ビタミンB12
別名 コバラミン
13種類のビタミンの1種
9種類の水溶性ビタミンの1種
ビタミンB12とは
ビタミンB12について
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ビタミンB12は分子内にミネラルのコバルトを含有するためコバラミンとも呼ばれます。ビタミンB12の活性をもつ化合物を総称してコバラミンと言います。
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コバラミンの代表的なものはシアノコバラミン、メチルコバラミン、アデノシルコバラミン、ヒドロキソコバラミン、スルフィトコバラミンの5つです。
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食品中のビタミンB12が体内に入ると胃から分泌される内因子と結合し、小腸の回腸で吸収されます。吸収されたビタミンB12は血液中で輸送たんぱく質トランスコバラミンと結合し、肝臓や末梢組織に運搬されます。
- ビタミンB12は生体内ではメチルコバラミンやアデノシルコバラミンに変換され、補酵素として核酸の合成・たんぱく質の合成・アミノ酸の代謝・脂質の代謝などに関わります。
体内合成について
体内合成 不可
- ビタミンB12は主に肝臓に蓄えられています。その貯蔵量は数年分(3~5年)です。
- ビタミンB12は胃壁の細胞から分泌される内因子と結合し回腸で吸収されます。この内因子と結合できなかったビタミンB12は吸収されずに排泄されてしまいます。そのため手術などにより胃を摘出した場合、吸収できずビタミンB12欠乏症になります(体内に蓄えがあるので術後3~5年で起こります)。
また加齢などにより胃粘膜が萎縮すると吸収率が下がります。
摂取量について
推奨量 2.4μg/日(成人男性) 2.4μg/日(成人女性)
by 食事摂取基準(2015年版)
:巨赤芽球性貧血 :メチルマロン酸尿症 :神経障害 :感覚異常 :その他
不足ぎみ
:貧血がおきやすくなる :疲労を感じる :食欲がへる
:しびれやすくなる :うつ病になりやすくなる :下痢になる
:
取り過ぎ
:
※ビタミンB12の吸収は胃壁の細胞から分泌される内因子によって調節されています(内因子が飽和になるとビタミンB12が吸収されなくなる)。そのためビタミンB12を食品などから過剰に摂取しても排出されます。過剰症の心配はいりません。
ビタミンB12の効果・効能
ビタミンB12の効果・効能 5つ厳選
- 核酸の合成
- 赤血球の合成
- ホモシステインの代謝
- エネルギー代謝
- 脂質の代謝
そのうち3つを詳しく
①核酸の合成
核酸とは、細胞核の中に存在しているDNA(デオキシリボ核酸)と細胞核と細胞質に存在しているRNA(リボ核酸)のことです。DNAは遺伝情報を記録していて、新しい細胞をつくるときに必要な設計図のような役割を果たしています。RNAはDNAの設計図に基づいて、アミノ酸をもとに細胞の構成材料となるたんぱく質をつくる大工のような役割を果たしています。
葉酸の補酵素型であるテトラヒドロ葉酸は核酸の合成に関与しています。
体内において葉酸は次のように代謝(リサイクル)されています。
モノグルタミン酸型葉酸(食品の葉酸)はポリグルタミン酸型に変換されてから、
ポリグルタミン酸型葉酸(サプリの葉酸)はそのままの形で小腸に吸収され
→ジヒドロ葉酸→テトラヒドロ葉酸→5,10-メチレン₋テトラヒドロ葉酸→5-メチルテトラヒドロ葉酸→テトラヒドロ葉酸
この代謝過程のなかで5-メチルテトラヒドロ葉酸→テトラヒドロ葉酸の反応を触媒する酵素はMTR(5-メチルテトラヒドロ葉酸-ホモシステインメチルトランスフェラーゼ=メチオニンシンターゼ)でその補酵素として働くのがビタミンB12です。
