アントシアニンの評価 S
アントシアニン
アントシアニンについて
アントシアニンについて、覚えておくべきポイント(個人的な)をまとめて紹介します。
point 1
アントシアニンはフラボノイドのアントシアニンジン類
ポリフェノールはその構造の違いにより、フラボノイドとそれ以外(ノンフラボノイド)に大別されます。
フラボノイドはさらにフラボノール類、フラバノン類、イソフラボン類、アントシアニジン類などに細分類されています。
アントシアニンは、フラボノイドのアントシアニジン類に分類されます。
point 2
アントシアニンは紫色【赤~紫~青】の色素成分
アントシアニンはブルーベリーに含まれる成分としてご存知の方多いと思います。
その他、主に赤~紫~青色の食品に含まれています。
例えば、イチゴ、ナス、黒豆といった果物・野菜・穀物にも多く含まれています。
これらの色素の主成分がアントシアニンです。
point 3
アントシアニンはアントシアニジンの配糖体
アントシアニンは、色素の本体であるアントシアニジンに糖や有機酸などが結合した一群の天然化合物の総称をいいます。
アントシアニジンのことをアグリコンと呼びます。
アグリコンに糖や有機酸などが結合をしたものを配糖体と言います。
ということで、アントシアニンはアントシアニジン配糖体です。
以降 アントシアニンとアントシア二ジンを分けて説明しています。こんがらがらないようにしてください。
point 4
主要アントシアニジンは6種類
アントシア二ジンの基本構造はこちらです。
出典元
フラボノイド
花き研究所
農研機構
アントシアニジンはフラボノイドの基本骨格であるA環-C環-B環から成っています。
水酸基(-OH)やメトキシル基(-OCH3)などの数の違い・結合位置の違いにより、天然に約20種類存在します。
が、覚えるのは6種類でOKです。
主要なアントシアニジンはシアニジン、ぺラルゴニジン、デルフィニジン、ペオニジン、ペチュニジン、マルビジンの6つです。
出典元
フラボノイド
花き研究所
農研機構
この6つは、B環に付いている水酸基(-OH)およびメトキシル基(-OCH3)の数の違いにより種類わけされています。それぞれ異なる色調を発現します。
point 5
アントシアニンは400~500種類
大事なことなのでもう一度いいます。
アントシアニンは、色素の本体であるアントシアニジンに糖や有機酸などが結合した一群の天然化合物の総称をいいます。
出典元
フラボノイド
花き研究所
農研機構
アントシアニジンの3位または5位の水酸基【出典元構造式の下の-OH2つ】に糖が結合していることが多くなっています。糖の種類には【グルコース、ガラクトース、ラムノース、アラビノースなど】があります。
さらに、有機酸【ρ-クマル酸、コーヒー酸、フェルラ酸、マロン酸など】が糖部にエステル結合を介して結合している場合もあります。
アントシアニジン【アグリコン】は約20種類(主要なものは6種類)あります。
それに【糖】・【有機酸】の種類や結合位置による組み合わせが数多く存在するため、それだけ種類があります。
ということで、アントシアニンは400~500種類以上存在します。
アントシアニンはブドウやブルーベリー等の果実だけでなくナスやムラサキイモなどの身近な食材に含まれているため,総称として用いられることが多く,現在までに500種類の異なるアントシアニンと23種類のアントシアニジンが報告されている.
