ビタミンC
別名 アスコルビン酸
13種類のビタミンの1種
9種類の水溶性ビタミンの1種
ビタミンCとは
ビタミンCについて
- ビタミンCは水溶性のビタミンの1種です。通称名はL-アスコルビン酸(以降 アスコルビン酸)です。
- 体内では還元型ビタミンC(アスコルビン酸)か酸化型ビタミンC(デヒドロアスコルビン酸)の形で存在しています。
出典元
ビタミンCのLC/MS/MS分析(C0343)
一般財団法人 材料科学技術振興財団 - ビタミンCは食品中では、還元型あるいは酸化型として遊離の形で存在しています。
- 酸化型は体内において還元酵素の働きにより、速やかに還元型に変換されます。
そのためビタミンCとしての効力は差がない【=同様にある】と考えられています。
なので食品に含まれるビタミンCは還元型と酸化型の総量を指します。酸化型は中性あるいはアルカリ性下で加熱すると、加水分解され2,3-ジケトグロン酸に変化します。
そこからは再び還元型に戻ることはありません=ビタミンCの活性は失われます。
- ビタミンCの主たる働きは抗酸化作用とコラーゲンの合成です。
ビタミンCの補足 その1
- ビタミンCは体内で合成できません。なので食品から取り入れる必要があります。
- ビタミンCは体内に取り入れられると小腸上部で吸収され門脈を通り肝臓に送られます。肝臓からは血液により全身に運ばれ組織に広く分布します。
- 組織へのビタミンCの取り込みは、ナトリウム依存性輸送と受動輸送によって行われます。
- 食事中のビタミンCとサプリのビタミンCの生体内利用率に差異はなく、ともに吸収率が高いです。
ただし摂取する量が多くなると吸収率は下がります。
200㎎/日までは吸収率は約90%と言われていますが、1000㎎/日を超えると50%以下になります。 - 体内に取り入れたビタミンCは約3時間後に濃度がピークになります。ピーク後は緩やかに減少していきます。
- 体内では1500㎎まで貯蔵できるといわれています。多く含む臓器は眼、副腎、脳です。体内貯蔵量が300㎎以下になると壊血病の兆候が現れると言われています。
ビタミンCの補足 その2
- ビタミンCはストレス・喫煙・アルコールによって消費されます。なのでストレスを受けやすい方、たばこを吸う方、お酒をよく飲む方はビタミンCを意識して摂取する必要があります。
- ストレスについて
例えば通勤ラッシュや眼を使う作業で受けるストレスにより体内のビタミン量は次のように減少します。
出典元
ビタミンCの摂取における野菜の有効性について
独立行政法人農畜産業振興機構 - 喫煙について
たばこ1本につき25㎎のビタミンCを消費すると言われています。
20本吸うと500㎎が消費されます。 - アルコールについて
アルコール代謝において有害物質アセトアルデヒドが生じます。
ビタミンCはアセトアルデヒドを無毒化する酵素の働きを助けます。アルコールを飲めば飲むほど消費量が激しくなります。
摂取量について
推奨量 100㎎/日(成人)
参照 日本人の食事摂取基準(2015年版) 厚生労働省
:壊血病
不足ぎみ
:風邪をひきやすくなる
:肌トラブルができやすくなる
:貧血になりやすくなる
:まれに尿路結石
※過剰になっても2~3時間後に尿とともに排出される。
取り過ぎ
:頻尿になる :嘔吐する
※ともに一度に大量に取り過ぎた場合で一時的なもの。
ビタミンCの効果・効能
ビタミンCの効果・効能 5つ厳選
- 抗酸化作用
- コラーゲンの生成
- チロシナーゼの活性抑制
- シトクロムP450の維持
- 鉄の吸収を高める
そのうち3つを詳しく
①抗酸化作用
ビタミンCの抗酸化作用を説明する前に、活性酸素について簡単に説明します。
活性酸素とは
活性酸素とは「酸化させる力」が非常に強い酸素のことです。活性酸素はその強い力で体内に侵入したウイルスや細菌を取り除く働きがあります。なので適量ならば細胞を保護します。
しかし過剰に発生してしまうと、細胞を攻撃する(酸化させる)ようになります。
酸化した細胞は機能しなくなります。それだけでなく周りに新たな活性酸素を発生させるようになります。
脂質→過酸化物に、たんぱく質→変性させる、核酸→DNA損傷させる、酵素→失活させるといった感じに「身体」にダメージを与え、老化を促進させたり、病気の発生リスクを高めます。
活性酸素の発生要因
活性酸素は呼吸することで発生します。生体内に取り込まれた酸素の数%は【エネルギー代謝の副産物として】活性酸素に変化してしまいます。
発生要因となるのは以下です。
- ストレス
- 激しい運動
- 炎症反応
- 紫外線
- 大気汚染
- 放射線
- たばこ
- 薬剤
- 過酸化脂質が多い食品
生きている限り、活性酸素は過剰に産生されてしまうものと考えてください。
狭義の活性酸素
