ビタミンA 皮膚や粘膜の健康維持

ビタミンA

別名 レチノール

13種類のビタミンの1種
4種類の脂溶性ビタミンの1種

 

 

ビタミンAとは

ビタミンAについて

  • ビタミンAは、A1系(レチノール)とA2系(3-デヒドロレチノール)に大別されます。
  • ビタミンAはA1系とA2系とそれら誘導体の総称のことをいいます。
    A1系 レチノール・レチナール・レチノイン酸
    A2系 3-デヒドロレチノール・3-デヒドロレチナール・3-デヒドロレチノイン酸
  • ビタミンAは一般的にはA1系のことを指します(体内での活性型がA1系の3種類です)。
  • 狭義にはレチノールをビタミンAとしています。
  • 摂取されたビタミンAは、小腸でミセルを形成した後、小腸上皮細胞へ吸収されます。吸収された後、レチニル脂肪酸エステルの形でカイロミクロンに組み込まれ、その後リンパ管を経て肝臓へ送られます。
  • ビタミンAのほとんどはレチニル脂肪酸エステルとして肝臓に貯蔵され、必要に応じてレチノールに変換され、レチノール結合たんぱく質と結合して血中に放出されます。
  • レチノールが酸化されるとレチナールに、レチナールがさらに酸化されるとレチノイン酸になります。
  • ビタミンAは主に視覚の機能維持や皮膚・粘膜の健康維持に働きます。

 

体内合成について

体内合成 

  • プロビタミンAから合成できます。体内でビタミンAに変換されるものをプロビタミンA(ビタミンA前駆体)といいます。
  • プロビタミンAの代表格であるβカロテンは摂取されると小腸粘膜吸収上皮細胞内で中央開裂、酸化され2分子のレチナールを生成します。
    ただしビタミンAへ転換率が50%で、さらにβカロテンの吸収率が1/6のため βカロテンが体内でビタミンAとして利用される率は1/12となります。
    なのでレチノール1μgはβ-カロテン12μgと換算されます。

    ※レチナールが還元されるとレチノールに、酸化されるとレチノイン酸になります。

    βカロテン
    βカロテンはビタミンAとして利用される率は高くありません。ですが過剰症の心配がないというメリットがあります。というのもβカロテンはビタミンAが不足している時に必要とする量だけビタミンAに変換され、ビタミンAが十分に存在する時にはビタミンAに変換されないからです。
  • ビタミンAの効力を示す単位はRAE(レチノール活性当量)あるいはIU(国際単位)が用いられます。
    1μgRAEはレチノールとして1μg、1IUはレチノールとして0.3μgです。
  • 下記、ビタミンAの摂取量【RAE】は、レチノールとプロビタミンAすべて合わせた数値です。

 

摂取量について

推奨量 800~900μgRAE/日(成人男性) 600~700μgRAE/日(成人女性)
by 食事摂取基準(2015年版)
※数値は年代により異なる

耐用上限量 2700μgRAE/日

欠乏症
:夜盲症 :角膜軟化症 :皮膚・粘膜の乾燥化 :免疫機能低下による細菌感染症

不足ぎみ
:目が乾燥する :暗い所で見にくくなる :肌がかさつく :風邪をひきやすくなる 
:抜け毛が増える
過剰症
:急性症状 脳脊髄液圧の上昇 
:慢性症状 頭蓋内圧亢進症

取り過ぎ
:だるくなる :頭が痛くなる :吐き気を催す :抜け毛が増える

 

ビタミンAの効果・効能

ビタミンAの効果・効能 5つ激選

  1. 視覚機能維持(by ロドプシンの構成成分)
  2. 上皮細胞の機能維持(by 遺伝子発現の調整)
  3. 成長維持(by 遺伝子発現の調整)
  4. 抗がん作用(by 遺伝子発現の調整)
  5. 免疫賦活作用(by 遺伝子発現の調整)

 

そのうち2つを詳しく

①視覚機能維持(by ロドプシンの構成成分)

目の網膜には光を感じる視細胞があります。視細胞には、杆体細胞(明暗に関与)と錐体細胞(色彩に関与)があります。
ロドプシンは、杆体細胞に存在する光を感知する受容体です。

ロドプシンは「視覚」のために重要な物質で、オプシンというたんぱく質とビタミンA(レチナール)で構成されています。

ここでいう「視覚」とは対象物を光の情報として、それを電気信号化し、その信号を脳に伝えることで像として認識することをいいます。ロドプシンが光によって分解されることで、脳に信号が伝わりその結果として「視覚」が生じます。

