アスタキサンチン
カロテノイドの1種
キサントフィル類の1種
アスタキサンチンとは
カロテノイドの1種
アスタキサンチンはサケ、エビ、カニなどに多く含まれる赤色の天然色素のことを言います。
自然界に広く存在するカロテノイド(キサントフィル類)の1種です。
カロテノイド
カロテノイドはファイトケミカルです。野菜・果物・動物などに含まれる黄・赤・オレンジなどの色素成分の総称のことをいいます。
ファイトケミカルは大別すると5種類にわけられます。ポリフェノール・カロテノイド・含硫化合物・テルペン類・その他(サポニン)の5つです。
キサントフィル類
カロテノイドは大きくカロテン類とキサントフィル類に分けることができます。
カロテノイドは化学式C40H56の基本構造を持つ化合物の誘導体で、カロテン類とキサントフィル類は分子構造が異なります。
カロテノイドのうち炭素と水素のみでできているものはカロテン類、それ以外のものを含むものはキサントフィル類です。
出典元
PapriX
商品紹介 ファインケミカル
江崎グリコ(株)
カロテノイドは750種類以上あります。そのうち約50種類がカロテン類、約700種類がキサントフィル類です。
食物連鎖を通じて
アスタキサンチンはサケ、エビ、カニなどに多く含まれます。
ですが、これら魚類・甲殻類が作り出だす成分ではありません。
海洋性細菌・酵母・藻類などによって作られたアスタキサンチンを食物連鎖を通じて体内に取り込んだものです。
取り込んだ結果、魚類・甲殻類の筋肉や体表や卵が赤色となります。
エビ・カニは、アスタキサンチンを含むオキアミを餌にしています。
そして殻にアスタキサンチンを蓄積します。
だから加熱調理した殻は赤色をしています。
調理前の、エビやカニの殻は褐色です。
それは、殻に含まれるアスタキサンチンが、たんぱく質と結合した状態で存在しているためです。
加熱をすると赤色に変わります。
それは、たんぱく質と結合していたアスタキサンチンが加熱によりその結合が切れる【=アスタキサンチン本来の赤色となる】ためです。
サケとアスタキサンチンの関係
サケはもともとは白身魚です。サケもアスタキサンチンを含むオキアミを餌にします。そして筋肉にアスタキサンチンを蓄積しています。それにより身をサーモンピンクに染めています。
サケは産卵のために【激流&長旅に耐えながら】川を遡上します。この厳しい環境からサケを守っているのが筋肉に蓄えられたアスタキサンチンです。
アスタキサンチンには「抗酸化」や「抗疲労」の働きがあります。この働きのおかげで、サケは産卵場所にたどりつけます。
アスタキサンチンの一部は卵であるイクラにも受け継がれます。
このアスタキサンチンはイクラのDNAを紫外線から守る役割を果たします。なので、アスタキサンチンの量が少ないとイクラは孵化できません。
ヘマトコッカスがアスタキサンチンのもと
植物・藻類の中で、アスタキサンチンはヘマトコッカスを含む一部の緑藻類のみしか作ることができません。ここでは「アスタキサンチンのもとはヘマトコッカス」と捉えてください。
一般的な アスタキサンチンの食物連鎖の流れは以下です。
①ヘマトコッカス→②オキアミ→③サケ・エビ・カニ
- アスタキサンチンはヘマトコッカスに存在します。
- それをオキアミが食べます。
- サケ、エビ、カニはオキアミを餌にします。サケ、エビ、カニの体にアスタキサンチンが吸収されます。
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アスタキサンチンを豊富に含んでいるのがヘマトコッカスで、それが食物連鎖により受け継がれていきます。
ヘマトコッカスがアスタキサンチンを作り、それをオキアミが食べ、そのオキアミをサケ、エビ、カニが食べることで、(アスタキサンチンを体内に取り込み)身を赤くします。
我々ヒトは海産物を食べることでアスタキサンチンを体内に取り入れることができます。
ヘマトコッカスは淡水産の単細胞微細藻類です。
ヘマトコッカスは普段は緑色をしています。
出典元
細胞を丸ごと一個3Dに
ニュース
東京大学大学院新領域創成科学研究科
ストレス条件下(紫外線や飢餓状態)、細胞内で自己防御のためにアスタキサンチンを作ります。アスタキサンチンが蓄積されると赤色に変わります=休眠状態になります。環境が良好になると再び緑色に戻ります。
ということで、ストレスからヘマトコッカスを守っているのがアスタキサンチンです。
どのように守っているのかというと強力な「抗酸化作用」によりです。
どれくらい強力かは、次の効果・効能欄で説明します。
アスタキサンチンの効果・効能
アスタキサンチンの効果・効能 5つ厳選
- 抗酸化作用
- 脂質過酸化抑制作用
- 抗炎症作用
- IGF-1を増やす
- アディポネクチンを増やす
そのうち2つを詳しく
①抗酸化作用
アスタキサンチンは活性酸素を除去する強い抗酸化作用をもっています。一部では「自然界最強の抗酸化成分」と呼ばれています。
アスタキサンチンが自然界最強の抗酸化成分と呼ばれるのは、次の【アスタキサンチンの抗酸化作用の4つ特徴】からだと思われます。
- 一重項酸素に対する強力な消去能
- 抗酸化作用を発揮するエリアが広い
- プロオキシダントになりにくい
- 脳&目に対する抗酸化作用
一重項酸素に対する強力な消去能
通常の酸素分子は基底状態で三重項酸素と呼ばれています。
一重項酸素は「基底状態の三重項酸素分子がエネルギーを受け取ることで、一重項状態に励起された酸素分子」のことです。
一重項酸素の電子そのものは、一応すべてペアになっています。なので不対電子を持っていません=フリーラジカルではありません。
出典元
医学部 TOPICS_4
トマト大学
カゴメ(株)
ですが、片側に空の軌道がありそこに電子を強く求めます。そのため非常に強い酸化力を持っています。
一重項酸素は【比較的 寿命は短いのですが、反応性が非常に高く】接触した不飽和脂肪酸の二重結合に直接作用して過酸化脂質を生成します。
カロテノイドには一重項酸素を消去する力があります。
カロテノイドは
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アスタキサンチンはカロテノイドの中で、一重項酸素に対する消去能が最も強いとされています。
数ある抗酸化物質の中でNo.1を誇ります。
その理由を説明します。
カロテノイドは「長鎖の共役系二重結合をもつ一群の色素の総称」のことをいいます。
その構造は「中央にある9個の共役二重結合からなるポリエン鎖とその両端に付くエンドグループ(末端基)」により構成されています。
ポリエン鎖の長さとエンドグループの組み合わせにより、種類や性質が決まります。
出典元
野菜・果物に多い天然色素(カロテノイド)は 飲酒と喫煙の毒消しに役立つか?!
