クロム インスリン作用の増強

クロム

 

16種類ある必須ミネラルの1種
そのうち9種類ある微量ミネラルの1種

 

 

クロムとは

クロムについて

  • ミネラル(無機質)には代謝を促進したり、生理機能を維持する働きがあります。
  • ミネラルは100種類以上存在するとされています。
  • そのうち生命維持のために不可欠なミネラルを必須ミネラルといいます。必須ミネラルは16種類あります。
  • 必須ミネラルのうち1日に必要とされる摂取量が100㎎以上のミネラルを主要ミネラル、100㎎未満のミネラルを微量ミネラルと分類します。主要ミネラルは7種類、微量ミネラルは9種類です。
  • クロムは必須ミネラルの微量ミネラルに分類されます。
  • 体内に存在するクロムの量は約2㎎と言われています。極めて微量で、必須ミネラルの中でも1、2を争う少なさです。

  • クロムには三価クロムと六価クロムが存在します。

  • 自然界に存在するのが三価クロム、人工的に作られたものが六価クロムです。
    人体に必須のミネラルは三価クロムです。
    六価クロムは三価クロムを高熱で焼くことによって生成され、工業用として酸化剤やメッキなどに使用されます。

  • クロムは加齢とともに減少する唯一のミネラルです。ただし通常の食生活を送っている限り不足することはありません
  • クロムは耐糖因子(GTF)の構成成分としてインスリンの作用を増強させる働きがあります。

クロムの補足 

  • 食品中に含まれるクロムのほとんどは三価クロムです。
  • 食事から摂取したクロムの吸収率は3%未満(0.5~2%)です。
    摂取量により変動し、約10µg/日の場合で2%、40µg/日を超えると0.5%とされています。
    ※吸収率は摂取形態・他でも変動します。
  • 吸収されたクロムは血流により肝臓に運ばれ、その後 大半は尿へ排泄されるといわれます。
  • クロムは吸収率が極めて低く、吸収された大半は尿へ排泄されるため過剰症の心配はほとんどありません

摂取量について

◆目安量
10μg/日(成人) 

by 日本人の食事摂取基準(2015年版) 厚生労働省

不足や欠乏症

  • 耐糖能低下
  • 窒素代謝異常
  • 成長障害
  • 角膜障害
  • 末梢神経障害

など

クロム(三価クロム)は【様々な食品に含まれている摂取量が少なければ吸収率が上がる】ので、通常 不足の心配はいりません。

◆取り過ぎや過剰症

  • 腎尿細管障害
  • 肝障害
  • 下痢
  • 嘔吐
  • 頭痛

など

食品中のクロム(三価クロム)は【毒性が低い吸収率が低い】ため、基本 過剰症の心配はいりません。例えばサプリメントに記載されている目安摂取量をオーバー かつ その量を長期にわたり摂取し続けると上記症状が出る可能性があります。

毒性が強い六価クロムは多量に摂取した場合に中毒症状(嘔吐、下痢、尿毒症など)を引き起こします。

 

クロムの効果・効能

クロムの効果・効能 2つ厳選

  1. 正常な糖質代謝を維持する
  2. 脂質代謝を活発にする

 

そのうち1つを詳しく

①正常な糖質代謝を維持する

クロムにはインスリンの作用を増強させる働きがあります。

まずインスリンについて簡単にまとめます。

ペプチドホルモンの1種
血糖降下作用をもつ唯一のホルモン

 構造 

51個のアミノ酸から成る分子量 約5800のポリペプチド
A鎖(21個のアミノ酸残基)とB鎖(30個のアミノ酸残基)が、2か所のS-S結合で結合した構造をしています。A鎖内にも1か所のS-S結合が有。

 どこから分泌される 

膵臓のランゲルハンス島のβ細胞から分泌


 どうやったら分泌される 

血糖値が上昇すると

β細胞よりインスリンが分泌される

※主にグルコース(ブドウ糖)の刺激により血糖値が上昇すると分泌されます。

血糖値の上昇を感知する経緯は2パターン


①直接パターン
β細胞が、直接血糖値の上昇を感知する

②間接パターン
視床下部で血糖値の上昇を感知すると副交感神経を通してβ細胞に伝えられる

※どちらか一方ではなく、「と同時に」にです。

 インスリンの標的臓器 

骨格筋・肝臓・脂肪組織

インスリンが働きかける優先順位は筋肉→肝臓→脂肪の順番です。
インスリンの感受性が低いと筋肉より脂肪のほうに働きかけします。

 インスリンの働き(臓器別)

