グレープシードエキスの評価 S
グレープシードエキス
グレープシードは日本語ではブドウ種子と訳されます。ブドウの種子から抽出されたエキスのことを「グレープシードエキス」といいます。
ブドウを食べる時、多くの人は皮や種を捨てていると思います。皮はまだしも種はほとんんど捨てていると思います。
捨てることで、そのまま食べることよりも食べ心地は良くなります。が、美容や健康にとっては、非常にもったいないことをしているといえるかもしれません。
というのもブドウの皮や種に貴重な栄養成分が豊富に含まれているからです。
ブドウの皮に含まれている代表的な栄養成分はアントシアニンとレスベラトロールで、
種に含まれている代表的な栄養成分はプロアントシアニジン・OPCとグレープシードオイルです。
今回はプロアントシアニジン・OPCに焦点をあて「グレープシードエキス」をレビューします。
グレープシードオイルのレビューはこちら
プロアントシアニジン
プロアントシアニジンとは、カテキンが複数つながった重合体の構造を持つポリフェノールです。プロアントシアニジンは炭素-炭素結合の開裂により「アントシアニジン」を生成することからプロアントシアニジン【=アントシアニジンの前駆体】と呼ばれます。
アントシアニンはポリフェノールの一種で、紫色の色素成分です。ブルーベリーに多く含まれる成分としてご存知かと思います。
厳密にいうと、アントシアニンは色素の本体であるアントシアニジン(アグリコン)に糖や有機酸などと結びついた配糖体の総称を指します。
アントシア二ジンはアントシアニンに結合している糖や有機酸を除いた部分です。
出典元
アントシアニン
ウィキペディア
アントシアニジンはA、B、C環の3つの環構造から成っています。Rの位置に糖や有機酸などが結合しています。
主にB環の置換基の種類によって、大きく6種類のアントシアニジン(シアニジン、ぺラルゴニジン、デルフィニジン、ペオニジン、ペチュニジン、マルビジン)に分類されます。
それぞれ異なる色調を発現します。
出典元
フラボノイド
花き研究所
農研機構
赤色→シア二ジン、橙色→ペラルゴニジン、赤紫色→デルフィニジン
シア二ジン、ペラルゴニジン、デルフィニジン、それぞれを生成するものがプロシア二ジン、プロペラルゴニジン、プロデルフィニジンです。
天然に存在するプロアントシアニジンの大部分はプロシアニジンです。
プロアントシアニジンの体内での働き
プロアントシアニジンには強力な抗酸化作用があります。それにより動脈硬化抑制や抗腫瘍など生活習慣病予防が期待できます。また血管を拡張させる・ビタミンCの利用効率を高める・メラニンの生成を抑制する働きもします。
プロアントシア二ジンは健康や美容に大きく貢献するポリフェノールです。
プロアントシアニジンは、ポリフェノール類の一種で、強力な抗酸化作用を有し(特許文献1)、さらに、血中脂質を改善する効果;抗高血圧効果;血糖値上昇抑制効果;血管の弾力性を回復させる効果(血管保護効果);ビタミンCの利用効率を高める効果;血液の流動性を改善する効果などを有することが知られている。
引用元
公開特許公報(A)_プロアントシアニジン含有組成物
NBDC バイオサイエンスデータベースセンター
国立研究開発法人科学技術振興機構
抗酸化作用に関していえば、その力が強力なため「最強の抗酸化物質」や「ポリフェノールの王様」と称されることもあります。
プロアントシアニジンの抗酸化作用
プロアントシアニジンの抗酸化力の特徴をまとめると以下になります。
水溶性抗酸化物質は細胞質基質と血漿中の活性酸素種の消去に活躍します。
プロアントシアニジンは、基本 水溶性の抗酸化物質です。細胞の内外で抗酸化作用を発揮します。
基本を付けている理由はこちらを参照ください。
→
葡萄の種のプロアントシアニジン
植物Q&A
一般社団法人日本植物生理学会
②ラジカル補足作用
活性酸素にはラジカルと非ラジカルがあります。
4種類の活性酸素【スーパーオキシド・過酸化水素・一重項酸素・ヒドロキシラジカル】のうちラジカルはスーパーオキシド・ヒドロキシラジカル、非ラジカルは過酸化水素・一重項酸素です。
物質を構成するのは原子です。原子は原子核と電子からできており、原子核の周りを電子がぐるぐると回っています。
原子核の周りを回る電子は2つで一対となることで安定な物質となっています。フリーラジカルとは原子核の周りにある電子の数が1つの分子(不対電子)のことをいいます。
