D-アスパラギン酸 テストステロンの産生を促進

D-アスパラギン酸

D-アミノ酸の1種

 

D-アスパラギン酸とは

D-アスパラギン酸について

  • アミノ酸はその構造にアミノ基(-NH₂)とカルボキシル基 (-COOH)両方の官能基を持つ有機化合物の総称をいいます。
  • たんぱく質を構成するアミノ酸は正確にいうとα-アミノ酸です。1つの炭素(α炭素)にアミノ基とカルボキシル基が結合したものがα-アミノ酸です。
  • アミノ酸は立体構造が左右対称なL型とD型を持つ光合異性体です。L型とD型は側鎖は同じですが、α炭素からみて左手と右手のような左右対称の関係です。


    ※左右対称のイメージです。この構造に深い意味はありません。

  • たんぱく質を構成する20種類のアミノ酸のうちグリシン以外の19種類がL型、D型両方持ちます。

  • 体たんぱく質を構成するアミノ酸はL型です。

  • 生体中に存在するアミノ酸のうちD型はほとんど存在しない、例えあっても大した生理機能を持っていないその他云々の理由でD型はアミノ酸の研究の対象にはあまりなりませんでした。
  • 近年、研究が進みD-アミノ酸(及びその代謝や合成に関わる酵素)のいくつか生体内のさまざまな組織に存在し多様な生理機能をもっていることが判明しつつあります。
  • 「いくつか」の代表ともいえるのがD-アスパラギン酸です。
  • D-アスパラギン酸は体内で生合成されていることが示唆されています。
    ※ただし合成経路の詳細は不明です。

  • 遊離型のD-アスパラギン酸は脳、精巣に多く存在しています。
  • とくに精巣ではアスパラギン酸の総量の2/3がD-アスパラギン酸といわれています。
  • D-アスパラギン酸の生理作用としてテストステロンの産生促進コラーゲン繊維束の形成を促進プロラクチンの分泌促進などが挙げられます。

D-アスパラギン酸の補足

  • D-アスパラギン酸を含めたD体のアミノ酸が多く含まれている食品は発酵食品です。
    チーズ、ヨーグルト、日本酒、ビール、ワイン、バルサミコ酢、米酢、黒酢などに含まれています。
  • 個人的におすすめなのは黒酢です。自身も黒酢からD-アミノ酸(D-アスパラギン酸)を取り入れています。
    D-アミノ酸は体内にも存在する成分で、美容・健康食品では資生堂だけが使用している成分です。
    一般的に販売されている黒酢、玄米黒酢、もろみ酢、果実酢などにもD-アミノ酸は含まれていますが、同じ黒酢でもその含有量は異なります。

    引用元
    D-アミノ酸について教えてください。
    (株)資生堂

  • D-アミノ酸(D-アスパラギン酸)を黒酢からできるだけ多く取りたいと考えた場合、「カメ壺露天醸造法」の玄米黒酢を取ることをお勧めします。
    .
    資生堂によると、通常のと比べ 含有量が違うとのことです。

    黒酢のふるさと鹿児島県の中でも、創業200余年を誇る重久盛一酢醸造場の一年熟成の玄米黒酢に美容アミノ酸(D-アミノ酸)がバランスよく豊富に含まれていることを発見。「綺麗のススメ」にたっぷり配合しました。

    江戸時代からの伝統製法「カメ壺露天醸造法」で丁寧に作られる玄米黒酢

    引用元
    綺麗のススメ
    Healthy Beauty Park 資生堂ビューティーフーズ

 

摂取量について

推奨・目安摂取量は定められていません。

 

D-アスパラギン酸の効果・効能

D-アスパラギン酸の効果・効能 5つ厳選

  1. テストステロンの分泌を促進
  2. コラーゲン繊維束の形成を促進
  3. メラトニンの合成を抑制
  4. プロラクチンの分泌を促進
  5. オキシトシン・バソプレシンの産生調節

 

 

