α-リノレン酸
n-3系多価不飽和脂肪酸の1種
α-リノレン酸とは
α-リノレン酸について
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α-リノレン酸は脂肪酸の1種です。炭素数18で二重結合を3つ有します。
※イメージ最初の二重結合はメチル基末端から数えて3個目にあるのでn-3系多価不飽和脂肪酸(以降オメガ3脂肪酸)に分類されます。体内で合成できないため必須脂肪酸となります。
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二重結合の位置の違いにより異性体 γ-リノレン酸が存在します。
γ-リノレン酸は、最初の二重結合はメチル基末端から数えて6個目にあるのでオメガ6脂肪酸に分類されます。 -
α-リノレン酸は総オメガ3脂肪酸摂取量の約60%を占めるとされます。
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α-リノレン酸は体内に取り入れられたあとEPAやDHAに代謝されます。
α-リノレン酸→ステアリドン酸→EPA→DPA→DHA※EPAからDPAを経由しないでDHAに変換される経路もあるので代謝経路は2つと考えてください。
- なのでα-リノレン酸を摂取することでEPAやDHAの有する「効果」を得ることができます。
だだし「ある程度」という枕詞を付け加える必要があります。
EPAやDHAはα-リノレン酸から生合成は可能ですが、その転換率は10~15%とされています。※転換率はもっと低いと指摘されているケースもあります。特にDHAには極わずかしか転換しないとも言われています。
さらにいうと転換率は性別や年齢により差があるとの報告もあり、一般的に女性より男性のほうが低いとされています。
また食事も転換率に影響を及ぼすとされています。オメガ6脂肪酸であるリノール酸の多い食事はα-リノレン酸の転換率を下げるとされています。
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EPAやDHAの有する「効果」をしっかりと得たいのであれば、個々も意識して取ることが重要となります。
- α-リノレン酸の摂取は血中中性脂肪の低下やアレルギー性疾患の改善などに役立ちます。
α-リノレン酸の補足
- オメガ3脂肪酸の目安摂取量2gをとるために必要な魚種類と目安量は
となっています。
魚嫌いでなければ、目安量を食品から取ることは決して難しくはないといえます。
が、毎日となると少し難しいと思います。なのでオイルに頼るのも一つの手です。 -
α-リノレン酸が多く含まれる油はアマニ油やえごま油です。これら油の脂肪酸組成の約6割はα-リノレン酸で占められています。
オメガ3脂肪酸のオイル摂取に関してはアマニ油、えごま油を1日小さじ1杯取り入れる方法がベターとされています。
そこで番組でおすすめしたのは、オメガ3系のアブラである「えごま油」や「アマニ油」などを1日スプーン1杯、毎日の食事に取り入れるという方法。するとアブラの摂取バランスがよくなり、私たちの体にさまざまな健康効果を与えてくれると注目されているんです。
引用元
スプーン1杯でカラダが激変!?食べるアブラの新常識
NHK ガッテン! - オイルから摂取する際は「注意点」がございます。
オメガ3脂肪酸は酸化しやすい=熱や光に弱いという点です。なので加熱調理に向きません。
そのうえで油を開封したら冷蔵庫に入れ早めに使い切る(目安1カ月)必要があります。ご承知の通り、油は高カロリーなので取り過ぎると太る原因になります。早めに使い切るために多めに摂取するとカロリー過多になりかえって逆効果(不健康)になるケースもあります。
- 家族で1瓶とかでしたら1カ月以内に使い切れますが、1人だとまず無理だと思います。サプリに頼るのもアリと言えます。
リンク
摂取量について
目安摂取量
2g~2.4g/日 成人男性
1.6g~2g/日 成人女性
※オメガ3脂肪酸としてです
※目安摂取量は年代により異なります
by 日本人の食事摂取基準(2015年版) 厚生労働省
α-リノレン酸の効果・効能
α-リノレン酸の効果・効能 5つ厳選
- 血中中性脂肪の減少
- 不整動脈の発症防止
- 血栓の生成防止
- アレルギー性疾患の改善
- 細胞膜の柔軟性向上
そのうち1つを詳しく
④アレルギー性疾患の改善
マウス実験の内容を簡潔にまとめると以下になります。
②大豆油を含むエサを与えるグループ と アマニ油を含むエサを与えるグループ を観察
③アマニ油のグループがアレルギー性下痢の発症を抑制することが判明
このマウス実験の内容を映像化&コメディー化してまとめてみます。飛ばす場合は→こちら
アマニ油(に含まれるα-リノレン酸)はアレルギーを抑制する
第一章 おハゲ マウスを拉致する
【①マウスにアレルギー性の下痢を誘発させる】
マウスたちはいつものようにマウス村で平和に暮らしていました。
そんな中 とあるハゲた研究員がマウス村を荒らしにやってきました。
マウスたちは無理くり アレルギー性の下痢を誘導する物【卵たんぱく質であるニワトリ卵白アルブミン(OVA)】を摂取させられました。
で・で・そう・・・
ネズこうどもよ~
ちょっと一緒に来てもらうよ~
可愛い可愛いマウスたちは
さらにその1時間後、
おハゲの実験の餌食になっちゃいました。
第ニ章 実験開始
【②大豆油を含むエサを与えるグループとアマニ油を含むエサを与えるグループを観察】
大豆油とアマニ油です。
さあ~お食べ!!