2電子が一対になっているときは安定
なっていないときは不安定
※原子2つ以上が結びつくことで分子となります。イラストがフリーラジカルというわけではありません。
フリーラジカルは、不対電子をもっている=不安定であるために、安定するため他の物質から電子を奪う性質があります。この性質によって「酸化」が生じます。
③一重項酸素消去作用
一重項酸素の電子そのものは、一応すべてペアになっています。なので不対電子を持っていません=フリーラジカルではありません。
ですが、片側に空の軌道がありそこに電子を強く求めます。そのため非常に強い酸化力を持っているといえます。
出典元
医学部 TOPICS_4
トマト大学
カゴメ(株)
プロアントシアニジンは一重項酸素消去作用を有します。
④抗酸化酵素発現増加
「抗酸化能」とは、活性酸素を直接的に除去することだけを指す言葉でありません。
体内に存在する抗酸化酵素(スーパーオキシドジスムターゼ、カタラーゼ、グルタチオンペルオキシダーゼなど)の発現を高めて間接的に除去することも含まれる言葉です。
ピクノジェノールや黒豆ポリフェノールなどのプロシアントシアニジン高含有化合物には抗酸化酵素の発現を高める働きがあることが確認されています。
BEの抗酸化能発揮には,少なくとも2つの経路を介していることが考えられる:一つは,フェノール性水酸基により直接抗酸化能を発揮する経路,もう一つは抗酸化酵素の発現を上昇させることで間接的に抗酸化効果を発揮する経路である
引用元
黒大豆ポリフェノールの機能性に関する研究
PDFページ 3/7
J-STAGE
※BE=黒大豆種皮抽出物
なお、過酸化水素を除去するのは、主にカタラーゼやグルタチオンぺルオキシダーゼです。
これら抗酸化酵素の発現を高めるプロアントシアニジンは間接的に過酸化水素除去作用があるといえます。
プロアントシアニジンは狭義の活性酸素4種類【スーパーオキシド・過酸化水素・一重項酸素・ヒドロキシラジカル】すべてに対応できる抗酸化物質と言えるかもしれません。
このような特徴をもつ
プロアントシアニジンの抗酸化力の【よくある謳い文句】は、
- 狭義の活性酸素4種類をすべて除去する力がある
- ビタミンCの20倍、ビタミンEの50倍の抗酸化力がある
.
です。
それゆえ「最強の抗酸化物質」や「ポリフェノールの王様」と呼ばれています。
OPC(オリゴメック プロアントシアニジン)
上述した通り、プロアントシアニジンには強力な抗酸化作用があります。ただし欠点があります。
カテキンの重合体といった構造上、高分子のため吸収率が悪いという点です。
なので「強力な抗酸化作用があるにもかかわらず、吸収率が悪いため体内で発揮する抗酸化力が期待されるほどでない」といえます。
ポリフェノールの吸収率は,その種類によって異なるが,概して高くない.カテキン,イソフラボン,イソフラバノールのアグリコンの吸収率は約5~30%であるが,アントシアニジンやプロアントシアニジンのような縮合型タンニンの生体移行率は約0.1%と極めて低いとも報告されている(2)
引用元
腸管上皮における栄養機能的化学物質(ポリフェノール)の輸送と認識
J-STAGE
OPCはこの欠点を取り除いた成分と言えます。
OPC=オリゴメックプロアントシアニジンの「オリゴメック」は低重合・低分子を意味します。
OPCは その文字通り 低重合のプロアントシアニジンです。
プロアントシアニジンの平均重合度は7~9です。その中でも、重合度が2~4がOPCです。
プロアントシアニジンの中でも、特に重合度が2〜4の縮重合体をオリゴメリック・プロアントシアニジン(oligomeric proanthocyanidin;以下、OPCという)という。
引用元
公開特許公報(A)_プロアントシアニジン含有組成物
NBDC バイオサイエンスデータベースセンター
国立研究開発法人科学技術振興機構
プロアントシアニジンは、その分子量の大きさによって、吸収率が異なります。分子量が小さいOPCの体内吸収率は高く、一方でプロアントシアニジンの体内吸収率は極めて低いと言われてます。
それにより次の「差」が生まれます。
- プロアントシアニジン
経口した場合、吸収性が劣るため十分な抗酸化効果が期待できない - OPC
経口した場合、吸収性が高いため十分な抗酸化効果を期待できる
.
