チロシン
たんぱく質を構成する20種類のアミノ酸の1種
11種類ある非必須アミノ酸の1種
芳香族アミノ酸の1種
糖原性アミノ酸の1種
ケト原性アミノ酸の1種
チロシンとは
チロシンについて
-
たんぱく質の働きは大きく構造的役割と機能的役割の2つにわけられます。
- 「構造的」は筋肉・皮膚・髪・結合組織などを構成するたんぱく質の役割です。
例
皮膚・髪 ケラチン
結合組織 コラーゲン - 「機能的」は酵素・ホルモンなどを構成するたんぱく質の役割で、生体内の化学反応を触媒する・生理機能を調整する働きをします。
例
酵素 リパーゼ
ホルモン 成長ホルモン -
体内には約10万種類のたんぱく質が存在しているといわれていますが、それらはわずか20種類のアミノ酸が数十~数百個以上結合し複雑に組み合わさることで作られます。
-
20種類のアミノ酸は9種類の必須アミノ酸(体内で合成できないもの)と11種類の非必須アミノ酸(体内で合成できるもの)に分けられています。
- チロシンは非必須アミノ酸に分類されます。
- チロシンは必須アミノ酸のフェニルアラニンから生合成されます。
- フェニルアラニン→チロシンの反応(フェニルアラニンにヒドロキシ基を付加しチロシンへ変換)を触媒する酵素はフェニルアラニンヒドロキシラーゼです。
- 構造に芳香族基を有するアミノ酸を芳香族アミノ酸(aromatic amino acids AAA)と言います。このアミノ酸はトリプトファン・フェニルアラニン・チロシンの3つがあてはまります。いずれも神経伝達物質のもとになります。
- チロシンは糖原性アミノ酸(グルコースの合成に使われる)、ケト原性アミノ酸(ケトン体・脂肪酸の合成に使われる)両方の性質をもちます。
- チロシンはカテコールアミン・メラニン色素・甲状腺ホルモンの前駆体として生体内で重要な役割を果たしています。
摂取量について
25㎎/kg/日 成人
例 体重50kgの場合 約1250㎎/日
※25㎎はフェニルアラニン+チロシンの数値です。
by 2007年 WHO/FAO/UNU合同専門協議会報告
この数値は必須アミノ酸の種類別推奨摂取量です。合計になっていますが、必須アミノ酸であるフェニルアラニンがベースと考えるべきです。チロシンを摂取することでフェニルアラニンの必要量を軽減できると捉えるのが良いと思います。
チロシンの効果・効能
チロシンの効果・効能 5つ厳選
- カテコールアミンの材料(健脳効果など)
- メラニンの材料(白髪予防効果など)
- 甲状腺ホルモンの材料(代謝促進効果など)
- コエンザイムQ10の材料(エネルギー産生効果など)
- 抗酸化作用
そのうち2つを詳しく
①カテコールアミンの材料(健脳効果など)
カテコールアミンとは分子内にカテコール骨格をもつ生体アミンの総称です。総称ではありますが、実際はドーパミン、ノルアドレナリン、アドレナリンの3つを指すことが多いです。この3つはホルモンとして、神経伝達物質として生体内で重要な役割を果たしています。
3つの生体内での役割を簡単にまとめます。
脳に多く存在
うれしいこと・楽しいことを感じると分泌される
- 運動調節・ホルモン調節に関わる
- 快楽を得る・意欲を感じるに関わる
- 学習・記憶などに関わる
脳と交感神経終末に多く存在
ストレスを感じると分泌される
- 心拍数・呼吸数・血圧をあげて体を緊張状態・興奮状態にする
- 覚醒するに関わる
- やる気・集中力などに関わる
副腎髄質に多く存在
ストレスを感じると分泌される
- ストレス反応の中心的な役割を果たす
- 交感神経を刺激し、心拍数の増加、血糖値の上昇、気管支の拡張などの作用をもたらす
この作用により運動器官への血液供給が増加し運動能力が上がる - 血糖値の上昇により脳も覚醒する 集中力や判断力が高まる
3つのうちノルアドレナリンとアドレナリンについてもう少し詳しく説明します。
ノルアドレナリンとアドレナリンについて
ストレスを受ける【ストレッサーの刺激を受ける】と、大脳皮質や大脳辺縁系の扁桃体がその情報を認識し脳の視床下部の室傍核に伝達します。
