MSM イオウの供給源

MSM

有機イオウ化合物の1種

 

 

MSMとは

MSMについて

  • MSMはメチルサルフォニルメタン(Methyl-Sulfonyl-Methane)の頭文字をとったものです。有機イオウ化合物の一種です。

    • イオウは体内でカルシウム、リン、カリウムに次いで4番目に多く含まれるミネラルです。
    • イオウは髪、爪、皮膚、軟骨などに多く含まれています。体内では構造たんぱく質としてまたは補酵素として機能しています。
    • イオウは体内では単独では存在していません。主に含硫アミノ酸の構成成分として存在しています。
    • イオウは髪、爪、皮膚に多く含まれていると述べましたが、それらの主成分であるケラチンたんぱく質に含硫アミノ酸が多く含まれているからです。
  • MSMは体内でイオウの供給源となる成分です。
  • MSMの構成成分のうち34%はイオウでできています。
  • MSMが体内に取り入れられると そのイオウは含硫アミノ酸などに取り込まれます。
  • MSMは血液中に約700~1100ng/ml存在しているともいわれています。
  • 一説によると体内のイオウの供給源の85%はMSMからとされています。
  • MSMの主な効果・効能は【イオウの供給源として】関節痛を緩和すること、髪・肌・爪の形成をサポートすることです。

 

摂取量について

目安摂取量
1000
㎎~2000㎎/
1000㎎~2000㎎/日は食品会社・サプリメーカーが設定している目安摂取量です。さまざまなMSMサプリを調べたところ一番目にした数値です。

 

MSMの効果・効能

MSMの効果・効能 5つ厳選

  1. 関節痛の緩和
  2. ケラチンの形成サポート
  3. コラーゲンの合成を促進
  4. アレルギー症状の緩和
  5. 解毒作用

※これら効果・効能のほとんどは「イオウの供給源」として働くことで得られます。

 

そのうち1つを詳しく

①関節痛の緩和

関節とは体の肩・肘・腰・膝・股などにある「骨と骨の連結部位」のことを言います。身体には(指などの小さな関節も合わせると)全部で68個の関節があるとされています。

MSMは関節痛に効く成分として有名です。

予告

「MSMは関節痛に効く」この理由を述べるためにこれからいろいろと長々と説明します。どうかお付き合いください。「わけがわかない!一体何が言いたいんだ!!」と思ったときはとにかく「MSMは関節痛に効く」に着地するためもがいているものだと捉えてください。

なぜ効くかの前に「関節」&「軟骨」&「関節痛」について説明したいと思います。

まず初めに関節の構造を簡単に説明します。

関節について

関節軟骨
関節の骨の表面は滑らかで弾力性のある関節軟骨(軟骨)と呼ばれる組織で覆われています。関節と関節の間にある関節軟骨には骨と骨の衝撃を和らげるクッションのような役割があります。

関節腔
関節腔はイラスト内のブルーの領域です。このブルーは関節液(滑液)とよばれる粘膜で満たされているものとイメージしてください。関節液は関節が動く際に、動きをスムーズにさせる=関節面の摩擦を軽減させる潤滑油ような役割を果たしています。

関節包
関節は関節包と呼ばれる袋状の組織に包まれています(イラスト オレンジの領域です)。関節包の内側には滑膜と呼ばれる柔らかく、ひだのある組織が存在しています。この滑膜から関節液が分泌されています。

 

続いて軟骨について説明します。上記で軟骨は骨と骨の衝撃を和らげるクッションのような役割をすると説明しました。ここではその軟骨が「何」でできているかに焦点をあてます。

 

軟骨について

軟骨

  • 水分 ~75% 
  • 軟骨基質 ~25%
  • 軟骨細胞 わずか数%
で構成されています。

うち軟骨基質(~25%)は


  • コラーゲン(コラーゲンⅡ) 15~20%
  • プロテオグリカン(アグリカン)3~5%
  • その他 ~ %
からなっています。

軟骨基質の主成分について簡単に説明します。

コラーゲンについて

コラーゲンに関してはこちらの記事に詳しく書きましたのでよろしければご覧ください。
プロリン コラーゲンの合成促進

なお()が軟骨に含まれている主なコラーゲンの種類を指しています。コラーゲンは総称のことでその構造の違いにより体内には19種類の型があるとされています。コラーゲンの中で軟骨に多く含まれているのがⅡ型です。

 

