トリプトファン
たんぱく質を構成する20種類のアミノ酸の1種
9種類ある必須アミノ酸の1種
芳香族アミノ酸の1種
糖原性アミノ酸の1種
ケト原性アミノ酸の1種
トリプトファンとは
トリプトファンについて
-
人間の体を構成するたんぱく質は主に20種類のアミノ酸で作られています。
- 20種類のアミノ酸はたんぱく質を構成する材料となるほか、必要に応じてエネルギー源としても利用されます。
- たんぱく質を構成する20種類のアミノ酸は9種類の必須アミノ酸と11種類の非必須アミノ酸に分けられています。
- トリプトファンは必須アミノ酸に分類されます。
- トリプトファンは芳香族アミノ酸(構造に芳香族基を有する)でもあります。
- トリプトファンは糖原性アミノ酸(グルコースの合成に使われる)、ケト原性アミノ酸(ケトン体・脂肪酸の合成に使われる)両方の性質をもちます。
- トリプトファンは様々な物質に代謝されます。
- トリプトファンの代謝経路は大別するとセロトニン経路(セロトニン・メラトニンの合成に向かう経路)キヌレニン経路(キヌレニンをはじめとする代謝産物が合成される経路)に分けられます。
- トリプトファンはセロトニン、メラトニン、ナイアシンの前駆体として生体内で重要な役割を果たしています。
摂取量について
4㎎/kg/日 成人
例 体重50kgの場合 約200㎎/日
by 2007年 WHO/FAO/UNU合同専門協議会報告
トリプトファンの効果・効能
トリプトファンの効果・効能 3つ厳選
- セロトニンの材料(精神安定効果など)
- メラトニンの材料(不眠改善効果など)
- ナイアシンの材料(エネルギー産生効果など)
そのうち2つを詳しく
①セロトニンの材料(精神安定効果など)
セロトニンは精神を安定させる働きをするホルモンで、脳内で働く3大神経伝達物質の1つとされています。必須アミノ酸トリプトファンをもとに生成されます。
※3大神経伝達物質の残る2つはノルアドレナリン、ドーパミンです。
セロトニンの生体内の役割を簡単にまとめます。
約90%が小腸粘膜に存在、残り約8%が血小板、約2%が脳内
全身のセロトニンのうち脳に存在するのはわずか2%ですが、この2%が精神面に大きな影響を与えています。
小腸に存在するセロトニンは消化を助ける働きをします。血小板に存在するものは止血を助ける働きをします。
【いつ分泌】
覚醒している間に分泌される≒睡眠中は分泌が抑制される
【分泌を促進させるには】
前提 材料であるトリプトファンを体内に取り入れる
そのうえで
・太陽の光を浴びる
・規則正しいリズムを繰り返す運動(ダンス・ウォーキング・ジョギングなど)をする
・ものをよく噛む
【脳内のセロトニンの働き】
セロトニンはうれしい時にでるドーパミン(=快)とストレスを感じるとでるノルアドレナリン(=不快)のバランスを調整する(=安定)働きをします。
セロトニンが精神に与える影響を簡単にまとめると以下になります。
- 精神の安定・感情のコントロールに関わる
- 幸福感・満足感に関わる
- 心地よさ・爽快さに関わる
- 痛みの抑制に関わる
生体内のセロトニンは以下の代謝を経て生成されます。
トリプトファン→5-ヒドロキシトリプトファン(5-HTP)→セロトニン→5-ヒドロキシインドール酢酸(5-HIAA)
- トリプトファン→5-ヒドロキシトリプトファン(5-HTP) トリプトファン水酸化酵素
- 5-ヒドロキシトリプトファン(5-HTP)→セロトニン 芳香族L-アミノ酸脱炭酸酵素
- セロトニン→5-ヒドロキシインドール酢酸(5-HIAA) モノアミン酸化酵素(MAO) 他
セロトニンの前駆体であるトリプトファンには精神を安定させる効果が期待できます。
5-ヒドロキシインドール酢酸(5-HIAA)はセロトニンの最終代謝物です。
神経細胞から放出された神経伝達物質は別の神経細胞の受容体に結合することで情報を伝えます。
前シナプスの神経終末から分泌されたセロトニンは、後シナプス受容体に結合し情報伝達を行います。※一部はセロトニントランスポーターにより「再取り込み」されます。
シナプス間隙に放出された神経伝達物質は速やかに除去されなければなりません。除去されて神経伝達が終息します。
セロトニンはモノアミン酸化酵素(MAO)&アルデヒド脱水素酵素の働きにより酸化的脱アミノ化&酸化反応を受け5-ヒドロキシインドール酢酸(5-HIAA)になります。その90%以上が尿中に排泄されます。
再取り込みとはシナプス間隙に遊離された神経伝達物質を前シナプス側に戻し再利用することをいいます。再利用というとなんだが良さげに聞こえますが 「再取り込み」はようは後シナプス受容体に受け取られなかった神経伝達物質(ここではセロトニン)を、再び前シナプス側に戻すシステムです。うつ病の主たる治療薬は「再取り込みを阻害する」薬です。
うつ病の患者さんはセロトニンの放出が少なくなります。セロトニンの「再取り込み」を阻害することでシナプス間隙のセロトニンの量を増やすことできます。SSRIはセロトニンの再取り込みだけを選択的に阻害する抗うつ剤です。