情報を受け取った視床下部の室傍核は生体内の恒常性を維持するために内分泌系・自律神経系を介してストレス反応を引き起こします。
内分泌系
視床下部-下垂体-副腎皮質→コルチゾール分泌→標的器官
自律神経系
視床下部-交感神経-副腎髄質→カテコールアミン(ノルアドレナリン・アドレナリン)分泌→標的器官
視床下部の室傍核はストレス応答の指令塔のような存在です。
・自律神経系について
ストレッサーの刺激を受けた視床下部の室傍核が交感神経を刺激します。すると交感神経終末からノルアドレナリンの分泌が促進されます。
その刺激を受け取った副腎髄質からはアドレナリンとノルアドレナリンが分泌されます。
交感神経終末から分泌されるのはノルアドレナリンのみ、副腎髄質から両方が分泌されますがその割合はアドレナリン80%、ノルアドレナリン20%です。
副腎は左右腎臓の上部に位置します
副腎にクローズアップ
副腎髄質は中の色が濃い部分で それ以外は副腎皮質です
・ノルアドレナリンとアドレナリンの作用について
神経伝達物質はそれぞれ対応する受容体に結合すると「作用」します。
アドレナリン、ノルアドレナリンに対する受容体はアドレナリン受容体と呼ばれています。アドレナリン受容体はαとβに分類され、さらにα1、α2受容体、β1、β2、β3受容体と分かれています。受容体の分布はそれぞれでその作用も異なります。
例
- α1受容体
分布 主に血管平滑筋
作用 末梢血管収縮
- β1受容体
分布 心臓など
作用 心筋収縮増強
- β2受容体
分布 気管支平滑筋など
作用 気管支平滑筋弛緩
アドレナリンはα・β受容体両方を刺激しその作用は強いです。
ノルアドレナリンはαが主体でβ受容体をあまり刺激しません。とくにβ2受容体に対してはほとんど作用しません。
難しいことを抜きにしていうのならば、主に脳に効くのがノルアドレナリン、体に効くのがアドレナリンといった感じです。
危険・怒り・不安・恐怖・興奮 状態において
- 脳に働き 正しい対応や判断をするように仕向けるのがノルアドレナリン
- 全身に働き 筋力を一時的にあげ運動機能を高めるのがアドレナリン
といったところでしょうか。
これらカテコールアミンは「なに」から作られているのかというと、ずばり「チロシン」からです。
チロシンはカテコールアミンの材料
カテコールアミンはチロシンから生合成されます。
その代謝経路は次です。
チロシン→L-ドーパ→ドーパミン→ノルアドレナリン→アドレナリン
- チロシン→L-ドーパ チロシン水酸化酵素
- L-ドーパ→ドーパミン 芳香族L-アミノ酸脱炭酸酵素
- ドーパミン→ノルアドレナリン ドーパミンβ-水酸化酵素
- ノルアドレナリン→アドレナリン フェニルエタノールアミンN-メチル基転移酵素
つまるところカテコールアミンの材料であるチロシンには
集中力を高める効果(ドーパミン・ノルアドレナリン)
記憶力を向上させる効果(ドーパミン)
うつ病を予防する効果(ノルアドレナリン・アドレナリン)
③甲状腺ホルモンの材料(代謝促進効果など)
甲状腺ホルモンは脳の下垂体から指令を受けて甲状腺から分泌され、全身の新陳代謝を促進させる働きをします。
甲状腺は喉ぼとけにある蝶々のような形をした部分です。
甲状腺ホルモンは2種類あります。
チロシンが2つ縮合したものに4個のヨウ素(ヨード)が付加した化合物
チロシンが2つ縮合したものに3個のヨウ素(ヨード)が付加した化合物
の2つです。
チロキシン(T4)
4つのヨウ素をもつ。サイロキシンとも呼ばれる。甲状腺で合成される。血液中に存在している甲状腺ホルモンのほとんどを占める。必要に応じて肝臓などで脱ヨード化反応によりT3(トリヨードサイロニン)に、ないしはリーバスT3に変換される。
リバースT3は不活性型。病気や栄養不足だとリーバスT3に変換される割合が高まる。
トリヨードサイロニン(T3)