引用元
アントシアニン含有イモを活用した機能性成分の有効利用
PDFページ 2/8
J-STAGE
とはいえ、400~500種類あるアントシアンを単体で覚える必要ありません。
まとめてアントシアニンで問題ありません。
ただ、1つだけ覚えておいて損はないものがあります。
それはシア二ジン配糖体の「シアニジン-3-グルコシド」、略して「C3G」です。
C3Gは以下の理由により、最も代表的なアントシアニンと言われています。
- C3Gは多くの食品に含まれています。
- アントシアニンの効果・効能といえば真っ先に視力改善効果が思い浮かぶと思います。
この効果はC3Gに特にあるとされています。 - アントシアニンには抗酸化作用があります。C3Gはアントシアニンの中で最も抗酸化力が強いものの1つとされています。
※覚える必要はない、まとめて問題ない、覚えておいて損はない は個人の見解です。
point 6
アントシアニンといえばブルーベリー
大事なことなのでもう一度いいます。主要なアントシアニジンはシアニジン、ぺラルゴニジン、デルフィニジン、ペオニジン、ペチュニジン、マルビジンの6つです。
これらの配糖体がアントシアニンで、その種類は数多くあります。
アントシアニンが多く含まれる食品は紫色をした食品です。
各食品には1~3種類 またはそれ以上のアントシアニンが含まれています。
さて、アントシアニンサプリの多くはブルーベリー由来です。
=機能性成分アントシアニンをアピールしている多くはブルーベリーサプリです。
なぜ、ブルーベリー1強になっているのかというと、アントシアニンを含む食品の中でも最も多くの種類が含まれているからです(だと思います)。
ブルーベリーには5種類【シアニジン、デルフィニジン、ペオニジン、ペチュニジン、マルビジン】に3種類の糖【グルコース、ガラクトース、アラビノース】がそれぞれ結合した15種類のアントシアニンが含まれています。
ビルベリーからは 15 種のアントシアニンが同定されており、これは、5 種のアントシアニジン(シアニジン、デルフィニジン、マルビジン、ペオニジン、ペチュニジン)に、3 種の糖類(ガラクトース、グルコース、アラビノース)がそれぞれ結合した配糖体である
引用元
ビルベリー由来アントシアニンを機能性関与成分とする 機能性表示食品の分析
PDF 2/7
J-STAGE
アントシアニンの生理機能は、種類により異なりますが、まんべんなく網羅しているのがブルーベリー由来アントシアニンです(だと思います)。
以降は、一緒くたに「アントシアニン」でまとめています。
が、食品由来により記載している「効果」や「働き」がないケースもございます。ご注意ください。
基本的に (15種類のアントシアニンを含む)ブルーベリー由来アントシアニンをとっていれば「多かれ少なかれ」その効果や働きは得られると思います。
アントシアニンの効果・効能
ロドプシン再合成促進作用
目の網膜には光を感じる視細胞があります。
視細胞には、杆体細胞(明暗に関与)と錐体細胞(色彩に関与)があります。
ロドプシンは、杆体細胞に存在する光を感知する光受容タンパク質です。
ロドプシンは「視覚」のために重要な物質で、オプシンというたんぱく質とビタミンA(レチナール)で構成されています。
ここでいう「視覚」とは対象物を光の情報として、それを電気信号化し、その信号を脳に伝えることで像として認識することをいいます。
ロドプシンが光によって分解されることで、脳に信号が伝わりその結果として「視覚」が生じます。光によって分解されたロドプシンは時間がたつと元に戻るというメカニズムになっています。
このように、分解されたロドプシンは次の分解に備え、自動的に再合成されるようになっており、この繰り返しで我々は「もの」を見ています。
出典元
アントシアニンが、ロドプシンの再合成をサポート
みつばち健康科学研究所
(株)山田養蜂場
ということで、ロドプシンが分解と再合成を繰り返すおかげで、いろいろなものを「見る」ことができます。
視力の低下や眼精疲労は、加齢による「ロドプシンの再合成する力の衰え」や目を酷使する状況による「ロドプシンの分解の加速」により起こります。
アントシアニンには、ロドプシンの再合成を促進する働きがあります。視覚機能改善効果が期待できます。
網膜血管新生抑制作用
血管新生とは、既存の血管から新たな血管を新生させる現象です。
言葉だけ聞くと、体にいいことのように思えます。ですが、大人では創傷の治癒および子宮内膜で性周期に応じてといった限られた「場所」と「時期」のみに起こる現象です。
通常、下線部以外では体の中の血管は血管新生促進因子と抑制因子のバランスが保たれており、体の中にやたらめったら血管新生が起こらないシステムとなっています。
ようは、下線部以外で起こる血管新生は身体には「悪」です。
目における血管新生は、加齢黄斑変性や糖尿病網膜症などの目の病気でみられる症状です。
ここで加齢黄斑変性にクローズアップします。
加齢に伴って網膜の黄斑部に支障が生じ、【物がゆがむ、暗くみえる、ぼんやりみえる】など視力が低下する病気が「加齢黄斑変性」です。
加齢黄斑変性には、滲出型と萎縮型の2種類があります。
脈絡膜からの本来は存在しない新生血管ができます。それが原因で、網膜下に出血や滲出(血液の中の水がにじみ出る)を生じ、黄斑にダメージを与えて急激な視力低下を引き起こします。
◆萎縮型
黄斑部の組織が加齢とともに徐々に萎縮変性していく現象です。脈絡膜からの新生血管は発生しません。
視力低下の進行は緩徐です。
加齢黄斑変性の発症要因は加齢、喫煙、遺伝、紫外線、肥満などが挙げられます。
.
