ソレダメ!で話題にあがった「シナモン」について語っています。
ソレダメ! シナモンが抜け毛予防になる その1 髪と毛細血管の関係の続きからです。
- 抜け毛予防のカギを握るのが毛細血管
- 毛細血管を強化するスパイスがシナモン
- シナモンに含まれるシリンガレシノールは【毛細血管を強化する】Tie2を活性化させる働きがある
だから「抜け毛予防になる」という流れでした。
で、これをベースとし
「シナモンが抜け毛予防になる」の内容
- 抜け毛予防のカギを握るのが毛細血管
- 毛細血管は加齢とも減ってしまう
- Tie2を活性化させる働きをするシナモンには毛細血管を増やす効果がある
このアレンジしたほうをもとに内容の解説をし 最終的に「シナモンが抜け毛予防になる」という結論にたどり着くようにします。
前回は①抜け毛予防のカギを握るのが毛細血管について解説してきました。
このおさらいを軽くしたいと思います。
前回のおさらい
髪には周期があり
「生える→伸びる→止まる(伸びるのが)→抜ける→また生える→」
を繰り返しています。
ヘアサイクル
髪は髪のもととなる栄養素(プラス酸素)をもとに
毛母細胞が分裂することで生まれ伸びていきます。
もう少し詳しく言うと次の流れで髪は生まれ伸びていきます。
- 毛乳頭に髪に必要な栄養素(プラス酸素)が届けられます。
- 必要な栄養素(プラス酸素)を受け取った毛乳頭細胞は毛母細胞に発毛シグナルをだします。
- このシグナルを受け取った毛母細胞が活性化され細胞分裂が繰り返し行われ、髪が生まれ成長していきます。
薄毛の状態とは
通常であれば
毛髪全体の約85~90%がヘアサイクルの成長期にあたります。
休止期にあたるのは約10~15%です。
ヘアサイクルの成長期が短くなるとこの%がおかしくなり
毛髪全体に占める【休止期にあたる髪の毛の】割合が増えて抜け毛が増えてしまいます。
ヘアサイクルの成長期が短くなる原因は主に次の3つです。
- 栄養素の運搬が滞る
- 栄養素が不足する
- 毛母細胞が衰える
髪に必要な栄養素の運搬が滞る
→①毛乳頭に髪に必要な栄養素(プラス酸素)が届けられない
髪に必要な栄養素が不足する
→②必要な栄養素(プラス酸素)を受け取れなかった毛乳頭細胞は毛母細胞に発毛シグナルを伝達できない
その結果
毛母細胞が活性しなくなる
→③毛母細胞の細胞分裂が正常に行われず不健康な髪が生まれ伸びていくことになる
となります。
毛乳頭へ髪に必要な栄養素などを運ぶのが血液の役割で
毛乳頭とつながっている血管は毛細血管だからです。
毛乳頭に髪に必要な栄養素を運搬する役割をしているのが毛細血管です。
ゆえに
この運搬が上手くいかないことは栄養素が不足しているのと同じことになります。
つまり
毛乳頭に必要な栄養素や酸素が供給されない
→毛母細胞が正常に細胞分裂しない
→健康で丈夫な髪が生まれない
→ヘアサイクルの成長期が短くなる
=抜け毛が増える
といった流れをたどることになります。
だから
ここまでが「シナモンが抜け毛予防になる」の内容①のおさらいです。
それでは今回は②毛細血管は加齢ととも減ってしまうについて解説していきます。
毛細血管は加齢とともに減ってしまう
毛細血管の役割
「シナモンが抜け毛予防になる」の内容①で
「髪に必要な栄養素(プラス酸素)を届けるのが血液で、毛乳頭とつながっている血管は毛細血管」と説明しました。
このイラストをご覧ください。
毛細血管は動脈と静脈の間に位置し毛乳頭細胞に必要な栄養素や酸素を届け、不要となった老廃物や二酸化炭素を回収する役割をしています。
今回は髪に焦点を当てているので「毛乳頭細胞」としていますが、これは「各細胞」に置き換えて頂いても構いません。とにかく細胞に必要な栄養素や酸素を届け、不要となった老廃物や二酸化炭素を回収する役割をしているのが毛細血管です。
実際に髪に必要な栄養素などを運搬をするのが毛細血管の中を流れる血液です。
なので血流を良くすること(血流改善)が
「血流改善」というカテゴリーにあてはまるのはいろいろあります。
・血栓を予防する
・赤血球を増やす
・LDLを減らして血液をサラサラにする