※イメージ
大豆油 組成
- 飽和脂肪酸 パルチミン酸 10.6% ステアリン酸 4.1%
- 一価不飽和脂肪酸 オレイン酸25.3%
- オメガ6系多価不飽和脂肪酸 リノール酸 52%
- オメガ3系多価不飽和脂肪酸 α-リノレン酸 6.6%
- その他 ・・%
※参考値
油の特徴
炎症を誘導する炎症性脂質メディエーター「オメガ6脂肪酸」が約5割を占める。
※イメージ
アマニ油 組成
- 飽和脂肪酸 パルチミン酸 6% ステアリン酸 3.5%
- 一価不飽和脂肪酸 オレイン酸 17%
- オメガ6系多価不飽和脂肪酸 リノール酸 16%
- オメガ3系多価不飽和脂肪酸 α-リノレン酸 58.5%
- その他 ・・%
※参考値
油の特徴
炎症を抑制する抗炎症脂質メディエーター「オメガ3脂肪酸」が約6割を占める。その率は大豆油の約10倍。
しばらくの間この2グループにわけたマウスたちをそのまま飼育するみたいです。
ところでおハゲはなんの目的でこの実験をしているのでしょうか・・・・
なんと!!おハゲの実験の目的は下痢ピーマウスたちにどっちの油を与えたらが毛が濃くなるかといったものでした。
おハゲの私利私欲(発毛)のために 可愛い可愛いマウスちゃんたちが実験台にされたのです。
数週間後
実験期間の最終日です。
おハゲがマウスたちの毛に「変化」がでているか調べてみると・・・
なんとおハゲの予想だにしない実験結果がでました。
マウスの毛が濃くなったとか、量が増えたとかではなく
おハゲの目論見とは全く関係ないところで変化が見られたのです。
第四章 グループB アマニに・・・
③アマニ油グループがアレルギー性下痢の発症を抑制することが判明
実験結果を簡単にまとめたのが次です。
下痢の発症阻害が観察される。特にマスト細胞の脱顆粒抑制が顕著あらわれる。
おハゲが想像もしていなかった「下痢の改善」が片一方のグループ「アマニ」にみられました。
おハゲが求めていたもの(発毛)とまったく関係ないところで「改善」が見られたため、一瞬がっかりしたのですが、三瞬ほどして「ゲスイ妄想」が脳裏に浮かびました。
ピ・ピ
ピカーーーン
ちょっと待てよ・・・
これを学会に発表すれば・・
チャ・チャ
チャリーーーン!!
バスタブの中で・・・
あっ あっ
あっは~~~ん
あんなことや・・こんなこと・・・
うへへ
想像しただけで・・
第五章 マウスの反乱
そんなゲスイ妄想をしているなか・・・
下痢ピーの症状がよくなったマウスの中に とんでもなくでかく凶暴なマウスがいました。
その名もビッグマウスHONDAです。
絶対許さん!!
