さてお兄さんの薄毛相談の解決方法を導き出したいと思います。初めにあやまっておきたいことがあります。この提案シリーズは前編、後編と2つにわけてお送りするはずだったのですが、なぜかこの薄毛の相談に関しては中編もあり、その中編もその1とその2がある(合計4記事)といったなめたことをしてしまいました。これは決して記事数を増やそうという下心からではありません。
いや本音を言うとちょっとはありましたが、やっぱりアンチエイジングのなかで最重要(私にとって)となる髪、薄毛の悩みを解決するにはたった2つの記事(前、後編)だけで終わらせることはできなかったです。
なのでこのようなヘンテコな構成(前編、中編1、中編2、後編)になってしまったことこの場を借りてお詫び申し上げます。
カッチーン
まあこっちも悪いので顔をあげてください。とにかく今回は後編で解決編でもあります。ちょっとその前に軽く復習をしましょう!
前回までの復習
成人男性の抜け毛の原因の9割がAGAと呼ばれるものです。AGAは男性型脱毛症と呼ばれるもので生え際や頭頂部の髪が薄くなっている状態のことをいいます。
生え際や頭頂部の髪が薄くなる原因は、体内にできたDHT(ジヒドロテストステロン)が生え際や頭頂部の毛母細胞の働きを弱めてしまうことで引き起こされます。弱まることでヘアサイクルの成長期の期間を短くなり、結果、髪がほそくやせ細って通常よりも早く髪が抜けてしまいます。
DHTは男性ホルモンテストステロンが酵素5αリダクターゼという酵素と結合することで生成される悪玉の男性ホルモンのことです。
そもそも髪がどのように生まれるのかをします。
髪の材料となる18種類のアミノ酸や栄養素(ビタミンとかミネラルとか)、酸素が毛細血管を通じて毛根にある毛乳頭に運ばれていきます。
毛乳頭はこれらを毛母細胞に受け渡し、髪を生み出すよう指令をだします。毛母細胞にある核酸がアミノ酸の組み立て作業をおこないケラチンというたんぱく質をつくります。ケラチンが作られた毛母細胞が細胞分裂を行い、上に上に上がっていきその過程で角化されることで毛髪となります。
つまり、毛乳頭が発毛や成長の指令をだし、その指令をうけた毛母細胞が細胞分裂することで髪が生まれ、分裂を繰り返すことで髪が成長していくことになります。
ただ毛乳頭は発毛、成長の指令以外にも脱毛の指令をだすことがあります。
それには先ほどでてきたDHTが関係してきます。
毛乳頭には栄養素や酸素の他にもテストステロンも運ばれ、そのテストステロンが毛乳頭にある酵素5αリダクターゼと結合してしまうことで悪玉男性ホルモンDHTに変わってしまいます。
生成されたDHTが毛乳頭にある男性ホルモン受容体(レセプター)と結びつき、TGF-βというたんぱく質の一種を作りだします。
このTGF-βは毛乳頭や毛母細胞の活動を抑制する因子です。脱毛因子や退行期誘導因子の別名をもっています。
毛乳頭に脱毛の指令をださせるのがこのTGF-βなのです。
もう少し具体的にいうと真の脱毛指令を出しているのはFGF-5という成長因子の一種です。このFGF-5がヘアサイクルの成長期から退行期へ切り替えるシグナルをだしています。TGF-βはこのFGF-5にこのシグナルを伝達する働きをしています。
成長期→退行期の移行スイッチがはいると毛母細胞が細胞分裂を行わなくなり髪が抜けていくことになります。
ここまでがだいたい前々回ぐらいまでの復習です。で次は前回の復習に入ります。
DHTが毛乳頭にある男性ホルモン受容体(レセプター)と結びつくことでTGF-βを生成するといいました。
結びつかなければ、作られないあるいは作られたとしても少なくてすみます。
脱毛の指令をだすTGF-β生成させないことが抜け毛予防の重要な課題となるわけです。
TGF-βをなるべく生成させないこととして考えられることが2点あってそれは
①DHTとレセプターと結びつくのを抑えること
②体内でDHTを増やさないことです。
①のDHTとレセプターを結びつきを抑えることは難しいことです。というのもレセプターが多いか少ないかは遺伝できまっておりこれを減らしたりすることはほぼ不可能です。レセプターが遺伝的に多い人はDHTを受け取りやすくなるのでどうしても薄毛になりやすくなります。
なのでレセプターが受け取るほうの②DHTを増やさないということが大事になります。
繰り返しになりますがDHTは男性ホルモンテストステロンが、5αリダクターゼという酵素と結合することで生成されます。
つまりテストステロンと5αリダクターゼの結合を防げば、体内でつくられるDHTがへり、脱毛指令をだすTGF-βも減るということになります。
ここで鍵となってくるのは5αリダクターゼです。
5αリダクターゼの分泌量も遺伝である程度きまっていますが分泌量を抑制する方法があるからです。
この抑制する方法を今回お教えします。
早くその抑制する方法とやらをおしえてくれよ!!