OPCはプロアントシアニジンの欠点「強力な抗酸化作用があるにもかかわらず、吸収率が悪いため体内で発揮する抗酸化力が期待されるほどでない」を解決してくれる成分です。
「プロアントシアニジンが高分子だから吸収率が悪い、だからOPCが良い」といった内容で話を進めて決ました。
そもそも高分子のほうが抗酸化活性が強い(ただし吸収率が悪いため発揮できない)です。
また高分子であるがゆえにもたらされる効果があります。
例えば抗腫瘍
抗腫瘍活性に関しては、ある程度の重合度を有するオリゴマーに活性があることが報告されています。
一方,抗腫瘍活性に関しては,2003年にKozikowskらがエピカテキンの2~8量体を合成し,5量体以上のオリゴマーに活性があることを報告している(2).以上のようにプロシアジンの生物活性においては2量体のような低分子ではなく,ある程度の重合度を有するオリゴマーに活性があると報告されていることはたいへん興味深い現象である.
引用元
プロアントシアニジンオリゴマーの生物活性
J-STAGE
例えば腸内フローラ改善作用
マウス実験により、プロアントシアニジンの分子量が大きいがゆえに(消化管から吸収されることは難しく)大腸に残って働くことが確認されています。
そこで、消化吸収されにくいプロアントシアニジンが、腸管に到達して腸内フローラに直接作用するのではないか という仮説を立て、2014 年より共同でこの仮説の検証作業に入りました。
引用元
プロアントシアニジンによる腸内フローラの改善作用
プレスリリース
東北大学
グレープシードエキスサプリについて
グレープシードエキスサプリの成分表示は
ブドウ種子エキス 100mg(総ポリフェノール90~95%以上)となっているケースがほとんどです。
総ポリフェノールなので、すべてがプロアントシアニジンのことではありません。
ポリフェノールのうち「大部分が」プロアントシアニジンで、その中の一部にOPCが含まれていることになります。
※説明しやすいように断定口調にしていますが、「だと思います」です。
この円グラフがブドウ種子エキスに含まれている総ポリフェノールだとしたら、
イメージとしてはプロアントシアニジンが橙と赤、その中でOPCが赤といった感じです。
こちらのほうがイメージしやすいかもしれません。
プロアントシアニジン(太い丸)の中にOPC(薄い丸)といった感じです。
以降、ここではプロアントシアニジン≒プロシア二ジン≒OPCと考えてください。
この3つの用語を特に分けずに説明しています。
時にプロアントシアニジンとして、時にOPCとして、たまにプロシア二ジンとして説明しています。
ここではすべて一緒のことと捉えてください。
グレープシードエキスの効果・効能
抗酸化作用
活性酸素は「酸化させる力」が非常に強い酸素のことです。その強い力で体内に侵入したウイルスや細菌を除去する役割があります。適量ならば細胞を守りますが、過剰に発生すると正常な細胞まで傷つけてしまいます。
過剰となった活性酸素は細胞のたんぱく質、脂質、DNAなどを酸化させることで細胞にダメージを与えます。
活性酸素から細胞を守るために抗酸化物質を積極的に取り入れる必要があります。
グレープシードエキスに含まれるポリフェノール(プロアントシアジニン)には強力な抗酸化作用があります。その抗酸化力はビタミンCの20倍以上、ビタミンEの50倍以上、カテキンの10倍以上とされています。
美白効果 その1
紫外線を浴びると肌に大量に活性酸素が発生します。発生した活性酸素が肌にあるメラノサイトを刺激しメラニンの大量生成を促します。大量にできたメラニンが肌のターンオーバーとともに排出されなければ、シミとなって肌の表面に現れます。
※イラスト中の 活性酵素→活性酸素に訂正
紫外線により生じる活性酸素は主に一重項酸素です。
なので、紫外線が原因でできるシミの対策には、一重項酸素に対して消去能をもつ成分を取ることが有効と考えられます。
グレープシードエキスはその1つです。
美白効果 その2
情報伝達物質によりメラノサイトが刺激されるとメラノサイト内にある酵素チロシナーゼが活性されます。この酵素がメラノサイト内にあるチロシンと結合することでメラニンが生成されます。
