ビタミンB6 アミノ酸の代謝

ビタミンB6

別名 ピリドキシン

13種類のビタミンの1種
9種類の水溶性ビタミンの1種

 

 

ビタミンB6とは

ビタミンB6について

  • ビタミンB6とはビタミンB6活性をもつ3つの化合物ピリドキサール、ピリドキシン、ピリドキサミンとその誘導体の総称をいいます。
  • 3つの化合物がピリドキサールキナーゼによりリン酸化されたものがピリドキサール5’-リン酸(PLP)、ピリドキシン 5’-リン酸(PNP)、ピリドキサミン5’-リン酸(PMP)です。これらも同等のビタミンB6活性をもちます。この6種類の化合物がビタミンB6化合物と認められています。
  • 食品中のビタミンB6は、PLPやPMPとして酵素たんぱく質と結合した状態で存在しています。調理加工や消化の過程でPLP及びPMPは遊離し、遊離したPLP及びPMPは消化官のホスファターゼの作用により、最終的にピリドキサール、ピリドキサミンとなって吸収されます。吸収された後、肝臓に運ばれピリドキサールキナーゼにより再びリン酸化されます。
  • PNP、PMPはPNPオキシダーゼ・PMPオキシダーゼよってPLPへ変換されます。この反応にはビタミンB2が関与しています。
  • 生体内ではビタミンB6は補酵素型PLP、PMPの形で主にアミノ酸代謝に関わる酵素の補酵素として機能しています。

 

体内合成について 

体内合成 

  • 腸内細菌により合成されます。
  • ビタミンB6(PLP)の多くは筋肉中のグリコーゲンホスホリラーゼと結合して貯蔵されています。

 

摂取量について

推奨量 1.4㎎/日(成人男性) 1.2㎎/日(成人女性)
耐用上限量 55㎎/日(成人男性) 45㎎/日(成人女性)

※食事性ビタミンB6の量ではなく、ピリドキシンとしての量
by 食事摂取基準(2015年版)

欠乏症
:末梢神経炎 :皮膚炎(脂漏性皮膚炎):口内炎 :貧血 :成長障害 :その他

※体内で合成できるため欠乏症は起こりにくい。

不足ぎみ
:肌荒れが起きる :口内炎ができやすくなる :貧血がおきやすくなる 
:食欲がなくなる :けいれんがおきやすくなる :目がかゆくなる

過剰症
:末梢神経障害 :光線過敏症 :その他

取り過ぎ
:サプリメントを多量に摂取するそれを長期間続けると手足のしびれや痛みなどの末梢神経障害が起きる。

 

ビタミンB6の効果・効能

ビタミンB6の効果・効能 5つ厳選

  1. アミノ酸の代謝
  2. 脂質の代謝
  3. ホモシステインの代謝
  4. 神経伝達物質の合成
  5. 抗アレルギー作用

 

そのうち3つを詳しく

①アミノ酸の代謝

食べ物に含まれるたんぱく質は体内でアミノ酸に分解された後、筋肉・内臓、皮膚・骨などのたんぱく質(体たんぱく質)に再合成されます。

たんぱく質合成に使われなかったアミノ酸はアミノ基転移反応や酸化的脱アミノ反応をうけて別のアミノ酸に再合成されたり、分解されてエネルギー源や脂肪酸・糖新生の材料として利用されます。
アミノ基転移反応と酸化的脱アミノ酸反応合わせて脱アミノ反応といいます。

アミノ基転移反応

アミノ基転移反応とはアミノ基がα-ケト酸に移される反応です。

この反応によりアミノ酸は対応するα-ケト酸に変換され、一方α-ケト酸は対応するアミノ酸へと変換されます。ようはアミノ酸からアミノ基を外して、他のα-ケト酸にくっつき、また別のアミノ酸に変わることと考えてください。
アミノ基を外したアミノ酸は対応するα-ケト酸になり炭素骨格代謝を受けTCA回路を構成する化合物となりエネルギー産生に利用されたり、あるいはグルコースや脂肪酸の合成に利用されます。