各細胞にグルコースを取り込ませること
により血糖値を下げる


もう少し細かくいうと

骨格筋と脂肪組織におけるグルコースの取り込みを促進すること
肝臓におけるグルコースの放出を抑制すること
により血糖値を下げる

内容詳細

各細胞にグルコースを取り込ませる
細胞内に取り込まれたグルコースはエネルギー源と利用される

その上で
◆骨格筋にて

筋肉でのグリコーゲン合成を促進する
(グリコーゲン合成酵素を活性化させ)

 

◆脂肪組織にて
脂肪細胞での中性脂肪の合成を促進する
(エネルギー源として利用されなかった場合に)
(中性脂肪合成系の酵素の発現を増加させ)

 

◆肝臓にて
肝臓でのグルコースの放出【糖新生&グリコーゲンの分解】を抑制する

(糖新生→関連する酵素の発現を遺伝子転写のレベルで減少させることで)
(グリコーゲン→関連する酵素の活性を抑制することで)

肝臓でのグリコーゲン合成を促進する

(グリコーゲン合成酵素を活性化させ)

肝臓での脂肪酸の合成を促進する
(脂肪酸合成に関わる酵素の発現を増加させ)

 

により血糖値を下げる

補足 

●各細胞と述べていますが、主に骨格筋と脂肪組織の細胞と捉えてください。

●肝臓の細胞はインスリンの作用なしにグルコースの取り込みが可能です。理由は肝細胞にGLUT2が発現しているからです(GLUTについては後で説明)。
ただ、肝臓がグルコース&インスリンに強く関与するメカニズムとなっています。

●脳細胞・赤血球などもインスリンの作用なしにグルコースの取り込みが可能です。理由はGLUT1が発現しているからです。

肝臓がグルコース&インスリンが強く関与する仕組み

空腹時 
肝臓はグリコーゲンの分解&糖新生を促進することにより グルコースを血中に放出する

摂食時 
肝臓は【インスリンの作用により】グリコーゲンの分解&糖新生を抑制する
肝臓は【インスリンの作用なしで】グリコーゲンの合成を促進する

 インスリンの働き(3大栄養素別)

インスリンの働きを3大栄養素別でまとめると以下になります。
追加している働きもあります。

◆糖代謝
各細胞にグルコースを取り込ませる

筋肉でのグリコーゲンの合成を促進する
肝臓でのグリコーゲンの合成を促進する
肝臓でのグリコーゲンの分解を抑制する
肝臓での糖新生を抑制する

◆脂質代謝
脂肪細胞での中性脂肪の合成を促進する
脂肪細胞での中性脂肪の分解を抑制する
肝臓での中性脂肪の合成を促進する

◆たんぱく質代謝
たんぱく質の合成を促進する
たんぱく質の分解を抑制する

 どうしたら作用する 

細胞膜上に存在する
インスリン受容体と結合すると

 どうやって細胞内にグルコースを取り込む 

GLUT4を発現させることで

GLUTとは

グルコースは親水性であるため、細胞膜を通過できません。グルコースは細胞膜にあるグルコーストランスポーター(グルコース輸送体)を利用して細胞膜を通過します。
グルコーストランスポーター=glucose transporter は略してGLUTと呼ばれます。

GLUTは、13種類のアイソフォームが確認されており、各々 存在場所や親和性(糖に対する)が異なっています。 
例えば 
●GLUT1 赤血球・脳・腎臓などに存在する 

●GLUT2 肝臓・膵ランゲルハンス島B細胞などに存在する  

●GLUT3
 神経細胞・胎盤に存在する

●GLUT4   筋肉(骨格筋・心筋)・脂肪組織に存在する
があります。

GLUT4はインスリンの作用によって発現します。つまりインスリン依存的に筋肉(骨格筋・心筋)・脂肪組織の細胞内に血中のグルコースを取り込みます。

※「インスリン」のみではありません。運動による筋収縮の刺激(AMPKの活性化)でも発現します。

GLUT4発現メカニズム

通常、GLUT4は、細胞内の小胞(GLUT4小胞)に格納されています。 

細胞膜に存在するインスリン受容体にインスリンが結合すると

①インスリン受容体のリン酸化酵素「チロシンキナーゼ」が活性化されます
受容体がリン酸化される

②すると細胞内のIRS、PI3k、Aktなどの情報伝達分子が順々に活性化され、細胞内に存在するGLUT4にシグナルが伝わります
連鎖的な細胞内の情報伝達が行われる