独立行政法人農畜産業振興機構
カロテノイドが有意な一重項酸素の消去活性を示すには9個以上の共役二重結合が必要となります。
【9個以上の共役二重結合をもつ】カロテノイドが一重項酸素のエネルギーを吸収して、酸素分子を基底状態(三重項状態)に戻すことによって一重項酸素は消去されます。
生体におけるカロテノイドの大きな 抗酸化能のひとつは一重項酸素の消去である。一重項酸素から励起エネルギーを受け取り、酸素を安定な基底状態の三重項状態に戻すとともに、カロテノイドが受け取ったエ ネルギーはポリエン(共役二重結合)の振動によって熱として放出して消去している。優位な一重項酸素の消去活性を示すには、9個以上の共役二重結合を持つことが必要である。
引用元
老化に関連する活性酸素の消去の最近の進展
J-STAGE
先ほどから9個以上の「以上」を赤で強調していますが、カロテノイドの一重項酸素消去活性は、共役二重結合の数に影響されます。
つまるところ、9個より多ければ、多いほど一重項酸素消去活性が強いということになります。
カロテノイドの中には9個より多く共役二重結合を持つ物質が存在します。
例えば、β-カロテンは9個より2個多い11個の共役二重結合を持ちます。
β-カロテンの構造式は次です。
出典元
カロテノイド
ウィキペディア
β-カロテンはエンドグループ(末端基)に2個の共役二重結合をもちます。中央にある9個と合わせると11個となります。
11個あるのでβ-カロテンは一重項酸素に対して強力な消去能を有します。
アスタキサンチンはβ-カロテンを上回る13個の共役二重結合を有します。これはカロテノイドの中で、最も多い数です。
アスタキサンチンの構造式はこちらです。
アスタキサンチンは両端の環にカルボニル基(=O)とヒドロキシル基(-OH)を有する構造をしています。
カロテノイドは長いポリエン鎖(共役二重結合部分)により一重項酸素を消去します。
アスタキサンチンはエンドグループのカルボニル基がポリエン鎖と共役することで、より強力な一重項酸素消去活性を示します。
例えばアスタキサンチンでは,エンドグループのカルボニル基がポリエン鎖と共役することで強力な抗酸化活性を示す
引用元
パプリカカロテノイドの血中動態と抗酸化機構の解析
J-STAGE
13個の共役二重結合を有するアスタキサンチンの一重項酸素に対する抗酸化力はβカロテンの約5倍、α-リポ酸の75倍、ビタミンEの550倍、カテキンの560倍、コエンザイムQ10の800倍、ビタミンCの6000倍といわれています。
出典元
アスタキサンチンってなんだろう?
アスタキサンチンLAB
アスタリール(株)
一重項酸素の消去能に関してはリコピンのほうが上の説もあります。詳しくはこちら→リコピン 一重項酸素消去能
抗酸化作用を発揮するエリアが広い
抗酸化物質は通常は水溶性あるいは脂溶性のどちらかです。
例えば、ビタミンCやカテキンは水溶性で細胞質基質や血漿中で抗酸化作用を発揮します。
例えば、ビタミンEやβ-カロテンは脂溶性で細胞膜(主に脂質で構成されている)で抗酸化作用を発揮します。
このイラストでいうと、
細胞質(肌色部分)と細胞外(空白部分)で働いているのが水溶性抗酸化物質で、
細胞膜(オレンジのライン)で働いているのが脂溶性抗酸化物質です。
脂溶性であるアスタキサンチンは、ビタミンEやβ-カロテンとともに細胞膜を活性酸素の攻撃から守っています。
アスタキサンチンはこの2つに比べて、その防御範囲が広い特徴をもちます。
細胞膜にクローズアップします。
細胞膜はリン脂質【丸〇とその下に2つついているヒラヒラ】の列を一層として、2層が重なっている構造をしています。
この構造を脂質二重層といいます。
頭部〇=親水性が細胞内外つまり水の部分に接する部分に位置しています。
そして尾部ヒラヒラ=疎水性は内側に入っていき、水から遠ざかるような場所で接しています。
ビタミンEとβカロテンは、細胞膜のうち疎水性の部分のみでしか働くことができません。
ビタミンEは細胞膜の内膜(2層のヒラヒラ部分)で、β-カロテンは中心部(2層のヒラヒラ部分の隙間)で抗酸化作用を発揮します。
出典元
アスタキサンチンってなんだろう?
