ビタミンEの評価 SS
ビタミンE
脂溶性ビタミン
ビタミンEは脂溶性ビタミンの1種です。
ビタミンEは細胞膜に多く存在し、その抗酸化作用により細胞膜を酸化から守る働きをします。
ビタミンEは8種類
ビタミンEはトコフェロール(α・β・γ・δ)とトコトリエノール(α・β・γ・δ)の8種類の総称のことを言います。
このレビューでは【各種を強調したい場合を除き】8つを「ビタミンE」として一括りにして説明します。ご容赦ください。
主役はα-トコフェロール
血液中および組織中に存在するビタミンEのほとんどはα-トコフェロールです。生理活性が一番高いのもα-トコフェロールです。
先ほど 8つを「ビタミンE」として一括り といいましたが、基本ここでは、ビタミンE ≒ α-トコフェロール と捉えてください。
※一般的にもビタミンE ≒ α-トコフェロールだと思います。
その理由
体内に取り入れられたビタミンEは以下の流れ➡をたどります。
引用元
ビタミンE解説
「健康食品」の安全性・有効性情報 国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所
- 胆汁酸によってミセル化された後に小腸で吸収される
- 吸収された後にリポたんぱく質の一種カイロミクロンに取り込まれる
- 血液中のカイロミクロンはカイロミクロンレムナントとなって肝臓に取り込まれる
- 肝臓でビタミンE(α-トコフェロール)と特異的に結合する脂質結合たんぱく質 α-TTP(α-tocopherol transfer protein)と結合する
- α-TTPは超低密度リポタンパク質(VLDL)に取り込まれる
- VLDLは血液中を循環しながら代謝されて低密度リポタンパク質 (LDL)となる
- LDLを経由してビタミンEは末梢組織に運ばれる
主役はα-トコフェロール その理由はα-TTPにあります。
α-TTPは肝臓に存在し、ビタミンEの輸送を媒介することにより、体内のビタミンE濃度を一定に保つ役割を果たしています。
α-TTPはビタミンEのなかでα-トコフェノールと選択的に結合します。
これによりα-トコフェロールが他の同族体と比べて、優先的に生体内に運ばれることになります。
だから血液中および組織中に存在するビタミンEのほとんどはα-トコフェロールです
サプリの原料
α-トコフェロールの中にも8種類の異性体が存在します。
出典元
次亜ヨウ素酸塩触媒を用い天然型ビタミンEの高効率不斉合成に成功 ~光学活性クロマン系医薬品の開発・製造への応用に期待~
共同発表
科学技術振興機構(JST)
天然のα-トコフェロールはRRR-α-トコフェノールと現わされ「d-α-トコフェロール」と呼ばれます。
一方で合成のα-トコフェロールは8種の異性体の等量物で「dl-α-トコフェロール」と呼ばれます。
天然型のほうが強い生理活性を示します。
- d-α-トコフェロールは1.49
- dl-α-トコフェロールは1.10
です。
参照
ビタミンE「タケダ」の特徴・効能
タケダ健康サイト
武田コンシューマーヘルスケア(株)
それゆえにビタミンEのサプリを購入する際は、必ず原料を確認してください。
「天然ビタミンE」という商品名であれば、原料表示がなくともおそらく「d-α-トコフェロール」です。
ビタミンEの効果・効能
抗酸化作用
ビタミンEは抗酸化物質の1つです。
ここでビタミンEの抗酸化作用の特徴を簡単にまとめます。
①脂溶性抗酸化物質
抗酸化物質は、通常は水溶性あるいは脂溶性のどちらかです。
水溶性は細胞質基質や血漿中で抗酸化作用を発揮します。
脂溶性は細胞膜で抗酸化作用を発揮します。
このイラストでいうと、肌色部分(細胞質)と余白(細胞外)で働くのが水溶性の抗酸化物質で、
オレンジのライン(細胞膜)で働くのが脂溶性の抗酸化物質です。
