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タンパク質のうち体の構造を維持するタンパク質を構造タンパク質と呼びます。
代表的な構造タンパク質は皮膚や軟骨などの組織を構成する「コラーゲン」と髪・肌・爪に含まれる「ケラチン」です。
ここで髪のケラチンにフォーカスします。
髪の約90%はケラチンでできています。
髪のケラチンのアミノ酸組成は次です。
ご覧の通り、シスチン(システインが2分子結合)が多くなっています。
頭髪は水分含有量にもよるが,その重量の65~95%がタンパク質でできており,構成アミノ酸には特にシスチンが多いことが特徴である。シスチンは二つのシステインがジスルフィド結合をしたものだが,タンパク質分子内で結合しているものと,分子間で架橋し巨大な網目構造形成に寄与しているものがある。
引用元
頭髪用製品とその作用
PDFページ 2/10
J-STAGE
ということで、ケラチンを増やしたい≒髪を増やしたい≒抜け毛を減らしたい ならば、その組成に多く含まれるシステインを取る ことは「理にかなったこと」といえます。
髪はケラチンからできていますが、このケラチンの材料となるのがLシステインで、システインが不足すると髪が細くなったり抜けやすくなると言われています。(看護師)
引用元
システインの育毛効果をUPさせたい!
Infoseekニュース
この理論はケラチンに限らず、コラーゲンにも当てはまります。
コラーゲンのアミノ酸組成は次です。
コラーゲンを構成しているアミノ酸のうち 多くを占めるもの(グリシンやプロリン)を取ることは、コラーゲンを「効率的に」増やすことにつながります。
というわけで、
髪の主成分ケラチンを増やしたければ、システインを取る
肌の主成分コラーゲンを増やしたければ、グリシンやプロリンを取る
これが「抜けにくい髪を生やす」や「健やかな美肌をつくる」のベースとなること と考えてください。
話を、メチオニンに移します。
メチオニンといえば肝機能を助けるアミノ酸で有名です。
肝臓以外に髪にも良いって話を聞いたことありませんか?
実はメチオニンには育毛効果があります。
この効果がかなりあることはその界隈(薄毛界)では有名です。
鶏の胸肉に含まれるメチオニンが不足すると薄毛や抜け毛の原因になるといわれています。近年は、男性型脱毛症の治療に関して注目されています。
引用元
髪の毛の生成を助ける食べ合わせ 鶏の胸肉+納豆、鮭+卵
NEWSポストセブン 小学館
メチオニンには育毛効果がある理由は ケラチンを合成する上で、メチオニンの存在が大切とされているからです。
特に重要なのは髪の主成分であるケラチンです。ケラチンは、18種類のアミノ酸から構成されていますが、中でも大切なのがメチオニンです。
引用元
医師に聞いた 薄毛予防にお勧めの酒のつまみ
日経Gooday 30+
とは言え、メチオニンって、髪のケラチンのアミノ酸組成に1%しか含まれていません。
1%しか含まれていないのにケラチンを合成する上で大切な存在って・・・いったいどういうこと?なんでしょうか。
理由は次です(次の説が考えられます)。
●メチオニンがタンパク質合成の開始アミノ酸としての役割を果たしている から。
通常の翻訳はメチオニン(に対応するコドンAUG)から開始されます。
DNAの塩基配列をRNAにコピーすることを転写といいます。
RNAの塩基配列をもとにアミノ酸を配列しタンパク質をつくる過程を翻訳といいます。
翻訳は 開始コドン【AUG】を起点としスタートしその後、3つの塩基を1セット=コドンとして1つのアミノ酸を指定していきます。終止コドン【UAA・UAG・UGA】まで来るとその前で終了します。
例
UUUUAUGGAAUG UUA UGU UGU CAU UGG UAGUUUUAU
AUG(メチオニン)は開始コドンの場合と通常のメチオニンの場合があります。開始コドンはタンパク質合成開始後に除去されます(多くの場合)。
標準遺伝暗号表
非極性アミノ酸は緑色、極性アミノ酸は黄土色、酸性アミノ酸は赤色、塩基性アミノ酸は青色で示している。
メチオニンは非極性アミノ酸だが、AUGコドンがタンパク質合成開始のために重要な役割を果たす「開始コドン」を兼ねているため、色を代えて示している。引用元
遺伝暗号は進化する
学科紹介 生命科学部
東京薬科大学
メチオニンは、からだの中でタンパク質をつくるとき必ずいちばんはじめに必要な必須アミノ酸です。これが不足すると、すべてのタンパク質合成に支障が出てしまうおそれが出ます。
引用元
必須アミノ酸と非必須アミノ酸
一般社団法人オーソモレキュラー栄養医学研究所
ケラチンもしかりです。
【ケラチンにわずか1%しか含まれていない】メチオニンが足りていないと、ケラチンタンパク質合成に支障をきたす可能性がでてきます。
メチオニンはいわば「アミノ酸の行列のリーダー」といえます。このリーダーの後に、さまざまなアミノ酸がくっついて、その配列によって髪になったり、爪になったりするのです。つまり「リーダー」がいないと、せっかく他のアミノ酸が足りている状態でも、効率よく髪などの組織になりづらい、というわけです。
引用元
髪と「食事」の密な関係
健康の雑学
元気通信 養命酒製造(株)
ということで、メチオニンには育毛効果があります。
これ逆からとったほうがいいかもしれません。
逆とは「メチオニンが不足すると抜け毛が増える」です。
ちなみに、ケラチンに一番多く含まれるアミノ酸 システインは体内ではメチオニンから生成されます。
メチオニンさえしっかり取っておけば、システインは必ずしも取る必要のないアミノ酸です。
※話の展開上 大げさに言っています。実際は取る必要はあります。
一方で、メチオニンは体内で合成できない必須アミノ酸です。
外から絶対に取らなければならないアミノ酸です。
この観点からも、メチオニンの存在は髪にとって重要といえそうです。
というわけで、メチオニンをしっかりと取る←これが薄毛予防の大前提となります。
食事からメチオニンをしっかりと取れているかどうか不安な方は、サプリから取るのもアリです。
メチオニン単体サプリでおススメなのがコレです。
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※レビューの内容について
→個人の見解です。