アスタキサンチンLAB
アスタリール(株)
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アスタキサンチンは細胞膜を貫通する形で存在し、細胞膜全体(〇部分も含む)で働くことができます。
2つと異なり、アスタキサンチンは表面部分までカバーしています。
膜全体で抗酸化力を発揮する=抗酸化力を発揮するエリアが広いことから、他の脂溶性抗酸化物質よりも優れているといえます。
プロオキシダントになりにくい
プロオキシダントとは抗酸化物質がもっている副作用のことと考えてください。
抗酸化物質は細胞が酸化される代わりに自らが酸化されることで活性酸素を除去しています。
プロオキシダントは抗酸化物質自体が、濃度や環境などによって抗酸化物質として機能せず、
逆にラジカルとなり酸化を促進してしまう作用をもってしまうことをいいます。
酸化促進剤とも呼ばれます。
例えば ビタミンC。
体内に、ビタミンCが必要以上に存在し、鉄などの金属イオンが過剰に存在する場合、ビタミンCはビタミンCラジカルとなって酸化を促進することがあります。
ようは「ビタミンCは金属イオン存在下で、酸化促進作用を示すことがある」です。
カロテノイドも高酸素分圧下おいて、プロオキシダントとして作用することがあります。
カロテノイド類で見ると,低酸素分圧下では,カロテノイドはカロテン類もキサントフィル類もともに強い活性を示すが,前者は,高酸素分圧下では,抗酸化物質としてよりもむしろプロオキシダントとして機能する。
引用元
緑藻ヘマトコッカスによるアスタキサンチンの生産とその利用
J-STAGE
同じカロテノイドでもキサントフィル類は、高酸素分圧下でも抗酸化物質と機能します。
キサントフィル類はカロテン類よりプロオキシダントになりにくいとされ、中でもアスタキサンチンが最もなりにくいとされています。
以上のように,複数のグループの報告から,アスタキサンチンは生体膜環境において,非常に強い抗酸化活性を有しつつ,さらに,自身のプロオキシダント活性は低いという,生体にとって非常に都合のよい抗酸化物質であると考えられる。
引用元
緑藻ヘマトコッカスによるアスタキサンチンの生産とその利用
J-STAGE
アスタキサンチンに関しては、基本 プロオキシダントのことを心配する必要はない と言えます。
脳&目に対する抗酸化作用
脳には血液脳関門と呼ばれるものがあります。血液脳関門とは、脳毛細血管の内皮細胞同士の密着結合により形成されているバリア機能のことです。
血液脳関門は脳に有害な物質を通さないために、その物質が脳に必要なものかを判別している「関所」とよく例えられます。
目には血液網膜関門と呼ばれるものがあります。
血液網膜関門は循環血液と網膜神経組織の間に存在するバリア機能のことです。血液脳関門どうように目に必要なものか判別する関所のような役割を果たしています。
ほとんどの抗酸化物質はこの2つの関門を通過できません。
アスタキサンチンは通過できる数少ない抗酸化物質の1つです。脳や目で抗酸化作用を発揮できるので【脳血栓や脳梗塞などの脳血管疾患】や【黄斑変性症や白内障などの眼病】に対する予防効果があります。
以上、【アスタキサンチンの抗酸化作用の4つ特徴】です。
- 一重項酸素に対する強力な消去能
- 抗酸化作用を発揮するエリアが広い
- プロオキシダントになりにくい
- 脳&目に対する抗酸化作用
さて、アスタキサンチンの抗酸化作用に続きがあります。
アスタキサンチンの抗酸化作用の特徴を4つではなく、5つにしてもまとめて説明しても良かったのですが、とても重要なので分けて説明します。
②脂質過酸化抑制作用
細胞の周りを覆っている細胞膜はリン脂質を主成分とした脂質を中心に構成されています。
その基本構造はリン脂質が二層に並ぶリン脂質二重層となっています。
細胞膜にクローズアップしたイラストです。真ん中の隙間をわけて【〇とその下2本の線】が付いたのがリン脂質です。このように2つの層で構成されています。なお白い物体はたんぱく質です(ここでは、特に気にしないでください)。
リン脂質は飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸で構成されています。不飽和脂肪酸は非常に酸化されやすい脂質で、活性酸素の攻撃を受けると過酸化脂質に変わってしまいます。
細胞膜が過酸化脂質に変性すると、その細胞が障害されます。
それだけなく細胞の中に新たに活性酸素を生み出し、周りの細胞を酸化させ、さらに過酸化脂質を増やすようになります。
これは連鎖的脂質過酸化反応と呼ばれます。
連鎖的脂質過酸化反応
- 脂質(LH)が活性酸素の攻撃を受けると脂質ラジカル(L・)になります。
- 脂質ラジカル(L・)が酸素(O₂)と反応すると脂質ペルオキシラジカル(LOO・)になります。
- 脂質ペルオキシルラジカル(LOO・)は、他の脂質(LH)と反応して水素を引き抜きます。
- すると自らは脂質ヒドペルオキシド(過酸化脂質:LOOH)となります。それと同時に、新たに脂質ラジカル(L・)を生成します。
- この脂質ラジカル(L・)がまた 酸素(O₂)と反応します。
すると再び②~④の流れを繰り返します。
→この脂質ラジカル(L・)がまた 酸素(O₂)と反応し・・・といった感じ連鎖的に繰り返していきます。
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カロテノイドには連鎖的脂質過酸化反応が引き起こす脂質ヒドペルオキシド(過酸化脂質:LOOH)の生成を抑制する働きがあるとされています。
ただし、カロテノイドのうち、基本 キサントフィル類にその働きがあると考えてください。
キサントフィル類は分子の末端に水酸基などの極性基を分子の中央部には疎水性のポリエン構造を持つので細胞膜内を貫通する形で存在する事ができる。このためキサントフィル類は細胞膜やミトコンドリア膜などの膜脂質の過酸化を防ぐ事ができると考えられる。
引用元
カロテノイドの多様な生理作用
一般社団法人 生産開発科学研究所
数あるキサントフィル類の中でもアスタキサンチンの脂質過酸化抑制作用は非常に強いとされています。
動物実験にて、その効果はビタミンE(α-トコフェノール)の約1000倍との報告がなされています。
ビタミンEといえば脂溶性抗酸化物質の代表といっても過言ではありません。