プロテオグリカンについて

プロテオグリカンは糖にたんぱく質が結合した糖たんぱく質の一種です。コンドロイチン硫酸、デルタマン硫酸、ヘパラン硫酸などグリコサミノグリカンと呼ばれる糖鎖がコアたんぱく質に共有結合してできます。プロテオグリカンもコラーゲンと同様に総称のことです。プロテオグリカンは分布する組織の場所によってまたグリコサミノグリカン鎖の種類によって分類されています。その数は約20種類あるとされています。
代表的なものはアグリカン(軟骨組織に存在)パールカン(基底膜に存在)、バーシカン(皮膚の真皮層に存在)の3つです。
※後ほど詳しく説明します。

 

続いて関節痛について説明します。
なおここでは「関節は膝のこと」、「関節痛は変形性膝関節症のこと」、「関節痛は関節炎を含む」この3つを前提とさせていただきます。
※あくまでもここではということをお忘れなく。

 

関節痛について

関節痛とは 歩いたり立ち止まったり、座ったり立ちあがったり、階段を昇り降りしたり する際、関節を曲げ伸ばしする時に痛みを感じることをいいます。

その「痛み」

骨と骨との間でクッションの役割をしていた関節軟骨がすり減ったり、変形すること骨と骨がこすれてしまい、その結果として関節周囲の組織に炎症が起きたり、膝に水がたまることにより生じます。


変形性膝関節症について

関節痛についてもう少し詳しく説明します。ここでは【日常生活におけるちょっとした関節の痛み】というよりは【関節痛という病気=変形性膝関節症】として説明したいと思います。

・炎症が起きる
軟骨軟骨がすり減ると、「削りかす」のような細かな軟骨の摩耗片を生じます。この摩耗片が関節包に取り込まれるとその内側にある滑膜に炎症が起きます

この「炎症」は摩耗片を排除する&軟骨組織を修復するための反応で、この「炎症」の過程でひざが腫れたり痛みます。腫れ&痛みは次の「膝に水がたまる」につながります。

・膝に水がたまる
炎症を起こした滑膜から多量に関節液が分泌されます。「膝に水がたまる」とは関節腔にある関節液が増えすぎている状態をいいます。
膝に水がたまると膝が痛むのは、関節液が増えすぎて膝の周囲の神経が圧迫されるからです。
また関節液の粘ちょう性が失われ関節液本来の機能(関節面の摩擦を軽減させる潤滑油ような役割)が失われるからです。

・炎症のループ
さてさきほど「炎症」は摩耗片を排除する&軟骨組織を修復するための反応と言いました。ならば良いことではと思われるかもしれません。残念ながらそうではありません。
炎症を起こした滑膜からは、さらに炎症を誘発する化学物質が放出され、さらに炎症が起きるといった炎症の「悪循環」が形成されてしまいます。そして炎症が起きている状態で膝を動かすと軟骨の摩耗や変性が進行します。

骨棘形成
軟骨の摩耗や変性がさらに進行すると軟骨の下の骨が徐々に露出しはじめます。骨と骨が直接こすりあうようになり激しい痛みが生じます。骨同士がぶつかりあうことにより骨棘(骨が隆起してトゲのような形になる)が形成されるようになります。骨棘ができて周囲の組織とこすれるとさらに激しい痛みが生じます。

変形性膝関節症
ひざの痛みが激しくなるとなるべく歩かないようになります。歩かなくなると筋力が低下します。
筋力が低下するといざ歩いたときに膝関節の負担が増加します。

そうすると説明してきた【炎症が起きる~骨棘形成】の流れを何度も何度も繰り返すことになります。

こうして膝関節へのストレスが増える・蓄積することで徐々に軟骨がなくなっていくゆっくり骨の変形が進んでいく病気変形性膝関節症です。

 

以上が「関節」&「軟骨」&「関節痛」についてです。

関節痛(変形性膝関節症)は簡単にいえば「関節軟骨がすり減ることで炎症が起きる病気」ということになります。
「関節軟骨がすり減る」これは「軟骨基質の主成分であるコラーゲンおよびプロテオグリカンが減少する」です。
だとするならばコラーゲンおよびプロテオグリカンの生成に関わる成分を取ることが関節痛(変形性膝関節症)の緩和・予防につながります。

「コラーゲンおよびプロテオグリカンの生成に関わる成分」これにあてはまるのがイオウです。イオウは体内で4番目に多く含まれるミネラルで、特に髪、爪、皮膚、軟骨に多く含まれています。 軟骨においてイオウはその主成分であるコラーゲンの生成・プロテオグリカンの形成に大きく貢献する成分です。