ビタミンB12が不足しているとこの代謝がスムーズにいかずテトラヒドロ葉酸の再生成に影響を与えます。すなわち核酸の合成に支障をきたします。
③ホモシステインの代謝
MTRの酵素反応は葉酸の代謝が行われる一方でホモシステインの代謝も行われます(2段階のピンポン機構で行われます)。
ホモシステインの代謝(ホモシステイン→メチオニン)
始めに5-メチルテトラヒドロ葉酸のメチル基がビタミンB12に移されメチルコバラミンが生成されます(5−メチルテトラヒドロ葉酸はリサイクルされテトラヒドロ葉酸に戻されます)。
このメチルコバラミンのメチル基をホモシステインに移しメチオニンを生成します。
つまるところビタミンB12は葉酸と協力して
- 核酸の合成(テトラヒドロ葉酸の再生成)
- ホモシステインの代謝(メチオニンの生成)
に関わります。
④エネルギー代謝
TCA回路はミトコンドリアのマトリックスで進行する代謝経路で、糖質・脂質・たんぱく質が最終的に酸化されるための共通する代謝経路です。
TCA回路ではアセチルCoAがオキサロ酢酸と縮合反応しクエン酸となり、8種類の酸に次々と変化することでアセチルCoAが酸化され二酸化炭素となり、NADH FADH₂を産生します。このNADH FADH₂を電子伝達系の電子伝達体に供与することで酸化的リン酸化が起こりたくさんのATPが生成されます。
クエン酸(=アセチルCoA+オキサロ酢酸)→イソクエン酸→αケトグルタル酸→スクシニルCoA→コハク酸→フマル酸→リンゴ酸→オキサロ酢酸→
※クエン酸は上記の反応をへてオキサロ酢酸に戻ります。オキサロ酢酸は新たなアセチルCoAと反応して再びクエン酸を生じます。
TCA回路の中間体であるスクシニルCoAはプロピオニルCoAからつくることができます。
- バリン、イソロイシン、メチオニン、トレオニンの代謝
- 炭素数が奇数の肪酸酸のβ酸化
によって生成される物質です。
プロピオニルCoA→スクシルCoAの代謝の流れは次です。
※スクシニルCoAはTCA回路に導入されます。
(R)-メチルマロニルCoA→スクシニルCoAの反応を触媒する酵素はメチルマロニルCoAムターゼでその補酵素として機能するのがビタミンB12(アデノルコバラミン)です。
TCA回路の中間体であるスクシニルCoAの生成に関与するビタミンB12は3大栄養素のエネルギー代謝にも貢献しています。
※プロピオニルCoA→(S)-メチルマロニルCoAの反応を触媒する酵素はプロピオニルCoAカルボキシラーゼでその補酵素として機能しているのがビオチンです。
ビタミンB12の働き分析【見た目編】
合計 41.5/60点
薄毛
7点
「薄毛」改善 に関わるビタミンB12の働きは主に次です。
- 毛母細胞の分裂促進
髪は毛母細胞が細胞分裂を繰り返すことで生まれ成長していきます。
新しい細胞を作るとき、つまり細胞分裂に必要な成分が核酸です。
ビタミンB12は葉酸とともに核酸の合成に働きます。ビタミンB12と葉酸をセットで取ることで毛母細胞の細胞分裂を促進させ発毛を促す効果が期待できます。 - 血流改善
髪はヘアサイクルの成長期において次の①~③の流れで生まれ伸びていきます。ヘアサイクル成長期
①毛乳頭に髪に必要な【栄養素+酸素】が届けられる
②必要な【栄養素+酸素】を受け取った毛乳頭細胞は毛母細胞に発毛シグナルをだす
③シグナルを受け取った毛母細胞が活性化され細胞分裂が繰り返し行われる→髪が生まれ成長していく
髪に必要な栄養素+酸素を運搬するのは血液の役割です。その中で酸素の運搬に重要な役割を果たすのは赤血球です。
酸素の運搬