そのうち1つを詳しく

①テストステロンの分泌を促進

D-アスパラギン酸は精巣に多く存在しています。精巣での全アスパラギン酸の約40%がD-アスパラギン酸といわれています。

D-アスパラギン酸はライディッヒ細胞内でテストステロンの産生を亢進させます。

ライディッヒ細胞 

精巣の精細管の付近に認められる細胞です。テストステロンを放出します。

 

テストステロンについて簡単にまとめます。

テストステロン
男性ホルモン(アンドロゲン)の一種 

【どこから合成&分泌】
・男 精巣(約95%) 副腎(約5%)

・女 卵巣&副腎で ただし分泌量は男性と比べて約5~10%

※最近の研究により脳の「海馬」でも合成されていることが判明されています。

【なにから合成】
コレストロール

【合成メカニズム】
精巣パターン

  1. 脳の視床下部より GnRH(性腺刺激ホルモン放出ホルモン)が分泌
    →脳の下垂体に働きかける

  2. 脳の下垂体より LH(黄体化ホルモン)が分泌 
    →精巣に働きかける
  3. 精巣よりテストステロンが分泌 

 

副腎パターン

  1. 脳の視床下部より CRH(副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン)が分泌
    →脳の下垂体に働きかける

  2. 脳の下垂体より ACTH(副腎皮質刺激ホルモン)が分泌
    →副腎に働きかける
  3. 副腎よりテストステロンが分泌

 

【どこに分泌】
血液中

【血中のテストステロンの内訳】
総テストステロンを100%とすると

  • 遊離型テストステロン 1~2%
  • アルブミン結合型テストステロン 25~65%
  • SHBG結合型テストステロン 35~75%

活性をもつのが遊離型
弱い活性をもつのがアルブミン結合型
活性をもたないのがSHBG結合型

加齢とともに遊離型が減り、SHBG結合型が増えるといわれています。

【どうしたら作用】
標的器官の細胞質や核内にある
アンドロゲン受容体と結合すると

【作用パターン】

  • テストステロンとして
  • ジヒドロテストステロンとして
    変換に関わる酵素 5αリダクターゼ
  • エストロゲンとして
    変換に関わる酵素 アロマターゼ

 

テストステロンは標的器官にある「酵素」により変換されます。テストステロンとその代謝物により作用は異なりますが、ここでは基本的にすべて「テストステロン」の作用として一緒くたにします。なおジヒドロテストステロンは薄毛項目、エストロゲンは病気項目で別途触れています。

【体内のテストステロンの働き】

  • 筋肥大
    筋肉(たんぱく質)の同化作用を高めます。
  • 精力UP性機能改善
    性欲の維持に関わります。造精機能を促進します。
  • 骨格の形成骨粗鬆症予防
    骨の代謝に関与します。
  • 認知症予防
    テストステロンは脳の認知機能に深く関わっています。アミロイドβの蓄積を抑える作用があるとされています。
  • 男性更年期障害の予防
    男性の更年期障害(やる気がでない、イライラ、よく眠れない・etc)とは、加齢やストレスなどより血中のテストステロンの低下することにより発症します。
    なお男性の更年期障害は医学上はLOH症候群(加齢男性性腺機能低下症候群)と呼ばれています。
  • 肥満予防
    テストステロンと内臓脂肪は逆相関の関係です。テストステロン値が低下すると内臓脂肪が増加します。
  • 動脈硬化予防
    テストステロンには血管を拡張し、血流を良くする働きがあります。
  • 長寿
    テストステロンはサーチュイン遺伝子のスイッチを入れると言わています。

 

精巣にてテストステロンの産生を亢進するD-アスパラギン酸には体内のテストステロンの働きを高めるテストステロンの上記した効果を得られる)ことが期待できます。

とくに上2つ筋肥大精力UP&性機能改善は大いに期待できそうです。
というのもD-アスパラギン酸のサプリは海外では「テストステロンブースター」として、主に「力強い肉体作り」と「ナイトライフの強力サポート」を目的とし販売されているからです。

 

スポンサードリンク

 

 