受容体となるα-ケト酸はα-ケトグルタル酸、オキサロ酢酸、ピルビン酸があげられます。

アミノ酸      α-ケト酸
グルタミン酸  ⇔ α-ケトグルタル酸
アスパラギン酸 ⇔ オキサロ酢酸
アラニン    ⇔ ピルビン酸

分解されるアミノ酸のアミノ基はアミノ基転移反応によってほとんどがグルタミン酸に集約されます。

※このアミノ基転移反応によって11種類ある非必須アミノ酸を生成することが可能となります。

 

酸化的脱アミノ反応

アミノ基転移反応で生成されたグルタミン酸は酸化的脱アミノ反応と呼ばれる反応を受けアミノ基が外れます。
外れたアミノ基は酸化され最終的にアンモニアになります(アンモニアは尿素回路に入り無毒な尿素に変換されます)。
残りのα-ケトグルタル酸はTCA回路の一員となりエネルギーとして利用されたり、再びアミノ基転移反応を受けてアミノ酸の再合成に利用されたりします。


ビタミンB6(PLP)
はアミノ基転移反応に必要な酵素アスパラギン酸アミノ基転移酵素(AST)やアラニンアミノ基転移酵素(ALT)の補酵素として働いています。
なお酸化的脱アミノ反応を触媒する酵素にグルタミン酸脱水素酵素がありますが、この酵素の補酵素として必要なのがNADです。

ビタミンB6はアミノ酸の代謝に深く関与しているため、たんぱく質の摂取量が増加するとその必要量も増加します。

 

②ホモシステインの代謝

ホモシステインとは、たんぱく質の代謝過程でできるアミノ酸の一種で、必須アミノ酸のメチオニンの代謝における中間代謝物のことを言います。
ホモシステインはメチオニン代謝内の再メチル化経路により再びメチオニンに戻るか、あるいはイオウ転移経路によりシステインに変換されます。

ホモシステインが体内で蓄積されると動脈硬化を引き起こし、脳梗塞や心筋梗塞のリスクを高める要因とされています。
蓄積させないためにはホモシステインから先の代謝を促進させる必要があります。

ビタミンB6(PLP)はメチオニン代謝のイオウ転移経路において働く酵素シスタチオニンβ合成酵素の補酵素として働いています。
ビタミンB6を摂取することでホモシステイン→システインの変換が進みます。血液中のホモシステインの濃度を低下させることができるため動脈硬化の予防につながります。

 

⑤神経伝達物質の合成

ビタミンB6(PLP)はアミノ酸脱炭酸反応に関わる酵素の補酵素としても機能しています。

アミノ酸脱炭酸酵素は、神経伝達物質をはじめとする生理活性アミンの生合成に関わっています。

一例をあげます。

アミノ酸→生理活性アミン

グルタミン酸→ GABA
(神経伝達物質)
トリプトファン→ セロトニン(神経伝達物質)
チロシン → ドーパミン(神経伝達物質)
ヒスチジン→ ヒスタミン(炎症誘発物質)

このように多くの神経伝達物質の合成に関わるビタミンB6は神経機能の維持に重要な役割を果たしているといえます。

 

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ビタミンB6の働き分析【見た目編】

合計 45.5/60点

カテゴリー別 点数

薄毛 8.5点

白髪 6点

美肌 8.5点

美白 6.5点

筋肉 9点

脂肪 7点

 
 

薄毛

8.5点

「薄毛」改善 に関わるビタミンB6の働きは主に次です。

  1. ケラチンの合成
    髪の主成分はケラチンと呼ばれるたんぱく質です。髪の90%以上はケラチンでできています。ケラチンは18種類のアミノ酸で構成されています。

