長期的なクルクミン摂取が筋肥大および筋機能に及ぼす影響
KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)
脂肪
9.5点
「脂肪」減少 に関わるクルクミンの働きは主に次です。
- アディポネクチンの発現増加
脂肪細胞からさまざまな生理活性物質が分泌されています。脂肪細胞から分泌される生理活性物質を総称して、アディポサイトカインといいます。アディポサイトカインには善玉と悪玉があります。
アディポネクチンは善玉アディポサイトカインの1つです。
アディポネクチンの主な生理作用は、こちらの出典元 左側の下の欄3つです。
出典元
メタボリックシンドローム・糖尿病の鍵分子アディポネクチン受容体AdipoR/AMPK/ACCタンパク群の構造解析とそれに基づく機能解明及び治療法開発
文部科学省 ターゲットタンパク研究プログラム3つは文章にすると次になります。
- 糖新生⇓
糖新生を抑制する - 脂肪酸燃焼⇑
脂肪酸のβ酸化を促進する - 糖取り込み⇑
糖の筋肉細胞へ取り込みが増加する
※インスリンを要せず
=脂肪の蓄積を防ぐ&脂肪の燃焼を促すにつながります。=痩せる
アディポネクチンを分泌させる方法は、内臓脂肪に効果がある運動をする or アディポネクチンの分泌を促す栄養成分を取るです。
クルクミンはアディポネクチンの分泌を促す成分の1つにカウントされています。
参照アディポネクチンの産生増強、促進剤
JP2005060308A
Google Patentsクルクミンの吸収代謝と生理作用発現の関係性
PDFページ 2/8
J-STAGE
- 糖新生⇓
- 胆汁酸の分泌促進
胆汁酸は肝臓でコレストロールから作られます。肝臓で作られたあと胆汁の主成分として胆のうに蓄えられます。食事(特に脂肪の多い食事)をしたときに、十二指腸から分泌され、水にとけない脂肪を乳化させ、その消化・吸収を助ける働きをします。
胆汁酸の働きは、単に脂肪の消化・吸収を助けるだけではありません。
胆汁酸が分泌されると脂肪の燃焼が高まります。理由は、次の2点です。リパーゼの活性化脂肪の分解の過程において中性脂肪を脂肪酸とグリセリンに分解する際に働く酵素が、脂肪分解酵素リパーゼです。
胆汁酸が分泌されると、胆汁酸が界面活性剤として働くため、脂肪がリパーゼの作用を受けやすくなります。
つまり、リパーゼを活性させると脂肪の分解が促進されることになります。分解が促進されれば脂肪の燃焼が高まります。GLP-1分泌促進GLP-1を分泌させることは肥満予防につながります。
※GLP-1は次の③で詳しく説明近年の研究により、胆汁酸は胆汁酸をリガンドとする核内受容体【FXR】やGタンパク質共役受容体【TGR5】に結合することで、ホルモンのような働きをすることが判明しています。
さまざまな働きがありますが、そのなかに「TGR5を介してGLP-1の分泌を促進する」働きがあることが明らかになっています。興味深い事に、血液中の胆汁酸は TGR5 との結合を介して、抗肥満、血糖降下作用を発揮する(図1)。小腸下部には L 細胞と呼ばれる分泌細胞が局在しており、この細胞表面の TGR5に小腸管腔内の胆汁酸が結合すると、インクレチン GLP-1 (Glucagon-like peptide-1)の分泌が促進される。
引用元
胆汁酸受容体TGR5活性化による健康寿命の延伸
PDFページ 4/8
J-STAGE.