活性酸素は普通の酸素より反応性の高い(酸化させる力が強い)酸素です。
反応性の高い酸素種を活性酸素種(ROS)と呼び、次の4種が知られています。
◆スーパーオキシド
酸素に電子が1個加わった最も一般的な活性酸素です。ミトコンドリア & 白血球 で生成されます。
生成されたスーパーオキシドは、酵素的あるいは非酵素的に還元を受け より反応性の高い活性酸素種となります。より反応性の高い活性酸素種というのは過酸化水素・ヒドロキシラジカルです。
生体にあるスーパーオキシドディスムターゼ(SOD)という抗酸化酵素の働きにより過酸化水素となります。
◆過酸化水素
SODによってスーパーオキシドが分解されると発生します。過酸化水素の反応性はそれほど高くなく、生体温度では安定しています。ですが、紫外線や金属(鉄イオンや銅イオン)と容易に反応して、傷害性の高いヒドロキシルラジカルを生じます。
体内では、抗酸化酵素カタラーゼおよびグルタチオンペルオキシダーゼにより安全な酸素と水に分解されます。
◆ヒドロキシラジカル
ヒドロキシラジカルは過酸化水素が上記した酵素によって十分に還元されない場合に、フェントン反応により生じます。
ヒドロキシラジカルは最も酸化力が強い活性酸素です。生体内の糖質・脂質・たんぱく質・核酸などに反応し障害を与えます。その結果、老化を促したり、遺伝子を傷つけがんを発生させたりします。活性酸素による多くの病気は、ヒドロキシルラジカルによるものと考えられます。
◆一重項酸素
紫外線によって皮下組織で大量に発生します。非常に強い酸化力を持った活性酸素です。
通常の酸素分子は基底状態で三重項酸素と呼ばれています。一重項酸素は、基底状態の三重項酸素分子がエネルギーを受け取ることで、一重項状態に励起された酸素分子のことです。一重項酸素は普通の酸素分子よりも不安定で反応しやすくなっています。
このうち
フリーラジカルはスーパーオキシド・ヒドロキシラジカル
フルーラジカルでないのは過酸化水素・一重項酸素です。
物質を構成するのは原子です。原子は原子核と電子からできており、原子核の周りを電子がぐるぐると回っています。
原子核の周りを回る電子は2つで一対となることで安定な物質となっています。フリーラジカルとは原子核の周りにある電子の数が1つの分子(不対電子)のことをいいます。
2電子が一対になっているときは安定
なっていないときは不安定
※原子2つ以上が結びつくことで分子となります。イラストがフリーラジカルというわけではありません。
フリーラジカルは、不対電子をもっている=不安定であるために、安定するため他の物質から電子を奪う性質があります。この性質によって「酸化」が生じます。
.
活性酸素は他にもありますが、狭義の活性酸素はこの4種です。
体内には過剰になった活性酸素を除去する酵素が備わっています。
が、その酵素は加齢とともに減ってしまいます。
なので食事などにより外から抗酸化物質を積極的に取り入れる必要があります。
それでは本題に移ります。
ビタミンCの抗酸化作用
ビタミンCは抗酸化物質の1つです。
ビタミンCの抗酸化作用の特徴を3つあげます。
①水溶性抗酸化物質
抗酸化物質は通常は水溶性あるいは脂溶性のどちらかです。
水溶性は細胞質基質や血漿中で抗酸化作用を発揮します。
脂溶性は細胞膜(主に脂質で構成されている)で抗酸化作用を発揮します。
このイラストでいうと、肌色部分(細胞質)と余白(細胞外)で働くのが水溶性の抗酸化物質で、
オレンジのライン(細胞膜)で働くのが脂溶性の抗酸化物質です。
ビタミンCは水溶性の抗酸化物質です。
細胞膜を隔てた内外で抗酸化作用を発揮します。
水溶性の抗酸化物質は他にグルタチオン・ポリフェノール類などがあります。
脂溶性の抗酸化物質はビタミンE・コエンザイムQ10・カロテノイド類があります。
両方の性質をもった抗酸化物質はα-リポ酸があります。
②ROSの消去
抗酸化物質は狭義の活性酸素4種のうち「どれか」あるいは「何種類」かの消去能を有します。
ビタミンCは基本 狭義の活性酸素 4種すべてに対して消去能を有していると考えてください。
ビタミンCは自らの電子を与えることで、活性酸素種(ROS)を消去します。
アスコルビン酸は,活性酸素に電子を 1 つ渡すと自らはラジカルとなるが,このラジカルは Fig. 3 に示すように共鳴により安定化される.このようなラジカルの安定化が,ほかの分子を次々とラジカルにしていくような連鎖反応を防ぐとともに,自らは不均化してデヒドロアスコルビン酸となる.
引用元
活性酸素と抗酸化物質の化学
J-Stage
a) 抗酸化作用:ビタミンCはスーパーオキシド (O2-),ヒドロキシラジカル (・OH),過酸化水素 (H2O2),一重項酸素 (1O2) などの活性酸素種の消去剤として機能します.
引用元
ビタミンCとは?