上記とりまとめの滲出型に注目してください。
新生血管はとてももろく、それが原因で、網膜下に出血や滲出(血液の中の水がにじみ出る)を生じさせます。この新生血管発生のプロセスには、局所で産生される血管新生促進因子VEGFが関与しています。
なのでVEGFが誘発する血管新生を抑制すれば、加齢黄斑変性や糖尿病網膜症などの目の病気の予防・改善につながります。
アントシアニンにはVEGFにより誘発される血管新生を抑制する作用があることが確認されています。
毛細血管保護作用
毛細血管は動脈と静脈の間に位置し、各細胞に必要な栄養素や酸素を届け、不要となった老廃物や二酸化炭素を回収する役割をしています。
毛細血管が脆くなるとこの役割をしっかりと果たすことができなくなります。特に影響を受けるのは、体の末端にある皮膚(肌や頭皮)です。
ようは、毛細血管が脆くなると、不健康な肌になる&抜け毛や白髪が増えるです。
さて、フラボノイドのヘスペリジンやルチンといったビタミンPは毛細血管を強化し、血管透過性を改善する働きをします。
なので、ビタミンPを摂取すると毛細血管保護作用を得られます。
アントシアニンもビタミンP様活性を示すことが分かっています。
つまるところ、アントシアニンにも毛細血管を強化し、血管透過性を改善する働きがあります。
花粉症対策
マスト細胞(肥満細胞)は、脱顆粒反応によりヒスタミンなどアレルギー症状をひきおこすケミカルメディエーターを放出することで、アレルギー反応を引き起こします。
マスト細胞は、その細胞表面上に高親和性IgE受容体(FcεRI)を発現しています。
アレルゲンを認識するIgEがFcεRIと結合した後、再び同じアレルゲンに暴露されると、マスト細胞が活性化して、ヒスタミンなどの化学伝達物質を含んだ顆粒を細胞外に放出させます。
長寿遺伝子
サーチュイン遺伝子とは、操作をすれば老化を遅らせ、寿命を延ばす遺伝子のことをいいます。
- 操作をすれば
→この遺伝子を活性化することができれば、 - 老化を遅らせ、寿命を延ばす
→老化の要因【酸化ストレス・免疫細胞の暴走など】を抑えることができます。
ヒトには7種類のSirtuin(サーチュイン)ファミリー「Sirt1〜7」存在することがわかっています。
7種類の多くは脱アセチル化酵素で、様々な生理機能に関与しています。
それぞれ細胞内での局在・役割が異なります。
局在をまとめると以下となります。
- Sirt1
核と細胞質 - Sirt2
細胞質 - Sirt3、Sirt4、Sirt5
ミトコンドリア - Sirt6
核(主にクロマチン領域) - Sirt7
核(主に核小体)
今までのレビューでは、サーチュイン遺伝子をSirt1で説明してきました。表現として正しいかわかりませんが、ヒトのサーチュイン遺伝子として最もポピュラーだからです。
そして、Sirt1を活性化させる成分として、レスベラトロール、ケルセチン、フィセチンを紹介してきました。
アントシアニンもサーチュイン遺伝子を活性化させる成分です。
ただ、Sirt1ではく、Sirt6を活性化させる成分です。
Sirt6はヒストンの脱アセチル化によるクロマチン・エピジェネティクス制御を介して、老化、寿命、糖代謝、がん抑制、DNA修復、細胞老化などに重要な役割を果たしています。
参照
SIRT6と代謝・老化
(株) 医学出版
参照
アントシアニンはサーチュイン酵素を活性化する?