クルクミンには胆汁酸分泌促進作用があります。
それにより「リパーゼの活性化」&「GLP-1の分泌促進」=脂肪燃焼効果が期待できます。リンク - GLP-1分泌促進作用
GLP-1は代表的なインクレチン(インスリンの分泌を促す働きをもつ消化官ホルモンの総称)です。GLP-1は消化官内に栄養素が流入すると消化官粘膜上皮から分泌されます。GLP-1を分泌させることは肥満予防につながります。
GLP-1には次の3つの働きがあるからです。
- 血糖値の上昇を抑える
- 胃からの排出物を遅くする
- 食欲を抑える
リンクよくサバ缶を食べると痩せるといわれていますが、その理由は、サバ缶にGLP-1の分泌を増やす成分EPAが多く含まれているからです。
クルクミンもGLP-1の分泌を増やします。
※先の胆汁酸分泌促進作用とは別ルートです。参照9.ターメリックの黄色色素「クルクミン」はCaMKIIの活性化を介してGLP-1の分泌を促進する。
研究内容 クルクミンのGLP-1分泌促進作用とその機序
津田研究室
中部大学 応用生物学部 食品栄養科学科膵β細胞制御による糖代謝調節に関する食品機能学的研究
J-STAGE - 血糖値の上昇を抑える
クルクミンの働き分析【中身編】
合計 47/60点
身体
4.5点
「身体」の構成材料 に関わるクルクミンの働きは主に次です。
- コラーゲン
人間の体を構成しているたんぱく質のうち30%はコラーゲンでできています。体内にあるコラーゲンのうち、約40%が皮膚に存在しています。コラゲナーゼ(コラーゲンを分解する)等の細胞外マトリクス分解酵素の発現は、NF-κBによって遺伝子レベルで制御されています。
紫外線などに刺激によりNF-κBが活性され炎症反応が起きると、コラゲナーゼが活性されコラーゲンの分解が進みます。NF-κBの活性化阻害作用を有するクルクミンは、体内のコラーゲンの減少を防ぐ成分といえるかもしれません。
エネ
7点
「エネルギー」生成 に関わるクルクミンの働きは主に次です。
- AMPK
AMPキナーゼ(以下AMPK)とはAMP活性化プロテインキナーゼ(AMP-activated protein kinase)の略で、エネルギー源となる糖や脂肪の代謝を調節している酵素のことを言います。AMPKには、細胞内のエネルギーの減少を感知しATPのレベルを回復させる作用があります。
AMPKが活性されると【ATP産生の促進とATP消費の抑制】が誘導され、細胞内のATPレベルが回復するメカニズムとなっています。AMPKはエネルギーが枯渇している時【ハードな運動 or 栄養飢餓 or 低酸素 の状態】に活性されます。
栄養成分の中にはAMPKを活性させるものがあります。
クルクミンはその1つです。AMPK活性化作用を示す食品成分はレスベラトロール以外にもウコンなどに含まれるクルクミンやハーブ類に含まれるベルベリンなどが知られている。
引用元
食品成分による褐色脂肪組織機能亢進作用を介した熱産生機構
PDFページ 3/7
日本微量栄養素学会※脂肪項目にてクルクミンにアディポネクチンの分泌を促す働きがあると説明しました。
クルクミンのAMPK活性化作用は、おそらく、アディポネクチン⇒AMPKの流れ(アディポネクチンにAMPキナーゼを活性させる作用がある)だと思われます。
病気
8.5点
「病気」予防 に関わるクルクミンの働きは主に次です。
- 抗がん作用
クルクミンには抗がん作用があります。
以下の3つのが、クルクミンの抗がん作用に大きく寄与します。
◆抗炎症作用
過剰なNF-κBの活性化は慢性炎症を誘導し、がんの原因となります。
クルクミンのNF-κB阻害作用はがん予防になります。即ち、クルクミンは転写因子である NF-κB の活性化を阻害することにより、炎症や発がんを促進する誘導型一酸化窒素合成酵素(iNOS)やシクロオキシゲナーゼー 2(COX-2)の合成を抑え、がんの発生を抑制する
引用元
クルクミンの抗老化作用の検討及びビタミン C 不足が 胎児の発生、成長、老化に及ぼす影響