赤血球が全身に酸素を運搬する役割を果たしています。より詳しく言うと赤血球の構成成分ヘモグロビンがこの役割を果たしています。ヘモグロビンには酸素が多いところ(肺)では酸素と結びつき、酸素が少ないところ(各組織)では酸素を離す性質があります。ビタミンB12は葉酸と協力して正常な赤血球を作る働きをします。毛乳頭に酸素を運搬する仕事に貢献することで薄毛・抜け毛の予防につなげます。
白髪
8点
「白髪」予防 に関わるビタミンB12の働きは主に次です。
- メラノサイト活性化
黒髪のもととなるメラニンは頭皮の毛包内にあるメラノサイトでチロシンとチロシナーゼ酵素が結びつくことで生まれます。
そのためメラノサイトを活性化させれば、メラニンが増えツヤのある黒髪をつくることができます。
ビタミンB12は葉酸とともに【細胞の分裂・分化】・【血流改善(赤血球の合成)】に関与しておりメラノサイトを活性化させる働きをします。ビタミンB12は葉酸と協力して働くため白髪対策には両方とも大切と考えられます。ただどっちらがより白髪予防になるかといわれるとビタミンB12だといえます。
ビタミンB12は髪の「ツヤ」により関わって、ビタミンB12不足が白髪に直接つながるとされているからです。
白髪改善に力をいれている方はビタミンB12の摂取に重点を置くことを勧めます(ビタミンB12と葉酸 両方とるのがベストです)。
美肌
7点
「美肌」作り に関わるビタミンB12の働きは主に次です。
- 繊維芽細胞の活性
葉酸とともにDNA合成の働きに関わるビタミンB12は細胞分裂に深く関与しています。この2つの成分を体内に取り入れることで細胞の活性化につながります。
例えば肌の真皮においては、繊維芽細胞の細胞分裂を活発させます。
※真皮層を拡大したイラストです。ひし形の〇点が繊維芽細胞。※すべてのひし形にあります。線維芽細胞はコラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸といった美肌成分を作り出します。そのため線維芽細胞を活性させることは肌の美しさを保つことにつながります。
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肌のターンオーバーを促進
ビタミンB12は葉酸とともに細胞が生まれ変わるのを手助けする成分です。肌の表皮に関していうと表皮細胞の新陳代謝(=肌のターンオーバー)を促進する働きをします。
美白
7点
「美白」ケア に関わるビタミンB12の働きは主に次です。
- 肌のターンオーバーを正常化
シミ・くすみのもとメラニンは肌のターンオーバーとともに排出されます。ターンオーバーが乱れるとメラニン排出がスムーズにいかなくなりシミ・くすみの増加につながります。
ビタミンB12は葉酸とともに肌のターンオーバーを正常化させる働きをします。
筋肉
6.5点
「筋肉」増強 に関わるビタミンB12の働きは主に次です。
- たんぱく質の合成
筋肉はたんぱく質でできています。たんぱく質の合成には核酸が働きます。核酸とは、細胞核の中に存在しているDNA(デオキシリボ核酸)と細胞核と細胞質に存在しているRNA(リボ核酸)のことです。DNAは遺伝情報を記録していて、新しい細胞をつくるときに必要な設計図のような役割を果たしています。RNAはDNAの設計図に基づいて、アミノ酸をもとに細胞の構成材料となるたんぱく質をつくる大工のような役割を果たしています。
核酸の合成には葉酸の補酵素型【テトラヒドロ葉酸】が必要となります。ビタミンB12は葉酸の代謝においてテトラヒドロ葉酸の再生成に働く酵素の補酵素として機能しています。
脂肪
6.5点
「脂肪」減少 に関わるビタミンB12の働きは主に次です。
- 糖質・脂質の代謝促進
糖質・脂質の代謝がスムーズに行わなれないことは肥満につながります。代謝しきれなかったブドウ糖や脂肪酸は中性脂肪に合成されるからです。糖質・脂質を酸化させるための最終的な代謝経路はTCA回路です。このTCA回路をスムーズに回転(代謝)させることで糖質・脂質が燃焼されていきます。