ここではコラーゲンはいったん置いときまして(働き分析【見た目編】 美肌項目にて説明)、「プロテオグリカンの形成にイオウが欠くことのできない成分である」を「プロテオグリカンとは何か」を交えて説明します。

プロテオグリカンについて

軟骨に多く含まれるプロテオグリカンはコアたんぱく質と呼ばれるたんぱく質1本にグリコサミノグリカンと呼ばれる長大な糖鎖が数本から数十本共有結合した化合物です。

グリコサミノグリカン

グリコサミノグリカンは総称のことで

アミノ糖(N-アセチルグルコサミン or N-アセチルガラクトサミン)】と
【ウロン酸(またはガラクトース)】
2糖を【構成単位】として 
その【構成単位】を繰り返し配列した構造をもつ直鎖状の多糖体のことをいいます。

略してGAG(glycosaminoglycan)と呼ばれます。※以下GAGでいきます。
GAGにはヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、ケラタン硫酸、デルタマン硫酸、ヘパラン硫酸などの種類があり、2糖の組み合わせの違いによりその種類が決まります。

・硫酸基がついている

コンドロイチン硫酸、ケラタン硫酸といったようにGAGには「硫酸基が結合」されています。
※「硫酸」とはイオウを含むオキソ酸のことです

通常 硫酸化されたGAGはコアタンパク質に結合しプロテオグリカンとして生体内で機能しています。
例外があり、それがヒアルロン酸です。

ヒアルロン酸

ヒアルロン酸は硫酸化されておらず、そのためコアタンパク質にも結合しないでプロテオグリカンではない遊離の糖鎖として存在しています。

ヒアルロン酸はプロテオグリカン集合体(次で説明)ではありますが、厳密にいうとプロテオグリカンではないため単体の成分として取り扱われることが多いです。

以前の軟骨についてでは

軟骨基質(~25%)は

  • コラーゲン(コラーゲンⅡ) 15~20%
  • プロテオグリカン(アグリカン)3~5%
  • その他 ~ %

としましたが、
プロテオグリカンとヒアルロン酸をしっかりとわけて

軟骨基質(~25%)は

  • コラーゲン(コラーゲンⅡ) 15~20%
  • プロテオグリカン(アグリカン)3~5%
  • ヒアルロン酸 1%
  • その他 ~ %

とすることがあります。あるというかそのほうが多いかもしれません。

プロテオグリカン集合体

関節軟骨に含まれるプロテオグリカン集合体はヒアルロン酸を軸としてプロテオグリカンが枝のようについています。この枝であるプロテオグリカンの間に水分子が引き寄せられます。プロテオグリカンには水を引き寄せ保持する作用があるからです。

 

このようにイオウはプロテオグリカンの形成において「硫酸基」として関与しています。

関節に圧力がかかるとプロテオグリカンに含まれた水分がスポンジを絞ったように表面にしみだします。そうすることで骨と骨の滑りが良くなり関節の動きがなめらかになります
イオウはこのプロテオグリカンの働きに貢献しているため軟骨にとって大事な成分と位置付けられています。

さて「イオウ」は体内で合成することはできません。なので外から取り入れる必要があります。
また「イオウ」として単独で存在することもありません。GAGの硫酸基として、たんぱく質(含硫アミノ酸)として etc. 存在しています。

では体内に「イオウ」を取り入れるとするならば、その供給源はいったい何になるのか?

1つはいうまでもなくたんぱく質からです。すでにその構成成分としてイオウが含まれているシステインやメチオニンといった含硫アミノ酸からです。

もう1つが今回の主役であるMSMです。

本題入ります

長々とすいませんでした。こっからがようやく本題となります。

MSMはその質量の約34%がイオウで構成された成分で、体内においてイオウの供給源として働きます。
一説によると体内のイオウの供給源の85%はMSMからといわれています。

今まで説明してきたことをMSMを絡めてまとめると

MSM
軟骨基質の主成分プロテオグリカン
の構成成分であるGAG
の形成に貢献しているイオウの供給源
となっている

 

ということです。

MSM由来のイオウは、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸といった硫酸化されたGAGを生成する
ために利用されます。
ようはMSMはプロテオグリカンを生成するために必要な成分ということです。

 

さてお忘れかもしれませんが「MSMは関節痛に効く成分として有名」この理由を説明することがここでの目的です。

MSMは関節痛に効く成分として有名 

その理由は

結論を述べる前にもう一度

ここでは関節痛(変形性膝関節症)
「関節軟骨がすり減る(=軟骨基質の主成分であるコラーゲンおよびプロテオグリカンが減少する)ことで炎症が起きる病気」としています。