など様々なものがあてはまります。
ただし、
髪(毛乳頭)のための「血流改善」のなかで
というのも
繰り返しになりますが、
毛細血管内の血液がいくらサラサラだとしても
毛細血管内に流れる赤血球がいくら豊富にあろうが
毛細血管が毛乳頭とつながっていなければ・・・・
さきほど毛細血管の役割を
毛乳頭細胞に必要な栄養素や酸素を届け、不要となった老廃物や二酸化炭素を回収すること
と述べましたが
具体的に毛細血管は毛乳頭細胞にどのように必要な栄養素や酸素を届けているかを説明します。
毛細血管を毛乳頭につながっている血管といいましたが
毛細血管の端っこが直接毛乳頭細胞につながって
栄養素や酸素を届けているのかというと
毛細血管には小さな穴が開いており(小孔といいます)、そこから適度に漏れることで周りの細胞に栄養や酸素を届けることができています。
なにが「適度に漏れること」でというと
細胞が毛細血管(動脈側)の小さな穴から染み出した栄養や酸素を含んだ血漿成分を吸収すると、自動的に老廃物や二酸化炭素を含んだ水分が毛細血管(静脈側)に回収される仕組みとなっています。
ところで
毛細血管の構造
毛細血管は
血管内皮細胞(以下、内皮細胞)と
それを覆う壁細胞の
2重構造になっています。
これを毛細血管だとイメージしてください。
このイラストの両端にあるピンクのラインが血管壁です。
ということで中を流れているのが血液(+赤血球)となります。
それでは
このイラスト一番下の赤ラインを毛細血管内に流れている血液だとイメージしてください。
血液(赤ライン)の上の
ピンクラインが内皮細胞で
その上に盛り上がっている紫の山が壁細胞です。
毛細血管の2重構造とはこういった仕組みになっています。
ちなみに 内皮細胞(ピンク)に1本の白い線がありますが、
壁細胞は内皮細胞にぴったりと結合し、
内皮細胞間の隙間を埋めています。
よ~く覚えておいてください
このイラストの毛細血管の壁の部分は
ピンクラインでまっすぐになっていますが、
実際はところどころに隙間(内皮細胞間の)があり
そこを壁細胞が覆っているものと考えてください。
イメージ的にこんな感じになっています。
前段落の毛細血管の役割で
「毛細血管には小さな穴が開いており(小孔といいます)、そこから適度に漏れることで周りの細胞に栄養や酸素を届けることができています」
と述べましたが、
毛細血管の内皮細胞に無数の小さな穴が開いており、そこから血液が適度に漏れることで周りの細胞に栄養や酸素を届けています。
毛細血管の減少
さてお忘れになっているかもしれませんが、
毛細血管が減ってしまう?
いったい何ソレ?
そう思ったからいらっしゃるかもしれません。
まあ
そのまんまなんですが
毛細血管というのは
加齢とともに減ってしまうのです。
加齢以外にもストレスや紫外線などにより
毛細血管は減ってしまうのです。
減ってしまうといっても・・・
ある日突然「毛細血管」が姿・形もなくなってどっかいってしまうということではありません。
「減ってしまう」というのは
「血管の形はあるものの血液が流れていないため血管がまるで消えているかのように見える」
ことだと捉えてください。
その先に血液が流れなくなった状態の毛細血管のことを
血管がまるで幽霊のように消えているように見えるので、
毛細血管の「ゴースト化」
と表現されることもあります。
とにかく
毛細血管の減少・毛細血管の消滅・毛細血管の老化・毛細血管のゴースト化などいろいろな表現をされますが
ここではすべて一緒
だと捉えてください。
それでは毛細血管はなぜ年をとると減ってしまうのでしょうか?
というか
先ほど
「減ってしまう」というのは
「血管の形はあるものの血液が流れていないため血管がまるで消えているかのように見える」のことと捉えてください。
といいました。
つまり年を取って血液が流れなくなる状態になったら毛細血管が減ってしまうということになります。
どうなったら
血液が流れなくなるのかというと
・・・・・
・・・・・
毛細血管から血液が「過度」に漏れると
毛細血管内に血液が流れなくなります。
つまり
ということになります。
血液が過度に漏れている状態とは?