D-アスパラギン酸の働き分析【見た目編】

合計 40/60点

カテゴリー別 点数

薄毛 4点

白髪 5点

美肌 8点

美白 6点

筋肉 9.5点

脂肪 7.5点

 
 

薄毛

4点

「薄毛」改善 に関わるD-アスパラギン酸の働きは主に次です。

  1. 頭皮環境
    資生堂の研究によりD-アスパラギン酸にコラーゲンへの作用があることが証明されました(詳細は美肌項目にて)。コラーゲンは頭皮にハリ・潤いを与え、健康な頭皮環境を作り出すことに貢献します。

 

マイナス?ポイント 

テストステロン自体は薄毛の原因になりませんが、テストステロンの活性型であるDHT(ジヒドロテストステロン)はがっつり「AGA(男性型脱毛症)」の原因になります。
DHTがAGAの原因となる理由は次です。


DHTが毛乳頭細胞にある男性ホルモン受容体(アンドロゲンレセプター)に結びつく
と「TGF-β」いう因子を産生します。

髪は毛母細胞が細胞分裂を繰り返すことで生まれ伸びていきますが、TGF-βは毛母細胞の細胞分裂を抑制する働きをしてしまいます。その結果、髪のヘアサイクルの成長期が短くなりAGAが発症します。

このような理由からTGF-βは脱毛促進因子と呼ばれています。

 

テストステロン→DHTに変換させるのは5αリダクターゼと呼ばれる酵素です。頭皮(毛包の細胞質)にある5αリダクターゼが活性されると頭皮にDHTが増えて、毛根に作用し、上記した流れになり薄毛が進行してしまいます。なのでAGA治療薬は主に5αリダクターゼの活性を阻害することを目的としています。

さて冒頭でもいいましたが、テストステロン自体は薄毛につながりません。ただしテストステロンを体内で増やすことは理論的にはDHTも増やすことにはなります。
そう考えるとテストステロンの産生を促すD-アスパラギン酸の摂取は薄毛になる確率をわすかでもあげることになります。

一方で、テストステロンの減少はDHTを増やすともいわれています。減少したテストステロン分の働きを活性を高めること(=DHTに変換させる)で補うというメカニズムが体内に生まれるからとされています。この点からいくとテストステロンの産生を促すD-アスパラギン酸の摂取は薄毛予防になると考えられます。

どちらが正しいかは、ここではっきりいうことはできません。

個人的な考えとしては
「D-アスパラギン酸を取ったところで薄毛につながることはない、人によったら薄毛予防になる可能性もある。だけど、D-アスパラギン酸をわざわざ薄毛予防のために取る必要はない。」
です。

 

白髪 

5

「白髪」予防 に関わるD-アスパラギン酸の働きは主に次です。

  1. コラーゲン
    こちらの記事によるとコラーゲンの不足は白髪につながることが判明しています。

    毛根の17型コラーゲンが不足すると若いうちから白髪や脱毛を引き起こすという。

    引用元
    白髪や脱毛、原因は特定コラーゲン不足 東京医科歯科大など解明 
    日本経済新聞 


    ただし、この記事の「コラーゲン」は我々に身近なⅠ型やⅡ型あるいはⅢ型といった【皮膚や軟骨に多く存在するコラーゲン】のことではなく、17型といった特殊なコラーゲンのことです。
    コラーゲンには28~29種類(型は19種類)あるとされます。

    17型コラーゲンはⅠ型コラーゲンなどと違う性質(膜貫通性コラーゲン)のためサプリメントなどでは販売されていません。また体内で17型コラーゲンの発現を増やす方法(成分)なども不明です。

    薄毛項目に記載した通り研究によりD-アスパラギン酸にコラーゲンへの作用があることが証明されています。が、この作用はⅠ型に関してです。

    17型コラーゲンに対するものではないのですが・・・「もしかしたら」の可能性は・・・
    たぶんないのですが、「コラーゲン」を大きな括りで捉えた場合、関係なくはないと考えたためここに記載しました。

