ケイ素(シリカ)の評価 S
ケイ素(シリカ)
ケイ素は 原子番号14 元素記号Si 英語名silicon(シリコン)です。ケイ素は地球上で2番目に多い元素です。
1番目は酸素です。
ミネラルの中で、体内に存在して「栄養素として人間の生命維持や身体活動に欠かせない」ことが確定しているものを必須ミネラルと呼びます。必須ミネラルは16種類あります。
ケイ素は16種類に含まれていません。
が、必須性が確認されています。
生命維持や身体活動に必須の「元素」は必須元素と呼ばれます。ケイ素は必須元素に含まれます。
ここでは 水素、炭素、窒素、酸素の4つと16種類の必須ミネラル+ケイ素の21元素を必須元素だと考えてください。
※必須元素に該当する元素は、書籍やサイトによりまちまちです。ただしケイ素は含まれます。
※栄養学では「ミネラル」は、必須元素から水素、炭素、窒素、酸素を除いたものです。
書籍やサイトにより、シリカを必須ミネラルとしているケースもあります。
ケイ素は自然界では主に二酸化ケイ素(元素記号 SiO2)として存在しています。
二酸化ケイ素また二酸化ケイ素によって構成される物質の総称をシリカといいます。
サプリメントではケイ素は「シリカ」で販売されています。厳密にいうと違いますが、ここではケイ素=シリカと捉えてください。
人はケイ素を農作物などから摂取しています。
ケイ素はホウ素とともに人が農作物から摂取するミネラルで最も多いとされています。なので穀類を多く食べる国ではケイ素の摂取量が多くなっています。
体内に存在するケイ素の量は18gといわれています。
※体重70㎏の場合
ほとんどのサイトでは18gとなっています。ただし、2gの説もあります。
一般社団法人 日本アルミニウム協会のサイトでは体内存在量を18g・2gとする2つの資料がございます。
18gとしている→ 生体微量元素の役割について(第1回)
2gとしている→ 生体元素と医薬品の開発(第1回)
ケイ素は、体のあらゆる臓器・組織に含まれます。皮膚・骨・関節・血管・毛髪・爪に多く存在しており、特に皮膚に多く存在しています。
ケイ素はコラーゲン、ムコ多糖類の炭素骨格に酸素を介して結合しています。
それゆえケイ素は骨や結合組織の形成に深く関わると考えられます。
ケイ素(シリカ)の効果・効能
肌
ケイ素は美肌作りの強い味方となる成分です。主たる理由は次の3点です。
結合組織の強化
真皮は「コラーゲン」「エラスチン」といった線維状のたんぱく質と「ヒアルロン酸」などのゼリー状の基質でできています。
コラーゲン・エラスチンが皮膚を支え、ヒアルロン酸が真皮の水分量を一定に保つ働きをしています。これら3つの成分の働きにより肌にハリ・弾力・潤いが生まれます。なお3つの成分を生み出しているのは繊維芽細胞です。
真皮はひし形が並んでいる部分です。
拡大します。
紫の薄い線はコラーゲン、そのつなぎ目にある濃い紫の線はエラスチン、それ以外の部分はヒアルロン酸など ◎は繊維芽細胞です。
コラーゲンの合成
真皮の主成分となっているのがコラーゲンです。コラーゲンは真皮の乾燥重量のうち70%を占めています。肌に潤いや弾力を与え、若々しい肌を保つ上で重要な役割を果たしています。
ケイ素はコラーゲンの合成を促進させます。
ケラチンの生成
肌の一番外側である角質層は繊維状のたんぱく質ケラチンがたくさん含まれています。
ケラチンは水分と合わさると柔らかくなるという性質をもちます。角質層内にあるケラチンとNMF(天然保湿因子)のおかげで肌の潤いを保つことができています。
ケイ素はケラチンの生成を助けます。
血管
ケイ素には血管の若返り効果が期待できます。ケイ素の血管に関わる働きは以下です。
- 血管内皮細胞の構成成分で、細胞の修復に働く
- 血管の主成分であるコラーゲンの合成を促進させる
- 血管内のプラークを分解し、排出する働きをする
骨
ケイ素は骨に多く存在し骨の形成に関わります。
一部ではカルシウム以上に骨を強くするとまで言われています。