5αリダクターゼという酵素には1型5αリダクターゼ、2型5αリダクターゼの二つがあります。
1型5αリダクターゼは毛根の皮脂腺というところにあり、毛が生えている体のいたるところに存在し、
2型5αリダクターゼは生え際や頭頂部の毛乳頭に多く存在しています。
なので頭でいうと生え際から頭頂部にかけては1型と2型両方が存在していて特に2型が多く存在しています。後頭部や側頭部には1型しか存在していないということがいえます。
このことはどちらがよりAGAに影響を及ぼしているかがわかります。
薄毛において側頭部とか後頭部はあんまり薄くないつまり1型はあまりDHTを生成していないといえます。しつこいようですが、後頭部や側頭部には1型しか存在していないからです。
生え際や頭頂部には1型、2型の両方が存在し、特に2型が多く存在しています。この部分がうすくなることがAGAの特徴です。
AGAは生え際や頭頂部から薄くなるので、側頭部や後頭部に多い1型はAGAに大きな影響を与えず、2型がAGAにかなり大きな影響を及ぼしているということが予想されます。
予想だけでなく最新の研究では、体内のDHTの生成率の割合が2型5αリダクターゼが6割~7割、1型5αリダクターゼが3割〜4割であることがわかっています。
そして作る量の違いだけでなく、2型がより強力なDHTを生成すると言われています。
DHTを発生させないためにはとうぜん1型、2型両方の抑制対策を行う必要がありますが、特に2型5αリダクターゼを抑制することに力を入れる必要があるということです。
5αリダクターゼの分泌を抑制する方法
5αリダクターゼを抑制する方法としてなんといってもAGA治療薬があげられます。
AGA治療薬
プロペシア(フェナステリド)
プロペシアとはAGAの治療薬です。フィナステリドはその成分名です。プロペシアははじめ前立腺肥大や前立腺癌の治療薬として使われていましたが、それを服用している人に薄毛改善の効果があることがわかったので、今ではAGAの治療薬としても販売されています。
プロペシアの主成分フェナステリドが2型5αリダクターゼが活性化されるのを抑制する作用を持っています。
抑制することにより生え際や頭頂部の毛乳頭でDHTが作られにくくなります。DHTが生産が落ちるということは、レセプターと結合する数もへり、脱毛の指令を出すTGF-βが作られにくくなるといえます。
毛母細胞へ脱毛指令をすることがなくなりますので、毛母細胞の細胞分裂が正常にを行われヘアサイクルの成長期が短くなるのを防ぐことができます。
生え際や頭頂部が薄くなる状態というのがAGAで、特にこの部分が薄くなる原因となるが生え際や頭頂部に多くある2型5αリダクターゼの存在です。なのでドンピシャで当てはまる方は、プロペシア(フェナステリド)を試してもいいかもしれません。
ただ副作用もあります。服用している方すべての人にでるわけではありませんが、体毛が濃くなる、性欲減少、勃起不全などの症状があらわれることもあります。
ザガーロ(デュタステリド)
ザガーロというのは2015年9月に新たなAGA治療薬として承認されたものです。その主成分はデュタステリドというものです。ザガーロの主成分デュタステリドは以前は前立腺治療薬として利用されていました。なのでAGA治療薬となった経緯はなんとなくプロペシアと似ているといえます。
フェナステリドが2型5αリダクターゼの働きのみを抑える作用を持っているに対してザガーロの主成分デュタステリドは1型5αリダクターゼ、2型5αリダクターゼの両方の働きを抑える作用をもっています。なのでプロペシアと比べて優れた発毛効果が期待できるといわれています。
1型5αリダクターゼは2型と比べるとAGAに大きな影響を及ぼさないといわれていますが、あくまでも比較した場合です。1型の影響によりAGAが発症することも十分考えれるので、この予防対策を行うことは決して無駄なことではありません。
両方の働きを阻害する効果があるザガーロはプロペシアの1.5倍の発毛効果があるといわれています。なのでプロペシアの効き目に満足していない場合はザガーロに乗り換えるというのもいいかもしれません。
ただザガーロにも、性欲減少、勃起不全、射精障害などの副作用のリスクがあり、この副作用のリスクはプロペシアより高いといわれています。なのでその辺も考慮してご検討ください。
ちなみに1カ月分の費用はザガーロのほうが高いです。
お兄さんの場合は、プロペシアからスタートして、半年ぐらいたってもあんまり効果がなかったらザガーロにでもしてみたらどうですか?この2つの治療薬はAGAクリニックや医療機関で処方してもらえます。まあネットでも買えますけど、まずは専門家に相談してからのほうが安心だとと思いますので。
それでは今回の相談はこれにて終わり・・
説得力ねえんだよ、説得力が!
えーとですね。
なんだかんだいってDHTを生成しないないために5αリダクターゼを抑制する方法はAGA治療薬がベストだと思います。ベストというか全然効き目が違うと思います。文字通り治療薬なので。
ただ5αリダクターゼを抑制する栄養成分がありますので、症状が軽いかたはまずはこちらから予防策をお勧めします
例えば、亜鉛、ノコギリヤシには、抜け毛の原因の一つといわれる5αリダクターゼ酵素が活性化するのを抑制する働きがあるといわれています。
また女性ホルモンエストロゲンは5αリダクターゼの働きを阻害してDHTに変換させにくくする効果があります。似た作用をもつ植物性エストロゲンにも同様の効果が期待できます。植物性エストロゲンに分類されるのはイソフラボンやリグナンです。
大豆イソフラボン、亜麻リグナン、セサミン(ゴマリグナン)などがこれにあてはまります。
今挙げた栄養成分はレビューとして記載していますので、もしよろしけばそちらをご覧ください。
薄毛改善に関わっている栄養成分はたくさんありますが、薄毛の理由がAGAでその原因がDHTの場合は、いまのところこのような5αリダクターゼの分泌量を抑えたりする栄養成分が有効だと思われます。
えーと男性ホルモンの影響による薄毛の改善方法は以上となります。
それじゃあバイバイ!!