その理由は 

  • MSMがイオウの供給源として軟骨を修復する(=軟骨がすり減るのを防ぐ)働きをする。
  • イオウ化合物であるMSMそのものに鎮静作用抗炎症作用がある。
    ※どのようなメカニズムで痛みや炎症を抑えるのかは不明です。

 

からです。
※後者はなんの脈絡もなしに登場しましたが、そういうものと受け入れてください。

 

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MSMの働き分析【見た目編】

合計 44/60点

カテゴリー別 点数

薄毛 9点

白髪 7点

美肌 8.5点

美白 7.5点

筋肉 6点

脂肪 6点

 
 

薄毛

9点

「薄毛」改善 に関わるMSMの働きは主に次です。

  1. 髪のケラチン形成(by イオウの供給源)
    髪の主成分はケラチンと呼ばれるたんぱく質です。髪の90%以上はケラチンでできています。ケラチンは18種類のアミノ酸で構成されています。

    ケラチンのアミノ酸組成
    ※%はおおよその値です。

    ケラチンたんぱく質は18種類のアミノ酸で構成されていますが、 含硫アミノ酸(シスチン・メチオニン)だけでおよそ2割を占めています。
    なので含硫アミノ酸が不足すると健康な髪が育ちにくくなり抜け毛が増えることになります。

    含硫アミノ酸に含まれるイオウは髪のケラチンの形成に大きく貢献している成分です。

    その理由

    ケラチンにはジスフィルド結合(S-S結合)と呼ばれる架橋が多く見られます。

    ジスルフィド結合とはたんぱく質分子内、あるいはたんぱく質分子間で2つのシステインに含まれるSH基同士が酸化されることで形成させる架橋のことをいいます。より具体的にいうとシステインに含まれるSH基のイオウ原子(S)とイオウ原子(S)の間に形成されます。なのでS-S結合とも呼ばれます。
    S-S結合はたんぱく質の立体構造の安定化に大きく寄与しています。
    ケラチンにシスチンが多く含まれている理由が「S-S結合」のためで、そのなかでイオウがケラチン分子を固く結びつける役割を果たしていると考えることができるのでイオウはケラチンの形成に大きく貢献しているといえます。

    なお髪の毛を燃やした時にでる悪臭のもとは「イオウ」によるものです。

    MSMはイオウの供給源です。MSMに含まれているイオウ原子は体内に取り入れられると含硫アミノ酸の中に取り込まれるようになります。
    MSMはイオウの供給源として髪のケラチンの形成に大きく貢献しているといえます。

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白髪 

7

「白髪」予防 に関わるMSMの働きは主に次です。

  1. 髪のケラチン形成(by イオウの供給源)
    髪に着色するメラニンはメラノサイトで作られています。一方で髪の本体ともいえるケラチンは毛母細胞で作られています。


    ※毛母細胞の隣にメラノサイトが存在しています。

    毛母細胞が細胞分裂して髪が作られる過程で、メラノサイトで作られたメラニンが毛母細胞に取り込まれることで「黒髪」が生えてきます。

    白髪予防においては当然ですが黒髪のもととなる「メラニン」の生成が重要です。ただし(その取り込み先である)髪本体が健康でないともともこうもありません。つまり髪の主成分であるケラチンが不足すると髪が抜けやすくなることはもちろん、白髪にもなりやすくなるということです。

    MSMはイオウの供給源として髪のケラチンの形成に関与しています。

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  2. グルタチオン(by イオウの供給源)
    グルタチオンはシステインを含むトリペプチドです。白髪が増える要因の1つである過酸化水素の除去に働きます。
    グルチオンペルオキシダーゼの作用より過酸化水素を分解する酵素反応では、グルタチオンを基質として利用グルタチオンのチオール基(-SH)を用いて過酸化水素を還元して分解しています。
    摂取したMSMのイオウは体内の含硫アミノ酸に取り込まれます。この過酸化水素の除去にも遠からず関わっているかもしれません。

 

美肌

8.5点

「美肌」作り に関わるMSMの働きは主に次です。

  1. 皮膚のケラチンの形成(by イオウの供給源)
    肌の一番外側である角質層は繊維状のたんぱく質ケラチンがたくさん含まれています。


    角質層のケラチンは水分と合わさると柔らかくなるという性質をもっています。角質層内にあるケラチンとNMF(天然保湿因子)のおかげで肌の潤いを保つことができています。

