ビタミンB2  脂質の代謝

ビタミンB2

別名 リボフラビン

13種類のビタミンの1種
9種類の水溶性ビタミンの1種

 

 

ビタミンB2とは

ビタミンB2について

  • ビタミンB2(リボフラビン)は生体内ではFMNまたはFADとして存在しています。
    FMN(フラビンモノヌクレオチド) ビタミンB2にリン酸が一つ結合したもの
    FAD(フラビンアデニンジヌクレオチド) FMNにAMPが結合したもの
  • 食品中のビタミンB2のほとんどはFAD及びFMNとして酵素たんぱく質と結合して存在しています。調理加工や消化の過程でFAD及びFMNは遊離し、遊離したFAD及びFMNは小腸粘膜でいったんリボフラビンに分解されて、小腸上皮細胞から吸収されます。
    吸収された後は酵素の働きによってFMNになります。FMNはさらに酵素の働きによりFADに変換されます。
  • ビタミンB2は酸化還元酵素の補酵素として3大栄養素の代謝に関わっています。特に脂質の代謝に深く関与しています。

 

体内合成について 

体内合成 

  • 腸内細菌で合成されます。
  • FAD及びFMNは肝臓・腎臓・心臓などの臓器に一定量貯蔵されますが、貯蔵できる量は少ないです。
  • 水溶性であるため過剰に摂取されると生体内にあるビタミンB2と交換代謝されて、尿中や糞中ともに排泄されます。

 

摂取量について

推奨量 1.3~1.6㎎/日(成人男性) 1.1~1.2㎎/日(成人女性)
by 食事摂取基準(2015年版)
※年代により異なる

欠乏症
:口角炎 :口内炎 :成長障害 :脂漏性皮膚炎 :その他

不足ぎみ
:肌荒れが起きる :粘膜に炎症が起こりやすくなる :目が充血する :目がかゆくなる
過剰症


取り過ぎ
:過剰分は基本的に尿中に排泄される。通常の食事からだと過剰の心配はないが、サプリメントを一度に多量に摂取すると下痢や多尿を引き起こす。

 

ビタミンB2の効果・効能

ビタミンB2の効果・効能 5つ厳選

  1. 脂質の代謝
  2. エネルギー代謝
  3. 皮膚・粘膜の健康維持
  4. 細胞の再生・成長
  5. 過酸化脂質の分解

 

そのうち3つを詳しく

①脂質の代謝

ビタミンB2はFMNおよびFADとして細胞内の酸化還元反応を触媒する数多くの酵素の補酵素として糖質・脂質・たんぱく質の代謝に関わっています。とりわけ脂質の代謝に深く関わっています。

脂質の代謝について簡単に説明します。

脂質(以下 中性脂肪)を体内に取り入れると十二指腸から分泌される胆汁酸によって乳化されます。乳化された中性脂肪はすい臓から分泌される脂肪分解酵素リパーゼによってモノアシルグリセロールと脂肪酸2分子に分解されます。これらは胆汁酸と混合されミセルを形成したあとに小腸吸収上皮細胞に吸収され、腸管の細胞壁で再び中性脂肪に合成されます。

中性脂肪は、コレストロールエステル・リン脂質・脂溶性ビタミンとともにカイロミクロンと呼ばれるリポたんぱく質を形成し、リンパ管を経て血中に放出されます。
中性脂肪はカイロミクロンによりエネルギーを必要とする筋肉など組織に送られ 遊離脂肪酸に分解されエネルギー源として利用されます。余った中性脂肪は皮下や内臓の脂肪細胞まで運ばれ体脂肪として蓄えられます。

空腹時・運動時(体内に糖質が不足している時)に体内に蓄えられた中性脂肪は分解され遊離脂肪酸とグリセロールとして血中に放出されます。脂肪酸はアルブミンというたんぱく質と結合し、各組織の細胞に運ばれ、酸化されエネルギーとなります。

脂肪酸が細胞内でエネルギーとして利用される代謝(脂肪酸の異化)を簡潔にまとめると以下になります。

脂肪酸→β酸化→TCA回路→電子伝達系
 
 
脂肪酸はβ酸化と呼ばれる代謝過程でアセチルCoAに変わることでTCA回路に入り電子伝達系を経て多くのATPを作り出します。
 
ビタミンB2(FAD)はβ酸化の反応を触媒する酵素の1つアシルCoAデヒロドゲナーゼの補酵素として働いています。
そのためビタミンB2が不足するとβ酸化が阻害されアセチルCoAが生成されず(TCA回路に進むことができなくなり)脂質からのエネルギー産生が滞ることになります。
 
