プロアントシアニジン
ポリフェノールの1種
縮合型タンニン類の1種
プロアントシアニジンとは
ポリフェノール
外的な環境に適応するため、植物にはさまざまな機能をもつ数多くの成分が含まれています。
植物に必須の【細胞成長、発生、生殖、恒常性維持など生命活動に直接関与する】化合物を一次代謝物といいます。それは植物の体内で産生される化合物で、糖やアミノ酸などが当てはまります。
一次代謝物から派生した【生命活動に直接関与しない】化合物を二次代謝物といいます。
二次代謝物は、生命活動に直接関与しないものの生存戦略において必要なものです。
二次代謝物には例えば
- 紫外線防御物質
有害な紫外線から細胞を守る - 抗菌物質
病原菌に対する感染を防ぐ - 忌避物質
昆虫や小動物による食害を妨げる
.
としての機能があります。
植物はこれら機能を活用することで、様々な環境ストレスに適応することができます。
二次代謝物はいうなれば、植物がその「種」の生き残りをかけて、編み出してきた特別な「知恵」です。
ポリフェノール類は植物に含まれる二次代謝物です。
プロアントシアニジンはポリフェノールの1種です。
タンニン類
ポリフェノールは8000種類以上存在するとされ、
その構造の違いにより、フラボノイドとそれ以外(ノンフラボノイド)に大別されます。
出典元
ポリフェノールパラドックス
PDFページ 2/6
J-STAGE
プロアントシアニジンはノンフラボノイドのタンニン類に分類されます。
タンニン類の縮合型タンニン
タンニンは、大きく加水分解型タンニンと縮合型タンニンの2つのグループに分かれています。
前者は、酸・アルカリまたは酵素「タンナーゼ」の存在下に加水分解され、分子量の小さい産物を生じるものです。
後者は、カテキンまたはエピカテキンなどのフラボノールが炭素-炭素結合で縮合したもので、酸・アルカリでは加水分解されないものです。
プロアントシアニジンは縮合型タンニンに分類されます。
プロアントシアニジンについて
プロアントシアニジンとは、カテキン類(エピカテキンあるいはカテキン)が複数つながった重合体の構造を持つ化合物の総称のことです。
出典元
プロアントシアニジン
ウィキペディア
プロアントシアニジンは炭素-炭素結合の開裂により、「アントシアニジン」を生成することからプロアントシアニジン【=アントシアニジンの前駆体】と呼ばれます。
アントシアニジンについて簡単に
ここで前提知識として、アントシアニジンについて説明します。
アントシアニンは、ブルーベリーに多く含まれる成分としてご存知かと思います。
アントシアニンは、色素の本体であるアントシアニジンに糖や有機酸などが結合した一群の天然化合物の総称をいいます。
アントシアニジンのことをアグリコンと呼びます。
アグリコンに糖や有機酸などが結合をしたものを配糖体と言います。
ということで、
アントシアニンはアントシアニジン配糖体で、アントシア二ジンはアントシアニンに結合している糖や有機酸を除いた部分です。
アントシアニジンはフラボノイドの基本骨格であるA環-C環-B環から成っています。
水酸基(-OH)やメトキシル基(-OCH3)などの数の違い・結合位置の違いにより、いくつかの種類が存在します。
主要なアントシアニジンはシアニジン、ぺラルゴニジン、デルフィニジン、ペオニジン、ペチュニジン、マルビジンの6つです。
この6つは、B環に付いている水酸基(-OH)およびメトキシル基(-OCH3)の数の違いにより、種類わけされています。
それぞれ異なる色調を発現します。
出典元
フラボノイド
花き研究所
農研機構
アントシアニジンの基本形はシア二ジン、ペラルゴニジン、デルフィニジンの3つです。
それぞれを生成するものがプロシア二ジン、プロペラルゴニジン、プロデルフィニジンで、
これらの総称がプロアントシアニジンです。
主なプロアントシアニジンはプロシアニジンです。
プロアントシアニジンは炭素-炭素結合の開裂により,アントシアニジンを生成する水溶性の抗酸化物質であるが,プロシアニジン,プロデルフィニジンおよびプロペラルゴニジンなどを含む.しかし,天然に存在するプロアントシアニジンの大部分はプロシアニジンである
引用元
今日の話題
PDFページ 3/12
J-STAGE
ということ(?)で、
ここでは、プロアントシア二ジン≒プロシアニジンとさせください。
以降、時々、表題はプロアントシアニジンで、内容はプロシアニジンで説明したりしています。
あまり気にせず、
ここでは、同じものととらえてください。
プロアントシアニジンの種類
大事なことなのでもう一度言います。
プロシアニジンとはカテキン類が重合した化合物のことです。
カテキンの種類【カテキン・エピカテキン】や重合度数【2~15】や結合様式【C4‒C8あるいはC4‒C6結合 または C2‒O‒C7結合】によりその「組み合わせ」は数多くあります。
結合様式によりAタイプとBタイプに大別されます。
C2‒O‒C7結合
出典元
Procyanidin A2
生理活性ポリフェノール プロシアニジン(Procyanidin A2/Procyanidin B1/Procyanidin B2)
フナコシ(株)
自然界に存在するプロシア二ジンはエピカテキンから成るもの&Bタイプが多くなっています。
最強の抗酸化物質・ポリフェノールの王様
プロアントシア二ジンの重合体が低いものは高いものと比べて抗酸化力が高くなっています。
プロアントシア二ジン自体には強力な抗酸化作用があるのですが、重合度が高いと、吸収率が悪くなるため体内で発揮する抗酸化力が弱まるからです。
プロアントシア二ジンの中でも、重合度が低い【2~4の縮重合体】ものをOPC(オリゴメリック・プロアントシアニジン)と呼びます。
ゆえに、OPCは「最強の抗酸化物質」と呼ばれています。
重合度の高いプロアントシア二ジンは、OPCと比べると有能ではないわけでなく、
こちらにも、さまざまな生理機能があることが報告されています。
プロアントシアニジンは、ポリフェノール類の一種で、強力な抗酸化作用を有し(特許文献1)、さらに、血中脂質を改善する効果;抗高血圧効果;血糖値上昇抑制効果;血管の弾力性を回復させる効果(血管保護効果);ビタミンCの利用効率を高める効果;血液の流動性を改善する効果などを有することが知られている。
引用元
公開特許公報(A)_プロアントシアニジン含有組成物
国立研究開発法人科学技術振興機構
強力な抗酸化作用&多彩な生理機能を発揮することからプロアントシア二ジンはポリフェノールの王様と称されます。
総称であるプロアントシアニジンは→ポリフェノールの王様・現代最強の抗酸化物質
その一部であるOPCは→最強の抗酸化物質・21世紀の生体防御物質
といった異名を持ちます。
プロアントシア二ジン高含有物
プロアントシアニジンが多く含まれる物として、有名なものは松樹皮抽出物とブドウ種子抽出物の2つです。
前者はピクノジェノールやフランバンジェノールといったフランス海岸松の樹皮エキスを原料としているサプリ、後者はグレープシードエキスと呼ばれるサプリで世に浸透しています。
ピクノジェノール®は、スイスのホーファー・リサーチ社の登録商標です。
フラバンジェノール®は、日本の(株)東洋新薬の登録商標です。
2つとも原料はフランス海岸松の樹皮エキスです。樹皮エキスの抽出方法が異なっており、それぞれが特許化されています。
この2つに比べて知名度は劣ります(個人感)が、アカシア樹皮抽出物にも含まれています。