PDFページ 3/7
公益財団法人 浦上食品 ・ 食文化振興財団◆抗酸化作用
DNAが活性酸素の攻撃を受け損傷すると、がん細胞に変わることがあります。
クルクミンは活性酸素を除去する働きをします。
.◆免疫調節作用
免疫調節作用とは、体に備わっている免疫の働きを高める作用です。(微細化された)クルクミンには腸管免疫機構を適度に活性化させる働きが期待できます。さまざまな研究で、クルクミンの化合物が、がん治療薬になることが示唆されています。
※クルクミンが抗がん剤として作用するには大量投与が必要となります。治療薬になる可能性があるのは、あくまでも「化合物」です。
参照クルクミンの抗腫瘍効果を60倍以上高めた化合物を開発 ~副作用のない飲む抗がん剤の開発に期待~
プレスリリース
奈良先端科学技術大学院大学カレーのスパイス「クルクミン」が熱変性したGO-Y022が胃癌を抑制することを解明
プレスリリース
秋田大学リンク - 心不全
心臓のポンプ機能が低下することで、血液供給が低下している病態が心不全です。心不全の原因のひとつが、心筋が厚くなる心肥大です。
心筋細胞の核の中にp300というたんぱく質があります。
心筋細胞肥大時において ストレスがかかるとp300が活性化することにより、心肥大が進みます。
クルクミンにはp300の活性化を抑える働きがあります。参照心不全発症における転写複合体制御メカニズム解明による新規治療ターゲットの探索
KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所) - 糖尿病
海外の研究にて、クルクミンの摂取が糖尿病予防になるとの報告があります。メカニズムは定かでありませんが、クルクミンの糖代謝に及ぼす影響が関係していると考えられます。クルクミンには膵 b 細胞機能や,耐糖能,インスリン抵抗性を改善する作用を有することが示されており,2型糖尿病発症・進展を予防する効能があると考えられる.
引用元
食品成分による心不全治療の可能性
PDFページ 5/7
J-STAGE
体質
10点
「体質」改善 に関わるクルクミンの働きは主に次です。
- 解毒酵素誘導作用
体内の毒物の多くは肝臓で無毒化されます。肝臓の「解毒」システムは2段階の化学反応を経て行われます。
第Ⅰ相反応
第Ⅰ相反応は水溶性を高める反応で、シトクロムP450などの酵素群が脂溶性の毒物を排出されやすい形に変換させます。具体的には脂溶性の毒物に水酸基・カルキシル基・アミノ基など極性基を導入します。これにより水溶性が向上した毒物は、第Ⅱ相反応に進むことになります。第Ⅱ相反応
第Ⅱ相反応は脂溶性の毒物の官能基に、グルクロン酸、硫酸塩、アミノ酸、グルタチオンなどと結合させる反応です。これは抱合反応と呼ばれます。
抱合反応を受けることでさらに水溶性が上昇し、尿や胆汁として体外へ容易に排出されるようになります。
動物実験で、クルクミンの摂取でグルタチオンS転移酵素(GST)などの第II相反応を触媒する酵素の活性が高まることが確認されています。
リンク - 肝機能
肝臓でアルコールはADH(アルコール脱水素酵素)などによって、アセトアルデヒドに分解されます。続いてアセトアルデヒドは、ALDH2(アルデヒド脱水素酵素)によって分解されて酢酸になります。
その酢酸は最終的に水と二酸化炭素に分解され、尿や汗などなって体外に排泄されます。さて、二日酔いの症状はアルコールの中間代謝物であるアセトアルデヒドによって引き起こされます。
クルクミンは血中のアセトアルデヒドの濃度の上昇を抑えます。
実際 臨床試験で、飲酒30分前に高吸収型のクルクミンを飲んだ人は、アセトアルデヒドの血中濃度の上昇が抑えられたという報告があります。クルクミンには胆汁酸分泌促進作用(脂肪項目にて説明)があります。
①で説明した解毒酵素誘導作用もあります。というわけで、クルクミンは肝機能を高める・二日酔いを予防する・二日酔いの症状を軽減する成分として非常に有名で、クルクミンを豊富に含んだウコンを摂取することが飲み会前の定番となっています。