    髪のケラチンに多く含まれていたシ
    スチン(システイン2分子)は皮膚のケラチンにおいても分子間に架橋をつくりケラチン繊維を強固にする重要な役割を担っています。その架橋の形成にはシステインの構成要素のイオウが大きく関わっています。なのでイオウは皮膚のケラチンの形成=肌の潤いにも大きく貢献するミネラルといえます。MSMは体内のイオウの供給源です。

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  2. コラーゲンの生成(by イオウの供給源)
    コラーゲンは真皮の乾燥重量のうち70%を占めています。コラーゲンが真皮全体に網目状に広がることで肌の弾力やハリを保つことができます。


    ※真皮層を拡大したイラストです。ひし形の線部分がコラーゲン。

    コラーゲンのアミノ酸組成においてはグリシン・プロリン・ヒドロキシプロリン・アラニンなどが多く、システインをはじめとする含硫アミノ酸が少ないのが特徴です。なのでジスフィルド結合による架橋効果はあまりみられないとされています。
    コラーゲン分子間の架橋は
    アルドール縮合またはシッフ塩基型結合によって橋を架けあうように形成されています。

    となるとイオウもといMSMはコラーゲンの生成にあまり関与していないと思われるかもしれません。が、真逆です。イオウはコラーゲンの合成に必要で、その供給源となるMSMはコラーゲンの生成に大きく関わる成分と位置付けられています。

    深く考えずにこれは素直に受け入れるべきだと考えました。
    とにかくMSMはコラーゲン生成を高める働きがあり美肌作りに大きく貢献する成分であります。

    一応考えました

    コラーゲンには28~29種類(型は19種類)あるとされます。もしかしたらコラーゲンの種類によってイオウは必須で、だから供給源となるMSMはコラーゲンの生成に大きく関わるとされているかもしれません。

    皮膚に多く存在するのがⅠ型コラーゲン(約70~80%)とⅢ型コラーゲン(約15%)です。コラーゲンといえばニッピさんのHPにⅢ型コラーゲンの分子内鎖間にはジスフィルド結合があると記載されています。もしかしたらイオウもといMSMはⅢ型コラーゲンの生成において重要であると考えることができます。

    あとⅣ型コラーゲンも皮膚の表皮と真皮を繋ぎあわせる役割を果たしており肌のハリや弾力に関わるコラーゲンとされています。Ⅳ型コラーゲンの分子内鎖間にもジスフィルド結合があると記載されています。
    つまりイオウもといMSMはコラーゲンはコラーゲンでもⅢ型Ⅳ型の生成に関与することで美肌作りに貢献していると考えられます。
    まあ深く考えずに単に「イオウはコラーゲンの合成に必要で、その供給源となるMSMはコラーゲンの生成に大きく関わる成分」でいいと思います。


    1月26日は コラーゲンの日 ニッピコラーゲン(株)HP

  3. ニキビ
    イオウにはピーリング作用があります。角質層を軟化させ、毛穴に詰まった皮脂の排出を促す&古い角質を取り除く働きをします。なのでニキビ治療に有効です。

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    この働きは外用としてですが、MSMのサプリのレビューで「MSMを摂取してからニキビができにくくなった」というのをよく目にします。

 

美白

7.5

「美白」ケア に関わるMSMの働きは主に次です。

  1. システイン(by イオウの供給源)
    含硫アミノ酸の代表格であるシステインは美白効果の高い成分として非常に有名です。
    システインの美白作用をざっとあげると以下になります。

    ①メラニンが過剰に作られるのを防ぐ
    シミのもととなるメラニンはチロシンとチロシナーゼ酵素が結合することで作られます。システインにはチロシナーゼの活性を抑制し、メラニンが過剰に作られるのを防ぐ働きがあります。

    ②メラニンを作ってもシミを作らない
    メラニンには色の濃い黒色メラニン(ユーメラニン)と、色の薄い肌色メラニン(フェオメラニン)の2種類があります。肌色メラニンはシミを作らないメラニンです。
    システインには黒色メラニン生成へ抑え、肌色メラニン生成を促す作用つまり「シミを作らないメラニン」に導く働きがあります。

    ③シミのもととなる黒色メラニンを無色化

    システインの抗酸化作用はメラニンに直接働きかけ黒色メラニンを無色に還元する(淡色化)働きをします。この作業は同じく抗酸化作用をもつビタミンCと協力して行われます。

    肌のターンオーバーを正常化させる
    メラニンは肌のターンオーバーとともに排出されます。
    システインには肌のターンオーバーを正常化させる働きがあります。