※上 前シナプス 下 後シナプス
ピンクの粒がセロトニンで、白丸のくぼみに再取り込みがされているとイメージしてください。ここを塞ぐのが阻害薬です。
②メラトニンの材料(不眠改善効果など)
メラトニンはトリプトファンからセロトニンを経て作られるホルモンです。脳の松果体から分泌されます。
睡眠を促すホルモンとして、また若返りのホルモンとしてとても有名です。
メラトニンの生体内の役割を簡単にまとめます。
【いつ分泌】
夕方~夜に分泌される(光を感知すると分泌が抑制される)
朝 光の刺激を受けると松果体でトリプトファン→セロトニン→メラトニンと変換されていく
朝 光の刺激を受けてから約14~16時間後にメラトニンに変わる
つまり覚醒するとセロトニンが分泌され、
そして夜暗くなると今度はメラトニンが分泌される
これにより「眠くなる」というメカニズムが生まれる
【分泌を促進させるには】
前提 材料であるセロトニンを増やす=トリプトファンを体内に取り入れる
そのうえで
・午前中に日光を浴びる
・夜、部屋を暗くする
・規則正しい生活を送る
【メラトニンの作用】
睡眠作用
- 覚醒と睡眠のリズムを調整する
- 概日リズムを調整する
抗酸化作用
- 老化を防ぐ
- ガンを予防する
性成熟を抑制する作用
- 成長段階の子どもの性の成熟を抑える
人には意識しなくても自然と備わっている1日(おおよそ24時間)のリズムがあります。例えば夜 自然と眠くなり、朝 自然と目が覚めるといったリズムです。血圧、脈拍、ホルモンの分泌、細胞の再生、免疫、体温調節、摂食などの生理機能もおおよそ24時間で変動するリズムを刻んでいます。
おおよそ24時間で繰り返されるリズムを「概日リズム」といいます。概日リズムは体内時計と呼ばれる脳内の視床下部の視交叉上核に存在する時計により生み出されます。
さてさきほどから24時間の前に「おおよそ」という言葉をつけていますが、その言葉通り「ピッタリ」24時間ではないのが概日リズムです。数十分のずれがあります。このずれを修正しなければ地球の自転周期(約24時間)とどんどんずれていく=生活サイクルが乱れていくことになります。
このズレは刺激を受けることで修正(リセット)されます。
その刺激とは「光」「食事」です。
特に「光」です。朝の光を浴びることにより概日リズムのズレをリセットすることができます。
朝の光の刺激によって体内時計がリセットされると、眠りを促す睡眠ホルモン「メラトニン」の分泌が抑制され、14~16時間後に再び分泌され始めます。夜メラトニンの分泌量が増えることで脈拍、体温、血圧などが低下し、眠くなります。
上で朝の光を浴びることにより概日リズムのズレをリセットすることができるといいましたが、このようにメラトニンが深く関わっています。
トリプトファン→5-ヒドロキシトリプトファン→セロトニン→N-アセチルセロトニン→メラトニン
- トリプトファン→5-ヒドロキシトリプトファン トリプトファン水酸化酵素
- 5-ヒドロキシトリプトファン→セロトニン 芳香族L-アミノ酸脱炭酸酵素
- セロトニン→N-アセチルセロトニン セロトニンN-アセチル基転移酵素(NAT)
- N-アセチルセロトニン→メラトニン ヒドロキシインドール-O-メチル基転移酵素(HIOMT)
メラトニンの前駆体であるトリプトファンには不眠を改善する効果&アンチエイジング効果が期待できます。
トリプトファンの働き分析【見た目編】
合計 42.5/60点
薄毛
6点
「薄毛」改善 に関わるトリプトファンの働きは主に次です。
- セロトニン
髪に必要な栄養素や酸素は血液によって運ばれます。血流を悪化させる要因の1つはストレスです。
セロトニンには精神を安定させストレスを軽減させる働きがあります。セロトニンの分泌を増やすためにはその材料であるトリプトファンを体内に取り入れることが大事となります。 - メラトニン
睡眠中はホルモンの最も分泌が高まる時です。特に成長ホルモンは1日に分泌される量の6割~7割は睡眠中に分泌されます。メラトニンには睡眠と覚醒のリズムを調整し自然な眠りに促す働きがあります。なのでメラトニンの分泌を高めること≒成長ホルモンの分泌を高めることとしてもあながち遠からずだと思います。
成長ホルモンは髪にある細胞(毛母細胞、毛乳頭細胞)の細胞分裂を促進させるため、その分泌を増やすことは薄毛対策につながります。
メラトニンの材料はトリプトファンです。なのでトリプトファンを摂取することは間接的に成長ホルモンの分泌を高める効果があるといえそうです。
白髪
6点
「白髪」予防 に関わるトリプトファンの働きは主に次です。
- メラトニン
活性酸素のうち白髪に特に関係してくるのは過酸化水素です。黒髪のもととなるメラニンは毛包内のメラノサイトでチロシンとチロシナーゼが結合することで作られますが、過酸化水素にはチロシナーゼの形成を破壊する働きがあるからです。なので毛包内に過酸化水素をいかにして蓄積させないかが白髪予防のための重要なファクターとなります。メラトニンはホルモンとして働くのみならず、抗酸化物質としても機能します。その抗酸化力は非常に強いことで有名です。