③するとGLUT4が細胞膜へと移動します
血中のグルコースが細胞内に取り込まれる

 

ようは

GLUT4は
普段は細胞内のGLUT4小胞に蓄積されているが、
インスリンの刺激を受けると、細胞膜上に発現して
グルコースを細胞内に取り込む働きをする

.
です。

 

さて唐突ですが、体内にはインスリンの作用を増強するオリゴペプチドが存在します。
そのオリゴペプチドはクロモデュリンと呼ばれています。

クロモデュリンの役割は、耐糖因子(GTF)の構成成分としてインスリン受容体のチロシンキナーゼ活性を増強させるです。※GLUT4発現メカニズムの①の話

増強させることでGLUT4の発現を増やし、インスリンが筋肉や脂肪組織の細胞内にグルコースを取り込むのをサポートする働きをしています。

クロモデュリンは4つの3価クロムイオンが結合しています。

クロムが結合していないクロモデュリン(アポ型クロモデュリン)には活性させる能力がありません。
つまるところクロモデュリンの構成成分であるクロムの摂取はインスリン受容体のチロシンキナーゼ活性増強=インスリン作用の増強につながります

クロムは正常な糖質の代謝維持に大きく寄与する成分です。

 

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クロムの働き分析【見た目編】

合計 42/60点 

カテゴリー別 点数

薄毛 5.5点

白髪 5.5点

美肌 7点

美白 7点

筋肉 9点

脂肪 8点

 
 

薄毛

5.5点

「薄毛」改善 に関わるクロムの働きは主に次です。

  1. 抗糖化
    糖化とは「体内に余った糖質がたんぱく質とくっつきたんぱく質が変性すること、そして体内に糖化したたんぱく質 AGEs(終末糖化産物)が生成されること」をいいます。

    髪のケラチンたんぱく質が余剰な糖質と結びつくと髪の毛のコシやツヤが失われます。

    またAGEsが頭皮に蓄積すると毛乳頭細胞や毛母細胞の働きが衰え薄毛につながります。

    糖化は髪の毛の「質」および「量」にダメージを与えます。糖質の代謝を促すクロムは抗糖化成分の1つです。


    健康で美しいカラダを目指す カラダの中から若返るアンチエイジング講座4 ボディケア編

 

白髪 

5.5点

「白髪」予防 に関わるクロムの働きは主に次です。

  1. 抗糖化
    糖化とは体内に余った糖質がたんぱく質とくっつき、たんぱく質を劣化させる現象のことをいいます。糖化によって作られるのがAGEs(終末糖化産物)です。


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    AGEsが体内に蓄積されるといわゆる老化が進みます。髪に関していえば、髪の毛の主成分であるケラチンたんぱく質がAGE化されると白髪が増えたりします。
    クロムはインスリンの働きを増強させることで糖質の代謝を活発にさせます。糖化予防に有効な栄養成分です。

 

美肌

7点

「美肌」作り に関わるクロムの働きは主に次です。

  1. 抗糖化
    糖化により体内のあらゆる組織がダメージを受けます。
    とくに肌の真皮がダメージを受けるといってもいいかもしれません。


    ※真皮層を拡大したイラストです。ひし形の線部分がコラーゲン。

    真皮の主成分となっているのがコラーゲン繊維です。真皮の乾燥重量のうち約7割はコラーゲンで占められています。
    コラーゲン繊維は架橋によって分子間がつながっていますが、糖化されると この架橋が無秩序かつ過剰に形成されるようになります。通常は「コラーゲン架橋」ですが、無秩序かつ過剰に形成された架橋は「悪玉架橋(AGEs架橋)」と呼ばれます
    悪玉架橋ができるとコラーゲン繊維のしなやかさが失われ、ハリ・弾力が低下してしまいます。イコール肌の老化です。
    若々しい肌を保つうえで「抗糖化」はとても重要です。