しかし今回、“カルシウム以上に効く”とのデータが発表されたことで、状況ががらりと変わる可能性が出てきた。
引用元
ケイ素はカルシウムより骨を強くする、米英共同の「フラミンガム研究」から解明
日経メディカル
ケイ素の骨に関わる働きは以下です。
- コラーゲンの合成と安定化に働く
- グリコサミノグリカンの合成を促す
- 骨基質の石灰化に働く
- オステオカルシンの遺伝子発現に関与する
ヒトの骨芽細胞様の培養細胞を用いた実験で、血液中とほぼ同程度の濃度である 10~ 20 µmol/L 濃度のオルトケイ酸存在下でコラーゲンタイプ1の合成量が増加し、非コラーゲン性タンパク質であるオステオカルシンのmRNA合成能を高めていることが確認された。すなわちケイ素はコラーゲンの生成と骨芽細胞の分化を促進する作用がある。
引用元
農産物ミネラルと人の健康
J-STAGE HP
ケイ素(シリカ)のサプリメントによくあるキャッチフレーズ集
- 肌、髪、爪の健康に
- 年齢に負けない美しさを保つため
- 美のミネラル
- メディアで話題の美容成分
- 体内で作れない&加齢とともに減ってしまう
ケイ素(シリカ)の摂取量、不足、過剰
「日本人の食事摂取基準」で1日の摂取量は定められていません。
日本での1日の目安摂取量は40㎎と言われます。
成人の1日あたりのケイ素の消費量は、1日10~40mgと言われています。なので1日の目安摂取量を40㎎に設定すると、マイナスになることはありません。
ただし加齢とともに体内のケイ素の量は減っていきます。30代~40代になると、乳児の頃の半分以下になるともいわれています。それを考えると40㎎~はとってはおきたいと考えられます。
- 肌→しわ、たるみになる
- 血管→動脈硬化のリスクを高める
- 骨→骨折しやすくなる、骨粗しょう症になりやすくなる
ケイ素は体内で合成できない&加齢とともに減少するミネラルです。食事やサプリで積極的に取り入れる必要があります。
摂取されたケイ素は、腸によって吸収され、約120分で血清内のケイ素濃度が上昇することが確認されています。生体内で重要な役割を果たしたケイ素は、3時間から9時間かけて尿中から排出されます。この時、過剰に摂取されたケイ素や吸収に至らなかったケイ素も排出されます。
引用元
医療団体日本ケイ素医療臨床研究会
医療法人社団健若会 赤坂AAクリニック
とはいえ、サプリから摂取する場合はその目安量を必ず守るようにしてください。
ケイ素(シリカ)の豆知識
人間に吸収されるケイ素は非晶質ケイ素です。
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これらは海外のシリカサプリの原料として使われることが多いです。
各々のハーブサプリは、ケイ素の供給源としてよく利用されます。
世界35カ国で年間なんと200万本も売れるロングセラー商品。ドイツの食品医薬品法(PBV)により認定されたレホルム製品の中でも10年以上No.1の実績に輝く圧倒的な人気サプリです。
引用元
シリシア 500ml ケイ素 ミネラル サプリメント
Amazon
ドイツのフライブルグにあるアントン・ヒューブナー社は自然由来の機能性食品や化粧品を製造するGMP基準を満たしたドイツ有数のレホルム製品メーカー。
シリシアは1日に10,000本も販売され、レホルム製品として10年以上販売数1位を誇るロングセラー商品です。引用元
シリシア 500ml ケイ素 ミネラル サプリメント
Amazon
ケイ素(シリカ)と相性の良い成分
・カルシウム
・亜鉛
・コリン
・カルニチン
ケイ素(シリカ)のレーダーチャート解説
- 6
このカテゴリーに効果があることで有名。即効性があったり、継続して摂取することで効果を感じる - 5
このカテゴリーに効果があることで有名。継続して摂取することでなんとなく効果を感じる - 4
このカテゴリーに効果があるといわれている。効果が得られることを期待して飲んでいる - 3.5
このカテゴリーに効果があるといわれているが、個人的に摂取目的としていない - 3