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    さてイオウはシステインの構成要素です。イオウはMSMを通じてシステイン内に取り込まれる場合もあります。場合もあるといいましたが、その率は結構多いかもしれません。というのも【MSMの構成の34%を占めるイオウは、体内で含硫アミノ酸に取り込まれる】とか【体内のイオウの供給源の85%はMSM】と言われているからです。
    そう考えるとMSMはシステインの美白作用に間接的に貢献している成分といっても強ち間違いではないように思います。

    なお余談ですが、硫黄泉はメラニン分解を促す働きがあるため「シミ予防の湯」や「シミ抜きの湯」と異名を持ちます。

    魁!!男塾 第18話 涙の硫黄泉の死闘・Jの最期・これがヤンキー魂だ【動画配信】

     

 

筋肉

6点

「筋肉」増強 に関わるMSMの働きは主に次です。

  1. 筋肉痛
    MSMの主たる働きはイオウの供給源としてです。ようは「イオウ」が主役となる働きです。

    MSMそのものとしての働きのなかに体内の抗酸化能を高める・鎮静作用・抗炎症作用などがあります。

    MSMそのもの
    MSMそのものとはイオウ供給源としてではなくイオウ化合物としての「MSM」という意味です。表現が適しているかどうか・・・ですが、なんとなくでお察しください。

    なのでMSMの摂取が筋肉痛に効くされています。この筋肉痛に対する効果は数々の臨床試験や動物実験により証明されています。

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  2. 筋肉の材料(by イオウの供給源)
    含硫アミノ酸のシステインは筋肉を構成するアミノ酸の1つです。
    コラーゲンは筋膜(筋肉を覆っている膜のこと)を構成している成分の1つです。
    MSMはイオウの供給源として「システイン」「コラーゲン」に関わっています。なので「筋肉」にも少なからず関与しているといえます。

 

脂肪

6点

「脂肪」減少 に関わるMSMの働きは主に次です。

  1. ビタミンB1・パントテン酸(by イオウの供給源)
    イオウの働きは大きく分けて2つあります。
    1つは含硫アミノ酸として髪・肌・爪・軟骨の材料となることです。もう1つはビタミンB1・パントテン酸と結合して補酵素として機能することです。
    後者だと糖代謝(ビタミンB1)・糖・脂質代謝(パントテン酸)に関わることになります。なのでダイエットにも関わってきます。

    その理由

    体内で糖・脂質の代謝が効率的に行われていることが太りにくい体質を作る前提です。
    これは逆からのほうがわかりやすいかもしれません。糖・脂質の代謝が効率的に行われなければ【今ある脂肪がなかなか燃焼されない】&【脂質や糖質がエネルギーにかわらず脂肪として蓄えられてしまう】=太りやすい体質になってしまいます。

    さてMSMはイオウの主な供給源です。なので補酵素としてのイオウの働きにも関わっている可能性があると十分に考えられます。

 

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MSMの働き分析【中身編】

合計 38/60点

カテゴリー別 点数

身体 6点

エネ 6点

病気 6点

体質 8.5点

精力 5.5点

健脳 6点

 

身体

6

「身体」の構成材料 に関わるMSMの働きは主に次です。

  1. 含硫アミノ酸(by イオウの供給源)
    筋肉・皮膚・臓器・髪など体を構成しているものの主成分はたんぱく質です。これらたんぱく質は20種類のアミノ酸から作られています。20種類のなかには【イオウを含んだアミノ酸】=【含硫アミノ酸】も含まれています。摂取したMSMのイオウは含硫アミノ酸に取り込まれます。
  2. コラーゲン(by イオウの供給源)
    人間の体を構成しているたんぱく質のうち30%はコラーゲンでできています。体内にあるコラーゲンのうち、約40%が皮膚に、骨・軟骨に約10~20%、血管に約7~8%が存在しています。

    コラーゲンの体内構成比率

    コラーゲンの体内構成比

    MSMはイオウの供給源としてコラーゲンの生成に関与しています。

 

エネ

6点

「エネルギー」生成 に関わるMSMの働きは主に次です。

  1. エネルギー代謝(by イオウの供給源)
    イオウはビタミンB1やパントテン酸と結合し補酵素として機能します。そして食事から摂取した糖質や脂質を効率よくエネルギーに変換するのを手助けします。
    MSMは体内のイオウの有力な供給源です。一説では体内のイオウの85%はMSMからの供給といわれています。

 

病気

6点

「病気」予防 に関わるMSMの働きは主に次です。

  1. ロコモ
    ロコモとはロコモティブシンドロームのことで日本語では運動器症候群と訳されます。 運動器(筋肉・骨・関節など)が衰えることで 「立つ」「歩く」といった日常生活の自立度が低下している状態のことをいいます。ロコモが進行すると寝たきりになり介護が必要となる可能性が高くなります。