    「抗糖化」で何歳からでも美肌は甦る

    抗糖化の基本は「糖代謝を正常にする」ことです。
    クロムには糖代謝を正常に保つ働きがあります。

 

美白

7点

「美白」ケア に関わるクロムの働きは主に次です。

  1. 抗糖化
    肌に透明感がなくなり、黄色くくすむ現象を黄くずみと言います。黄くずみの原因となるのは「糖化」「カルボニル化」です。

    糖化が黄くずみの原因となる理由

    糖化により生成されるAGEsは茶褐色の物質です。そのためAGEsが肌の内側に蓄積すると肌が黄色くくすむようになります。

    カルボニル化が黄くずみの原因となる理由

    過酸化脂質が酸化分解されるとアルデヒド(カルボニル化合物)と呼ばれる物質が発生してしまいます。このアルデヒドがたんぱく質と結合することをカルボニル化といいます。カルボニル化により生まれる物質はALEs(終末脂質過酸化産物)です。
    肌の真皮にALEsが蓄積すると肌にあるたんぱく質(コラーゲンやエラスチン)そのものが変性し黄色くなります。

    インスリンの働きを増強させ糖代謝を改善するクロムには糖化による黄くずみの予防が期待できます。


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筋肉

9

「筋肉」増強 に関わるクロムの働きは主に次です。

  1. 筋グリコーゲン
    筋グリコーゲンは筋トレ中に使われるエネルギー源です。
    筋肉を収縮させたときに体内にある糖質のうち筋グリコーゲンが一番に利用され、枯渇すると続いて血中のグルコースが利用されるといったメカニズムになっています。

    なので筋グリコーゲンレベルが低い状態だとパフォーマンスレベルも低下することになります。筋肥大につながる強度まで自身を追い込むのに必要なエネルギーが足りなくなるからです。

    筋グリコーゲンの合成を促進するホルモンがインスリンです。インスリンが分泌されると骨格筋においてグリコーゲン合成酵素が活性化され筋グリコーゲンの合成が高まります。

    クロムはインスリンの作用を増強するオリゴペプチド「クロモデュリン」の構成成分です。


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  2. インスリン
    効率的に筋肥大させるためには、たんぱく質の同化作用を有するアナボリックホルモンの分泌を促進させることが大事となります。代表的なアナボリックホルモンはテストステロン・成長ホルモン・インスリンです。

    どれも重要なアナボリックホルモンですが、あえて順位をつけると一番はインスリンといえるかもしれません。
    インスリンは筋たんぱく質の合成に必要なアミノ酸(BCAA)の取り込みを増やし、たんぱく質の合成を促進させます。
    筋肥大のためによく筋トレ後に【たんぱく質+糖質】の摂取が勧められているのは糖質をとることで、インスリンが分泌され筋たんぱく質の合成が高まるからです。


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    糖質を取り過ぎると余分なグルコースが脂肪組織に向かい脂肪として蓄えられることはご存知かと思います。
    なので「たんぱく質+糖質 の糖質が適量であること」が、そのうえで「インスリンの作用が最大限発揮できる状態である」ことが理想的なボディの近道となります。
    後者に貢献する成分がクロムといえます。

 

脂肪

8.5

「脂肪」減少 に関わるクロムの働きは主に次です。

  1. ホスホチロシンホスファターゼ
    クロムには脂肪細胞膜に存在するホスホチロシンホスファターゼという酵素を活性化させる働きがあります。これにより脂質代謝を活発にさせます。
  2. インスリン感受性
    すい臓から分泌されるインスリンは糖を細胞内に取り込む働きをします。その標的臓器は筋肉・肝臓・脂肪組織で、働きかける優先順位もその順番です。

    インスリン感受性が低下すると筋肉よりも脂肪組織の細胞に糖が取り込まれるようになります。つまり食べた糖質は「筋肉のエネルギーに利用されるように」ではなく、「脂肪細胞に脂肪として蓄えるように」のほうに向かってしまいます。
    クロムはインスリンの感受性低下を防ぎます。