食品では、リンゴ・クランベリー・ライチ・カカオ・黒大豆などに多く含まれています。
これら食品に含まれるポリフェノールの主成分がプロアントシアニジンです。
組成が異なる
プロシア二ジンはカテキンの種類【カテキン・エピカテキン】や重合度数【2~15】や結合様式【C4‒C8あるいはC4‒C6結合 または C2‒O‒C7結合】により、その「組み合わせ」=プロシアニジンの種類は数多くあります。
例えば以下のようなものがあります。
- プロシアニジンA2(二量体)
- プロシア二ジンB1(二量体)
- プロシア二ジンB2(二量体)
- プロシアニジンB3(二量体)
- プロシアニジンC1(三量体)
- シンナムタンニンA2(四量体)
さて、先ほどプロシアニジン高含有物として松樹皮抽出物・ブドウ種子抽出物・アカシア樹皮抽出物やリンゴ・ライチ・クランベリー・カカオ・黒大豆といった食品を挙げました。
これらのプロシアニジンの組成は異なっています。
各々、プロシアニジン以外のポリフェノールも含まれています。
なので、同じ「プロシアニジン」高含有物でも働きが異なってきます。
もちろん共通の働きもたくさんあります。
が、基本 別成分と考えてください。
話を分かりやすくするため、サプリに置きかけてもう一度説明します。
ただし、含有量や組成が異なります。またプロシアニジン以外の成分も含まれています。
ゆえに、期待できる効果は(共通のものもありますが、)それぞれ異なります。
特徴を簡単にまとめる
ピックアップしたプロシアニジン高含有物の特徴を簡単にまとめます。
ここでは「基本 別成分」という感覚だけをもっていただければと思います。
後に、一部を除き別途レビューします。
特徴
松樹皮エキスに含まれる総ポリフェノールのうちプロシアニジンが約65~75%を占めています。
人気のサプリ ピクノジェノール®は、樹齢25年~30年のフランス海岸松の樹皮から、特許化された抽出プロセスを経て、製品化されたものです。
松樹皮由来プロシアニジンにはLDLコレストロール低下作用があります。「LDLコレストロールが高めの方に」おススメの機能性関与成分としてよく飲料やサプリに用いられています。
主な登録商標
ピクノジェノール(ホーファーリサーチ社)、フラバンジェノール(東洋新薬社)
サプリの一例
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特徴
ブドウ種子の成分中に、ポリフェノールは約90~95%を占めます。
そのうち大部分がプロシアニジンです。
ブドウ種子由来プロシアニジンにはチロシナーゼ活性阻害作用があります。美白効果が期待できます。
ブトウ種子抽出物=グレープシードエキスは「プロアントシアニジンを多く含む」として非常に有名です。
主な登録商標
グラヴィノール(キッコーマンバイオケミファ社)
サプリの一例
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特徴
アカシア抽出物由来プロシアニジンには糖を分解する酵素の働きを阻害する作用があります。糖の吸収を抑制し、食後血糖値の上昇を穏やかにする効果が期待できます。
サプリの一例
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特徴
リンゴポリフェノールの約65~70%がプロシアニジンです。
リンゴ由来プロシアニジンには毛包上皮細胞増殖促進作用があります。リンゴは育毛効果がある果物として知られていますが、それはリンゴポリフェノール(プロシアニジン)が大きく貢献しています。
主な登録商標
アップルフェノン(アサヒビール社)
サプリの一例
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特徴
クランベリーポリフェノールには、他にはあまりみられないAタイプのプロシアニジンが含まれています。
クランベリー由来プロシアニジンには抗細菌付着作用・抗菌作用があります。クランベリーエキスは尿路感染症予防になることで有名です。
サプリの一例
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特徴
2量体~3量体のプロアントシアニジンが、松樹皮やブドウ種子と比べて多いです。他にはあまりみられないAタイプのプロシアニジンが比較的多いです。
オリゴノール®は、ライチ果実から抽出したポリフェノールを特許技術で低分子化した商品です。そのポリフェノール組成の約40%は3量体以下(単量体も含む)です。従来のプロアントシアニジンより吸収性が高まり、生体利用性に優れているとされています。
主な登録商標
オリゴノール(アミノアップ社)
サプリの一例
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特徴
ダークチョコレートが健康にいいと言われていますが、それはダークチョコレートに含まれるカカオポリフェノール(大部分がプロシアニジン)が健康にいいからだとされています。ちなみにダークチョコレートとはカカオマスの含有量が40%以上のモノを言います。
カカオ由来プロシアニジンにはインクレチン作用があります。生活習慣病予防や抗肥満効果が期待できます。
サプリの一例
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特徴
黒大豆ポリフェノールは、10量体以下のプロシアニジンが多く、全体の7割以上を占めています。他由来に比べてはるかに多いとされています。
黒大豆種皮由来プロシア二ジンにはエネルギー代謝活性化作用があります。生活習慣病予防や抗肥満効果が期待できます。
主な登録商標
クロノケア(フジッコ社)
サプリの一例
フジッコ黒豆粒のチカラ(1袋セット)黒豆ポリフェノール、コエンザイムQ10、抗酸化力のビタミンE配合のサプリメント
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今回のレビューの注意点
今回の「プロアントシアニジン」のレビューは、トータルの「プロアントシアニジン」のレビューです。
総称であるプロアントシアニジンの有する効果・効能および働きをまとめています。
繰り返しになりますが、プロアントシア二ジンの組成により生理機能が異なります。
なので、プロアントシアニジン高含有物【松樹皮抽出物・ブドウ種子抽出物・アカシア樹皮抽出物・リンゴ・ライチ・クランベリー・カカオ・黒大豆】のどれかを取れば、プロアントシアニジンの有する効果・効能および働きすべてを手に入れることができるのではないことを覚えておいてください。
つまるところ、今回の「プロアントシアニジン」のレビューは、
プロアントシアニジン高含有物【松樹皮抽出物・ブドウ種子抽出物・アカシア樹皮抽出物・リンゴ・ライチ・クランベリー・カカオ・黒大豆】のなかには、もって無い効果・効能および働きも記載しています。
ようは、
プロアントシアニジン高含有物【松樹皮抽出物・ブドウ種子抽出物・アカシア樹皮抽出物・リンゴ・ライチ・クランベリー・カカオ・黒大豆】のいいとこ取りをしたレビューです。
※一部を除き、個別にレビューする予定です。
プロアントシアニジンの効果・効能
プロアントシアニジンの効果・効能 5つ厳選
- 抗酸化作用
- 血流促進作用
- 抗がん作用
- 抗アレルギー作用
- 脂質代謝促進作用
.