そのビタミンEと比較してアスタキサンチンは
- 一重項酸素を消去する力は約550倍
- 脂質過酸化を抑制する力は約1000倍
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あるとされます。
また、生体膜の構成脂肪酸の脂質過酸化抑制に関してはビタミンEの約1000倍、 そして一重項酸素消去についてはビタミンEの約550倍、β-カ ロテンの約40倍、さらにはビタミンCの約6000倍、CoQ10の約800倍、カテキンの約560倍、α-リポ酸の約75倍といった報告もある。
引用元
酸化ストレスと抗酸化療法
J-STAGE
この数値より、「自然界最強の抗酸化成分」という異名は決して大げさではないとお分かりいただけると思います。
アスタキサンチンの働き分析【見た目編】
合計 50/60点薄毛
8点
「薄毛」改善 に関するアスタキサンチンの働きは主に次です。
- 抗酸化作用
頭皮は紫外線を一番受けやすい場所です。
紫外線を浴びることにより頭皮に活性酸素が発生します。活性酸素は毛母細胞を傷つけその働きを弱めます。また皮脂を酸化させ、頭皮を硬化させます。紫外線より生じる活性酸素は主に「一重項酸素」です。なので一重項酸素を除去する抗酸化物質をとることは薄毛予防になります。アスタキサンチンには一重項酸素に対する消去能があります。
- IGF-1
髪は、生まれ、成長し、抜けて、また生まれといった「ヘアサイクル」を繰り返しています。
成長期(約2年~6年)→退行期(約2週間)→休止期(約3カ月)→【脱毛】→再び成長期ヘアサイクルの成長期では毛母細胞が細胞分裂を繰り返し、成長していきます。
なので、毛母細胞を活性させることはヘアサイクルの成長期の期間が延長される&退行期・休止期の期間が短縮されるにつながります。IGF-1は【成長期の延長&退行期・休止期の短縮】効果をもたらします。なぜならIGF-1が毛母細胞に作用すると、毛母細胞が活性化するからです。
IGF-1成長因子とは特定の細胞の分化・増殖を司るたんぱく質の総称のことです。IGF-1とは、構造がインスリンに極めて似ている成長因子です。細胞にある受容体に結合することでその細胞の働きを活性化させます。髪(頭皮)においては髪の毛母細胞の受容体にIGF-1が結合すると毛母細胞の働きが活性されます。
ようは、IGF-1を増やせば、抜け毛が減るです。
リンク
IGF-1を増やす方法は「成長ホルモンの分泌を促す」or「知覚神経を刺激する」の2つです。
アスタキサンチンには後者の「知覚神経を刺激する」作用があります。
赤の濃さに比例して効果増?紅鮭で薄毛予防のススメ
All About メンズスタイル (株)オールアバウト
アスタキサンチンが育毛・増毛の助けに!
Peachy ライブドアニュース LINE(株)
白髪
8点
「白髪」予防 に関するアスタキサンチンの働きは主に次です。
- 抗酸化作用
メラニンは頭皮の毛包内にある色素細胞(メラノサイト)でチロシンとチロシナーゼ酵素が結びつくことで生まれます。
色素細胞は毛母細胞の隣に存在しています。
色素細胞は、少し離れた色素幹細胞から作られています。色素幹細胞はバルジ領域(皮脂腺の下あたりに存在)と呼ばれる場所に存在します。色素幹細胞が作り出した色素細胞が毛母に届くと、そこでチロシンとチロシナーゼをもとにメラニンが作られます。
そして、隣にある毛母細胞が細胞分裂する際【=髪を作る過程】に、メラニンが髪に取り込まれ、黒髪になります。
なので、色素細胞および色素幹細胞がダメージを受けると白髪の増加につながります。どちらがより大事かといえば、色素幹細胞です。
というのも色素細胞がダメージを受けても、色素幹細胞に問題がなければ新たな色素細胞が供給されるからです。色素幹細胞にダメージを与えるものの1つは、紫外線より生じる活性酸素「一重項酸素」です。
アスタキサンチンには一重項酸素を除去する力があります。 - 血流改善作用
メラサイトにチロシンを届けるのは血液の役割です。なので血流が悪くなるとチロシンの供給が滞り、メラノサイトの機能低下による白髪が生じます。
アスタキサンチンには血流を改善させる働きがあります。 - IGF-1
髪の黒色のもととなるメラニンはメラノサイトで作られています。
毛母細胞が細胞分裂して髪が作られる過程で、メラノサイトで生成されたメラニンが毛母細胞に受け渡され髪が黒くなります。
髪を黒くするためには、メラノサイトを活性させることが重要となります。細胞の増殖に関与するIGF-1にはメラノサイトを活性化させる作用が期待できます。実際にマウス実験でIGF-1を増やすとメラニン色素が増えることが確認されています。
アスタキサンチンにはIGF-1を増やす働きがあります。
白髪を増やさない 血流アップ&抗酸化【日経ヘルス19年2月号】 黒髪を保つ3つのポイント
日経doors 日経BP
白髪と薄毛の原因としくみ、どう違うの? 薄毛と白髪の関係/抜け毛予防
毎日が発見ネット
美肌
10点
「美肌」作り に関するアスタキサンチンの働きは主に次です。
- 光老化
「光老化」とは、太陽光線を浴び続けることにより、皮膚に現れるシミ、シワ、たるみなどの老化現象のことをいいます。光老化の原因は紫外線です。紫外線には、紫外線UVAと紫外線UVBがあり、波長の長さにより肌への到達が異なります。
地上に届く紫外線の約95%はUVAです。UVAは浸透力が強く、浴びた2~3割が肌の奥の真皮にまで到達します。そして、そこで活性酸素を生み出します。
UVAにより生じる活性酸素は、肌のハリや弾力を生み出すコラーゲンやエラスチンを変性させてしまいます。これはしわ・たるみの原因となります。
UVAにより生じる活性酸素は主に一重項酸素です。アスタキサンチンには一重項酸素を消去する力があります。
実年齢より年上に見られたことはありませんか?【マスターホワイト】
単にあるのでなく、数ある栄養成分の中で1番あるとされています。その力はカロテノイドの代表格 β-カロテンの約5倍です。 - 脂質過酸化抑制
繊維芽細胞は美肌成分(コラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸)を産生する細胞です。
その細胞膜が活性酸素の攻撃を受け過酸化脂質になると、美肌成分をつくりだす力が衰えてしまいます。