    ケラチンのアミノ酸組成
    ※%はおおよその値です。

    栄養素(18種類のアミノ酸・他)が血流により毛乳頭に届けられ、その栄養素をもとに毛母細胞が細胞分裂を繰り返すことで髪(ケラチン)が作られていきます。
    ケラチンを生成するには18種類のアミノ酸以外にもケラチンの合成を促進する成分が必要となります。
    ビタミンB6はたんぱく質の分解・再合成に関与することでケラチンの合成をサポートします。

  2. 頭皮環境を正常化
    ビタミンB6は脂質の代謝にも関わっています。皮脂の分泌を抑えて皮脂量を適正にすることで頭皮環境を清潔に保ちます。
  3. エストロゲンの分泌促進
    エストロゲンは髪の成長を司るホルモンです。ホルモンバランスが乱れてエストロゲンの分泌量が減ると髪の量も減ってしまいます。ビタミンB6はエストロゲンの代謝に関わっています。エストロゲンの分泌を促しホルモンバランスの乱れによりおこる抜け毛を防ぎます。

 

白髪 

6点

「白髪」予防 に関わるビタミンB6の働きは主に次です。

  1. ケラチンの合成
    髪に着色するメラニン色素はメラノサイトで作られています。一方で髪の毛(ケラチンたんぱく質)は毛母細胞で18種類のアミノ酸を材料に作られています。


    ※毛母細胞の隣にメラノサイトが存在しています。

    毛母細胞が細胞分裂して髪が作られる過程で、メラノサイトで作られたメラニンが毛母細胞に取り込まれ髪が黒くなります。

    メラノサイトを活性させてメラニン色素をしっかりと作ることが白髪予防になります。ただしそれはメラニンの受け取り先である髪の毛(ケラチンたんぱく質)が丈夫で健康的であることが前提です。
    ビタミンB6はたんぱく質の代謝に深く関わります。不足することでアミノ酸→ケラチンの代謝がスムーズにいかなくなりケラチン不足につながります。このことは髪が抜ける・やせ細るといったことだけでなく、白髪にもなりやすくなるといえます。

  2. チロシンの吸収
    メラノサイトでは毛乳頭から供給されたアミノ酸チロシンをもとに酵素の作用によりメラニンをつくりだします。ビタミンB6はチロシンの吸収を高める働きがあります。

 

美肌

8.5点

「美肌」作り に関わるビタミンB6の働きは主に次です。

  1. 皮膚の健康
    ビタミンB6はたんぱく質の代謝・脂質の代謝にかかわっています。そのため皮膚の健康維持には欠くことができない成分です。ビタミンB6の不足は皮膚をつくるたんぱく質・脂質の代謝悪化につながりニキビ・吹き出物など肌荒れの原因となります。
  2. ケラチンの合成
    肌の一番外側である角質層は繊維状のたんぱく質ケラチンがたくさん含まれています。


    ケラチンは水分と合わさると柔らかくなるという性質をもっています。角質層内にあるケラチンとNMF(天然保湿因子)のおかげで肌の潤いを保つことができています。皮膚のケラチンの生成にもビタミンB6は関わります。

    同じケラチンでも髪の毛のケラチンとはアミノ酸組成が異なります。髪の毛のケラチンはハードケラチン(硬ケラチン)と呼ばれるのに対して皮膚のケラチンはソフトケラチン(軟ケラチン)と呼ばれます。

  3. フィラグリン合成
    NMFは人間がもともともっている皮膚の保湿成分で角質細胞内においてケラチンとともに存在しています。角質層において体内の水分を逃さない役割(肌の保湿機能)や外的刺激から肌を守る役割(肌のバリア機能)を果たしています。

    NMFの主成分はアミノ酸ですが、そのアミノ酸の前駆体であるのがフィラグリンと呼ばれるたんぱく質です。
    NMF内のアミノ酸は顆粒層にあるフィラグリンが角質上層で分解することによって生まれます。なのでフィラグリンの産生量が増加するとNMFとして機能するアミノ酸が増えるため肌の保湿機能やバリア機能が強化されることになります。
    ビタミンB6にはフィラグリンの合成を促進する作用があります。