バリ バリ
バリバリバリバリ
なんとビッグマウスHONDAは自ら体当たりしておハゲのパソコンを破壊したのでした。
カタカタ カタカタ・・・
アレ? 起動しない
ブ・ブ
ブホーーーン!!
パソコン発火しちゃったよ!!
アチチ アチチ
こうして大金 & 美女とのチョメチョメ が水の泡と化しました。
頭に血が上ったおハゲは大人げなくラットにげんこつを食らわせようとしました。
ネズミの分際で!!
最終章 実験結果(裏Ver)
ビッグマウスHONDAは巧みなフェイントで
げんこつをするりとかわし
こっちだよ バ~カ~
再び体当たりをかましました。
今度はおハゲの頭皮目掛けてです。
お決まりの名言を言いつつです。
クリリンの分だあーーー!!
毛穴が思いっきり開いたぞ・・
ネズミのトゲトゲした毛がおハゲの頭皮に強烈な刺激を与えました。
するとしばらくしておハゲの頭皮に異変が・・・
頭皮がなんか熱くなってきた・・
オレの頭いったいどうなってるんだ・・・
ちょっと眼鏡 と 鏡を・・・
M字ラインに幼毛が生えている!?
ナイスだ! ネズこう!!
こうして実験結果はおハゲの目論見通りとはいきませんでしたが、
結果オーライ的な結末を迎えたのでした。
なんて・・
そんなハッピーエンドで終わるわけがなく
その1時間後
生えてきた髪をとかすたびに ピュン ピュン抜けてくよ~
その後 加速度的に 抜けてった・・・
もともとあったやつも ついでに抜けてった・・・
今回のラット実験のアマニ油によるアレルギー性の下痢発症阻害作用の要点は以下です。
①アマニ油にはオメガ3脂肪酸のα-リノレン酸が豊富に含まれている。
②アマニ油で飼育したマウスの腸管組織ではα-リノレン酸の代謝物であるEPA・DHAが増加している
③特にEPAが顕著に増加している
④EPAからさまざまな代謝物が生まれる
⑤EPAの代謝物のうち「17,18-EpETE」に抗アレルギー作用がある
→だからアマニ油はアレルギー性の下痢発症を抑制する
※なおその後研究をすすめるうちに17,18-EpETEはアレルギー性の接触皮膚炎も抑制することも判明
要約すると
【α-リノレン酸から変換される】EPAの代謝物に抗アレルギー作用がある。だからオメガ3脂肪酸はアレルギーを抑制するです。
なお【α-リノレン酸から変換される】DHA・EPAにはアラキドン酸カスケードに対して拮抗する作用があります。炎症を促進するオメガ6脂肪酸「アラキドン酸」との代謝酵素の競合阻害することで抗炎症作用を発揮します。
また【α-リノレン酸から変換される】DHA・EPAの代謝物プロテクチンD1やレゾルビンE1も抗炎症作用を有します。
※【α-リノレン酸から変換される】もの限定ではありません。
とにもかくにもα-リノレン酸を摂取することによりアレルギー性疾患の改善が期待できます。
これから行う働き分析に関してです。
説明はα-リノレン酸ではなくすべて「オメガ3脂肪酸」でします。α-リノレン酸はオメガ3脂肪酸の代表かつ一員として、その「働き」に関与していると捉えてください。
オメガ3脂肪酸の種類のなかで個別に、その「働き」が特にあるケースがあります。その場合は「オメガ3脂肪酸(EPA)」や「オメガ3脂肪酸(DHA)」といった感じに()でその成分を強調します。この場合、α-リノレン酸はEPAのDHAの前駆体として関与していると捉えてください。
なお
オメガ3脂肪酸(EPA)の「働き」はそこそこの評価をします。
オメガ3脂肪酸(DHA)の「働き」はあまり評価しません。
理由はそもそもα-リノレン酸からのEPAやDHAへの転換率は高くない、その上でEPAのほうがまだ高い(DHAまで転換される率は極めて低い)からです。
※と、さんざんいっておきながらα-リノレン酸のことをどうしても強調したい場合は「α-リノレン酸」で説明しています。
α-リノレン酸の働き分析【見た目編】
合計 39/60点
薄毛