当然ですが、取り過ぎには注意してください。肝臓にすでに問題を抱えている人がウコンを取りすぎると逆に健康を害する可能性があります。
※ウコンの取り過ぎです。クルクミンのではありません。参照
酒飲み・脂肪肝の人 「ウコンのとり過ぎ」に注意
NIKKEI STYLE - 関節リウマチ
関節リウマチは関節に炎症が起こり、腫れや痛みが生じ、放っておくと関節が変形してしまう病気です。関節リウマチの炎症の原因物質はプロスタグランジンです。
刺激を受けると細胞膜のリン脂質からアラキドン酸が遊離されます。このアラキドン酸が代謝され、プロスタグランジンになります。プロスタグランジンが腫れや痛みを引き起こします。
プロスタグランジンの代謝には「COX-2」という酵素が関わっています。COX-2を抑えることで、炎症が軽減されます。実際 関節リウマチの治療に用いられる薬の1種に、選択的COX-2阻害薬があります。
クルクミンはCOX-2の活性を阻害します。 - 花粉症
クルクミンには抗酸化作用があります。その作用により、免疫細胞のダメージを防ぐ=免疫活性を維持する働きがあります。
クルクミンには過剰な免疫反応を抑える=免疫バランスを整える働きもあります。よくカレーが花粉症対策になるといわれますが、それはカレーに含まれるクルクミンによるものです。
リンク - 歯周病
歯周病とは、歯周病原菌といわれる細菌の感染によって引き起こされる炎症性疾患です。
歯周病の初期段階では、歯肉炎(歯肉の炎症)から始まります。
それが進行するにつれて、歯周炎(骨の吸収)が起こります。
さらに進行すると、最終的に 歯を失うことがあります。歯周病に関わる細菌は数多く存在します。その中で特に問題なのがジンジバリス菌(Pg菌)です。
Pg菌は「ジンジパイン」という歯周組織破壊酵素を分泌して、歯肉に炎症を起こします。そして歯肉組織を破壊して歯周ポケットを深くします。日本人成人の6割はPg菌に感染しているとされています。研究により、クルクミンにPg菌の働きを抑える作用があることが判明しています。クルクミンは必要な常在菌はそのままで、Pg菌の働きを抑えます。
※歯周病抑制効果をもつ化学的な殺菌成分の多くには、悪玉菌のみならず、善玉菌も殺してしまうデメリットがあります。
リンク - 抗老化
mTORとは細胞外の栄養状態や細胞内エネルギーなどの情報を感知して、細胞成長や細胞増殖へ結びつける上で中心的な役割を果たしているリン酸化酵素です。
哺乳類では、2個の複合体mTORC1とmTORC2において存在し、それぞれ異なる機能を担っています。mTORC1は成長因子やアミノ酸といった細胞内外の刺激に応答して、活性化されます。
活性化されるとS6キナーゼや4E-BP1をリン酸化します。
すると、リボソーム生合成やmRNA翻訳が促進され、たんぱく質合成が増加します。
さらにオートファジーを阻害して、たんぱく質分解を抑制します。ロイシンアミノ酸の中でもロイシンが有名です。ロイシンの筋たんぱく質合成促進作用はmTORC1の活性化によりもたらされます。ロイシンが、筋肉合成の「スイッチ」をオンにするアミノ酸と言われる所以はここにあります。
参照
筋トレ効果高める「朝のたんぱく質」 鍵はロイシン
NIKKEI STYLE
mTORC1が関わっている経路を mTORC1シグナル経路といいますが、この経路の異常はさまざまなヒトの疾患の原因となります。
「異常」とは、例えば過剰な活性などのことを指します。mTORC1は、ただ単に活性されれば良いというわけではなくく、活性の「度合い」は細胞が置かれた環境や栄養状態などにより適切に調節されなければならないということです。
適度に抑制することは寿命の延長や抗老化作用になります。
過去の報告では、mTORC1 を適度に抑制すると様々な細胞内シグナル伝達経路が活性化し、一般的に生体にとって望ましい反応が起こることが知られている(オートファジーの亢進、タンパク質・脂質合成の低下、炭水化物の利用低下、インスリン感受性の増加、寿命の延長)