それだけなく、まわりにあるたんぱく質(コラーゲン・エラスチン)を破壊したり変性させたりします。こちらは真皮層のイラストです。
ひし形内の〇が繊維芽細胞(すべてのひし形内にあります)、ひし形の線部分がコラーゲン、線部分のつなぎめがエラスチン、ひし形内にあるのがヒアルロン酸などの基質です。
コラーゲンやエラスチンが破壊されると、肌のハリ・弾力は失われます。
アスタキサンチンは細胞膜を縦に貫通する形で存在し、そこで強力な抗酸化作用を発揮します。
それにより過酸化脂質の生成を抑制します。イコール美肌成分を守ります。 - 抗炎症作用
紫外線、アレルゲン、大気汚染などは肌に炎症を引き起こします。
肌の表皮層で起こる炎症はシミ・シワ・バリア機能低下・乾燥などの肌トラブルの要因となります。
出典元
肌状態の悪化抑制
アスタキサンチンLAB
アスタリール(株)ここでシワの原因にクローズアップしたいと思います。
表皮層で起こった炎症は、真皮層に作用してマトリックスメタロプロテアーゼ-1(MMP-1)を分泌させます。MMP-1は、真皮層の主成分であるコラーゲンを分解する酵素です。つまりMMP-1の発現が増えるとコラーゲンは減少=シワが増加します。
アスタキサンチンには強い抗炎症作用があります。それゆえ、炎症によるMMP-1の増加を抑制する働きが期待できます。
アスタキサンチンの抗炎症作用は、乾燥やバリア機能低下も抑制します。肌を良好な状態に維持するのに貢献する成分です。
参照アスタキサンチンで、飲む『先制美容』環境や加齢が引き起こす肌状態の悪化を抑制する作用をヒトで確認
PR TIMES
(株)PR TIMES - 肌の保湿力
アスタキサンチンには皮膚の水分蒸散量を低減させ、水分保持機能の低下を抑制する=肌の保湿力を高める効果が期待できます。本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究した結果、有効成分としてアスタキサンチンのみを経口で服用することにより、皮膚の水分蒸散量を低減させ、水分保持機能の低下を抑制する効果が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
引用元
公開特許公報(A)_アスタキサンチンを有効成分として含有する皮膚の水分蒸散量低減剤
国立研究開発法人科学技術振興機構富士フイルムのアスタキサンチンサプリ【飲むアスタキサンチンAX】の商品キャッチコピーの1つが「肌の潤いを守る」となっています。
美白
10点
「美白」ケア に関するアスタキサンチンの働きは主に次です。
- 一重項酸素
紫外線を浴びると肌に大量に活性酸素が発生します。発生した活性酸素が肌にあるメラノサイトを刺激しメラニンの大量生成を促します。大量にできたメラニンが肌のターンオーバーとともに排出されなければ、シミとなって肌の表面に現れます。
※イラスト中の 活性酵素→活性酸素に訂正紫外線により生じる活性酸素は主に一重項酸素です。
なので、紫外線が原因でできるシミの対策には、一重項酸素に対して消去能をもつ「カロテノイド」を取ることが有効と考えられます。
カロテノイドの中で、一重項酸素を消去する力が一番あるとされているのがアスタキサンチンです。 - チロシナーゼ活性抑制
メラニンはチロシンとチロシナーゼ酵素が結合することで作られます。チロシナーゼが活性されるとシミのもととなるメラニンがたくさん作られてしまいます。
なので、チロシナーゼの活性を抑制することがメラニンの大量生成を防ぐために重要となります。
アスタキサンチンはチロシナーゼの活性を抑制します。酵素活性に関する研究では,メラニン生合成に関与するチロシナーゼの活性を抑制したり,コラーゲンやエラスチンなどの分解酵素の活性を阻害した.
引用元
シンポジウム記録 水産物由来健康機能成分の機能解析
J-STAGE - 脂質過酸化抑制
「過脂化」とは体内に過酸化脂質が蓄積した状態のことをいいます。
過酸化脂質が肌のメラノサイト内に蓄積されると通常のメラニンとは異なる過脂化メラニン生み出し「より濃く、より長く居座るシミ」を生み出すことになります。過脂化を防ぐには、なにより体内の脂質が過酸化脂質に変化するのを防ぐことです。
アスタキサンチンは過酸化脂質の生成を防ぎます。
筋肉
6点
「筋肉」増強 に関するアスタキサンチンの働きは主に次です。
- 抗筋肉疲労作用
活性酸素は激しい運動により生じます。この活性酸素が筋肉の細胞を攻撃すると、筋肉が損傷し、筋肉疲労を感じるようになります。アスタキサンチンを経口摂取すると筋肉に蓄積され、筋肉の細胞を活性酸素から守る働きをします。なので、運動する前に摂取しておくと運動時・運動後の筋疲労の軽減に役立つと考えられます。
なお、アスタキサンチンには運動後の血中乳酸濃度を低下させる効果があることも確認されています。
脂肪
8点
「脂肪」減少 に関するアスタキサンチンの働きは主に次です。
- 脂肪燃焼促進
3大栄養素のエネルギー源として利用される順番は【①糖質→②脂質→③たんぱく質】です。身体活動に使われるエネルギー源は主に糖質と脂質と考えてください。
短距離走や筋トレなど高強度の運動ではエネルギーとして糖質が優先的に使われます。
ジョギング・ウォーキングなどの有酸素運動では糖質、脂質が使われます。
体内で 糖質が不足してくると脂質がエネルギーとして利用されるようになります。
「糖質をメインにエネルギーを使う」から「脂質をメインにエネルギーを使う」にシフトすることが脂肪燃焼を促進することにつながります。
アスタキサンチンには脂質をエネルギーに変えやすくさせる働きがあります。さらに、糖のかわりに身体に蓄積されている脂質をエネルギーに変えやすくしてくれる効果があるため、アスタキサンチンを摂って運動すると、脂肪を減らしやすくなり、その上疲労が残らないため運動も継続しやすくなり、ダイエットにも効果があるといえます。
引用元
筋肉痛を抑え運動能力を向上
身体を守る赤いパワー スーパーカロテノイド アスタキサンチン
富士フイルム ヘルスケア未来研究所そのメカニズムとして、アスタキサンチンがCPT-1の酸化変性を抑制し、脂肪酸がミトコンドリア内に入ることを促進させる が考えられます。
そのメカニズム解析として,長鎖脂肪酸がエネルギー源としてミトコンドリアに入ることをAXが促進し,脂質代謝の律速酵素であるCPT-1の酸化変性をAXが抑制することも示している.
