※iHerbは120粒入り
★★★★★
植物ステロールは植物の細胞膜の構成成分です。
植物ステロールは、40種類以上存在します。
フィトステロールとも呼ばれます。
天然では遊離型とエステル型で存在しています。
植物ステロールは、動物の細胞膜の構成成分である「コレストロール」と構造が類似しています。
代表的な植物ステロールはβ-シトステロール、スティグマステロール、カンペステロールの3つです。
出典元
オリザステロール
オリザ油化
植物ステロール中には少量ながら二重結合を飽和化したものも存在します。これを植物スタノールと呼びます。
植物スタノールを含め 植物ステロールは単一の化合物として存在せずに、食品(植物性食品や植物油)中に混合物として存在しています。
食品中に多く含まれているのは、β-シトステロールです。
3種類の植物ステロールの合計摂取量はコレステロールの約半分であった。 それぞれの植物ステロールの内訳はβ一シトステロール69%,カンペステロール25%,スチグマステロー ル6%であった 。
引用元
日本人におけるコレステロール酸化物と植物ステロール酸化物の摂取量
PDFページ 3/5
J-STAGE
植物ステロールのサプリは、さきほど挙げた3つ【β-シトステロール、スティグマステロール、カンペステロール】の混合サプリとなっていますが、β-シトステロールの含有量が圧倒的に多くなっています。
それゆえ、商品名もβ-シトステロールの名前を前面に押し出していることが多いです(このサプリもそうです)。
個人的な感覚としては、植物ステロール≒β-シトステロールです。残りの2つの存在を気にしたことはあまりありません。
植物ステロールにはコレストロール低下作用があります。
そのメカニズムについて説明します。
コレストロールはミセル(コレステロールや脂肪を体内に運ぶ粒子)に取り込まれて吸収されます。
植物ステロールはコレストロールと構造が類似しているので、同じようにミセルに取り込まれて吸収されます。
ミセルの容量には限りがあります。
植物ステロールとコレストロールが共存することで、コレストロールのミセルへの取り込みが減ります。
出典元
コレステロールが高めの方に キユーピーディフェ
キューピー
ミセルに入れなかったコレステロールは、体外へ排出されます。
なお、植物ステロールは【小腸に発現するトランスポーターの働きによって体外に排出されるため】ほとんど吸収されません。
植物性ステロール自身は小腸上皮細胞のABCトランスポーターなどの働きによって体外に排出されるため、ほとんど吸収されない。
キユーピー ディフェ
特定保健用食品:商品詳細
国立健康・栄養研究所
小腸、肝臓に発現するトランスポーターである ATP⊖binding cassette transporter(ABC)G5/ABCG8 は体内に取り込まれた植物ステロールを体外に排泄することで体内への蓄積を防いでいると考えられている。
引用元
植物ステロールの排泄に関与するトランスポーターの機能に関する研究
一般財団法人 旗影会
コレストロールの吸収率が約50%に対して、植物ステロールは(種類によりますが)約10%ほどです。
※数値は諸説あり
ということで、植物ステロールにはコレストロール低下作用があります。
さて、日本人は植物ステロールを400mg程/日を摂取しているとされています。
一方で、植物ステロールのコレストロール低下作用を得るには800mg/日は 必要とされています。
※数値は諸説あり
これらのさまざまな臨床試験を検証した結果,植物ステロールとスタノールの効果はほぼ同等であり,遊離型換算で0.8g/日が最少有効摂取量であると推定された。
引用元
植物ステロール/スタノールの血中コレステロール低下効果
PDFページ 1/13
J-STAGE
半分ぐらい足りていません。
この不足分を補うにあたり、サプリを頼るのもアリだ思います。
今回レビューしたこの商品がその上位候補となります。
この商品の成分表示はこちらです。
カルシウム(リン酸二カルシウム) | 32mg | |
フィトステロールコンプレックス | 937mg | |
使用成分: | ||
β-シトステロール | 375mg | |
カンペステロール | 187mg | |
スチグマステロール | 131mg |
1粒で主要な植物ステロールが937mg取れます。
iHerbで120粒入り1349円です。粒単価は約11円です。
植物ステロールサプリの中でもコスパに優れています。
例えばこのNowの商品は2粒で植物ステロール1000mg取れます。
Nowの商品の原料は®マークですので、単純に比較はできないのですが、植物ステロールの含有量のみにフォーカスするとかなりコスパに優れていることがお分かりいただけると思います。
※価格はiHerbでレビュー作成時
なお、植物ステロールは βカロテン、ビタミンE(α-トコフェロール) の吸収も阻害する可能性があるとされます。
なので、植物ステロール関連食品を摂取する場合、それらが多く含まれる果物、野菜類を摂取することが勧められています。
食品安全関係情報詳細
内閣府 食品安全委員会
サプリでは同時摂取は避けたほうがいいと思います(特にβカロテン)。
植物ステロールには前立腺肥大症予防効果もあります。
その作用機序には5αリダクターゼ阻害作用が含まれています。
5αリダクターゼは男性ホルモンテストステロンを悪玉のDHTに変換させる酵素です。DHTは毛包においてはAGAの原因物質となっています。DHTが毛包にある男性ホルモン受容体と結合すると、毛母細胞の働きを抑制してヘアサイクルの成長期を短くしてしまいます=抜け毛を増やします。
コレストロール低下目的でコレを取ると、前立腺肥大症予防に しいては薄毛予防にもつながる可能性があります。
ちなみに、私自身は後者(前立腺肥大症と薄毛の予防)目的で摂取しています。
参照一覧
コレステロールが高めの方に キユーピーディフェ
キューピー
植物ステロールのヒミツ
日清オイリオ
植物ステロールとその類縁化合物の生理機能
J-STAGE
日本人におけるコレステロール酸化物と植物ステロール酸化物の摂取量
J-STAGE
植物ステロール/スタノールの血中コレステロール低下効果
J-STAGE
植物ステロール添加加工米摂取による血中コレステロール低下作用について
J-STAGE
植物ステロールの生理機能と安全性について
J-STAGE
コレストロールの腸管吸収
J-STAGE
植物ステロールの排泄に関与するトランスポーターの機能に関する研究
一般財団法人 旗影会
食事性植物ステロールのβ-カロテン吸収および体内蓄積に及ぼす影響
一般財団法人 旗影会
植物ステロール
わかさの秘密 わかさ生活
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※レビューの内容について
→個人の見解です。