過酸化水素に対してメラトニンは間接的に除去する力を有します。ここでの「間接的」は過酸化水素を除去する抗酸化酵素グルタチオンペルオキシターゼを活性させることを意味します。メラトニンの前駆体はトリプトファンです。メラトニンは脳の松果体でトリプトファンをもとに4段階の酵素反応を経て生成されます。
美肌
7.5点
「美肌」作り に関わるトリプトファンの働きは主に次です。
- メラトニン
メラトニンは美肌作りに大きく貢献する物質です。以下2つの作用があるからです。①睡眠促進作用睡眠は美肌づくりに欠かせない「要素」です。というのも睡眠中に肌にいいホルモンがたくさん分泌されるからです。
例
・成長ホルモン
肌の新陳代謝を促進させる・甲状腺刺激ホルモン
肌の細胞のエネルギー代謝を活発にさせる甲状腺ホルモンの分泌を刺激するメラトニンは脈拍、体温、血圧などを低下させることで体をリラックス状態に導き、眠気を誘います。なのでメラトニンを増やすことは上記した肌にいいホルモンの分泌量増加につながるといえます。
②抗酸化作用肌の細胞にダメージを与えるのが紫外線などにより発生する活性酸素です。なので活性酸素の攻撃から体を守ることは肌の若さを保つために大切となります。
メラトニンは抗酸化物質としても活躍します。その抗酸化力は目を見張るものがあります。その特徴をざっとあげると以下になります。
メラトニンの抗酸化作用①ヒドロキシラジカル(狭義の活性酸素4種類のうち最凶)を消去する力がある
②抗酸化酵素を活性させる
③フリーラジカルを産生する酵素を抑制する
④メラトニン1分子につき4つのフリーラジカルを消去する
⑤プロオキシダントにならない。メラトニンはフリーラジカルを消去した後にAMFKになるがそれにも抗酸化作用がある
⑥水にも油にも溶けるため細胞膜でも細胞質でも抗酸化作用を発揮できる
⑦血液脳開門を容易に通り抜け脳内で抗酸化作用を発揮できる
とにかくメラトニンは活性酸素を消去する力が直接的にも間接的にも非常に優れているといえます。
メラトニンが「若返りのホルモン」や「奇跡のホルモン」などと呼ばれる所以は優れた抗酸化力にあるといえます。
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この若返り&奇跡のホルモンのもとがトリプトファンです。
美白
7.5点
「美白」ケア に関わるトリプトファンの働きは主に次です。
- メラトニン
美肌項目にてメラトニンが優れた抗酸化作用をもつことを説明しました。
シミができる主たる原因は紫外線などにより肌に大量に発生する活性酸素なので、メラトニンのもつ抗酸化作用は美白ケアにも大きく貢献するといえます。
※活性酵素→活性酸素に訂正メラトニンは「抗酸化作用」面以外においても美白ケアに向いている成分といえるかもしれません。というのもメラトニンは抗メラニン細胞刺激ホルモンの作用もち、皮膚の色を薄くさせる働きがあるからです。この作用は魚類や両生類に対してで人間には認められていないようですが、いずれにしても「抗酸化作用」面以外でも「美白」効果の可能性を秘めている成分と考えられます。
ここでひとそえメラトニンは両生類(カエル)の皮膚の黒色素胞においてメラノソームを凝縮させる働きをし、その色を退色させる物質として発見されたとのこと。メラトニンの名前の由来はメラニンの「メラ」とセロトニンの「トニン」のようです。
実際メラトニンとシミの関係に着目した美白ケア化粧品が販売されています。
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繰り返しになりますがメラトニンはトリプトファンをもとに作られています。トリプトファン→5-ヒドロキシトリプトファン→セロトニン→N-アセチルセロトニン→メラトニン
筋肉
6.5点
「筋肉」増強 に関わるトリプトファンの働きは主に次です。
- 必須アミノ酸
筋肉はたんぱく質でできています。たんぱく質を構成するのは20種類のアミノ酸です。
筋肉を増量するために特に意識して摂取するべきは20種類のうち体内で作ることのできない9種類の必須アミノ酸です。トリプトファンは必須アミノ酸に分類されます。 -
成長ホルモン(by メラトニン)
筋肉は「筋繊維を破壊する→修復する」を繰り返すことで大きくなります。破壊のプロセスにおいて筋トレが必要となり、修復のプロセスで栄養と休養が必要となります。修復のプロセスの「休養」において特に重要なのが睡眠です。睡眠中に成長ホルモンがたくさん分泌されることで破壊された筋繊維が修復され筋肉が肥大するからです。
修復により筋肉が肥大する理由は筋繊維が以前よりも少し太くなって修復されるからです。メラトニンは睡眠の質を高めるホルモンです。なので間接的に成長ホルモンの分泌を促進させる働きがあるといえるかもしれません。