チロシナーゼが活性されると肌にたくさんメラニンが作られることになります。グレープシードエキスにはチロシナーゼ活性を抑制する働きがあります。
臨床試験で、肝斑のある女性12名に、毎日ブドウ種子ポリフェノールを0.2gずつ6 ヶ月間摂取させたところ、3ヶ月目から顔のしみが薄くなり、6ヶ月目で明確な改善効果 が確認されました。このメカニズムについて解析をおこなったところ、このポリフェノールにはしみの原因となるメラニン色素の生成に関係する酵素チロシナーゼの活性を阻害し、 メラニン色素の生成を防ぐ作用があることを確認しました。
引用元
キッコーマン、筑波大学臨床医学系皮膚科との共同研究で ブドウ種子ポリフェノールに、顔のしみを薄くする効果を発見! 7月26日開催の日本光医学・光生物学会で発表
ニュースリリース
キッコーマン(株)
美肌効果 その1
グレープシードエキスの主成分プロアントシアニジンにはビタミンCの利用効率を高める働きがあります。ビタミンCはコラーゲンの形成に不可欠な役割を果たします。
ビタミンCはリジンとプロリンを水酸化する酵素の補酵素として不可欠です。
美肌効果 その2
真皮は「コラーゲン」「エラスチン」といった線維状のたんぱく質と「ヒアルロン酸」などのゼリー状の基質でできています。
コラーゲン・エラスチンが皮膚を支え、ヒアルロン酸が真皮の水分量を一定に保つ働きをしています。これら3つの成分の働きにより肌にハリ・弾力・潤いが生まれます。
真皮はひし形が並んでいる部分です。
紫の薄い線はコラーゲン、そのつなぎ目にある濃い紫の線はエラスチン、それ以外の部分はヒアルロン酸など 、◎は繊維芽細胞です。
グレープシードエキスの主成分プロアントシアニジンにはコラゲナーゼ(コラーゲン分解酵素)、エラスターゼ(エラスチン分解酵素)、ヒアルロ二ダーゼ(ヒアルロン酸分解酵素)を阻害する作用があるとされます。
【0041】
(ロ)抗酵素作用(Anti−enzyme effect)について、コラゲナーゼ,エラスターゼ,グリコシダーゼ,ヒアルロニダーゼ,及びβ−グロクロニダーゼの阻害作用(IC50)を有している。この阻害作用は生物学的作用として、毛細管壁へのsealing effectを生ずるものと考えられ、毛細管保護作用を有すると推定される。引用元
プロアントシアニジン含有滋養液及びその製造方法
JPH11299452A
Google Patents
静脈瘤
心臓を拠点に、新しい血液とともに酸素や栄養素を体の隅々に運ぶ血管は動脈です、古い血液とともに細胞からでた老廃物や二酸化炭素を心臓に回収するための血管は静脈です。その血液の通路となっているのが毛細血管です。
下肢静脈瘤とは足の静脈が太くなって、こぶ状に膨らんだ状態のことを言います。
足の血液が心臓に戻るときには、重力に逆らう形で下から上へ押し上げられます。
歩くことでふくらはぎの筋肉が収縮して、静脈の血液を押し上げます。さらに血液が重力で逆流しないように、静脈の中にある「静脈弁」が機能しています。イラスト左
その結果、心臓に向かってのみ血液が流れるようになっています。
加齢、肥満、生活環境(立ち仕事)などの原因で「静脈弁」が正常に機能しなくなると、血液が心臓に戻れず、足の静脈にどんどんたまって膨らんでしまいます。イラスト右
その結果、下肢静脈瘤が発生します。
静脈瘤が下肢に起こりやすい理由は、「心臓から遠い位置にある」と「基本 立って生活している」が挙げられます。
下肢静脈瘤は足の血管の病気ですが、放置しても命にかかわることはまずありません。
治療する目的は、かゆみや痛みやだるさといった症状の改善以外にも、美容面(外見)があります。
グレープシードエキスは静脈瘤の予防・改善に効きます。
実際、フランスでは治療薬として用いられています。
静脈瘤の予防・改善効果はグレープシードエキスに含まれるプロアントシアニジンによるものだと考えられます。
プロアントシアニジンには毛細血管の透過性を改善する作用、毛細血管を保護する作用があります。
デブ菌
研究論文により「肥満の人と痩せている人の腸内フローラに大きな違いがある」ことが報告されています。簡単にいうと「肥満の人の腸内細菌には、ファーミキューテス類(デブ菌)が多く、バクテロイデーテス類(ヤセ菌)が少なくなっている、痩せている人はその逆の傾向である」といった内容です。