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クロムの働き分析【中身編】

合計 38.5/60点

カテゴリー別 点数

身体 4点

エネ 8.5点

病気 8点

体質 5点

精力 7点

健脳 6点

 

身体

4点

「身体」の構成材料 に関わるクロムの働きは主に次です。

  1. インスリン
    インスリンは血糖値を下げる唯一のホルモンで、血糖値の恒常性を維持するうえでとても大事な存在です。
    どのようにして血糖値を下げるのかというとグリコーゲンの合成、脂肪の合成、コレステロールの合成、たんぱく質の合成といった「同化作用」などによりです。
    これら物質は身体を構成する上で必要不可欠です。

    インスリンがインスリン受容体と結合するのに必要な因子はGTF(Glucose Tolerance Factor)です。GTFの構成成分のうちクロモデュリンがインスリン受容体のチロシンキナーゼ活性の維持【=インスリン作用の増強】に貢献します。いうなればインスリンの作用を司るのがクロモデュリンというわけです。
    クロムはクロモデュリンの構成成分です。

    クロムが不足するとインスリンの作用が低下します。
    そう考えると、(ではないのですが)クロムはインスリンの構成成分であると捉えることもできなくはないと思います。

 

 

エネ

8.5点

「エネルギー」生成 に関わるクロムの働きは主に次です。

  1. インスリン
    エネルギーは3大栄養素より、そのうち主に糖質(グルコース)より得ることができます。

    グルコースは細胞の中へ取り込まれることで、初めて「エネルギー」として代謝されます。

    グルコースを筋肉や脂肪細胞に取り込むにはインスリンの力を借りる必要があります。
    またエネルギー貯蔵物質グリコーゲンの合成にもインスリンの力を借りる必要があります。

    そう考えると「インスリンはエネルギー代謝機構の中心的な役割を果たす」といえます。
    クロムはインスリンの働きを増強させます。エネルギーの生成においても重要なミネラルといえます。

    ※インスリンはエネルギー産生過程の「代謝」においての関与はありません。そのあたりを踏まえて点数をつけています。

 

病気

7.5

「病気」予防 に関わるクロムの働きは主に次です。

  1. 糖尿病
    糖尿病は血糖を細胞に取り込むインスリンが働かなくなることで引き起こされる病気です。

    インスリンが働かなくなる原因は2つあります。
    インスリンの分泌低下とインスリン抵抗性の低下です。

    インスリンの分泌低下
    膵臓の機能が低下することにより、十分なインスリンを作れなくなっている状態。

    インスリン抵抗性の低下
    十分な量のインスリンが作られているが、インスリンの効きが悪い状態。

    クロムにはインスリンの作用を増強させる働きがあります。
    インスリン抵抗性の低下を防ぐことで糖尿病予防に効果を発揮をします。


    糖尿病は栄養をとれば健康に戻る

  2. インスリン抵抗性
    インスリン抵抗性が存在すると糖代謝および脂質代謝を悪化させます。糖尿病のみならず、高血圧、脂質異常症(高脂血症)を発症させます。さらにそれらを介して動脈硬化性疾患を引き起こします。
    ゆえにインスリン抵抗性を改善することはこれらすべての疾患の予防・改善につながります。

    クロムにはインスリンの作用を増強させる働きがあります。なのでこれらすべての疾患の予防・改善に効く成分といえます。
    なお脂質代謝に関しては「脂肪細胞膜のホスホチロシンホスファターゼの活性化」という点においても関与しています。

  3. 動脈硬化
    コレステロールにはLDL(悪玉コレステロール)とHDL(善玉コレステロール)があります。

    LDL
    LDLはコレストロールを必要とする組織に運搬する働きをします。そのコレストロールは細胞膜やホルモンの材料として使用されます。

    ◆HDL
    HDLは全身をめぐって血液中にたまったコレストロールを肝臓に運び戻す働きをします。単に運び戻すだけでなく、動脈硬化が起きている場所(プラーク)からコレステロールを引き抜き、肝臓に回収し胆汁として排泄する働きをします。

    LDLに含まれているコレストロールも、HDLに含まれているコレストロールも同じ「コレストロール」です。コレストロールを運ぶリポたんぱくの違いにより区別されているだけで、どちらも健康を保つうえで重要です。