引用元
補完代替医療素材としてのアスタキサンチン
J-STAGE※AX=アスタキサンチン
アスタキサンチンはダイエットに役立つ成分です。
脂肪酸の運搬について脂肪が分解され、生じた脂肪酸は、血中に放出されて骨格筋などでエネルギー源として利用されます。そのためには細胞内のミトコンドリアに運ばれる必要があります。
ミトコンドリアは外膜と内膜の二重の生体膜で構成されています。外膜はおおもとを囲っている線、内膜はくねくねした部分の線です。内膜に囲まれた内側をマトリックスといいます。脂肪酸をエネルギーに変える場所はミトコンドリアのマトリックスです。
脂肪酸は一時的にカルニチンと結合し脂肪酸アシルカルニチンになることでミトコンドリア内膜を通過することができます。脂肪酸アシルカルニチンへ変換する反応を触媒する酵素はCPT-1です。この酵素はミトコンドリア外膜にあります。
この酵素の活性が高まると脂肪酸のミトコンドリアへの輸送が促進=脂肪の燃焼が促進されます。
- アディポネクチン
脂肪細胞から分泌される生理活性物質を総称してアディポサイトカインといいます。
アディポサイトカインには善玉と悪玉があります。アディポネクチンは善玉アディポサイトカインの1つで動脈硬化を防ぐ働きをします。さて、昨今メディアでアディポネクチンが痩せホルモンとして話題になることが多くなっています。
理由はアディポネクチンに脂肪を燃焼させる&脂肪の蓄積を防ぐ働きがあるからです。
アディポネクチンを増やす成分で有名なのはβ-コングリシニン、EPA、マグネシウム、オスモチン、リコピンなどです。
アスタキサンチンにもアディポネクチンを増やす働きがあるとされています。ほかに魚介類では、サケやエビ、カニなどに含まれている赤い色素成分「アスタキサンチン」もアディポネクチンの働きを助けるといわれています。
引用元
「やせホルモン」と呼ばれる「アディポネクチン」って何?
はじめよう!ヘルシーライフ オムロン ヘルスケア(株) -
PPARγアンタゴニスト
PPARγは、核内受容体スーパーファミリーに属する転写因子です。PPARγは脂肪組織に多く発現し、脂肪細胞分化を促進させます。小型の脂肪細胞の数を増やすことでアディポネクチンを増加させ、インスリン感受性を高めることが示されています。PPARγの外因性リガンドであるチアリゾン誘導体は、PPARγのアゴニストとして作用します。そのためインスリン抵抗性改善薬として活用されています。
これらチアゾリジン誘導体は、TNF-αの発現を抑制しインスリン抵抗性を改善、アディポネクチンを増加させ、インスリン感受性を高める一方で、PPARγアゴニストとして脂肪細胞の分化を促進し、副作用として体重増加、呼吸困難、浮腫、心不全など複数の副作用が報告されている。
引用元
公開特許公報(A)_細胞選択的セレクティブPPARγモジュレーター
国立研究開発法人科学技術振興機構一方で、副作用として(脂肪量を増加させるので)肥満につながります。
なので、PPARγのアンタゴニストとして働く成分を取れば、この副作用を防止することができます。アスタキサンチンはその1つと考えられます。本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究を行った結果、アスタキサンチン及び/又はそのエステルを含有する有効成分が、細胞選択的セレクティブPPARγモジュレーター(SPPARM)であり、特に脂肪細胞においてPPARγアンタゴニストとして働き脂肪蓄積を抑制すること、更に糖尿病薬として用いられているPPARγアゴニストとの併用で副作用である肥満を抑制したことを見出し、これらの知見に基づいて、本発明を完成するに至った。
引用元
公開特許公報(A)_細胞選択的セレクティブPPARγモジュレーター
国立研究開発法人科学技術振興機構用語についてリガンドとは特定の受容体に特異的に結合する物質のことです。受容体に結合し、受容体を活性化させます。リガンドの例としてホルモン、神経伝達物質などがあげられます。
内因性のリガンドは体内で産生され、体内の受容体に結合するものです。
外因性のリガンドとは体外から取り込まれ、体内でリガンドとして働くものをいいます。受容体に結合しリガンドと同じように作用(受容体を活性化)する物質をアゴニスト
受容体に結合しリガンドの働きを弱める物質をアンタゴニストといいます。
アスタキサンチンの働き分析【中身編】
合計 50.5/60点
身体
6点
「身体」の構成材料 に関わるアスタキサンチンの働きは主に次です。
- 骨
アスタキサンチンは次の2点により、「骨」に関与している成分と考えられます。 ◆破骨細胞の分化を抑制する
正常な骨では骨形成と骨吸収のバランスが保たれています。骨芽細胞
骨を作る細胞です。コラーゲンを分泌させ、そこにリン酸カルシウムを付着させ骨を作ります。
骨が作られることを骨形成といいます。破骨細胞骨吸収>骨形成の状態が続くと骨量が減ります。
骨を溶かす細胞です。酸と酵素でカルシウムとコラーゲンを溶かします。
骨が壊されることを骨吸収といいます。
ということで、破骨細胞の(過剰な)分化を抑制する【=骨吸収を抑制する】ことは、健康な骨を維持することにつながります。アスタキサンチンには破骨細胞の分化を抑制する働きがあるとされます。
本発明者らは、ゼアキサンチンおよびアスタキサンチンが骨代謝改善に有用である破骨細胞分化抑制効果を有することを見出し、それを基に本発明を完成するに至った。
引用元
公開特許公報(A)_ゼアキサンチンまたはアスタキサンチンを有効成分とする骨代謝改善剤
国立研究開発法人科学技術振興機構◆コラーゲンを守る
骨の約20%はコラーゲンです。骨基質(骨の組織において、骨細胞間を満たす物質)に関していえば約90%はコラーゲンでできています。コラーゲン繊維は架橋によって分子間がつながっています。コラーゲンが糖化されると、この架橋が無秩序かつ過剰に形成されるようになります。
出典元
老化を進める「糖化」から身を守る対策とは?