3つのヨウ素をもつ。甲状腺でも合成されるが、そのほとんどはT4の脱ヨード化反応により生成される。割合は甲状腺から20%、T4の脱ヨード化から80%ぐらい。生理活性が強く、その力はT4の約10倍あるとされる。ただし甲状腺ホルモン全体の2%ほどしかない。
チロシンの働き分析【見た目編】
合計 37.5/60点
薄毛
6点
「薄毛」改善 に関わるチロシンの働きは主に次です。
- 甲状腺ホルモンの材料
甲状腺ホルモンは全身の細胞を活発にさせるホルモンで、細胞の成長や新陳代謝に欠かすことができません。当然ながら髪の生育にかかわる細胞(毛母細胞・毛乳頭細胞)にもあてはまります。
実際、甲状腺ホルモン機能低下症(甲状腺ホルモンの分泌量が十分でないことで起こる)は脱毛の原因の一つとされています。
甲状腺ホルモンはチロシンが2つ縮合したものに3~4個のヨウ素(ヨード)が付加した化合物です。 - ケラチン
髪の主成分はケラチンと呼ばれるたんぱく質です。髪の90%以上はケラチンでできています。ケラチンは18種類のアミノ酸で構成されています。ケラチンのアミノ酸組成
※%はおおよその値です。チロシンはケラチンを構成しているアミノ酸のうち約2.4%を占めています(円グラフその他)。
- ストレスを緩和
髪に必要な栄養素や酸素は血液によって運ばれます。この流れをよくすることは健康な髪を生み出すためにも大事なことです。
ストレスは血流を悪化させる原因の一つです。
ストレスを受けている状態はノルアドレナリン・アドレナリンの消費が激しくなります。そのもとであるチロシンが体内に豊富に存在していればストレスに上手く対応できるかもしれません。
白髪
10点
「白髪」予防 に関わるチロシンの働きは主に次です。
- メラニンのもと
黒髪のもととなるメラニン(黒色メラニン)は頭皮の毛包内にあるメラノサイトでアミノ酸チロシンを原料に酵素チロシナーゼの作用により化学反応を起こし、いくつかの段階を経て作られます。
この一文で文句なしの満点です。実際の代謝の流れは以下です。
チロシン→ドーパ→ドーパキノン→ドーパクロム→インドール-5,6-キノン→黒色メラニン
【お試し】 白髪 サプリ Re:CLON BLACK ( リクロン ブラック ) 白髪 サプリ 薄毛 シスチン チロシン ポリアミン
美肌
6.5点
「美肌」作り に関わるチロシンの働きは主に次です。
- NMF(天然保湿因子)の構成成分
NMFは人間がもともともっている皮膚の保湿成分で角質細胞内においてケラチンとともに存在しています。角質層において体内の水分を逃さない役割(肌の保湿機能)や外的刺激から肌を守る役割(肌のバリア機能)を果たしています。NMFの主成分はアミノ酸です。NMFはアミノ酸およびアミノ酸誘導体(PCA)で半分以上占められています。
NMFの組成
NMF内のアミノ酸組成
※数値は諸説あり
チロシンはNMF内のアミノ酸組成に含まれています(約2%を占めています)。
- 甲状腺ホルモン
甲状腺ホルモンは全身の細胞のエネルギー代謝を促進させます。そのため不足するとさまざまな症状がおきます。肌に関しては「かさつき」です。チロシンは甲状腺ホルモンの前駆体です。 - 抗酸化作用
チロシンには抗酸化作用があります。それにより肌の細胞の老化を防ぎます。
なお脂溶性の抗酸化物質であるコエンザイムQ10は体内ではチロシンを材料の1つとして生成されます。 -
シルクプロテイン
絹(シルク)は蚕の繭から糸を紡いでつくられる天然の素材です。繭糸はフィブロインとセリシンというたんぱく質(シルクプロテイン)でできています。
繭糸の内側に2本のフィブロインがありその外側をセリシンが覆い囲むように存在しています。繭糸の75%はフィブロイン、25%はセリシンで構成されています。シルクプロテインは人間の皮膚成分に非常に近いため肌に優しく馴染みます。そしてその高い保湿作用より肌に潤いを与えます。
シルクプロテインは下着、化粧品などに用いられていますが、着ても、塗布しても美肌効果をもたらしてくれます。