東北大学と東京医科歯科大学の研究チームにより、次のことが明らかになりました。
- 卵巣摘出マウス(閉経後女性のモデル)では、デブ菌が増殖している。
- そのマウスにブドウ種子エキスを投与すると、腸内フローラの変化が抑制される
→脂肪蓄積による肥満および血糖調節機能の低下が抑えられる。
※腸内フローラの変化・・・腸内フローラにデブ菌が増えること
研究内容を一言でまとめると「グレープシードエキスは腸内フローラの変化を抑制させることで、閉経後女性のメタボ化を予防する」です。
この効果は有効成分であるプロアントシアニジンによるものです。
東京医科歯科大学と東北大学の研究グループは、閉経女性のモデルである卵巣摘出マウスでは腸内フローラにおいていわゆる「デブ菌」と呼ばれるファーミキューテス門に属する細菌が増加すること、プロアントシアニジンを多く含むブドウ種子エキスを投与することにより、腸内フローラの変化が抑制され、脂肪蓄積による肥満および血糖調節機能の低下、すなわちメタボ化が予防されることを明らかにしました。
引用元
プロアントシアニジンによる腸内フローラの改善作用
プレスリリース
東北大学
グレープシードエキスのサプリメントによくあるキャッチフレーズ集
- いつまでも若々しさを保ちたい
- ブドウの種の美容・健康効果をギュッと濃縮
- しみ・くすみに負けない肌を
- 注目のOPCが含まれている
- OPCを含むポリフェノールを高濃度配合
グレープシードエキスの摂取量、不足、過剰
①サプリ②ワイン③オイルです。
3つとも適量であれば特に注意する必要はありません。
①サプリは推奨摂取量が指定されています。意図的に多くとらなければ過剰になる心配はありません。
②ワインと③オイルは意識して摂取しなければ、他の成分が過剰になり健康を害する恐れがあります。
グレープシードエキスの豆知識
種に圧力をかけて搾る「圧搾」と、溶剤を使って油を溶かし出す「溶剤抽出」です。
- 低温圧搾法(コールドプレス法)
低温(40~60℃以下)でゆっくりと時間をかけて圧力をかけながら油を抽出する方法。熱をあまり加えないため種子に含まれている成分が油に残る。 - 溶剤抽出法
ヘキサンなどの工業用の溶剤を使って油を溶かし出す方法。圧搾よりも効率的に油分を取り出せる。精製するまでに溶剤はほとんど除去されるが、「ほとんど」であってすべてではない。また高温処理で除去するため熱に弱い成分がなくなってしまったり、トランス脂肪酸が発生したりする。
ブドウの種子に含まれる油は少量です。低温圧搾製法では手間もコストもかかるため、市販されているグレープシードオイルの多くは溶剤抽出方法で生産されています。
このうち供給源として有名なのは松樹皮だと思います。
松樹皮から抽出したプロアントシアニジンおよびOPCは「ピクノジェノール」または「フラバンジェノール」と呼ばれています。
ピクノジェノール、フラバンジェノールの呼び名の違いは商標登録にあり、素材は一緒の「松樹皮」です。
マスケリエ博士によるOPCの抽出方法はフランスで特許取得を取得しています。
グレープシードエキスと相性の良い成分
・ビタミンC
グレープシードエキスのレーダチャート解説
- 6
このカテゴリーに効果があることで有名。即効性があったり、継続して摂取することで効果を感じる - 5
このカテゴリーに効果があることで有名。継続して摂取することでなんとなく効果を感じる - 4
このカテゴリーに効果があるといわれている。効果が得られることを期待して飲んでいる - 3.5
このカテゴリーに効果があるといわれているが、個人的に摂取目的としていない - 3
このカテゴリーになんらかの効果があるもの - 2
このカテゴリーとはあまり関係ないと思われる - 1
このカテゴリーとは関係ないと思われる
※4以上が摂取目的となっているカテゴリー
グレープシードエキス 総合評価 S 16.5
5つのカテゴリーのうち、評価が高い上位3つのカテゴリーを足したものです。「B~SS」でつけています。
SS 18点
S 16点以上
A+ 14点以上
A 12点以上
B+ 10点以上
B 9点以下
髪(薄毛)評価4.5