6点
「薄毛」改善 に関わるα-リノレン酸の働きは主に次です。
- 血流改善
髪に必要な栄養素を届けるのは血液の役割です。オメガ3脂肪酸には血中の中性脂肪やコレストロールを減らす働きがあります。また血栓の生成を予防する働きもあります。オメガ3脂肪酸は血流をよくすることで健康的な髪の育成をサポートします。
白髪
6点
「白髪」予防 に関わるα-リノレン酸の働きは主に次です。
- 血流改善
黒髪のもととなるメラニンは毛包内の毛母細胞に隣に存在するメラノサイトでアミノ酸「チロシン」と酵素「チロシナーゼ」が結びつくことで生まれます。
メラサイトにチロシン等の栄養素を届けるのは血液の役割です。なので血流が悪くなると栄養素の供給が滞り、メラノサイトの機能低下による白髪が生じます。オメガ3脂肪酸は血管壁の細胞膜に取り込まれることで膜に柔軟性をもたらします。それにより血管をしなやかにして拡張させます。オメガ3脂肪酸の血流改善効果は白髪予防にも有効です。
美肌
6点
「美肌」作り に関わるα-リノレン酸の働きは主に次です。
- 肌の新陳代謝
肌の細胞に栄養素や酸素を供給するのは血液の役割です。不要なものを持ち運ぶのも血液の役割です。なので血流が滞ると肌の細胞の代謝が上手くいかなくなります。オメガ3脂肪酸の血流改善効果は肌に必要なものと不要なものの運搬をスムーズにさせます。肌の新陳代謝を促進させます。
- 細胞膜
細胞膜は細胞内に必要なものを取り入れ、細胞外に不要なものを排出する役割を果たしています。なので細胞膜が健康であれば細胞の働きが活発になります。
オメガ3脂肪酸には細胞膜を柔軟にする働きがあります。肌の細胞膜がやわらかくなれば、肌に必要なものと不要のものの出し入れがスムーズにいきます。イコール肌の新陳代謝がUPします。
血管壁の細胞膜が柔らかくなれば肌に必要なものと不要のものの運搬がスムーズにいきます。イコール肌の新陳代謝がUPします。
- 抗炎症作用
オメガ3脂肪酸には抗炎症作用があります。日焼け(紫外線)による炎症を抑えます。
美白
6点
「美白」ケア に関わるα-リノレン酸の働きは主に次です。
- 赤血球膜の変形能改善
顔の皮膚は他の場所より薄いため皮膚を通して血管を流れる血液の色が反映されてしまいます。つまり血液の色が明るければ肌の色も自然と明るくなります。
血液の「明るさ」は酸素を運ぶ役割をする赤血球の健康状態(柔らかさ)によります。赤血球が健康であれば身体の末端にある肌の表皮までたくさんの酸素を供給することができ、肌の色を明るくさせることができます。
オメガ3脂肪酸(EPA)を摂取すると赤血球膜に取り込まれ、膜を柔らかくします。それにより赤血球が毛細血管をスムーズに通過できるようになる=たくさんの酸素を供給することが可能となる=肌の色が明るくなります。参照
増やせ!元気でかわいい赤血球 NHKBSプレミアム 美と若さの新常識 - 抗炎症作用
紫外線によって肌に炎症が起こるとメラニン色素が過剰に生成されます。それが肌のターンオーバーとともに排出されなければ、シミやくすみとなって肌の表面に現れます。オメガ3脂肪酸には抗炎症作用があります。 - 肌のターンオーバー
シミを減らすには紫外線対策などをして過剰にメラニン作らせないのが前提です(上)。そのうえで、肌のターンオーバーを促進させることが大切です。メラニンは肌のターンオーバーとともに排出されるからです。オメガ3脂肪酸は血行を促進させることで肌の新陳代謝を促進させます。
筋肉
6点
「筋肉」増強 に関わるα-リノレン酸の働きは主に次です。
- 持久力向上
オメガ3脂肪酸(EPA)には赤血球の膜を柔らかくする働きがあります。この働きはイコール「全身への酸素の供給」をスムーズにさせることにつながります。実際、オメガ3脂肪酸(EPA)の摂取試験により、同一運動での酸素摂取量の低減が確認されています。このことは少ない酸素量で運動することが可能となる、つまり持久力が向上することを表しているといえます。