引用元
152. 代謝抑制剤としてのエンドサイトーシス阻害剤の検証
公益財団法人 上原記念生命科学財団したがって,mTORC1経路の活性化では無く,抑制によって寿命の延長,抗老化作用を発揮することが示唆され,実際にmTORC1 経路の阻害により酵母,線虫,ショウジョウバエ,そしてマウスの寿命を延長させることが報告されている
引用元
老化制御シグナルを標的としたアンチエイジング物質開発の可能性
J-STAGEクルクミンにはmTORCの活性を阻害する働きがあります。
それゆえ、抗老化作用が認められています。
精力
7点
「精力」増進&「性機能」向上 に関わるクルクミンの働きは主に次です。
- 子宮筋腫
子宮筋腫は、子宮壁にできるこぶのような良性の腫瘍です。
子宮壁を形成しているの筋肉組織が異常増殖し、子宮内に腫瘍ができます。それにともない過多月経、月経困難症、貧血などを引き起こします。不妊症の原因の1つとしても知られています。ラット実験により、クルクミンに子宮筋腫抑制効果があることが確認されています。
参照
新規ヒト化マウス子宮筋腫モデルを用いた子宮筋腫治療薬の開発 研究課題
KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所) - 前立腺
前立腺とは、膀胱のすぐ下にあり、尿道を取り囲んでいる臓器です。男性のみにあります。
前立腺にできる前立腺がんは、世界的に、特に欧米諸国で非常に発症頻度の高いがんです。日本でも最も増えているがんです。クルクミンは前立腺がん予防効果のある成分として有名です。
前立腺のがん細胞の中のテストステロンの合成を抑えることで抑制するといわれています。欧米諸国に比べてアジアでは、前立腺がんの発症が少ないのですが、それは大豆(イソフラボン)とカレー(クルクミン)をよく食べるからと推測されます。
参照
酸化ストレスにより誘導されるアンドロゲンシグナルを標的とした前立腺癌治療の開発
KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)
健脳
10点
「脳」の健康 に関わるクルクミンの働きは主に次です。
- アミロイドβ凝集阻害作用
アルツハイマー病はアミロイドβの凝集体が原因で発症するとされています。
アルツハイマー病の脳では、アミロイドβの断片が処理されずに蓄積され、老人斑というゴミの塊を形成します。このゴミがたまると【神経細胞が傷害を受ける→神経細胞が死滅する→脳が萎縮する→脳の機能障害が起こる】といった流れをたどります。
クルクミンはアミロイドβの凝集を阻害する作用があります。それだけでなく凝集体の脱会合を促進する作用があります。
- BDNF
BDNFは脳由来神経栄養因子と呼ばれる脳内に存在する物質です。BDNFは神経細胞の新生・成長・維持に重要な役割を果たしています。BDNFは脳内で記憶を司る「海馬」に多く含まれています。BDNFの産生量が高まると記憶や学習など認知機能が向上することがわかっています。
ラット実験にて、クルクミンにBDNFが増やす働きが確認されています。 - セロトニン
セロトニンはドーパミンとノルアドレナリンのバランスを調整する働きをし、精神の安定をもたらします。
うつ病に深く関わってくる神経伝達物質で、うつ病の患者さんは 脳内の「セロトニンの量が少ない」or「セロトニンの働きが低下している」ことが判明しています。うつ病予防には「脳のセロトニンを減少させない」ことが大切となります。
マウス実験にて、クルクミンに脳内のセロトニンを増やす抗うつ作用あることが確認されています。
アミロイドペプチドの凝集阻害ならびに検出を目的としたクルクミン誘導体の創製
KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)
うつ病態を改善する天然生理活性物質
J-STAGE
辛いカレーで憂うつな春を乗り切る! クルクミンはアンチエイジングの救世主!?