  4. エストロゲンの代謝
    女性ホルモン「エストロゲン」は繊維芽細胞に作用しその働きを活性させます。繊維芽細胞は真皮層において美肌成分であるコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸を生み出す細胞です。

    真皮層

    ※ひし形内の〇が繊維芽細胞・ひし形の線部分がコラーゲン・線部分のつなぎめがエラスチン・ひし形内にあるのがヒアルロン酸などの基質

    エストロゲンの分泌を増やすことはこれら美肌成分の増加につながります。エストロゲンは美しい肌をつくるうえで欠くことのできないホルモンです。
    ビタミンB6は補酵素としてエストロゲンの代謝に必須です。

 

美白

6.5点

「美白」ケア に関わるビタミンB6の働きは主に次です。

  1. 肌のターンオーバーを促進
    ビタミンB6は体内に取り入れたたんぱく質を分解し必要とするたんぱく質に再合成する働きをします。この働きにより肌細胞が再生・活性され、肌の新陳代謝が促進されることが期待できます。
    シミを防ぐにはメラニンを過剰に作らせないとともに、肌のターンオーバーを促進することも重要となります。

 

筋肉

9点

「筋肉」増強 に関わるビタミンB6の働きは主に次です。

  1. たんぱく質の代謝
    筋肉はたんぱく質でできています。食事などから取り入れたたんぱく質は、体内で一度アミノ酸に分解されたあと再合成されて筋肉(筋たんぱく質)となります。
    ビタミンB6は、体内に取り入れたたんぱく質を分解してアミノ酸にする働き、分解されたアミノ酸を筋肉に合成する働きに補酵素として関わります。

    筋肉をつくるためにたんぱく質を多くとっている方は、その代謝に必要なビタミンB6も意識して摂取する必要があります。

 

マイナスポイント 
ビタミンB6の過剰摂取は筋肉の脆弱を起こすとされています。

 

脂肪

7点

「脂肪」減少 に関わるビタミンB6の働きは主に次です。

  1. 脂質の代謝
    ビタミンB6は脂質の代謝にも関与しています。せっかく脂肪が分解されても、脂肪酸がエネルギーに代謝されなければ中性脂肪に戻ってしまいます。

 

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ビタミンB6の働き分析【中身編】

合計 49/60点

カテゴリー別 点数

身体 9点

エネ 8.5点

病気 7.5点

体質 8.5点

精力 6点

健脳 9.5点

 

身体

9点

「身体」の構成材料 に関わるビタミンB6の働きは主に次です。

  1. たんぱく質の代謝
    体のパーツ(筋肉・臓器・皮膚・骨・血液・髪など)はたんぱく質が主成分となっています。食事から取り入れたたんぱく質はアミノ酸に分解されてから吸収され、体に必要なたんぱく質に再合成されます。
    ビタミンB6は、食事から取り入れたたんぱく質を分解してアミノ酸にする働き、アミノ酸を再合成する働き(たんぱく質に再合成する際に必要とするアミノ酸が足りないとき別のアミノ酸からそのアミノ酸を作り出す)に関与しています。たんぱく質の代謝に必須の成分です。

 

エネ

8.5点

「エネルギー」生成 に関わるビタミンB6の働きは主に次です。

  1. たんぱく質のエネルギー代謝
    たんぱく質の合成に使われなかったアミノ酸は分解されてエネルギー源として利用されます。
    また体内で糖質や脂質が不足している場合には筋肉のたんぱく質がアミノ酸に分解され糖新生の材料となります。

    糖新生
    糖質制限などを行ない血糖値を維持するだけの糖質が体内にない時に、人間の身体はアミノ酸、脂肪、乳酸などからグルコースを作り出し、エネルギーとして利用することが出来ます。このことを糖新生といいます。