そのうち1つを詳しく
①抗酸化作用
活性酸素は「酸化させる力」が非常に強い酸素のことです。その強い力で体内に侵入したウイルスや細菌を除去する役割があります。適量ならば細胞を守りますが、過剰に発生すると正常な細胞まで傷つけてしまいます。
過剰となった活性酸素は細胞のたんぱく質、脂質、DNAなどを酸化させることで細胞にダメージを与えます。
活性酸素から細胞を守るために抗酸化物質を積極的に取り入れる必要があります。
プロアントシアニジン、そのうちのOPCには強力な抗酸化作用があります。
プロアントシア二ジン【2量体以上の縮合体(2~15ほど)の総称】の中でも、重合度が低い【2~4の縮重合体】ものをOPC(オリゴメリック・プロアントシアニジン)と呼びます。
プロアントシア二ジン(OPC含む)の抗酸化作用の特徴をざっとまとめます。
水溶性抗酸化物質は細胞質基質と血漿中の活性酸素種の消去に活躍します。
プロアントシアニジンは 基本 水溶性の抗酸化物質です。
細胞の内外(細胞質や血漿)で抗酸化作用を発揮します。
基本を付けている理由はこちらを参照ください。
→
葡萄の種のプロアントシアニジン
植物Q&A
一般社団法人日本植物生理学会
②ラジカル補足作用
活性酸素にはラジカルと非ラジカルがあります。
狭義の活性酸素4種類【スーパーオキシド・過酸化水素・一重項酸素・ヒドロキシラジカル】のうち、ラジカルはスーパーオキシド・ヒドロキシラジカル、非ラジカルは過酸化水素・一重項酸素です。
物質を構成するのは原子です。原子は原子核と電子からできており、原子核の周りを電子がぐるぐると回っています。
原子核の周りを回る電子は2つで一対となることで安定な物質となっています。フリーラジカルとは原子核の周りにある電子の数が1つの分子(不対電子)のことをいいます。
2電子が一対になっているときは安定
なっていないときは不安定
※原子2つ以上が結びつくことで分子となります。イラストがフリーラジカルというわけではありません。
フリーラジカルは、不対電子をもっている=不安定であるために、安定するため他の物質から電子を奪う性質があります。この性質によって「酸化」が生じます。
Table4に示したようにプロシアニジン2量体は特に親水性ペルオキシルラジカルに対し,強いラジカル捕捉作用を示し,1分子あたり8個の親水性ラジカルを捕捉できることが。この捕捉数は,既知の抗酸化物質の中でも最大であった
引用元
プロアントシアニジンの抗酸化機能および疾病予防機能とその利用
PDFページ 3/11
J-STAGE
③一重項酸素消去作用
一重項酸素の電子そのものは、一応すべてペアになっています。なので不対電子を持っていません=フリーラジカルではありません。
ですが、片側に空の軌道がありそこに電子を強く求めます。そのため非常に強い酸化力を持っています。
一重項酸素を消去する力を有するのは、基本的にビタミンEやβ-カロテンといった脂溶性の抗酸化物質です。プロアントシアニジンは(基本 水溶性にも関わらず)、一重項酸素消去作用を有します。
その結果,Table5に示したようにプロシアニジン(2~5量体)がその作用を有し,試験した範囲では重合度が高いものほど,一重項酸素消去速度定数が大きく,既知抗酸化物質のなかでも,β-カロチン,ビタミンEと並び数少ない一重項酸素消去剤であることが判った
引用元
プロアントシアニジンの抗酸化機能および疾病予防機能とその利用
PDFページ 3/11
J-STAGE
④抗酸化酵素発現増加
「抗酸化能」とは、活性酸素を直接的に除去することだけを指す言葉でありません。
体内に存在する抗酸化酵素(スーパーオキシドジスムターゼ、カタラーゼ、グルタチオンペルオキシダーゼなど)の発現を高めて間接的に除去することも含まれる言葉です。
ピクノジェノールや黒大豆ポリフェノールなどのプロシアントシアニジン高含有化合物には抗酸化酵素の発現を高める働きがあることが確認されています。
BEの抗酸化能発揮には,少なくとも2つの経路を介していることが考えられる:一つは,フェノール性水酸基により直接抗酸化能を発揮する経路,もう一つは抗酸化酵素の発現を上昇させることで間接的に抗酸化効果を発揮する経路である
引用元
黒大豆ポリフェノールの機能性に関する研究
PDFページ 3/7
J-STAGE
※BE=黒大豆種皮抽出物
なお、過酸化水素を除去するのは、主にカタラーゼやグルタチオンぺルオキシダーゼです。
これら抗酸化酵素の発現を高めるプロアントシアニジンは間接的に過酸化水素除去作用があるといえます。
というわけで、
プロアントシアニジンは狭義の活性酸素4種類【スーパーオキシド・過酸化水素・一重項酸素・ヒドロキシラジカル】すべてに対応できる稀有な抗酸化物質と言えるかもしれません。
このような特徴をもつ
プロアントシアニジン(OPC含む)の抗酸化力の【よくある謳い文句】は、
.