NIKKEI STYLE
カレーが脳の炎症を防ぐ
ダイヤモンド・オンライン
認知症から逃げるには週に3回カレーを食べよう
FRIDAYデジタル
カレーを毎日食べると記憶力が向上、認知症の予防にもなる?
ニューズウィーク日本版
クルクミンのサプリメント紹介
クルクミンがメイン成分のサプリメントを紹介します。
古代インドのハーブとして、ウコンは健康によいものとして世界中で知られています。ウコンの根にあるクルクミノイドには、体の還元をサポートし、健康を維持するのを助ける効果があることで知られています。*
California Gold Nutrition(カリフォルニアゴールドニュートリション)Curcumin C3 Complex®️(クルクミンC3コンプレックス)には標準化されたウコンエキスと、吸収を助けるBioPerine®️(バイオペリン)ブラックペッパーエキスが配合されています。
California Gold Nutrition, BioPerine(バイオペリン)配合Curcumin C3 Complex(クルクミンC3コンプレックス)、500mg、植物性カプセル120粒
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クルクミンが含まれているサプリメントを紹介します。
オオアザミは花のハーブで、何世紀にもわたって伝統的に薬用食として使用されてきました。主要な化学成分であるシリマリンは、最近の研究により、体の中からきれいするサポートをすることが示唆されています。*タンポポ、アーティチョーク、ウコンによる相乗効果も期待できます。
California Gold Nutrition(カリフォルニアゴールドニュートリション)シリマリンコンプレックスは、オオアザミ、タンポポ、アーティチョーク、ウコンのブレンドを配合した独自処方です。オオアザミエキスは80%のシリマリンフラボノイドを標準とし、タンポポは4倍濃縮エキス、アーティチョークは10倍濃縮エキスを使用しています。成分中のショウガとブラックペッパーが効果を補い、吸収を助けます。
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※商品説明の引用文は360粒
California Gold NutritionはiHerbのプライベートブランドです。なのでiHerbの直サイトのほうが、値段が安いです。
クルクミンのまとめ
分析【見た目編】41.5点
分析【中身編】47点
クルクミン NF-κBの活性化を阻害する作用 参照一覧
ウコン研究所 ハウスウェルネスフーズ(株)
ウコン 海外の情報 『「統合医療」に係る情報発信等推進事業』 厚生労働省
クルクミンの吸収代謝と生理作用発現の関係性 J-STAGE
食品由来天然化合物を用いた心血管疾患薬物療法に関する研究 J-STAGE
歯周組織の炎症に対するクルクミンの効果 J-STAGE
ターメリック(うこん)よりクルクミン類単離の教材化(私のくふう) J-STAGE
秋ウコン給与による鶏卵の付加価値化についての試み J-STAGE
医薬品服用者におけるウコン含有健康食品の摂取に関する実態調査 J-STAGE
沖縄県産ウコン類の精油の食中毒起因細菌に対する抗菌活性 J-STAGE
伝統医学の可能性 J-STAGE
伝統薬物研究が薬理学にもたらす新しい視点 J-STAGE
カレースパイス成分のクルクミンがアルツハイマー痴呆を予防する(F・医薬品開発,薬理学,臨床)
J-STAGE
食品素材の「ナノサイズ」カプセル化技術の開発 J-STAGE
アレルギーやガンに関わるNF-κBの新しい活性化機構の発見 J-STAGE
NF-K Bの活性化と疾患との関わり J-STAGE
転写因子NF-κBの新しい活性化機構 J-STAGE
天然成分を利用した機能性活性成分の開発 J-STAGE