最近では健康補助食品にも利用されており、シルクを「飲む」でスキンケアをされる方も見られるようになりました。送料無料【ドクターセラム(30包入)】シルクセラムシルクフィブロイン
シルクプロテインのフィブロインは主に4つのアミノ酸で構成されています。
グリシン(約42%)、アラニン(約31%)、セリン(約14%)、チロシン(約12%)の4つです。
美白
2点
「美白」ケア に関わるチロシンの働きは主に次です。
- 肌のターンオーバー
基底細胞で生まれた細胞が「生まれてから垢となって剥がれ落ちる」までの過程を肌の新陳代謝=肌のターンオーバーと呼びます。肌のターンオーバー
20代の肌のターンオーバーは約28日(4週間)です。【約28日の内訳】
角質層まであがるのに約14日にかかります。そして角質層にて約14日間 肌のバリア機能、保湿機能の役割を果たします。メラニンは肌のターンオーバーとともに排出されるのでシミを防ぐには肌のターンオーバーを促進させることが大切です。
全身の代謝を調整しているホルモンが甲状腺ホルモンです。その分泌量が少なくなると当然ですが肌の新陳代謝にも影響を及ぼします。
チロシンは甲状腺ホルモンの材料です。
チロシンはずばりメラニンの材料です。チロシンが体内に増えることは多かれ少なかれ肌のメラニンの量も増えることになってしまいます。
適量摂取を心がける・紫外線対策をしっかりする・抗酸化物質や美白ケア効果のある栄養成分を意識して取り入れる等で対応できると思いますが、気になる方は摂取を減らしてください。
筋肉
6点
「筋肉」増強 に関わるチロシンの働きは主に次です。
- たんぱく質
筋肉はたんぱく質でできています。筋肉のたんぱく質を構成するのは20種類のアミノ酸です。チロシンはそのうちの1つです。 - カテコールアミン
ドーパミンは「やる気」の源となるものです。分泌されると「うれしい」や「楽しい」といった感情を生み出し行動を起こす原動力になります。なので別名「喜びのホルモン」や「快楽のホルモン」と呼ばれています。
ドーパミンの分泌が高まると運動をしていても疲労を感じにくくなり持続することが苦にならなくなります。
アドレナリンはストレス状態の時に分泌されます。ストレス状態は運動時もあてはまります。筋トレなどを行いアドレナリンが多く分泌されると筋肉への血流が増加し、筋肉への酸素&栄養素の供給が高まります。それにより一時的に運動能力がアップするため間接的な筋肉量の増加につながります。これらカテコールアミンはチロシンを材料に作られます。筋トレなどの運動前に体内にチロシンが満たされていれば、カテコールアミンの合成が高まりいつもより【自分を追い込める&通常より力を発揮できる】かもしれません。
脂肪
7点
「脂肪」減少 に関わるチロシンの働きは主に次です。
- 脂肪分解に関与(by カテコールアミン材料)
脂肪燃焼のメカニズムを簡単にまとめると以下になります。脂肪燃焼メカニズム- 分解 体内に蓄積された中性脂肪を遊離脂肪酸とグリセリンに分解する
- 運搬 分解されてできた遊離脂肪酸を細胞のミトコンドリアに運搬する
- 燃焼 ミトコンドリアで遊離脂肪酸がエネルギー貯蔵物質ATPに変わる
ATPがエネルギーとして消費される→脂肪燃焼
①分解の過程について
運動時や飢餓時などエネルギーが必要となる時に、中性脂肪は遊離脂肪酸とグリセリンに分解されます。
もう少し詳しく言うと
運動時や飢餓時などエネルギーが必要となる時に、中性脂肪は脂肪動員ホルモンの刺激により脂肪細胞内にある脂肪分解酵素リパーゼが活性されて遊離脂肪酸とグリセリンに分解されます。脂肪動員ホルモンとはノルアドレナリン・アドレナリン・成長ホルモン・グルコガンなどのホルモンです。うちノルアドレナリン、アドレナリンの材料はチロシンです。チロシンを摂取することでこれらカテコールアミンの分泌が高まることが期待できます。
この点よりチロシンは脂肪燃焼に貢献するアミノ酸といえます。 - エネルギー代謝に関与(by コエンザイムQ10の材料)