日経グッデイ
日本経済新聞社通常は「コラーゲン架橋」ですが、無秩序かつ過剰に形成された架橋は「悪玉架橋(AGEs架橋)」と呼ばれます。
AGEs架橋が形成されるとコラーゲンが破壊されます&変性します=骨質を悪化させます。
酸化ストレスはAGEsの生成を促進させます。アスタキサンチンは酸化ストレスを軽減させます。
エネルギー
7点
「エネルギー」生成 に関わるアスタキサンチンの働きは主に次です。
- AMPK
AMPキナーゼ(AMPK)は、細胞のエネルギーセンサーのような役割を果たしている酵素です。運動などをしてエネルギーが不足するとこの酵素が活性され、
糖の筋肉細胞へ取り込みや脂肪酸のβ酸化が促進されます→エネルギー代謝が促進されます。
また、糖新生を抑制します→エネルギー消費が抑制されます。.
AMPKはATPのレベルを回復させます。アスタキサンチンが、骨格筋においてAMPKを介した運動模倣薬的な作用をしていることが研究により判明しています。
- アディポネクチン
アディポネクチンは、脂肪細胞から分泌される善玉ホルモンの一種です。アディポネクチンはインスリン感受性を高めます=血液中の糖が筋肉細胞で利用されやすくなります。
アディポネクチンは脂肪酸のβ酸化を促します=脂肪の燃焼を促進させます。
ということで、アディポネクチンは糖・脂質のエネルギー代謝に深く関わる生理活性物質です。研究で、アスタキサンチンがアディポネクチンを増やすことが確認されています。
アスタキサンチンが糖・脂質などのエネルギー代謝を改善するメカニズムを解明~老年学/老年医学において論文引用数第1位の国際学術誌に掲載~
プレスリリース
富士化学工業(株)
アスタキサンチンが骨格筋の質を向上し、糖尿病を改善するメカニズムを解明
ニュース
富山大学
血管を若返らせるアスタキサンチン
身体を守る赤いパワー スーパーカロテノイド アスタキサンチン
富士フイルム ヘルスケア未来研究所
病気
10点
「病気」予防 に関わるアスタキサンチンの働きは主に次です。
- 動脈硬化
血液中のLDLコレストロールが酸化されると酸化LDLに変わり血管壁に沈着します。そうなると血管の内側は細くなって動脈硬化を引き起こします。抗酸化作用を有するアスタキサンチンはLDLコレストロールの酸化を防ぐ働きをします。
リンク
- がん
強い抗酸化作用や抗炎症作用を有するアスタキサンチンはがんの抑制に有効です。
マウス実験で、アスタキサンチン投与したグループは投与していないグループに比べてがん発症率が低いことが判明しています。 - 潰瘍性大腸炎・大腸がん
潰瘍性大腸炎とは、大腸の粘膜に炎症が起きることにより、びらんや潰瘍ができる大腸の病気です。抗炎症作用を有するアスタキサンチンは潰瘍性大腸炎やそれによって誘発される大腸癌に対して予防効果を示すことが研究により分かっています。
アスタキサンチンが、潰瘍性大腸炎や大腸発癌に対して予防効果を示すことを見出した。その作用機構として、アスタキサンチンが大腸組織においてNF-κBの活性化抑制を介して炎症性サイトカインの遺伝子発現を制御することが推察された。
引用元
海洋性カロテノイドの抗炎症作用をターゲットとした生活習慣病予防機能の解明
KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所) - 糖尿病
アスタキサンチンの摂取は糖尿病予防にもなります。詳細についてはエネルギー項目の参照一覧の参照元をご覧ください。リンク - 眼疾患
目には血液網膜関門と呼ばれるものがあります。血液網膜関門は循環血液と網膜神経組織の間に存在するバリア機能のことです。
アスタキサンチンはこの関所を通過し、目で強い抗酸化作用発揮します。アスタキサンチンの摂取は、活性酸素が原因の眼疾患の予防になります。
体質
10点
「体質」改善 に関わるアスタキサンチンの働きは主に次です。
- 抗炎症
炎症とは、身体を守る生体の防御反応のことです。防御反応として「かゆみ、痛み、腫れ」などの症状を生じます。刺激を受け組織が損傷を受けた時、まず細胞膜にあるリン脂質はアラキドン酸に変わります。そしてシクロオキシゲナーゼ(COX)と呼ばれる酵素の作用によってプロスタグランジンが生成されます。
このプロスタグランジンの作用によって引き起こされるのが「発赤、熱感、腫脹」などの症状です。アスタキサンチンにはプロスタグランジンを生成するシクロオキシゲナーゼ(COX)の活性を阻害する作用があるとされています。
- 目
アスタキサンチンは目で強い抗酸化作用と抗炎症作用を発揮します。眼精疲労軽減やピント調節機能改善に有効です。「目」のサプリメントに主成分として配合されています。 - 肩こり
アスタキサンチンの血流改善作用は肩こりに効くと考えられます。 - 免疫力
アスタキサンチンには免疫賦活作用があります。 - スポーツ貧血
赤血球は、肺から末梢の組織に酸素を届ける役割を果たしています。
赤血球の直径より狭い毛細血管の間を 形態を変化させ(赤血球の変形能といいます)、通り抜けながら末梢の組織に酸素を届けています。その間に酸化的ストレスを受けます。
酸化ストレスを受けると変形能が低下します&細胞膜が弱くなります。そのダメージが大きいと、赤血球そのものが壊れてしまいます。さて、強い抗酸化作用を有するアスタキサンチンは赤血球を酸化ストレスから守ります。
アスタキサンチンが赤血球の酸化的損傷抑制、赤血球の硬化防止、赤血球の安定化に効果があることが知られている
引用元
特許公報(B2)_血管不全改善剤