ビタミンEは脂溶性の抗酸化物質です。
細胞膜で抗酸化作用を発揮します。
②¹O₂ ・OH LOO・の消去
抗酸化物質は活性酸素種のうち「どれか」あるいは「何種類」かの消去能を有します。
ビタミンEは一重項酸素【¹O₂】、ヒドロキシラジカル【・OH】、ペルオキシラジカル 【LOO・】に対しての消去能を有します。
ビタミンEの抗酸化作用うち、最も注目すべきはペルオキシラジカル 【LOO・】に対しての消去能=過酸化脂質の生成を防ぐ=脂質過酸化の連鎖反応を防ぐです。
「過酸化脂質の生成を防ぐ=脂質過酸化の連鎖反応を防ぐ」これはビタミンEの抗酸化作用に含まれますが、あまりにも重要のため別枠で説明したいと思います。
過酸化脂質の生成抑制
細胞の周りを覆っている細胞膜はリン脂質を主成分とした脂質を中心に構成されています。
その基本構造はリン脂質が二層に並ぶリン脂質二重層となっています。
細胞膜にクローズアップしたイラスト。真ん中の隙間をわけて〇とその下2本の線が付いたのがリン脂質です。このように2つの層で構成されています。
リン脂質は飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸で構成されています。不飽和脂肪酸は非常に酸化されやすい脂質で、活性酸素の攻撃を受けると過酸化脂質に変わってしまいます。
細胞膜が過酸化脂質に変性すると、その細胞が障害されます。
それだけなく細胞の中に新たに活性酸素を生み出し、周りの細胞を酸化させ、さらに過酸化脂質を増やすようになります。
これは連鎖的脂質過酸化反応と呼ばれます。
もう少し詳しく説明します。
- 脂質(LH)が活性酸素の攻撃を受けると脂質ラジカル(L・)になります。
- 脂質ラジカル(L・)が酸素(O₂)と反応すると脂質ペルオキシラジカル(LOO・)になります。
- 脂質ペルオキシルラジカル(LOO・)は、他の脂質(LH)と反応して水素を引き抜きます。
- すると自らは脂質ヒドペルオキシド(過酸化脂質:LOOH)となります。それと同時に、新たに脂質ラジカル(L・)を生成します。
- この脂質ラジカル(L・)がまた 酸素(O₂)と反応します。
すると再び②~④の流れを繰り返します。
→この脂質ラジカル(L・)がまた 酸素(O₂)と反応し・・・といった感じ連鎖的に繰り返していきます。
.
細胞膜を活性酸素の攻撃から守るのがビタミンEです。
ビタミンEは細胞膜に入り込み、脂質の代わりに自らが酸化されることで、過酸化脂質の生成および次々に起こる酸化の連鎖反応を防ぎます。
もう少し詳しく説明します。先ほどの流れの中でビタミンEの抗酸化が関与する部分を赤文字記載していきます。
- 脂質(LH)が活性酸素の攻撃を受けると脂質ラジカル(L・)になります。
脂質(LH)→脂質ラジカル(L・)に変換させるのはヒドロキシラジカルです。ビタミンEはヒドロキシラジカルに対する消去能を有します。 - 脂質ラジカル(L・)が酸素(O₂)と反応すると脂質ペルオキシラジカル(LOO・)になります。
- 脂質ペルオキシルラジカル(LOO・)は、他の脂質(LH)と反応して水素を引き抜きます。
ビタミンEは脂質ペルオキシルラジカル(LOO・)に自らの水素を与え安定化させます。自身はビタミンEラジカルになります。出典元
α-リポ酸
一般社団法人オーソモレキュラー栄養医学研究所ここで脂質過酸化の連鎖反応を防ぎます。
-
すると自らは脂質ヒドペルオキシド(過酸化脂質:LOOH)となります。それと同時に、新たに脂質ラジカル(L・)を生成します。 この脂質ラジカル(L・)がまた 酸素(O₂)と反応します。
すると再び②~④の流れを繰り返します。
→この脂質ラジカル(L・)がまた 酸素(O₂)と反応し・・・といった感じ連鎖的に繰り返していきます。
.