メラトニンは脳の松果体で以下の代謝を経て生成されます。トリプトファン→5-ヒドロキシトリプトファン→セロトニン→N-アセチルセロトニン→メラトニン
- 抗重力筋(by セロトニン)
抗重力とは文字通り地球の重力に抗うことで、抗重力筋とは重力に負けないために体を支えている筋肉のことをいいます。ようは姿勢を維持する筋肉です。
セロトニンには運動神経を興奮させ抗重力筋に働きかける(抗重力筋の緊張を保つ)作用があります。
運動時の疲労は大きく2種類にわかれます。末梢性疲労(身体の疲労)と中枢性疲労(脳の疲労)です。
中枢性疲労の原因はセロトニンとされています。中枢性疲労は運動によって脳内にセロトニンが過剰に生成されることで引き起こされます。ここでは深く考えずにズバリ「脳内にセロトニンが過剰に増える=中枢性疲労」と捉えてください。
【運動時 脳内でセロトニンが過剰に生成される】のは【運動時 脳内へのトリプトファンの供給が増える】からです。
理由は以下です。
通常時、トリプトファンは血中においてアルブミンと結合して全身に運搬されます。
運動時、脂肪が分解され脂肪酸が血中に増えてきます。脂肪酸もアルブミンと結合して運搬されており、血中脂肪酸がトリプトファンとアルブミンの結合を妨げるようになります。
すると血中に遊離した状態のトリプトファンが増えてしまいます。そのトリプトファンの多くは脳に入ろうとしてしまいます。これが脳内にトリプトファンが増えるメカニズムです。
さらに言えばトリプトファンは脳内に入る時には血液脳関門上にあるアミノ酸輸送体(アミノ酸トランスポーター)を利用するのですが、運動時、共通のトランスポーターを使うBCAAの血中濃度が低下するためにトリプトファンが脳内に入りやすくなってしまうからです。
なのでトリプトファンを過剰摂取し、何の対策もせずに筋トレなどを行うと疲労を感じやすくなります。
対策とはズバリ共通のトランスポーターを利用するBCAAのサプリメントを取ることです。BCAAをとることでトリプトファンとのトランスポーターの競合が生じ、脳内にトリプトファンが入る量を減らすことができます。
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BCAAは筋たんぱく質の合成を促す&分解を抑制するアミノ酸です。筋肉のためトレーニング前に摂取が推奨されています。推奨されている理由にこの「中枢性疲労の軽減」効果も含まれています。
脂肪
9点
「脂肪」減少 に関わるトリプトファンの働きは主に次です。
- トリプトファンダイエット
巷では「トリプトファンダイエット」たるダイエット方法があるようです。「トリプトファンダイエット」はトリプトファンが多く含まれる肉を食べる(肉中心の食生活を送る)方法のようで、メディアでたびたび話題になる「肉ダイエット」の別名ともいえそうです。トリプトファンダイエット 食べ方を変えるだけでやせられる (講談社の実用BOOK) [ 宮川 ジュンコ ]
こちらの本によると
ダイエットに失敗する3大理由は- 空腹感ストレス
- 栄養不足ストレス
- 睡眠不足ストレス
とのことですが、トリプトファンダイエットを実行することで3つのストレスを抑えることができる つまりトリプトファンを多く含む肉中心の食生活に変えることでストレスなく効率的に痩せれるとのことです。
本の内容とは別に(「別」かどうか読んでいないのでわかりませんが)、トリプトファンはセロトニン・メラトニン・ナイアシンの材料である点からして、ダイエットに非常に向いている成分といえます。
メラトニン・セロトニン・ナイアシンの脂肪を減らす&増やさない働きを簡単にまとめます。メラトニン①メラトニンは糖代謝、脂質代謝に関わっています。そのため分泌を促進させることは肥満の予防になります。これは逆からのほうが分かりやすいかもしれません。つまりメラトニンの分泌低下は肥満リスクを高めるです。
②メラトニンは睡眠を促進するホルモンです。脂肪動員ホルモンの1つ成長ホルモンは睡眠中にたくさん分泌されます(1日に分泌される量の6割~7割は睡眠中といわれています)。
脂肪動員ホルモンは脂肪細胞内にある脂肪分解酵素リパーゼ(HSL)を活性させます。活性されたHSLは脂肪を遊離脂肪酸とグリセリンに分解します。
ようは成長ホルモンが分泌されると脂肪の分解が開始される、メラトニンは睡眠を促進することで成長ホルモンの分泌を増やすです。
睡眠不足は肥満につながるとよく言われますが、これはメラトニンが大いに関係してきます。セロトニン
脳の視床下部には、空腹を感じる「摂食中枢」と満腹を感じる「満腹中枢」が存在します。簡単にいえば、食べることを命令するのが摂取中枢、食べることをストップするように命令するのが満腹中枢です。摂食中枢が刺激されれば空腹感を、満腹中枢が刺激されれば満腹感を感じるようになります。一方を刺激すると他方の活動は抑制されます。
セロトニンは脳の満腹中枢を刺激し満腹感を与える働きをします。なのでセロトニンの分泌を増やすことで食欲を抑制する効果を得ることができます。ナイアシン