です。
フラバン−3−オール及び/又はフラバン−3、4−ジオールを構成単位する重合度2〜4の縮重合物を、プロアントシアニジンの中でも、特にオリゴメリック・プロアントシアニジン(OPC)と呼び、ポリフェノールの一種として、ビタミンCの20倍、ビタミンEの50倍と言われるほど抗酸化作用が強いので、老化促進因子とされているスーパーオキサイド等の消去のため、様々な態様での使用がなされている。
引用元
公開特許公報(A)_プロアントシアニジン及びスフィンゴ脂質を含む組成物
国立研究開発法人科学技術振興機構
それゆえ、プロアントシア二ジンおよびOPCは「最強の抗酸化物質」「21世紀の生体防御物質」などと称されています。
ということで、「抗酸化力を高めたい」と思ったら、まずは「プロアントシア二ジンが含まれてるサプリを取る」が手っ取り早いと言えそうです。
「プロアントシアニジン」のレビューは、トータルの「プロアントシアニジン」のレビューです。プロアントシアニジン高含有物【松樹皮抽出物・ブドウ種子抽出物・アカシア樹皮抽出物・リンゴ・ライチ・クランベリー・カカオ・黒大豆】のいいとこ取りをしたレビューです。
項目ごとの点数は、プロアントシアニジン高含有物のうちもっとも当てはまるもの=もっとも高い点 をつけています。
なので必然的に点数は高くなっています。
今回のレビュー【働き分析】では、次の2パターンの記載をします。
- プロアントシアニジン
こちらはオーソドックスなプロシアントシアニジンの働きを指します。例えば抗酸化作用のことを指します。
この場合は、プロアントシアニジン高含有物であれば、(程度の差はあれ)基本 有するものと想定しています。 - ○○由来プロアントシアニジンあるいは○○ポリフェノール(製品名もあり 例 ピクノジェノール)
この場合は、基本 それ由来のプロアントシアニジンが 有している働きを指します。
例えば、リンゴ由来プロシアニジンの毛包上皮細胞増殖促進作用は、(他のでも有るかもしれませんが、)リンゴ由来からとるのがベストと想定しています。この作用を得たいならばリンゴポリフェノールやリンゴエキスを選択してください。
プロアントシアニンジンのオーソドックな働きを、なるべく多く得たいと考えた場合は、松樹皮抽出物・ブドウ種子のどちらかを選択するのがいいと思います(個人感)。
今回は、項目ごとにおススメのプロアントシアニジン高含有物【松樹皮抽出物・ブドウ種子抽出物・アカシア樹皮抽出物・リンゴ・ライチ・クランベリー・カカオ・黒大豆】をPickupしています。
その項目において、それ由来プロアントシア二ジンから取るのベターと考えたものです。
都合よくプロアントシアニジン高含有物【松樹皮抽出物・ブドウ種子抽出物・アカシア樹皮抽出物・リンゴ・ライチ・クランベリー・カカオ・黒大豆】が、どの項目かに最低1つ選ばれるようにしています。というわけで、そんなにアテにならない【おススメ】です。
※ライチのみ該当なしの理由は次で説明。
いきなりサプリの紹介
ライチポリフェノールのウリは【低分子プロアントシア二ジンの量が他に比べて多い】です。
以前、プロアントシア二ジンの重合体が低いものは高いものと比べて抗酸化力が高くなっていると説明しました。
ということで、項目関係なしにとにかく「(ただでさえ最強と言われる)プロアントシア二ジンの抗酸化力をマックスで得たい」と考えた場合、ライチポリフェノールを選択するのがベターだと思います。
なお、サプリは、オリゴノール®を選択するようにしてください。オリゴノール®は、ライチ果実から抽出したポリフェノールを特許技術で低分子化した商品です。オリゴノール®はプロアントシア二ジン系サプリの中で低分子プロアントシア二ジンの含有量が最も多いと想定されます(たぶん)。
血のめぐりの悪さ、細胞の酸化、炎症組織の増加は、老化を引き起こす3大要因です。Oligonol®(オリゴノール)は、この3大要因のすべてとたたかうユニークな製品です。研究により、Oligonol(オリゴノール)は血のめぐりにはたらきかけ、身体の還元(ORAC値6,900)と健康的な炎症反応をサポートすることが示唆されています。
- 乾燥によるシワやシミが気になる方に
- 疲れを残したくない方に
- お腹の脂肪が気になる方に
- 毎日すこやかに過ごしたい方
ライチ果実由来のOligonol(オリゴノール)は世界初の低分子量ポリフェノールであり、権威あるNutracon(ニュートラコン)の最優秀成分NutrAward(ニュートラアワード)賞を獲得しています。
Quality of Life Labs, Oligonol®(オリゴノール)、100 mg、30 ベジカプセル
iHerb.com
※iHerb紹介コード=ALH5806 ご利用いただけたら幸いです。 上記リンクからiHerbへ飛んでいただくと、自動的にコード適応になります。
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プロアントシアニジンの働き分析【見た目編】
合計 54/60点
薄毛
9.5点
「薄毛」改善 に関するプロアントシアジニンの働きは主に次です。
この項目でのおススメはリンゴ由来
- 抗酸化作用
髪は毛乳頭に運ばれた栄養素をもとに毛母細胞が細胞分裂をすることで生まれてきます。
活性酸素は毛母細胞を酸化させ、その働きを弱めます。活性酸素を除去することは薄毛予防になります。
プロアントシアニジンは強力な抗酸化作用を有します。 - 血流改善作用
髪に必要な栄養素および酸素は、毛細血管を通じて毛乳頭に運ばれます。
毛乳頭は、その栄養素を毛母細胞に受け渡します。それにより毛母細胞が分裂し、そこから生じた細胞が毛髪を形成します。
プロアントシア二ジンには血流を改善する作用があります。 - 毛包上皮細胞増殖促進作用
育毛物質は大きく2つに分けられます。①男性ホルモンを抑制する系と②毛包を活性化する系です。
プロアントシア二ジンは②毛包を活性化する系に該当します。