TCA回路は8種類の酸に次々と変化しながら回転(代謝)し再びオキサロ酢酸に戻る回路状の反応系です。
代謝順
アセチルCoA+オキサロ酢酸→クエン酸→イソクエン酸→αケトグルタル酸→スクシニルCoA→コハク酸→フマル酸→リンゴ酸→オキサロ酢酸→
※オキサロ酢酸は新たなアセチルCoAと反応して再びクエン酸を生じます。
この回路の中間体であるスクシニルCoAは【分岐酸アミノの代謝・奇数鎖脂肪酸のβ酸化】の代謝物プロピオニルCoAからつくることができます。生成されたスクシニルCoAはTCA回路に導入されます。
プロピオニルCoA→スクシニルCoAの変換に働く酵素がメチルマロニルCoAムターゼでその捕因子がビタミンB12です。
ビタミンB12はTCA回路の中間体であるスクシニルCoAに生成に関わることで糖質・脂質の代謝を円滑にすすめていきます。
ビタミンB12の働き分析【中身編】
合計 47/60点
身体
8点
「身体」の構成材料 に関わるビタミンB12の働きは主に次です。
- たんぱく質の合成
人間の体はたんぱく質でできています。たんぱく質の合成には核酸の働きや構成材料のアミノ酸が必須です。ビタミンB12は核酸の合成・アミノ酸の代謝に関与しているため「体」たんぱく質を作るためには欠くことのできない成分です。
エネ
7.5点
「エネルギー」生成 に関わるビタミンB12の働きは主に次です。
- 分岐鎖アミノ酸のエネルギー代謝
ビタミンB12はバリンやイソロイシンといった分岐鎖アミノ酸からエネルギーを生み出す際に補酵素として機能しています。
病気
7.5点
「病気」予防 に関わるビタミンB12の働きは主に次です。
- 動脈硬化予防
血中のホモシステインは心血管疾患の危険因子とされています。ホモシステインは酸素と結びつき活性酸素を発生させLDLを酸化させてしまうからです。LDLが酸化されると動脈硬化を進行させてしまいます。ホモシステイン→メチオニンの変換を触媒する酵素はメチオニン合成酵素です。その補酵素としてビタミンB12は機能しています。
メチオニンの合成反応は葉酸(5-メチルテトラヒドロ葉酸)をメチル供与体として行われます。ビタミンB12は葉酸と協力してホモシステインの蓄積を防ぎます。 - エピジェネティクス
エピジェネティクスとは「DNAの塩基配列の変化を起こさないで、クロマチン構造の変化により遺伝子発現を制御する」仕組みです。
この仕組みの中心的な役割をはたしているのが「DNAメチル化」と「ヒストン修飾」です。これらによって遺伝子のスイッチがオン/オフが行われ、それにより遺伝子の発現が制御されています。なおエピジェネティクスは特定の種類の細胞に分化すると、細胞分裂後も継承されます。エピジェネティクスの制御機構が破綻するとさまざまな疾患(生活習慣病・がんなど)を引きおこすとされています。逆をいうと生涯を通じて正常に行われば、健康的に生きることができると考えられます。
エピジェネティクスと病気 (遺伝子医学mook) [ 中尾光善 ]
なぜ、食と体を整えれば、前向きになれるのか? エピジェネティクスを利用したアンチエイジング
DNAのメチル化
例えば「DNAのメチル化」が異常を起こすとがん抑制遺伝子が働かなくなり、発がんを促します。DNAのメチル化はメチル基供与体である「SAMe」のメチル基がDNAメチルトランスフェラーゼの働きによりDNAのシトシンに転移されることで起こります。
DNA(デオキシリボ核酸)4種の塩基【アデニン(A)・チミン(T)・グアニン(G)・シトシン(C)】が並んだ繊維状の高分子を言います。この配列によって遺伝子が決定されます。この遺伝情報をRNA(リボ核酸)にコピーして、RNAがその情報をもとに特定のたんぱく質を生成します。