リンク・デ・ダイエット 世界の最新健康・栄養ニュース
アントシアニンのサプリメントによくあるキャッチフレーズ集
- ぼやける視界をクリアに 視界の悩みを解決
- パソコン、スマートフォンを毎日使う方
- パソコン、運転など仕事で目を酷使しているかた
- 眼精疲労に悩んでいる人
- 白内障など目の病気予防に
アントシアニンの摂取量、不足、過剰
摂取量について
アントシアニンの視機能改善作用の有効性を示す一例に、ビルベリー由来アントシアニンとして40mg~/日があります。
日本のサプリの目安摂取量は40mg~/日を目安としていることが多いです。
不足について
5大栄養素ではないアントシアニンの不足については、特に考える必要はありません。
過剰について
通常の食生活を送っている限り過剰について特に心配はいりません。サプリから摂取する場合は、用法用量をお守りください。
アントシアニンの豆知識
アントシアン
アントシアンという名称も存在します。
アントシアンは【アントシアニンジン】と【アントシアニン】を特に区別しない時に用いられる呼び名です。
食品に含まれるアントシアニンは様々
繰り返しになりますが、アントシアニンは400~500種類以上存在します。
なので食品に含まれているアントシアニンの種類は異なっています。
ここで、主要なアントシア二ジン6つ【シアニジン、ぺラルゴニジン、デルフィニジン、ペオニジン、ペチュニジン、マルビジン】の配糖体=アントシアニンの種類が、どの食品に主に含有されているかを紹介します。
赤紫蘇、黒豆に含まれます。
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イチゴ、ザクロに含まれます。
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ブラックカラント(カシス)、ナスに含まれます。
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ムラサキイモ、プルーンに含まれます。
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ブルーベリーに含まれます。
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ブドウ、ブラックベリーに含まれます。
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各食品には1~3種類 またはそれ以上のアントシアニンが含まれています。都合(見栄え)によりあえて重複しないようにしています。
ビルベリーについて
ブルーベリーといってもそれ1つではなく、150種類以上存在します。
ビルベリーはブルーベリーの1種です。
150種類以上あるブルーベリーは大きく野生種と栽培種に分かれています。
ビルベリーは北欧を中心に生育する野生種で、果肉の色が青紫色なのが特徴です。
出典元
ルテインについて
ワカサプリ®ストア
皮だけでなく果肉の色まで青紫色のビルベリーはよく、「他品種のブルーベリーの3~4倍のアントシアニンを含む」と言われています。
厳密には分けるべきところですが、このレビューではあえてブルーベリーで取りまとめています。
その理由は、今の時代 ブルーベリーサプリの原料が、ビルベリー由来であることが当然となっているからです。
※下線部は個人の見解です。
なお、ブルーベリーサプリを購入する場合、念のためビルベリー由来であることを確認するようにしてください。じゃない場合もないとは言い切れません。
カシス由来も視野に
このレビューでは
もし、アントシアニンの効果を網羅したいと思ったらカシス由来アントシアニンもとったほうがいいかもしれません。
というのもカシスに含まれているアントシアニン「D3R(デルフィニジン-3-ルチノシド)」と「C3R(シアニジン-3-ルチノシド)」はブルーベリーには含まれていないカシス特有の成分だからです。
出典元
カシスアントシアニンって?