リンゴ由来プロアントシアニジンには毛包上皮細胞増殖促進作用あります。筆者らが育毛活性を見いだしたプロアントシアニジンの育毛作用発現機構としては, 毛包上皮細胞に対する強力な増殖促進作用が休止期毛包の下方への伸張を助け,休止期毛包を成長期毛包へ誘導するメカニズムが示唆された
引用元
今日の話題
リンゴから得られた育毛剤
毛包上皮細胞の増殖を促進し, 休止期毛包を成長期に転換する育毛活性をもつプロシアニジンオリゴマー
PDFページ 8/12
J-STAGE
白髪
8.5点
「白髪」予防 に関するプロアントシアジニンの働きは主に次です。
この項目でのおススメはリンゴ由来
- 血流改善&抗酸化作用
黒髪を保つために重要なことは、大きく3つあります。- 黒髪のもとに栄養を届ける
- 黒髪のもとを守る
- 黒髪のもとを作りやすくする
プロアントシアニジンはどちらにも該当します。参照
白髪を増やさない 血流アップ&抗酸化【日経ヘルス19年2月号】 黒髪を保つ3つのポイント
日経doors 日経BP - 毛包上皮細胞増殖促進作用
黒髪のもととなるメラニンは、毛包内にある色素細胞(メラノサイト)でアミノ酸【チロシン】と酵素【チロシナーゼ】が結びつくことで生まれます。
そして生成されたメラニンが、毛母細胞が細胞分裂している過程で、毛母細胞に取り込まれることで髪が黒くなります。リンゴ由来プロアントシアニジンに毛包上皮細胞増殖促進作用あります。
この作用は、毛包内にある色素細胞(メラノサイト)および色素幹細胞(メラノサイトを作る細胞)の増殖を促進することにつながる可能性があります。リンゴ由来プロアントシアニジンの毛包上皮細胞増殖促進作用は、イコール育毛効果として認知されています。なので、白髪予防につながると断言はできません。
ただ、この作用により頭皮環境が整います。
「プロシアニジンB2」は1999年、協和発酵により、頭皮の活性化を促す効果があることが明らかにされた。髪の成長に働きかけるだけではなく、高い抗酸化作用により、頭皮の老化防止・血行促進など頭皮環境を整える成分としても注目されている。
引用元
頭皮環境を整える効果を期待! 青りんごポリフェノール配合シャンプー登場
マイナビニュース下線部の可能性がなくとも、「頭皮環境が整うことで、白髪予防になる」と考えることもできます。
※個人の見解です。
美肌
9点
「美肌」作り に関するプロアントシアジニンの働きは主に次です。
この項目でのおススメは松樹皮抽出物由来
- 抗酸化作用
紫外線などで発生する活性酸素は、肌の細胞にダメージを与えます。活性酸素を除去するのが抗酸化物質です。
プロアントシアニジン(OPC)は数ある抗酸化物質の中でも「最強」と言われています。 - 3つの美肌成分
肌の真皮の主成分となっているのが、3つの美肌成分①コラーゲン【皮膚のハリや弾力の維持に必須】②エラスチン【皮膚の弾力の維持に必須】③ヒアルロン酸【皮膚の水分保持に必須】です。
これらの量が減少するまたは質が低下すると、肌の老化が進んでしまいます。
ピクノジェノールには結合組織(コラーゲン・エラスチン)の補強作用があります。
また、ヒアルロン酸の生成を促進する働きがあります。
美白
10点
「美白」ケア に関するプロアントシアジニンの働きは主に次です。
この項目でのおススメはブドウ種子由来
-
抗酸化作用
メラニンが肌のターンオーバーとともに排出されずに、肌に滞留してしまうとシミとなり肌表面に現れます。
メラニンは皮膚組織に発生する活性酸素の攻撃を受けることによりたくさん作られます。その結果、シミになる確率が上がります。
なので、いかにして活性酸素の攻撃を防ぐかが美白ケアの「前提」です。プロアントシアニジン(OPC)は数ある抗酸化物質の中でも最強と称されます。
プロアントシア二ジンの抗酸化力はビタミンCの20倍、ビタミンEの50倍とされています。
ゆえに、対活性酸素の美白効果はこれら成分より上と考えられます。5・4 美白効果
プロアントシアニジンがカテキンやアスコルビン酸に比し,著しく強い美白効果を示すことが明らかになった引用元
プロアントシアニジンの抗酸化機能および疾病予防機能とその利用
PDFページ 4/11
J-STAGE -
チロシナーゼ活性阻害作用
情報伝達物質によりメラノサイトが刺激されるとメラノサイト内にある酵素チロシナーゼが活性されます。この酵素がメラノサイト内にあるチロシンと結合することでメラニンが生成されます。チロシナーゼが活性されると肌にたくさんメラニンが作られることになります。ブドウ種子由来プロアントシアニジンにはチロシナーゼ活性阻害作用があります。
筋肉
7.5点
「筋肉」増強 に関するプロアントシアジニンの働きは主に次です。
この項目でのおススメは黒大豆由来
- 筋損傷
運動誘発性の筋損傷は激しい運動後に生じます。主たる原因は激しい運動を行うことで発生する酸化ストレスです。
プロアントシアニジンには強力な抗酸化作用があります。 - NO産生
筋トレで負荷を与え続けることによって、血液中に乳酸などの代謝物質が溜まっていきます。乳酸などが溜まると水分を引きこんで筋肉が膨れ上がります。この状態をパンプアップといいます。筋肉が大きく膨らんでみえるのは一時的な現象ですが、パンプアップを起こすことで、間接的に筋肥大の効果があるといわれています。
パンプアップの間接的な筋肥大効果
パンプアップが間接的に筋肥大につながるとされているのは以下の流れでです。- 負荷を与えた筋肉に乳酸が溜まる→
- 成長ホルモンが分泌される→
- IGF-1が分泌される→
- その筋肉に必要な特定のアミノ酸の輸送が促進される→
=筋肥大
NO(一酸化窒素)の生成を促し血管が拡張されると、負荷を与えた筋肉への血流が増え、パンプアップ状態になりやすいといわれています。
黒大豆ポリフェノールにはNOの産生を促進させる作用があります。
脂肪
9.5点
「脂肪」減少 に関するプロアントシア二ジンの働きは主に次です。
この項目でのおススメはブドウ種子由来
- GLP-1分泌促進
消化官から分泌されインスリンの分泌を促す働きをもつ消化官ホルモンを総称してインクレチンといいます。インクレチンは食事をすることで消化官内に栄養素(炭水化物や脂肪など)が入ると、その刺激により消化官から分泌されます。