電子(水素)を与えたビタミンEは電子が1分子のビタミンEラジカルとなります。ビタミンEラジカルになると抗酸化活性はなくなります。が、ビタミンEラジカルは安定しているため、それ以上酸化が進むことはありません。
実際, ビタミンEラジカルは安定で, 脂質などを攻撃せずにもう1分子別のラジカルを捕捉して安定生成物となるが, ビタミンCやユビキノールなどによって還元されてビタミンEに戻る反応が主なものと考えられている
引用元
活性酸素 ・フリーラジカルに対する 防御システム
J-STAGE
ということで、ビタミンEは過酸化脂質の生成および連鎖的酸化を防ぎます。
細胞膜安定化&細胞内情報伝達作用
先の項目で「ビタミンEは細胞膜に入り込み、脂質の代わりに自らが酸化されることで、過酸化脂質の生成および次々に起こる酸化の連鎖反応を防ぎます」と述べました。
ビタミンEは細胞膜に入り込み これは
細胞膜のリン脂質 ヒラヒラ部分(脂肪酸)にビタミンEが存在しているということです。
このことが「膜組織を安定させる」ことにつながります。
さらに「細胞内の情報伝達に影響を与えて」います。
ところが最近になって ,ビタミンEが細胞膜に取り込まれること自体が ,特定の膜領域依存的なシグナル伝達に影響を与えることが明らかになってきた.
引用元
ビタミンEは細胞膜の構造変化を介して細胞内情報伝達を調節するこれがビタミンEのbeyond antioxidant作用の本命の機序か
J-STAGE
細胞内情報伝達とは、具体的にいうとPKCの活性抑制、5-lipoxygenaseの活性抑制、DGKの活性化、NF-κBの核内移行抑制、免疫反応の賦活化などです。
ビタミンEには血流改善、免疫賦活、抗炎症などの働きがあります。これらの働きに「抗酸化」のみならず「細胞膜安定化」「細胞内情報伝達」といった機能も寄与していると考えられます。
他にも、血流促進、免疫賦活、抗炎症、抗血漿板抑制、ホルモン分泌調整など、近年次々と優れた機能性が報告されている。
ビタミンEの3つの機能
これらの作用は、ビタミンEに「抗酸化」「細胞内情報伝達作用」「細胞膜安定化」の3つの機能が備わっているからである。
引用元
ビタミンEの魅力、最新研究~ジャパンライフサイエンスウィーク2017
JAFRA:日本食品機能研究会
ビタミンEのキャッチフレーズ
- 美白、美肌などの美容対策をはじめ、健康維持にも役立つ
- 若返りのビタミン、若々しさの鍵となる成分
- 生活習慣が気になりだした方におすすめ、生活習慣病対策に
- 冷え性、肩こりにお悩みの方に
- 妊活を計画している方や、若い頃の精力を保ちたい方に
ビタミンEの摂取量、不足、過剰
ビタミンEにはホルモンバランスを整える働きがあります。不足すると女性の場合、生理不順になることがあります。
ビタミンEには血行促進する働きがあります。不足すると末梢循環障害によっておこるさまざまな症状(冷え性・肩こり・手足のしびれなど)が生じます。
なので4つある脂溶性ビタミンは過剰症に気をつける必要があります。
ただし脂溶性ビタミンの中では、過剰症を気にする必要はさほどありません。
ビタミンEは体内に蓄積しにくく、過剰症による毒性がないとされているからです。
とはいえサプリメントや薬などで多量にとることは決してしないでください。
ビタミンEの豆知識
そもそもビタミンEはラットの抗不妊因子として発見されました。
別名であるトコフェロールはギリシャ語のtocos「子供を生む」・phero「力を与える、獲得する」・ol(水酸基)に由来しています。
ビタミンE(γ-トコフェロール)にはナトリウム排泄型の利尿作用があります。
ビタミンE同族体の働き
ビタミンEはトコフェロール(α・β・γ・δ)とトコトリエノール(α・β・γ・δ)の8種類の総称のことを言います。