分解されたロドプシンは次の分解に備え、自動的に再合成されるようになっており、ロドプシンが分解と再合成を繰り返すおかげでいろいろなもの「見る」ことができます。
構成成分のビタミンA(レチナール)が不足するとロドプシンが合成されにくくなります。その結果、暗い所でものが見えにくくなる症状=夜盲症が生じます。

 

②上皮細胞の機能維持(by 遺伝子発現の調整)

ビタミンA(レチノイン酸)が体内で生理活性を発揮するには細胞の核内にある核内受容体に結合する必要があります。
細胞の核内にはビタミンA受容体であるRAR(レチノイン酸受容体)とRXR(レチノイン酸X受容体)があります。ビタミンAと受容体が結合すると活性化され、それにより遺伝子の発現や制御が行われます。

ビタミンA(レチノイン酸)は遺伝子の発現調整を介して様々な作用をもたらします。そのうちのひとつが上皮細胞の機能維持です。ビタミンAが不足すると上皮組織(皮膚や粘膜)の健康が損なわれます。

 

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注意
レチノール・レチナール・レチノイン酸で生理作用が異なりますが、ここから先はまとめて「ビタミンA」の生理作用としています。

ビタミンAの働き分析【見た目編】

合計 43/60点

カテゴリー別 点数

薄毛 7点

白髪 6点

美肌 10点

美白 8.5点

筋肉 5点

脂肪 6.5点

 
 
 

薄毛

7点

「薄毛」改善 に関するビタミンAの働きは主に次です。

  1. 頭皮の健康維持
    髪は皮膚(表皮)の細胞が変化(角化)して作られるものです。ビタミンAは皮膚の代謝(=頭皮の代謝)を正常にする働きをします。頭皮の皮脂の過剰分泌を防ぐあるいは乾燥を防ぐことで健やかな髪を生み出す環境を作り上げます。

    髪の毛は上皮組織の一部です。上皮組織の健康を保つ働きがあるビタミンAは髪の健康にも有効な成分です。

  2. 細胞分裂を活性
    ビタミンAは細胞の分化・増殖を調整する働きをします。この働きにより毛根にある細胞(毛乳頭細胞・毛母細胞)の細胞分裂を正常化させ健康的な髪を生み出します。
  3. 抗酸化作用 
    髪は毛乳頭に運ばれた栄養素をもとに毛母細胞が細胞分裂をすることで生まれてきます。
    活性酸素は細胞を酸化させその働きを弱めます。活性酸素を除去することは薄毛予防にもプラスになることです。ビタミンAには抗酸化作用があります。

 

マイナスポイント 
ビタミンAの過剰摂取は脱毛を引き起こします。

 

白髪 

6点

「白髪」予防 に関するビタミンAの働きは主に次です。

  1. 頭皮の健康維持
    頭皮の健康を保つことは丈夫で黒々とした髪を生み出すことにつながります。頭皮の代謝を正常にする働きがあるビタミンAは白髪予防にも有効です。
  2. 抗酸化作用 
    メラニンは頭皮の毛包内にあるメラノサイトでチロシンとチロシナーゼ酵素が結びつくことで生まれます。メラノサイトおよび色素幹細胞(メラノサイトを生み出す細胞)の機能が低下することがメラニンの生成量を少なくし白髪を増やしてしまいます。
    抗酸化物質は活性酸素を除去することでメラノサイトや色素幹細胞の機能低下を防ぎます。ビタミンAは抗酸化ビタミンの1つです。

 

美肌

10点

「美肌」作り に関するビタミンAの働きは主に次です。

  1. 皮膚の健康維持
    上皮細胞の機能維持に働くビタミンAは皮膚の健康維持に貢献しています。
    健康な表皮の形成を促し、肌のハリ・潤いを保つ働きをします。
  2. 繊維芽細胞を活性
    繊維芽細胞は真皮を構成している美肌成分(コラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸)を産生する細胞です。

    真皮層のイラスト

    ※ひし形内の〇が繊維芽細胞・ひし形の線部分がコラーゲン・線部分のつなぎめがエラスチン・ひし形内にあるのがヒアルロン酸などの基質

    加齢などが原因で繊維芽細胞の機能が衰えることでこれら成分が不足していき「しわ・たるみ」となって肌に現れます。ビタミンAには繊維芽細胞を活性させる働きがあります。

  3. 肌のターンオーバーの正常化
    ビタミンAは細胞の分化・増殖に関わっています。この働きは肌においては肌のターンオーバーを促進し正常にさせる作用をもたらします。
  4. 繊維芽細胞のDNA修復
    紫外線を浴びると直接(紫外線UVB)および活性酸素を介して(紫外線UVA)、真皮層にある繊維芽細胞のDNAにダメージを受けてしまいます。ビタミンAは損傷を受けたDNAに働きかけダメージを修復させます。