GLP-1は代表的なインクレチンです。GLP-1は消化官内に栄養素が流入すると消化官粘膜上皮から分泌されます。
GLP-1を分泌させることは肥満予防につながります。まず予備知識としてインスリンの話をさせていだきます。
インスリンについて体内に取り入れた糖質はブトウ糖(以下糖)に分解され、小腸に吸収されたのちに全身の細胞に取り込まれます。この取り込みをするのがインスリンの役割です。食事をすると血糖値が上がりすい臓からインスリンが分泌されます。血糖値を下げる過程でインスリンは血中の糖を細胞に取り込むように働きます。
肥満の原因の一つに、食後に「血糖値が急上昇しインスリンが過剰に分泌される」ことがあげられます。
というのも、インスリンは糖が多い場合、余った分を脂肪細胞に運び体脂肪として蓄える働きをするからです。
血糖値の上昇が緩やかならば、通常はインスリンが過剰に分泌されることはありません。
ただし、血糖値が急上昇する状況に至るとインスリンが過剰に分泌されてしまいます。
血糖値が急上昇する状況とは【空腹状態で糖質が多く含まれている食物を食べる】【食物を急いでたくさん食べてしまう】などがあてはまります。このことを踏まえてGLP-1の肥満予防の働きは次の3点となります。
- 血糖値の上昇を抑える
GLP-1はすい臓に作用しインスリンの分泌を促進させ血糖値の上昇を抑えます。
このインスリン分泌促進作用は血液中のグルコース濃度の上昇に応じて行われます。
つまり、血糖値が高いときにインスリンの分泌を増やす、血糖値が低い状態ではインスリンの分泌は増やさないといった血糖値の上昇に応じて行われるメカニズムとなっています。 - 食後の血糖値の急上昇を抑える
上記の働きをもつGLP-1が分泌されることで余分な糖が腸でゆっくりと吸収されるようになります。なのでGLP-1を活発に分泌させれば食後の血糖値の上昇がゆるやかになります。その結果、食事をしても太りにくくなります。 - 満腹中枢を刺激する
脳の視床下部には、空腹を感じる「摂食中枢」と満腹を感じる「満腹中枢」が存在します。摂食中枢が刺激されれば空腹感を、満腹中枢が刺激されれば満腹感を感じるようになります。GLP-1が多く分泌されると満腹中枢が刺激されます。満腹感を高め、食欲を抑える作用があります。
.
GLP-1は分泌された後に、DPP-4と呼ばれる酵素の働きによって数分以内に速やかに分解され失活します。なので、すい臓に到達するGLP-1は、当初分泌された量の約10%ほどです。
カカオ由来プロシアニジンにGLP-1分泌促進作用が、グレープシード由来プロシアニジンにGLP-1分泌促進作用&DPP-4阻害作用があることが確認されています。
- 血糖値の上昇を抑える
-
腸内フローラ改善作用(デブ菌の増加抑制)
研究論文により「肥満の人と痩せている人の腸内フローラに大きな違いがある」ことが報告されています。簡単にいうと「肥満の人の腸内細菌には、ファーミキューテス類(デブ菌)が多く、バクテロイデーテス類(ヤセ菌)が少なくなっている、痩せている人はその逆の傾向である」といった内容です。東北大学と東京医科歯科大学の研究チームにより、次のことが明らかになりました。
- 卵巣摘出マウス(閉経後女性のモデル)では、デブ菌が増殖している。
- 卵巣摘出マウスにブドウ種子エキスを投与すると、腸内フローラの変化が抑制される
→脂肪蓄積による肥満および血糖調節機能の低下が抑えられる。
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※ここでの腸内フローラの変化とはファーミキューテス門細菌(デブ菌)の増加し、バクテロイデーテス門細菌(ヤセ菌)の減少すること。ようは腸内フローラにデブ菌が増えること。
研究内容を一言でまとめると「グレープシードエキスは腸内フローラの変化を抑制させることで、閉経後女性のメタボ化を予防する」です。
東京医科歯科大学と東北大学の研究グループは、閉経女性のモデルである卵巣摘出マウスでは腸内フローラにおいていわゆる「デブ菌」と呼ばれるファーミキューテス門に属する細菌が増加すること、プロアントシアニジンを多く含むブドウ種子エキスを投与することにより、腸内フローラの変化が抑制され、脂肪蓄積による肥満および血糖調節機能の低下、すなわちメタボ化が予防されることを明らかにしました。
引用元
プロアントシアニジンによる腸内フローラの改善作用
プレスリリース
東北大学ということで、グレープシードエキスは、腸内フローラを改善することで肥満を抑制します。この効果は有効成分であるプロアントシアニジンによるものです。
プロアントシアジニンの働き分析【中身編】
合計 54.5/60点
身体
7点
「身体」の構成材料 に関わるプロアントシアジニンの働きは主に次です。
この項目でのおススメは松樹皮抽出物由来
- コラーゲン
人間の体を構成しているたんぱく質のうち30%はコラーゲンでできています。体内にあるコラーゲンのうち、約40%が皮膚に、骨・軟骨に約10~20%、血管に約7~8%が存在しています。コラーゲンの体内構成比率コラーゲンの体内構成比
※%はおおよそです。プロアントシアニジンにはコラゲナーゼ(コラーゲン分解酵素)を阻害する作用があるとされます。
【0041】
(ロ)抗酵素作用(Anti−enzyme effect)について、コラゲナーゼ,エラスターゼ,グリコシダーゼ,ヒアルロニダーゼ,及びβ−グロクロニダーゼの阻害作用(IC50)を有している。引用元
プロアントシアニジン含有滋養液及びその製造方法
JPH11299452A
Google Patents - 結合組織補強作用
コラーゲンやエラスチンを保護する働きをするピクノジェノールには結合組織(真皮、軟骨、血管の外膜など)を補強する作用があります。
また、ピクノジェノール(登録商標)補助食品は、酵素分解防止作用を有するコラーゲン及びエラスチンを保護するプロシアニジンを含んでいる。