公益社団法人ビタミン・バイオファクター協会
「基本」としている理由はサイト・書籍により、ビタミンCの活性酸素種の消去能は3種類としているケースがあるからです。1つ抜けるのはヒドロキラジカル、過酸化水素のどちらかです。
③ビタミンEのリサイクル
細胞膜は脂質(リン脂質)とたんぱく質でできています。細胞膜の脂質が活性酸素の攻撃を受け酸化されると過酸化脂質に変わります。
過酸化脂質ができると、細胞膜が機能しなくなります=細胞が機能しなくなります。それだけでなく周りに新たな活性酸素を発生させるようになります。
細胞膜を活性酸素の攻撃から守るのがビタミンEです。ビタミンEは細胞膜に入り込み、脂質の代わりに自らが酸化されることで、過酸化脂質の生成および次々に起こる酸化の連鎖反応を防ぎます。
出典元
α-リポ酸
一般社団法人オーソモレキュラー栄養医学研究所
一度酸化されたビタミンEはビタミンEラジカルとなりその抗酸化力を失います。ビタミンCはビタミンEの失われた抗酸化力を再生させます。
抗酸化力が再生したビタミンEは再び細胞膜を活性酸素の攻撃から守ります。
過酸化脂質の生成を防ぐのはあくまでもビタミンEの役割です。ただ、【ビタミンEの抗酸化力をリサイクルする】ビタミンCも大いに関与しているとしているといえます。
ビタミンEを還元したビタミンCは酸化型に変わりますが、他の抗酸化物質(グルタチオンやα-リポ酸)の働きにより還元型に戻ります。このように抗酸化物質はお互い協力し合って体内の活性酸素と戦っています。
このことを抗酸化ネットワークといいます。
以上、ビタミンCの抗酸化作用3つの特徴です。
ビタミンCは水溶性抗酸化物質の代表として体内の水溶性エリアを活性酸素の攻撃から守る働きをします。
個人的に、サプリから取るのは当たり前の成分だと思っています。
ビタミンCのプロオキシダントについて
プロオキシダントとは抗酸化物質がラジカルとなり酸化作用を持つことです。
ようは「抗酸化物質として機能せず、まわりの物質を酸化させてしまう」です。
ビタミンCはプロオキシダントとしても働くことがあります。
ビタミンCが必要以上に大量に存在し、鉄などの金属イオンが過剰に存在する場合、ビタミンCラジカルとなって酸化を促進することがあります。
ようは「ビタミンCは金属イオン存在下で、酸化促進作用を示すことがある」です。
さて、ここで言いたいことは、「ビタミンCには抗酸化作用があるけど、プロオキシダント作用もあるから注意です」ではありません。
そもそもビタミンCに限らず他の抗酸化物質にもプロオキシダント作用があります。
体内に取り入れた抗酸化物質の数%はプロオキシダントになると考えてください。
プロオキシダントになりにくい抗酸化物質としてアスタキサンチンが有名です。
ここでプロオキシダントについて言及した理由は「ビタミンCのプロオキシダントとしての働きが抗がん作用になる」からです。
血中での高濃度ビタミン C 濃度の維持は,ある種のガン細胞の増殖を抑制する抗ガン作用があることが報告されています³⁾.その作用機構は,高容量の ビタミン C を静注することにより,ビタミン C が活性酸素種を発生するプロオキシダント(抗酸化物質がラジカ ルとなり酸化作用を持つ)として働き,その結果生じた 過酸化水素がガン細胞の成長を遅らせるというものです.
引用元
Q:ビタミン C の抗老化作用について
J-Stage
高濃度ビタミンC療法は、ビタミンCのプロオキシダントとしての性質を利用したものです。
②コラーゲンの生成
コラーゲンの構成成分にコラーゲン特有のアミノ酸ヒドロキプロリンとヒドロキシリジンがあります。この2つのアミノ酸はコラーゲン繊維の構造を安定化させる・コラーゲン架橋を形成するために必須の成分です。
コラーゲン分子は3本のα鎖が螺旋状に絡まった構造をしています。
1本のα鎖は1000残基ほどのアミノ酸で構成されています。その配列の特徴として3残基ごとにグリシン(Gly)が存在していることです。つまり【Gly-X-Y】の配列が繰り返されていることになります。
出典元
コラーゲンとは?
1月26日はコラーゲンの日
(株)ニッピコラーゲン化粧品
α鎖のアミノ酸配列は【Gly-X-Y】【Gly-X-Y】【Gly-X-Y】・・・といったように【Gly-X-Y】が繰り返されています。
このうちX-Yに配列されるアミノ酸がコラーゲンを特徴づける3重らせん(トリプルヘリックス)構造の安定性に影響を与えています。
X-Yに配列されるアミノ酸はプロリン(X位)とヒドロキシプロリン(Y位)であることが多くなっています。
なおコラーゲンの構造の熱安定性はヒドロキシプロリンの量によって決まるとされています。
生体内ではコラーゲン分子が集まって、酵素の働きによりコラーゲン分子が橋を架けあうように結合します。
※『コラーゲン完全バイブル』(真野博著、幻冬舎メディアコンサルティング)より出典元
コラーゲンとは何? カラダの中のコラーゲン
コラーゲンナビ
(株)ニッタバイオラボ
コラーゲン分子間に架橋(コラーゲン架橋)が入ることでコラーゲン繊維が形成されます。この架橋は、アルドール縮合またはシッフ塩基型結合によって形成されます。
これにリジンまたはヒドロキシリジンが深く関与しています。
コラーゲン分子中の特定のリジンまたはヒドロキシリジンの側鎖基が酵素リジルオキシダーゼよってアルデヒドに変わります。
- このアルデヒドが別の分子のアルデヒドと反応する【→アルドール縮合】
- このアルデヒドが別の分子のリジンまたはヒドロキシリジンのε位アミノ基と反応する【→シッフ塩基型結合】
.