電子伝達系は糖質の代謝(解糖系・TCA回路)・脂質の代謝(β酸化・TCA回路)で生じたNADHおよびFADH₂に含まれる高エネルギー電子を利用してエネルギー貯蔵物質であるATPを大量に作る代謝経路です。電子伝達系において「電子の受け渡し」がスムーズに行われることでエネルギーを効率的に生み出すことができます。イコール糖質の代謝・脂質の代謝が促進されるです。
逆に「電子の受け渡し」がスムーズに行われないとエネルギー産生が滞ってしまいます。イコール脂肪が燃焼されない&脂肪として再び蓄えられるにつながってしまいます。
コエンザイムQ10は「電子の受け渡し」の際に働く補酵素で、エネルギー産生に必須の成分です。この成分が不足することが「電子の受け渡し」がスムーズにいかない(=エネルギー不足)大きな要因となります。
コエンザイムQはキノン骨格(ベンゾキノン環)とイソプレノイド側鎖から成る化合物です。
ベンゾキノン環はチロシンから合成され、イソプレノイド側鎖はアセチルCoAからメバロン酸経路を経て合成されます。10
Qに続く数字はイソプレノイド側鎖の長さを示しています。コエンザイムQ10の「10」が側鎖のイソプレン単位の数が10であることを示しています(~12までありますが人の体内で働くのは主に10です)。キノン骨格
ベンゼン環から誘導され、2つのケトン基をもつ環状化合物の総称をいいます。ベンゾキノン、アントラキノンなどがあります。
チロシンの働き分析【中身編】
合計 44/60点
身体
8.5点
「身体」の構成材料 に関わるチロシンの働きは主に次です。
- たんぱく質の材料
筋肉・皮膚・臓器・血球成分・ホルモン・酵素など体を構成しているものの主成分はたんぱく質です。これらたんぱく質は20種類のアミノ酸から作られています。20種類は体内で合成できないもの【必須アミノ酸】と体内で合成できるもの【非必須アミノ酸】に分けられています。
チロシンは非必須アミノ酸です。必須アミノ酸のフェニルアラニンから合成されます。チロシンの摂取はフェニルアラニンの必要量の軽減につながるのでフェニルアラニンの推奨摂取量はチロシンと合わせた量となっています。
エネ
8.5点
「エネルギー」生成 に関わるチロシンの働きは主に次です。
- コエンザイムQ10
コエンザイムQ10(別名 ユビキノン)はミトコンドリア内膜に存在する補酵素です。糖質・脂質のエネルギー代謝の最終経路である電子伝達系において「電子の受け渡し」が行われる際に働く補酵素です。ディアナチュラ コエンザイムQ10(60粒)【イチオシ】【Dear-Natura(ディアナチュラ)】
コエンザイムが不足していると「電子の受け渡し」がスムーズにいかなくなる=エネルギー不足になります。コエンザイムQ10は生体内ではチロシンとアセチルCoAから生成されます。 - 糖原性アミノ酸
体内で糖が枯渇している時に、筋肉のたんぱく質が分解されてアミノ酸が作り出されます。そのアミノ酸が糖新生やケトン体生成や脂肪酸生成に利用されます。
糖新生(分解されて生じたアミノ酸からグルコースを生成する)に用いられるアミノ酸を糖原性アミノ酸と言います。チロシンは糖原性アミノ酸です。 - ケト原性アミノ酸
糖新生に用いられるアミノ酸を糖原性アミノ酸というのに対して脂肪酸生成やケトン体生成に用いられるのをケト原性アミノ酸といいます。
ケト原性アミノ酸はアセチルCoAまたはアセト酢酸(ケトン体)に変換されます。
アセチルCoAはTCA回路に組み込まれてエネルギーとして利用されたり、脂肪酸に生成されたりします。チロシンはケト原性アミノ酸でもあります。
病気
3.5点
「病気」予防 に関わるチロシンの働きは主に次です。
- フェニルケトン尿症
フェニルケトン尿症とはフェニルアラニン→チロシンに変換させる際の酵素フェニルアラニンヒドロキシラーゼまたはその反応に関わる補酵素の機能的欠損により起こる病気です。生まれつきの病気です。体内でフェニルアラニンが蓄積してしまい精神発達障害が出現します。一方でチロシンが不足するため赤毛病や白皮症が出現します。