糖質・脂質を体内でエネルギーに変換するためには「代謝」が必要です。基本、スムーズに「代謝」されない糖質・脂質は、中性脂肪として(再び)体に蓄えられてしまうと考えてください。
エネルギー代謝の約60%~70%はナイアシンが関与しています。ナイアシンは「代謝」を効率的に行うための必須成分といえ、その不足は肥満につながります。ナイアシンは生体内でトリプトファンから生合成されます。その転換率は1/60(トリプトファン60㎎=ナイアシン1㎎)です。
トリプトファンの働き分析【中身編】
合計 49/60点
身体
9.5点
「身体」の構成材料 に関わるトリプトファンの働きは主に次です。
- たんぱく質の材料
たんぱく質は筋肉、臓器、皮膚、骨、髪、血液など「体を構成するパーツ」の主成分となっています。 トリプトファンはたんぱく質を構成する20種類のアミノ酸の1種です。そのうち体内で合成することのできない必須アミノ酸に分類されます。「不足しやすいアミノ酸」としてトリプトファンの名前が挙がることが度々あります。
エネ
9点
「エネルギー」生成 に関わるトリプトファンの働きは主に次です。
- ナイアシン
エネルギーを効率的に生み出すためにはナイアシンは必須です。というのもエネルギー代謝においてナイアシンが脱水素酵素の補酵素として機能しているからです。エネルギー代謝を簡潔に説明します(水素目線で)。
- 解糖系、β酸化、TCA回路で高エネルギーを含んだ水素が抜き取られる。
- 抜き取られた水素が電子伝達系に運ばれる。
- 電子伝達系でこの水素を利用して電子の伝達が行われ、最終的に酸素と反応して水(代謝水)になる→この過程で大量のATPが生成される。
この流れで水素運搬の役割をしているはナイアシンです。解糖系、β酸化、TCA回路で水素を取り出す働きをしているのが脱水素酵素で、抜き取られた水素を電子伝達系に運搬をするのがナイアシンの補酵素型NAD(及びFAD)です。
NAD(及びFAD)が水素と結合してNADH(及びFADH2)となり、電子伝達系の電子伝達体に電子を供与することで酸化的リン酸化が起こります。
酸化的リン酸化が起こることで大量のATPが生成されます。ナイアシンは体内でトリプトファンから生合成することができます。
なのでトリプトファンを摂取することは体内のナイアシンを増やすこと=エネルギー産生を促進することにもつながります。Niacin Trp NMN ナイアシン トリプトファン+NMN配合サプリメント 90粒
トリプトファン→ナイアシントリプトファンからナイアシンへの転換率は重量比で約60分の1です。そのため食品中のナイアシン当量を求めるときはトリプトファン60㎎=ナイアシン1㎎と換算します。
- 糖原性アミノ酸
体内で糖が枯渇している時に、筋肉のたんぱく質が分解されてアミノ酸が作り出されます。そのアミノ酸が糖新生やケトン体生成や脂肪酸生成に利用されます。
糖新生(分解されて生じたアミノ酸からグルコースを生成する)に用いられるアミノ酸を糖原性アミノ酸と言います。トリプトファンは糖原性アミノ酸です。 - ケト原性アミノ酸
糖新生に用いられるアミノ酸を糖原性アミノ酸というのに対して脂肪酸生成やケトン体生成に用いられるのをケト原性アミノ酸といいます。
ケト原性アミノ酸はアセチルCoAまたはアセト酢酸(ケトン体)に変換されます。
アセチルCoAはTCA回路に組み込まれてエネルギーとして利用されたり、脂肪酸に生成されたりします。トリプトファンはケト原性アミノ酸でもあります。
病気
4.5点
「病気」予防 に関わるトリプトファンの働きは主に次です。
- メラトニン
メラトニンには以下の病気を予防する効果があります。メラトニンは体内でトリプトファンから生成されます。・がん
メラトニンには抗酸化作用・抗炎症作用があります。抗腫瘍効果が期待できがん予防(再発の予防も)やがん治療の副作用軽減に有効とされています。がんの種類でいうと特に乳がんとの関連性が高く、研究により「メラトニンの分泌量が少ないと乳がんの発生リスクを高める可能性がある」ことが示唆されています。・糖尿病
最近の研究により睡眠不足はインスリン抵抗性を高めるため糖尿病の発症や悪化に関係していることが判明されています。睡眠を促進するメラトニンはその「逆」をもたらすため、分泌を増やすことは糖尿病の予防になるといえます。実際、夜間のメラトニンの分泌量低下が糖尿病の発症リスクを高めることが報告されています。・骨粗鬆症
睡眠の質と骨の健康は深く関わるととされています。というのも骨の新陳代謝には成長ホルモンを始めとするホルモンが関係しているからです。1日のうち睡眠中がホルモンの分泌が1番高まる時間であることは言わずもがなです。その質を高めるメラトニンは骨粗鬆症予防に有効と考えられます。
なお眠りの質が落ちると骨を壊す破骨細胞が活発になると言われていますが、研究(魚の鱗を使った実験)でメラトニンに破骨細胞を抑制する働きがあることが報告されています。 - 線維筋痛症