DNAのメチル化の異常の要因の一つはメチル基の供給源であるSAMeの不足です。なのでSAMe生成に関わる成分=メチオニン代謝に関わる成分の 摂取or欠乏 が 健康or疾患 につながると考えられます。
その成分というのがは葉酸、ビタミンB12、ビタミンB6、そしてベタインです。DNAメチル化と遺伝子発現制御のしくみを探る【電子書籍】[ 太田亨、新川詔夫 ]
参照
この人に聞く「生命に関わる仕事っておもしろいですか?」第7回
公益財団法人 テルモ生命科学振興財団 HPよりエピジェネティクス
国立研究開発法人 国立環境研究所 HPより
体質
7.5点
「体質」改善 に関わるビタミンB12の働きは主に次です。
- 貧血
赤血球は骨髄にある造血幹細胞をもとに作られています。造血幹細胞は活発に細胞分裂が行われています。細胞の分裂・分化に関わるビタミンB12および葉酸が不足すると、造血幹細胞→赤血球の分化過程の細胞【赤芽球】が異常に産生され正常な赤血球に成長しなくなります。
これ(正常な赤血球が減る)により発症する貧血を巨赤芽球性貧血といいます。
ビタミンB12または葉酸が不足がすると巨赤芽球性貧血が発症しますが、葉酸よりビタミンB12の不足によって発症するほうが頻度が高いとされています。 - 冷え性
冷え性の主たる原因は血行不良です。貧血などによりは血流が悪くなり冷えを引き起こします。貧血を予防するビタミンB12は冷え性対策にもなります。 - 口内炎
ビタミンB12は細胞分裂が活発に行われる場所で必要な成分です。口の中の粘膜細胞は細胞分裂が盛んに行われています。 - 視力
ビタミンB12は視神経の活動を手助けする働きをし、視力低下を防ぎます。そのためよく目薬に配合されています。色が赤い目薬がありますが、それはビタミンB12が配合されているからです。ビタミンB12には【赤色の色素をもつコバルト】が含まれています。 - 不眠症
ビタミンB12は睡眠のリズムを整える作用があります。それはメラトニンの分泌量を調整する働きがあるからです。メラトニンメラトニンは脳の松果体から分泌される体内時計を調節するホルモンです。
睡眠・覚醒のリズムを整え、自然な眠りを促す働きをします。
精力
8点
「精力」増強&「性機能」向上 に関わるビタミンB12の働きは主に次です。
- 造精機能を促進
男性不妊の主たる原因は造精機能障害です。造精機能障害とは精子を作る機能自体に問題があることで、大きく3種類にわけることができます。①無精子症
閉寒性無精子症・・・精液の中に精子が見当たらない
非閉寒性無精子症・・精巣の異常により精子が上手く作られない②乏精子症
精液の中の精子の数が少ない③精子無力症
精子の数は正常だが精子の運動率が低い
ビタミンB12には造精機能を促進する働きがあります。上記のうち精子の運動率を向上させる効果が期待できます。
- 生殖器の細胞分裂
細胞分裂が特に活発に行われる体の部位として生殖器があげられます。細胞分裂を促進するビタミンB12は生殖器にとっても重要な栄養素です。
健脳
8.5点
「脳」の健康 に関わるビタミンB12の働きは主に次です。
- 神経機能維持
ビタミンB12は神経組織のミエリン鞘の形成や神経伝達物質の合成に関与しています。中枢神経や末梢神経の機能を維持する働きをします。 - 記憶力
上記①の神経伝達物質とはアセチルコリンです。アセチルコリンは記憶、学習、認知能力に関わる神経伝達物質です。
アセチルコリンはコリンとアセチルCoAを基質としてアセチルコリン合成酵素の働きにより作られます。ビタミンB12はアセチルコリン合成酵素を活性化させる働きがあります。
そのためコリンの供給源であるレシチン(特に卵黄レシチン)とビタミンB12を併用することで記憶力の向上が期待できます。 - 認知症