    いずれにせよⅠ型コラーゲン繊維束の形成を促進するD-アスパラギン酸は頭皮環境を改善します。白髪予防にマイナスに働くことはありません。

美肌

8点

「美肌」作り に関わるD-アスパラギン酸の働きは主に次です。

  1. コラーゲン
    コラーゲンは真皮層において肌のハリや弾力を保つのに重要な役割を担っています。

    ※薄い紫色をしたひし形の線がコラーゲンです。つなぎ目にある濃い紫色の線がエラスチンです。

    D-アスパラギン酸には真皮のⅠ型コラーゲン繊維束の形成を促進する効果があります。

    肌のハリに重要な役割を持つ真皮(Ⅰ型)コラーゲン線維に D-アスパラギン酸を添加すると、無添加のものに比べて線維が太くしっかりとすることがわかり、D-アスパラギン酸に真皮(Ⅰ型)コラーゲン線維束形成の促進効果があることを、世界で初めて発見しました。

    引用元
    世界初、D-アスパラギン酸にコラーゲン線維束形成を促進する効果を発見
    (株)資生堂

    これまで資生堂は、食品科学や皮膚科学の分野において下記を明らかにしてきました。

    ■食品科学分野
    ○ 特定の発酵食品において D-アミノ酸が多く含まれること。

    ■皮膚科学分野
    ○ ヒトの体内に存在する D-アミノ酸のうち、皮膚の真皮では遊離 D-アスパラギン酸※5の濃度が他の組織と比べて高いこと。
    ○ 角層中の遊離 D-アスパラギン酸の量が加齢によって減少すること。
    ○ D-アスパラギン酸は美肌効果(真皮線維芽細胞に対するコラーゲン産生促進効果・抗酸化効果)を発揮すること。

    今回の研究成果では、先進的なD-アミノ酸研究と30年以上にわたる肌のコラーゲン研究とを融合させ、皮膚内に存在する遊離 D-アスパラギン酸が若々しい肌に重要な因子であることがわかりました。

    引用元
    世界初、D-アスパラギン酸にコラーゲン線維束形成を促進する効果を発見
    (株)資生堂

    なお体内に存在するD-アミノ酸のうち、コラーゲンへの作用が科学的に証明されたのはD-アスパラギン酸だけとのことです。

  2. テストステロン
    テストステロンには皮脂腺を刺激し、皮脂の分泌を促す作用があります。なのでテストステロンを増やすことは皮膚の潤いを保つ効果が期待できます。D-アスパラギン酸はテストステロンの産生を促します。

 

マイナスポイント 

皮脂の分泌が活発になると、顔が脂っぽくなったりニキビができやすくなります。肌のテカリやギトギト、ニキビに悩んでいる方にとってはテストステロンが増えることはプラスにはなりません。


 

 

美白

6

「美白」ケア に関わるD-アスパラギン酸の働きは主に次です。

  1. 抗酸化作用
    美肌項目にて抜粋した資生堂の「D-アスパラギン酸」のプレスリリースをもう一度ご覧ください。

    そのうち下記部分の3番目のに注目してください。

    ■皮膚科学分野
    ○ ヒトの体内に存在する D-アミノ酸のうち、皮膚の真皮では遊離 D-アスパラギン酸※5の濃度が他の組織と比べて高いこと。
    ○ 角層中の遊離 D-アスパラギン酸の量が加齢によって減少すること。
    ○ D-アスパラギン酸は美肌効果(真皮線維芽細胞に対するコラーゲン産生促進効果・抗酸化効果)を発揮すること。

    引用元
    世界初、D-アスパラギン酸にコラーゲン線維束形成を促進する効果を発見
    (株)資生堂

    .美肌項目ではコラーゲン作用のみに焦点をあてていましたが、これを読むとD-アスパラギン酸は抗酸化作用も有することもわかります。

    メラニンは活性酸素の攻撃から肌の細胞を守るために作られます。体内に活性酸素が過剰に発生するとメラニンはたくさん作られてしまいます。


    ※活性酵素→活性酸素に訂正

    その結果、メラニンが上手く排出されずシミとなって肌の表面に現れてしまいます。
    シミを防ぐには活性酸素を除去する抗酸化物質をとることが重要となります。抗酸化作用を有するD-アスパラギン酸には美白効果も期待できるといえます。