が、このレビューでは【各種を強調したい場合を除き】8つを「ビタミンE」として一括りにして説明してきました。さらにいうと基本、ビタミンE ≒ α-トコフェロールとして説明してきました。
血液中および組織中に存在するビタミンEのほとんどはα-トコフェロールです。生理活性が一番高いのもα-トコフェロールです。
このレビューに限らず、一般的にビタミンE ≒ α-トコフェロールだと思います。
さて、α-トコフェロール以外のビタミンE同族体の中には、α-トコフェロールよりその効力が上とされたり、α-トコフェロールにない(あまりない)働きをもつ ものがあります。
ここで各同族体の働きの有名どころをいくつか紹介します。トコトリエノールはまとめて「トコトリエノール」とします。
- 抗酸化作用
※抗酸化力はトコフェロールの約50倍ある - 赤血球変形能改善作用
- 紫外線障害抑制作用
- コレストロール低下作用
- 血管新生抑制作用
- 抗アレルギー作用
- ナトリウム排泄型利尿作用
- チロシナーゼ活性阻害作用
※ファミルEはビタミンE複合体商品です。
- グルタチオンの産生を促す
- 白色脂肪細胞をベージュ脂肪細胞に分化誘導する
ビタミンEと相性の良い栄養成分
細胞膜で活性酸素を無害化したビタミンEは、抗酸化力を失います。ビタミンCは、失われたビタミンEの抗酸化力を元に再生する働きがあります。
細胞膜で活性酸素を無害化したビタミンEは、抗酸化力を失います。コエンザイムQ10は、失われたビタミンEの抗酸化力を元に再生する働きがあります。
ここで、体内に取り入れられたビタミンE(α-トコフェロール以外)の話をします。下記引用元の「⇙」の話です。
引用元
ビタミンE解説
「健康食品」の安全性・有効性情報 国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所
肝臓に取り込まれたビタミンE(α-トコフェロール以外)はα-TTPと親和性が低いために生体内に蓄積せず胆汁中に放出されてしまうと考えられてました。
最近になって肝臓のシトクロムP450系酵素(CYP4F2など)によってカルボキシエチルヒドロキシクロマン(CEHC)に異化されて尿中に排泄されることが判明しています。
なのでシトクロムP450系酵素を阻害するとビタミンEの他の同族体の体内濃度を高めることになります。
阻害作用をもつ成分としてゴマリグナン≒セサミンが有名です。
ビタミンEのレーダーチャート解説
- 6
このカテゴリーに効果があることで有名。即効性があったり、継続して摂取することで効果を感じる - 5
このカテゴリーに効果があることで有名。継続して摂取することでなんとなく効果を感じる - 4
このカテゴリーに効果があるといわれている。効果が得られることを期待して飲んでいる - 3.5
このカテゴリーに効果があるといわれているが、個人的に摂取目的としていない - 3
このカテゴリーになんらかの効果があるもの - 2
このカテゴリーとはあまり関係ないと思われる - 1
このカテゴリーとは関係ないと思われる
※4以上が摂取目的となっているカテゴリー
ビタミンE総合評価 SS 18
5つのカテゴリーのうち、評価が高い上位3つのカテゴリーを足したものです。「B~SS」でつけています。
SS 18点
S 16点以上
A+ 14点以上
A 12点以上
B+ 10点以上
B 9点以下
髪(薄毛)評価4
ヘアケアの前提は毛髪が生える場所である頭皮のケアです。頭皮にトラブルが起きていると正常な髪が生えなくなります。
頭皮のトラブルの筆頭といえるのが、皮脂が酸化することによって生成される過酸化脂質です。
頭皮の毛穴に過酸化脂質が蓄積すると発毛の妨げとなり、抜け毛を促進させます。
ビタミンEは過酸化脂質の生成を抑制します。