リンゴポリフェノールに含まれるプロアントシアニジンには毛母細胞を増殖させ活性化し、発毛を促進させる効能があるといわれています。それにより乱れたヘアサイクルを正常に戻す働きが期待できます。
抽出物は異なりますが、「プロアントシアニジン」を豊富に含むグレープシードエキスにも期待できる働きだと思われます。
実際、ブドウ種子抽出物プロアントシアニジンを経口摂取することで、強い育毛活性を見出されています。
【0008】【課題を解決するための手段】本発明者らは、経口摂取により育毛作用を有する物質を探し研究を重ねた結果、プロアントシアニジンに強い育毛活性を見出した。本発明は、プロアントシアニジンを有効成分として含有することを特徴とする育毛食品および経口育毛剤に関する。
引用元
特許公報(B2)_育毛食品および経口育毛剤
NBDC バイオサイエンスデータベースセンター
国立研究開発法人科学技術振興機構
【0023】プロアントシアニジンを本発明の有効成分として用いる場合、プロアントシアニジンは、一種または二種以上混合してもよい。具体的な例としては、ブドウ種子抽出物プロアントシアニジン、赤ワイン抽出精製物、リンゴ由来プロアントシアニジン、マツ由来プロアントシアニジン、精製プロアントシアニジンオリゴマー等があげられる。
引用元
特許公報(B2)_育毛食品および経口育毛剤
NBDC バイオサイエンスデータベースセンター
国立研究開発法人科学技術振興機構
肌(美白)評価6
グレープシードエキスは美白ケアに最適な成分です。
理由は次の2つです。
- プロアントシアニジンは紫外線より生じる活性酸素「一重項酸素」を消去する力があります。
- グレープシードエキスにはチロシナーゼ活性を抑制する働きがあります。
※活性酵素→活性酸素に訂正
グレープシードエキスは上記イラスト【シミができるメカニズム】の①~②を防ぐ成分です。
実際、臨床試験でその効果が確認されています。
臨床試験で、肝斑のある女性12名に、毎日ブドウ種子ポリフェノールを0.2gずつ6 ヶ月間摂取させたところ、3ヶ月目から顔のしみが薄くなり、6ヶ月目で明確な改善効果 が確認されました。
引用元
キッコーマン、筑波大学臨床医学系皮膚科との共同研究で ブドウ種子ポリフェノールに、顔のしみを薄くする効果を発見! 7月26日開催の日本光医学・光生物学会で発表
ニュースリリース
キッコーマン(株)
これらのことから、「プロアントシアニジン」のしみ改善効果は、過剰なメラニン色素 の生成とメラニン細胞の増殖を抑える2つの効果によるものと考えられました。
引用元
キッコーマン、筑波大学臨床医学系皮膚科との共同研究で ブドウ種子ポリフェノールに、顔のしみを薄くする効果を発見! 7月26日開催の日本光医学・光生物学会で発表
ニュースリリース
キッコーマン(株)
体型(ダイエット)評価3
マウス実験によりグレープシードエキスには腸内フローラの変化が抑制され、脂肪蓄積による肥満を予防する効果が判明しています。
ただし、この効果が確認されたのは閉経後女性のモデルである卵巣摘出マウスです。なので通常の肥満でなく、女子ホルモンの減少による肥満に効果が発揮されると考えられます。
体力(普段)評価4.5
毛細血管は臓器にもつながっています。特に脳、肝臓、肺、心臓、腎臓などは毛細血管が密集している場所です。
毛細血管が減ってしまうとこれら臓器に十分な酸素と栄養が届かず、老廃物も回収されなくなります。そのため病気のリスクが高まります。
グレープシードエキスに含まれるプロアントシアニジンは毛細血管の透過性、抵抗性を高める作用があります。
そのため海外では静脈瘤の治療薬としても利用されています。
実際 静脈サポート系のサプリによく配合されています。
その他(抗酸化)評価6
プロアントシアニジンの抗酸化力はビタミンCの20倍以上、ビタミンEの50倍、カテキンの10倍以上あるとプロアントシア二ジンは狭義の活性酸素4種類に対しての抗酸化作用があるとされています。
一部ではOPCは最強の抗酸化物質と呼ばれています。
グレープシードエキス 参照一覧
フラボノイド 花き研究所 農研機構
アントシアニン 健康用語の基礎知識 ヤクルト中央研究所
プロアントシアニジンの抗酸化機能および疾病予防機能とその利用 J-STAGE
プロアントシアニジンオリゴマーの生物活性 J-STAGE