α鎖にプロリンとして組み込まれた後に、酵素プロリンヒドロキシラーゼにより水酸化されたのがヒドロキシプロリンです。
α鎖にリジンとして組み込まれた後に、酵素リシルヒドロキシラーゼにより水酸化されたのがヒドロキシリジンです。
コラーゲン合成において、ビタミンCはこれら水酸化酵素の補因子として働きます。
ビタミンCが足りないとコラーゲンの生成が上手くいかないと考えてください。
ヒドロキシプロリンは、コラーゲンの基本構造である三重らせん構造を安定化させる役割を担い、ヒドロキシリジンは、コラーゲン生合成の最終段階である線維の熟成、架橋形成に重要な役割を果たしている。 コラーゲン前駆体中のプロリン残基やリジン残基をヒドロキシル化して、コラーゲン特有のヒドロキシプロリン残基に変える課程にアスコルビン酸(ビタミンC)が関与していることが知られており、アスコルビン酸が欠乏することにより生成するコラーゲン線維の性質が変化し、壊血病を引き起こす
引用元
公開特許公報(A)_コラーゲン産生の促進方法
NBDC 国立研究開発法人科学技術振興機構バイオサイエンスデータベースセンター
③チロシナーゼの活性を抑制
シミのもと「メラニン」ができるプロセスを簡単にまとめると以下になります。
活性酸素が皮膚組織を攻撃→
- 肌の細胞が情報伝達物質を産生
- 情報伝達物質がメラノサイトを刺激
- メラノサイト内のチロシナーゼを活性
- メラノサイト内でチロシナーゼがチロシンと結合
→メラニン生成
メラニンが肌のターンオーバーとともに排出されないと、シミとなって肌の表面にあらわれる
このようにメラニンはチロシンとチロシナーゼが結合することでつくられます。
特にチロシナーゼが活性されるとメラニンの大量生成につながります。
メラニンの大量生成を防ぐためにはチロシナーゼの活性を阻害することが重要となります。
ビタミンCはチロシナーゼ活性阻害成分の1つです。
ビタミンCの働き分析【見た目編】
合計 48.5/60点薄毛
6.5点
「薄毛」改善 に関わるビタミンCの働きは主に次です。
- コラーゲンの生成
体を構成する全たんぱく質の30%はコラーゲンです。皮膚においては70%はコラーゲンで占められています。
髪の土台となる頭皮の健康にもコラーゲンはなくてはならない存在です。ビタミンCはコラーゲンの生成に必須の成分です。 - 抗酸化作用
髪は毛乳頭に運ばれた栄養素をもとに毛母細胞が細胞分裂をすることで生まれてきます。
活性酸素は毛母細胞を酸化させ、その働きを弱めます。活性酸素を除去することは薄毛予防になります。
ビタミンCは活性酸素を除去する抗酸化作用を有します。 - ストレスを緩和
髪に必要な栄養素や酸素は血液によって運ばれます。血流を良くすることは健康な髪を生み出すためにも大事なことです。
ストレスは血流を悪化させる原因の一つです。抗ストレス作用のある副腎皮質ホルモンの生成にビタミンCが補酵素として関与しています。ビタミンCの摂取はストレス反応を和らげます。
白髪
8点
「白髪」予防 に関わるビタミンCの働きは主に次です。
- 過酸化水素を分解
体のサビの原因となる活性酸素は大きく4種類(スーバーオキシド、過酸化水素、一重項酸素、ヒドロキシラジカル)挙げられます。
このうち白髪の発生にもっとも影響を与えるのは過酸化水素です。
黒髪のもととなるメラニンはメラノサイトでチロシンとチロシナーゼ酵素が結びつくことで生まれますが、過酸化水素はチロシナーゼ酵素の形成を破壊する働きをします。
ビタミンCには過酸化水素を分解する働きがあります。 - 亜鉛・鉄の吸収を促進
亜鉛・鉄はメラノサイトにおいてメラニン色素生成に深くかかわる成分です。ビタミンCにはこの2つの体内への吸収を高める効果があります。 - ストレスの緩和
ストレスは自律神経を乱します。その結果、血行が悪くなりメラノサイト・毛母細胞の働きを弱めてしまいます。ストレスは薄毛のみならず白髪にもつながることです。ビタミンCの摂取はストレス反応を和らげます。
美肌
10点
「美肌」作り に関わるビタミンCの働きは主に次です。
- コラーゲンの生成
肌の表皮を内側から支える真皮には肌のハリ・弾力を保つ役割があります。
真皮の主成分となっているのがコラーゲン繊維(イラストのひし形白線部分)です。
真皮の乾燥重量のうち70%はコラーゲンで占められています。
コラーゲンは肌のハリ・弾力に大きく貢献している成分です。ビタミンCはコラーゲンの生成に必須の成分です。 - 繊維芽細胞を活性化
繊維芽細胞は真皮を構成している成分(コラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸)を産生する細胞です。加齢などが原因で繊維芽細胞の働きが衰えることでこれら成分が不足していき「しわ・たるみ」となって肌に現れます。
ビタミンCには繊維芽細胞を活性化させる働きがあります。 - 抗酸化作用
肌の細胞にダメージを与えるのが紫外線などにより発生する活性酸素です。細胞を活性酸素の攻撃から守る抗酸化物質の1つがビタミンCです。
美白
10点