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    運動器(筋肉・骨・関節など)の衰えることの要因の1つに軟骨の減少があげられます。MSMは軟骨の減少を防ぐ成分です。

  2. 間質性膀胱炎
    間質性膀胱炎とは、膀胱に原因不明の炎症が起こることで頻尿、尿意切迫感、蓄尿時膀胱痛などの症状がでる病気です。海外ではMSMの前駆体DMSO(ジメチルスルフォン)が間質性膀胱炎の治療薬として承認されています。治療薬として用いられるのはあくまでも前駆体であるDMSOなのですが、MSMを摂取することで予防効果が見込めるかもしれません。

  3. 肝疾患
    体内で生成されるシステインはSH供与体としてSH酵素【アルコール脱水素酵素&アセトアルデヒド脱水素酵素】を活性させる働きします。またシステインが直接アセトアルデヒドに反応し無毒化する働きもします。

    システインをもとに作られるグルタチオンは自らのSH基を用いて肝臓内で発生する活性酸素を除去する働きをします。また肝臓にある有害物質と結合(グルタチオン抱合)し、自ら細胞外に排出されることで有害物質を無毒化します。

    システインをもとに作られるタウリンは肝細胞の再生を促したり、胆汁酸の分泌を促進させることで肝臓の働きをサポートします。

    これらはイオウを含んだアミノ酸=含硫アミノ酸です。含硫アミノ酸の構成要素であるイオウの供給源として働くMSMは肝臓の病気予防にも貢献すると考えられます。

 

体質

8.5点

「体質」改善 に関わるMSMの働きは主に次です。

  1. 関節痛
    プロテオグリカンは関節において水分を保持する役割をしています。

    その理由

    関節に圧力がかかるとプロテオグリカンに含まれた水分がスポンジを絞ったように表面にしみだします。そうすることで骨と骨の滑りが良くなり関節の動きがなめらかになります。

    プロテオグリカンの構成成分であるグリコサミノグリカンには硫酸基が付加されています。この硫黄の供給源となるのがMSMです。MSMには関節痛を緩和する効果があります。

    プロテオグリカン グルコサミン・コンドロイチン・MSM 【900粒】(ジャパンギャルズSC)【生活習慣病改善/関節痛】

     

  2. 抗アレルギー
    MSMにはアレルギー症状を、特に花粉などの季節性アレルギー症状を緩和する効果があると言われています。作用機序はよく分かっていませんが、MSMに粘膜を強化しアレルギーの侵入を防ぐ働きがあるとされています。

    Allergy Research Msm 500 mg 150 Veg Caps アレルギーリサーチグループ MSM サプリメント

     

  3. 爪のケラチン(by イオウの供給源)
    爪はケラチンでできています。爪のケラチンに最も多く含まれているアミノ酸はジスルフィド結合【システインに含まれるSH基のイオウ原子(S)同士が酸化されることで形成させる架橋のこと】を介して生まれるシスチンです。

    MSMはシステインに含まれるイオウの供給源として働きます。なのでMSMの摂取は爪の健康につながります。

    サトウグルコサミンMSM 160粒 軟骨、爪など 健康食品

     


 

精力

5.5点

「精力」増強&「性機能」向上 に関わるMSMの働きは主に次です。

  1. 含硫アミノ酸(by イオウの供給源)
    精力減退の原因の1つに男性ホルモン「テストステロン」の分泌の低下があげられます。加齢、酸化ストレスなどによりテストステロンの分泌が低下していきます。
    システインおよびグルタチオン(システインを含むトリペプチド)は抗酸化力が非常に強く体内で酸化ストレスに対する防御機構として活躍します。つまるところ酸化ストレスによる精力減退を防ぎます。

    またシステインから生成されるタウリンは妊活に役立つ成分です。女性・男性の不妊の主たる原因は卵子・精子のミトコンドリアの機能低下とされていますが、タウリンはマグネシウム【細胞内のエネルギー代謝に欠くことができないミネラル】の働きを手伝うことでミトコンドリアの活性化に貢献します。

    これら化合物にはイオウが含まれています。このイオウの供給源となるのがMSMです。

 