筋肉

9.5

「筋肉」増強 に関わるD-アスパラギン酸の働きは主に次です。

  1. テストステロン
    テストステロンは男性ホルモンの一種で主に精巣で生成されます。9割以上が精巣で残りは副腎から生成されます。
    テストステロンは筋肥大を誘発するホルモンとして有名です。分泌されると筋肉の量と強度の維持に大きく貢献します。

    D-アスパラギン酸にはテストステロンの生成を促進する効果があるとされています。
    臨床実験(D-アスパラギン酸の投与)によりテストステロン値を上げることが確認されています。

 

脂肪

7.5点

「脂肪」減少 に関わるD-アスパラギン酸の働きは主に次です。

  1. 肥満予防(by テストステロン)
    テストステロンと内臓脂肪は逆相関の関係です。テストステロン値が低下すると内臓脂肪の増加します。つまりテストステロンが増えると脂肪が燃えやすくなることになります。
    テストステロンの分泌を活発にさせるD-アスパラギン酸の摂取は肥満予防にもなります。
  2. 肥満予防(by オキシトシン)
    下垂体後葉からは2種類のホルモン(オキシトシンとバソプレシン)が分泌されています。


    オキシトシンの主な生理作用は

    ①射乳(乳腺の筋肉を収縮させて、乳汁を排出を促す) 

    ②子宮収縮
    (分娩時に子宮を収縮させる)

    .

    バソプレシンの主な生理作用は

    ①血圧調節(腎臓に働き、水分調整の働きをする)

    .
    です。

    D-アスパラギン酸にはオキシトシン・バソプレシンの産生を調節する
    働きがあります。

    BSプレミアム「美と若さの新常識」で以前放送された「世界が注目!オキシトシン美容パワー」の回ではオキシトンにはダイエット効果【オキシトシンを投与したマウスは、およそ20%も内臓脂肪が減ってる】があるといった内容が含まれていました。

    世界が注目!オキシトシン美容パワー

    放送日 2018年 11月13日
    放送局 NHK BS
    番組HP 美と若さの新常識

    放送内容
    美肌&ダイエットに効くオキシトシン

    D-アスパラギン酸には「テストステロン産生促進」を介してのみならず「オキシトシン産生調節」を介しての肥満予防効果も見込めるかもしれません。

 

スポンサードリンク

 

D-アスパラギン酸の働き分析【中身編】

合計 41.5/60点

カテゴリー別 点数

身体 6点

エネ 6.5点

病気 5点

体質 8点

精力 9点

健脳 7点

 

身体

6

「身体」の構成材料 に関わるD-アスパラギン酸の働きは主に次です。

  1. コラーゲン
    人間の体を構成しているたんぱく質のうち30%はコラーゲンでできています。体内にあるコラーゲンのうち、約40%が皮膚に、骨・軟骨に約10~20%、血管に約7~8%が存在しています。

    コラーゲンの体内構成比率
    コラーゲンの体内構成比

    ※%はおおよそです。
    体内に存在するD-アミノ酸のうち、皮膚の真皮ではD-アスパラギン酸(遊離)の濃度が他の組織と比べて高いことがわかっています。そしてコラーゲンの形成に関与しています。
    そう考えるとD-アスパラギン酸も身体を構成している成分の1つにカウントしてもいいかもしれません。

 

エネ

6.5点

「エネルギー」生成 に関わるD-アスパラギン酸の働きは主に次です。

  1. 脂肪から
    脂肪項目で記載しましたがテストステロンは抗肥満作用があります。この抗肥満作用は脂肪燃焼に関与することでももたらされるものです。
    脂肪燃焼とは脂肪からエネルギーを生成することです。