「美白」ケア に関わるビタミンCの働きは主に次です。
- チロシナーゼの活性抑制
メラニンはチロシンとチロシナーゼ酵素が結合することで作られます。チロシナーゼが活性されるとシミのもととなるメラニンがたくさん作られてしまいます。なのでチロシナーゼの活性を阻害することがメラニンの大量生成を防ぐために重要となります。ビタミンCはチロシナーゼ活性阻害成分の1つです。 - メラニンの生成過程の還元作用
メラノサイト内にあるチロシンがチロシナーゼにより酸化されることでメラニンは生成されます。
チロシン→ドーパ→ドーパキノン→黒色メラニンという代謝過程を経て作られていきます。
ビタミンCは中間代謝物であるドーパーキノンをドーパに還元する作用があります。
またメラニンに直接働きかけ、黒色メラニンを無色に還元する(淡色化)作用も有します。 - 抗酸化作用
シミの原因となるメラニンは活性酸素の攻撃から肌(の細胞)を守るために作られます。なので体内に活性酸素が過剰に発生するとメラニンはたくさん作られます。
たくさん作られたメラニンが肌のターンオーバーともに排出されなければ、シミとなって肌の表面に現れます。ビタミンCの抗酸化作用はメラニンの大量生成を防ぎます。
筋肉
6.5点
「筋肉」増強 に関わるビタミンCの働きは主に次です。
- 骨格筋
骨格筋にはビタミンCが多く含まれています。マウス実験で、筋肉とビタミンC量の関係性を調べたところ「ビタミンCが不足すると筋肉が減少する、ビタミンCを再投与と回復する」ことが判明しました。
出典元
骨格筋でのビタミンC不足は筋萎縮や身体能力の低下をもたらす
独立行政法人農畜産業振興機構このマウス実験では、人と同様に体内でビタミンCを作ることができないビタミンC合成不全マウスを用いています。
ビタミンCの摂取が筋力維持に関わっているといえそうです。参照
骨格筋でのビタミンC不足は筋萎縮や身体能力の低下をもたらす
プレスリリース
東京都健康長寿医療センター 研究所 - 筋膜
筋膜とは筋肉を覆っている膜のことです。
筋膜は浅筋膜、深筋膜、筋外膜、筋周膜、筋内膜の5層になっています。筋膜には筋肉を保護する作用や筋収縮時の滑りを助ける作用があります。
また組織と組織に仕切りを作る、組織同士をつなぐ、血管や神経やリンパ管を支えて通過させるなどの役割も持ちます。
筋膜がないと筋肉などを支えることができないので「第2の骨格」の異名を持ちます。さて筋膜(筋内膜以外)はコラーゲンとエラスチンなどでできています。なのでコラーゲンを増やすことは筋肉にもプラスになります。コラーゲンの生成にビタミンCは必須です。
- 筋損傷
運動誘発性の筋損傷は激しい運動後に生じます。主たる原因は激しい運動を行うことで発生する酸化ストレスです。抗酸化物質であるビタミンCは、運動による酸化ストレスを軽減する成分の1つとされます。
脂肪
7.5点
「脂肪」減少 に関わるビタミンCの働きは主に次です。
- カルニチン
脂肪の燃焼のメカニズムは以下です。脂肪燃焼メカニズム- 分解 体内に蓄積された中性脂肪を脂肪酸とグリセリンに分解する
- 運搬 分解されてできた脂肪酸を細胞のミトコンドリアに運搬する
- 燃焼 ミトコンドリアで脂肪酸がエネルギー貯蔵物質ATPに変わる
ATPがエネルギーとして消費される→脂肪燃焼
②の運搬について言及します。
脂肪が分解して生じた脂肪酸はミトコンドリアのマトリックスで、酸素を用いて完全燃焼され二酸化炭素と水にまで分解されます。
脂肪酸がミトコンドリアのマトリックスに入るにはカルニチンと結合しなければなりません。ミトコンドリア
ミトコンドリアは外膜と内膜の二重の生体膜で構成されています。外膜はおおもとを囲っている線、内膜はくねくねした部分の線です。内膜に囲まれた内側をマトリックスといいます。なぜなら脂肪酸は一時的にカルニチンと結合し、脂肪酸アシルカルニチンになることでミトコンドリア内膜を通過することができるからです。
カルニチンが不足している あるいは脂肪酸とカルニチンの結合が上手くいかない場合、脂肪酸は酸化されず脂肪に再合成されてしまいます。
カルニチンの供給源は体内合成と食事由来の2つです。
リンク体内ではリジンとメチオニンを材料に肝臓で合成されます。
カルニチンの生合成の大まか流れは以下です。リジン+メチオニン→トリメチルリジン→ブチルベタイン→L-カルニチン生体内でL-カルニチンはリジンがSAMe(S-アデノシルメチオニン)によりトリメチル化されて作られます。トリメチル化された後にさらにいくつかの酵素反応を受けて作られます。
各酵素反応における補酵素としてビタミンC・ビタミンB6・ナイアシン・鉄が必要です。材料(リジン&メチオニン)があってもこのうち1つでも欠けるとカルニチンの合成は上手くいきません。
ということでカルニチンの合成にビタミンCが必要です。
ゆえに脂肪燃焼にもビタミンCが関与しているといえます。 - 胆汁酸
胆汁酸は肝臓でコレストロールから作られます。そして胆汁中に分泌されます。肝臓で作られたあと胆汁の主成分として胆のうに蓄えられます。食事(特に脂肪の多い食事)をしたときに、十二指腸から分泌され水にとけない脂肪を乳化させその消化・吸収を助ける働きをします。