肌(美白)評価6
過酸化脂質の生成を抑制することは美白にとって とても大事になります。
なぜ大事か、次の3点が挙げられます。
- 過脂化メラニンを防ぐ
「過脂化」とは体内に過酸化脂質が蓄積した状態のことをいいます。
過酸化脂質が肌のメラノサイト内に蓄積されると、通常のメラニンとは異なる過脂化メラニン生み出し「より濃く、より長く居座るシミ」を生み出すことになります。
過脂化メラニンを防ぐには、なにより脂質が過酸化脂質に変化するのを防ぐことが重要です。 - カルボニル化を防ぐ
活性酸素が肌に過剰に発生すると肌の脂質が過酸化脂質に変性します。その過酸化脂質が酸化分解されるとアルデヒド(カルボニル化合物)と呼ばれる物質が発生してしまいます。このアルデヒドがたんぱく質と結合することをカルボニル化といいます。カルボニル化により生まれる物質はALEs(終末脂質過酸化産物)と呼ばれます。
肌の真皮にALEsが蓄積すると肌にあるたんぱく質(コラーゲンやエラスチン)そのものが変性し黄色くなります。肌のたんぱく質のカルボニル化は肌の透明感を低下させる大きな原因となります。 - リポフスチンを防ぐ
リポフスチンは生体内色素の1つで、老化色素とも呼ばれます。加齢とともに皮膚に老人斑が現れます。
これはリポフスチンの色素沈着が原因です。
リポフスチンは過酸化脂質とたんぱく質が結びつくことで生成されます。
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ということで過酸化脂質の生成を抑制するビタミンEの摂取は美白につながります。
体型(ダイエット)評価3.5
脂肪細胞は細胞質に糖質や脂質を中性脂肪として蓄える袋(脂肪滴と呼ばれる)をもった細胞です。
緑→ミトコンドリア 赤→核 黄→脂肪滴
脂肪細胞には大きな脂肪滴が1つある白色脂肪細胞と
中小の脂肪滴&ミトコンドリアが多数存在する褐色脂肪細胞の2種類があります。
- 白色脂肪細胞
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余剰となったエネルギーを脂肪として蓄積する& 必要時に血液中に遊離脂肪酸として放出する役割を果たします。 - 褐色脂肪細胞
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白色脂肪細胞から遊離された脂肪酸を取り込み、エネルギーに変換します。
ミトコンドリアは鉄を含んでいます。ミトコンドリアが多くあるため褐色に見えます。
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なお褐色脂肪細胞の作用は、褐色脂肪細胞のミトコンドリア内膜に特異的に存在するUCP-1によるものです。
ミトコンドリアの内膜に存在するたんぱく質です。酸化的リン酸化のエネルギーを生成する前に ミトコンドリア内膜での酸化的リン酸化反応を脱共役させ、エネルギーをATPとしてでなく熱として散逸させることができるたんぱく質です。Uncoupling proteinの頭文字を取ってUCPと略します。
哺乳動物UCPは5種類のアイソフォームが知られています。UCP-1は通常、褐色脂肪細胞のみ発現します。
最近の研究により、第3の脂肪細胞が存在することが明らかになっています。
それがベージュ脂肪細胞と呼ばれるものです。
出典元
第6回 3色の脂肪 予防医学としての食を学ぶ
インターネット公開文化講座
愛知県共済生活協同組合
ベージュ脂肪細胞は、白色脂肪細胞が「褐色化」し(UCP-1が発現し)褐色脂肪細胞と同じようにエネルギー消費能をもつ脂肪細胞のことをいいます。ベージュ脂肪細胞は、常温では白色脂肪細胞ですが、寒冷刺激などにより「褐色化」します。