国立研究開発法人科学技術振興機構なので、アスタキサンチンの摂取はスポーツ貧血の予防になると考えられます。
ちなみに、スポーツ貧血とは激しい運動をすることで(足裏の衝撃で)、赤血球が壊れ、ヘモグロビンが溶出する「溶血」によって起こる貧血のことをいいます。 - ピロリ菌
ピロリ菌は、正式にはヘリコバクター・ピロリという細菌で、胃の表層を覆う粘液の中に住みつく菌です。ピロリ菌に感染すると、胃の粘膜が傷つけられたり、胃の粘膜に炎症が起こります。炎症が慢性的に続くと、胃潰瘍、十二指腸潰瘍や胃がんなどの病気を引き起こす可能性があります。
ピロリ菌感染がある場合も、特徴的な症状はありません。以前は「日本人の2人に1人が、40歳以上は7割がピロリ菌に感染している」と言われていました(衛生環境が整ったことにより感染割合は減少しています)。
アスタキサンチンにはピロリ菌抑制作用があります。 - 不眠症
マウス試験により、アスタキサンチンに睡眠改善効果があることが確認されています。ただし、単独の効果ではなく「亜鉛と一緒にとることで生まれる」効果です。リンク - 加齢臭
加齢に伴う臭いの原因物質は「ノネナール」です。ノネナールは40歳を過ぎたころか大量に発生するようになります。男女問わずです。
アスタキサンチンにノネナールを特異的に発生させない作用があることが確認されています。
アクテージ痛み情報局 アクテージ 武田コンシューマーヘルスケア(株)
ピロリ菌のお話.jp 武田薬品工業(株)
「アスタキサンチン」と「亜鉛」の摂取による睡眠改善効果を確認
富士フイルム ヘルスケア未来研究所
アスタキサンチンに加齢臭抑制効果
富士化学工業(株)
精力
7.5点
「精力」増進&「性機能」向上 に関わるアスタキサンチンの働きは主に次です。
- 男性不妊
精巣内での酸化ストレスは不妊の原因となります。
強い抗酸化作用をもつアスタキサンチンは男性不妊予防になる成分です。 - 女性不妊
活性酸素は子宮内や卵子の質にも影響を与えます。
強い抗酸化作用をもつアスタキサンチンは妊活サプリによく配合されています。リンク
健脳
10点
「脳」の健康 に関わるアスタキサンチンの働きは主に次です。
- 脳の健康維持
脳は体内で最も酸素を消費する場所です。これは活性酸素が大量に発生している場所と言い換えることができます。
脳は臓器の中で最も脂質を多く含んだ組織といわれています。これは酸化されやすい物質が多い組織と言い換えることができます。ということで、脳には活性酸素を除去する抗酸化物質の存在が非常に重要になります。
さて、抗酸化物質はいろいろありますが、血液脳関門を通過できるものは限られています。
血液脳関門血液脳関門とは、脳毛細血管の内皮細胞同士の密着結合により形成されているバリア機能のことです。
血液脳関門は脳に有害な物質を通さないために、その物質が脳に必要なものかを判別している「関所」とよく例えられます。
アスタキサンチンは血液脳関門を通過できる数少ない抗酸化物質の1つです。
- 記憶力向上 その1
研究により、アスタキサンチンを長期間摂取することで濃度依存的に海馬の神経新生が促進され、記憶力が向上することが確認されています。 - 記憶力向上 その2
研究により、アスタキサンチン+低強度運動で記憶力向上効果がさらに高まることが、確認されています。この相乗効果には、海馬内のレプチンが関与するとされています。脂肪細胞由来(脂肪細胞から分泌されるレプテインではなく)では、脳由来のレプチンという点が注目です。 - 血流改善
脳内へ血流量が増えると脳の神経細胞の働きが活発になり、記憶力・集中力・学習力が増強します。アスタキサンチンには血流改善効果があります。
天然色素・アスタキサンチン摂取による記憶能の向上! ―海馬の神経新生および空間記憶能の促進効果と分子基盤を解明―
お知らせ・情報 筑波大学
アスタキサンチン摂取は軽運動による海馬機能向上効果をさらに増強する
お知らせ・情報 筑波大学
アスタキサンチンのサプリメント紹介
アスタキサンチンが含まれているサプリメントを紹介します。
アスタキサンチンのまとめ
分析【見た目編】50点
分析【中身編】50.5点
アスタキサンチン 自然界最強の抗酸化成分 参照一覧
身体を守る赤いパワー スーパーカロテノイド アスタキサンチン 富士フイルム ヘルスケア未来研究所
アスタキサンチンLAB アスタリール(株)
ライフサイエンス事業 富士化学工業(株)
アスタキサンチン オリザ油化(株)
アスタキサンチン含有ヘマトコッカス藻色素製剤の開発 ヤマハ発電機(株)
Vol.3 エイジングケアの革新的成分「アスタキサンチン」 (株)コーセー
緑藻ヘマトコッカスによるアスタキサンチンの生産とその利用 J-STAGE
ヘマトコッカス藻由来アスタキサンチン:アスタリールの安全性 J-STAGE
補完代替医療素材としての アスタキサンチン J-STAGE
アスタキサンチン含有ソフトカプセル食品の肩血流量及び肩凝りに対する影響 J-STAGE
疾病予防に向けたアスタキサンチン研究の最前線 J-STAGE
シンポジウム記録 水産物由来健康機能成分の機能解析 J-STAGE
マリンカロテノイドの炎症性疾患予防作用 日本微量栄養素学会
海洋性カロテノイドの健康機能 (一財)食品分析開発センターSUNATEC
アスタキサンチンの日焼け止め ~ハイパースペクトルカメラと電顕で見えてきたヘマトコッカス藻の強光回避戦略〜 東京大学大学院新領域創成科学研究科
活性酸素に攻め勝つアスタキサンチン がん、心臓病、脳梗塞、糖尿病から美肌づくりまで
各種ビタミンの健康への効果を紹介した書籍 ハート出版ふるさと文庫