参照 ニッスイ SPORTS EPA EPAの持久力向上効果 日本水産(株)
- 筋損傷&筋肉痛の緩和
抗炎症作用を有するオメガ3脂肪酸(EPA)には筋肉の損傷や炎症を抑える効果が期待できます。実際、オメガ3脂肪酸(EPA)の摂取試験により確認されています。EPA摂取8週間後に伸張性収縮と呼ばれる運動負荷によって筋損傷・筋肉痛を起こし、その後5日間に渡り状態を観察した試験では、EPAを摂取したグループは、摂取していないグループと比べて、筋肉痛の痛みレベルが大きく軽減し、筋肉痛からの回復が早まることが分かりました。
引用元
EPAの筋損傷・筋肉痛緩和効果
ニッスイ SPORTS EPA 日本水産(株)
脂肪
9点
「脂肪」減少 に関わるα-リノレン酸の働きは主に次です。
- 中性脂肪低下作用
オメガ3脂肪酸には血中中性脂肪を減らす作用があります。 - 脂質代謝改善
オメガ3脂肪酸は脂質の代謝を改善させる作用があります。体内に蓄積された脂肪(内臓脂肪や皮下脂肪)を減らすことに対しても有効な成分です。 - GLP-1分泌促進
GLP-1は代表的なインクレチンです。GLP-1は消化官内に栄養素が流入すると消化官粘膜上皮から分泌されます。
GLP-1を分泌させることは肥満予防につながります。理由は以下です。
◆血糖値の上昇を抑える
GLP-1はすい臓に作用し【血糖値を下げる】インスリンの分泌を促進させます。また【血糖値を上げる】グルカゴンの分泌を抑制します。
なおGLP-1のインスリン分泌促進作用は血液中のグルコース濃度の上昇に応じて行われます。
つまり血糖値が高い場合のみインスリンの分泌を増やします。◆胃からの排出物を遅くする
GLP-1には摂取した食物の胃からの排出を遅らせる作用があります。この作用により糖が腸でゆっくりと吸収されるようになります。なのでGLP-1を活発に分泌させれば食後の血糖値の上昇がゆるやかになります。その結果、食事をしても太りにくくなります。◆食欲を抑える
脳の視床下部には、空腹を感じる「摂食中枢」と満腹を感じる「満腹中枢」が存在します。摂食中枢が刺激されれば空腹感を、満腹中枢が刺激されれば満腹感を感じるようになります。GLP-1が多く分泌されると満腹中枢が刺激されます。満腹感を高め、食欲を抑える作用があります。オメガ3脂肪酸(EPA)は痩せるホルモン「GLP-1」の分泌を促進させる働きがあります。
α-リノレン酸の働き分析【中身編】
合計 48/60点
身体
8点
「身体」の構成材料 に関わるα-リノレン酸の働きは主に次です。
- 細胞膜やホルモンの原料
オメガ3脂肪酸は細胞膜やホルモンの原料として活躍しています。α-リノレン酸は体内では合成できない必須脂肪酸のため食事などにより外から取り入れる必要があります。
α-リノレン酸は生体内でEPAやDHAに代謝されます。
実際、摂取する総オメガ3脂肪酸量の6割はα-リノレン酸が占めるとされ、α-リノレン酸の不足がEPAやDHAにも影響を及ぼします。
EPAやDHAの前駆体となるα-リノレン酸を意識して体内に取り入れることは重要です。
エネ
8.5点
「エネルギー」生成 に関わるα-リノレン酸の働きは主に次です。
- エネルギー源
脂質は3大栄養素の中で一番のエネルギー源となります。1gあたり9kcalのエネルギーを産生します(糖質、たんぱく質は1gあたり4kcalです)。
脂質のうち脂肪酸がエネルギー源として利用されます。オメガ3脂肪酸も当然ですが、エネルギー源として利用されます。
またオメガ3脂肪酸は細胞膜のリン脂質にとりこまれて細胞膜の原料となり脳などの神経組織で活躍します。
さらに受容体のリガンド・生理活性物質の前駆体としてシグナル分子の役割も果たしています。オメガ3脂肪酸のなかでは主にα-リノレン酸が「エネルギー源」として、EPAやDHAが「細胞膜」や「生理活性物質」として貢献していると考えられます。