病気

5点

「病気」予防 に関わるD-アスパラギン酸の働きは主に次です。

  1. テストステロン関連
    テストステロンは若返りのホルモンの1つと位置づけられ、さまざまな病気予防に効果を発揮します。
    その予防効果は動脈硬化や糖尿病や骨粗鬆症といった病気からメタボやサルコペニアまで幅広いといえます。

    D-アスパラギン酸はテストステロンの分泌を活発にさせる働きがあります。

    骨粗鬆症について

    骨代謝にはエストロゲンの働きが重要です。男性の骨粗鬆症の主な原因はテストステロンの低下によるエストロゲンの減少とされています。テストステロンは基本、酵素アロマターゼの働きによりエストロゲンに変換されてから骨代謝に作用すると考えられます。

 

マイナス?ポイント 

加齢・活性酸素などの影響により、体内のたんぱく質中のL-アスパラギン酸がD-アスパラギン酸に変わるとたんぱく質の機能低下を引き起こし「老化をもたらす」とされています。
体内のたんぱく質を構成しているL体のアルギニン酸がD体化する(L-が減ってD-アスパラギン酸が増える)ことがあり、それが老化現象を引き起こすようです。
特に有名なのが水晶体と脳で、そこでアスパラギン酸がD体化すると それぞれ水晶体→白内障、脳→アルツハイマー病の原因になるとされています。

 

参考 
老化のメカニズム 京大・藤井紀子教授が解明 -白内障で目が濁るのはアミノ酸の変化が原因-
国立研究開発法人 科学技術振興機構HPより

成分情報 アスパラギン酸 わかさ生活HPより

※正直言うとちょっと内容が難しく私自身も理解できていません。
なおこのレビューで言及しているD-アスパラギン酸は遊離型です。

 

体質

8点

「体質」改善 に関わるD-アスパラギン酸の働きは主に次です。

  1. 男性の更年期障害
    男性の更年期障害(やる気がでない、イライラ、よく眠れない・etc)は、加齢やストレスなどより血中のテストステロンが低下することにより発症します。
    テストステロンの産生を促すD-アスパラギン酸は男性の更年期障害予防になると考えられます。
  2. 長寿
    人の細胞には老化や寿命をつかさどる長寿遺伝子サーチュイン(Sirtuin=SIRT1)が存在しています。通常はこのSIRT1は眠っている状態で働く事はありません。言うなれば普段はスイッチがオフの状態になっています。

    このオフになっているスイッチをオン(活性化)させることで老化を遅らせることができ寿命を延ばせることにつながるとされています。

    このスイッチをいれるのが運動レスベラトロール、そしてテストステロンとされています。

    逆にテストステロンが増えると寿命が延びる。「サーチュインという長寿遺伝子があり、運動、レスベラトロール(ポリフェノールの一種)、そしてテストステロンによってスイッチが入ることが分かっています」

    引用元 
    男性の健康左右するテストステロン 仕事力にも影響
    日経Gooday 30+  NIKKEI STYLE 

    テストステロンの産生に関わるD-アスパラギン酸も「長寿」に少なからず関与しているといえます。

 

精力

9点

「精力」増強&「性機能」向上 に関わるD-アスパラギン酸の働きは主に次です。

  1. テストステロン
    テストステロンは脳の指令を受けると主に精巣で産生され、血液中に分泌されます。標的器官の細胞質にあるアンドロゲン受容体に結合するとその作用を発揮します。

    性関連でいうと

    ◆精力増強  
    性欲・性衝動を起こす

    ◆性機能   
    勃起力が高まる 
    精子の形成に関与

    といった働きをします。

    D-アスパラギン酸はテストステロンの産生に関わります。男性の性の悩み解決やナイトライフの充実に大きく貢献する成分です。

  2. プロラクチン
    プロラクチンとは脳下垂体前葉の好酸性細胞から分泌されるホルモンです。


    プロラクチンは乳腺を刺激し、乳汁の産生・分泌を調整します。
    女性の場合、妊娠すると分泌量が増え(プロラクチン値が高くなり)、排卵を抑制し母乳の分泌を促す作用があります。