引用元
勃起障害症状改善のために、刺激物質の活性成分としてプロアントシアニジン、一酸化窒素源としてlアルギニン又はその塩の使用
JP2003534286A
Google Patents
エネルギー
8.5点
「エネルギー」生成 に関わるプロアントシアジニンの働きは主に次です。
この項目でのおススメは黒大豆由来
-
AMPK
AMPKはAMP活性化プロテインキナーゼ(AMP-activated protein kinase)の略で、エネルギー源となる糖や脂肪の代謝を調節している酵素のことを言います。そのため、AMPKはよく「細胞中のエネルギーセンサー」などと呼ばれています。AMPKは細胞内エネルギーレベルの低下【=AMP:ATP比の上昇やクレアチン: クレアチンリン酸比の上昇】およびAMPKK(上流のキナーゼ)のリン酸化により、活性化されて、異化の亢進と同化の抑制をもたらしATPレベルを回復させます。
プロシアニジンにはAMPKのリン酸化を亢進させる働きがあります。
この作用を得たい場合は、黒大豆種皮由来・カカオ由来のプロシア二ジンを選択してください。 -
UCP発現
UCPについて簡単にまとめました。まずはこちらをご覧ください。UCP脱共役たんぱく質
脱共役たんぱく質ミトコンドリアの内膜に存在するたんぱく質です。酸化的リン酸化のエネルギーを生成する前に ミトコンドリア内膜での酸化的リン酸化反応を脱共役させ、エネルギーをATPとしてでなく熱として散逸させることができるたんぱく質です。Uncoupling proteinの頭文字を取ってUCPと略します。
【種類】- UCP-1
- UCP-2
- UCP-3
- UCP-4
- UCP-5
の5種類
【主な分布場所】
- UCP-1
褐色脂肪細胞 - UCP-2
白色脂肪組織、骨格筋など - UCP-3
主に骨格筋
.
UCP-1は褐色脂肪組織において、脂肪を原料として熱を発生させます=エネルギーをATPとしてでなく熱として散逸させます。UCP-2は脂肪細胞でエネルギー代謝を調節します。
つまるところこの2つのUCPの発現が増えれば、エネルギー代謝が活性化されます。黒豆ポリフェノールは、UCP-1・UCP-2の発現を増やします。
カカオポリフェノールは、白色脂肪組織にてUCP-1の発現増加を誘導します。
病気
9.5点
「病気」予防 に関わるプロアントシアジニンの働きは主に次です。
この項目でのおススメは松樹皮抽出物由来
-
動脈硬化
①LDLの値を下げる
コレストロールには、コレステロールを全身の組織に運ぶLDLコレステロールと、全身の組織で余ったコレステロールを回収するHDLコレステロールといった2種類のコレストロールがあります。- LDL(悪玉コレストロール)
LDLはコレストロールを必要とする組織に運搬する働きをします。そのコレストロールは細胞膜やホルモンの材料として使用されます。なのでLDLそのものは「悪玉」ではありません。
それなのに悪玉と呼ばれている理由は「余った」場合に体に悪影響を及ぼすからです。余ったLDLは血管壁に溜まり動脈硬化を進行させます。 - HDL(善玉コレストロール)
HDLは全身をめぐって血液中にたまったコレストロールを肝臓に運び戻す働きをします。単に運び戻すだけでなく、動脈硬化が起きている場所(プラーク)からコレステロールを引き抜き、肝臓に回収し胆汁として排泄する働きをします。
LDLが過剰になるとコレストロールが血管壁にたまり、アテローム硬化というタイプの動脈硬化を進行させます。
松樹皮由来プロシアニジンには、LDLが正常域で高めの方のLDLの値を下げる機能があります。
脂質異常症が原因の動脈硬化予防になります。
②抗酸化作用
血液中にLDLが増え、それが血管壁に入りこみ、活性酸素により酸化され、酸化LDLに変わるとプラークと呼ばれるこぶを形成するようになります。そうなると血管の内側は細くなって動脈硬化を引き起こします。
なので、動脈硬化を予防するにはLDLを増やさないことはもちろんのこと、LDLの酸化を抑制することも重要となります。強力な抗酸化作用を有するプロアントシアニジンは、LDLコレストロールの酸化を防ぐ働きをします。
活性酸素が原因の動脈硬化予防になります。リンク
- LDL(悪玉コレストロール)
- がん
①抗酸化作用
がんの原因はDNAの複製エラーが大半を占めるとされます。複製エラーの主な原因となるのが活性酸素によるDNAの損傷です。
強い抗酸化作用をもつプロシア二ジンは酸化的DNA損傷を効果的に抑制します。ガン予防が期待できます。②抗変異原性
「変異原性」とは遺伝情報に損傷を引き起こし突然変異をひき起こす性質(あるいはその作用の強さ)のことをいいます。放射線、たばこの煙、汚染物質、食品添加物などに存在します。
変異原性物質=発がん物質ではありませんが、変異原性物質には発がん性のものが多くなっています。
プロシアニジンは抗変異原性を示します。
次の改善におススメはアカシア樹皮抽出物由来
- 糖尿病
摂取した糖(多糖類)は、α-アミラーゼによって二糖類へ分解されます。二糖類は小腸粘膜上皮細胞に存在するα-グルコシダーゼによって単糖のグルコースに分解されます。
生じたグルコースが血管に吸収されます。これにより、血糖値が上昇する仕組みとなっています。 アカシア樹皮由来プロアントシアニジンはα-アミラーゼ、α-グルコシダーゼの働きを阻害する作用があります。糖(多糖類)がグルコースに分解される速度が緩やかになるので、食後の血糖値の上昇を抑えることができます。
血糖値が高い状態が続くことにより、さまざまな合併症を引き起こす病気が糖尿病です。糖尿病の予防効果が期待できます。 参照
血糖値が心配なら…アカシアポリフェノールが強い味方
日刊ゲンダイ
体質
10点
「体質」改善 に関わるプロアントシアジニンの働きは主に次です。
この項目でのおススメは松樹皮抽出物由来
- 冷え性
ストレス・寒さなどにより末梢血管が収縮し血流が悪くなると「冷え」が生じます プロシアニジンには末梢血管を拡張し、手足の血流を促す働きがあります。冷え性の予防・改善に有効です。 - 花粉症