予防と治療のためフェニルアラニン制限食 チロシン添加ミルク(フェニルアラニンを除く)が用いられます。 - 甲状腺機能低下症
甲状腺ホルモンの分泌が不十分な状態を言います。症状として毛髪の減少、皮膚の乾燥、顔のむくみ、倦怠感などが現れます。甲状腺の働きが低下してしまいホルモンが上手く分泌されなくなることで起こります。
甲状腺の材料はチロシンとヨウ素です。なのでこの2つの栄養成分を意識してしっかり取ることが予防になります。
ただ栄養成分でいえばヨウ素のほうが重要で、ヨウ素不足が甲状腺機能低下症の原因の1つとされています。
また甲状腺ホルモンの分泌が過剰な状態を甲状腺機能亢進症といいますが、こちらはヨウ素の過剰摂取が原因の1つとなります。チロシンの不足or過剰がこれら甲状腺の病気に大きく関わることはない(なさそう)のですが、甲状腺ホルモンのもととなっているので適量摂取を心がけることが大切です。
※神経伝達物質のもとであるチロシンは脳の病気予防・改善に大きく貢献する成分ですが、こちらは「健脳」カテゴリーで評価しています。
カテコールアミンは血圧を上昇させます。その前駆体であるチロシンの過剰摂取は高血圧を招く恐れがあります。
また抗うつ薬をすでに服用中のかたは使用が禁止されています。
体質
7点
「体質」改善 に関わるチロシンの働きは主に次です。
- ストレス
ストレスを受けるとストレスホルモンの消費が激しくなります。ストレスホルモンはコルチゾール・アドレナリン・ノルアドレナリンなどが当てはまります。チロシンはアドレナリン・ノルアドレナリンの前駆体です。なのでチロシン摂取はストレスを緩和する効果が期待できます。チロシン 国産 L-チロシン100% (380mgX90粒 1ヶ月分) サプリメント サプリ アミノ酸 うつ 鬱 ストレス 慢性疲労 メンタルヘルス タブレット 健康食品 栄養補助食品
- 慢性疲労症候群
原因不明の極度の疲労感が長期間(一般的に6カ月以上)続く病気のことをいいます。慢性疲労は休息すればある程度「疲労」は改善しますが、慢性疲労症候群は休息をとっても「疲労」は改善しにくく日常生活を送るのが難しくなってしまいます。チロシンには慢性疲労症候群を改善する効果が期待できます。
精力
6.5点
「精力」増強&「性機能」向上 に関わるチロシンの働きは主に次です。
健脳
10点
「脳」の健康 に関わるチロシンの働きは主に次です。
- 神経伝達物質の前駆体
神経伝達物質の前駆体であるチロシンは脳の健康にとって必須です。カテコールアミンの生合成経路
チロシン→L-ドーパ→ドーパミン→ノルアドレナリン→アドレナリンチロシンを摂取することで【普段の生活の脳の冴え&将来起こりうる脳の病気の予防】になります。
普段①記憶力
ドーパミンは学習・記憶などに関わる神経伝達物質です。②集中力
ノルアドレナリンはやる気・集中力などに関わる神経伝達物質です。③注意力
アドレナリンは集中力・判断力などに関わる神経伝達物質です。病気①うつ病
うつ病を引き起こす原因にドーパミン、ノルアドレナリンの不足が考えられます。②パーキンソン病
パーキンソン病の主な原因は脳内のドーパミンの不足です。〔ダグラスラボラトリーズ〕BRエナジー 60粒〔98723-60〕562165482528(旧ブレインエナジー ダグラスタブレット サプリメント 健康食品 栄養補助
- 脳のエネルギー源
絶食時に糖原性アミノ酸は肝臓で行われる糖新生によりグルコースを作り出します。それにより脳の働きに必要なエネルギーを確保します。チロシンは糖原性アミノ酸の1種です。
チロシンのサプリメント分析
合計 15.5/20点
継続(価格は安いか) 4.5点
手軽(購入ルートは多いか)4点
選択(品揃えは豊富か)4点
貴重(食品から取りづらいor不足しやすいか)3点
- 継続
40日~120日分(500㎎配合120粒入り 海外のサプリ)が約1200円~で購入可能です。 - 手軽
チロシン単体(チロシンがメイン成分)サプリは主にネットで購入可能です。単体サプリは海外製が多いです。チロシンを主成分とした白髪改善目的サプリは日本製のものが多いです。