カシスの豆知識
一般社団法人 日本カシス協会
なので、よくカシスおよびカシス由来アントシアニンに限定して、その働きが説明されているケースがあります。
例えばフィトエストロゲン活性【エストロゲンに似た働きをする】はカシス由来でしか、聞いたことがありません。
参照
カシスが更年期症状軽減 弘前大が実験
日本経済新聞
アントシアニンと相性の良い栄養成分
・ルテイン
・アスタキサンチン
・DHA
アントシアニンのレーダーチャート解説
- 6
このカテゴリーに効果があることで有名。即効性があったり、継続して摂取することで効果を感じる - 5
このカテゴリーに効果があることで有名。継続して摂取することでなんとなく効果を感じる - 4
このカテゴリーに効果があるといわれている。効果が得られることを期待して飲んでいる - 3.5
このカテゴリーに効果があるといわれているが、個人的に摂取目的としていない - 3
このカテゴリーになんらかの効果があるもの - 2
このカテゴリーとはあまり関係ないと思われる - 1
このカテゴリーとは関係ないと思われる
※4以上が摂取目的となっているカテゴリー
アントシアニン 総合評価 S 17
5つのカテゴリーのうち、評価が高い上位3つのカテゴリーを足したものです。「B~SS」でつけています。
SS 18点
S 16点以上
A+ 14点以上
A 12点以上
B+ 10点以上
B 9点以下
髪 評価4
アントシアニンといえば「目にいい」ことで有名ですが、「髪にいい」も当てはまります。主たる理由は3つあります。
- 抗酸化作用
髪は毛乳頭に運ばれた栄養素をもとに毛母細胞が細胞分裂をすることで生まれてきます。
活性酸素は毛母細胞を酸化させ、その働きを弱めます。活性酸素を除去することは薄毛予防になります。
アントシアニンは抗酸化作用を有します。 - コラーゲン
体を構成する全たんぱく質の30%はコラーゲンです。皮膚においては70%はコラーゲンで占められています。
髪の土台となる頭皮の健康にもコラーゲンはなくてはならない存在です。
アントシアニンにはコラーゲンの合成を促進する&コラーゲン分解酵素の働きを阻害する働きがあります。 - 毛細血管強化
毛乳頭に栄養素を運ぶのは毛細血管の役割です。毛細血管が脆くなるとこの役割をしっかりと果たすことができなくなります=薄毛になります。逆を言えば、毛細血管を強く丈夫にすることは薄毛予防になります。
さて、フラボノイドのヘスペリジンやルチンといったビタミンPは毛細血管を強化し、血管透過性を改善する働きをします。
なので、ビタミンPを摂取すると毛細血管保護作用を得られます。
アントシアニンもビタミンP様活性を示すことが分かっています。
つまるところアントシアニンにも毛細血管を強化し、血管透過性を改善する働きがあります。
肌(美白)4
アントシアニンといえば「目にいい」ことで有名ですが、「肌にいい」も当てはまります。主たる理由は3つあります。
- チロシナーゼ活性阻害作用
肌内部でたくさん作られたメラニンが肌のターンオーバーともに排出されなければ、シミとなって肌の表面に現れます。メラニンはメラノサイト内にあるチロシンと酸化還元酵素チロシナーゼが結合することで生成されます。チロシナーゼが活性化されると肌にたくさんのメラニンが生成されます。
アントシアニンにはチロシナーゼ活性阻害作用があります。
著者らはアントシアニンの試験管レベルでの生理機能検討を行った結果,抗酸化性,活性酸素消去作用,紫外線障害抑制作用,チロシナーゼ阻害作用,ペルオキシナイトライトによるヒトLDL中のチロシン残基のニトロ化の抑制などを構造活性相関を含め明らかにしている。
引用元
高機能性食品因子, アントシアニン類の新しい生理的意義に関する基盤研究
PDFページ 2/9
J-STAGE - 抗酸化作用
紫外線を浴びると肌に大量に活性酸素が発生します。発生した活性酸素が肌にあるメラノサイトを刺激しメラニンの大量生成を促します。大量にできたメラニンが肌のターンオーバーとともに排出されなければ、シミとなって肌の表面に現れます。
※イラスト中の 活性酵素→活性酸素に訂正なので、シミの対策には、紫外線を過度に浴びないこと&抗酸化物質を取ることが有効と考えられます。
アントシアニンには抗酸化作用があります。 -
紫外線
皮膚の老化には自然老化と光老化の2つがあります。皮膚の老化の原因のおおよそ8割が光老化で、自然老化(加齢による老化)は2割と考えられています。
光老化とは、太陽光線を浴び続けることにより、皮膚に現れるシミ、シワ、たるみなどの老化現象のことをいいます。これら老化現象は主に紫外線の影響で起こります。
アントシアニンは、紫外線に対する防御作用が優れています。