 

美白

8.5点

「美白」ケア に関するビタミンAの働きは主に次です。

  1. 肌のターンオーバーの正常化
    メラニンは肌のターンオーバーとともに排出されます。メラニンが過剰に作られてそれが肌のターンオーバーとともに排出されないと肌の細胞に色素沈着しシミとなって肌の表面に現れます。

    シミを防ぐには肌のターンオーバーを正常化させることが大切です。
    ビタミンAは表皮細胞の新陳代謝を活発にする働きがあり、それにより肌のターンオーバーが乱れるのを防ぎます。

  2. メラノサイトのDNA修復
    紫外線などによりメラノサイトのDNAが傷つくとメラノサイトの暴走がおこります。ここでの「暴走」とは紫外線を浴びていないのにどんどんとメラニンが作られてしまうことをいいます。ビタミンAはDNAの修復する働きがあります。メラニンの過剰生成を防ぐ効果が期待できます。

 

筋肉

5点

「筋肉」増強 に関するビタミンAの働きは主に次です。

  1. 筋障害
    ビタミンAは筋障害からの回復に有効な成分の一つとされています。

  2. 亜鉛との相性
    亜鉛は細胞の生まれ変わりに関わる成分です。筋肉に多く存在し、傷ついた筋組織の修復に貢献します。
    ビタミンAは亜鉛の吸収を高めます。筋トレ時における亜鉛の「筋組織の修復」効果をUPさせたいときに一緒にとるのも良いかもしれません。

 

脂肪

6.5点

「脂肪」減少 に関するビタミンAの働きは主にです。

  1. 脂肪滴の蓄積抑制
    脂肪細胞は核よりも大きい脂肪滴がほとんどを占めています。その過剰蓄積が肥満につながります。ビタミンAは脂肪滴の蓄積を防ぐ働きするといわれています。

 

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ビタミンAの働き分析【中身編】

合計 39/60点

カテゴリー別 点数

身体 4.5点

エネ 3.5点

病気 7.5点

体質 10点

精力 8点

健脳 5.5点

 

身体

4.5点

「身体」の構成材料 に関わるビタミンAの働きは主に次です。

  1. ロドプシンの材料
    目の網膜にあるロドプシンは、ものを「見る」ために重要な役割を果たしている神物質です。

    ロドプシンはたんぱく質とビタミンAでできています。

 

エネルギー

3.5点

「エネルギー」生成 に関わるビタミンAの働きは主に次です。

  1. 抗酸化作用
    細胞内でエネルギー産生に関わっているのはミトコンドリアです。そのためエネルギーを生み出す工場と呼ばれます。
    エネルギーの産生過程において活性酸素は必ず発生してしまいます。
    その活性酸素の攻撃から細胞膜を守るのが脂溶性の抗酸化物質です。ビタミンAは脂溶性抗酸物質の1つです。

 

病気

7.5点

「病気」予防 に関わるビタミンAの働きは主に次です。

  1. ガン予防
    細胞の遺伝子が傷つき突然変異するとがん細胞にかわります。ガン細胞は死ぬことなくとめどなく分裂を繰り返し増殖していきます。増え続け塊となったものが「ガン」です。

    細胞の分化・成熟に関わるビタミンAはガン予防にも効果を発揮します。
    例えば白血病の治療薬(分化誘導療法)としてすでに活用されています。レチノイン酸を服用することで「白血病細胞から正常細胞に分化させ、増殖を止めて死滅させる」効果が期待できるからです。
    ガン細胞の増殖を抑制する働きがあるビタミンAはガン予防にも適した成分です。

 

体質

10点

「体質」改善 に関わるビタミンAの働きは主に次です。

  1. 視力機能維持
    網膜にある視物質ロドプシンに光りがあたると信号が生じ、その信号が脳に伝達されることで「ものを見る」できます。

    ロドプシンは光の刺激を受けると分解されます(その結果脳に信号が伝わる)。分解されたロドプシンは自動的に再合成されることで、新たな光の刺激を受けることができます。
    私たちはロドプシンが分解と再合成を繰り返すおかげで「ものを見る」ことができます。