チロシンが含まれている商品(プロテイン・アミノ酸複合サプリなど)であったら店舗でもネットでも幅広く販売されています。 - 選択
某ECサイトで「チロシン サプリメント」検索すると約3.6千件ヒットします。チロシン単体サプリであったら海外製、白髪改善目的サプリであったら日本製のものがよくヒットします。 - 貴重
チロシンはチーズ、タケノコ、大豆、バナナ、アボガドなどに多く含まれます。タケノコを切った時にでてくる白い粉状のものがチロシンであるのはとても有名です。
また体内で必須アミノ酸フェニルアラニンからも合成できます。ストレスが続くとカテコールアミンの消費が激しくなり不足する可能性があります。そのため一部書籍などではチロシンを条件付き必須アミノ酸として扱っていることもあります。
チロシンを取ることでフェニルアラニンの必要量を減らすことができるので意識して摂取してもよいかもしれません。条件付き必須アミノ酸(準必須アミノ酸)
条件的必須アミノ酸とはある条件下ではその需要が増して、食事などで外からの吸収が必要となる非必須アミノ酸のことです。該当するものとしてはアルギニン、グルタミンが有名です。
愛用品&おすすめ品
チロシンとの組み合わせ
チロシンと相性の良い成分 7つ厳選
- 銅
- ビタミンC
- ビタミンB6
- 葉酸
- ビタミンB12
- ヨウ素
- 亜鉛
そのうち2つをPICK UP
①銅
白髪予防の最強タッグといえます。理由はズバリ黒髪のもとなる「黒色メラニン」の生成にこの2つが必須成分だからです。
メラニンは頭皮の毛包内にあるメラノサイトでアミノ酸チロシンを原料に酵素チロシナーゼの作用により化学反応を起こし、いくつかの段階を経て作られます。
チロシン→ドーパ→ドーパキノン→ドーパクロム→インドール-5,6-キノン→黒色メラニン
この変換過程においてチロシン→ドーパ および ドーパ→ドーパキノンの反応はチロシナーゼにより触媒されます。
ということで毛包内にチロシンが十分にあること かつ そこでチロシナーゼがしっかりと働くことが髪を黒くするための絶対条件といえます。
チロシナーゼは活性中心に銅イオンが2つ存在する銅含有酵素です。なので銅の摂取はチロシナーゼの活性につながります。
白髪を予防するにはメラニンのもとであるチロシンとチロシンを黒色メラニンに変換させる際に働く銅、この2つの成分の摂取が必須となります。
なおカテコールアミンの代謝経路は下記です。
チロシン→L-ドーパ→ドーパミン→ノルアドレナリン→アドレナリン
ドーパミン→ノルアドレナリンの代謝に働く「ドーパミンβ-ヒドロキシラーゼ」は銅依存性酵素です。カテコールアミンの生成にも銅は必須です。
⑥ヨウ素
チロシンとヨウ素の組み合わせは「甲状腺ホルモン」分泌促進が目的です。というのも甲状腺ホルモンは「チロシンが2つ縮合したものに3~4個のヨウ素(ヨード)が付加した化合物」だからです。
海外では健康な甲状腺をサポートする「甲状腺エネジー」たるサプリメントが販売されています。この「甲状腺エネジー」の主成分はいうまでもなくチロシンとヨウ素です。
※なお「甲状腺エネジー」サプリメントは7つ厳選のビタミンC以外の6つが配合されています。甲状腺云々とにかくチロシンとの相性が良い成分が集められたサプリメントなので結構おすすめです(購入経験あり)。残念ながら掲載できませんが「サイロイドエナジー」でググるとでてきます。
チロシンのまとめ
チロシン 評価
総合評価 A 97点
分析【見た目編】37.5点
分析【中身編】44点
分析【サプリ】15.5点
チロシン 履歴書
- サプリ服用歴
約10年(チロシン単体サプリとして)
※取らなかった時期アリ
※フェニルアラニンをとっている期間は、基本あまりとりません。 - 1カ月にかけるサプリ代 ~約300円
- マイサプリ軍の位置づけ 2軍
- よく購入するメーカー
NOW
※2年~で消費してきたチロシンサプリ(向かって左500㎎120粒 右750㎎90粒)