リンク
胆汁酸の働きは単に脂肪の消化・吸収を助けるだけはありません。
胆汁酸が分泌されると脂肪が脂肪分解酵素リパーゼの作用を受けやすくなります。胆汁酸は界面活性剤としての作用の他に、リパーゼの働きを強める活性因子としての作用もあわせ持っている。
引用元
脂質代謝とキトサン
JAFRA 日本食品機能研究会つまり脂肪燃焼メカニズムの①分解を促進することになります。
脂肪燃焼メカニズムビタミンCは胆汁酸の合成に関与しています。- 分解 体内に蓄積された中性脂肪を脂肪酸とグリセリンに分解する
- 運搬 分解されてできた脂肪酸を細胞のミトコンドリアに運搬する
- 燃焼 ミトコンドリアで脂肪酸がエネルギー貯蔵物質ATPに変わる
ATPがエネルギーとして消費される→脂肪燃焼
- 脂肪の蓄積を防ぐ
体内に取り入れられたブドウ糖はインスリンの働きにより全身の細胞に取り込まれます。
そしてエネルギー源として利用されます。
ただしエネルギー源として利用されずに余剰となったブドウ糖は脂肪細胞に取り込まれ中性脂肪として蓄積されてしまいます。ビタミンCには「無駄なエネルギーの蓄積」および「脂肪細胞にブドウ糖が取り込まれる」のを防ぐ働きがあるとされています。
「ビタミンCには細胞の代謝を上げて、
無駄なエネルギーが蓄積されるのを防ぐという作用があります。一方で、脂肪細胞に対しては、エネルギーとなるブドウ糖(グルコース)を取り入れるのを防ぐという作用をします。 引用元
ダイエットの強い味方!? 「ビタミンCと肥満」驚きの関係を医師が解説
美的.com
(株)小学館
ビタミンCの働き分析【中身編】
合計 48.5/60点
身体
7.5点
「身体」の構成材料 に関わるビタミンCの働きは主に次です。
- コラーゲンの生成
人間の体を構成しているたんぱく質のうち30%はコラーゲンでできています。体内にあるコラーゲンのうち、約40%が皮膚に、骨・軟骨に約10~20%、血管に約7~8%が存在しています。コラーゲンの体内構成比率ビタミンCはコラーゲンの生成に欠くことができません。コラーゲンの体内構成比
※%はおおよそです。
エネ
5.5点
「エネルギー」生成 に関わるビタミンCの働きは主に次です。
- 脂質の代謝
脂肪からエネルギー源ATPを生成する過程で重要な役割を果たしているのがカルニチンです。
脂肪酸はミトコンドリアのマトリックスに運ばれることで燃焼されますが、この運搬に必ず必要となる成分がカルニチンです。
ビタミンCはカルニチンを体内で合成する際に必要となります。この点から脂質の代謝に関与しているといえます。
病気
9.5点
「病気」予防 に関わるビタミンCの働きは主に次です。
- 動脈硬化予防
ビタミンCは次の2点から動脈硬化予防に有効な成分といえます。①抗酸化作用
血液中にLDLが増え、そのLDLが血管壁に入りこみ、それが活性酸素により酸化され酸化LDLに変わるとプラークと呼ばれるこぶを形成するようになります。そうなると血管の内側は細くなって、血液はスムーズに流れにくくなります。その結果、動脈硬化が引き起こされます。
ビタミンCの抗酸化作用はLDLが酸化されるのを防ぎます。②コラーゲン生成コラーゲンは血管の構成成分です。血管のしなやかさを保つ働きや血管壁にできた傷を修復する働きをしています。加齢によりコラーゲンを合成する能力が衰えると血管の弾力性が失われたり、傷の修復が上手くいかなくなったりします。これは血流の悪化やコレストロールの蓄積につながります。イコール動脈硬化につながります。
ビタミンCはコラーゲンの生成を促します。 - ガン予防(by 抗酸化作用)
DNAが活性酸素の攻撃を受け損傷するとがん細胞に変わることがあります。
ビタミンCは自らが酸化されることで、細胞内のDNAを活性酸素の攻撃から守ります。ビタミンCの摂取はガン予防になります。リンク - ガン予防(by プロオキシダント)
プロオキシダントとは抗酸化物質が、抗酸化物質として機能せず、かえって周りの物質を酸化させる作用のことを言います。
これは抗酸化物質としてはマイナスです。が、ビタミンCのプロオキシダントとしての働きが抗がん作用になるといわれています。高濃度のビタミンCはプロオキシダントとして働き、がん細胞に対する選択的毒性を持つ過酸化水素を産生する可能性がある
引用元
ビタミンC
海外の情報 「統合医療」情報発信サイト 厚生労働省
リンク - ガン予防(by ニトロソアミンの合成抑制)
ニトロソアミンは胃がんとの関係が疑われている発がん物質です。胃の中でアミン(魚や肉類、ハム・ソーセージなどの加工品に含まれる)と亜硝酸化合物(レタス・白菜などの野菜に含まれる)とが結合すると、ニトロソアミンが生成されてしまいます。
ビタミンCはアミンと亜硝酸化合物の反応を抑え、ニトロソアミンが形成されるのを抑制します。 - 骨粗鬆症予防
骨基質(骨の組織において、骨細胞間を満たす物質)の90%はコラーゲンでできています。
出典元
骨粗鬆症の予防にはカルシウムだけでなく骨質にも注目!