このことは脂肪からエネルギーを作りだせないだけではありません。肥満にもつながることです。
 
分解された脂肪酸がエネルギーとして燃焼されなければ中性脂肪に再合成され 再び脂肪細胞に体脂肪として蓄えられてしまいます

 

②エネルギー代謝

ビタミンB2(FAD)は脂質のみならず糖質・たんぱく質の代謝にも働いています。
3大栄養素のエネルギー代謝全般に関与している成分です。

FADが補酵素として働く代謝経路(&そこで働く酵素)を一部まとめます。
※関与のみも含む

【解糖系】
ピルビン酸脱水素酵素
 解糖系とTCA回路の橋渡しをする

【TCA回路】
αケトグルタル酸脱水素酵素
 αケトグルタル酸→スクシニルCoAへ代謝
コハク酸脱水素酵素 コハク酸→フマル酸へ代謝

【電子伝達系】
フラビン酵素 
  水素運搬の役割をしている

 

このようにビタミンB2はエネルギー代謝において多くの酸化還元酵素に関わっています。

 

⑤過酸化脂質の分解

過酸化脂質を無毒化(分解)する抗酸化酵素はグルタチオンペルオキシダーゼです。
グルタチオンペルオキシダーゼは還元型グルタチオンを電子供与体にすることで過酸化脂質を分解しています。

還元型グルタチオンは過酸化脂質に電子を授与することで分解します。その際、酸化型グルタチオンに変わりますが、グルタチオン還元酵素(グルタチオンリダクターゼ)により還元型に戻ることができます。
ビタミンB2(FAD)はグルタチオン還元酵素の補酵素として働いています

 

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ビタミンB2の働き分析【見た目編】

合計 48/60点

カテゴリー別 点数

薄毛 8.5点

白髪 6.5点

美肌 8.5点

美白 7.5点

筋肉 7点

脂肪 10点

 
 

薄毛

8.5点

「薄毛」改善 に関わるビタミンB2の働きは主に次です。

  1. 毛根の細胞を活性
    ビタミンB2には細胞の再生や成長を助ける働きがあります。毛根にある細胞(毛母細胞および毛乳頭細胞)を活性させ発毛を促進します。
  2. 頭皮を正常化
    ビタミンB2は皮脂の代謝を促進します。皮脂の分泌を抑えて頭皮を清潔に保ちます。髪の毛が育ちやすい環境を作ります。
  3. 過酸化脂質を分解
    頭皮の皮脂が過酸化脂質に変わると抜け毛を促進することになります。ビタミンB2はグルタチオン還元酵素の補酵素として過酸化脂質分解の働きをします。

 

白髪 

6.5点

「白髪」予防 に関わるビタミンB2の働きは主に次です。

  1. 毛根のメラノサイトを活性
    白髪を予防するにはメラノサイト(色素細胞)の働きを活発にすることが重要となります。細胞の再生や成長に関与するビタミンB2は毛根にあるメラノサイトの活性にも役立ちます。
  2. 頭皮の環境を整える
    頭皮の環境が悪化するとメラニンを作るメラノサイトの活動も衰えます。その結果白髪になります。
    頭皮の皮脂の代謝を促進する・頭皮の皮脂が過酸化脂質に変わるのを防ぐ働きをするビタミンB2は頭皮環境を整え、健康的で黒々とした髪を生み出しやすい環境を作ります。

 

美肌

8.5点

「美肌」作り に関わるビタミンB2の働きは主に次です。

  1. 皮膚の健康
    ビタミンB2は発育のビタミンとも呼ばれ、皮膚の細胞の新陳代謝および皮膚の細胞が再生する際に必要となる成分です。肌の健康には欠くことはできません。
    実際、ビタミンB2が不足するとニキビなどの肌荒れを引き起こします。
  2. 肌のターンオーバーを促進
    ビタミンB2の細胞の新陳代謝を促す働きにより肌のターンオーバーを促進します。
  3. 過酸化脂質を分解
    脂質が酸化されることで生じる過酸化脂質は真皮層にあるコラーゲンやエラスチンを破壊します。その結果、シワやたるみを引き起こします。ビタミンB2は過酸化脂質の分解に貢献します。

 

美白

7.5点

「美白」ケア に関わるビタミンB2の働きは主に次です。

  1. 肌のターンオーバーを促進
    メラニンは肌のターンオーバーとともに排出されます。メラニンが過剰に作られて、それがターンオーバーとともに排出されないと肌の細胞に色素沈着しシミとなって肌の表面に現れます。