    ビタミンAはロドプシンの原料です。不足するとロドプシンの再合成が間に合わず「ものが見にくく」なります。

  2. 免疫力
    ビタミンAは免疫細胞を活性化させます。免疫力をあげる成分の1つとされています。
  3. 風邪予防
    ビタミンAは皮膚・粘膜を健康に保つ働きをしています。鼻やのどの粘膜を強化し風邪をひきにくくします。
  4. 胃腸の健康
    ビタミンAの皮膚・粘膜を正常に保つ働きをします。胃の粘膜を保護する作用も期待できます。
  5. 口内炎予防
    ビタミンAは粘膜の代謝を正常に保つ働きをします。粘膜に起きる炎症「口内炎」予防にも効果を発揮します。

 

精力

8点

「精力」増進&「性機能」向上 に関わるビタミンAの働きは主に次です。

  1. 生殖機能維持
    ビタミンAは生殖機能を維持する働きをします。不足すると精子形成や胎盤形成に影響を及ぼします。
  2. 性器の粘膜
    性器も粘膜で覆われています。健康な粘膜維持にビタミンAは欠くことのできない成分です。
  3. 亜鉛との相性
    亜鉛は「セックスミネラル」の異名をもつほど生殖機能に深く関わる成分です。ビタミンAは亜鉛の吸収をサポートします。

 

健脳

5.5点

「脳」の健康 に関わるビタミンAの働きは主に次です。

  1. 記憶力
    研究によりレチノイン酸が学習や記憶になんらかの役割を果たしていることが判明しています。
  2. 抗酸化作用
    脳は脂肪が多い組織です。脂溶性抗酸化物質であるビタミンAは脳の脂質部分を活性酸素から守ります。

 

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ビタミンAのサプリメント分析

合計 16.5/20点

※継続・貴重 項目は既成ビタミンA(原料 パルミチン酸レチニルまたはレチニルパルミテート)で評価しています。
※手軽・選択 項目は既成ビタミンAを主としてプロビタミンA(原料 主にβカロテン)も含めての評価となっています。既成ビタミンAを主としていなければ5点です。

カテゴリー別 点数

継続(価格は安いか) 4点

手軽(購入ルートは多いか)4点

選択(品揃えは豊富か)4点

貴重(食品から取りづらいor不足しやすいか)4.5点

 
  • 継続
    1カ月分は約1000円で購入可能です。
  • 手軽
    プロビタミンAは国内で店舗・ネットで購入可能ですが、既成ビタミンAは主に海外(ネット)での購入となります。
  • 選択
    某ECサイトで「ビタミンA サプリメント」検索すると3万件以上ヒットしますが、プロビタミンAが大半を占めます。
  • 貴重
    レバーから取れます(ただし過剰摂取を注意する必要があります)。プロビタミンAを含んだ場合は選択肢は豊富ですが、レチノールに限定するとは食品からの選択肢は多くはありません。また不足しやすいビタミンの1つとされています。

 

愛用品

 

 
 
愛用理由
ビタミンAとしての原料がパルミテート(10000IU)とβカロテン(15000IU)となっています。ビタミンAとしては当然ですがβカロテンの働きも期待できます。
※ビタミンAサプリはいろいろ試しているので、これを特に愛用しているわけではありません。
 

 

おすすめ品

 

 
 
おすすめ理由
ビタミンAの原料がタラ肝油とパルミチン酸レチニル由来となっています。これが既成ビタミンAサプリのオーソドックスなやつだと思っています(たぶん)。ビタミンAだけでなくビタミンDもDHAもEPAもとれるので優れものだと思います。
 

 

ビタミンAとの組み合わせ

ビタミンAと相性の良い成分 7つ厳選

  1. ビタミンE
  2. ビタミンD
  3. ビタミンC
  4. レシチン
  5. DHA
  6. EPA
  7. 亜鉛

 

そのうち2つをPICK UP

①ビタミンE

ビタミンAはビタミンEの働きを持続させる効果があります。一方ビタミンEにはビタミンAの酸化を防ぐ効果があります。両方とも脂溶性のビタミンのため相性は抜群です。
ちなみにビタミンCはビタミンEの抗酸化作用を蘇らせる働きをします。
この3つは相乗効果が見込まれるので合わせて取るとよいと思います。

 

 

②ビタミンD

脂溶性ビタミンのビタミンAとDはセットにして販売されていることが多いです。原料がともに魚肝油(タラ)となっているためセット販売されていると思われます。

 

 

ビタミンAのまとめ

ビタミンA 評価

総合評価 A 98.5点 

分析【見た目編】43

分析【中身編】39

分析【サプリ】16.5

 

以上をもとに→ビタミンAについて勝手に語る

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