線維筋痛症とは筋肉、関節など身体のさまざまな部位に慢性の「痛み」と「こわばり」の症状が生じる疾患をいいます。原因は不明ですが、体内においてセロトニンなどの痛みを抑える物質が十分に機能していないから生じるものと考えられています。なので治療法の1つとしてアミノ酸療法(=トリプトファンの補充療法)が用いられます。参照
痛みだけではない慢性疲労や感覚異常・不眠も伴う、女性に多い線維筋痛症と治療最前線 世界的に注目を集める栄養療法学会の国際大会が2018年春開催
PR TIMES (株) PR TIMES HP
※神経伝達物質のもとであるトリプトファンは脳の病気予防・改善に大きく貢献する成分ですが、こちらは「健脳」カテゴリーで評価しています。
トリプトファンの摂取は少し注意が必要です。持病やそれにともにない服用している薬との併用により副作用を招くことがあります。持病をお持ちの方は医師にご相談ください。
トリプトファンの長期摂取は注意が必要です。長期摂取は肝臓への負担がかかるなど「危険」とされています。
トリプトファンの過剰摂取は特に注意が必要です。過剰に摂取すると肝臓の脂肪に変化を起こし、肝硬変のリスクを高めるとされています。
長期摂取に関して
トリプトファンに限らず栄養成分の過剰摂取は当然ですが「危険」です。トリプトファンはなぜか長期摂取も「危険」と言及されています。普通に考えれば栄養成分(サプリメント)は一時的に摂取するのではなく長期的に継続して摂取することが大事です。なのでこれに関して疑問をもたざるを得ません。
ここでの「長期」はどのくらいの期間を指しているか知りませんが、私自身はけっこうな期間取り続けています。それによる副作用は今のところありません。
※ありませんというか自覚していません。というか栄養成分(サプリメント)はトリプトファンだけを取っているわけではないので、仮に何か起こってもどの成分が原因かははっきりと断定できないのですが・・・
体質
9.5点
「体質」改善 に関わるトリプトファンの働きは主に次です。
- ストレス
精神を安定させる働きをするセロトニンにはリラックス効果があります。分泌が増えるとストレスを軽減することができます。トリプトファンはセロトニンの材料です。 - 頭痛
中枢神経には痛みを伝導する「上行性疼痛伝導系」とその痛みを抑制する「下行性疼痛抑制系」が存在します。セロトニンには下行性疼痛抑制系を活性化させ痛みを鎮める働きがあります。例えば片頭痛。片頭痛発作時はセロトニンが減少しています。そのためセロトニン受容体に作用するトリプタン薬の投与は片頭痛を緩和する効果が期待できます。
【中古】 トリプタンの使い方 新しい片頭痛治療薬のさじ加減 /間中信也(著者),喜多村孝幸(著者) 【中古】afb
セロトニンのもとであるトリプトファンの摂取は頭痛予防につながります。 - 印象UP
セロトニンは抗重力筋に働きかけます。それにより姿勢や顔つきが引き締まります。トリプトファンはセロトニンの材料です。 - 不眠改善
覚醒・睡眠のリズム、概日リズムの調整に関わるメラトニンには不眠を改善する働きがあります。トリプトファンはメラトニンの材料です。サプリメント 快眠サプリ 安眠サプリ 睡眠サプリ 快眠グッズ 月の休息 休息 メラトニン セロトニン トリプトファン ビタミンB6 ナイアシン 睡眠薬 睡眠導入剤に頼りたない方
なおメラトニンの不眠を改善する働きは時差ボケ改善にも有効です。 - アンチエイジング
強い抗酸化作用を有するメラトニンは「若返りのホルモン」「奇跡のホルモン」「究極のアンチエイジングホルモン」などの異名を持ちます。【中古】 驚異のメラトニン /ウォルターピエルパオリ(著者),ウィリアムリーゲルソン(著者),キャロルコールマン(著者) 【中古】afb
そのもととなるトリプトファンもアンチエイジング効果が高い成分といえます。 - 免疫力
メラトニンには免疫細胞を活性化させ免疫力を高める効果があります。風邪やインフルエンザの予防になります。風邪を引いたときに良く寝ることが大切となりますが、それは寝ることでメラトニンの分泌が高まり免疫力が上がるからとも捉えることができます。 - 過敏性腸症候群
過敏性腸症候群とは腸に特に病気が見つからないのに、便秘や下痢など便通の異常や腹部不快や腹痛が続く症状のことです。その原因の1つにセロトニンが考えられます。セロトニンが体内で最も多く存在している場所は腸です。ストレスを受けると腸の粘膜からセロトニンが分泌され、腸のセロトニン受容体と結合します。それにより消化官の蠕動運動などに異常が生じ下痢や腹痛を引き起こします。過敏性腸症候群の治療薬には腸のセロトニン受容体との結合を阻害し、セロトニンの作用を抑える薬があります。
セロトニンの不足は過敏性腸症候群に関わってきます。
となると今ままでの説明は?となってしまうのですが、この文に付け足しがあります。「脳内」という言葉です。
脳内のセロトニンの不足は過敏性腸症候群に関わってきます。補足脳内と腸内にあるセロトニンは基本別物と考えてください。というのも腸内で作られたセロトニンが脳内に届くことがないからです(腸内のセロトニンは血液脳関門を通過できないから)。