さきほど毛細血管は壁細胞と内皮細胞の2重構造になっていることを話しました。
このイラスト一番下の赤ラインを毛細血管内に流れている血液だとイメージしてください。
血液(赤ライン)の上の
ピンクラインが内皮細胞で
その上に盛り上がっている紫の山が壁細胞です。
ピンクの横ラインある白い縦線が内皮細胞間の隙間を表しています。
この隙間を埋めているのが壁細胞です。壁細胞は内皮細胞にぴったりと結合し、内皮細胞間の隙間を埋めています。
毛細血管はこの内皮細胞と壁細胞がぴったりとくっついていることで守られています。
毛細血管の内皮細胞には小孔(小さな穴)が無数にあり、そこかから適度に漏れることで周りの細胞に栄養や酸素を届けています。
あれです。
さっき言った隙間です。内皮細胞間の隙間のことです。
血液が過度に漏れる状態とは
内皮細胞の隙間から血液が漏れちゃっている状態のことなのです。
血液が過度に漏れている状態 イラストで説明
過度に漏れている状態を再び毛細血管のイラストを用いて説明します。
これが通常です。
こうなることが過度に漏れている状態です。
もう一度出します。
今度は連続でいきます。
もうお分かりですね。
壁細胞が宙に浮いちゃっているです。
このイラストは
内皮細胞の隙間を埋めていた壁細胞の接着が外れた状態のイラストなのです。
このイラストだと
イメージがつきにくいかもしれませんが・・・
白い隙間(Tのライン)から血液がバンバン流れでちゃっているのです。
加齢とともに内皮細胞と壁細胞の結合が緩む
このように内皮細胞と壁細胞は剥がれてしまうことがあります。
完全にはがれなくとも結合が緩むことがあります。
その原因はなにかというと主に加齢です。
内皮細胞と壁細胞の結合が緩むとその隙間から血液が過度に漏れ出します。
過度に漏れると毛細血管は消えてしまいます。
つまり「その先」に血液が届かなくなります。
毛乳頭に血液が届かなくなります。
という文章になります。
これって つまり毛乳頭に髪に必要な栄養素などが届かなくなることを意味します。
毛乳頭に必要な栄養素や酸素が供給されない
→毛母細胞が正常に細胞分裂しない
→健康で丈夫な髪が生まれない
→ヘアサイクルの成長期が短くなる
=抜け毛が増える
といった流れをたどることになります。
「毛細血管は加齢とともに減ってします」のPOINT
加齢により毛細血管は減ってしまう。これは毛細血管の内皮細胞と壁細胞の接着がゆるんでしまうことが原因である。内皮細胞と壁細胞が離れると内皮細胞間の隙間から血液が過度に漏れて、その先に血液が流れなくなってしまう。
「その先に血液が流れなくなる」状態になった毛細血管のことを毛細血管の減少・消滅・老化・ゴースト化などと呼ぶ。血管自体はあるのだが血液が流れておらず、まるで消えているようにみえるためこのように呼ばれる。
その先を毛乳頭に置き換えると
毛乳頭に血液【髪を生み出すに必要な栄養素などを含む】が届かないということになる。
つまり毛細血管の減少は抜け毛につながる。
まとめ
今回は下記のうち②毛細血管は加齢とともに減ってしまうを解説しました。
「シナモンが抜け毛予防になる」の内容
- 抜け毛予防のカギを握るのが毛細血管
- 毛細血管は加齢とも減ってしまう
- Tie2を活性化させる働きをするシナモンには毛細血管を増やす効果がある
ここでのまとめとしては
ということになります。
②まで説明しましたが、まだシナモンがでてきていません。
まあ一番重要なのははいうまでもなく③です。
ところで③には聞きなれない用語がございます。
もうネタバレしちゃいますが
ズバリ
それでは次回は③Tie2を活性化させる働きをするシナモンには毛細血管を増やす効果があるについて解説します
ソレダメ! シナモンが抜け毛予防になる その3 毛細血管の減少 に続く