2.非ステロイド抗炎症薬(COX-2 阻害薬) J-STAGE
ポリフェノール,化学反応を基盤とする機能性物質 J-STAGE
ポリフェノールパラドックス J-STAGE
老化制御シグナルを標的としたアンチエイジング物質開発の可能性 J-STAGE
「サプリメント」による抗老化療法の現状と展望 J-STAGE
食品成分による心不全治療の可能性 J-STAGE
天然抗酸化物質の吸収と代謝 J-STAGE
天然抗酸化物質の探索とその応用 J-STAGE
水溶液中におけるテトラヒドロクルクミンの酸化安定性と酸解離特性の評価 J-STAGE
細胞の酸化ストレス耐性に関わるシグナル伝達系 J-STAGE
代謝ストレスによるTORシグナルの活性化 J-STAGE
恒常的活性化型 mTOR による精神神経疾患モデルマウスの作製と解析 J-STAGE
栄養センシングと細胞機能の制御 J-STAGE
酸化ストレス防御のための生体内センサー J-STAGE
生体異物代謝と食物・栄養因子 J-STAGE
歯周病と全身疾患の関連 J-STAGE
第136回 関東部会(2017年7月8日開催:文京区) J-STAGE
生薬について 「生薬」と「薬酒」のなるほど辞典 養命酒製造(株)
天然素材なのに防虫効果!?ウコン生地の魅力と用途とは YAMATOMI- LABO (有)山冨商店
免疫のスイッチNEMO News@KEK 大学共同利用機関法人 高エネルギー加速器研究機構
過剰な炎症反応を抑える仕組みを解明 -関節リウマチなど自己免疫疾患の病態が明らかに-
東工大ニュース 東京工業大学
細胞の成長や分化に重要な栄養シグナルの 新しいメカニズムを解明! ~mTORC1 シグナル経路の活性抑制メカニズムの解明~
プレスリリース 名古屋大学
高吸収性クルクミン食品開発のための 新規水溶性ナノ複合体の設計および安定化に関する研究
公益財団法人 浦上食品 ・ 食文化振興財団
ラパマイシン標的タンパク質(TOR)と アンチエージング食品開発の可能性 公益社団法人 日本生物工学会
Nrf2酸化ストレス応答系による病態制御 公益社団法人 日本生化学会
ケミカルセンサーとしての Keap1の立体構造と機能 公益社団法人 日本生化学会
食品成分による褐色脂肪組織機能亢進作用を介した熱産生機構 日本微量栄養素学会
発癌性物質や酸化ストレスに応答する生体防御系センサーの構造基盤 文部科学省 ターゲットタンパク研究プログラム
細胞内にたんぱく質が異常蓄積することで 酸化ストレスからの防御システムが活性化される仕組みを解明
国立研究開発法人 科学技術振興機構(JST)
クルクミンの生物学的利用率を向上させるための組成物 JP5511895B2 Google Patents
クルクミン代謝物受容体の探索および機能性解析 KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)
機能性ポリフェノールによる炎症性サイトカイン誘導性脂肪細胞機能障害の抑制作用機構
KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)
抗酸化物質がβアミロイド沈着を低下させる可能性を位相 X 線画像で解析する新しい試み
KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)
クルクミノイドの細胞内への取り込みの制御:疾病治癒への応用に向けて
KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)
公表特許公報(A)_クルクミンの可溶性錯体 国立研究開発法人科学技術振興機構
公開特許公報(A)_クルクミン還元酵素 国立研究開発法人科学技術振興機構
公開特許公報(A)_ピロリドンカルボン酸亜鉛塩から成る炎症抑制剤 国立研究開発法人科学技術振興機構