    アミノ酸→エネルギーの代謝にビタミンB6は補酵素として重要な役割を果たします。

  2. グリコーゲンの分解
    血中の糖が不足している時、筋肉や肝臓に蓄えられているグリコーゲンがエネルギーとして利用されます。
    筋肉のグリコーゲンはグルコース-6-リン酸に分解され、それが直接筋肉の収縮のエネルギー源として利用されます。
    肝臓のグリコーゲンはグルコースに分解されて血中に放出されます。そのグルコースが脳や神経組織などのエネルギー源として利用されます。
    グリコーゲンの分解に関わる酵素はグリコーゲンホスホリラーゼです。ビタミンB6はこの酵素の補酵素として働きます。

 

病気

7.5点

「病気」予防 に関わるビタミンB6の働きは主に次です。

  1. 動脈硬化予防
    ホモシステインはメチオニン代謝の中間代謝物です。ホモシステインは血管内に活性酸素を発生させます。またLDLコレストロールと結びつき酸化LDLとなります。酸化LDLはマクロファージに食べられプラークとして血管壁に蓄積していきます。

    つまりホモシステインが増えると動脈硬化のリスクが高まることになります。ビタミンB6はメチオニン代謝に関わっておりホモシステイン→システインの変換を促進します。摂取することで血中のホモシテイン濃度を低下し動脈硬化のリスクを低減させます。

  2. 脂肪肝
    脂肪肝とは肝臓の病気の一つで肝臓に脂肪が異常に蓄積されている状態のことをいいます。具体的には肝細胞の30%以上に脂肪がたまっている状態のことをいいます。日本人の3~4人に1人が潜在的に抱えていると言われています。
    脂肪肝が進むと肝炎や肝硬変に、さらに肝臓ガンにつながる危険性もあります。脂質の代謝に関わるビタミンB6には脂肪肝を予防する働きが期待できます。
  3. エピジェネティクス
    エピジェネティクスとは「DNAの塩基配列の変化を起こさないで、クロマチン構造の変化により遺伝子発現を制御する」仕組みです。
    この仕組みの中心的な役割をはたしているのが「DNAメチル化」と「ヒストン修飾」です。これらによって遺伝子のスイッチがオン/オフが行われ、それにより遺伝子の発現が制御されています。なおエピジェネティクスは特定の種類の細胞に分化すると、細胞分裂後も継承されます。

    エピジェネティクスの制御機構が破綻するとさまざまな疾患(生活習慣病・がんなど)を引きおこすとされています。逆をいうと生涯を通じて正常に行われば、健康的に生きることができると考えられます。

    エピジェネティクスと病気 (遺伝子医学mook) [ 中尾光善 ]

     

    なぜ、食と体を整えれば、前向きになれるのか? エピジェネティクスを利用したアンチエイジング

     


    DNAのメチル化
    例えば「DNAのメチル化」が異常を起こすとがん抑制遺伝子が働かなくなり、発がんを促します。

    DNAのメチル化はメチル基供与体である「SAMe」のメチル基がDNAメチルトランスフェラーゼの働きによりDNAのシトシンに転移されることで起こります。

    DNA(デオキシリボ核酸)

    4種の塩基【アデニン(A)・チミン(T)・グアニン(G)・シトシン(C)】が並んだ繊維状の高分子を言います。この配列によって遺伝子が決定されます。この遺伝情報をRNA(リボ核酸)にコピーして、RNAがその情報をもとに特定のたんぱく質を生成します。

    DNAのメチル化の異常の要因の一つはメチル基の供給源であるSAMeの不足です。なのでSAMe生成に関わる成分=メチオニン代謝に関わる成分の 摂取or欠乏 が 健康or疾患 につながると考えられます。
    その成分というのが葉酸、ビタミンB12、ビタミンB6、そしてベタインです。

    DNAメチル化と遺伝子発現制御のしくみを探る【電子書籍】[ 太田亨、新川詔夫 ]