    ただしLDL>HDLになると、血中のコレストロール値が高くなり、余剰分が血管壁に溜まるようになります。その結果、動脈硬化を引き起こすことになります。

    これが善玉と悪玉とわけられている由縁です。

    脂質代謝に関与するクロムには、コレストロール値を正常に保つ働きが期待できます。その摂取は動脈硬化予防になります。

 

体質

5.5点

「体質」改善 に関わるクロムの働きは主に次です。

  1. メタボ体質
    メタボリックシンドローム略してメタボは、内臓脂肪型肥満をキッカケに高脂血症、高血圧、耐糖能障害などが集積する状態をいいます。

    耐糖能障害とは食後に吸収されて血管内に入った糖が利用されずに血管内に留まる状態のことを言います。
    クロムの摂取がこの障害の改善につながります。というかクロムの不足により耐糖能低下を引き起こします

    高脂血症・高血圧の予防に関してクロムが効くのはいうまでもありません。
    クロムはメタボ体質の方の強い味方となる成分です。

    参照
    メタボリック症候群
    KOMPAS 慶應義塾大学病院 医療・健康情報サイト HP

  2. 抗老化
    老化を早める2大現象は体をサビさせる「酸化」とコゲさせる「糖化」です。この2つを予防することがアンチエイジングにとって重要となります。
    正常な糖代謝を維持する働きをするクロムは糖化を予防する成分です。



    「糖化」を防げば、あなたは一生老化しない

 

精力

7点

「精力」増進&「性機能」向上 に関わるクロムの働きは主に次です。

  1. 糖尿病性ED
    勃起が起こるメカニズムを簡単に説明します。

    ①性的な刺激により脳が興奮するとその信号(興奮)が脊髄を伝わり勃起神経に到達する。

    ②すると陰茎の動脈は拡張し陰茎海綿体へ流入する血液が増える。

    ③同時に陰茎海綿体の平滑筋が弛緩され、海綿体は流れ込んだ血液を吸収し大きく膨らむ

    さて糖尿病とEDは多いに関係しています。

    理由は次です。

    ●血糖値が高い状態が続くと、神経障害が起こり、性的刺激およびその感度が悪くなります。つまり①が阻害されます。

    ●血糖値が高い状態が続くと、血管障害が起こり、陰茎への血流が悪くなります。つまり②が阻害されます。

    血糖値が高い状態が慢性的に続くことが「糖尿病」なので、上記がぴたりと当てはまることになります。
    事実、糖尿病の合併症の1つにED(糖尿病性ED)があります。

    糖尿病性ED

    糖尿病によって陰茎が勃起しなくなったり、あるいはその維持ができなくなったために、満足に性交を行えない状態のことを指します。糖尿病になると同世代の健常な方より、EDの発症率が2-3倍に高くなると言われています。

    引用元
    糖尿病で勃起不全―糖尿病とEDの深い関係
    Medical Note (株)メディカルノートHP

    糖尿病予防に効くクロムの摂取は糖尿病性EDの予防にもなるといえそうです。


    ED発情カリキュラム【単話売】 1 (G-Lish)

 

健脳

6点

「脳」の健康 に関わるクロムの働きは主に次です。

  1. インスリンブドウ糖は脳の唯一のエネルギー源です(※枯渇している場合はケトン体もエネルギー源となります)。ブドウ糖が細胞に取り込まれる際には、インスリンに依存的なGLUT(グルコース輸送体)を介する場合と非依存的なGLUTを介する場合があります。脳細胞へのグルコースの取り込みは非依存的なGLUT3を介して行われます。なのでインスリンは脳におけるブドウ糖の取り込みには関与していません。

    となると脳に対してさして重要でないかといえば、答えは脳(NO)です。下記、引用文をごらんください。

    血糖調節ホルモンであるインスリンは、脳において、摂食・エネルギー代謝調節、 記憶・学習、ニューロン新生に関与することが示唆されています。 近年、アルツハイマー病や肥満・糖尿病に伴う神経変性疾患は、 脳神経系のインスリン抵抗性に起因することが注目されています。

    引用元
    脳でのインスリン作用とエネルギー代謝調節機構の解明
    富山大学 薬学部 

    クロムはインスリンの作用を増強させる働きがあります。脳の機能にも関与しているといえます。

 

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クロムのサプリメント紹介

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