ただ脳内に入るためのセロトニンの前駆物質を作るには腸内細菌の働きが必要になります。
なので脳内と腸内にあるセロトニンは別物ですが、腸は脳内のセロトニンに深く関わっていることになります。
さきほど「ストレスを受けると腸の粘膜からセロトニンが分泌され」書きましたが、脳内のセロトニンが不足するとストレスに対処できず、腸での分泌が増え過敏性腸症候群を引き起こすと考えられます。
なので(脳内の)セロトニンの原料となるとトリプトファンの摂取が大切となります。過敏性腸症候群の治し方がわかる本/伊藤克人【1000円以上送料無料】
ただ、ここで言いたいことは「原因不明の腹痛のためトリプトファンを摂取しましょう」ということではなく、「ストレスを溜めないためにセロトニン もとい 脳内のセロトニンのもととなるトリプトファンの適量摂取を心がけましょう」です。
つまるところ①ストレスを違う観点から説明したことになります。
精力
6.5点
「精力」増強&「性機能」向上 に関わるトリプトファンの働きは主に次です。
- PMS
月経前症候群(PMS)とは月経開始前の3~10日の間におこる精神的または肉体的に不快な症状が現れることをいいます。
セロトニンには精神安定作用や鎮痛作用があります。そのもととなるトリプトファンの摂取はPMSの緩和効果が期待できます。 - 早漏
セロトニンには射精時間をコントロールする作用があるとされています。そのためセロトニン不足が早漏の原因になると言われています。
なので抗うつ薬(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)の副作用として射精遅延などの性機能障害があります。SSRI(選択的セロトニン取り込み阻害薬)うつ病の患者さんはセロトニンの放出が少なくなります。セロトニンの「再取り込み」を阻害することでシナプス間隙のセロトニンの量を増やすことできます。SSRIはセロトニンの再取り込みだけを選択的に阻害する抗うつ剤です。
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※再取り込みとはシナプス間隙に遊離された神経伝達物質が前シナプス側に戻り再利用されること
- 睡眠
繰り返しになりますが睡眠中にさまざまなホルモンが分泌されます。なので睡眠不足はホルモンの分泌低下につながります。精力・性欲を司る男性ホルモン「テストステロン」も睡眠不足によりその分泌は低下します。となると睡眠と精力は深く関係してくるといえます。睡眠促進効果のあるメラトニンは間接的にテストステロンの低下を防ぐ働きがあるといえそうです。メラトニンはトリプトファンをもとに作られます。
健脳
10点
「脳」の健康 に関わるトリプトファンの働きは主に次です。
- うつ病予防
セロトニンはドーパミンとノルアドレナリンのバランスを調整する働きをし精神の安定をもたらします。
うつ病に深く関わってくる神経伝達物質で、うつ病の患者さんは 脳内の「セロトニンの量が少ない」or「セロトニンの働きが低下している」ことが判明しています。つまるところうつ病予防には「脳のセロトニンを減少させない」ことが大切となります。
セロトニンはトリプトファンから作られます。トリプトファンをしっかりと摂取することがうつ病の予防になります。 - 記憶力・集中力
大脳皮質とは脳の表面にある灰白色をした層の部分をいいます。長期「記憶」の「保存」をしているのはこの部分です。セロトニンは大脳皮質に働きかけ覚醒状態を作り出す&維持します。
覚醒状態はようは脳が活発な状態&体が活動的な状態です。つまりセロトニンの分泌が増えると【脳が活発な状態&体が活動的な状態になる】→【記憶力や集中力が向上する】ことになります。
そのセロトニンのもととなるのがトリプトファンです。トリプトファンを摂取すると記憶力・集中力のUPが期待できます。 - 脳の活性酸素
神経細胞は加齢とともに減っていきます。神経細胞の減少 イコール 脳が萎縮していく です。
活性酸素の攻撃を受けるとさらに神経細胞の減少速度=脳の萎縮の速度は加速していきます。
このことから脳内に発生する活性酸素がアルツハイマー型認知症やパーキンソン病の発症原因の1つとされています。脳の活性酸素を除去するには脳内で抗酸化作用を発揮できる抗酸化物質を取り入れることです。つまり血液脳開門を通過できる抗酸化物質です。
メラトニンは血液脳開門を通過できる数少ない抗酸化物質の1つです。メラトニンには神経細胞を活性酸素の攻撃から守る働きがあるのでアルツハイマー型認知症やパーキンソン病の予防効果が期待できます。【中古】生体リズムを整える注目のホルモン 脳内物質メラトニン【中古】
- 脳のエネルギー源
絶食時に糖原性アミノ酸は肝臓で行われる糖新生によりグルコースを作り出します。それにより脳の働きに必要なエネルギーを確保します。トリプトファンは糖原性アミノ酸の1種です。
トリプトファンのサプリメント分析
合計 14.5/20点