     

    参照

    この人に聞く「生命に関わる仕事っておもしろいですか?」第7回
    公益財団法人 テルモ生命科学振興財団 HPより

    エピジェネティクス
    国立研究開発法人 国立環境研究所 HPより

 

体質

8.5点

「体質」改善 に関わるビタミンB6の働きは主に次です。

  1. アレルギー
    ビタミンB6は免疫グロブリンの生成に関わっています。

    免疫グロブリン
    免疫グロブリンとは血液中や組織液中に存在しているたんぱく質で、免疫の中で大きな役割を果たしています。免疫グロブリンにはIgG、IgA、IgM、IgD、IgEの5種類があり、それぞれ働く場所や機能に違いがあります。免疫グロブリンはようは抗体のことです。

    免疫機能を正常にしアレルギー症状を緩和する効果があります。

  2. 口内炎
    ビタミンB6は粘膜の健康維持をサポートします。口内炎の市販薬(第3類医薬品)に有効成分の一つとして配合されています。
  3. 貧血
    ビタミンB6は5-アミノレブリン酸(ALA)の合成に必要となります。5-アミノレブリン酸合成酵素(ALAS)の補酵素として働いているからです。ALAはヘムの前駆体です。

    ヘム
    ヘムの生合成は8段階の反応をへて行われています。その第1段階がミトコンドリア内でのALAの合成から始まります。ALAが出発物質となり数段階の酵素反応の後、プロトポルフィリンという物質になります。プロトポルフィリンが鉄と結合するとヘムになります。
    ヘムはヘモグロビンの構成成分です。へモグロビンはヘムとグロビンと呼ばれるたんぱく質でてきています。ヘモグロビンは赤血球の主成分で酸素を全身の細胞に運搬する役割を担っています。

    ビタミンB6が不足するとヘム合成が低下し、鉄芽球性貧血になりやすくなります。

 

精力

6点

「精力」増進&「性機能」向上 に関わるビタミンB6の働きは主に次です。

  1. 生理痛
    PMS(月経前症候群)は女性ホルモンのバランスの崩れが原因の一つです。ビタミンB6はエストロゲンの代謝に補酵素として働きホルモンバランスの乱れを整える作用があります。また子宮の収縮を緩める作用もあります。ビタミンB6摂取によりPMSの症状緩和が期待できます。
  2. つわり
    妊娠すると尿中にキサンツレン酸という物質が多く排泄されます。つわりの原因の一つはキサンツレン酸が尿中に増加することです。キサンツレン酸は、必須アミノ酸トリプトファン代謝の際に作られる中間代謝物です。妊娠するとトリプトファンの代謝が上手くいかずキサンツレン酸が尿中に増加してしまいます。アミノ酸代謝に関わるビタミンB6はトリプトファンの代謝異常の予防・改善に働きます。
  3. プロラクチン
    プロラクチンとは脳下垂体前葉の好酸性細胞から分泌されるホルモンです。


    女性の場合は妊娠すると分泌量が増え(プロラクチン値が高くなり)、排卵を抑制し母乳の分泌を促す作用があります。
    男性でプロラクチン値が上昇すると性欲減退したりED(勃起不全)になったりします。
    ビタミンB6にはプロラクチンの分泌を抑える働きがあるとされています。

マイナスポイント 
ビタミンB6を過剰に摂取すると精巣が萎縮して精子の減少することがあります。

 