    D-アスパラギン酸はプロラクチンの分泌を促進させます。

    ※妊娠や産褥期(妊娠中の身体から妊娠前の元の身体へと戻っていく時期)には血中プロラクチン値は高くなります。この時期以外に高値をとる場合は異常とみなされます。不妊の原因となる場合もあります。
    男性で血中プロラクチン値が上昇すると性欲減退したりED(勃起不全)になったりします。

 

健脳

7

「脳」の健康 に関わるD-アスパラギン酸の働きは主に次です。

  1. 記憶・学習
    D-アスパラギン酸はNMDA受容体のL-グルタミン酸結合部位にアゴニストとして結合し、この受容体を活性化します。

    参照
    哺乳類における遊離型 D-アスパラギン酸の生化学 
    D-アミノ酸学会誌 D-アミノ酸学会

    NMDA受容体

    グルタミン酸受容体は大きくわけてイオンチャンネル型と代謝活性型の2種類があります。イオンチャンネル型はさらにNMDA受容型と非NMDA受容型(AMPA受容型・カイニン酸受容型)に別れています。NMDA受容体は興奮性アミノ酸の受容体で、記憶や学習に深く関与しているいわれています。

    リガンド

    特定の受容体に特異的に結合する物質のことです。受容体に結合し、受容体を活性化させます。リガンドの例としてホルモン、神経伝達物質などがあげられます。
    内因性のリガンドは体内で産生され、その体内の受容体に結合するものです。
    外因性のリガンドとは体外から取り込まれ、体内でリガンドとして働くもののことをいいます。

    受容体に結合しリガンドと同じように作用(受容体を活性化)する物質をアゴニスト
    受容体に結合しリガンドの働きを弱める物質をアンタゴニスト
    といいます。
  2. テストステロン
    脳細胞が活動したときにアミロイドβという老廃物が溜まります。アミロイドβの蓄積はアルツハイマー病認知症の発症原因の一つとされています。
    テストステロンにはアミロイドβの蓄積を抑える作用があるとされています。D-アスパラギン酸はテストステロンの産生を促します。

    参照 男性ホルモンは「認知症」にもパワーを発揮  (株)日経BP

 

スポンサードリンク

 

 

D-アスパラギン酸のサプリメント紹介

 
D-アスパラギン酸がメイン成分のサプリメントを紹介します。
 
ALLMAX Nutrition

ALLMAX Nutritionは水に溶ける形状のD-アスパラギン酸を提供しています。D-アスパラギン酸は、より数の多いL-アスパラギン酸のラセミ化した異性体です。人間を対象とした最近の臨床研究で、3.12 gのD-アスパラギン酸を経口で摂取すると、12日間で平均42%という大幅なテストステロンの増加が見られることが明らかになりました。ALLMAX NutritionはD-アスパラギン酸のエキスを独立させた商品を開発し、時間と周期を正確に管理して摂取することを可能にしました。

引用元
ALLMAX Nutrition, D-アスパラギン酸、3.53 oz(100 g)
iHerb.com

 

iHerb.comでも購入可能です。その際 iHerb紹介コード=ALH5806 ご利用いただけたら幸いです。iHerbでみるからiHerbへ飛んでいただくと、自動的にコード適応になります。

 

 

D-アミノ酸が含まれているゼリーを紹介します。

資生堂

資生堂は、もともと体内にありながら、その働きが長く解明されていなかったD-アミノ酸について、九州大学と共同研究を重ねてきました。

黒酢のふるさと鹿児島県の中でも、創業200余年を誇る重久盛一酢醸造場の一年熟成の玄米黒酢に美容アミノ酸(D-アミノ酸)がバランスよく豊富に含まれていることを発見。

「綺麗のススメ」にたっぷり配合しました。

引用元
綺麗のススメ
Healthy Beauty Park 資生堂ビューティーフーズ

 

 

D-アスパラギン酸のまとめ

分析【見た目編】40

分析【中身編】41.5

 

 

スポンサードリンク