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5-HTPは5-hydroxytryptophan(5-ヒドロキシトリプトファン)の略です。
トリプトファンの代謝物で、「幸せホルモン」セロトニンの前駆体です。
セロトニンは以下の流れで生成されます。
トリプトファン→5-HTP→セロトニン→5-HIAA (5-ヒドロキシインドール酢酸)
セロトニンは「睡眠ホルモン」メラトニンの前駆体です。
メラトニンは以下の流れで生成されます。
セロトニン→N-アセチルセロトニン→メラトニン
メラトニンは脳内の松果体において、夜間のみに合成されるホルモンです。
日中に分泌されたセロトニンが、夜にメラトニンに変わるメカニズムになっています。
日中に太陽の光を浴びることでセロトニンの合成が促進されます。
一定のリズムでできる簡単な運動もセロトニンの合成を活発にさせるとされています。
午前中に朝日を浴びながら軽い運動する ←これがセロトニンの合成を増やす最たるものです。
朝の散歩やジョギングなどが当てはまります。
ただ、前提としてセロトニンの生合成の出発物質である「トリプトファン」が不足していないことです。
トリプトファンが不足していると元も子もありません。
ということで、
【トリプトファンが多く含まれる食品をよく取り、朝の散歩をルーティンとする】
←これが「幸せホルモン」「睡眠ホルモン」を増やすコツです。
さて、【トリプトファンが多く含まれる食品をよく取り、朝の散歩をルーティンとする】これを行っても気分が落ち込みがちだったり、寝つきが悪い場合は、セロトニンの直接的な前駆体である5-HTPを取るのがよろしいかと思います。
なぜかを説明します。
トリプトファンはご存知、必須アミノ酸です。またナイアシンの材料でもあります。
トリプトファンは、大きく分けて3つの代謝(経路)があります。
- タンパク質の合成に使われる
- キヌレニン経路
- セロトニン経路
キヌレニンをはじめとする代謝産物が合成されます。キヌレニン経路の代謝物は精神・神経疾患の病態に関連しているとされています。
また、キヌレニン経路は、中枢神経の機能に一役を担うことが示されているが、とりわけ、キノリン酸とキヌレン酸は精神・神経疾患と関連することが示唆されている。
引用元
精神・神経疾患におけるバイオマーカーの探索と創薬展開
愛知学院大学
歯学・薬学図書館情報センター
NAD合成経路(ナイアシンの材料となるトリプトファン)はキヌレニン経路の一部です。
この3つに均等に代謝されるかというとそうではありません。
セロトニン経路に向かう代謝が圧倒的に少なくなっています。
下記を参照すると、ほんの数%だと思います。
セロトニンは必須アミノ酸トリプトファンを前駆物質とする神経伝達物質であるが、セロトニンに代謝されるトリプトファンは1割に満たず、9割以上はキヌレニン経路により分解される。
引用元
うつ症候発症機構におけるキヌレニン経路の役割の解明
PDFページ 2/4
KAKEN
※たんぱく質の合成を除いた残りのことだと思います。
図 1 にキヌレニン経路の概観を示した。必須アミノ酸の一つである Trp は,その約 9 割はタンパク質合成に使われ,残り約 1 割が下記に示す重要な生理活性物質の合成に使われる
引用元
統合失調症のキヌレン酸仮説
PDFページ 2/12
J-STAGE
残り1割の重要な生理活性物質の合成というのがキヌレニン代謝物です。
セロトニン経路(5-HT セロトニンのこと)に向かうのはわずか2%となっています。
出典元
統合失調症のキヌレン酸仮説
PDFページ 2/12
J-STAGE
「うつ傾向の予防や安眠効果を得るにあたり必要なトリプトファンからのセロトニンの合成量」が足りていない可能性があります。
この場合、トリプトファンをもっとたくさん取るのではなく、セロトニンの直接的な前駆体である5-HTPを取るのがよろしいかと思います。
※個人の見解です。
5-HTPのサプリの原料は、Griffonia simplicifolia(グリフォニア・シンプリシフォリア)の種子から抽出されています。海外で販売されている5-HTPのサプリ すべてそうです。
※くまなく調べていません。間違っていたらごめんなさい。ちなみに、日本では医薬品扱いです。
というわけで、単純に5-HTPのサプリの比較をするならば、コスパ一択になります。
他に含まれている成分とか、持続放出型とかも評価対象になりますが、基本 コスパ一択になると思います。
100mgの5-HTPのサプリでは、このNowの商品がおそらく1番リーズナブルです。
なお、5-HTP→セロトニンへの変換に働く酵素は芳香族アミノ酸脱炭酸酵素です。この酵素の補酵素にビタミンB6が必要です。
セロトニンを増やしたければ、B6も取ることも怠らないでください。
ついでに言っておくと、セロトニンはほとんど腸内で作られます。常日頃から腸内環境を整ることも怠らないでください。
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※レビューの内容について
→個人の見解です。