健脳

9.5点

「脳」の健康 に関わるビタミンB6の働きは主に次です。

  1. GABA
    GABAはγ₋アミノ酪酸(Gamma Amino Butyric Acid)の略称です。脳に存在する抑制系の神経伝達物質と機能しています。GABAは高ぶった神経を落ち着かせる働きをしリラックス・ストレス緩和作用をもたらします。ビタミンB6はGABAの合成に関わっています。
  2. セロトニン
    セロトニンは脳内に分泌される神経伝達物質の一つです。セロトニンが分泌されると不安や恐怖といった感情が抑えられ精神状態を安定させることができます。セロトニンはトリプトファンを原料に作られますが、ビタミンB6はこのトリプトファン→セロトニンの変換の際に必要な酵素の補酵素として機能しています。
  3. ドーパミン
    ドーパンミンは脳に興奮状態をもたらします。ドーパミンが分泌されることで「快感」や「意欲」につながります。ドーパミンが不足するとパーキンソン病を発症しやすくなるといわれています。
    ビタミンB6はドーパミンの生成にも関与しています。

 

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ビタミンB6のサプリメント分析

合計 14.5/20点

カテゴリー別 点数

継続(価格は安いか) 5点

手軽(購入ルートは多いか)4点

選択(品揃えは豊富か)3.5点

貴重(食品から取りづらいor不足しやすいか)2点

 
  • 継続
    250日分は約1400円で購入可能です。これだとひと月あたり約165円で済みます。
  • 手軽
    店舗・ネットで購入可能です。ただし国内ではビタミンB群としてあるいは第3類医薬品のビタミン剤としての販売がほどんどです。ビタミンB6単体サプリとしてはあまり販売されていません。
  • 選択
    某ECサイトで「ビタミンB6 サプリメント」検索すると5万件以上ヒットします。ですが、そのほとんどはビタミンB6が含有されている商品としてヒットします。単体サプリでのヒット件数は少ないです。
  • 貴重
    魚・肉類・野菜などに広く含まれています。特にマグロに多く含まれています。腸内細菌でも合成できるため不足しにくいとされています。ただしたんぱく質を多くとる人はその量に応じて多めにとる必要があります。

 

 

愛用品

 
愛用理由
100㎎/粒が250粒入っています。1日1粒が摂取目安であるため8カ月以上持ちます。値段が約1400円~のためコスト的にはかなり安くすみます。
コスパは優秀ですが、1粒で食事摂取基準の耐用上限量の2倍近く含まれています。この辺りが気になる方にはお勧めはできません。

 

 

おすすめ品

 
 
おすすめ理由
ビタミンB6は活性型となってから体内でその効果を発揮します。
一般的なビタミンB6(ピリドキシン)サプリは体内にとりこまれ酵素の働きにより活性型にかわってから働きかけます。P-5-Pはその変換過程が必要なく、そのままの形で直接働きかけることができます。

 

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ビタミンB6との組み合わせ

ビタミンB6と相性の良い成分 7つ厳選

  1. たんぱく質
  2. BCAA
  3. 脂質
  4. ビタミンB群(特にビタミンB2、葉酸&ビタミンB12)
  5. トリプトファン
  6. ヘム鉄
  7. コラーゲン

 

そのうち2つをPICK UP

④ビタミンB群(特にビタミンB2、葉酸&ビタミンB12)

ビタミンB2はビタミンB6の活性化に関わっています。なのでビタミンB2が不足することはビタミンB6の働きを弱めることになります。

 

ビタミンB6と葉酸とビタミンB12はホモシステインの代謝に関わっています。3つが協力することでホモシステインの蓄積を防ぎます。動脈硬化予防になります。

 

⑤トリプトファン

必須アミノ酸のトリプトファンはセロトニンやメラトニンの原料となります。トリプトファン→セロトニン→メラトニンの順に代謝されていきます。
トリプトファンは脳に運ばれるとセロトニンに変換されますが、この変換に補酵素として関わっているのがビタミンB6です。
またトリプトファンからナイアシンを合成することができます(転換率は1/60)。このトリプトファン→ナイアシンの代謝にも補酵素してビタミンB6は関わっています。

 

ビタミンB6のまとめ

ビタミンB6 評価

総合評価 S 109点 

分析【見た目編】45.5

分析【中身編】49

分析【サプリ】14.5

 

 

以上をもとに→ビタミンB6について勝手に語る

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