わくわく健康情報館
湧永製薬(株)なのでコラーゲンが不足していると骨質が低下し骨粗鬆症になりやすくなります。コラーゲン生成に必須のビタミンCは骨粗鬆症予防に深く関与しているといえます。
- 白内障予防
白内障は目の水晶体という部分が何らかの原因で白く濁ってしまう病気です。
何らかの「主」は紫外線などで生じる活性酸素です。目に多く存在するビタミンCは、その抗酸化作用により水晶体が酸化されるのを防ぎます。実際、研究によりビタミンCの摂取が白内障予防に有効であることが確認されています。
加齢による水晶体の混濁は、水晶体を構成する蛋白が酸化によるダメージを受けることが主な原因であると考えられています。食事から摂取されたビタミンCによって、眼組織のアスコルビン酸濃度が高くなり、加齢による水晶体のダメージを予防することが、実験で示されています。
引用元
ビタミンC摂取と老人性白内障発症の関係について
国立がん研究センター社会と健康研究センター予防研究グループ
体質
10点
「体質」改善 に関わるビタミンCの働きは主に次です。
- 免疫力をあげる
ビタミンCは白血球に多く含まれています。
ビタミンCを摂取することで白血球の機能を強化し、免疫力を高める効果が期待できます。
リンク - ストレス耐性
ストレスを感じると副腎皮質からノルアドレナリンやアドレナリンといったカテコールアミンが分泌されます。
ストレスを受けた時に「血圧が上昇する・汗が出る、動悸を自覚する」といった働きはこれらカテコールアミンの働きによるものです。「血圧が上昇する・汗が出る、動悸を自覚する」ことでストレスに対応しています。カテコールアミンはチロシンから以下の流れで生合成されます。
チロシン→L-ドーパ→ドーパミン→ノルアドレナリン→アドレナリン
一連の酵素反応- チロシン→ドーパ チロシン水酸化酵素
- L-ドーパ→ドーパミン 芳香族L-アミノ酸脱炭酸酵素
- ドーパミン→ノルアドレナリン ドーパミンβ-水酸化酵素
- ノルアドレナリン→アドレナリン フェニルエタノールアミンN-メチル基転移酵素
.
ビタミンCはチロシン水酸化酵素およびドーパミンβ-水酸化酵素の活性化に補因子として必要です。ビタミンCの不足はカテコールアミンの減少に、しいてはストレス耐性の低下につながります。 - 解毒(by シトクロムP450の維持)
体内の有害物質(以後、毒物)の多くは肝臓で無毒化されます。肝臓の「解毒」システムは2段階の化学反応を経て行われます。
第Ⅰ相反応
第Ⅰ相反応は水溶性を高める反応で、薬物代謝酵素が脂溶性の毒物を排出されやすい形に変換させます。具体的には脂溶性の毒物に水酸基・カルボキシル基・アミノ基など官能基を導入します。
これにより水溶性が向上した毒物は、第Ⅱ相反応に進むことになります。第Ⅱ相反応
第Ⅱ相反応は脂溶性の毒物の官能基に、グルクロン酸、硫酸塩、アミノ酸などの水溶性物質を結合させる反応です。これは抱合反応と呼ばれます。
抱合反応を受けることでさらに水溶性が上昇し尿や胆汁として体外へ容易に排出されるようになります。
抱合反応にはグルクロン酸抱合・グルタチオン抱合・硫酸抱合・アセチル抱合・アミノ酸抱合・メチレーションなどがあります。
※体外へ排出されるプロセスを第Ⅲ相反応として、「解毒」システムを3段階の化学反応としていることもあります。さて第Ⅰ相反応で「薬物代謝酵素が脂溶性の毒物を排出されやすい形に変換させる」と説明しました。この薬物代謝酵素の代表ともいえるのがシトクロムP450です。
ビタミンCにはシトクロムP450を維持する作用があります。
ビタミンCが欠乏するとシトクロムP450が減少し薬物代謝能が衰えます。 - 二日酔い
アルコールを摂取すると酵素の働きによりアセトアルデヒドという物質に分解されます。
そのアセトアルデヒドは、酵素の働きによってさらに分解されて酢酸になります。
その酢酸は最終的に水と二酸化炭素に分解され、尿、汗などになり体外に排泄されます。二日酔いの原因物質はアセトアルデヒドです。アセトアルデヒドは毒性が強く、吐き気や頭痛といった症状を引き起こすもとになります。
ビタミンCにはアセトアルデヒドの分解を促進する働きがあります。 - 貧血(by 鉄の吸収)
貧血は血液の赤血球やそのなかのヘモグロビンが少ない状態のことをいいます。
貧血の原因で圧倒的に多いのは鉄不足=鉄欠乏症貧血です。鉄はヘモグロビンの主成分です。食物に含まれる鉄は大きく2種類にわけることができます。
動物性の食品に多く含まれるヘム鉄(Fe²⁺ 2価鉄)と植物性の食品に多く含まれる非ヘム鉄(Fe³⁺ 3価鉄)です。ヘム鉄の吸収率は15~25%があるのに対して、非ヘム鉄は2~5%とされています(数値は諸説あり)。日本人が食事から取る鉄のほとんどは非ヘム鉄です。
非ヘム鉄は胃酸により溶解され、食物中の還元物質、または腸管上皮の細胞膜上にある鉄還元酵素「duodenal cytochrome b」によりFe²⁺に還元されてから吸収されます。
非ヘム鉄の吸収を助けるのがビタミンCです。先の文章中の「食物中の還元物質」にあてはまるのがビタミンCです。
ビタミンCは鉄の吸収率を高めるという点で、間接的に貧血予防に関わります。
精力
7.5点
「精力」増進&「性機能」向上 に関わるビタミンCの働きは主に次です。
- L-カルニチンの合成に関与
女性不妊の原因の一つは卵子の老化です。