血液中のホモシステイン濃度が高まると認知症のリスクが高まります。ホモシステインが動脈硬化を引き起こし、その結果脳の血管がつまり脳の細胞に酸素や栄養素が届かなくなることで認知症が発症します。ビタミンB12は葉酸とともにホモシステインからメチオニンの代謝を促します。
ビタミンB12のサプリメント分析
合計 15.5/20点
継続(価格は安いか) 5点
手軽(購入ルートは多いか)4.5点
選択(品揃えは豊富か)4点
貴重(食品から取りづらいor不足しやすいか)2点
- 継続
100日分は1200円前後で購入可能です。1カ月換算すると400円以下で済みます。 - 手軽
店舗・ネットで購入可能です。ただし国内ではビタミンB群としてあるいは葉酸サプリ、ヘム鉄サプリの配合成分としての販売がほとんどです。ビタミンB12単体サプリとしての販売は多くはありません。 - 選択
某ECサイトで「ビタミンB12 サプリメント」検索すると約4万件ヒットします。ですが、そのほとんどはビタミンB12が含有されている商品としてです。単体サプリでのヒット件数は多くはありません。 - 貴重
ビタミンB12は動物性食品に広く含まれています。また腸内細菌により合成することができます。そして数年分の量を貯蔵することも可能です。なので一般的には不足することはありません。
ただし植物性食品にはほとんど含まれていないことから菜食主義者やダイエットなどで野菜しか食べない人は不足する可能性があります。該当する方はサプリからの補充も考える必要があります。
愛用品&おすすめ品
これすごくお勧めできます。なぜなら美味しいからです。舌で溶かして摂取するトローチタイプなんですが、チェリー風味でとにかく美味しいです(個人の意見です)。おやつ感覚で取り入れています。
ビタミンB12との組み合わせ
ビタミンB12と相性の良い成分 7つ厳選
- 葉酸
- ビタミンB6
- 鉄
- BCAA
- レシチン
- 亜鉛
そのうち2つをPICK UP
①葉酸
葉酸とビタミンB12は基本的に併用して摂取してください。ビタミンB12は葉酸の代謝において葉酸の補酵素型テトラヒドロ葉酸の再生成に必要となるからです。核酸の合成・たんぱく質の合成・赤血球の合成(by核酸の合成)・ホモシステインの代謝の働きは葉酸とビタミンB12が協力することで得られる働きです。
④レシチン
記憶を司る神経伝達物質アセチルコリンはコリンとアセチルCoAを材料にアセチルコリン合成酵素の働きにより作られます。
ビタミンB12はアセチルコリン合成酵素を活性化させる働きがあります。なのでレシチン(コリンの供給源)と併用することで記憶力アップになります。
なおレシチンを取る場合は原料が卵黄のものを選択してください。レシチンには原料が大豆と卵黄の2種類ありますが、ホスファチジルコリンが含まれている率が大きく異なります。大豆レシチンは約20~30%で卵黄レシチンは約70~80%です。
コリンは食品中ではホスファチジルコリンやスフィンゴミエリンの形で存在しています。
ホスファチジルコリン
=ホスファチジン酸(グリセリン1分子+脂肪酸2分子+リン酸1分子) +塩基(コリン)
スフィンゴミエリン
=セラミド(スフィンゴシン+脂肪酸)+リン酸 +塩基(コリン)
レシチンはホスファチジルコリンのことを言いますが、正確にいうとホスファチジルコリンが含まれたリン脂質混合物を総称したもののことです。
大豆レシチンの成分の構成の一例
- ホスファチジルコリン 20%
- ホスファチジルエタノールアミン 15%
- ホスファチジルイノシトール 20%
- ホスファチジン酸 5%
- その他 40%
卵黄レシチンの場合はホスファチジルコリンの比率が大幅に増えます。
ビタミンB12のまとめ
ビタミンB12 評価
総合評価 S 104点
分析【見た目編】41.5点
分析【中身編】47点
分析【サプリ】15.5点
以上をもとに→ビタミンB12について勝手に語る