病気
9点
「病気」予防 に関わるα-リノレン酸の働きは主に次です。
- 動脈硬化
オメガ3脂肪酸には血中の中性脂肪を減らす作用や血管をしなやかにする作用があります。その摂取は動脈硬化予防になります。 - 心臓病
オメガ3脂肪酸には、抗炎症作用、抗不整脈作用があります。その摂取は心臓病の予防にもなります。実際、厚生労働省の研究によりオメガ3脂肪酸(DHA)の摂取が心臓病のリスクを低下させることが確認されています。
ドコサヘキサエン酸(DHA)など魚介類に含まれる不飽和脂肪酸を日頃から多く食べれば、脳卒中や心臓病など循環器系疾患で死亡する恐れが少なくなる-。こんな研究結果を、厚生労働省の研究班が24年間にわたる追跡調査で突き止めた。
引用元
「頭が良くなる」どころか!DHA、EPAで脳卒中、心臓病の死亡リスク2割低下 厚労省研究班調査
産経ニュース (株)産経新聞社※オメガ3脂肪酸の摂取は心臓病の予防にならない説もございます。
- がん
必須脂肪酸のオメガ6脂肪酸とオメガ3脂肪酸は、体内で拮抗するように働きます。 オメガ6系は血液を凝固させたり、炎症を促進したりする働きがあります。オメガ3系は、血液の凝固や炎症を抑えたりする働きがあります。がんは慢性的な炎症状態の継続とも考えられます。
なので炎症を促すオメガ6脂肪酸は細胞のがん化やがん細胞の増殖を促す働きがあり、炎症を抑えるオメガ3脂肪酸はがんの発症を抑制する働きがあると捉えることができます。※オメガ3脂肪酸が過剰に、オメガ6脂肪酸が不足になるのもよくありません。摂取バランスが重要となります。
体質
8点
「体質」改善 に関わるα-リノレン酸の働きは主に次です。
- 抗アレルギー
オメガ3脂肪酸のEPA・DHAは炎症性脂質メディエーターの前駆体「アラキドン酸」代謝系と拮抗的に働くことで抗炎症作用を発揮します。
またEPA代謝物レゾルビン、DHAの代謝物プロテクチンには抗炎症作用があります。
さらにいうとEPAの代謝物17,18-EpETEには抗アレルギー作用があります。オメガ3脂肪酸のα-リノレン酸はEPAやDHAの前駆体です。α-リノレン酸の摂取はアレルギー性疾患の改善につながります。
参照
1日スプーン1杯の「アマニ油」でアレルギー予防の可能性 産経デジタル IZAイザ - 関節
抗炎症作用を有するオメガ3脂肪酸は関節痛や関節リウマチの炎症を抑制する効果があるとされています。 - 冷え性
血液には栄養素や酸素だけでなく熱を運ぶ役割があります。オメガ3脂肪酸には血流を改善する働きがあります。それにより熱を末端まで運ぶのを手助けします。「熱」が手足の隅々まで流れることで冷え性の予防・改善につながります。 - 視力
網膜のリン脂質にオメガ脂肪酸(DHA)が豊富に含まれています。
網膜の正常な発達&機能とロドプシンの再生にオメガ脂肪酸(DHA)が深く関わっていると示唆されています。
精力
8点
「精力」増強&「性機能」向上 に関わるα-リノレン酸の働きは主に次です。
- 生理痛
オメガ3脂肪酸(EPA)を多く採っている女性は生理痛が軽いという研究結果が出ています。それはオメガ3脂肪酸(EPA)が生理痛の原因物質であるプロスタグランジンの働きを和らげるからです。 - 女性の妊活
研究によりオメガ3脂肪酸の摂取量が多いほど妊娠率、出産率が高まることが判明されています。リンク - 男性の妊活
オメガ3脂肪酸の不足は精子の運動機能の低下に関係しているとされています。
- 赤ちゃんの栄養素
オメガ3脂肪酸(DHA)は赤ちゃんの脳や網膜に多く含まれています。赤ちゃんの脳・目の発達にとって大事な栄養素です。
健脳
6.5点
「脳」の健康 に関わるα-リノレン酸の働きは主に次です。
- 記憶力
脳の発達や健康維持に欠かせないのがオメガ3脂肪酸(DHA)です。オメガ3脂肪酸(DHA)の摂取は記憶力や学習能力の向上につながります。 - 認知症