マスト細胞(肥満細胞)は、脱顆粒反応によりヒスタミンなどアレルギー症状をひきおこすケミカルメディエーターを放出することで、アレルギー反応を引き起こします。脱顆粒反応ピクノジェノールにはヒスタミンの放出を抑える働きがあります。マスト細胞は、その細胞表面上に高親和性IgE受容体(FcεRI)を発現しています。
アレルゲンを認識するIgEがFcεRIと結合した後、再び同じアレルゲンに暴露されると、マスト細胞が活性化して、ヒスタミンなどの化学伝達物質を含んだ顆粒を細胞外に放出させます。リンク
次の改善におススメはクランベリー由来
- 膀胱炎
膀胱炎とは、尿をためる臓器である膀胱の粘膜に炎症を起こす病気です。
排尿時痛(排尿時に痛みがある)・頻尿(夜中にトイレに行く回数が増える)・残尿感(尿が残っている感じがある)などといった症状が見られます。
膀胱炎のほとんどは大腸菌などが尿道から侵入し、膀胱の中で菌が繁殖することで起こります。クランベリーは膀胱炎などの尿路感染症の予防に効きます。クランベリーに含まれるAタイプのプロシア二ジンに抗細菌付着作用・抗菌作用があるからです。
精力
10点
「精力」増進&「性機能」向上 に関わるプロアントシアジニンの働きは主に次です。
この項目でのおススメは松樹皮抽出物由来
- 抗酸化作用
妊娠を望む健康な男女が、ある一定期間、避妊することなく通常の性交を継続的に行っているにもかかわらず、妊娠しない場合が不妊症です。男性不妊・女性不妊の主な原因の一つは酸化ストレスです。
酸化ストレス 生体において酸化反応と抗酸化反応のバランスが崩れ、生体に対して【酸化力>抗酸化力となって】悪影響を及ぼしている状態。プロアントシアニジンには強力な抗酸化作用があります。
- 月経困難症
月経困難症とは月経の直前あるいは開始とともにおこる病的な状態を言います。
病的な状態とは下腹部痛、腰痛など一般に月経痛とよばれる症状に加えて、悪心、嘔吐、頭痛などです。この状態において【他の婦人科疾患が認められないもの】【日常生活に支障をきたすほど症状の重いもの】が月経困難症です。
ピクノジェノールには月経困難症の緩和効果が期待できます。
健脳
9.5点
「脳」の健康 に関わるプロアントシアジニンの働きは主に次です。
この項目でのおススメはカカオ由来
- 脳機能維持
脳は体内で最も酸素を消費する場所です。これは活性酸素が大量に発生している場所と言い換えることができます。
脳は臓器の中で最も脂質を多く含んだ組織といわれています。これは酸化されやすい物質が多い組織と言い換えることができます。ということで、脳において活性酸素を除去する抗酸化物質の存在が非常に重要になります。
さて、抗酸化物質はいろいろありますが、血液脳関門を通過できるものは限られています。
血液脳関門プロアントシアニジンは血液脳関門を通過できる(可能性のある)成分です。脳において抗酸化作用が発揮されるので、脳機能維持や記憶力向上効果が見込まれます。血液脳関門とは、脳毛細血管の内皮細胞同士の密着結合により形成されているバリア機能のことです。
血液脳関門は脳に有害な物質を通さないために、その物質が脳に必要なものかを判別している「関所」とよく例えられます。
特に、山葡萄の種子や果皮から抽出したエキス末に含まれるプロアントシアニジンは、血液脳関門を通過できる希有な成分であることがわかっており、脳を酸化や糖化から守ってくれる働きがあります。
引用元
「まずは10日間、スーパーフード・不眠解消法」 新型栄養失調で不眠!?
ドリームニュース
グローバルインデックス(株) - BDNF
BDNFは脳由来神経栄養因子と呼ばれる脳内に存在する物質です。BDNFは神経細胞の新生・成長・維持・修復に重要な役割を果たしています。また、シナプスの可塑性にも関与しています。シナプスの可塑性「シナプス可塑性」とはシナプス前膜とシナプス後膜の電気的な伝達効率が、長期的に変化する現象をあらわす言葉を指します。シナプス伝達効率が長期的に上昇する現象を長期増強(LTP Long-term potentiationの略称)といいます。一方で、伝達効率が低下する現象は長期抑圧(LTD Long-term depressionの略称)と呼ばれます。この変化【LTD←通常→LTP】を代表例とするシナプス結合強度の変化がシナプスの可塑性ということになります。
BDNFの産生量が高まると記憶や学習など認知機能が向上することがわかっています。カカオポリフェノールはBDNFの産生を促進します。
参照
高カカオのチョコレートは脳によい影響を与える?
日経Gooday
プロアントシアジニンのサプリメント紹介
プロアントシアニジンのまとめ
分析【見た目編】54点
分析【中身編】54.5点
プロアントシアニジン ポリフェノールの王様 参照一覧
PYCNOGENOL® ホーファーリサーチ社
ピクノジェノール ユニキス(株)
アカシア樹皮由来プロアントシアニジンとは? (株)アカシアの樹
プロアントシアニジンの抗酸化機能および疾病予防機能とその利用 J-STAGE
プロシアニジンの機能性 J-STAGE
プロシアニジンの新たな生体機能調節 J-STAGE
プロアントシアニジンオリゴマーの生物活性 J-STAGE
生活習慣病予防に資するポリフェノールの食品機能学的研究 J-STAGE
腸管上皮における栄養機能的化学物質(ポリフェノール)の輸送と認識 J-STAGE
フランス海岸松樹皮エキス投与による, 原発性月経困難症, 子宮内膜症の改善について J-STAGE
婦人科ホルモン療法の副作用に対する,フランス海岸松樹皮抽出物の抑制効果について J-STAGE
ピクノジェノール®の口腔細菌に対する抗菌効果に関する研究 J-STAGE
ラット循環機能に対するピクノジェノールとブドウ種子エキスの2週間反復摂取の影響 J-STAGE
松樹皮抽出物のI型アレルギーに及ぼす影響 J-STAGE
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