そもそも、アントシアニンとはポリフェノールの一種であり、抗酸化力や抗菌作用に優れている色素である。特に、紫外線に対する防御作用に優れている。
引用元
公開特許公報(A)_皮膚美白作用を有するアントシアニン誘導体の製造方法
国立研究開発法人科学技術振興機構
体型(ダイエット)評価6
パープルフードダイエットという言葉をご存知でしょうか?パープルフードダイエットとは1週間に3回、紫色の食べ物のみを食べるダイエットのことです。某海外セレブが「パープルフードダイエット」で30㎏減量に成功したことで、一時期 話題となりました。
パープルフードの主役は言うまでもなく紫色の色素アントシアニンです。
アントシアニンは抗肥満作用があるポリフェノールとしても大変有名です。
こちら→アントシアニン 視機能改善作用にアントシアニンの種類ごとの抗肥満作用を記載しています。よろしければご覧ください。
体力(普段)評価5
アントシアニンはエネルギー産生にも関与しています。
-
AMPK
AMPKはAMP活性化プロテインキナーゼ(AMP-activated protein kinase)の略で、エネルギー源となる糖や脂肪の代謝を調節している酵素のことを言います。そのため、AMPKはよく「細胞中のエネルギーセンサー」などと呼ばれています。体内でエネルギーが枯渇している時、AMPKが活性化されて異化の亢進と同化の抑制がもたらされます。
エネルギーが枯渇している時とはハードな運動 or 栄養飢餓 or 低酸素 の状態です。
いずれかの状態にもっていくことでAMPKが活性されることになります。アントシアニンには【飢餓状態にもっていかなくとも】AMPKを活性化させる作用があります。
-
β酸化
脂質(脂肪酸)は3大栄養素の中で一番のエネルギー源となります。1gあたり9kcalのエネルギーを産生します。糖質、たんぱく質は1gあたり4kcalです。脂肪酸が、エネルギー媒介物質ATPに変換される過程は
脂肪酸→β酸化→TCA回路→電子伝達系.
です。
β酸化には数多くの酵素群(β酸化系酵素)が関与しています。
β酸化を促進させるにはこれら酵素の発現を増やすことが大切です。
アントシアニンにはβ酸化系の4つの酵素の発現を増やす働きがあることが確認できています。
つまるところ、アントシアニンはβ酸化を促進させます➡脂質のエネルギー代謝を促進させます。
参照
黒大豆アントシアニンの抗肥満作用について学会発表
フジッコニュース
フジッコ(株)
その他(視力)評価6
網膜にある視物質ロドプシンに光りがあたると信号が生じ、その信号が脳に伝達されることで「ものを見る」できます。
ロドプシンは光の刺激を受けると分解されます(その結果、脳に信号が伝わる)。分解されたロドプシンは自動的に再合成されることで、新たな光の刺激を受けることができます。
私たちはロドプシンが分解と再合成を繰り返すおかげで「ものを見る」ことができます。
アントシアニンはロドプシンの再合成を促進させます。
アントシアニンのサプリメント紹介
アントシアニンが含まれているサプリメントを紹介します。
アントシアニン 参照一覧
食と農の扉 農林水産技術会議
アントシアニン J-STAGE
生理活性植物因子アントシアニンの色と構造 J-STAGE
食品素材によるアントシアニンの成分特性と機能・利用 J-STAGE
高機能性食品因子, アントシアニン類の新しい生理的意義に関する基盤研究 J-STAGE
アイケアサプリメントとしてのビルベリーエキス J-STAGE
ビルベリー由来アントシアニンを機能性関与成分とする 機能性表示食品の分析 J-STAGE
ビルベリー製品:最新の市販エキスの特性評価 J-STAGE
アントシアニン含有イモを活用した機能性成分の有効利用 J-STAGE
アントシアニン高含有紫サツマイモの機能性食品素材としての可能性 J-STAGE
リンゴ果実の着色生理 : アントシアニン生成とフラボノイド代謝 J-STAGE
黒大豆ポリフェノールの抗酸化作用と血流改善作用 J-STAGE
天然抗酸化物質の吸収と代謝 J-STAGE
ブルーべリーのアントシアニン組成とブルーべリー・ワインの生理的効果 日本ブドウ・ワイン学会
植物色素アントシアニンのサイエンス-化学、機能と活用- (一財)食品分析開発センターSUNATEC
ブルーベリーとアントシアニンの健康効果についての最新研究 ブルーベリー農園 森の畑
ひとみ研究室 みらい研究所 (株)わかさ生活
ヒト網膜毛細血管細胞に対するビルベリーエキスの作用 みらい研究所 (株)わかさ生活
黒米エキス 2020 オリザ油化(株)
文献データベース 日本アントシアニン研究所