オメガ3脂肪酸の摂取は認知機能低下を抑制するとされています。「魚を食べると認知症のリスクを低下させる」は有名な話です。 - うつ病
オメガ3脂肪酸の摂取はうつ病の予防になるとされています。n-3系脂肪酸の摂取量で4つのグループに分け、最も摂取量が少ないグループに比べた時の、その他のグループでのうつ病のリスクを調べました。その結果、1日に57g(中央値)魚介類を食べるグループと比較して、1日に111g(中央値)魚介類を食べるグループでうつ病リスクの低下がみられました。
引用元
魚介類・n-3不飽和脂肪酸摂取とうつ病との関連について
国立がん研究センター社会と健康研究センター予防研究グループ - 恐怖記憶
マウス実験によりオメガ3脂肪酸の摂取は恐怖記憶(恐怖体験について思い出したときの怖いという感覚)を和らげることが確認されています。参照
脂肪酸の摂取バランスが恐怖記憶に影響 独立行政法人 国立精神・神経医療研究センター
脳内にある総脂肪酸量のうちDHAが11~15%を占めているのに対して、α-リノレン酸やEPAは0.2%に過ぎない(EPAに関してもっと低いといわれています)とされています。
そのため脳内に存在しているオメガ3脂肪酸のうち約97%~はDHAとされています。
また神経細胞にはDHAを合成する不飽和酵素が欠損しているため、脳内の大半のDHAは食事由来とされています。
オメガ3脂肪酸が一括りにされて脳に良いとされていますが、オメガ3脂肪酸の脳に対する働きはDHAによるところが大きいと捉えてください。
α-リノレン酸のサプリメント紹介
フラックスオイルは、オメガ3脂肪酸、アルファ – リノレン酸(ALA)の自然宿主です。ALAは、体が他の脂肪から作ることができず食事からそれを得なければならないことから、必須脂肪酸と考えられています。フラックスオイルは、心臓血管の健康をサポートし、健康な皮膚の維持を促進することが示されています。それはまた、心臓血管の健康維持におけるALAの役割に寄与するフェノール化合物であるリグナンにも豊富に含まれています。
毎食分は、以下の自然に発生する分量の多価不飽和脂肪および一価不飽和脂肪も含んでいる可能性があります:リノレン酸(オメガ-3)55%; リノレン酸(オメガ-6)14%; オレイン酸(オメガ-9)19%; その他(飽和)12%。
引用元
Now Foods, High Lignan フラックスオイル、1000 mg、ソフトジェル 120 粒
iHerb.com
植物のPerilla frutescens (荏胡麻)から抽出されたエゴマ油は、アルファリノール酸 (ALA)の豊かな供給源です。ALAはオメガ-3 脂肪酸 EPAとDHAの前駆体です。ALAはその効能がフィッシュオイルに似ていますが、不快な後味がありません。ALAは、心臓血管系、免疫系、肌、脳、関節など多くの臓器と体のシステムの健康をサポートします。人と動物の実験で、ALAを多く含む食事と胸部と結腸の健康に関係することが示されています。
引用元
Source Naturals, エゴマ 油, 1000 mg, 90ソフトジェル
iHerb.com
α-リノレン酸のまとめ
分析【見た目編】39点
分析【中身編】48点
α-リノレン酸 アレルギー性疾患の改善 参照一覧
食品安全関係情報詳細 資料管理ID syu03111780188 食品安全委員会 食品安全総合情報システム HP
植物及び海洋由来のオメガ3脂肪酸の相乗効果で死亡率が低下! カルフォルニアくるみ協会 HP
化学と生物 Vol.55 (2017) No.1
食物アレルギーの発症における食用油クオリティの影響 日本農芸化学会 HP
1日スプーン1杯の「アマニ油」でアレルギー予防の可能性 産経デジタル IZAイザ HP
油脂の脂肪酸組成表 カネダ(株)HP