健脳

6点

「脳」の健康 に関わるMSMの働きは主に次です。

  1. ビタミンB1(by イオウの供給源)
    脳のエネルギーとなるのはブドウ糖のみです(例外あり ケトン体)。脳のエネルギーを確保するにはエネルギー源のブドウ糖だけでなくブドウ糖をエネルギーに変える反応に補酵素として関わるビタミンB1の摂取も重要となります。イオウはビタミンB1と結合して補酵素としての働きをサポートしています。
    MSMはイオウの主な供給源です。なのでこの「補酵素としての働き」にも関わっている可能性があります。
  2. グルタチオン(by イオウの供給源)
    強力な抗酸化作用を有するグルタチオンは脳の細胞内にも存在しています。そこで自らのチオール基(-SH)を用いて活性酸素種を除去しています。
    グルタチオンのチオール基はシステイン残基中のチオール基です。このイオウの供給に働くMSMも脳内の抗酸化作用に少なからず貢献している考えられます。

 

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MSMのサプリメント分析

合計 17.5/20点

カテゴリー別 点数

継続(価格は安いか) 4点

手軽(購入ルートは多いか)4.5点

選択(品揃えは豊富か)4点

貴重(食品から取りづらいor不足しやすいか)5

 
  1. 継続
    例えば海外のサプリで1000㎎配合120粒(目安1~4粒/日)が約1300円~で購入可能です。
  2. 手軽
    MSM単体(MSMがメイン成分)サプリは主にネットで購入可能です。単体サプリは海外製が多いです。MSM配合の関節系サプリであったらドラッグストアなどの店舗でも購入可能です。

  3. 選択
    某ECサイトで「MSM サプリメント」検索すると約3千件ヒットします。ヒットするのはMSM単体サプリであったり、MSM配合の関節系サプリであったりさまざまです。
    関節系サプリでは主成分として配合されています。なのでここでは関節系サプリもMSMのサプリの1種と考えます。選択肢は少なくはないといえます。
  4. 貴重
    MSMは天然のイオウ化合物です。牛乳・お茶・野菜・穀物・果実など身近 かつ いろんな食品に含まれています。これら食品から取れることは取れるのですが、どれも少量しか入っていません。MSMの目安摂取量の1000㎎~2000㎎をクリアするには食品からではまず不可能です。
    「イオウ」のことを考え、イオウ補給を目的とした場合は、代替案(たんぱく質)がありますが、ここでは純粋に「MSM」を一成分と考えます。そうなるとMSMの摂取はサプリメントに頼るべきです。

 

 

愛用品&おすすめ品

 

おすすめ理由
1粒あたり1000㎎含有で120粒入り約1300円~で購入可能です。目安は1日1~4粒となっています。1日1粒ないし2粒で十分だとおもいます。1粒摂取だとして4か月分、2粒摂取だとして2カ月分となります。コスパ抜群です。

 

 

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MSMとの組み合わせ

MSMと相性の良い成分 7つ厳選

  1. グルコサミン
  2. コンドロイチン
  3. ヒアルロン酸
  4. キャッツクロ―
  5. ビタミンC
  6. シリカ
  7. モリブデン

 

そのうち5つをPICK UP

①グルコサミン ②コンドロイチン ③ヒアルロン酸

もう説明不要かと思われます。
この3つにMSMが加われれば
「ハイ!軟骨の成分【プロテオグリカン複合体】完成!!」といった感じです。
数多くのジョイントサポートサプリにこの4つの成分は一緒に配合されています。

 

⑤ビタミンC ⑥シリカ 

先の3つとMSMの組み合わせが軟骨(プロテオグリカン)であるならばこの2つとMSMの組み合わせは肌(コラーゲン)といったところでしょうか。
ビタミンCはコラーゲンにしかないアミノ酸ヒドロキプロリンとヒドロキシリジンを生成する際に補酵素として働きます。ようはコラーゲンの生成に必須の成分です。
シリカはコラーゲンの生成を促進する&コラーゲンの結合を強める働きがあります。
MSMはご存知の通り、コラーゲン合成に必要なイオウの供給源として活躍します。
なのでコラーゲン生成においてこの3つの成分は相乗効果はかなりあると考えられます。

この3つはあくまでも生成をサポートするものなのでコラーゲンのもととなるたんぱく質をしっかりと取ることをお忘れなく。

 

MSMのまとめ

MSM 評価

総合評価 A 99.5点 

分析【見た目編】44

分析【中身編】38

分析【サプリ】17.5

 

MSM 履歴書

  1. サプリ服用歴 
    約12年
    (MSM単体サプリとして)
    ※取らなかった時期アリ

  2. 1カ月にかけるサプリ代 ~約300円
  3. マイサプリ軍の位置づけ 2軍
  4. よく購入するメーカー
    NOW 


    ※2年~で消費してきたMSMサプリ

 

 

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