    シミを防ぐにはメラニンを過剰に作らせないことはもちろん、ターンオーバーが正常に行われることも重要です。肌細胞の生まれ変わりを手助けするビタミンB2は肌のターンオーバーの正常化に深く関与している成分です。

  2. 過酸化脂質の分解
    過酸化脂質が肌に蓄積されると通常のメラニンとは異なる過脂化メラニンを生み出します。より濃く、より長く居座るシミを生み出すことになります。過酸化脂質は自然に排泄されることはありません。そのため分解させる必要があります。

 

筋肉

7点 

「筋肉」増強 に関わるビタミンB2の働きは主に次です。

  1. ビタミンB6を活性
    筋肉を増やすための手助けとなるビタミンがたんぱく質の代謝に関与するビタミンB6です。ビタミンB6は食事などから取り入れたたんぱく質をアミノ酸に分解する、アミノ酸を体たんぱく質(筋肉)に再合成させる際に重要な役割を果たします。
    摂取したビタミンB6を体内で活性化させるにはビタミンB2が必要となります。
  2. たんぱく質+糖質
    筋肉疲労の回復に必要な栄養素は筋肉のもととなるたんぱく質です。なので筋トレ後はたんぱく質を摂取するのは当然です。
    より回復させるためにたんぱく質だけでなく糖質を一緒に取ることも勧めます。たんぱく質と糖質を同時にとると筋肉の合成速度が高まるからです。
    その際たんぱく質・糖質の代謝に関与しているビタミンB2も取るようにしてください。
  3. 成長ホルモンの合成
    ビタミンB2は成長ホルモンの合成に関与しています。成長ホルモンは筋たんぱく質の合成を促進するホルモンです。

 

脂肪

10点

「脂肪」減少 に関わるビタミンB2の働きは主に次です。

  1. 脂質の代謝
    脂肪酸はβ酸化で酸化されアセチルCoAに変換されることでその後の代謝経路に(TCA回路→電子伝達系)に進むことができます。アセチルCoAに変換できなければ脂肪をエネルギーとして利用できず再び体脂肪として蓄えられます。
    ビタミンB2はFADの形でβ酸化で働く酵素の補酵素として働いています。脂質の代謝を促進し肥満を予防します。
  2. 糖質の代謝
    ビタミンB2は糖質の代謝にも関与しています。摂取した糖質がエネルギーと利用されなければ中性脂肪として体内に蓄積されます。

 

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ビタミンB2の働き分析【中身編】

合計 46/60点

カテゴリー別 点数

身体 7点

エネ 10点

病気 6.5点

体質 10点

精力 6点

健脳 6.5点

 

身体

7点

「身体」の構成材料 に関わるビタミンB2の働きは主に次です。

  1. たんぱく質の代謝
    たんぱく質は皮膚・筋肉・内臓・髪・骨・血液・ホルモンなどの構成材料となっています。ビタミンB2はたんぱく質の代謝に関与しています。
  2. 脂質の代謝
    脂質は細胞膜・ホルモンなどの構成成分です。ビタミンB2は脂質の代謝に深く関わっています。

 

エネ

10点

「エネルギー」生成 に関わるビタミンB2の働きは主に次です。

  1. 脂質のエネルギー代謝
    脂質は3大栄養素の中で一番のエネルギー源となります。1gあたり9kcalのエネルギーを産生します。※糖質、たんぱく質は1gあたり4kcalです。
    ビタミンB2は脂質をエネルギーに変換する過程で重要な役割を果たす成分です。
  2. エネルギー代謝全般
    ビタミンB2は脂質のみならず糖質・たんぱく質からエネルギーを産生する際にも補酵素として必要となります。

 

病気

6.5点

「病気」予防 に関わるビタミンB2の働きは主に次です。

  1. 生活習慣病予防
    脂質が酸化されることで生じる過酸化脂質が体内に蓄積されると動脈硬化やガンなどの病気を引き起こします。過酸化脂質の消去に関わるビタミンB2の摂取は生活習慣病予防に役立ちます。
  2. 脂肪肝の予防
    ビタミンB2のもつ脂質代謝を促進する働き、肝細胞の再生を促す働きは脂肪肝予防に効果的です。

 