卵子には多くのミトコンドリアが存在しています。ミトコンドリアの機能低下が卵子の老化につながるとされています。なので卵子のミトコンドリアを活性させることができれば卵子の老化を遅らせ、その質を保つことができます。カルニチンは脂肪酸をミトコンドリア内に運ぶことでエネルギー産生を促進させます。「ミトコンドリアのエネルギー産生を促進」イコール「ミトコンドリアを活性させる」です。
カルニチンは不妊に悩んでいる女性を「妊娠しやすい体質にする」のを強力にサポートします。ビタミンCは体内でカルニチンを合成する際に必要となる成分です。
- 酸化ストレス
精巣内での酸化ストレスは不妊の原因となります。
その理由は次です。①精巣内の細胞膜の酸化は精子を作る機能の低下につながる
②精子の細胞膜の酸化は精子の運動性の低下につながる
ビタミンCは精巣内での酸化ストレスを減らす抗酸化物質の1つです。
- 葉酸の活性化維持
妊娠初期は胎児の細胞分裂が盛んに行われる大事な時期です。この時期に十分な栄養を取れているかが、生まれてくる赤ちゃんの健康に大きく関わっています。
この時期に最も必要とする栄養成分の一つが葉酸です。葉酸は補酵素として核酸の合成に関与しています。リンク
葉酸は活性型のテトラヒドロ葉酸に変換されて補酵素として機能します。この活性化維持にビタミンCが必要です。 - 鉄の吸収を高める
鉄は以下の3点より、妊活にとって大切な栄養成分です。①子宮内粘膜
鉄は子宮内粘膜の材料です。子宮内粘膜を厚くすることで、受精卵が着床する可能性が高くなります。
鉄は子宮内粘膜を厚い状態にし妊娠しやすい体質に導きます。参照
妊娠体質になる鉄分を取り、子宮内環境を整える
日経DUAL 日経BP②ミトコンドリアの活性
卵子および精子のミトコンドリアを活性させることが卵子の「質」を上げることになります。イコール妊娠しやすい体質を作り上げます。
ミトコンドリアを活性させるとは「ミトコンドリアを増やしたり、ミトコンドリアでのATP産生をスムーズにさせること」と捉えることができます。鉄は後者に関わる成分です。シトクロムとしてミトコンドリア内のATP合成を手助けします。
③妊娠中の貧血
妊娠中は血液を胎児や胎盤などに供給するため鉄の需要が高まります。妊娠後期は血液量が増加するので特に貧血になりやすくなります。
鉄は吸収率の悪い栄養成分として有名です。ビタミンCは鉄の吸収率を高めます。
健脳
8.5点
「脳」の健康 に関わるビタミンCの働きは主に次です。
- 神経伝達物質の合成
カテコールアミンは神経伝達物質として重要な役割を担います。
なのでカテコールアミンの合成に関与する成分を取ることは普段の生活の脳の冴え&将来起こりうる脳の病気の予防になります。普段①記憶力
ドーパミンは学習・記憶などに関わる神経伝達物質です。②集中力
ノルアドレナリンはやる気・集中力などに関わる神経伝達物質です。③注意力
アドレナリンは集中力・判断力などに関わる神経伝達物質です。病気①うつ病
うつ病を引き起こす原因にドーパミン、ノルアドレナリンの不足が考えられます。②パーキンソン病
パーキンソン病の主な原因は脳内のドーパミンの不足です。カテコールアミンの生合成経路は次です。
チロシン→L-ドーパ→ドーパミン→ノルアドレナリン→アドレナリンビタミンCはチロシン→L-ドーパ、ドーパミン→ノルアドレナリンの流れに補酵素として関与してます。
- 抗酸化作用
ビタミンCは脳にも多く存在しています。血液中の濃度を1とすると、ビタミンCの脳の濃度は20です。ビタミンCは脳細胞を活性酸素の攻撃から守ります。 - 脳疾患
脳に多く存在するということは、それだけ脳に対してビタミンCの需要があるといえます。研究によりビタミンCの摂取が脳の病気予防になることが判明しています。◆脳卒中
ビタミンCを多く摂取している人は、脳卒中の発症を抑えられる可能性があることが示唆されています。ただし喫煙習慣がないのが条件です。参照
抗酸化ビタミン摂取と脳卒中発症リスクとの関連
多目的コホート研究
国立がん研究センター社会と健康研究センター予防研究グループ◆認知症
アルツハイマー病による認知症の発症リスクの高い遺伝子を保有する女性が、ビタミンCを多く含む食品を摂取することで認知機能低下のリスクを下げられる可能性があることが報告されています。参照
ビタミンCがアポリポタンパクE E4保有女性の認知症リスクを下げる可能性を世界で初めて報告
プレスリリース
国立研究開発法人日本医療研究開発機構
ビタミンCのサプリメント紹介
ビタミンCのまとめ
分析【見た目編】48.5点
分析【中身編】48.5点
ビタミンC 体液中の抗酸化作用 参照一覧
ビタミンC解説 「健康食品」の安全性・有効性情報 国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所
ビタミンC 海外の情報 「統合医療」情報発信サイト 厚生労働省
5. 2. 9.ビタミン C 厚生労働省
ビタミンCとは? 公益社団法人ビタミン・バイオファクター協会
酸化ストレスと抗酸化療法 J-STAGE
ビタミンC 再生経路と酸化ストレス J-STAGE
2-IV-15 コラーゲン遺伝子発現に及ぼすアスコルビン酸の影響(一般演題,日本ビタミン学会第62回大会発表要旨) J-STAGE
コラーゲンの三本鎖構造の熱安定性に及ぼす水和の効果 J-STAGE