このカテゴリーになんらかの効果があるもの - 2
このカテゴリーとはあまり関係ないと思われる - 1
このカテゴリーとは関係ないと思われる
※4以上が摂取目的となっているカテゴリー
ケイ素(シリカ)総合評価 S 16.5
5つのカテゴリーのうち、評価が高い上位3つのカテゴリーを足したものです。「B~SS」でつけています。
SS 18点
S 16点以上
A+ 14点以上
A 12点以上
B+ 10点以上
B 9点以下
髪(薄毛)評価5.5
ケイ素が髪に関わる点は次の3つです。
ケイ素はコラーゲンの合成を促進させます。コラーゲンは頭皮にハリ・潤いを与え、健康な頭皮環境を作り出す役割を果たします。
ケラチン
髪はケラチンと呼ばれるたんぱく質でできています。このたんぱく質は18種類のアミノ酸が結合した構造をしています。ケイ素はケラチンの生成をサポートします。
血管
ケイ素は血管内皮細胞の構成成分です。血管の弾力性を維持に貢献します。イコール血流をスムーズにします。髪に必要な栄養素や酸素は血液によって運ばれます。
肌(美肌)評価6
真皮は「コラーゲン」「エラスチン」といった線維状のたんぱく質と「ヒアルロン酸」などのゼリー状の基質でできています。
コラーゲン・エラスチンが皮膚を支え、ヒアルロン酸が真皮の水分量を一定に保つ働きをしています。これら3つの成分の働きにより肌にハリ・弾力・潤いが生まれます。なお3つの成分を生み出しているのは繊維芽細胞です。
真皮はひし形が並んでいる部分です。拡大します。
紫の薄い線はコラーゲン、そのつなぎ目にある濃い紫の線はエラスチン、それ以外の部分はヒアルロン酸など ◎は繊維芽細胞です。
ケイ素はコラーゲンの合成を促進します。特に皮膚に多く存在するⅠ型コラーゲン(コラーゲンタイプⅠ)の合成を高めます。
体型(筋肉)評価2.5
筋膜とは筋肉を覆っている膜のことです。
筋膜は浅筋膜、深筋膜、筋外膜、筋周膜、筋内膜の5層になっています。
筋膜には筋肉を保護する作用や筋収縮時の滑りを助ける作用があります。
また組織と組織に仕切りを作る、組織同士をつなぐ、血管や神経やリンパ管を支えて通過させるなどの役割も持ちます。
筋膜がないと筋肉などを支えることができないので「第2の骨格」の異名を持ちます。
さて筋膜(筋内膜以外)はコラーゲンとエラスチンなどでできていています。ケイ素は結合組織の形成に関わります。
体力(普段)評価5
ケイ素には骨密度(BMD)を高める効果があります。研究結果により、ケイ素を摂取している人としていない人では骨密度に10%の違いがありました。どうようの研究をカルシウムで行ったところ5%の違いしか出なかったとのことです。
最もケイ素摂取量が多いグループ(1日40mg以上)は、最も摂取量が少ないグループ(1日14mg未満)より、BMDが10%近く高いことが明らかになった。
ちなみに、カルシウム摂取による同様の研究では、摂取量が最も多いグループと最も少ないグループのBMDの差はたかだか5%だった。
引用元
ケイ素はカルシウムより骨を強くする、米英共同の「フラミンガム研究」から解明
日経メディカル
骨はよく「鉄筋コンクリートの柱」に例えられます。
(骨の構成成分のうち)コラーゲンが鉄筋のような役割をして、そのまわりでカルシウムなどのミネラルがコンクリートのようにはりついたのが柱=骨です。ケイ素はカルシウムがコラーゲンに沈着するのを助けます。
その他(血管)評価5
ケイ素は大動脈に多く含まれています。 ケイ素は血管内皮細胞の構成成分として、血管の弾力性を保つ働きがあります。また余剰なコレステロールが血管に付着するのを防ぐ働きもします。
ケイ素(シリカ) 参照一覧
農産物ミネラルと人の健康 J-STAGE
肥料・ミネラルと人の健康 J-STAGE
美味しい農産物と土づくり――土壌診断にもとづく土づくりと効率的な施肥
農業協同組合新聞
ケイ素 特定非営利活動法人 日本食品機能研究会
食品、医薬品、化粧品及び飼料に利用される非晶質ケイ素、及びその製造方法、製造装置
WO2015186769A1 Google Patents