【褐色脂肪細胞を増やす】または【ベージュ脂肪細胞=(白色脂肪細胞の褐色化)を増やす】ことができれば
・
ため「痩せる」ことになります。
研究によりビタミンEに白色脂肪細胞をベージュ脂肪細胞に分化誘導する力があることが確認されています。
その力はα-トコフェロールよりδ-トコフェロールのほうが強いとされています。
参照
肥満からの生活習慣病発症を抑制する食品成分の探索
最新研究情報
神奈川工科大学
体力(夜のほう)評価6
ビタミンEは副腎、卵巣、睾丸に高濃度で蓄えられています。それら組織を酸化から防ぎ、その構造を安定化させます。また直接ホルモンの代謝にも関与しています。そのため生殖機能の衰えを防ぐ働きがあるとされています。
ビタミンEの抗酸化作用は卵子の質を改善させます。
ビタミンEはホルモンの分泌器官の細胞膜を守りホルモンバランスを整えます。
ビタミンEは子宮の血流を改善し、子宮内膜を厚くする働きをします。
ビタミンEは女性を妊娠しやすい体質に導きます。
◆男性不妊に
男性不妊は精子の数の減少や精子の運動率の低下があげられます。それらの主たる原因は「活性酸素」です。ビタミンEの抗酸化作用は精巣内における活性酸素の除去に有効です。
実際、ビタミンEは男性不妊治療に活用されています。
その他(抗酸化)評価6
体内で最も酸化されやすいのが、細胞膜の不飽和脂肪酸といわれています。
細胞膜が酸化されると過酸化脂質になり、その細胞が障害されます。
それだけなく細胞の中に新たに活性酸素を生み出し、周りの細胞を酸化させ、さらに過酸化脂質を増やすようになります。
これは連鎖的脂質過酸化反応と呼ばれます。
細胞膜を活性酸素の攻撃から守るのがビタミンEです。
細胞膜のリン脂質ヒラヒラ部分(脂肪酸)にビタミンEが存在しているとイメージしてください。
ビタミンEは細胞膜に入り込み、脂質の代わりに自らが酸化されることで、過酸化脂質の生成および次々に起こる酸化の連鎖反応を防ぎます。
ビタミンE+α のサプリ紹介
ビタミンE+α のサプリメントを紹介します。
ビタミンE+ゴマリグナン
ビタミンE 参照一覧
ビタミンE解説 「健康食品」の安全性・有効性情報 国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所
ビタミンE 海外の情報 「統合医療」情報発信サイト 厚生労働省
ビタミンEの働きと1日の摂取量 健康長寿ネット 公益財団法人長寿科学振興財団
5. 1. 3. ビタミンE 厚生労働省
トコフェロール – 食品安全委員会 厚生労働省
ビタミンEとは? 公益社団法人ビタミン・バイオファクター協会
酸化ストレスと抗酸化療法 J-STAGE
活性酸素 ・フリーラジカルに対する 防御システム J-STAGE
ビタミンEの 酸化生成物 J-STAGE
ビタミンEおよびその類縁化合物の抗酸化作用 J-STAGE
研究し尽くされたはずのビタミンE:次々と発見されるエステル体の生理作用とメカニズム J-STAGE
トコトリエノールの代謝とその調節 J-STAGE
ビタミン E とビタミン K の代謝の相互作用 J-STAGE
食品成分相互作用による生体内抗酸化機能の増強効果 J-STAGE
非アルコール性脂肪性肝疾患モデルにおける ビタミンE同族体の予防効果 J-STAGE
ビタミンE の新しい機能と安全性 J-STAGE
ビタミンEの 生理活性 一抗酸化作用を越 えて一 J-STAGE
血管新生 J-STAGE
ビタミン E 特異的輸送タンパク質 α-TTP による 体内ビタミン E レベルの制御 公益社団法人 日本生化学会
ビタミンE 一般社団法人オーソモレキュラー栄養医学研究所
ビタミン E としてのトコトリエノールの研究を先導する 光洋照会
肌とビタミンA・EとコエンザイムQ 公開講座 東邦大学