継続(価格は安いか) 2点
手軽(購入ルートは多いか)4.5点
選択(品揃えは豊富か)4.5点
貴重(食品から取りづらいor不足しやすいか)3.5点
- 継続
20日~60日分(500㎎配合120粒入り 海外のサプリ)が約2500円~で購入可能です。 - 手軽
トリプトファン単体(トリプトファンがメイン成分)サプリは主にネットで購入可能です。アミノ酸単体サプリは日本ではあまり販売されていないのですが、トリプトファンを販売しているメーカーはちらほらみられます。トリプトファンが含まれている商品(プロテイン・アミノ酸複合サプリ・休息サプリなど)であったら店舗でもネットでも幅広く販売されています。 - 選択
某ECサイトで「トリプトファン サプリメント」検索すると約9千件ヒットします。トリプトファン単体サプリとして、「休息」「睡眠」目的とした複合サプリに含まれている成分としてヒットします。後者は主成分として配合されています。そう考えると選択肢は多いほうといえます。 - 貴重
トリプトファンは動物性たんぱく質に含まれています。とくにレバーなどの肉、牛乳やチーズなどの乳製品、バナナに多く含まれています。一方植物性たんぱく質には少ないです。
トリプトファンはよく「不足しやすいアミノ酸」の1つとして挙げられます。
愛用品
ただし毎日6粒取る必要はないと思います。通常の食生活を送っているかぎり個人的には下限の1日2粒で十分だと思います。となると2カ月分で2500円なので、けして高すぎることはないと思います。
おすすめ品
トリプトファンとの組み合わせ
トリプトファンと相性の良い成分 7つ厳選
- ビタミンB6
- ナイアシン
- マグネシウム
- 鉄
- 亜鉛
- 糖質
- なし
そのうち3つをPICK UP
①ビタミンB6
トリプトファンとビタミンB6の組み合わせは鉄板です。理由はセロトニンの変換にビタミンB6の存在が必須だからです。
トリプトファンは以下の代謝を経てセロトニンになります。
トリプトファン→5-ヒドロキシトリプトファン(5-HTP)→セロトニン
うち5-ヒドロキシトリプトファン(5-HTP)→セロトニンの変換を触媒する酵素【芳香族L-アミノ酸脱炭酸酵素】の補酵素としてビタミンB6が必要です。
なのでトリプトファンの不足のみならずビタミンB6の不足も セロトニンの分泌低下≒うつ病発症リスクが高くなる につながります。
⑥糖質
トリプトファンをサプリで摂取する目的は何かと聞かれたら、セロトニンおよびメラトニンを増やすためと答えます。これは個人的な考えではなく「一般論」としちゃってもいいと思います。
で、より正確にいうならば脳内のセロトニンおよびメラトニンを増やすためと答えるべきかもしれません。
脳内でトリプトファン→セロトニンに変換されるには血中のトリプトファンが脳内に入る必要があります。脳内に入るには血液脳開門を通過しなければなりません。この「通過」に糖質(ブドウ糖)の存在が重要となります。
3大栄養素のうち唯一(例外あり)脳のエネルギー源となるブドウ糖は血液脳開門を余裕で通過できる物質です。なのでブトウ糖とトリプトファンが混ざっていればトリプトファンが脳内に入りやすくなります。ここでのブドウ糖は脳内へのトリプトファンの運搬役を買って出るということです。
それだけではありません。ブドウ糖が体内に取り入れられるとインスリンが放出されます。このインスリンはトリプトファンと共通のアミノ酸トランスポーター(血液脳開門を通過する時に利用する)を使うBCAAを筋肉細胞へ取り込むように働きかけます。
アミノ酸トランスポーターの競合が少なくなりトリプトファンはさらに血液脳開門を通過しやすくなります。
長々と書きましたが、ようは糖質はトリプトファンの脳への吸収を高めるです。トリプトファンを摂取する際はフルーツジュースなどで飲むことが推奨されています。
⑦なし
ここでのなしは「単独」摂取と捉えてください。あえて他のものと一緒に取らないということです。
他のものでは言葉足らずでした。
他の「アミノ酸」と一緒に取らないです。なぜなら脳内でセロトニンを増やす目的としてトリプトファンを摂取する場合に一緒に取るのを避けるべきアミノ酸があるからです。有名どころだとBCAAやフェニルアラニンです。
脳内でセロトニンを増やす目的としてトリプトファンを摂取する場合、BCAAやフェニルアラニンが一緒に含まれている「たんぱく質」からの摂取だと、その効果は「あんまり」ということになります。
私は「トリプトファン」サプリを摂取する際は単独(アミノ酸)・午前中・空腹時を心がけています。
トリプトファンのまとめ
トリプトファン 評価
総合評価 S 106点
分析【見た目編】42.5点
分析【中身編】49点
分析【サプリ】14.5点
トリプトファン 履歴書
- サプリ服用歴
約15年(トリプトファン単体サプリとして)
※取らなかった時期アリ - 1カ月にかけるサプリ代 約1200円
- マイサプリ軍の位置づけ 1軍
- よく購入するメーカー
NOW
※2年~で消費してきたトリプトファンサプリ