体質

10点

「体質」改善 に関わるビタミンB2の働きは主に次です。

  1. 疲労体質
    エネルギー不足だと疲労を感じやすくなります。ビタミンB2は脂質の代謝において、脂肪酸がTCA回路に進むための重要な役割を果たします。脂質からエネルギーを生み出すためには必要不可欠となります。
    また電子伝達系に水素を運搬する役割をしているため3大栄養素すべてのエネルギー代謝に関与しています。
    ビタミンB2が不足すると疲れを感じやすくなります。
  2. 粘膜の炎症
    ビタミンB2には粘膜を正常な状態に保つ働きがあります。粘膜のビタミンと呼ばれ、口内炎や扁桃線の腫れの市販薬(第3類医薬品)に主成分として配合されています。
  3. 目の充血・かゆみ
    ビタミンB2が不足すると目の粘膜も荒れてしまいます。そのためよく目薬の成分に含まれています。内服することでも目の充血・かゆみの予防改善になります。
  4. 片頭痛
    片頭痛もちの人は細胞内のミトコンドリアの働きが悪いといわれています。ミトコンドリアの電子伝達系で働くビタミンB2にはミトコンドリアを活性させる働きが期待できます。マグネシウムとともに片頭痛の予防に効く成分とされています。

 

精力

6点

「精力」増進&「性機能」向上 に関わるビタミンB2の働きは主に次です。

  1. スタミナアップ
    ビタミンB2 はエネルギー代謝全般に関わっています。スタミナアップに貢献します。
  2. 性器の粘膜
    性器の粘膜の状態はセックスや妊娠に影響を与えます。ビタミンB2は性器の粘膜の健康維持にも貢献します。

 

健脳

6.5

「脳」の健康 に関わるビタミンB2の働きは主に次です。

  1. 脳のエネルギー
    脳は多くのエネルギーを必要とします。エネルギーが不足することは脳の働きが悪くなり集中力・記憶力の低下につながります。脳のエネルギーとなるのはブドウ糖のみです(例外あり)。
    ビタミンB2は糖質の代謝にも関与しています。

 

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ビタミンB2のサプリメント分析

合計 16/20点

カテゴリー別 点数

継続(価格は安いか) 5点

手軽(購入ルートは多いか)4点

選択(品揃えは豊富か)3.5点

貴重(食品から取りづらいor不足しやすいか)3.5点

 
  • 継続
    100日分は約600円で購入可能です。
  • 手軽
    店舗・ネットで購入可能です。ただし国内ではビタミンB群としてあるいは第3類医薬品のビタミン剤としての販売がほどんどです。ビタミンB2単体サプリとしてはあまり販売されていません。
  • 選択
    某ECサイトで「ビタミンB2 サプリメント」検索すると5万件以上ヒットします。ですが、そのほとんどはビタミンB2が含有されている商品としてです。単体サプリでのヒット件数は少ないです。
  • 貴重
    レバー・牛乳・卵・納豆などから取れます。動物性食品や乳製品をあまり取らない人は不足する可能性があります。不足しやすいビタミンの一つにあげられることも。

 

愛用品&おすすめ品

 

 
愛用理由
100㎎/粒が100粒入っています。1日1粒が摂取目安であるため3カ月以上持ちます。値段がおよそ600円のため月あたり200円以下となります。

 

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ビタミンB2との組み合わせ

ビタミンB2と相性の良い成分 7つ厳選

  1. 脂質
  2. ビタミンB6
  3. ビタミンB1
  4. ビタミンC
  5. システイン
  6. ナイアシン
  7. グルタチオン

 

そのうち2つをPICK UP

②ビタミンB6

ビタミンB2はビタミンB6の活性化に関わっています。なのでビタミンB2が不足することはビタミンB6の働きを弱めることになります。
ビタミンB2は主に脂肪酸のβ酸化・電子伝達系に関与し、ビタミンB6は主にアミノ酸の代謝に関与しています。
ともに皮膚・粘膜の健康を助ける働きをするので、肌あれ・にきび・口内炎の薬に一緒に配合されています。

 

 

 

④ビタミンC

ビタミンB2は脂質の代謝や細胞の再生・成長に関わることで皮膚を健康に保つ働きをします。また過酸化脂質を分解する働きもありシワ・シミを防ぐ効果が期待できます。
ビタミンCには美肌(コラーゲンの生成)・美白(抗酸化作用&チロシナーゼの抑制)といった効果があります。
同時にとることで健康的に美しい肌になれると期待していいと思います。

 

 

ビタミンB2のまとめ

ビタミンB2 評価

総合評価 SS 110点 

分析【見た目編】48

分析【中身編】46

分析【サプリ】16

 

 

以上をもとに→ビタミンB2について勝手に語る

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